JPH0655667A - 複合成形体 - Google Patents

複合成形体

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JPH0655667A
JPH0655667A JP23144692A JP23144692A JPH0655667A JP H0655667 A JPH0655667 A JP H0655667A JP 23144692 A JP23144692 A JP 23144692A JP 23144692 A JP23144692 A JP 23144692A JP H0655667 A JPH0655667 A JP H0655667A
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JP
Japan
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norbornene
resin
insert
metal insert
outer layer
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JP23144692A
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Mototoshi Yamato
元亨 大和
Masao Torii
正夫 鳥居
Munetoshi Nakano
宗俊 中野
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Zeon Corp
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Nippon Zeon Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 金属挿入体とその周囲を覆う外層材からなる
複合成形体において、耐衝撃性、耐湿性に優れた外層材
を使用した複合成形品を提供する。また、該複合成形体
の金属挿入体と外層材との空隙に封止材を注入すること
により、絶縁性に優れた複合成形品を提供する。 【構成】 ノルボルネン系樹脂製位置決め部材に金属挿
入体を配置した後、ノルボルネン系樹脂製蓋部材を金属
挿入体を覆うようにして位置決め部材と固着した複合成
形品及び前記複合成形品の金属挿入体と、位置決め部材
と蓋部材とからなる外層材の間の空隙を封止剤で封止し
た複合成形体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、複合成形体に関し、さ
らに詳しくは、金属挿入体と、ノルボルネン系樹脂製位
置決め部材と蓋部材とから成る外層材で形成される複合
成形体に関する。
【0002】
【従来の技術】磁石、コイル、ヒーター、補強材等の金
属を用いる場合、金属挿入体を直接外気にさらしたり、
人間に接触させないため、熱可塑性樹脂やエポキシ、ウ
レタン等の熱硬化性樹脂成形体、陶磁器等で形成した外
層材で金属挿入体の周囲をカバーする方法は一般に公知
の方法である。
【0003】また、絶縁性が要求される場合には、前期
金属挿入体と外層材との空隙に封止剤を注入して、金属
挿入体を絶縁封止する方法も一般に公知の方法である。
しかしながら、前記外層材が熱可塑性樹脂の場合、その
成形方法から大型の成形品を成形するのはコストがかか
り、あるいは困難であるなどの問題がある。また、樹脂
の耐熱性が低いため使用する環境には制約があるという
問題がある。更に、樹脂の機械的強度が弱いため、重量
のある挿入体を使用すると、位置決め部がへたったり、
われたりするという問題がある。加えて、封止剤で金属
挿入体を絶縁しようとしても、封止剤の硬化時の反応熱
で外層材が変形してしまい、使用することができないと
いう問題がある。
【0004】また、前記外層材がエポキシ、ウレタン等
の熱硬化性樹脂では耐湿性や衝撃強度に劣り、陶磁器の
場合には、形状に制限がある上、重量が重く取扱いにく
いという問題がある。
【0005】一方、ノルボルネン系モノマーとメタセシ
ス触媒を含む反応液をRIM法により金型内で開環重合
して得たノルボルネン系樹脂成形品は、反応液を低圧で
注入でき、大型成形品の成形が可能なため、各種分野で
注目を浴びている。
【0006】かかるRIM成形法においては、コイルや
コンデンサー等の電気部品をノルボルネン系樹脂で封止
することが提案され(特開昭62−105610号)、
軽量で耐湿性、耐衝撃性、耐熱性、及び電気絶縁性に優
れた成形品が製造されている。
【0007】しかしながら、かかる方法において金属挿
入体の存在下に成形を行うと、収縮率が大きく異なるた
めに、ノルボルネン系樹脂の硬化時の収縮や熱的ストレ
スが成形品にかかったときに、挿入体の近傍の樹脂層に
歪が発生し、ワレが生じるという問題がある。
【0008】従来、金属挿入体とノルボルネン系樹脂の
界面で発生するワレを防止するために、硬質発泡体でく
るんだ金属挿入体を金型にセットしてRIM成形を行う
旨の開示がされている(特開平4−21415号)。か
かる成形法により、外層であるノルボルネン系樹脂と金
属挿入体の間に硬質発泡体を有する複合成形品が成形さ
れ、ノルボルネン系樹脂のワレの発生は抑えられる。
【0009】しかしながら、該複合成形品は、予め、発
泡体で金属挿入体をくるむ必要があるため製造方法とし
て煩雑である。また、インサートが大型になると重量が
非常に重くなり、そのため、型にインサートをセットす
る作業などが大変になり、成形作業も煩雑になるという
問題がある。また、封止の点でも、金属挿入体の周囲を
発泡体でくるむため、挿入体界面の完全な封止ができ
ず、電気部品を挿入する場合には電気絶縁性の面で問題
がある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明者らは、
従来技術の有する前記問題点を解決するために鋭意研究
した結果、ノルボルネン系樹脂で形成される外層材を、
予め分割して成形しておき、その後に金属挿入体をセッ
トすることで効率よく耐衝撃性、耐湿性に優れた複合成
形体が得られ、しかも該複合成形体の外層材と挿入体と
の空隙部に封止剤を注入して固化することにより、外層
材を変形させることなく、また、金属挿入体の近傍の樹
脂にワレが発生することなく、電気絶縁性を付与できる
ことを見出し、その知見に基づいて本発明を完成するに
至った。
【0011】
【課題を解決するための手段】かくして本発明によれ
ば、金属挿入体の位置決めをするノルボルネン系樹脂製
位置決め部材と、位置決め部材の所定の位置に挿入され
た金属挿入体と、挿入体を覆うノルボルネン系樹脂製蓋
部材とから成り、位置決め部材と蓋部材とが固着されて
いることを特徴とする複合成形体が提供される。また、
第2の発明として、金属挿入体と、ノルボルネン系樹脂
製の位置決め部材と蓋部材とから成る外層材との空隙部
に、ノルボルネン系樹脂より反応時の収縮率の少ない樹
脂封止剤を注入して成る前記複合成形体が提供される。
【0012】以下、本発明について詳述する。本発明の
複合成形体は、あらかじめノルボルネン系モノマーとメ
タセシス触媒系を含む反応液を金型内で塊状開環重合し
て得たノルボルネン系樹脂製位置決め部材と蓋部材、及
び金属挿入体で構成される。
【0013】外層材 (材質)本発明に使用する位置決め部材と蓋部材を総称
して外層材と呼ぶ。
【0014】本発明に使用する外層材はRIM法により
製造されるノルボルネン系樹脂で形成される。RIM法
により製造されるノルボルネン系樹脂は、後述するよう
に熱可塑性の重合体だけでなく、熱硬化性の重合体をも
製造することが可能である。架橋ノルボルネン系樹脂は
熱硬化性樹脂であるにもかかわらず延性に優れているた
め、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂等の他の熱硬化性
樹脂に比較して耐衝撃性に優れている。
【0015】本発明で用いるノルボルネン系樹脂成形体
は通常60℃以上、好ましくは60〜250℃、より好
ましくは、100〜200℃のガラス転移温度(Tg)
を有するノルボルネン系樹脂成形体である。Tgが低い
と封止材硬化時に変形が生じやすく、Tgが高いと耐衝
撃性が低下する。
【0016】該ノルボルネン系樹脂は、水、アルコー
ル、ケトン、エーテル等の溶剤に侵されにくいという特
徴を有している。そのため、エポキシ樹脂、ウレタン樹
脂等と異なり、耐湿性を要求される製品に使用できる。
更に、該ノルボルネン系樹脂成形体はRIM法により成
形されるので、他の熱可塑性樹脂の成形と異なり、大き
さなどは特に限定されない。また、反応液が低粘度なの
で、大型、複雑な形状のものでも成形できる。特に熱硬
化型のノルボルネン系樹脂とした場合には、熱可塑性樹
脂に比較して、機械的強度、耐熱性などの特性が著しく
改善されるので特に好ましい。
【0017】(形状)外層材の厚みは、挿入体の大きさ
にもよるが、成形品の耐衝撃性を保証する観点から、好
ましくは3mm以上、より好ましくは5mm以上あるこ
とが好ましい。
【0018】外層材の内、位置決め部材は、挿入体の位
置決め及び保持のための凹凸を設けてあり、挿入体を所
定の位置に保持する。
【0019】外層材の内、蓋部材は、金属挿入体を位置
決め部材の所定の位置にセットした後、金属挿入体を覆
い、金属挿入体が外層材からはずれないようにするため
に、前記位置決め部材と固着して使用する。
【0020】位置決め部材と蓋部材をボルトで固着する
場合には、位置決め部材及び蓋部材の所定の位置にボル
ト穴を設けておく必要がある。
【0021】また、位置決め部材と蓋部材はそれぞれ1
つとは限らない。それぞれ複数のものを組み合わせて使
用してもかまわない。この場合のそれぞれの部材の固着
は、後述する位置決め部材と蓋部材の固着方法と同様の
方法でおこなうことができる。
【0022】外層材の製造方法 (ノルボルネン系モノマー)本発明において外層材に用
いるノルボルネン系ポリマーは、公知の方法に従って、
RIM法により、ノルボルネン系モノマーをメタセシス
塊状重合して成形する。
【0023】ノルボルネン系モノマーは、ノルボルネン
環をもつもので、三環体以上の多環ノルボルネン系モノ
マーを用いると、熱変形温度の高い重合体が得られ複合
成形体として要求される耐熱性を満たすことができる。
本発明においても、生成する開環重合体を熱硬化型とす
るために全モノマー中の少なくとも10重量%、好まし
くは30重量%以上の架橋性モノマーを使用することが
好ましい。
【0024】ノルボルネン系モノマーの具体例として
は、ノルボルネン、ノルボルナジエンなどの二環体、ジ
シクロペンタジエンやジヒドロジシクロペンタジエンな
どの三環体、テトラシクロドデセンなどの四環体、トリ
シクロペンタジエンなどの五環体、テトラシクロペンタ
ジエンなどの七環体、これらのアルキル置換体(例え
ば、メチル、エチル、プロピル、ブチル置換体など)、
アルケニル置換体(例えば、ビニル置換体など)、アル
キリデン置換体(例えば、エチリデン置換体など)、ア
リール置換体(例えば、フェニル、トリル、ナフチル置
換体など)、エステル基、エーテル基、シアノ基、ハロ
ゲン原子などの極性基を有する置換体などが例示され
る。これらのモノマーは、1種以上を組合わせて用いて
もよい。なかでも、入手の容易さ、反応性、耐熱性等の
見地から、三環体ないし五環体が賞用される。
【0025】架橋性モノマーは、反応性の二重結合を2
個以上有する多環ノルボルネン系モノマーであり、その
具体例としてジシクロペンタジエン、トリシクロペンタ
ジエン、テトラシクロペンタジエンなどが例示される。
したがって、ノルボルネン系モノマーと架橋性モノマー
が同一物である場合には格別他の架橋性モノマーを用い
る必要はない。
【0026】なお、上記ノルボルネン系モノマーの1種
以上と共に開環重合し得るシクロブテン、シクロペンテ
ン、シクロペンタジエン、シクロオクテン、シクロドデ
センなどの単環シクロオレフィンなどを、本発明の目的
を損なわない範囲で併用することができる。
【0027】(メタセシス触媒系)用いる触媒は、ノル
ボルネン系モノマーの開環重合用触媒として公知のメタ
セシス触媒と活性剤とからなるメタセシス触媒系であれ
ばいずれでもよく、具体例としては、タングステン、モ
リブデン、タンタルなどのハロゲン化物、オキシハロゲ
ン化物、酸化物、有機アンモニウム塩などのメタセシス
触媒が挙げられ、また、活性剤(共触媒)の具体例とし
ては、アルキルアルミニウムハライド、アルコキシアル
キルアルミニウムハライド、アリールオキシアルキルア
ルミニウムハライド、有機スズ化合物などが挙げられ
る。
【0028】メタセシス触媒は、ノルボルネン系モノマ
ーの1モルに対し、通常、約0.01〜50ミリモル、
好ましくは0.1〜20ミリモルの範囲で用いられる。
活性剤は、触媒成分に対して、モル比で0.1〜20
0、好ましくは1〜10の範囲で用いられる。 メタセ
シス触媒および活性剤は、いずれもモノマーに溶解して
用いる方が好ましいが、生成物の性質を本質的に損なわ
ない範囲であれば少量の溶剤に懸濁または溶解させて用
いてもよい。
【0029】(任意成分)エラストマーを反応液に添加
すると、得られるポリマーに耐衝撃性が付与されるだけ
ではなく、反応液の粘度を調節することができる。
【0030】反応液に添加するエラストマーとしては、
例えば、天然ゴム、ポリブタジエン、ポリイソプレン、
スチレン−ブタジエン共重合体(SBR)、スチレン−
ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SBS)、ス
チレン−イソプレン−スチレン共重合体(SIS)、エ
チレン−プロピレン−ジエンターポリマー(EPD
M)、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)および
これらの水素化物などが挙げられる。
【0031】反応液には、酸化防止剤、充填材、補強
材、発泡剤、顔料、着色剤、エラストマーなどの添加剤
を配合することができる。これらの添加剤は、通常、反
応液に溶解ないしは分散させて配合するが、金型内に配
設しておく場合もある。
【0032】金属挿入体 本発明の複合成形体では、外層材の他に金属挿入体を用
いる。金属挿入体の形状には特に制限はなく、例えば、
棒状体、板状体、その他成形品の形状にあわせた任意の
立体形状体などの金属補強体、あるいはコイルやコンデ
ンサー等の封止対象となる電気、電子部品を挙げること
が出来る。
【0033】金属の材質はアルミニウム、銅、鉄、亜
鉛、これらの合金等があげられるが、これらに限定され
るものではない。また、これらの挿入体は、ポリアミド
などの市販のワニスその他で絶縁処理を行ったり、封止
剤で封止した金属挿入体を用いてもよい。
【0034】複合成形体の製造方法 本発明の複合成形体は、複数のノルボルネン系樹脂外層
材と金属挿入体からなり、外層材の接合部分を固着する
ことによって形成される。
【0035】製造方法の1つの態様としては、位置決め
部材に金属挿入体をセットした後、蓋部材を所定の位置
に重ね合わせてノルボルネン系樹脂成形体同士を接着す
る方法が挙げられる。接着剤は市販の接着剤が使用でき
るが、ウレタン、エポキシ等の2液タイプの接着剤が好
ましく、なかでも構造用接着剤がより好ましい。
【0036】固着の他の1つの態様としては、外層材に
ドリルで穴を開け、ボルトネジで固定する方法が挙げら
れる。この場合、外層材にタップでネジをきり、ネジだ
けで直接外層材に固着してもいいし、ドリル穴をバカ穴
とし、その両側からボルトとナットで外層材を固着して
もいい。
【0037】更に他の固着の態様として、融着による接
合方法が挙げられる。この方法では、まず、RIM成形
時に、少なくとも各々の外層材の接合したい部分の金型
面にポリオレフィン等の融着性材料を配設しておく。ノ
ルボルネン系樹脂と融着する融着性材料については、特
開平3−65319号公報に詳しく記載されている。融
着性材料の金型への配設は、型に形成した凹凸面で支持
させたり、両面テープで軽く接着することで融着材料が
樹脂注入時にズレないようにしておこなう。この後、前
記した方法でRIM成形を行い、融着性材料が一体化し
たノルボルネン型樹脂外層材を成形する。
【0038】成形したノルボルネン型樹脂外層材の位置
決め部材に金属挿入体をセットした後、蓋部材と融着性
材料で形成された接合面同士を突き合わせて融着する。
融着方法は、予め接合面を加熱しておき圧着する方法、
両接合面をあわせた状態で高周波で加熱し融着する方
法、融着性物質中にニクロム線を配設したり、カーボン
ブラックなどの導電性材料を混合しておき、両接合面を
あわせた状態で電気的に加熱し融着する方法などがあげ
られるが、これらに限定されるものではない。
【0039】金属挿入体のズレを防止したり、正確に位
置決めする必要がある時は、位置決め部にゴムシート、
発泡体等を敷いて、位置決めの微調整を行ってもよい。
ここで用いるゴムシートや発泡体の材質などは特に限定
されず、市販のものを用いればよい。
【0040】(封止成形体)本発明においては、金属挿
入体を位置決め部材にセットした後、ノルボルネン系樹
脂より硬化収縮率の少ない封止材を金属挿入体と位置決
め部材の間の空隙部に注入して封止した後蓋部材を固着
することにより金属挿入体を固定、封止した成形体を得
ることができる。
【0041】また、金属挿入体を位置決め部材に挿入し
た後、予め位置決め部材に蓋部材を固着し、その後、外
層材と金属挿入体との空隙部に、前記樹脂封止剤を注入
しても金属挿入体を固定、封止した成形体を得ることが
できる。これらの方法により、コイル等の絶縁性を要求
される電気部品を封止することができる。
【0042】使用する封止剤は、ノルボルネン系樹脂よ
り硬化収縮率の少ないものならば使用できるが、好まし
くは、電気絶縁用のもので、なかでも硬化収縮率が、
0.3%以下の低収縮率タイプのものが好ましい。この
様な封止材の材質は特に限定されないが、ポリエステル
樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノール樹
脂等があげられる。なかでも、エポキシ樹脂、ポリウレ
タン樹脂は硬化時の収縮が非常に少ないものがあり、ま
た、ノルボルネン系樹脂との接着性がよいので、好まし
く用いられる。
【0043】
【発明の効果】本発明により、金属挿入体が所定の位置
に位置決めされた複合成形体が耐衝撃性、耐湿性に優れ
た外層材を用いて、効率よく提供される。また、該複合
成形体の外層材と金属挿入体との空隙部に封止剤を注入
することにより、外層材を変形させることなく、また、
金属挿入体近傍の樹脂にワレを発生させることなく、電
気絶縁性に優れた複合成形体が提供される。
【0044】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的
に説明するが、本発明はこれらの実施例にのみ限定され
るものではない。なお、部や%などは、断わりのない限
り重量基準である。
【0045】[参考例1]深皿形で内側に位置決め部が
突出して設けられた位置決め部材と平板状の蓋部材のア
ルミニウムの金型を70℃に加熱した。
【0046】ジシクロペンタジエン(DCP)90部と
トリシクロペンタジェン10部からなるモノマー混合物
10部に対して、スチレン−イソプレン−スチレンブロ
ック共重合体(SIS)(クインタック3421、日本
ゼオン社商品名)6.5部を入れて混合した。この液を
2つの容器にいれ、一方には、モノマー混合物に対し、
1.0M/lのDEACを41ミリモル濃度となるよう
に溶解し、更に、n−プロピルアルコール41ミリモル
濃度及び四塩化珪素を21ミリモル濃度になるようにそ
れぞれ添加して、A液とした。
【0047】他方には、モノマー混合物に対し、トリ
(トリデシル)アンモニウムモリブデートを10ミリモ
ル濃度になるように添加し、更に、フェノール系酸化防
止剤(エタノックス702、エチルコーポレーション社
製)4部を添加して、B液とした。
【0048】両反応液(A液/B液の混合比=1/1)
を、前記の金型の中へギヤーポンプとパワーミキサーを
用いて、ほぼ常圧で速やかに注入した。注入後、約3分
間重合反応を行い、前記形状のノルボルネン系樹脂成形
体を得た。成形体の大きさは、縦約80.5cm、横約
66cm、高さ約28.5cmだった。
【0049】また、前記反応液のポットライフ及び硬化
発熱までの時間を測定した。ポットライフは40秒、硬
化発熱は90秒だった。
【0050】[実施例1]参考例1で成形したノルボル
ネン系樹脂位置決め部材の所定の位置にアルミニウム製
の金属挿入体(大きさ約70cm×約40cm×約10
cm)をセットし、蓋部材を金属挿入体を覆うようにか
ぶせ、接着剤で位置決め部材と蓋部材を接着した。使用
した接着剤は、エポキシ系2液型接着剤(ハイボン−3
400H、日立化成ポリマー製、主剤/硬化剤=1/
1)だった。そのまま室温で放置し、1日後接着状態を
確認したところ、両者は強固に接着していた。
【0051】また、−20℃×8H→80℃×8Hの冷
熱サイクルを10回繰り返した後に接着状態を確認した
ところ、両者は強固に接着していた。更に50cmの高
さから該複合体を落下させてみたが接着剥離が生じた
り、位置決め部材がワレて、金属挿入体がズレてしまう
ことはなかった。
【0052】[実施例2]参考例1で成形したノルボル
ネン系樹脂位置決め部材と蓋部材の所定の位置にドリル
でボルト穴を開けた。更に、蓋部材の所望の位置に封止
剤注入孔とエアぬき孔とを開けた。
【0053】前記位置決め部材の所定の位置にアルミ板
をセットした。更に、蓋部材を位置決め部材の上の所定
の位置にセットして、ボルトで両者をしっかりと固定し
た。アルミ板に結合している絶縁体でカバーされた1本
のリード線をエアぬき孔から外部に引き出した。
【0054】その後、封止剤を前期封止剤注入孔から、
金属挿入体と位置決め部材との間に注入した。封止剤
は、エアぬき孔の位置まで封止材がいっぱいになるまで
注入した。封止剤はウレタン系注型剤(クインネート5
55V、日本ゼオン製、ポリオール/イソシアナート=
100/150、収縮率0.1%)を用いた。そのまま
の状態で、室温で1日放置した。成形体がウレタンの発
熱反応で変形することはなかった。
【0055】前記複合成形体を用いて、−20℃×8H
→80℃×8Hのサイクルテストを10回繰り返した。
その後、ジグソーで成形品の一部を切取り、ノルボルネ
ン系樹脂と封止剤の状態を確認した。両者ともワレはな
かった。
【0056】次に、前記試験で使用したサンプルと同様
に作成した成形品を50℃の温水に3時間浸した。その
後、金属挿入体に接続しているリード線と温水に接触さ
せたリード線をそれぞれ直流電源に接続し、電気抵抗を
測定した。1000Vの直流電圧を1分印加した後、2
000MΩ以上の抵抗値を示し、絶縁状態は良好なこと
が確認された。
【0057】更に、該成形品を50cmの高さから落下
させてみたが、外層材の接着面に剥離が生じたり、外層
材がわれてしまったりすることはなかった。該成形品を
電気ノコで切断し、封止剤とノルボルネン系樹脂の界面
の様子を観察したが、ノルボルネン系樹脂がワレたり、
変形したりしていなかった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる複合成形体のa−a′断面図で
ある。
【図2】本発明にかかる複合成形体のb−b′断面図で
ある。
【図3】本発明にかかる複合成形体のc−c′断面図で
ある。
【符号の説明】
1:金属挿入体 2:封止剤 3:位置決め部材 4:蓋部材 5:接着面 6:ボルト穴
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B29K 105:22 B29L 31:34 4F

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属挿入体の位置決めをするノルボルネ
    ン系樹脂製位置決め部材と、位置決め部材の所定の位置
    に挿入された金属挿入体と、挿入体を覆うノルボルネン
    系樹脂製蓋部材とから成り、位置決め部材と蓋部材とが
    固着されている複合成形体。
  2. 【請求項2】 金属挿入体と、ノルボルネン系樹脂製の
    位置決め部材と蓋部材とから成る外層材との空隙部に、
    ノルボルネン系樹脂より硬化収縮率の少ない樹脂封止剤
    を注入して成る請求項1記載の複合成形体。
JP23144692A 1992-08-06 1992-08-06 複合成形体 Pending JPH0655667A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS63215633A (ja) * 1986-12-05 1988-09-08 ファルマシア・エ・アップジョン・エッセ・ピー・アー アントラサイクリングリコシド溶液およびその製造方法
JP2007313834A (ja) * 2006-05-29 2007-12-06 Mitsubishi Materials Corp 複合多孔質体およびその製造方法

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JPS63215633A (ja) * 1986-12-05 1988-09-08 ファルマシア・エ・アップジョン・エッセ・ピー・アー アントラサイクリングリコシド溶液およびその製造方法
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