JPH03146516A - ノルボルネン系ポリマーの製造方法 - Google Patents

ノルボルネン系ポリマーの製造方法

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JPH03146516A
JPH03146516A JP28555589A JP28555589A JPH03146516A JP H03146516 A JPH03146516 A JP H03146516A JP 28555589 A JP28555589 A JP 28555589A JP 28555589 A JP28555589 A JP 28555589A JP H03146516 A JPH03146516 A JP H03146516A
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 【産業上の利用分野】
本発明は、ノルボルネン系ポリマーの製造方法に関し、
さらに詳しくは、トリシクロペンタジェンを含む三環体
以上のノルボルネン系モノマー混合物とメタセシス触媒
系を含む反応液のポットライフを遅延させ、しかも金型
内へ注入後に即座に硬化させることができるノルボルネ
ン系ポリマーの製造方法に関する。
【従来の技術】
アルキル置換ノルボルネンやジシクロペンタジェン、ト
リシクロペンタジェンなどのノルボルネン系モノマーを
、金型内で、モリブデンおよび/またはタングステン系
メタセシス触媒により塊状開環重合する技術は公知であ
る(米国特許明細書第4.380.617号明細書など
)。 一般に、この塊状開環重合は、ノルボルネン系モノマー
、メタセシス触媒および共触媒(活性剤)を混合した後
、金型内に注入して、反応を開始させ、硬化させること
により行なわれる。混合後、反応液の粘度は増加し、流
動しにくくなる点を経た後(混合後、この時点までの時
間をポットライフという)、さらに反応が進み、急激な
発熱が生じ、同時に、生成樹脂の表面よりわずかに白煙
の発生が認められ、その複速やかに重合反応は終了する
(混合後、この白煙発生までの時間をスモーキングタイ
ムという)。 ところで、モリブデンまたはタングステン系メタセシス
触媒とアルキルアルミニウムハライドなどの共触媒との
組合わせは、活性があり過ぎるため、室温でも迅速に塊
状開環重合が進行し、混合部分から硬化が始まる。そこ
で、ポットライフを長くし、早期重合を予防するために
、触媒系を改良したり、あるいはエーテル、エステル、
ケトン、ニトリルなどを共触媒の活性調節剤として使用
することなどが提案されている(特開昭59−5191
1号、同58−129013号、同61−120814
号、同61−179214号など)。 ところが、従来技術では、未だポットライフが短く、操
作性に難があり、しかも反応液混合後、重合が開始し、
ポットライフまでの間にも反応液の粘度は顕著な増大を
示す、したがって、金型内での反応液の流速が、この粘
度増加のために場所や時間により局部的に変化し易く、
成形品に流れ模様の跡(フローマーク)や時間的に不均
一な硬化部分が合体してできるウェルドラインが発生す
る。これらが成形品の表面不良や物性低下の原因となる
。 一方、ポットライフを改善する方法として、第3級アル
コールを用いることが提案されている(例えば、特願昭
63−332776号)が、この方法でポットライフを
長くすると、それに伴ってスモーキングタイムが長くな
るため、場合によってはその間に活性が低下し、高い転
化率を得にくいという問題がある。 ところで、ジシクロペンタジェン(DCP)などの三環
体のノルボルネン系モノマーは、工業的に入手が容易で
あることから賞用されているが、例えば、ポリDCP樹
脂の耐熱性を上げるために、モノマーとしてトリシクロ
ペンタジェン(TCP)を併用すると、反応液のポット
ライフがさらに短くなるという問題点を抱えていた。 ノルボルネン系モノマーの塊状開環重合においては、混
合の初期段階での硬化を防ぎ、反応成分や添加剤等を完
全に混合させること、金型注入途中での粘度変化を抑制
すること、金型内への注入終了後には即座に硬化させる
ことなど、操作性と成形性・生産性の両立が求められる
。 そこで、スモーキングタイムを大きく遅延させることな
く、ポットライフを長くするよう、反応液を制御するこ
とが重要となる。
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、トリシクロペンタジェンを含む三環体
以上のノルボルネン系モノマー混合物を、メタセシス触
媒系の存在下に塊状開環重合する方法において、スモー
キングタイムを大きく遅延させることなく、ポットライ
フを長くして、操作性を改良すると共に、金型内での反
応開始から重合硬化終了までの時間を短くし、成形生産
時間を短縮することにある。 また、本発明の目的は、金型内への注入途中における反
応液の粘度変化を極力抑えて、フローマークやウェルド
ラインのない、外観および物性の良好な成形品を得るこ
とにある。 本発明者らは、前記従来技術の有する問題点を克服する
ために鋭意研究した結果、トリシクロペンタジェンを含
む三環体以上のノルボルネン系モノマー混合物を、メタ
セシス触媒系の存在下に塊状開環重合する方法において
、メタセシス触媒系としてモリブデン系メタセシス触媒
と共触媒とから成るメタセシス触媒系を用い、かつ、反
応液に5−ビニル−2−ノルボルネンなどの5−アルケ
ニル−2−ノルボルネン類(VNB類)を含ませると、
VNB類がポットライフ調節剤として機能し、前記目的
を達成できることを見出した。 ところで、VNB類は、α−オレフィン結合を有してい
るため、α−オレフィンの連鎖移動によりメタセシス反
応初期の重合抑制効果が予測される。 しかし、従来、ノルボルネン系モノマーに分子量調節剤
として、各種オレフィン類を添加することが提案されて
いるが、例えば、1−ドデセンや1.6−へブタジェン
、スチレン、ジビニルベンゼンなどのノルボルネン環を
もたないオレフィン類を添加してもポットライフ遅延効
果はほとんどなく、多量に添加した場合には多少のポッ
トライフ遅延効果が認められるものの、得られたポリマ
ーのガラス転移温度(Tg)などの物性が低下するとい
う問題がある。 また、VNB類とジシクロペンタジェンの架橋重合成形
物(特開昭63−12612号)、あるいはVNBのホ
モポリマーまたはVNBと5−エチリデン−2−ノルボ
ルネンとのコポリマーの製造法(特開昭63−9761
0号)が提案されているが、これらの重合では、メタセ
シス触媒としてタングステン化合物が用いられている。 ところが、タングステン化合物は、メタセシス触媒とし
て高活性ではあるものの、VNB類を含むノルボルネン
系モノマーの触媒として使用しても、ポットライフ遅延
効果はほとんど認められない。 したがって、前記特定の組合わせにより、スモーキング
タイムを大幅に遅延させることなく、ポットライフを遅
延させることができたことは予期し得ないことであった
。 本発明は、これらの知見に基づいて完成するに至ったも
のである。 〔課題を解決するための手段] かくして、本発明によれば、トリシクロペンタジェンを
含む三環体以上のノルボルネン系モノマー混合物を、メ
タセシス触媒系の存在下に塊状開環重合するノルボルネ
ン系ポリマーの製造方法において、メタセシス触媒系と
してモリブデン系メタセシス触媒と共触媒とから成るメ
タセシス触媒系を用い、かつ、反応液のポットライフ調
節剤として5−アルケニル−2−ノルボルネン類を用い
ることを特徴とするノルボルネン系ポリマーの製造方法
が提供される。 以下、本発明について詳述する。 (ノルボルネン系モノマー) 本発明においては、ノルボルネン系モノマーとして、熱
変形温度の高いポリマーを得るために、トリシクロペン
タジェンを含む三環体以上の多環ノルボルネン系モノマ
ー混合物を用いる。 三環体以上のノルボルネン系モノマーとしては、例えば
、ジシクロペンタジェンやジヒドロジシクロペンタジェ
ンなどのごとき二環体、テトラシクロドデセン、メチル
テトラシクロドデセン、エチルテトラシクロドデセン、
ジメチルテトラシクロドデセン、エチリデンテトラシク
ロドデセン、フェニルテトラシクロドデセンなどのごと
き四環体などが例示される。なかでも、入手の容易さの
見地から、ジシクロペンタジェン(DCP)が賞用され
る。 これらのノルボルネン系モノマーは、単独で使用しても
よいし、また、2種以上を混合して用いることもできる
。 ノルボルネン系モノマー混合物におけるトリシクロペン
タジェン(TCP)の割合は、他の三環体以上のノルボ
ルネン系モノマー40〜95重量%、好ましくは50〜
90重量%とTCP60〜5重量%、好ましくは50〜
10重量%である。 かかるノルボルネン系モノマー混合物は、ジシクロペン
タジェン類を不活性ガス雰囲気下、120〜250℃で
、0.5〜20時間熱処理することによっても得ること
ができ、例えば、DCPの熱処理により、TCPと未反
応DCPを含む七ツマー混合物が得られる。この場合、
DCP95〜40重量%、好ましくは95〜60重量%
、TCP5〜60重量%、好ましくは5〜40重量%と
することが望ましい。 なお、上記ノルボルネン系モノマーの1種以上と共に開
環重合し得る2−ノルボルネン、5−メチル−2−ノル
ボルネン、5−エチル−2−ノルボルネン、5−ブチル
−2−ノルボルネン、5−へキシル−2−ノルボルネン
、5−エチリデン−2−ノルボルネン、5−フェニルノ
ルボルネンなどの二環体のノルボルネン系モノマー、あ
るいはシクロブテン、シクロペンテン、シクロペンタジ
ェン、シクロオクテン、シクロドデセンなどの単環シク
ロオレフィンなどを、本発明の目的を損なわない範囲で
併用することができる。 (以下余白) (VNB類) 本発明で使用する5−アルケニル−2−ノルボルネン類
は、5位に末端に二重結合を有する低級アルケニル基を
有するもので、アルケニル基の炭素数は2〜6、特に2
〜3が好ましく、また、6位および/または5位に低級
アルキル基、アルケニル基をさらにもっていてもよい、
さらに、他の部位にメチル基やハロゲン原子をもってい
てもよい。2.5−ノルボルナジェンでもよい。 このような5−アルケニル−2−ノルボルネン類の具体
例としては、例えば、5−ビニルビシフo [2,2,
llヘプト−2−エン(VNB)、5−イソプロペニル
ビシクロ[2,2,1]ヘプト−2−エン(IPN)、
5−ビニル−5−メチルビシクロ[2,2,1]ヘプト
−2−エン、5−ビニル−4−メチルビシクロ[2,2
,13ヘプト−2−エン、5−ビニル−4−ビニルビシ
クロ[2,2,1]ヘプト−2−エン、5−プロペニル
−ビシクロ[2,2,13ヘプト−2−エン、5−ブテ
ニル−ビシクロ[2,2,1]ヘプト−2−エン、5−
ペンテニル−ビシクロ[2゜2.1]ヘプト−2−エン
、これらのモノメチル置換体、これらのモノクロル置換
体、これらのジクロル置換体、5−α−クロルビニルビ
シクロ[2,2,llヘプト−2−エンなどを挙げるこ
とができる。また、シクロペンタジェンとビニルアセチ
レンのディールス・アルダ−反応生成物である5−ビニ
ルビシクロ[2,2,1]ヘプト−1,4−ジエンも挙
げることができる。 これらの中でも、入手の容易さからVNBとIPNが賞
用される。これらは、ブタジェンまたはイソプレンとシ
クロペンタジェンとのディールス・アルダ−反応生成物
として得ることができる。また、開環重合用のモノマー
として、ナフサクラッキングによるエチレン製造の際の
副生物であるCs留分から、高純度のジシクロペンタジ
ェンを蒸留操作により製造する場合に、副生物としてV
NBやIPNが安価に入手できる。 ポットライフ調節剤としてのVNB類の添加割合は、三
環体以上のノルボルネン系モノマー100重量部当たり
、少なくとも0.5重量部以上、好ましくは1〜60重
量部、特に好ましくは5〜45重量部である。VNB類
の割合が過小であると、ポットライフの遅延効果が少な
く、逆に過大であると、樹脂(生成ノルボルネン系ポリ
マー)のガラス転移温度(T g)が低下し過ぎるため
、いずれも好ましくない。 (メタセシス触媒系) モ1 デン   セシス 本発明で用いる触媒は、ノルボルネン系モノマーの開環
重合用触媒として公知のモリブデン系メタセシス触媒系
であればいずれでもよく、モリブデンのハロゲン化物、
オキシハロゲン化物、酸化物、有機アンモニウム塩など
が挙げられるが、特に特開昭58−127728号、同
59−51911号などに記載の有機アンモニウム塩が
好ましい。 モリブデン系メタセシス触媒の具体例としては、トリド
デシルアンモニウムそりプデート、メチルトリカブリル
アンモニウムモリブデート、トリ(トリデシル)アンモ
ニウムモリブデート、トリオクチルアンモニウムモリブ
デート、5塩化モリブデン、オキシ三塩化モリブデンな
どが挙げられる。 共」L媒 共触媒(活性剤)の具体例としては、アルキルアルミニ
ウムハライド、アルコキシアルキルアルミニヴムハライ
ド、アリールオキシアルキルアルミニウムハライド、有
機スズ化合物などが挙げられる。 アルキルアルミニウムハライドの場合は、触媒を含む溶
液を混合すると即座に重合を開始するという問題がある
ので、エーテル類、エステル類、ケトン類、ニトリル類
、アルコール類などの調節剤を併用することにより重合
の開始を遅らせることができる(例えば、特開昭58−
129013号公報、同61−120814号公報)。 また、触媒、活性剤に加えてクロロホルム、四塩化炭素
、ヘキサクロロシクロペンタジェンなどのごときハロゲ
ン化炭化水素(例えば特開昭60−79035号)や四
塩化ケイ素、四塩化ゲルマニウム、四塩化鉛などのハロ
ゲン化金属(特開昭63−186730号)を併用して
もよい。 メタセシス触媒は、モノマーの1モル対し、通常、約0
.01〜50ミリモル、好ましくは0.1〜20ミリモ
ルの範囲で用いられる。共触媒(活性剤)は、触媒成分
に対して、通常、0.1〜200 (モル比)、好まし
くは1〜lO(モル比)の範囲で用いられる。 メタセシス触媒および活性剤は、いずれもモノマーに溶
解して用いる方が好ましいが、生成物の性質を本質的に
損なわない範囲であれば少量の溶剤に懸濁または溶解さ
せて用いてもよい。 (塊状開環重合) 本発明においては、金型内でノルボルネン系モノマーを
メタセシス触媒により塊状で開環重合する方法が用いら
れる。実質的に塊状重合であればよく、少量の不活性溶
剤が存在していてもかまわない。 好ましい塊状開環重合体の製造法では、ノルボルネン系
モノマー混合物を二液に分けて別の容器に入れ、一方に
はメタセシス触媒を、他方には活性剤を添加し、二種類
の安定な反応液を調製する。この二種類の反応液を混合
し、次いで所定形状の金型中に注入し、そこで塊状によ
る開環重合を行なう。金型は、単なる型枠であってもよ
い。 本発明においては従来から反応射出成形(RIM)装置
として公知の衝突混合装置を、二種類の反応液を混合す
るために使用することができる。 この場合、二種類の反応溶液を収めた容器は別々の流れ
の供給源となる。二種類の流れをRIM機のミキシング
・ヘッドで瞬間的に混合させ、次いで、高温の成形金型
中に注入し、そこで即座に塊状重合させて成形品を得る
。 また、ミキサー中で二種類の反応液の混合が完了してか
ら、予備加熱した金型中へ数回にわたって射出あるいは
注入してもよく(例えば、特開昭59−51911号公
報公報、米国特許第4.426.502号公報明細書)
、あるいは連続的に注入してもよい。この方式の場合に
は、衝突混合装置に比較して装置を小型化することがで
き、低圧で操作可能という利点を有するうえ、ガラス繊
維などの補強材の充填量が多い場合に、注入スピードを
ゆっくりすることにより、系内に均一に反応液を含浸さ
せることが可能となる。 また、本発明では二種類の反応液を使用する方法に限定
されない、当業者であれば容易に理解しつるように、例
えば第三番目の容器にモノマーと所望の添加剤を入れて
第三の流れとして使用するなど各種の変形が可能である
。 本発明で使用する金型の材質は、特に金属に限定されず
、金属以外の樹脂、木材、セメントなどいずれでも使用
できるが、経済性からみて樹脂型およびその表面をメツ
キしたもの、電鋳型などが賞用される。 金型温度は、通常、室温以上、好ましくは40〜200
℃、さらに好ましくは50〜120℃である。型締圧力
は通常0.1〜100kg/crtrの範囲内である。 重合時間は適宜選択すればよいが、金型内におけるポッ
トライフからスモーキングタイムまでの時間は、通常5
分以内、好ましくは2分以内である。 なお、反応液は通常窒素ガスなどの不活性ガス雰囲気下
で貯蔵され、また操作されるが、成形金型は必ずしも不
活性ガスでシールしなくてもよい。 (任意成分) 酸化防止剤、充填剤、顔料、着色剤、発泡剤、難燃剤、
摺動付与剤、エラストマー、ジシクロペンタジェン系熱
重合樹脂およびその水添物など種々の添加剤を配合する
ことにより、得られるポリマーの特性を改質することが
できる。 酸化防止剤としては、フェノール系、リン系、アミン系
など各種のプラスチック・ゴム用酸化防止剤がある。 充填剤にはミルドガラス、カーボンブラック、タルク、
炭酸カルシウム、雲母などの無機質充填剤がある。 エラストマーとしては、天然ゴム、ポリブタジェン、ポ
リイソプレン、スチレン−ブタジェン共重合体(SBR
)、スチレン−ブタジェン−スチレンブロック共重合体
(SBS)、スチレン−イソプレン−スチレンブロック
共重合体(SIS)、エチレン−プロピレン−ジェンタ
ーポリマー(EPDM)、エチレン酢酸ビニル共重合体
(EVA)およびこれらの水素化物などがある。 添加剤は、通常、予め反応液のいずれか一方または双方
に混合しておく。 (以下余白) 〔実施例〕 以下、実施例、参考例および比較例を挙げて本発明を具
体的に説明するが、本発明は、これらの実施例のみに限
定されるものではない。なお、部および%は、重量基準
である。 [実施例1] (ポットライフ遅延効果の確認実験例)純度99.3%
のジシクロペンタジェン(DCP)と純度96.1%の
トリシクロペンタジェン(TCP;非対称型80%と対
称型20%の混合物)、および純度99.8%の5−ビ
ニルビシフ0 [2,2,IIヘプト−2,zン(VN
B)を第1表に示す割合で混合した混合モノマー20m
Cを、35℃に維持したガラス製反応器に入れた。 これに対し、ジエチルアルミニウムクロリド(DEAC
)を20ミリモル/リットル、n−プロピルアルコール
を20ミリモル/リットル、四塩化ケイ素を10ミリモ
ル/リットル、さらにトリ(ドデシル)アンモニウムそ
りブデートを5ミリモル/リットルとなるように添加し
、よく混合した。 混合開始時点から、反応液が液体状からプリン状になる
までの時間を測定し、ポットライフ(PL)とする。ま
た、混合開始時点から、生成樹脂の表面かられずかな煙
が発生するまでの時間を測定し、スモーキングタイム(
SMT)とする。 これら一連の操作は、窒素ガス雰囲気下で実施した。得
られた樹脂のガラス転移温度(Tg)と転化率を測定し
た。 これらの測定結果を第1・表に示す。 第1表から明らかなように、TCPを含む三元系にする
と、得られる樹脂のガラス転移温度(Tg)が高くなる
。そして、DCP/TCP系は、ポットライフを短くす
るが、VNBを加えることによりSMTを大きく遅延さ
せずにPLを延長させ、SMT/PL比を小さくするこ
とが分かる。 (以下余白) [比較例1] (タングステン系メタセシス触媒の使用実験例)第2表
に示すノルボルネン系モノマー混合物20mI2をガラ
ス製反応器に入れ、DEACを19ミリモル/リットル
、ジn−ブチルエーテルを65ミリモル/リットル、さ
らに0.1モル/リットルの六塩化タングステンのトル
エン溶液にて、六塩化タングステンが1.9ミリモル/
リットルの量になるように添加すること以外は、実施例
1と同様にして実験を行なった。 PLとSMTのデータを第2表に示す。第2表から、タ
ングステン系メタセシス触媒を用いた場合には、VNB
の有無にかかわらず、SMT/PLの比は大きく、PL
とSMTの間隔が大きいことが分かる。 (以下余白) 第2表 (注) タングステン系メタセシス触媒を使用 (以下余白) [実施例2] VNBに代えて、第3表に示す組成割合で5−イソプロ
ペニルビシクロ[2,2,1]ヘプト−2−エン(IP
N)を用いた以外は、実施例1と同様にして実験を行な
った。結果を第3表に示す。 第3表から、IPNを用いる場合にもVNBと同様の効
果があることが分かる竺さらに、IPNは、VNBより
沸点が高いため操作がし易く、しかも得られる樹脂のT
gがより高くなるという利点がある。 (以下余白) [実施例3] ノルボルネン系モノマーとして、メチルテトラシクロド
デセン(MTD)をさらに加えて、DCP : TCP
 : VNB :MTDを60:10:5:25の組成
割合で・用いること以外は、実施例1と同様にして実験
を行なった。 反応活性については、PLが33秒、SMTが54秒で
、SMT/PLは1.6であった。また、樹脂のTgは
165℃、転化率は98.8%であった。 [実施例4] 2.6−ジーt−ブチル−4−ヒドロキシトルエン(B
IT)を11000pp含有するDCP90部とTCP
 10部のモノマー混合物に対して、スチレン−イソプ
レン−スチレンブロックエラストマー(S I S、日
本ゼオン社製、フィンタック3421)を3.5部を溶
解した。このモノマー混合物に対して、DEACを41
ミリモル/リットル、n−プロピルアルコールを50ミ
リモル/リットル、四塩化ケイ素を20ミリモル/リッ
トルとなるように添加し、よく混合して、A液とした。 他方、DCP80部、TCP9部およびVNB11部の
モノマー混合物に対して、BITe部と5IS3.5部
を溶解した。このモノマー混合物に対して、トリ(ドデ
シル)アンモニウムモリブデートを12ミリモル/リッ
トルとなるように添加し、よく混合して、B液とした。 A、B両反応液をloomQとり、混合して反応活性を
測定した。30℃にて、PLは9分15秒、SMTは1
4分28秒であった。 両反応液をギヤポンプとパワーミキサーを用いて1:1
の比率で混合し、500x500x3mmの空間容積を
有する60℃に加熱された金型中へ、はぼ常圧で注入し
た。注入時間は約30秒であった。 注入終了後、90
秒間反応を行なった。その後、金型より成形品を取り出
したところ、フローマークやウェルドラインのない良好
な外観を有する平板が得られた。また、この板のTgは
143℃であり、曲げ強度は6.3kg/mm2.曲げ
弾性率は195kg/mm”、ノツチ付きアイゾツト衝
撃度は40kg−cm/cmと優れた値であった。 [比較例2] B液のモノマー混合物をDCP90部とTCPIO部と
し、VNBを併用しなかった以外は、実施例4と同様に
して実験を行なった。 反応活性は、30℃にて、PLは2分50秒であり、S
MTは13分38秒であった。 得られた成形品の表面にはフローマークが認められ、ま
た、反応液出口付近にあたる部分にはウェルドラインが
認められた。 [比較例3] VNBに代えて第4表に示すモノマーを用いた以外は、
実施例1の実験番号1−5と同様にして実験を行なった
。結果を第4表に示す。 第4表から、5位にアルケニル基のないノルボルネン環
や2環体以外のノルボルネン系モノマーには、PLとS
MTの間隔を近づける効果のないことが分かる。 〔発明の効果〕 本発明によれば、トリシクロペンタジェンを含む三環体
以上のノルボルネン系モノマー混合物、ポットライフ調
節剤として5−アルケニル−2−ノルボルネン類、およ
びモリブデン系メタセシス触媒と共触媒とから成るメタ
セシス触媒系を含む反応液を用いることにより、スモー
キングタイムを大きく遅延させることなく、ポットライ
フを大幅に遅延させて、ポットライフとスモーキングタ
イムとの間隔を近付けることができる。そして、前記反
応液を使用することにより、金型内への注入途中におけ
る反応液の粘度変化が抑制されて、フローマークやウェ
ルドラインのない、外観および物性の良好な成形品を操
作性よく得ることができる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)トリシクロペンタジエンを含む三環体以上のノル
    ボルネン系モノマー混合物を、メタセシス触媒系の存在
    下に塊状開環重合するノルボルネン系ポリマーの製造方
    法において、メタセシス触媒系としてモリブデン系メタ
    セシス触媒と共触媒とから成るメタセシス触媒系を用い
    、かつ、反応液のポットライフ調節剤として5−アルケ
    ニル−2−ノルボルネン類を用いることを特徴とするノ
    ルボルネン系ポリマーの製造方法。
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