JPH06210651A - ノルボルネン系樹脂複合成形品の製造方法 - Google Patents

ノルボルネン系樹脂複合成形品の製造方法

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JPH06210651A
JPH06210651A JP2325593A JP2325593A JPH06210651A JP H06210651 A JPH06210651 A JP H06210651A JP 2325593 A JP2325593 A JP 2325593A JP 2325593 A JP2325593 A JP 2325593A JP H06210651 A JPH06210651 A JP H06210651A
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norbornene
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resin
mold
molded product
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JP2325593A
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Munetoshi Nakano
宗俊 中野
Masao Torii
正夫 鳥居
Mototoshi Yamato
元亨 大和
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Zeon Corp
Original Assignee
Nippon Zeon Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 一決めが容易な複合化要部材を用いることに
より、割れや反り等の変形が生じないノルボルネン系樹
脂成形品の製造方法を提供する。 【構成】 均一な厚みのノルボルネン系樹脂で表面をく
るんだ金属等の芯材を金型内に配置し、メタセシス触媒
系の存在下にノルボルネン系モノマーを金型内で塊状重
合する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、複合化用部材の存在下
に、ノルボルネン系モノマーのメタセシス触媒系を用い
た金型内での塊状重合反応により成形するノルボルネン
系樹脂複合成形品の製造方法に関し、さらに詳しくは、
前記複合化用部材がノルボルネン系樹脂を外層とし、剛
性を有する芯材を内包して成る複合成形品の製造方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】金属板や金属棒などの剛性を有する芯材
を金型内に設置しておき、これらの部材と金型内面との
空隙に、ノルボルネン系モノマーとメタセシス触媒系を
含む反応液を注入し、金型内で塊状重合することによ
り、ノルボルネン系樹脂中にこれらの部材をインサート
(挿入)した複合成形品を製造する方法は、一般に公知
の方法である(特開平3−10816号等)。ところ
が、これらの複合成形品は、成形時にノルボルネン系モ
ノマーが塊状重合して硬化する際の樹脂の収縮や重合反
応熱による樹脂と部材との熱収縮率の差により樹脂中に
残留応力が残るため、成形品の外観上問題がないように
見えても長期間に渡る使用や冷熱サイクルテスト等を行
うと、成形品に割れが生じたり、反り等の変形が起こる
という問題がある。
【0003】残留応力の発生を抑制する方法として、樹
脂中に各種充填剤を配合することにより樹脂層の収縮を
低減させる方法が一般に知られている。しかしながら、
ノルボルネン系モノマーをメタセシス触媒系を用いて金
型内で塊状重合する方法においては、低粘度の反応液へ
の多量の充填剤の均一な分散や成形時の充填剤の偏在防
止等の操作が煩雑で、しかも充填剤の種類によっては、
メタセシス触媒系による重合阻害が問題となる。
【0004】また、金属挿入体の芯材を硬質発泡体で被
覆した構造の複合化用部材を使用することによって、樹
脂の収縮を発泡体が吸収し、残留応力を少なくして樹脂
の割れや反りのない複合成形品を製造する方法が提案さ
れている(特開平4−21415号)。この方法では、
樹脂の割れや反りはなくなるが、ポリウレタン等の発泡
体自体が柔軟なため複合化用部材の位置決めが困難であ
り、また、異種材料を用いるため、そのための設備を別
途必要とするという問題がある。
【0005】更に、金属挿入体の芯材と金型内面との間
に補強用繊維を配置して、ノルボルネン系モノマーを含
む反応液を注入し複合成形品を製造する方法が提案され
ている(特開平4−249119号)。この方法によれ
ば、金属挿入体と樹脂層の熱収縮率の違いが少なくなる
ため、残留応力も少なくなり、割れや反りのない複合成
形品を得ることができるが、充填材として繊維を使用す
るので、作業が煩雑な上、成形時に未充填部が出来た
り、塗装する際に繊維が成形品の表面に露出するという
問題がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、位置
決めが容易な複合化用部材を用いることにより、煩雑な
操作を必要とせず、割れや反り等の変形が生じないノル
ボルネン系樹脂成形品の製造方法を提供することにあ
る。
【0007】本発明者らは、前記従来技術の問題点を克
服するために鋭意研究した結果、金属等の芯材の周囲に
ノルボルネン系樹脂層を略均一にして形成すると、ノル
ボルネン系樹脂と剛性を有する芯材の熱収縮率が異なっ
ていても、残留応力が樹脂の各部に均一に分散して生じ
るため部位による残留応力の差がなく、割れや反り等の
変形のない成形品が製造できること、更に該成形品を複
合化用部材としてインサート成形を行うと、複合化用部
材の周囲に肉厚差があり、芯材を直接インサート成形す
ると割れや反りを生じやすい形状の成形品でも、かかる
欠点を生じない複合成形品を成形できることを見いだ
し、本発明を完成するに至った。
【0008】
【課題を解決するための手段】 かくして本発明によれ
ば、複合化用部材を配置した金型内に、ノルボルネン系
モノマーとメタセシス触媒系を含有する反応液を注入し
て塊状重合することにより、前記複合化用部材を内包す
るノルボルネン系樹脂複合成形品を製造する方法におい
て、前記複合化用部材として略均一の厚みに形成された
ノルボルネン系樹脂を外層とする芯材を用いることを特
徴とするノルボルネン系樹脂複合成形品の製造方法が提
供される。
【0009】以下、本発明について詳述する。 A.複合化用部材 本発明で用いる複合化用部材は芯材とそれを覆うノルボ
ルネン系樹脂で形成される。 (a)芯材 芯材は、ノルボルネン系樹脂に比較して強い剛性を有す
るものであれば特に制限はなく、その具体例としては、
エポキシ樹脂、フェノール樹脂、不飽和ポリエステル樹
脂、ポリイミド樹脂、ポリウレタン樹脂などの熱硬化性
樹脂;ポリアミド樹脂などの結晶性熱可塑性樹脂;アル
ミニウム、鉄、ステンレス、銅などの金属;Al−Mn
やAl−Znなどの合金;金属による表面処理を行った
物質;木材、セラミック、ガラス、石、セメント等の比
較的硬質の物質を挙げることができる。中でもノルボル
ネン系樹脂との熱収縮率の違いが大きく、大きな残留応
力を生じやすい金属製芯材を用いる場合に本発明は特に
有効である。しかし、重合時の樹脂の収縮等により容易
に変形し、かつ、その変形によって樹脂の応力が分散・
除去されるような材質の部材には、特に本発明の方法を
適用する利点はない。
【0010】芯材の形状には、特に制限はなく、例え
ば、棒状体、板状体、中空体、その他成形品の形状に合
わせた任意の立体形状体、あるいはコイルやコンデンサ
ー等の封止対象となる電気・電子部品などを例示するこ
とができる。
【0011】(b)複合化用部材外層 本発明においては、ノルボルネン系樹脂が前記芯材を内
包する複合化用部材外層として用いられる。この外層は
厚みを略均一として成形される。
【0012】芯材の周囲のノルボルネン系樹脂の厚みを
略均一とすることで、残留応力が該樹脂全体に均一にか
かり、部分的に大きな応力がかからないため樹脂層での
ワレや反りが防止できる。このノルボルネン系樹脂層の
厚みが略均一でない場合には、厚みの異なった部分に不
均一な応力が発生し、ノルボルネン系樹脂の割れや反り
の原因となる。特に、芯材が角部(コーナー部)を有
し、そのコーナー部を境界として樹脂層の厚みが変化す
る形状の場合にこのような割れや反りが発生しやすい。
【0013】この原因は定かではないが、成形品に肉厚
差があるために、硬化反応に部分的な差があり、肉厚部
分の樹脂が先に硬化収縮し、その時点ではまだ未硬化の
肉薄部分の樹脂が肉厚部分の樹脂の硬化収縮に引きずら
れた状態で硬化するため応力が発生するものと考えられ
る。
【0014】(ノルボルネン系モノマー)外層として用
いるノルボルネン系樹脂はメタセシス触媒の存在下にノ
ルボルネン系モノマーの塊状重合により重合される。ノ
ルボルネン系モノマーは、ノルボルネン環をもつもので
あればいずれでもよいが、三環体以上の多環ノルボルネ
ン系モノマーを用いると、熱変形温度の高い重合体が得
られ複合成形品として要求される耐熱性を満たすことが
できる。また、本発明においては、生成する重合体を熱
硬化型とすることができ、そのためには全モノマー中の
少なくとも10重量%、好ましくは30重量%以上の架
橋性モノマーを使用してもよい。
【0015】ノルボルネン系モノマーとしては、例え
ば、ノルボルネン、ノルボルナジエンなどの二環体;ジ
シクロペンタジエンやジヒドロジシクロペンタジエンな
どの三環体;テトラシクロドデセンなどの四環体;トリ
シクロペンタジエンなどの五環体;テトラシクロペンタ
ジエンなどの七環体;これらのアルキル置換体(例え
ば、メチル、エチル、プロピル、ブチル置換体など)、
アルケニル置換体(例えば、ビニル置換体など)、アル
キリデン置換体(例えば、エチリデン置換体など)、ア
リール置換体(例えば、フェニル、トリル、ナフチル置
換体など)、エステル基、エーテル基、シアノ基、ハロ
ゲン原子などの極性基を有する置換体;などが例示され
る。これらのノルボルネン系モノマーは、それぞれ単独
で、あるいは2種以上を組み合わせて使用することがで
きる。また、これらのノルボルネン系モノマーの中で
も、入手の容易さ、反応性、耐熱性等の見地から、三環
体ないし五環体が賞用される。
【0016】架橋性モノマーとしては、反応性の二重結
合を2個以上有する多環ノルボルネン系モノマーを使用
することができ、その具体例として、例えば、ジシクロ
ペンタジエン、トリシクロペンタジエン、テトラシクロ
ペンタジエンなどが挙げられる。したがって、ノルボル
ネン系モノマーと架橋性モノマーが同一物である場合に
は、格別他の架橋性モノマーを用いる必要はない。
【0017】なお、上記ノルボルネン系モノマーの1種
または2種以上と共に開環重合し得るシクロブテン、シ
クロペンテン、シクロペンタジエン、シクロオクテン、
シクロドデセンなどの単環シクロオレフィンなどを、本
発明の目的を損なわない範囲で併用することができる。
【0018】(メタセシス触媒系)ノルボルネン系モノ
マーの重合触媒は、ノルボルネン系モノマーの開環重合
用触媒として公知のメタセシス触媒と活性剤とからなる
メタセシス触媒系であればいずれでもよい。メタセシス
触媒の具体例としては、タングステン、モリブデン、タ
ンタルなどのハロゲン化物、オキシハロゲン化物、酸化
物、有機アンモニウム塩などが挙げられ、また、活性剤
(共触媒)の具体例としては、アルキルアルミニウムハ
ライド、アルコキシアルキルアルミニウムハライド、ア
リールオキシアルキルアルミニウムハライド、有機スズ
化合物などが挙げられる。
【0019】メタセシス触媒は、ノルボルネン系モノマ
ー1モルに対し、通常、約0.01〜50ミリモル、好
ましくは0.1〜20ミリモルの範囲で用いられる。活
性剤は、触媒成分に対して、好ましくは1〜10(モル
比)の範囲で用いられる。
【0020】メタセシス触媒および活性剤は、いずれも
モノマーに溶解して用いる方が好ましいが、生成物の性
質を本質的に損なわない範囲であれば少量の溶剤に懸濁
または溶解させて用いてもよい。
【0021】(任意成分)ノルボルネン系モノマーに
は、酸化防止剤、充填剤、補強材、発泡剤、顔料、着色
剤、エラストマーなどの添加剤を配合することができ
る。これらの添加剤は、通常、モノマーに溶解ないしは
分散させて配合するが、金型内に配設しておく場合もあ
る。
【0022】反応液に添加するエラストマーとしては、
例えば、天然ゴム、ポリブタジエン、ポリイソプレン、
スチレン−ブタジエン共重合体(SBR)、スチレン−
ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SBS)、ス
チレン−イソプレン−スチレン共重合体(SIS)、エ
チレン−プロピレン−ジエン・ターポリマー(EPD
M)、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、及び
これらの水素化物などが挙げられる。これらのエラスト
マーを反応液に添加すると、得られる成形品に耐衝撃性
が付与されるだけではなく、反応液の粘度を調節するこ
とができる。
【0023】(c)複合化用部材の製造方法 (複合化用部材の金型への配置)本発明においては、予
め芯材を金型内面との間に均一な空隙が生じるように支
持して金型内に設置しておき、その空隙に、塊状重合用
反応液を供給し、金型内で塊状重合させることにより、
ノルボルネン系樹脂と芯材とが一体化した複合化用部材
を製造する。
【0024】複合化用部材周囲の樹脂の厚みそのものに
制限はないが、好ましくは10mm以下、さらに好まし
くは2mmから6mm程度とすることが望ましい。肉厚
が厚くなると複合化用部材を金型へ正確に位置決めしに
くくなり、薄いと硬化反応が不十分になり、満足な物性
の成形品とならない。
【0025】ここで、複合化用部材周囲の樹脂の厚みを
略均一にするとは、複合化用部材周囲の樹脂の厚みを±
15%程度,より好ましくは±10%程度以内にそろえ
ることをいう。
【0026】この複合化用部材を製造する場合には、通
常、該部材の所望の箇所に、合成樹脂やエラストマー、
金属などで形成された支持体を設けて、金型内で部材の
位置が反応液によりずれることを防止し、かつ、部材と
金型内面との間に間隙を設け、均一な樹脂層を外周層と
して形成させる。
【0027】支持体の形状としては、円筒形、平板状、
円錐形、円錐台形など種々な形を取ることができる。支
持体を芯材に取り付けるには、その表面に支持体を接着
して固定したり、または輪ゴム状にして巻きつけるな
ど、適宜の方法がある。また、ポリスチレン、ポリエチ
レン、ポリプロピレン、EPDMなどのオレフィン系ポ
リマーや炭化水素系エラストマーで形成された支持体を
用いると、支持体とノルボルネン系樹脂との密着性を強
固にすることができる。また、ガラスマットなどの補強
用繊維を板状の部材の上下に配置したり、あるいは補強
用繊維で部材を包んで金型内に配置すれば、反応液がこ
れら補強用繊維に含浸するため、支持体を用いなくても
よい。
【0028】(塊状重合)ノルボルネン系樹脂成形品
は、互いに反応して速やかに重合する2種以上の低粘度
原料を混合し、次いで、金型内に供給して型内で硬化さ
せる、いわゆる反応射出成形(RIM)法により製造す
ることができる。
【0029】RIM法によるノルボルネン系樹脂の製造
方法では、一般に、ノルボルネン系モノマーを二液に分
けてそれぞれ別の容器に入れ、一方には活性剤を、他方
にはメタセシス触媒を添加して、活性剤とノルボルネン
系モノマーを含む反応液(A液)、及びメタセシス触媒
とノルボルネン系モノマーを含む反応液の二種類の安定
な反応液(B液)を調製する。この二種類の反応液を混
合し、次いで所定形状の金型または型枠(両者を合せて
金型という)中に注入し、そこで塊状による開環重合さ
せるとノルボルネン系樹脂成形品が得られる。
【0030】金型温度は、通常、室温以上、好ましくは
30〜200℃、特に好ましくは35〜130℃であ
る。重合反応に用いる成分類は、窒素ガスなどの不活性
ガス雰囲気下で貯蔵し、かつ操作することが好ましい。
金型内の圧力は、0.1〜10kg/cm2程度であ
り、重合時間は、通常、20分より短く、好ましくは5
分以内である。
【0031】(金型)金型は、各種合成樹脂、アルミニ
ウム、低融点合金、木、鉄など種々の材料で作成された
ものが使用でき、単なる型枠であってもよい。本発明に
おいては、二種類の反応液を混合するために、従来から
RIM成形装置として公知の衝突混合装置を使用するこ
とができる。この場合、二種類の反応液を収めた容器
は、別々の流れの供給源となる。二種類の流れをRIM
機のミキシング・ヘッドで瞬間的に混合させ、次いで、
成形金型中に注入し、そこで即座に塊状重合させて成形
品を得る。
【0032】(その他)衝突混合装置以外にも、ダイナ
ミックミキサーやスタチックミキサーなどの低圧注入機
を使用することができる。ノルボルネン系モノマーとメ
タセシス触媒系を含む反応液のポットライフが室温で1
時間もあるような場合には、ミキサー中で二種類の反応
液の混合が完了してから、予備加熱した金型中へ数回に
わたって射出または注入してもよく、あるいは連続的に
注入してもよい。この方式の場合には、衝突混合装置に
比較して装置を小型化することができ、また、低圧で操
作可能という利点を有する上、ガラス繊維などの充填剤
の充填量が多い場合に、注入スピードを遅くすることに
より、金型内に均一に反応液を含浸させることが可能と
なる。
【0033】また、本発明では二種類の反応原液を使用
する方法に限定されない。当業者であれば容易に理解し
うるように、例えば、第三番目の容器にモノマーと所望
の添加剤を入れて第三の流れとして使用するなど各種の
変形が可能である。なお、反応液は通常窒素ガスなどの
不活性ガス雰囲気下で貯蔵され、また操作されるが、成
形金型は必ずしも不活性ガスでシールしなくてもよい。
【0034】金型内に、所定の温度に加熱した芯材を配
置した後、ノルボルネン系モノマーとメタセシス触媒系
を含む反応液を金型内に供給し、前述の反応条件で塊状
重合を行う。
【0035】B.複合成形品 本発明においては、複合成形品は、前記複合化用部材と
それを内包するように形成したノルボルネン系樹脂層で
形成される。この複合成形品は、複合化用部材を予め金
型内面との間に空隙が生じるように支持して金型内に配
置しておき、その空隙に反応液を注入して塊状重合させ
ることによって得られる。
【0036】支持体、複合化用部材の配置条件、ノルボ
ルネン系モノマー、ノルボルネン樹脂の成形、その他の
条件は複合化用部材について説明した内容をそのまま応
用できる。むろん、複合化用部材とは異なるモノマーや
充填材を使用することができ、また外側のみ繊維補強す
るなどして所望の性質をもたせることもできる。
【0037】本発明においては、複合化用部材表面のノ
ルボルネン系樹脂と後から形成されたノルボルネン系樹
脂は密着しておらず、また両者がほぼ同等の熱収縮率を
有しているため、冷熱サイクル等の熱的負荷をかけた場
合でも、例えば圧縮応力がかかる場合には両者の熱収縮
率が同じであるため芯材と樹脂層が直接接する場合より
も応力が少なく、また引っ張り応力がかかる場合には両
者が密着していないため最外層の樹脂層のみが変形し、
複合化用部材外層の樹脂層の応力は少ない。そのため、
複合化用部材とそれを内包する樹脂との界面で割れや反
りが発生することはない。このため、後から形成される
ノルボルネン系樹脂層を必ずしも均一な厚みとする必要
はなく、成形品のデザインを自由に決めることが出来
る。本発明にかかる複合成形品の用途は、特に限定され
ないが、例えば、パレット、電器部品、構造機械等の成
形に利用される。
【0038】
【発明の効果】本発明によれば、煩雑な操作を必要とせ
ず、残留応力の発生を抑制し、割れや反り等の変形が生
じないノルボルネン系樹脂複合成形品が提供される。
【0039】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を更に具体的に
説明するが、本発明はこれらの実施例にのみ限定される
ものではない。尚、部や% などは、断りのない限り重量
基準である。
【0040】また、原料配合液は以下の処方によった。
ジシクロペンタジエン(DCP)/メチルテトラシクロ
ドデセン=9/1の混合モノマー100部に、スチレン
−イソプレン−スチレンブロック共重合体(SIS;日
本セ゛オン 社製、商品名クインタック3241)を3.0
部入れて混合した液を2つにわけて容器に入れ、一方に
は、DCPに対してジエチルアルミニウムクロライド
(DEAC)を41ミリモル濃度、n−プロピルアルコ
ールを41ミリモル濃度、四塩化珪素を21ミリモル濃
度となるようにそれぞれ添加した(A液)。他方には、
DCPに対して、トリ(トリデシル)アンモニウムモリ
ブデートを10ミリモル濃度となるように添加し、更に
DCP100部当たりフェノール系酸化防止剤(エチル
コーポレーション社製、商品名エタノックス702)を
4部添加した(B液)。
【0041】両反応液(A液:B液の混合比1:1)
は、ギヤーポンプとパワーミキサーを用いてほぼ常圧で
速やかに注入した。
【0042】[実施例1]芯材として、図1に示すよう
に、内部中央に160mm×160mmの空間を有し、
その外寸が230mm×230mmの大きさで板厚が1
4mmのアルミニウム板を使用し、芯材の表面には、そ
の表面に発生する歪量を測定するために歪ゲージを5ヶ
所に貼って実験条件による差を確認した。
【0043】芯材は、240mm×240mm×24m
mの空間を有するステンレス製金型内に、20mmΦ×
5mm高さのポリエチレン製の支持体を使用し配置し
た。芯材の内部中央空間部には、150mm×150m
m×24mmのアルミニウム製スペーサをセットし、芯
材を包む樹脂層が5mmの均一な厚みになるようにし
た。
【0044】金型温度を、上下とも35℃に保持し、上
記のA液およびB液を等量混合した混合液からなる反応
液を注入して成形品を得た。反応液温度は35℃だっ
た。
【0045】次に、成形品からアルミニウム製スペーサ
を取りはずし、得られた成形品を250mm×250m
m×34mmの空間を有するステンレス製金型内に、ポ
リエチレン製の支持体(20mmΦ×5mm高さ)を使
用し配置した。この中に上記のA液およびB液を等量混
合した混合液からなる反応液を注入して成形品を得た。
【0046】図2に示すように、アルミニウム製芯材を
5mmの厚みのノルボルネン系樹脂で均一に内包し、更
にその周囲をノルボルネン系樹脂で覆った250mm×
250mm×34mmの大きさの成形品を得た。成形品
の温度が室温に下がった後に、アルミニウム芯材の表面
に張った歪ゲージで歪量を計った。結果を表1に示す。
なお、表1において、歪ゲージ位置とは、歪ゲージを貼
った位置のことで、図1中の丸付き番号に対応する。
【0047】[比較例1]実施例1で使用した内部中央に
160mm×160mmの空間を有し、その外寸が23
0mm×230mmの大きさで板厚が14mmのアルミ
ニウム板を、250mm×250mm×34mmの空間
を有するステンレス製金型内に、ポリエチレン製の支持
体(20mmΦ×10mm高さ)をその両側に介して配
置した。この中に上記のA液およびB液を等量混合した
混合液からなる反応液を注入して成形品を得た。反応液
温度は35℃だった。
【0048】図3に示すように、内部中央に160mm
×160mmの空間を有し、その外寸が230mm×2
30mmの大きさで板厚が14mmのアルミニウム板を
挿入した250mm×250mm×34mmの大きさで
アルミニウム板周囲の樹脂層の厚みが略均一でない成形
品を得た。成形品の温度が室温に下がった後に、アルミ
ニウム板の表面に張った歪ゲージで歪量を計った。結果
を表1に示す。
【0049】
【表1】
【0050】表1からわかるように、アルミニウム板を
略均一な厚みのノルボルネン系樹脂で内包した複合化用
部材を用いた成形品は歪量が少なかった。成形1日後に
この成形品の表面を観察したところ、表面状態に割れ、
反り等の異常は見られなかった。一方、、アルミニウム
板を直接インサート成形した成形品は歪量が高かった。
成形1日後にこの成形品の表面を観察したところ、表面
には亀裂が生じていた。
【0051】
【図面の簡単な説明】
【図1】 芯材として使用したアルミニウム板の斜視図
である。丸付き番号は歪ゲージ位置を示す。
【図2】 実施例1に示した本発明にかかる成形品の断
面斜視図である。d1、d2は複合化用部材外層の厚みで
d1=d2である。
【図3】 比較例1に示した成形品の断面斜視図であ
る。
【符号の説明】
1 複合成形品 2 芯材 3 複合化用部材外層 4 複合化用部材を内包する樹脂層

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複合化用部材を配置した金型内にノルボル
    ネン系モノマーとメタセシス触媒系を含有する反応液を
    注入して塊状重合することにより、前記複合化用部材を
    内包するノルボルネン系樹脂複合成形品を製造する方法
    において、前記複合化用部材として略均一の厚みに形成
    されたノルボルネン系樹脂を外層とする芯材を用いるこ
    とを特徴とするノルボルネン系樹脂複合成形品の製造方
    法。
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