JP2001163959A - 開環重合用触媒系、開環重合体の製造方法、反応原液および成形方法 - Google Patents

開環重合用触媒系、開環重合体の製造方法、反応原液および成形方法

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JP2001163959A
JP2001163959A JP2000296183A JP2000296183A JP2001163959A JP 2001163959 A JP2001163959 A JP 2001163959A JP 2000296183 A JP2000296183 A JP 2000296183A JP 2000296183 A JP2000296183 A JP 2000296183A JP 2001163959 A JP2001163959 A JP 2001163959A
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ruthenium
ylidene
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JP2000296183A
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Tomoo Sugawara
智雄 菅原
Kazunori Taguchi
和典 田口
Yasuo Tsunokai
靖男 角替
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Zeon Corp
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Nippon Zeon Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来のルテニウム錯体触媒と比較して一段と
高い重合活性が得られる環状オレフィンの開環重合用触
媒を提供する。 【解決手段】 (a)ルテニウムに配位子として中性電
子供与体および/またはヘテロ原子含有カルベン化合物
が配位してなる錯体と、(b)ルイス酸からなる環状オ
レフィンの開環重合用触媒系。この触媒系は、型内で環
状オレフィンを塊状重合して成形品を得る下記方法に有
利に適用される。すなわち、環状オレフィンとルイス酸
からなる反応原液と、上記ルテニウム錯体触媒とを混合
して型内に注入し、その型内で環状オレフィンを開環重
合および硬化させる成形方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、環状オレフィンの
開環重合(メタセシス重合)に用いる触媒系、該触媒系
を用いる環状オレフィンの開環重合体の製造方法、重合
用反応原液、および該反応原液を用いる成形方法に関す
る。本発明の触媒系は、環状オレフィンに対して高い重
合活性を示す。
【0002】
【従来の技術】従来、環状オレフィン類の開環重合用触
媒として、各種のルテニウム錯体が知られている。例え
ば、特表平10−508891号には、ルテニウムまた
はオスミウムの少なくとも一種の二価カチオン性化合物
に、三級ホスフィン配位子などが結合された錯体化合物
が記載されている。また、特表平9−512828に
は、種々の配位子を有するルテニウムまたはオスミウム
金属のカルベン錯体化合物が開示され、ジシクロペンタ
ジエンの塊状重合用触媒として使用した実験例が記載さ
れている。
【0003】これらの文献に記載された触媒は、環状オ
レフィンの重合に際して、水や空気のような失活物質の
影響を比較的受けにくいという利点がある。しかしなが
ら、触媒の重合活性は、いまだ十分に高いとは言い難
く、とりわけ塊状重合に適用する場合には、反応率が十
分に上がらないという欠点を有していた。例えば、前記
特表平9−512828号の実験例によると、触媒を添
加した反応液を約65℃で1時間反応させ、さらに13
0℃のオーブン中で3時間反応させた後の反応収率は8
6%と記載されている。また、前記触媒の金属成分であ
るルテニウムは、産出量が少なく高価であるため、経済
的有利に重合反応を行うには、触媒量を減量することが
求められているが、単に触媒量を減量するだけでは、反
応率がますます低下するという問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来技術の上記のよう
な問題点に鑑み、本発明の目的は、ルテニウム錯体を触
媒とする環状オレフィンの開環重合において、高い重合
活性を示す触媒系を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、環状オレ
フィンの開環重合用触媒として用いられるルテニウム錯
体の高活性化について鋭意検討した結果、ある種の活性
化剤を組み合わせて触媒系とすることによって、高い反
応率が達成できることを見出し、本発明を完成するに到
った。
【0006】かくして本発明によれば、(a)ルテニウ
ムに配位子として中性電子供与体および/またはヘテロ
原子含有カルベン化合物が配位してなる錯体と、(b)
ルイス酸からなる環状オレフィンの開環重合用触媒系が
提供される。
【0007】上記の触媒系は、環状オレフィンの開環重
合に用いるが、重合方法の好ましい態様は型内で行われ
る塊状(バルク)重合である。この塊状重合において
は、少なくとも環状オレフィンと前記(b)のルイス酸
とからなる反応原液を、前記(a)のルテニウム錯体と
混合して型内に供給される。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の触媒系、重合反応
原液、重合体の製造方法、そして塊状重合による成形方
法について詳細に説明する。 (触媒系)本発明の触媒系は、(a)ルテニウムに配位
子として中性電子供与体および/またはヘテロ原子含有
カルベン化合物が配位してなる錯体と、(b)ルイス酸
からなることを特徴とする。
【0009】(a)ルテニウム錯体 本発明の触媒系を構成するルテニウム錯体は特に限定さ
れないが、通常、下記一般式[1]〜[3]で示される
ルテニウム錯体が用いられる。
【0010】
【化1】
【0011】(式中、X1は互いに独立に任意のアニオ
ン性配位子を示し、L1は互いに独立に任意の中性電子
供与体および/またはヘテロ原子含有カルベン化合物を
示す。X1およびL1の2個、3個または4個は互いに結
合して多座キレート化配位子を形成してもよい。mは0
〜2の整数で、nは1〜3の整数である。zは1または
2である。)
【0012】
【化2】
【0013】(式中、R1およびR2は、互いに独立に水
素、またはハロゲン原子、酸素原子、窒素原子、硫黄原
子、リン原子、けい素原子を含んでもよいC1〜C20
炭化水素基を示し、X2およびX3は、互いに独立に任意
のアニオン性配位子を示す。L 2およびL3は互いに独立
に任意の、中性電子供与体および/またはヘテロ原子含
有カルベン化合物を示す。R1、R2、X2、X3、L2
3の2個、3個、4個または5個は互いに結合して多
座キレート化配位子を形成してもよい。)
【0014】
【化3】
【0015】(式中、R3およびR4は、互いに独立に水
素、またはハロゲン原子、酸素原子、窒素原子、硫黄原
子、リン原子、けい素原子を含んでもよいC1〜C20
炭化水素基を示し、X4およびX5は、互いに独立に任意
のアニオン性配位子を示す。L 4、L5は互いに独立に任
意の中性電子供与体および/またはヘテロ原子含有カル
ベン化合物を示す。R3、R4、X4、X5、L4、L5の2
個、3個、4個または5個は互いに結合して多座キレー
ト化配位子を形成してもよい。)
【0016】前記「カルベン化合物」とは、メチレン遊
離基を有する化合物の総称であり、(>C:)で表され
るような電荷のない2価の炭素原子をもつ化合物のこと
である。カルベンは、一般的には反応中に生じる不安定
な中間体として存在するが、ヘテロ原子を有すると比較
的安定なカルベン化合物として単離することができる。
また、前記「ヘテロ原子」とは、周期律表第15族およ
び第16族の原子のことであり、具体的には、窒素原
子、酸素原子、リン原子、硫黄原子、ヒ素原子、セレン
原子などを挙げることができる。なかでも、窒素原子、
酸素原子、リン原子、硫黄原子が安定なカルベン化合物
を得るためには好ましく、窒素原子、リン原子が特に好
ましい。
【0017】ヘテロ原子含有カルベン化合物の具体例と
しては、1,3−ジイソプロピル−4−イミダゾリン−
2−イリデン、1,3−ジシクロヘキシル−4−イミダ
ゾリン−2−イリデン、1,3−ジ(メチルフェニル)
−4−イミダゾリン−2−イリデン、1,3−ジ(メチ
ルナフチル)−4−イミダゾリン−2−イリデン、1,
3−ジメシチル−4−イミダゾリン−2−イリデン、
1,3−ジアダマンチル−4−イミダゾリン−2−イリ
デン、1,3−ジフェニル−4−イミダゾリン−2−イ
リデン、1,3,4,5−テトラメチル−4−イミダゾ
リン−2−イリデン、1,3,4,5−テトラフェニル
−4−イミダゾリン−2−イリデン、1,3−ジイソプ
ロピルイミダゾリジン−2−イリデン、1,3−ジシク
ロヘキシルイミダゾリジン−2−イリデン、1,3−ジ
(メチルフェニル)イミダゾリジン−2−イリデン、
1,3−ジ(メチルナフチル)イミダゾリジン−2−イ
リデン、1,3−ジメシチルイミダゾリジン−2−イリ
デン、1,3−ジアダマンチルイミダゾリジン−2−イ
リデン、1,3−ジフェニルイミダゾリジン−2−イリ
デン、1,3,4,5−テトラメチルイミダゾリジン−
2−イリデン、1,3,4−トリフェニル−2,3,
4,5−テトラヒドロ−1H−1,2,4−トリアゾー
ル−5−イリデン、3−(2,6−ジイソプロピルフェ
ニル)−2,3,4,5−テトラヒドロチアゾール−2
−イリデン、1,3−ジシクロヘキシルヘキサヒドロピ
リミジン−2−イリデン、N,N,N’,N’−テトラ
イソプロピルホルムアミジニリデン、1,3,4−トリ
フェニル−4,5−ジヒドロ−1H−1,2,4−トリ
アゾール−5−イリデン、3−(2,6−ジイソプロピ
ルフェニル)−2,3−ジヒドロチアゾール−2−イリ
デンなどを挙げることができる。
【0018】これらの中では、カルベンに隣接するヘテ
ロ原子が嵩高い置換基を有するものが好ましく、具体的
には1,3−ジイソプロピル−4−イミダゾリン−2−
イリデン、1,3−ジシクロヘキシル−4−イミダゾリ
ン−2−イリデン、1,3−ジ(メチルフェニル)−4
−イミダゾリン−2−イリデン、1,3−ジ(メチルナ
フチル)−4−イミダゾリン−2−イリデン、1,3−
ジメシチル−4−イミダゾリン−2−イリデン、1,3
−ジアダマンチル−4−イミダゾリン−2−イリデン、
1,3−ジフェニル−4−イミダゾリン−2−イリデ
ン、1,3,4,5−テトラメチル−4−イミダゾリン
−2−イリデン、1,3,4,5−テトラフェニル−4
−イミダゾリン−2−イリデン、1,3−ジイソプロピ
ルイミダゾリジン−2−イリデン、1,3−ジシクロヘ
キシルイミダゾリジン−2−イリデン、1,3−ジ(メ
チルフェニル)イミダゾリジン−2−イリデン、1,3
−ジ(メチルナフチル)イミダゾリジン−2−イリデ
ン、1,3−ジメシチルイミダゾリジン−2−イリデ
ン、1,3−ジアダマンチルイミダゾリジン−2−イリ
デン、1,3−ジフェニルイミダゾリジン−2−イリデ
ン、1,3,4,5−テトラメチルイミダゾリジン−2
−イリデンなどが挙げられる。
【0019】前記式[1]〜[3]中のアニオン性配位
子は、中心金属から引き離されたときに負の電荷をもつ
配位子であればいかなるものであってもよい。中性の電
子供与性化合物は、中心金属から引き離されたときに中
性の電荷をもつ配位子、すなわちルイス塩基であればい
かなるものでもよい。
【0020】X1、X2、X3、X4およびX5の具体例と
しては、F、Br、ClおよびIなどのハロゲン原子、
水素、アセチルアセトナト基、ジケトネート基、置換シ
クロペンタジエニル基、置換アリル基、アルケニル基、
アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキ
シ基、アルコキシカルボニル基、カルボキシル基、アル
キルまたはアリールスルフォネート基、アルキルチオ
基、アルケニルチオ基、アリールチオ基、アルキルスル
ホニル基、アルキルスルフィニル基などを挙げることが
できる。
【0021】中性電子供与体の具体例としては、酸素、
水、カルボニル、アミン類、ピリジン類、エ−テル類、
ニトリル類、エステル類、ホスフィン類、ホスフィナイ
ト類、ホスファイト類、スチビン類、スルホキシド類、
チオエーテル類、アミド類、芳香族化合物、環状ジオレ
フィン類、オレフィン類、イソシアニド類、チオシアネ
−ト類などが挙げられる。
【0022】R1、R2、R3およびR4の具体例として
は、水素、アルケニル基、アルキニル基、アルキル基、
アリール基、カルボキシル基、アルコキシ基、アルケニ
ルオキシ基、アルキニルオキシ基、アリールオキシ基、
アルコキシカルボニル基、アルキルチオ基、アリールチ
オ基、アルキルスルホニル基、アルキルスルフィニル基
などを挙げることができる。
【0023】前記式[1]〜[3]で示されるルテニウ
ム錯体の具体例としては、以下のものを挙げることがで
きる。すなわち、一般式[1]の例としては、(p−ク
メン)トリシクロヘキシルホスフィンルテニウムジクロ
リド、ビス(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウ
ムジクロリド、[1、3−ジ(メチルフェニル)−4−イ
ミダゾリン−2−イリデン](p−シメン)ルテニウム
ジクロリドなど;
【0024】一般式[2]の例としては、ベンジリデン
ビス(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウムジク
ロリド、(フェニルチオメチレン)ビス(トリイソプロ
ピルホスフィン)ルテニウムジクロリド、(1,3−ジ
シクロヘキシルイミダゾリジン−2−イリデン)(トリ
シクロヘキシルホスフィン)ベンジリデンルテニウムジ
クロリド、(1,3−ジシクロヘキシル−4−イミダゾ
リン−2−イリデン)(トリシクロヘキシルホスフィ
ン)ベンジリデンルテニウムジクロリド、(1,3−ジ
メシチルイミダゾリジン−2−イリデン)(トリシクロ
ヘキシルホスフィン)ベンジリデンルテニウムジクロリ
ド、(1,3−ジメシチルイミダゾリジン−2−イリデ
ン)(トリフェニルホスフィン)ベンジリデンルテニウ
ムジクロリド、(1,3−ジメシチル−4−イミダゾリ
ン−2−イリデン)(トリシクロヘキシルホスフィン)
ベンジリデンルテニウムジクロリド、(1,3−ジメシ
チル−4−イミダゾリン−2−イリデン)(トリフェニ
ルホスフィン)ベンジリデンルテニウムジクロリド、
[1,3−ジ(メチルフェニル)イミダゾリジン−2−
イリデン](トリシクロヘキシルホスフィン)ベンジリ
デンルテニウムジクロリド、[1,3−ジ(メチルナフ
チル)イミダゾリジン−2−イリデン](トリシクロヘ
キシルホスフィン)ベンジリデンルテニウムジクロリ
ド、(1,3,4,5−テトラフェニルイミダゾリジン
−2−イリデン)(トリシクロヘキシルホスフィン)ベ
ンジリデンルテニウムジクロリド、(1,3−ジシクロ
ヘキシルヘキサヒドロピリミジン−2−イリデン)(ト
リシクロヘキシルホスフィン)ベンジリデンルテニウム
ジクロリド、ビス(1,3−ジイソプロピルイミダゾリ
ジン−2−イリデン)ベンジリデンルテニウムジクロリ
ド、ビス(1,3−ジシクロヘキシルイミダゾリジン−
2−イリデン)ベンジリデンルテニウムジクロリド、ビ
ス(1,3−ジイソプロピル−4−イミダゾリン−2−
イリデン)ベンジリデンルテニウムジクロリド、ビス
(1,3−ジシクロヘキシル−4−イミダゾリン−2−
イリデン)ベンジリデンルテニウムジクロリドなど;
【0025】一般式[3]の具体例としては、フェニル
ビニリデンビス(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテ
ニウムジクロリド、(1,3−ジシクロヘキシルイミダ
ゾリジン−2−イリデン)(トリシクロヘキシルホスフ
ィン)フェニルビニリデンルテニウムジクロリド、
(1,3−ジメシチルイミダゾリジン−2−イリデン)
(トリシクロヘキシルホスフィン)t−ブチルビニリデ
ンルテニウムジクロリド、(1,3−ジメシチル−4−
イミダゾリン−2−イリデン)(トリシクロヘキシルホ
スフィン)フェニルビニリデンルテニウムジクロリド、
[1,3−ジ(メチルフェニル)イミダゾリジン−2−
イリデン](トリシクロヘキシルホスフィン)t−ブチ
ルビニリデンルテニウムジクロリド、[1,3−ジ(メ
チルナフチル)イミダゾリジン−2−イリデン](トリ
シクロヘキシルホスフィン)フェニルビニリデンルテニ
ウムジクロリド、(1,3,4,5−テトラフェニルイ
ミダゾリジン−2−イリデン)(トリシクロヘキシルホ
スフィン)t−ブチルビニリデンルテニウムジクロリ
ド、(1,3−ジシクロヘキシルヘキサヒドロピリミジ
ン−2−イリデン)(トリシクロヘキシルホスフィン)
フェニルビニリデンルテニウムジクロリド、ビス(1,
3−ジイソプロピルイミダゾリジン−2−イリデン)フ
ェニルビニリデンルテニウムジクロリド、ビス(1,3
−ジシクロヘキシルイミダゾリジン−2−イリデン)t
−ブチルビニリデンルテニウムジクロリド、ビス(1,
3−ジイソプロピル−4−イミダゾリン−2−イリデ
ン)t−ブチルビニリデンルテニウムジクロリド、ビス
(1,3−ジシクロヘキシル−4−イミダゾリン−2−
イリデン)フェニルビニリデンルテニウムジクロリドな
どを挙げることができる。さらに、前記一般式[2]ま
たは[3]で表わされる錯体化合物を、ジ−μ−クロロ
ビス[(p−シメン)クロロルテニウム]、ジ−μ−ク
ロロビス[(p−シメン)クロロオスミウム]、ジクロ
ロ(ペンタメチルシクロペンタジエニル)ロジウムダイ
マーなどの複核金属錯体と反応させて得られる、複核ル
テニウム−カルベン錯体化合物を用いてもよい。
【0026】本発明において、環状オレフィン類に対す
るルテニウム化合物の割合は、(ルテニウム化合物中の
金属ルテニウム:環状オレフィン類)のモル比で示す
と、通常、1:100〜2000000、好ましくは
1:500〜1000000、より好ましくは1:10
00〜500000である。ルテニウム化合物量が多過
ぎるとコスト高になり、少な過ぎると十分な活性が得ら
れない。
【0027】ルテニウム錯体は、環状オレフィンの重合
が進行しない条件下においては、モノマーである環状オ
レフィンに溶解して用いることができる。また、生成物
の性質を本質的に損なわない範囲であれば、少量の溶剤
に懸濁または溶解させて用いてもよい。このような溶剤
としては、後述する溶液重合に用いられるような溶剤の
中から適宜選択すればよい。
【0028】(b)ルイス酸 本発明の触媒系を構成するルイス酸は、ルイスが定義し
た電子対受容体であれば特に限定されないが、通常、下
記一般式[4]〜[5]で示されるルイス酸が用いられる。
【0029】
【化4】
【0030】
【化5】
【0031】(式中、M1は周期律表第3族または第1
3族元素を示し、例えばアルミニウム、ホウ素、スカン
ジウムが挙げられる。M2は周期律表第4族元素または
第三周期以下(ゲルマニウム以下)の周期律表第14族
元素を示し、例えばチタン、スズ、ジルコニウムが挙げ
られる。X6、X7、X8、X9、X10、X11およびX
12は、互いに独立に、ハロゲン原子、またはハロゲン原
子、酸素原子、窒素原子、硫黄原子、リン原子、けい素
原子を含んでもよいC1〜C20の炭化水素基を示す。)
【0032】X6、X7、X8、X9、X10、X11およびX
12の具体例を挙げると、F、Br、ClおよびIなどの
ハロゲン原子、アセチルアセトナト基、ジケトネート
基、置換シクロペンタジエニル基、置換アリル基、アル
ケニル基、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、ア
リールオキシ基、アルコキシカルボニル基、カルボキシ
ル基、アルキルまたはアリールスルフォネート基、アル
キルチオ基、アルケニルチオ基、アリールチオ基、アル
キルスルホニル基、アルキルスルフィニル基を挙げるこ
とができる。
【0033】前記式[4]の好ましい例としては、トリ
アルコキシアルミニウム、トリフェノキシアルミニウ
ム、ジアルコキシアルキルアルミニウム、アルコキシジ
アルキルアルミニウム、トリアルキルアルミニウム、ジ
アルコキシアルミニウムクロリド、アルコキシアルキル
アルミニウムクロリド、ジアルキルアルミニウムクロリ
ド、トリアルコキシスカンジウムが挙げられる。前記式
[5]の好ましい例としては、テトラアルコキシチタ
ン、テトラアルコキシスズ、テトラアルコキシジルコニ
ウムが挙げられる。
【0034】前記アルコキシ基としては、例えば、メト
キシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキ
シ基、n−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、n−オク
トキシ基等を挙げることができる。これらのアルコキシ
基の他に、β位にハロゲンが結合したハロゲン含有アル
コキシ基を用いると、反応率が向上するだけでなく、反
応速度も速くなるので、特に好適に用いられる。
【0035】このようなハロゲン含有アルコキシ基の具
体例としては、2−クロロエトキシ基、2,2−ジクロ
ロエトキシ基、2,2,2−トリクロロエトキシ基、2
−クロロ−1−プロポキシ基、1,3−ジクロロ−2−
プロポキシ基、1,1−ジクロロ−2−プロポキシ基、
1,1,1−トリクロロ−2−プロポキシ基、ヘキサク
ロロ−2−プロポキシ基、2−クロロ−2−プロペン−
1−オキシ基、2−クロロ−1−ブトキシ基、1−クロ
ロ−3−メトキシ−2−プロポキシ基、1,3−ジブロ
モ−2−プロポキシ基、1,3−ジヨード−2−プロポ
キシ基、2−クロロシクロヘキソキシ基などが挙げられ
る。これらの中では、1,3−ジクロロ−2−プロポキ
シ基が特に好ましい。
【0036】また、前記アルキル基としては、メチル
基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−
ブチル基、sec−ブチル基などを挙げることができ
る。
【0037】本発明において、ルテニウム化合物に対す
るルイス酸の割合は、(ルテニウム化合物中の金属ルテ
ニウム:ルイス酸)のモル比で示すと、通常、1:0.
05〜100、好ましくは1:0.2〜20、より好ま
しくは1:0.5〜10である。ルイス酸が多過ぎて
も、少な過ぎても十分に高い重合活性が得られない。
【0038】(環状オレフィン類)本発明の触媒系の存
在下に溶液重合またはバルク重合に供されるモノマー
は、環状オレフィン類である。かかる環状オレフィン類
としては、(1)ノルボルネン類、ジシクロペンタジエ
ン類、シクロペンタジエンの三量体類(対称型、非対称
型)、テトラシクロドデセン類などのノルボルネン環を
有する多環の環状オレフィン類、(2)単環の環状オレ
フィン類、などを使用することができ、これらの環状オ
レフィン類は、アルキル基、アルケニル基、アルキリデ
ン基などの置換基を有していてもよく、極性基を有して
いてもよい。また、ノルボルネン環の二重結合以外に、
二重結合をさらに有していてもよい。
【0039】これらの環状オレフィン類の中でも、ノル
ボルネン環を有する3環体〜6環体の環状オレフィン類
を使用するのが好ましく、ジシクロペンタジエン類など
の3環体の環状オレフィン類、シクロペンタジエンの三
量体類(対称型、非対称型)またはテトラシクロドデセ
ン類などの4環体の環状オレフィン類が特に好ましい。
【0040】上記環状オレフィンは単独でも二種以上を
使用してもよいが、二種以上の使用が好ましい。二種以
上使用する場合には、単一使用の場合と比較して凝固点
降下により、モノマーを液状として取扱える範囲が拡が
るからである。以下に、環状オレフィン類をさらに詳し
く説明する。
【0041】ジシクロペンタジエン類 ジシクロペンタジエン類とは、ノルボルネン環を有する
3環体の環状オレフィン類のことをいい、アルキル基、
アルケニル基、アルキリデン基などの置換基を有してい
てもよい。このようなジシクロペンタジエン類の具体例
としては、ジシクロペンタジエンやメチル−ジシクロペ
ンタジエンが挙げられ、ジシクロペンタジエンの5員環
部分の二重結合を飽和させたトリシクロ[4.3.1
2,5.0]−デカ−3−エンなども挙げることができ
る。
【0042】シクロペンタジエンの三量体類 シクロペンタジエンの三量体類は、前記ジシクロペンタ
ジエン類をモノマーとして使用する際のコモノマーとし
て有用である。シクロペンタジエンの三量体類には対称
型と非対称型が存在するが、特に限定されない。通常、
ジシクロペンタジエンを熱処理することにより、ジシク
ロペンタジエンとの混合物としてシクロペンタジエンの
三量体が得られ、単離することなく、そのまま重合に用
いることができる。
【0043】テトラシクロドデセン類 テトラシクロドデセン類は、一般式[6]で示される。
【0044】
【化6】
【0045】(式中、R5〜R12は水素原子、炭素数1
〜3の炭化水素基又はハロゲン原子を示し、R13〜R16
は水素原子、炭素数1〜20の炭化水素基またはハロゲ
ン原子、ケイ素原子、酸素原子もしくは窒素原子を含む
置換基を示し、R13とR16が結合して環を形成してもよ
い。)
【0046】テトラシクロドデセン類の具体例として
は、(a)ノルボルネン環以外に二重結合を有しないも
のとして、テトラシクロドデセン、8−メチルテトラシ
クロドデセン、8−エチルテトラシクロドデセン、8−
シクロヘキシルテトラシクロドデセン、8−シクロペン
チルテトラシクロドデセンなどのテトラシクロドデセン
および、これらのテトラシクロドデセン類に置換基を有
するものなどが挙げられ;
【0047】(b) ノルボルネン環以外に二重結合を
有するものとして、8−メチリデンテトラシクロドデセ
ン、8−エチリデンテトラシクロドデセン、8−ビニル
テトラシクロドデセン、8−プロペニルテトラシクロド
デセン、8−シクロヘキセニルテトラシクロドデセン、
8−シクロペンテニルテトラシクロドデセンなどの環外
に二重結合を有するテトラシクロドデセン類などが挙げ
られ; (c) 芳香環を有するものとして、8−フェニルテト
ラシクロドデセンなどが挙げられ;
【0048】(d) 極性基を有するものとして、8−
メトキシカルボニルテトラシクロドデセン、8−メチル
−8−メトキシカルボニルテトラシクロドデセン、8−
ヒドロキシメチルテトラシクロドデセン、8−カルボキ
シテトラシクロドデセン、テトラシクロドデセン−8,
9−ジカルボン酸、テトラシクロドデセン−8,9−ジ
カルボン酸無水物などの酸素原子を含む置換基を有する
テトラシクロドデセン類;8−シアノテトラシクロドデ
セン、テトラシクロドデセン−8,9−ジカルボン酸イ
ミドなどの窒素原子を含む置換基を有するテトラシクロ
ドデセン類;8−クロロテトラシクロドデセンなどのハ
ロゲン原子を含む置換基を有するテトラシクロドデセン
類;8−トリメトキシシリルテトラシクロドデセンなど
のけい素原子を含む置換基を有するテトラシクロドデセ
ンが挙げられる。
【0049】その他のノルボルネン環を有する環状オレ
フィン類 本発明においては、上記の環状オレフィン類以外に、そ
の他のノルボルネン環を有する環状オレフィン類を用い
ることもできる。
【0050】その他のノルボルネン環を有する環状オレ
フィン類の具体例としては、ノルボルネン環を一つ有す
る2環体のものとしては、ノルボルネン、5−メチルノ
ルボルネン、5−エチルノルボルネン、5−ブチルノル
ボルネン、5−ヘキシルノルボルネン、5−デシルノル
ボルネン、5−シクロヘキシルノルボルネン、5−シク
ロペンチルノルボルネンなどのノルボルネン類、および
これらに対応するオキサノルボルネン類;5−エチリデ
ンノルボルネン、5−ビニルノルボルネン、5−プロペ
ニルノルボルネン、5−シクロヘキセニルノルボルネ
ン、5−シクロペンテニルノルボルネンなどの環外に二
重結合を有するノルボルネン類、およびこれらに対応す
るオキサノルボルネン類が挙げられ;
【0051】ノルボルネン環と6員環とを一つずつ有す
るものとして、ヘキサシクロヘプタデセン、12−メチ
ルヘキサシクロヘプタデセン、12−エチルヘキサシク
ロヘプタデセン、12−ブチルヘキサシクロヘプタデセ
ン、12−ヘキシルヘキサシクロヘプタデセン、12−
デシルヘキサシクロヘプタデセン、12−シクロヘキシ
ルヘキサシクロヘプタデセン、12−シクロペンチルヘ
キサシクロヘプタデセン、12−エチリデンヘキサシク
ロヘプタデセン、12−ビニルヘキサシクロヘプタデセ
ン、12−プロペニルヘキサシクロヘプタデセン、12
−シクロへキセニルヘキサシクロヘプタデセン、12−
シクロペンテニルヘキサシクロヘプタデセンなどのヘキ
サシクロヘプタデセン類などが挙げられ;
【0052】ノルボルネン環と芳香環とを有するものと
して、5−フェニルノルボルネン、5−フェニルオキサ
ノルボルネン、1,4−メタノ−1,4,4a,9a−
テトラヒドロフルオレン、1,4−メタノ−1,4,4
a,5,10,10a−ヘキサヒドロアントラセンなど
が挙げられる。
【0053】極性基を有するものの具体例としては、5
−メトキシカルボニルノルボルネン、5−エトキシカル
ボニルノルボルネン、5−メチル−5−メトキシカルボ
ニルノルボルネン、5−メチル−5−エトキシカルボニ
ルノルボルネン、ノルボルネニル−2−メチルプロピオ
ネイト、ノルボルネニル−2−メチルオクタネイト、ノ
ルボルネン−5,6−ジカルボン酸無水物、5−ヒドロ
キシメチルノルボルネン、5,5−または5,6−ジ
(ヒドロキシメチル)ノルボルネン、5−ヒドロキシ−
i−プロピルノルボルネン、5,6−ジカルボキシノル
ボルネン、5−メトキシカルボニル−6−カルボキシノ
ルボルネンなどの酸素含有極性基を有するノルボルネン
類;
【0054】5−メトキシカルボニルオキサノルボルネ
ン、5−エトキシカルボニルオキサノルボルネン、5−
メチル−5−メトキシカルボニルオキサノルボルネン、
5−メチル−5−エトキシカルボニルオキサノルボルネ
ン、オキサノルボルネニル−2−メチルプロピオネイ
ト、オキサノルボルネニル−2−メチルオクタネイト、
オキサノルボルネン−5,6−ジカルボン酸無水物、5
−ヒドロキシメチルオキサノルボルネン、5,5−また
は5,6−ジ(ヒドロキシメチル)オキサノルボルネ
ン、5−ヒドロキシ−5−イソプロピルオキサノルボル
ネン、5,6−ジカルボキシオキサノルボルネン、5−
メトキシカルボニル−6−カルボキシオキサノルボルネ
ンなどの酸素含有極性基を有するオキサノルボルネン
類;5−シアノノルボルネン、ノルボルネン−5,6−
ジカルボン酸イミドなどの窒素含有極性基を有するノル
ボルネン類;5−シアノオキサノルボルネン、オキサノ
ルボルネン−5,6−ジカルボン酸イミドなどの窒素含
有極性基を有するオキサノルボルネン類などが挙げられ
る。
【0055】上記のその他のノルボルネン環を有する環
状オレフィン類を用いる場合は、中でも、耐熱性、溶解
性の観点から、ノルボルネン環と芳香環を有するものが
好ましく、前述のシクロペンタジエンやテトラシクロド
デセンなどに共重合させてもよい。
【0056】単環の環状オレフィン類またはジオレフィ
ン類 単環の環状オレフィン類またはジオレフィン類として
は、C4〜C20、好ましくはC4〜C10の環状オレフィン
またはジオレフィンとこれらの誘導体が挙げられ、それ
らの具体例としては、シクロブテン、シクロペンテン、
メチルシクロペンテン、シクロヘキセン、メチルシクロ
ヘキセン、シクロヘプテン、シクロオクテンなどの特開
昭64−66216などに記載されている単環の環状オ
レフィン系単量体;シクロヘキサジエン、メチルシクロ
ヘキサジエン、シクロオクタジエン、メチルシクロオク
タジエン、フェニルシクロオクタジエンなどの特開平7
−258318などに記載されている環状ジオレフィン
系単量体を挙げることができる。
【0057】上記環状オレフィン類は、それぞれ単独
で、または2種以上を組み合わせて用いることができ
る。また、ジシクロペンタジエン類またはテトラシクロ
ドデセン類と、これらと共重合可能な環状オレフィンを
共重合することが好ましく、この場合ジシクロペンタジ
エン類またはテトラシクロドデセン類を、全単量体重量
に基づき、通常1〜100重量%用いればよいが、重合
体の耐熱性と、単量体の入手し易さの点から、好ましく
は10〜100重量%、より好ましくは20〜100重
量%用いられる。
【0058】(反応原液)本発明の反応原液は、少なく
とも前記したルイス酸と環状オレフィンとからなること
を特徴とするが、その割合は前述したとおりである。こ
の反応原液は、長期間保存することができ、通常、重合
開始直前に前記したルテニウム錯体と混合して使用され
る。また、本反応原液は、重合反応に支障をきたさない
限り、必要に応じて、以下に説明するような各種の添加
剤を配合して使用することもできる。
【0059】各種添加剤 酸化防止剤、紫外線吸収剤、エラストマー、高分子改質
剤、充填剤、着色剤、難燃剤、架橋剤、摺動化剤、着臭
剤、軽量化のためのフィラー類、発泡剤、表面平滑化の
ためのウイスカーなど種々の添加剤を配合することによ
って、成形体の特性を改質することができる。
【0060】反応原液に添加するエラストマーとして
は、例えば、天然ゴム、ポリブタジエン、ポリイソプレ
ン、スチレン−ブタジエン共重合体(SBR)、スチレ
ン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SB
S)、スチレン−イソプレン−スチレン共重合体(SI
S)、エチレン−プロピレン−ジエンターポリマー(E
PDM)、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)お
よびこれらの水素化物などが挙げられる。これらのエラ
ストマーを反応液に添加すると、得られるポリマーに耐
衝撃性が付与されるだけではなく、反応液の粘度を調節
することができる。
【0061】酸化防止剤としては、ヒンダードフェノー
ル系、リン系、アミン系などの各種のプラスチック・ゴ
ム用酸化防止剤がある。これらの酸化防止剤は単独で用
いてもよいが、2種以上を組合せ用いることが好まし
い。配合割合は、通常、ノルボルネン系モノマーに対し
て0.5重量部以上、好ましくは1〜3重量部である。
また酸化防止剤はモノマーと共重合可能なものでもよ
く、その具体例として5−(3,5−ジ−tert−ブ
チル−4−ヒドロキシベンジル−2−ノルボルネンのよ
うなノルボルネニルフェノール系化合物などが例示され
る(特開昭57−83522号公報参照)。
【0062】充填剤には、ガラス粉末、カーボンブラッ
ク、タルク、炭酸カルシウム、雲母、水酸化アルミニウ
ムなどの無機質充填剤がある。かかる充填剤はシランカ
ップリング剤などで表面処理したものが好ましい。架橋
剤としてイオウまたは過酸化物を用いると耐熱性が向上
する。
【0063】(重合体の製造方法)本発明において、重
合反応は溶媒中で行う溶液重合であっても、塊状(バル
ク)重合であってもよい。以下に、先ず溶液重合につい
て説明し、金型内で行う塊状重合については後述する。
【0064】溶液重合に用いる溶媒は、生成する重合体
を溶解し、かつ重合を阻害しない溶媒であれば特に限定
されない。溶媒の具体例としては、ペンタン、ヘキサ
ン、ヘプタンなどの脂肪族炭化水素;シクロペンタン、
シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ジメチルシク
ロヘキサン、トリメチルシクロヘキサン、エチルシクロ
ヘキサン、ジエチルシクロヘキサン、デカヒドロナフタ
レン、ビシクロヘプタン、トリシクロデカン、ヘキサヒ
ドロインデンシクロヘキサン、シクロオクタンなどの脂
環族炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳
香族炭化水素;ニトロメタン、ニトロベンゼン、アセト
ニトリルなどの含窒素系炭化水素;ジエチルエ−テル、
テトラヒドロフランなどのエ−テル類;クロロホルム、
ジクロロメタン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼンな
どの含ハロゲン系炭化水素を使用することができる。こ
れらの溶媒の中でも、工業的に汎用な芳香族、脂肪族、
および脂環族炭化水素系溶媒、ならびにエーテル類が好
ましく、重合反応時に不活性であること、重合体の溶解
性に優れることなどの観点から、シクロヘキサンなどの
脂環族炭化水素系溶媒を使用するのが最も好ましい。
【0065】重合を溶媒中で行う場合には、環状オレフ
ィン類の濃度は、1〜50重量%が好ましく、2〜45
重量%がより好ましく、5〜40重量%が特に好まし
い。環状オレフィン類の濃度が過度に低いと生産性が悪
くなり、過度に高いと重合後の粘度が高すぎて、後処理
が難しくなる。溶液重合の重合温度は特に制限はない
が、一般には、−30℃〜200℃、好ましくは、0℃
〜180℃である。重合時間は、概して1分間から10
0時間であるが、特に制限はない。
【0066】(塊状重合および成形方法)本発明におい
て、塊状重合を行う場合は、特にレジントランスファー
モールディング(RTM)法や反応射出成形(RIM)
法により、環状オレフィンを金型内において塊状で重合
する方法が有用である。これらの方法は、実質的に塊状
であればよく、少量の不活性化合物が存在していてもよ
い。これらの方法においては、従来からRTM機やRI
M機として公知の成形機を、二種類またはそれ以上の反
応原液を混合するために使用することができる。
【0067】RTM機は、一般に反応原液タンク、触媒
配合液タンク、計量ポンプ、ミキサーなどからなり、前
記したような反応原液と触媒配合液を計量ポンプにより
1000:1から10:1の容量比でミキサーに送り込
み、次いで所定温度に加熱した成形金型中に注入し、そ
こで即座に塊状重合させて成形品を得る。 RTM機を
用いた好ましい成形法は、環状オレフィンにルイス酸を
添加して反応原液と、ルテニウムに配位子として中性電
子供与体および/またはヘテロ原子含有カルベン化合物
が配位してなる錯体を溶媒に溶解させて触媒配合液を用
意し、これらを混合して成形する方法である。
【0068】RIM機は、二種類以上の反応原液をミキ
シングヘッドに送り込み衝突エネルギーによって混合さ
せ、次いで高温の成形金型中に注入し、そこで即座に塊
状重合させて成形品が得られるように構成される。RI
M機を用いた好ましい成形法は、環状オレフィンを二つ
の部分に分け、そのうち少なくとも一方にルイス酸を添
加し、さらに、三液目にルテニウムに配位子として中性
電子供与体または/およびヘテロ原子含有カルベン化合
物が配位してなる錯体を溶媒に溶解させた液を使用し、
これらの三液を衝突混合によって混合して成形する方法
である。
【0069】本発明の成形方法では、通常、割型構造す
なわちコア型とキャビティー型を有する成形金型を用
い、それらの空隙部(キャビティー)に反応液を注入し
て塊状重合を行なう。コア型とキャビティー型は、目的
とする成形品の形状にあった空隙部を形成するように作
成される。金型の形状、材質、大きさには、特に制限は
ない。低粘度の反応液を用い、比較的低温低圧で成形で
きるため、金属製の金型だけではなく、各種合成樹脂、
低融点合金など種々の材料で作成されたものが使用でき
る。
【0070】前記のキャビティー内へ供給する前の反応
原液の温度は、好ましくは20〜80℃である。反応液
の粘度は、例えば30℃において、通常、2〜1,00
0cps、好ましくは、5〜300cpsである。反応
原液をキャビティー内に充填する際の衝突圧力は、通常
5〜120kgf/cm2、好ましくは10〜80kg
f/cm2である。
【0071】金型温度は、通常、室温以上、好ましくは
40〜200℃、特に好ましくは50〜130℃であ
る。型締圧力は通常0.1〜100kg/cm2 の範囲
内である。重合時間は適宜選択すればよいが、通常、1
0秒〜20分、好ましくは5分以内である。前記した
「反応原液」と「ルテニウム錯体」をRTM機またはR
IM機で混合した反応液を、金型の空隙部に注入する
と、即座に塊状重合反応を開始し、硬化する。重合反応
は発熱反応であり、硬化時間(キュアー時間)が長くな
るにつれ金型内の成形品の温度は徐々に低下していく。
【0072】塊状重合させて得た成形品は、通常、コア
型に付着させた状態で金型を開いて成形体を脱型するこ
とができる。成形品のコア型への付着は、成形条件を制
御することによつて行われる。金型温度を高くする程、
またはキュアー時間を長くする程、コア型に付着する可
能性が高くなる。キュアー時間が短い場合には、金型を
開けると、成形品はキャビティー型に付着して残る。キ
ュアー時間が長くなると、成形品は、冷却されて収縮す
るため、コア型に付着するようになる。しかし、コア型
に付着させても、キュアー時間があまり長すぎると成形
品の冷却による収縮がかなりの程度まで進むため、過度
に成形体が冷却しない状態で、エアーエジェクターまた
は金型に設けた脱型装置により脱型すればよい。
【0073】
【実施例】以下に実施例および比較例を挙げて、本発明
についてさらに具体的に説明するが、本発明は、これら
の実施例に限定されるものではない。また、これらの例
における部は、特に断りのない限り重量基準である。
【0074】ルテニウム錯体触媒とルイス酸によるノル
ボルネン系モノマーの溶液重合 実施例1 磁気攪拌子を備えた100mlのガラス製耐圧反応容器
に、蒸留精製した純度99%のジシクロペンタジエンと
8−エチリデンテトラシクロドデセンを重量比85:1
5に混合したモノマー2g(14.5mmol)、St
rem Chemical社製のベンジリデンビス(ト
リシクロヘキシルホスフィン)ルテニウムジクロリド
0.4mg(0.48μmol)を溶解したシクロヘキ
サン溶液0.5ml、連鎖移動剤として1−ヘキセン1
2.2mg(0.145mmol)を含むシクロヘキサ
ン溶液0.5ml、蒸留精製したシクロヘキサン25m
l、そしてルイス酸として別途調製した(1,3−ジク
ロロ−2−プロポキシ)エチルアルミニウムクロライド
のジシクロペンタジエン(約10%のシクロペンタジエ
ン3量体を含む)溶液を、前記ルテニウム錯体のルテニ
ウム金属に対し5倍モルになるように仕込んだ。
【0075】この反応容器を王冠で密栓し100℃の油
浴に入れて、反応液を2時間よく攪拌した。反応容器を
油浴から取り出し、室温に戻したあと、内容物を約10
0mlの2−プロパノール中へ注いで、生成した重合物
を凝固させた。凝固した重合物は、2−プロパノールで
洗浄後、120℃のオーブン中で約3時間、減圧乾燥し
た。この乾燥した重合物の重量を測定した結果、収率は
90%であった。
【0076】実施例2 前記実施例1のルイス酸をビス(1,3−ジクロロ−2
−プロポキシ)アルミニウムクロライドに代え、その仕
込み量をルテニウム錯体のルテニウム金属に対し0.5
倍モルに変更した他は、実施例1と同様の方法で溶液重
合を行った結果、重合物の収率は92%であった。
【0077】実施例3 前記実施例2と同じルイス酸を用い、その仕込み量をル
テニウム錯体のルテニウム金属に対し3倍モルに変更し
た他は、実施例2と同様の方法で溶液重合を行った結
果、重合物の収率は94%であった。
【0078】比較例1 前記実施例1のルイス酸を含むジシクロペンタジエン
(約10%のシクロペンタジエン3量体含む)溶液の代
わりに、ルイス酸を含まない同量のジシクロペンタジエ
ン溶液を用いた他は、実施例1と同様に溶液重合を行っ
た結果、重合物の収率は79%であった。
【0079】上記、実施例1〜3および比較例1で示さ
れるように、ルテニウム錯体とルイス酸を併用した触媒
系とすることにより、重合物の収率が大きく向上した。
【0080】ルテニウム錯体触媒とルイス酸によるノル
ボルネン系モノマーの塊状重合 実施例4〜9 30mlの広口ガラス瓶に、乳鉢で細かくすりつぶした
ベンジリデンビス(トリシクロヘキシルホスフィン)ル
テニウムジクロリド(Strem Chemical社
製)8mg(重合系での濃度1ミリモル/リットル)と
攪拌子を入れた。このガラス瓶の広口に密栓できるゴム
栓とポリエチレン製T字管を用意し、ゴム栓の中央付近
に横向きのT字になるようにT字管を貫通させた後、ガ
ラス瓶に装着した。T字管の横方向の口から窒素気流を
流し、T字管上方向の口を指で押さえたり、離したりす
る動作を40回ほど繰返して、ガラス瓶内を窒素置換し
た。その後、窒素気流をゆるやかに流し続けた。
【0081】T字管を通して温度測定用の熱電対をセッ
トし後、注射器でジシクロペンタジエン(約10%のシ
クロペンタジエン3量体を含む)10mlを加えて、マ
グネティックスターラーで激しく攪拌した。このモノマ
ー投入の10秒後に、表1に示すような各種ルイス酸の
トルエン溶液(0.1モル/リットル)を、小型注射器
で0.1ml(ルイス酸としては1ミリモル/リット
ル)注入した。なお、モノマー溶液やルイス酸のトルエ
ン溶液が入った容器、反応用ガラス瓶および注射器は、
25℃に設定した恒温槽中に置いてあったものを取り出
して、すぐに使用した。
【0082】モノマーの注入から30秒後に攪拌を停止
し、反応液の温度上昇を熱電対と温度記録計で記録し、
モノマー注入から液温が100℃に達するまでの時間
(表1のT100、単位は秒)、液温の最高温度(表1
のピーク温度、単位は℃)、そして最高温度に達するま
での時間(表1のピーク時間、単位は秒)を測定した。
これらの測定結果を表1に示す。
【0083】比較例2 前記実施例4〜9で用いたルイス酸のトルエン溶液をま
ったく加えないで、同様に塊状重合した結果を表1に示
す。
【0084】比較例3 前記実施例4〜9で用いたルイス酸のトルエン溶液の代
わりに、トルエンを注入した他は、実施例4〜9と同様
に塊状重合した結果を表1に示す。
【0085】
【表1】
【0086】表1で示されるように、各種ルイス酸を添
加することにより、塊状重合のT100とピーク時間が
短縮され、ルテニウム錯体の触媒活性が高くなることが
分かる。
【0087】実施例10〜17 ベンジリデンビス(トリシクロヘキシルホスフィン)ル
テニウムジクロリドを4mg(重合系での濃度0.5ミ
リモル/リットル)使用し、実施例4〜9の各種ルイス
酸のトルエン溶液(0.1モル/リットル)の代わりに
ジシクロペンタジエン(約10%のシクロペンタジエン
3量体を含む)溶液(0.1モル/リットル)を0.0
5または0.25ml(ルイス酸としては0.5または
2.5ミリモル/リットル)使用した他は、実施例4〜
9と同様に塊状重合した。重合終了後、ポリマーの入っ
たガラス瓶を室温に冷やし、ポリマーを取り出し、示差
走査熱量計によりそのガラス転移温度(Tg)を測定し
た。また、Tg測定と同様にガラス瓶から取り出したポ
リマーについて、熱天秤により室温から400℃まで過
熱して求めた重量の残分率によって反応率を求めた。そ
の結果を表2に示す。
【0088】比較例4 前記実施例10〜17で用いたルイス酸のジシクロペン
タジエン溶液を全く加えないで、実施例10〜17と同
様に塊状重合した結果を表2に示す。
【0089】
【表2】
【0090】表2で示されるように、各種ルイス酸を添
加することにより、Tgおよび反応率が向上しており、
ルテニウム錯体の触媒活性が高くなることが分かる。ま
た、実施例14、15に比べて、実施例16、17はT
100が短縮されており、アルミニウムに通常のアルコ
キシ基の代わりにβ−ハロアルコキシ基が結合すると、
さらに活性が向上することがわかる。
【0091】実施例18 ルテニウム錯体として(フェニルチオメチレン)ビス
(トリイソプロピルホスフィン)ルテニウムジクロリド
を6.1mg(重合系での濃度1ミリモル/リットル)
使用し、実施例4〜10の各種ルイス酸トルエン溶液
(0.1モル/リットル)の代わりにトリイソプロポキ
シアルミニウムのジシクロペンタジエン(約10%のシ
クロペンタジエン3量体を含む)溶液(0.1モル/リ
ットル)を0.1ml(ルイス酸としては1ミリモル/
リットル)使用した他は、実施例4〜9と同様に塊状重
合し、実施例10〜17と同様にTgと反応率を測定し
たところ、Tgは155℃、反応率は97.9%となっ
た。
【0092】比較例5 前記実施例18で用いたトリイソプロポキシアルミニウ
ムのジシクロペンタジエン溶液を全く加えないで、実施
例18と同様に塊状重合した結果、Tgは126℃、反
応率は95.6%となった。
【0093】ルテニウム錯体触媒とルイス酸を用いたノ
ルボルネン系モノマーの塊状重合による成形方法 実施例19 (1)金型: 200mm×200mmの500Wヒー
ター付きクロームメッキ鉄板を2枚使用した。2枚の鉄
板の内側に空隙部(キャビティー)を作るために、鉄板
のサイズにあわせたコの字形の樹脂製スペーサー(厚さ
4mm)を間にはさんで、4隅をシャコ型万力でしめ
た。このようにして作った簡易金型内の製品面側金型上
部に温度調節用の熱電対を貼り、これをヒーターの温度
調節器へ接続して同金型の温度を調節できるようにし
た。なお、裏面側金型には通電しないようにした。両方
の金型の内側上部中央付近には、鉄板と絶縁した状態で
温度測定用の熱電対を貼った。製品面側の熱電対をAと
し、裏面側の熱電対をBとする。また、熱電対の先端1
5mm程度の部分にガムテープを厚さ約4mmになるよ
うに巻付けて、これを金型内側の中央付近まで差し込ん
で、成形品内の温度が測定できるように熱電対Cをセッ
トした。
【0094】(2)反応原液: 500mlの広口ポリ
エチレン瓶に実施例1〜9で用いたのと同じルテニウム
錯体90mgと攪拌子を入れた。このポリエチレン瓶の
広口に密栓できるゴム栓、ポリエチレン製T字管、ガラ
ス管を用意し、ゴム栓に前記実施例4〜9と同じ要領で
ポリエチレン製T字管を取りつけた。また、その隣に反
応原液を上記金型へ移送する時に使うガラス管をゴム栓
に貫通させた後、ゴム栓をポリエチレン瓶の口に装着し
た。ガラス管の上部につないである反応液移送用シリコ
ンゴムチューブをクリップで締めて塞いで、T字管の横
方向の口から窒素気流を流し、T字管上方向の口を指で
押さえたり、離したりする動作を40回ほど繰返して、
瓶内を窒素置換した。その後、シリコンゴムチューブの
クリップをはずして、窒素気流をゆるやかに流し続け
た。攪拌子を回転させ、前記実施例4〜9と同じモノマ
ー225mlを注射器で仕込んだ。その10秒後に、ル
イス酸として別途調製した0.2モル/リットルのビス
(1,3−ジクロロ−2−プロポキシ)アルミニウムク
ロライドのモノマー溶液0.56mlを注射器で注入し
た。そして、20秒間激しく攪拌した。
【0095】(3)成形方法: 前記反応原液の調製に
おいて、ルイス酸を添加した20秒後に、反応原液移送
用のガラス管の下端を瓶の液面下に深くさし込み、T字
管の上側の口を塞いで、窒素圧により反応原液を前記し
た金型(製品面側の型温95℃、裏面側の型温65℃)
の空隙部へ圧送した。瓶内の反応原液の残量が、約40
ml程度になった時点で圧送を停止し、移送用ゴムチュ
ーブをクリップで塞いだ。反応原液を移送後3分間、内
部温度を測定後、金型を外して成形物を得た。このよう
にして成形した平板は完全に硬化しており、未硬化部分
は認められなかった。前記熱電対Cで測定した最高温度
は、金型への反応原液移送完了して34秒後の184℃
であった。また、この成形物から切り出したサンプルの
ガラス転移温度(Tg)は156℃であった。
【0096】比較例6 前記実施例19で用いたルイス酸のモノマー溶液0.5
6mlを、ルイス酸を含まないモノマーに代えた他は、
実施例19と同様に平板の成形を行った。その結果、平
板の一部に未硬化部分が認められ、前記熱電対Cで測定
した最高温度は、金型への反応原液移送が完了して48
秒後の140℃であった。また、この成形物から切り出
したサンプルのガラス転移温度(Tg)は102℃であ
った。
【0097】
【発明の効果】ルテニウム配位子として中性電子供与体
および/またはヘテロ原子含有カルベン化合物が配位し
た錯体からなる触媒に、ルイス酸を組合せてなる触媒系
を用いて環状オレフィンの開環重合を行うと、上記ルテ
ニウム錯体触媒のみを用いる場合と比較して、一段と高
い重合活性が得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 角替 靖男 神奈川県川崎市川崎区夜光一丁目2番1号 日本ゼオン株式会社総合開発センター内 Fターム(参考) 4F071 AA39 AH19 BA02 BB01 BB12 BC07 4F206 AA12 JA01 JA02 JE21 JF01 JL02 4J032 CA02 CA25 CA34 CA38 CA43 CA45 CB01 CB04 CB05 CC07 CD01 CD07 CE03 CE05 CE06 CG07

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)ルテニウムに配位子として中性電
    子供与体および/またはヘテロ原子含有カルベン化合物
    が配位してなる錯体と、(b)ルイス酸からなる環状オ
    レフィンの開環重合用触媒系。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の触媒系を用いて、環状オ
    レフィンを開環重合することからなる開環重合体の製造
    方法。
  3. 【請求項3】 少なくとも環状オレフィンとルイス酸か
    らなる反応原液であって、ルテニウムに配位子として中
    性電子供与体および/またはヘテロ原子含有カルベン化
    合物が配位してなる錯体と混合して使用する環状オレフ
    ィン開環重合用反応原液。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の反応原液と、ルテニウム
    に配位子として中性電子供与体および/またはヘテロ原
    子含有カルベン化合物が配位してなる錯体とを混合して
    型内に注入し、その型内で環状オレフィンを開環重合お
    よび硬化させることからなる成形方法。
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