JP2938132B2 - 複合成形品 - Google Patents

複合成形品

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JP2938132B2 JP10726890A JP10726890A JP2938132B2 JP 2938132 B2 JP2938132 B2 JP 2938132B2 JP 10726890 A JP10726890 A JP 10726890A JP 10726890 A JP10726890 A JP 10726890A JP 2938132 B2 JP2938132 B2 JP 2938132B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、複合成形品に関し、さらに詳しくは、スキ
ン層を有する低発泡倍率の板状発泡体を芯材とし、ノル
ボルネン系モノマーの塊状重合体を外周層とする外観が
良好で、芯材と外周層との密着性に優れた大型板状複合
成形品に関する。
〔従来の技術〕 不飽和ポリエステルやエポキシ樹脂、フェノール樹
脂、ポリウレタン樹脂などを外周層とし、発泡体を芯材
とする複合成形品は、軽量であるため、ウインドサーフ
ィンやサーフボード、ボート、カヌーの櫂などのレジャ
ー用品、大型パレットなどとして市販されている。
これらの複合成形品は、一般的には、発泡体のまわり
にガラス繊維などの強化繊維を当てて、その上に熱硬化
性樹脂を塗布し、硬化させる、いわゆるハンドレイアッ
プ方で作られているが、手作業が中心となるために生産
性が悪く、量産には不向きである。
他の方法としては、芯材となる発泡体のまわりをガラ
スやカーボン、アラミドのごとき強化繊維の織布で包ん
で金型内にセットし、次いで液状熱硬化性樹脂を金型内
に注入し、加熱硬化させて複合成形品を得る方法がある
(特開昭63−162207号公報)。この方法は、強化繊維を
均一な厚みで芯材に巻くことが困難であり、また、ガラ
ス繊維を取り扱うことにより、繊維の破断切片が手や顔
などの身体に突き刺さり、作業環境としては非常に好ま
しくない。さらに、強化繊維を部分的に巻いた発泡体を
金型内にセットし、熱硬化性樹脂を注入すると、強化繊
維の存在しない部分では外周層の樹脂強度が弱くなる。
そこで、樹脂のみでも十分な強度をもたせるには、エポ
キシ樹脂のごとき高価な材料を用いる必要がある。
このため、発泡体を芯材とする複合成形品において、
工業的に簡単な成形方法で、強靱な成形物を安価に作る
ことが望まれている。
さらに、大型板状成形品であって、軽量で、耐熱性や
強度に優れた肉厚板状体を、発泡体を芯材とし、樹脂層
を外周層とすることにより作成することができれば、仕
切り板や表示板などの用途に用いることができるが、従
来の方法では、外観が良好で、平面性、平滑性に優れた
製品を得ることが極めて困難である。
〔発明が解決しようとする課題〕
ところで、ジシクロペンタジエンのごときノルボルネ
ン系モノマーをメタセシス触媒の存在下、金型内で塊状
重合すると、剛性があり、衝撃強度の高い成形品が得ら
れる。ノルボルネン系モノマーを含む反応液は、一般に
低粘度の液体であることから、比較的低い圧力で、金型
内に注入し、かつ成形することができるため、大型の成
形品であっても容易に成形ができる。
そこで、本発明者らは、ノルボルネン系モノマーを使
用して、発泡体を芯材とする複合成形品の製造を試みた
ところ、成形圧力が低いことから、発泡体の気泡の破壊
や変形がないこと、強度が小さく安価な金型を使用する
ことができること、しかも強化繊維を使用しなくても十
分な強度を有する複合成形品が得られること、など多く
の長所をもっていることが分かった。
ところが、この方法を用いて、大型板状複合成形品を
作成したところ、次のような問題点のあることがわかっ
た。
芯材となる発泡体としては、通常、予め形成された発
泡体をスライスまたは切断して所定形状にしたものを用
いるが、このようにして得た板状発泡体を芯材として用
い、大型板状複合成形品を製造しようとすると、成形品
表面にボイドや凹凸が発生し、外観の良好な成形品を得
ることができない。
また、発泡倍率の大きな板状発泡体を芯材として用い
ると、芯材と外周層との界面での密着状態が悪くなっ
て、板状複合成形品の中央部に波打ちが生じ、平面性の
良好な大型板状複合成形品を得ることができない。
したがって、本発明の目的は、ノルボルネン系モノマ
ーを用いて、比較的簡単な成形方法により、発泡体を芯
材とした軽くて強く、表面平滑性、平面性の良好な大型
板状複合成形品を提供することにある。
本発明者らは、鋭意研究した結果、芯材となる発泡体
として、スキン層を有し、かつ、低発泡倍率の板状発泡
体を用い、これを金型内に設置して、芯材と金型内面と
の間に設けた間隙に、ノルボルネン系モノマーとメタセ
シス系触媒を含む反応液を供給し、塊状重合させると、
ノルボルネン系ポリマーからなる外周層を好適に形成さ
せることができ、しかも平面性、平滑性に優れた大型板
状複合成形体の得られることを見出した。
本発明は、これらの知見に基づいて完成するに至った
ものである。
〔課題を解決するための手段〕
かくして、本発明によれば、表面にスキン層を有する
低発泡倍率の板状発泡体からなる芯材を金型内に設置
し、ノルボルネン系モノマーとメタセシス系触媒を含む
反応液を金型内に供給して塊状重合させ、ノルボルネン
系モノマーからなる外周層を形成して成ることを特徴と
する大型板状複合成形品が提供される。
以下、本発明について詳細に説明する。
(発泡体からなる芯材) 本発明の複合成形品は、芯材として高分子発泡体を使
用する。これにより、大型であっても軽量で、かつ強度
の強い成形品となる。
さらに、この発泡体として、スキン層(緻密層)を有
するとともに、低発泡倍率の板状発泡体を用いることに
より、ボイドや凹凸の発生がなく、また、波打ち現象の
ない平面性、平滑性に優れた大型板状成形品を得ること
ができる。
高分子発泡体は、成形時に原形を保持しうるものであ
ればいずれでもよく、その具体例としては、例えば、ポ
リウレタン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチ
レン、ポリ塩化ビニルなどの発泡体が例示される。これ
らの中でも、ポリウレタンや架橋ポリエチレンなどの熱
硬化型発泡体が好ましい。熱可塑型発泡体を用いると、
複合成形品の成形時に溶融して、成形品表面に波打ちが
生ずることがあるので、成形温度のコントロールなどに
留意することが必要である。
スキン層を有する板状発泡体は、金型内で高分子発泡
体を成形することにより、所定形状のものとして得るこ
とができる。例えば、ポリウレタン発泡体の場合には、
発泡剤を含有する反応原液を閉じた金型中に注入して発
泡成形する反応射出成形(RIM)法により、表面にスキ
ン層を有する発泡体を好適に得ることができる。
予め成形した発泡体をスライスまたは切断して板状芯
材としたものを用いると、成形品表面にボイドが発生し
たり、凸凹ができて、平滑性、平面性に優れた大型板状
複合成形品を得ることができない。同様に、押出成形や
注型で板状に発泡成形したものであって、スキン層を有
しないものも不適当である。ただし、板状発泡体の厚み
方向の側面部分(側部端面)については、切断したもの
であっても構わない。
芯材となる発泡体は、低発泡倍率であることが必要で
ある。具体的には、発泡倍率が約5〜約15倍程度のもの
である。発泡倍率が15倍を大きく越える場合、例えば、
20倍程度になると、成形品表面に波打ちを生じ、平面性
の良好な大型板状複合成形品を得ることができない。ま
た、芯材と外周層との界面で剥離が生じて、芯材による
補強効果が損なわれる。
発泡体の形状は、大型板状複合成形品の形状よりも外
周層を形成する樹脂の肉厚だけ小さい形状(板状発泡
体)とする。
(大型板状複合成形品) 本発明における大型板状複合成形品は、方形、円形、
その他の平板状の成形品である。
大型であるとは、例えば、方形の場合、縦500mm×横5
00mm以上を、また、円形の場合には、直径500mm以上の
ものをいう。
厚みは、通常、10mmから数十mm程度である。
また、ノルボルネン系ポリマーからなる外周層の厚み
は、2〜10mm程度である。
このような大型板状複合成形品は、例えば、仕切板、
表示板などとして用いることができる。
(金型内への芯材の設置) 本発明においては、芯材となる板状発泡体を金型内に
設置して、芯材と金型内面との間に設けた間隙に、ノル
ボルネン系モノマーとメタセシス系触媒を含む反応液を
供給し、塊状重合させることにより、ノルボルネン系ポ
リマーからなる外周層を形成する。
芯材と金型内面との間に間隙を設ける手段としては、
例えば、次のような各種の方法がある。
(1)芯材の所望箇所に、ポリスチレン、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、EPDMなどのオレフィン系ポリマー
や炭化水素系エラストマーで形成された支持体を設ける
方法がある。支持体により、金型内で芯材が反応原液に
より浮くことを防止し、かつ、芯材と金型内面との間に
間隙を設け、均一な樹脂層を外周層として形成させる。
また、支持体の材料として特定の素材を選択することに
より、支持体とノルボルネン系ポリマーとの密着性を強
固にすることができる。
支持体の形状としては、円筒形、平板状、円錐形、円
錐台形など種々な形を取ることができる。
支持体を発泡体からなる芯材に設けるには、芯材の表
面に支持体を接着するか、あるいは支持体の一部を芯材
に差し込んで固定する、または輪ゴム状にして巻きつけ
るなど、適宜の方法がある。あるいは、発泡用金型で発
泡体からなる芯材を成形する場合、この段階で支持体を
発泡用金型内に設置し、支持体付きの発泡成形品を得る
こともできる。
(2)芯材に支持金具を埋設する方法がある。
この方法について、図面を参照しながら説明する。第
1図は、金型内に芯材を配設し、複合成形品を成形する
場合の断面略図である。第2図は、得られた複合成形品
の平面図である。
上下の金型4、5に囲まれた空間内に、芯材1を配設
する場合、芯材1に側面から支持金具2を埋設し、一
方、下部金型5には、支持金具の厚みに見合う間隙6を
形成しておき、支持金具の芯材からはみ出した箇所を上
下の金型で挟むことにより、芯材1を金型内に金型内面
と一定の間隙を置いて配設することができる。支持金具
2は、複数箇所に設けてもよい。
かくして金型内に設けられた空隙に、ノルボルネン系
モノマーを含む反応原液を注入し(注入口は図示せ
ず)、塊状重合させてノルボルネン系ポリマーからなる
外周層3を形成する。
大型の複合成形品の場合には、特に、芯材を金型内に
きちんと固定することが重要となる。成形時に芯材が動
くと、外周層の厚みが不均一となり、ひどいときには、
表面に露出することがある。
支持金具は、成形後に取り外したり、切断してもよい
し、あるいは成形品の付属部分として活用してもよい。
(ノルボルネン系モノマー) 本発明において使用するノルボルネン系モノマーは、
ノルボルネン環を有するものであればよいが、熱変形温
度の高い複合成形品を得ようとする場合には、三環体以
上の多環ノルボルネン系モノマーを用いることが好まし
い。
また、本発明においては、生成するノルボルネン系ポ
リマーを熱硬化型とすることが好ましく、そのためには
架橋性モノマーを使用することが好ましい。
ノルボルネン系モノマーとしては、例えば、2−ノル
ボルネン、5−メチル−2−ノルボルネン、5−エチル
−2−ノルボルネン、5−ブチル−2−ノルボルネン、
5−ヘキシル−2−ノルボルネン、5−エチリデン−2
−ノルボルネン、5−ビニル−2−ノルボルネン、5−
フェニルノルボルネンなどの二環体、ジシクロペンタジ
エンやジヒドロジシクロペンタジエンなどのごとき三環
体、テトラサクロドデセン、メチルテトラシクロドデセ
ン、エチルテトラシクロドデセン、ジメチルテトラシク
ロドデセン、エチリデンテトラシクロドデセン、フェニ
ルテトラシクロドデセンなどのごとき四環体、トリシク
ロプンタジエンなどのごとき五環体、テトラシクロペン
タジエンなどのごとき七環体などが例示される。これら
のモノマーは、1種以上を組合わせて用いてもよい。
なかでも、入手の容易さ、反応性、耐熱性等の見地か
ら、三環体ないし五環体が賞用される。
一方、架橋性モノマーは、反応性の二重結合を2個以
上有する多環ノルボルネン系モノマーであり、その具体
例としてジシクロペンタジエン、トリシクロペンタジエ
ン、テトラシクロペンタジエンなどが例示される。した
がって、ノルボルネン系モノマーと架橋性モノマーが同
一物である場合には格別他の架橋性モノマーを用いる必
要はない。
これらのノルボルネン系モノマーは、単独で使用して
もよいし、また、2種以上を混合して用いることもでき
る。
なお、上記ノルボルネン系モノマーの1種以上と共に
開環重合し得るシクロブテン、シクロペンテン、シクロ
ペンタジエン、シクロオクテン、シクロドデセンなどの
単環シクロオレフィンなどを、本発明の目的を損なわな
い範囲で併用することができる。
(メタセシス触媒) 本発明で用いる触媒は、ノルボルネン系モノマーの開
環重合用触媒として公知のメタセシス触媒系であればい
ずれでもよく(例えば、特開昭58−127728号、同58−12
9013号、同59−51911号、同60−79035号、同60−186511
号、同61−126115号など)、特に制限はない。
メタセシス触媒の具体例としては、タングステン、モ
リブデン、タンタルなどのハロゲン化物、オキシハロゲ
ン化物、酸化物、有機アンモニウム塩などが挙げられ、
また、活性剤(共触媒)の具体例としては、アルキルア
ルミニウムハライド、アルコキシアルキルアルミニウム
ハライド、アリールオキシアルキルアルミニウムハライ
ド、有機スズ化合物などが挙げられる。
アルキルアルミニウムハライドの場合は、触媒を含む
溶液を混合すると即座に重合を開始するという問題があ
るので、その場合には活性剤とエーテル類、エステル
類、ケトン類、ニトリル類、アルコール類などの調節剤
を併用することにより重合の開始を遅らせることができ
る(例えば、特開昭58−129013号公報、同61−120814号
公報)。ガラス繊維などの充填剤を用いる場合には、充
填剤への含浸を均一に行なわせるためには、ポットライ
フが長いものの方が有利であり、その見地から30℃での
ポットライフが5分以上、特に10分以上のものが好まし
い。
また、触媒、活性剤に加えてクロロホルム、四塩化炭
素、ヘキサクロロシクロペンタジエンなどのごときハロ
ゲン化炭化水素(例えば特開昭60−79035号)や四塩化
ケイ素、四塩化ゲルマニウム、四塩化鉛などのハロゲン
化金属を併用してもよい。
メタセシス触媒は、モノマーの1モル対し、通常、約
0.01〜50ミリモル、好ましくは0.1〜10ミリモルの範囲
で用いられる。活性剤(共触媒)は、触媒成分に対し
て、通常、0.1〜200(モル比)、好ましくは2〜10(モ
ル比)の範囲で用いられる。
メタセシス触媒および活性剤は、いずれもモノマーに
溶解して用いる方が好ましいが、生成物の性質を本質的
に損なわない範囲であれば少量の溶剤に懸濁または溶解
させて用いてもよい。
(塊状重合) 本発明においては、表面にスキン層を有する低発泡倍
率の板状発泡体からなる芯材を金型内に設置し、ノルボ
ルネン系モノマーをメタセシス触媒により塊状で開環重
合する方法が用いられる。実質的に塊状重合であればよ
く、少量の不活性溶剤が存在していてもかまわない。
好ましい塊状重合体の製造法では、ノルボルネン系モ
ノマーを二液に分けて別の容器に入れ、一方にはメタセ
シス触媒を、他方には活性剤を添加し、二種類の安定な
反応溶液を調製する。この二種類の反応溶液を混合し、
次いで所定形状の金型中に注入し、そこで塊状による開
環重合を行なう。
金型は、特に制限されないが、アルミニウム、低融点
合金などの金属製のものが好ましい。
本発明においては従来からRIM成形装置として公知の
衝突混合装置を、二種類の反応原液を混合するために使
用することができる。この場合、二種類の反応原液を収
めた容器は別々の流れの供給源となる。二種類の流れを
RIM機のミキシング・ヘッドで瞬間的に混合させ、次い
で、成形金型中に注入し、そこで即座に塊状重合させて
成形品を得る。
衝突混合装置以外にも、ダイナミックミキサーやスタ
チックミキサーなどの低圧注入機を使用することもでき
る。室温におけるポットライフが1時間もあるような場
合には、ミキサー中で二種類の反応溶液の混合が完了し
てから、予備加熱した金型中へ数回にわたって射出ある
いは注入してもよく、例えば、特開昭59−51911号公報
公報、米国特許第4,426,502号公報明細書)、また、連
続的に注入してもよい。
この方式の場合には、衝突混合装置に比較して装置を
小型化することができ、また、低圧で操作可能という利
点を有するうえ、ガラス繊維などの充填剤の充填量が多
い場合に、注入スピードをゆっくりすることにより、系
内に均一に反応原液を含浸させることが可能となる。
また、本発明では二種類の反応原液を使用する方法に
限定されない。当業者であれば容易に理解しうるよう
に、例えば第三番目の容器にモノマーと所望の添加剤を
入れて第三の流れとして使用するなど各種の変形が可能
である。
金型温度は、通常、10〜150℃、より好ましくは30〜1
00℃である。
金型内の圧力は、芯材となる発泡体を変形させない範
囲とする。具体的には、0.1〜10kg/cm2、好ましくは5kg
/cm2までの範囲内である。
重合時間は適宜選択すればよいが、通常は約20分より
短かく、好ましくは5分以内であるが、それより長くて
もよい。
なお、反応原液は通常窒素ガスなどの不活性ガス雰囲
気下で貯蔵され、また操作されるが、成形金型は必ずし
も不活性ガスでシールしなくてもよい。
(任意成分) 酸化防止剤、充填剤、強化材、顔料、着色剤、発泡
剤、難燃剤、摺動付与剤、エラストマー、ジシクロペン
タジエン系熱重合樹脂の水添物など種々の添加剤を配合
することにより、得られるポリマーの特性を改質するこ
とができる。
酸化防止剤としては、フェノール系、リン系、アミン
系など各種のプラスチック・ゴム用酸化防止剤がある。
充填剤にはミルドガラス、ガラス長繊維、ガラスマッ
ト、カーボンブラック、タルク、炭酸カルシウム、雲母
などの無機質充填剤がある。
強化繊維は、外周層の強度をさらに高める目的で、本
発明とあわせて用いることもできる。
エラストマーとしては、天然ゴム、ポリブタジエン、
ポリイソプレン、スチレン−ブタジエン共重合体(SB
R)、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合
体(SBS)、スチレン−イソプレン−スチレンブロック
共重合体(SIS)、エチレン−プロピレン−ジエンター
ポリマー(EPDM)、エチレン酢酸ビニル共重合体(EV
A)およびこれらの水素化物などがある。
添加剤は予め反応溶液のいずれか一方または双方に混
合しておくか、あるいは金型のキャビティーに入れてお
く。また、発泡体のまわりに強化繊維を巻きつけ樹脂の
強度を高めることも、本発明の目的を阻害しない範囲で
実施することができる。
〔実施例〕
以下に実施例および比較例を挙げて本発明をさらに具
体的に説明する。なお、実施例、比較例中の部は、特に
断りのないかぎり重量基準である。
[実施例1] 545mm×545mm×30mmの空間を有する発泡用金型(アル
ミニウム製)に、ポリウレタンフォーム用発泡原液(旭
電化社製、アデカフォームミックス;ポリオールとイソ
シアネート、発泡材を混合した液体)を注入し、約15分
間で、ポリウレタン製の板状発泡体を得た。
得られた板状発泡体は、発泡倍率が約10倍、密度は0.
12g/cm3で、表面にスキン層を有するものであった。
該板状発泡体に、支持金具として、100mm×250mm×3m
mの大きさのアルミ板を、両側面から埋設し、その端部
(100mm×100mm)をはみ出させた。
550mm×550mm×40mmの空間を有する金型内に、前記支
持金具付き板状発泡体を置いた。なお、下部金型の両端
には、予め、支持金具のはみ出した大きさと厚さに見合
う間隙を設けておき、上下の金型を閉じたときに、板状
発泡体と金型内面との間に間隙が生じるようにしてあ
る。
金型は60℃に加熱し、垂直に立てた。反応液の注入口
は、金型の下方に設けた。
ジシクロペンタジエン(DCP)100部に、スチレン−イ
ソプレン−スチレンブロック共重合体(SIS)(クイン
タック3421、日本ゼオン社商品名)6.5部を入れて混合
した。この液を2つの容器に入れ、一方には、DCPに対
しジエチルアルミニウムクロリド(DEAC)を41ミリモル
濃度、n−プロピルアルコールを41ミリモル濃度、四塩
化ケイ素を21ミリモル濃度となるようにそれぞれ添加し
た(A液)。
他方には、DCPに対し、トリ(トリデシル)アンモニ
ムモリブデートを10ミリモル濃度となるように添加し、
さらにDCP100部当たりフェノール系酸化防止剤(エタノ
ックス702、エチルコーポレーション社製)4部を添加
した(B液)。
両反応液(A液/B液の混合比1/1)を、前記の金型の
中へギヤーポンプとパワーミキサーを用いてほぼ常圧で
速やかに注入した。
注入後、約3分間重合反応を行い、発泡体を芯材と
し、DCP樹脂を外周層とした大型板状の複合成形品を得
た。
得られた複合成形品は、ボイドや凹凸の発生のない平
滑性の良好なものであり、かつ、波打ちのない平面性に
優れたものであった。
[比較例1] 発泡倍率が約20倍、密度が0.06g/cm3のポリウレタン
製板状発泡体を芯材として用いた以外は、実施例1と同
様に操作して大型板状複合成形品を得た。
得られた複合成形品は、中央部で波打ちが生じてお
り、平面性の悪いものであった。また、これを切断して
調べたところ、外周層と芯材との界面が剥離しているこ
とが判明した。
[比較例2] ポリウレタン発泡体を切断して、スキン層のない板状
発泡体とし、これを芯材として用いたこと以外は、実施
例1と同様にして大型板状複合成形品を製造した。
得られた複合成形品の表面には、多数の凹凸ができて
おり、平滑性の悪いものであって、商品価値のないもの
であった。
〔発明の効果〕
かくして、本発明によれば、軽くて強く、表面平滑
性、平面性の良好な大型板状複合成形品を提供すること
ができる。また、本発明によれば、大型板状の複合成形
品が簡単な方法で迅速に成形できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の複合成形品を金型内で製造する1実
施態様を示す断面略図である。第2図は、成形直後の複
合成形品の平面図である。 1:板状発泡体(芯材)、 2:支持金具、 3:外周層、 4:上部金型、 5:下部金型、 6:下部金型に設けた支持金具の末端部を受け入れる間隙
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−74311(JP,A) 特開 平1−316262(JP,A) 特開 昭62−52987(JP,A) 特開 平2−29308(JP,A) 特開 平1−221415(JP,A) 特開 平3−147822(JP,A) 特許2805209(JP,B2) 特許2866112(JP,B2) 特許2902000(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B29C 45/00 - 45/17

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】表面にスキン層を有する低発泡倍率の板状
    発泡体からなる芯材を金型内に設置し、ノルボルネン系
    モノマーとメタセシス系触媒を含む反応液を金型内に供
    給して塊状重合させ、ノルボルネン系ポリマーからなる
    外周層を形成して成ることを特徴とする大型板状複合成
    形品。
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