JP4352648B2 - ノルボルネン系樹脂成形品及びその製造方法 - Google Patents

ノルボルネン系樹脂成形品及びその製造方法 Download PDF

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Description

技 術 分 野
本発明はノルボルネン系樹脂成形品及びその製造方法に関し、さらに詳しくは、ルテニウム錯体触媒の存在下にノルボルネン系モノマーを塊状重合させて得られるノルボルネン系樹脂成形品及びその製造方法に関する。
背 景 技 術
従来から、ノルボルネン系モノマーを開環メタセシス重合することにより、エラストマーや室温で軟質な樹脂、硬質樹脂等が得られることが知られており、これらのエラストマーや樹脂は各種成形品の製造に用いられている。
また、ノルボルネン系モノマーを塊状で開環メタセシス重合して成形品を製造する際に、モノマーを含有する反応液に各種の添加剤や助剤を加えることも知られている。例えば、特開平58−129013号公報には、複分解(メタセシス)触媒系の触媒を含有する一方の反応体流と、複分解触媒系の活性化剤を含有するもう一方の反応体流をあわせて反応混合物を調製し、重合が行なわれる金型内に該反応混合物を注入する熱硬化性ポリマーの製造方法において、反応体流のうち少なくとも一方にエラストマーを添加することが記載されている。
この公報に開示される触媒系は、タングステン含有化合物(触媒)とハロゲン化アルキルアルミニウム(活性化剤)からなり、また開示されるモノマーはジシクロペンタジエンであり、それらを含む反応体流にエラストマーを添加する目的が2つ示されている。その一つは、エラストマーにより反応混合物の粘度を約300〜約1,000cPに調節することである。もう一つの目的は、ポリマーの重量を基準にして約5〜約10重量%のエラストマーを添加することにより、ポリマーの衝撃強さを5〜10倍高めることである。
また、特開平2−28214号、特開平2−214764号、特開平5−112633号公報等には、反応液に着色剤(顔料、染料)を添加して着色する方法が提案されている。着色剤を添加する目的は、モリブテンやタングステン等の化合物からなるメタセシス触媒とアルキルアルミニウムハライド等の共触媒からなる触媒系の存在下にノルボルネン系モノマーを塊状重合して得られる成形品は、通常、触媒に由来する黄色また褐色の色調を呈しているので、地色を隠蔽して外観性を向上させるためである。また、意匠性が特に要求される場合は、反応液に白色顔料を添加して成形品を製造し、地色を無色に整えてから任意の塗料で塗装することも一般的に行われている。
しかしながら、エラストマーを添加した反応液にさらに着色剤を加えて着色しようとしても、鮮やかな色調を付与することは困難であった。また、成形後に塗装するために、白色顔料を反応液に添加すると顔料が沈降しやすく、反応液を送液する配管やノズルが詰まり易いという問題もあった。
ところで、メタセシス重合触媒としては、これまでモリブデン系やタングステン系の触媒が使用されてきたが、最近、水分や酸素等失活成分の影響を受けにくい新たな触媒として、ルテニウム又はオスミウムの錯体化合物が注目を浴びている。例えば、特表平9−512828号、特表平10−508891号、特開平10−80933号公報、特開平10−338739号公報、WO97/14738号公報、WO99/11454号公報等に、種々の配位子を有するルテニウム又はオスミウム金属のカルベン錯体化合物が報告されている。
これらの文献中にも、ノルボルネン系モノマーをメタセシス重合する際に、各種の公知助剤を反応液に含有させてもよいことが開示されている。例えば、粘度調節剤として、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリスチレン、ポリノルボルネン等のエラストマー又は熱可塑性樹脂が記載されている。
さらに特開平11−322953号公報には、ノルボルネン型シクロオレフィン類を含有する第1液及びメタセシス重合触媒を含有する第2液の少なくとも2液を液の流れの中で混合しながら、成形用型へ導入し硬化させる架橋重合体の製造方法が提案されている。そこでは、重合体の物性、外観、作業性を向上させるための任意成分として酸化防止剤、充填剤、改質剤、離型剤、光安定剤、難燃剤等の添加剤を前記第1液又は第2液に含ませてもよいこと、第3液には着色剤や反応調整剤を加えてもよいことが記載されている。前記改質剤として、エラストマー、天然ゴム、ブタジエン系ゴム、ポリメタクリル酸メチル、ポリ酢酸ビニル、ポリスチレン等が挙げられ、着色剤としては、二酸化チタン、コバルトブルー、カドミウムイェロー等の無機顔料、カーボンブラック、アニリンブラック、フタロシアニン、キナクドリン等の有機系顔料が例示されている。
しかしながら、本発明者らの知見によると、前記特開平11−322953号公報に開示されるルテニウム錯体触媒、反応調節剤及び重合(成形)条件を採用して、前記のような改質剤を添加したノルボルネン系モノマーを塊状重合すると、重合熱による温度の立ち上がり(温度上昇速度)が緩やかであるため、得られた重合体における改質剤相とノルボルネン系樹脂相のミクロ相分離構造が大きくなって重合体は著しく白化し、改質剤添加による樹脂の物性改善効果はほとんど認められなかった。また、反応液に着色剤を添加したり、白色顔料を添加した反応液を用いて成形後に塗装したりしても、成形品に鮮明な色調を付与することは困難であった。
このように、ノルボルネン系樹脂成形品については、物性改良、外観性や意匠性の向上、さらにはスケルトン仕様のような透明性の付与等多種多彩な品質面の要求があるが、それらの要求を工業的有利に達成する方法は未だ確立されていなかった。
本発明は、かかる実状と問題点に鑑みてなされたものであり、ルテニウム錯体触媒の存在下に、高分子改質剤を含有するノルボルネン系モノマーを塊状重合させて得られる無色なノルボルネン系樹脂成形品を提供することを第1の目的とする。また本発明は第2に、かかるノルボルネン系樹脂成形品であって、無色で透明性に極めて優れた成形品、高分子改質剤添加による顕著な物性改善効果を奏し、チタン白顔料等を使用しなくても無色純白な成形品、及びチタン白顔料等を使用することなく任意の色調に鮮やかに着色された成形品を提供することを目的とする。さらに、本発明は第3に、本発明のノルボルネン系樹脂成形品を工業的に有利に製造する方法を提供することを目的とする。
発 明 の 開 示
本発明者らは、上記の目的を達成すべく、ルテニウム錯体触媒の存在下に各種の高分子改質剤を添加したノルボルネン系モノマーの塊状重合について鋭意検討を重ねた。その結果、特定の重合(成形)条件を採用することにより、無色なノルボルネン系樹脂成形品が得られること、及び高分子改質剤を適宜選択するという工業的に極めて簡便な方法により、高分子改質剤相が樹脂相に微分散することによる顕著な物性改善効果を奏し、しかも地色が無色であって、白色顔料を使用することなく塗装や着色剤添加等により鮮やかな色調を付与できる成形品、あるいは無色透明であって、任意の色調を付与できるスケルトン仕様の成形品を作り分けできることを見出し、本発明を完成するに到った。
かくして、本発明は第1に、高分子改質剤を含有するノルボルネン系モノマーを、ルテニウム錯体触媒の存在下に塊状重合して得られる無色なノルボルネン系樹脂成形品を提供する。
本発明の成形品は、(a)前記高分子改質材がA群(ブタジエンモノマー単位を有するポリマー、スチレン系樹脂、熱可塑性ノルボルネン系樹脂及び熱可塑性飽和ノルボルネン系樹脂)から選ばれる1種又は2種以上であり、かつ全光線透過率(厚み4mm)が80%以上である成形品、(b)前記高分子改質材がB群(エチレンモノマー単位、α−オレフィンモノマー単位、イソブチレンモノマー単位及びイソプレンモノマー単位から選ばれる少なくとも1種のモノマー単位を有するポリマー)から選ばれる1種又は2種以上であり、アイゾット衝撃値が30kgcm/cm以上、かつ曲げ強度が5kg/mm以上である成形品、又は、(c)前記B群から選ばれる1種又は2種以上の高分子改質材及び着色剤を含有するノルボルネン系モノマーを、ルテニウム触媒の存在下に塊状重合して得られる、白色顔料を使用することなく着色剤で着色されてなる成形品であるのが好ましい。
また、本発明の成形品は、前記ルテニウム錯体触媒として、ルテニウムに少なくとも1つのヘテロ原子含有カルベン化合物が配位してなる触媒により得られる成形品であるのがより好ましく、ルテニウムに少なくとも、1,3位に置換基を有するイミダゾリジン−2−イリデン化合物又は4−イミダゾリン−2−イリデン化合物が配位してなる触媒により得られる成形品であるのがさらに好ましい。
本発明は第2に、ルテニウム錯体触媒の存在下に、高分子改質材を含有するノルボルネン系モノマーを重合時の最高昇温速度が20℃/秒以上で塊状重合させることを特徴とする無色なノルボルネン系樹脂成形品の製造方法を提供する。用いられるルテニウム錯体触媒としては、ルテニウムに少なくとも1つのヘテロ原子含有カルベン化合物が配位してなる触媒であるのが好ましく、ルテニウムに少なくとも、1,3位に置換基を有するイミダゾリジン−2−イリデン化合物又は4−イミダゾリン−2−イリデン化合物が配位してなる触媒がより好ましい。
本発明は第3に、ルテニウムに少なくとも1つのヘテロ原子含有カルベン化合物が配位してなるルテニウム錯体触媒の存在下に、高分子改質剤を含有するノルボルネン系モノマーを塊状重合させることを特徴とする無色なノルボルネン系樹脂成形品の製造方法を提供する。前記ヘテロ原子含有カルベン化合物としては、1,3位に置換基を有するイミダゾリジン−2−イリデン化合物又は4−イミダゾリン−2−イリデン化合物が好ましい。
発明を実施するための最良の形態
(ルテニウム錯体触媒)
本発明に使用される触媒はルテニウム錯体触媒であり、好ましくはルテニウムに少なくとも1つのヘテロ原子含有カルベン化合物が配位してなるルテニウム錯体化合物である。例えば、下記の式1又は式2で表わされる錯体化合物が挙げられる。
Figure 0004352648
(式中、R、Rは、それぞれ独立して、水素原子又は(ハロゲン原子、酸素原予、窒素原子、硫黄原子、リン原子若しくは珪素原子)を含んでもよいC〜C20の炭化水素基を表し、X、Xは、それぞれ独立して任意のアニオン性配位子を表し、Lはヘテロ原子含有カルベン化合物を表し、Lはヘテロ原子含有カルベン化合物又は任意の中性の電子供与性化合物を表す。また、R、R、X、X、L及びLの2個、3個、4個、5個又は6個が互いに結合して多座配位子を形成してもよい。)
前記式1及び式2において、R、Rとしては、例えば、水素原子、C〜C20アルケニル基、C〜C20アルキニル基、C〜C20アルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、カルボキシル基、C〜C20アルケニルオキシ基、C〜C20アルキニルオキシ基、置換基を有していてもよいアリールオキシ基、C〜C20アルコキシカルボニル基、C〜C20アルキルチオ基、置換基を有していてもよいアリールチオ基、C〜C20アルキルスルホニル基、C〜C20アルキルスルフィニル基等が挙げられる。
また、前記アリール基、アリールオキシ基及びアリールチオ基の置換基としては、ニトロ基;フッ素、塩素、臭素等のハロゲン原子;メチル基、エチル基等のアルキル基;メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基;等が挙げられる。また、これらの基は、同一又は相異なる複数個の置換基を有していてもよい。
は、ヘテロ原子含有カルベン化合物を表し、Lは、ヘテロ原子含有カルベン化合物又は任意の中性の電子供与性化合物を表す。
ここで、ヘテロ原子としては、例えば、N、O、P、S、As、Se原子等を挙げることができる。中でもN、O、P、S原子等が安定なカルベン化合物を得るためには好ましく、N原子が特に好ましい。
カルベン化合物は、分子内にメチレン遊離基を有する化合物の総称であり、(>C:)で表されるような電荷のない2価の炭素原子を有する。一般的にカルベンは、反応中に生じる不安定な中間体として存在するが、ヘテロ原子を有する場合には比較的安定なカルベン化合物となる。
かかるヘテロ原子含有カルベン化合物の例としては、下記の式3又は式4で示される化合物が挙げられる。
Figure 0004352648
上記式中、R、Rは、それぞれ独立して、水素原子又は(ハロゲン原子、酸素原子、窒素原子、硫黄原子、リン原子、珪素原子)を含んでもよいC〜C20の炭化水素基を表す。
前記R、Rとしては、例えば、C〜C20アルキル基、C〜C20アルケニル基、C〜C20アルキニル基、置換基を有していてもよいC〜Cシクロアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基等が挙げられる。
前記式3の具体例としては、1,3−ジイソプロピルイミダゾリジン−2−イリデン、1,3−ジシクロヘキシルイミダゾリジン−2−イリデン、1,3−ジフェニルイミダゾリジン−2−イリデン、1,3−ジ(メチルフェニル)イミダゾール、1,3−ジ(メチルナフチル)イミダゾリジン−2−イリデン、1,3−ジメシチルイミダゾリジン−2−イリデン、1,3−ジアダマンチルイミダゾリジン−2−イリデン、1,3,4,5−テトラメチルイミダゾリジン−2−イリデン等が挙げられる。
前記式4の具体例としては、1,3−ジイソプロピル−4−イミダゾリン−2−イリデン、1,3−ジシクロヘキシル−4−イミダゾリン−2−イリデン、1,3−ジフェニル−4−イミダゾリン−2−イリデン、1,3−ジ(メチルフェニル)−4−イミダゾリン−2−イリデン、1,3−ジ(メチルナフチル)−4−イミダゾリン−2−イリデン、1,3−ジメシチル−4−イミダゾリン−2−イリデン、1,3−ジアダマンチル−4−イミダゾリン−2−イリデン、1,3,4,5−テトラメチル−4−イミダゾリン−2−イリデン、1,3,4,5−テトラフェニル−4−イミダゾリン−2−イリデン等が挙げられる。
また、前記式3及び式4で示される化合物のほかに、1,3,4−トリフェニル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1,2,4−トリアゾール−5−イリデン、3−(2,6−ジイソプロピルフェニル)−2,3,4,5−テトラヒドロチアゾール−2−イリデン、1,3−ジシクロヘキシルヘキサヒドロピリミジン−2−イリデン、N,N,N’,N’−テトライソプロピルホルムアミジニリデン、1,3,4−トリフェニル−4,5−ジヒドロ−1H−1,2,4−トリアゾール−5−イリデン、3−(2,6−ジイソプロピルフェニル)−2,3−ジヒドロチアゾール−2−イリデン等のヘテロ原子含有カルベン化合物を挙げることができる。
ヘテロ原子含有カルベン化合物としては、カルベンに隣接するヘテロ原子が嵩高い置換基を有する環状化合物が好ましい。その具体例としては、1,3−ジイソプロピルイミダゾリジン−2−イリデン、1,3−ジシクロヘキシルイミダゾリジン−2−イリデン、1,3−ジ(メチルフェニル)イミダゾリジン−2−イリデン、1,3−ジ(メチルナフチル)イミダゾリジン−2−イリデン、1,3−ジメシチルイミダゾリジン−2−イリデン、1,3−ジアダマンチルイミダゾリジン−2−イリデン、1,3−ジフェニルイミダゾリジン−2−イリデン、1,3,4,5−テトラフェニルイミダゾリジン−2−イリデン等の1,3−ジ置換イミダゾリジニリデンカルベン化合物;
1,3−ジイソプロピル−4−イミダゾリン−2−イリデン、1,3−ジシクロヘキシル−4−イミダゾリン−2−イリデン、1,3−(ジメチルフェニル)−4−イミダゾリン−2−イリデン、1,3−ジ(メチルナフチル)−4−イミダゾリン−2−イリデン、1,3−ジメシチル−4−イミダゾリン−2−イリデン、1,3−ジアダマンチル−4−イミダゾリン−2−イリデン、1,3−ジフェニル−4−イミダゾリン−2−イリデン、1,3,4,5−テトラフェニル−4−イミダゾリン−2−イリデン等の1,3−ジ置換イミダゾリニリデンカルベン化合物;等が挙げられる。
前記式1及び式2のアニオン(陰イオン)性配位子X、Xとしては、中心金属から引き離されたときに負の電荷を持つ配位子であればいかなるものでもよい。また、X、Xが一緒になって2座以上のアニオン性配位子を形成していてもよい。前記X、Xの具体例としては、F、Br、Cl、I等のハロゲン原子、水素原子、OH基、置換アリル基、アルケニル基、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルコキシカルボニル基、カルボキシル基、アルキル又はアリールスルフォネート基、アルキルチオ基、アルケニルチオ基、アリールチオ基、アルキルスルホニル基、アルキルスルフィニル基、アセチルアセトナト基、ジケトネート基、置換シクロペンタジエニル基、等を挙げることができる。これらのうち、好ましくはハロゲン原子であり、より好ましくは塩素原子である。
また、中性の電子供与性化合物は、中心金属から引き離されたときに中性の電荷を持つ配位子、すなわちルイス塩基であればいかなるものでもよい。その具体例としては、酸素、水、カルボニル、アミン類、ピリジン類、エーテル類、ニトリル類、エステル類、ホスフィン類、ホスフィナイト類、ホスファイト類、スチビン類、スルホキシド類、チオエーテル類、アミド類、芳香族化合物、環状ジオレフィン類、オレフィン類、イソシアニド類、チオシアネート類等が挙げられる。
これらのうち、ホスフィン類が好ましく、トリアルキルホスフィンやトリアリールホスフィンがより好ましい。トリアルキルホスフィンとしては、トリメチルホスフィン、トリエチルホスフィン、トリプロピルホスフィン、トリイソプロピルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリイソブチルホスフィン、トリ(sec−ブチル)ホスフィン、トリ(t−ブチル)ホスフィン、トリペンチルホスフィン、トリヘキシルホスフィン、トリシクロプロピルホスフィン、トリシクロペンチルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、トリ(2−メチルシクロヘキシル)ホスフィン、トリ(3−メチルシクロヘキシル)ホスフィン、トリ(3−メチルシクロヘキシル)ホスフィン、トリ(2,4−ジメチルシクロヘキシル)ホスフィン、トリ(2,4,6−トリメチルシクロヘキシル)ホスフィン等が挙げられる。
トリアリールホスフィンとしては、トリフェニルホスフィン、トリ(2−メチルフェニル)ホスフィン、トリ(4−クロロフェニル)ホスフィン、トリ(3−メチルフェニルホスフィン)、トリ(4−メチルフェニル)ホスフィン、トリ(2,4−ジメチルフェニル)ホスフィン、トリ(2,4,6−トリメチルフェニル)ホスフィン、ジメチルフェニルホスフィン、ジエチルフェニルホスイン、ジイソプロピルフェニルホスフィン、ジブチルフェニルホスフィン、メチルジフェニルホスフィン、エチルジフェニルホスフィン、プロピルジフェニルホスフィン、ブチルジフェニルホスフィン等が挙げられる。
前記式1で表される錯体化合物としては、例えば、(1,3−ジシクロヘキシルイミダゾリジン−2−イリデン)(トリシクロヘキシルホスフィン)ベンジリデンルテニウムジクロリド、(1,3−ジシクロヘキシル−4−イミダゾリン−2−イリデン)(トリシクロヘキシルホスフィン)ベンジリデンルテニウムジクロリド、(1,3−ジシクロヘキシルイミダゾリジン−2−イリデン)(トリフェニルホスフィン)ベンジリデンルテニウムジクロリド、(1,3−ジシクロヘキシル−4−イミダゾリン−2−イリデン)(トリフェニルホスフィン)ベンジリデンルテニウムジクロリド、(1,3−ジメシチルイミダゾリジン−2−イリデン)(トリシクロヘキシルホスフィン)ベンジリデンルテニウムジクロリド、(1,3−ジメシチルイミダゾリジン−2−イリデン)(トリフェニルホスフィン)ベンジリデンルテニウムジクロリド、(1,3−ジメシチル−4−イミダゾリジン−2−イリデン)(トリシクロヘキシルホスフィン)ベンジリデンルテニウムジクロリド、(1,3−ジメシチル−4−イミダゾリジン−2−イリデン)(トリフェニルホスフィン)ベンジリデンルテニウムジクロリド、
[1,3−ジ(2−メチルフェニル)イミダゾリジン−2−イリデン](トリシクロヘキシルホスフィン)ベンジリデンルテニウムジクロリド、[1,3−ジ(3−メチルフェニル)イミダゾリジン−2−イリデン](トリシクロヘキシルホスフィン)ベンジリデンルテニウムジクロリド、[1,3−ジ(4−メチルフェニル)イミダゾリジン−2−イリデン](トリシクロヘキシルホスフィン)ベンジリデンルテニウムジクロリド、[1,3−ジ(2−メチルフェニル)イミダゾリジン−2−イリデン](トリフェニルホスフィン)ベンジリデンルテニウムジクロリド、[1,3−ジ(3−メチルフェニル)イミダゾリジン−2−イリデン](トリフェニルホスフィン)ベンジリデンルテニウムジクロリド、[1,3−ジ(4−メチルフェニル)イミダゾリジン−2−イリデン](トリフェニルホスフィン)ベンジリデンルテニウムジクロリド、
[1,3−ジ(2−メチルフェニル)−4−イミダゾリン−2−イリデン](トリシクロヘキシルホスフィン)ベンジリデンルテニウムジクロリド、[1,3−ジ(3−メチルフェニル)−4−イミダゾリン−2−イリデン](トリシクロヘキシルホスフィン)ベンジリデンルテニウムジクロリド、[1,3−ジ(4−メチルフェニル)−4−イミダゾリン−2−イリデン](トリシクロヘキシルホスフィン)ベンジリデンルテニウムジクロリド、[1,3−ジ(2−メチルフェニル)−4−イミダゾリン−2−イリデン](トリフェニルホスフィン)ベンジリデンルテニウムジクロリド、[1,3−ジ(3−メチルフェニル)−4−イミダゾリン−2−イリデン](トリフェニルホスフィン)ベンジリデンルテニウムジクロリド、[1,3−ジ(4−メチルフェニル)−4−イミダゾリン−2−イリデン](トリフェニルホスフィン)ベンジリデンルテニウムジクロリド、
[1,3−ジ(2−メチル−1−ナフチル)イミダゾリジン−2−イリデン](トリシクロヘキシルホスフィン)ベンジリデンルテニウムジクロリド、[1,3−ジ(4−メチル−1−ナフチル)イミダゾリジン−2−イリデン](トリシクロヘキシルホスフィン)ベンジリデンルテニウムジクロリド、[1,3−ジ(8−メチル−1−ナフチル)イミダゾリジン−2−イリデン](トリシクロヘキシルホスフィン)ベンジリデンルテニウムジクロリド、[1,3−ジ(1−メチル−2−ナフチル)イミダゾリジン−2−イリデン](トリシクロヘキシルホスフィン)ベンジリデンルテニウムジクロリド、[1,3−ジ(4−メチル−2−ナフチル)イミダゾリジン−2−イリデン](トリシクロヘキシルホスフィン)ベンジリデンルテニウムジクロリド、[1,3−ジ(8−メチル−2−ナフチル)イミダゾリジン−2−イリデン](トリシクロヘキシルホスフィン)ベンジリデンルテニウムジクロリド、
[1,3−ジ(2−メチル−1−ナフチル)−4−イミダゾリン−2−イリデン](トリシクロヘキシルホスフィン)ベンジリデンルテニウムジクロリド、[1,3−ジ(4−メチル−1−ナフチル)−4−イミダゾリン−2−イリデン](トリシクロヘキシルホスフィン)ベンジリデンルテニウムジクロリド、[1,3−ジ(8−メチル−1−ナフチル)−4−イミダゾリン−2−イリデン](トリシクロヘキシルホスフィン)ベンジリデンルテニウムジクロリド、[1,3−ジ(1−メチル−2−ナフチル)−4−イミダゾリン−2−イリデン](トリシクロヘキシルホスフィン)ベンジリデンルテニウムジクロリド、[1,3−ジ(4−メチル−2−ナフチル)−4−イミダゾリン−2−イリデン](トリシクロヘキシルホスフィン)ベンジリデンルテニウムジクロリド、[1,3−ジ(8−メチル−2−ナフチル)−4−イミダゾリン−2−イリデン](トリシクロヘキシルホスフィン)ベンジリデンルテニウムジクロリド、(1,3,4,5−テトラフェニル−4−イミダゾリン−2−イリデン)(トリシクロヘキシルホスフィン)ベンジリデンルテニウムジクロリド、(1,3−ジシクロヘキシルヘキサヒドロピリミジン−2−イリデン)(トリシクロヘキシルホスフィン)ベンジリデンルテニウムジクロリド等のヘテロ原子含有カルベン化合物と中性の電子供与性化合物が配位したルテニウム錯体化合物;
ビス(1,3−ジイソプロピルイミダゾリジン−2−イリデン)ベンジリデンルテニウムジクロリド、ビス(1,3−ジシクロヘキシルイミダゾリジン−2−イリデン)ベンジリデンルテニウムジクロリド、ビス(1,3−ジイソプロピル−4−イミダゾリン−2−イリデン)ベンジリデンルテニウムジクロリド、ビス(1,3−ジシクロヘキシル−4−イミダゾリン−2−イリデン)ベンジリデンルテニウムジクロリド、ビス(1,3−ジメシチルイミダゾリジン−2−イリデン)ベンジリデンルテニウムジクロリド、ビス(1,3−ジメシチル−4−イミダゾリン−2−イリデン)ベンジリデンルテニウムジクロリド等の2つのヘテロ原子含有カルベン化合物が配位したルテニウム錯体化合物;等が挙げられる。
前記式2で表わされる錯体化合物としては、例えば、(1,3−ジシクロヘキシルイミダゾリジン−2−イリデン)(トリシクロヘキシルホスフィン)フェニルビニリデンルテニウムジクロリド、(1,3−ジメシチルイミダゾリジン−2−イリデン)(トリシクロヘキシルホスフィン)t−ブチルビニリデンルテニウムジクロリド、1,3−ジシクロヘキシル−4−イミダゾリン−2−イリデン)(トリシクロヘキシルホスフィン)フェニルビニリデンルテニウムジクロリド、(1,3−ジメシチル−4−イミダゾリン−2−イリデン)(トリシクロヘキシルホスフィン)フェニルビニリデンルテニウムジクロリド、
[1,3−ジ(メチルフェニル)イミダゾリジン−2−イリデン](トリシクロヘキシルホスフィン)t−ブチルビニリデンルテニウムジクロリド、[1,3−ジ(2−メチル−1−ナフチル)イミダゾリジン−2−イリデン](トリシクロヘキシルホスフィン)フェニルビニリデンルテニウムジクロリド、[1,3−ジ(4−メチルフェニル)−4−イミダゾリン−2−イリデン](トリシクロヘキシルホスフィン)t−ブチルビニリデンルテニウムジクロリド、[1,3−ジ(4−メチル−1−ナフチル)−4−イミダゾリン−2−イリデン](トリシクロヘキシルホスフィン)フェニルビニリデンルテニウムジクロリド、(1,3,4,5−テトラフェニルイミダゾリジン−2−イリデン)(トリシクロヘキシルホスフィン)t−ブチルビニリデンルテニウムジクロリド、(1,3−ジシクロヘキシルヘキサヒドロピリミジン−2−イリデン)(トリシクロヘキシルホスフィン)フェニルビニリデンルテニウムジクロリド等のヘテロ原子含有カルベン化合物と中性の電子供与性化合物が配位したルテニウム錯体化合物;
ビス(1,3−ジイソプロピルイミダゾリジン−2−イリデン)フェニルビニリデンルテニウムジクロリド、ビス(1,3−ジシクロヘキシルイミダゾリジン−2−イリデン)t−ブチルビニリデンルテニウムジクロリド、ビス(1,3−ジイソプロピル−4−イミダゾリン−2−イリデン)t−ブチルビニリデンルテニウムジクロリド、ビス(1,3−ジシクロヘキシル−4−イミダゾリン−2−イリデン)フェニルビニリデンルテニウムジクロリド等の2つのヘテロ原子含有カルベン化合物が配位したルテニウム錯体化合物;等が挙げられる。これらのルテニウム錯体化合物は、単独にあるいは2種類以上を組み合わせて使用することができる。
また、本発明においては、前記ルテニウム錯体化合物を、ジ−μ−クロロビス[(p−シメン)クロロルテニウム]、ジ−μ−クロロビス[(p−シメン)クロロオスミウム]、ジクロロ(ペンタメチルシクロペンタジエニル)ロジウムダイマー等の複核金属錯体と反応させて得られる複核ルテニウム−カルベン錯体化合物を用いることもできる。
これらのルテニウム錯体化合物は、例えば、Org.Lett.,1999年,第1巻,953頁、Terahedron.Lett.,1999年,第40巻,2247頁等に記載された方法に従って製造することができる。
さらに、環状オレフィン類のメタセシス重合触媒として、従来公知のルテニウム錯体触媒を用いることができる。例えば、WO97/29135号、特表平9−512828号、特表平10−5088991号、特開平11−322953号公報等に記載される種々の配位子を有するルテニウム又はオスミウムの錯体触媒を用いることができる。
かかるルテニウム錯体化合物の使用量、すなわちノルボルネン系モノマーに対するメタセシス重合触媒の割合は、触媒中の金属ルテニウム/ノルボルネン系モノマーのモル比として、通常1:2,000〜1:2,000,000、好ましくは1:5,000〜1,000,000、より好ましくは1:10,000〜1:500,000である。
ルテニウム錯体触媒は必要に応じて、少量の不活性溶剤に溶解させて使用することができる。かかる溶媒としては、例えば、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン等の鎖状脂肪族炭化水素;シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ジメチルシクロヘキサン、トリメチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、ジエチルシクロヘキサン、デカヒドロナフタレン、ビシクロヘプタン、トリシクロデカン、ヘキサヒドロインデンシクロヘキサン、シクロオクタン等の脂環式炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素;ニトロメタン、ニトロベンゼン、アセトニトリル等の含窒素炭化水素;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル等の溶媒を使用することができる。これらの中では、工業的に汎用な芳香族炭化水素や脂肪族炭化水素、脂環式炭化水素が好ましい。
また、酸化防止剤や可塑剤等の添加剤が液状である場合には、これらを触媒溶解用の溶媒として使用することもできる。液状酸化防止剤の例としては、2,6−ジ−t−ブチルフェノールと2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノールとの混合物、2,6−ジ−t−ブチル−4−ノニルフェノール等が挙げられる。
(ノルボルネン系モノマー)
前記の触媒の存在下に開環メタセシス重合されるモノマーは、ノルボルネン環構造を有するノルボルネン系モノマーである。かかるノルボルネン系モノマーとしては、置換及び未置換の二環もしくは三環以上の多環ノルボルネンが挙げられる。
その具体例としては、ノルボルネン、ノルボルナジエン、メチルノルボルネン、ジメチルノルボルネン、エチルノルボルネン、塩素化ノルボルネン、エチリデンノルボルネン、クロロメチルノルボルネン、トリメチルシリルノルボルネン、フェニルノルボルネン、シアノノルボルネン、ジシアノノルボルネン、メトキシカルボニルノルボルネン、ピリジルノルボルネン、ナヂック酸無水物、ナヂック酸イミド等の二環ノルボルネン類;
ジシクロペンタジエン、ジヒドロジシクロペンタジエンやそのアルキル、アルケニル、アルキリデン、アリール置換体等の三環ノルボルネン類;ジメタノヘキサヒドロナフタレン、ジメタノオクタヒドロナフタレンやそのアルキル、アルケニル、アルキリデン、アリール置換体等の四環ノルボルネン類;トリシクロペンタジエン等の五環ノルボルネン類;ヘキサシクロヘプタデセン等の六環ノルボルネン類;ジノルボルネン、二個のノルボルネン環を炭化水素鎖又はエステル基等で結合した化合物;これらのアルキル、アリール置換体等のノルボルネン環を含む化合物等;が挙げられる。また、上記ノルボルネン系モノマーにシクロブテン、シクロペンテン、シクロオクテン、シクロドデセン等の単環シクロオレフィン及び置換基を有するそれらの誘導体を共重合することもできる。
前記ノルボルネン系モノマーは単独でも2種以上を使用してもよいが、2種以上の使用が好ましい。2種以上使用する場合には、熱可塑性樹脂となる1つの二重結合を有するモノマーと、熱硬化性樹脂となる複数の二重結合を有するモノマーを適宜組合せると種々の物性を有する樹脂を入手することができる。また、モノマーを単独で使用する場合と比較して、2種以上併用すると凝固点降下により、凝固点温度が高いモノマーでも液状として取扱えるという利点がある。
(高分子改質剤)
本発明に用いられる高分子改質剤は、ノルボルネン系モノマーに可溶なものであれば特に限定されない。かかる高分子改質剤としては、例えば、天然ゴム、プチルゴム、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリイソブチレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−プロピレン−ジエンターポリマー(EPDM)、エチレン−ビニルアルコールコポリマー(EVA)、スチレン系ブロック共重合体、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、ノルボルネンゴム、ポリスチレン、熱可塑性ノルボルネン系樹脂、熱可塑性飽和ノルボルネン系樹脂等が挙げられる。
上記スチレン系ブロック共重合体としては、少なくとも1つのスチレンブロックを有するブロック共重合体であれば特に限定されない。その具体例としては、スチレン−ブタジエンブロック共重合体(SB)、スチレン−イソプレンブロック共重合体(SI)、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SBS)、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(SIS)、スチレン−ブタジエン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(SBIS)等が挙げられる。
また、前記のスチレン系ブロック共重合体を公知の方法により水素化した水素化物であってもよい。その具体例としては、水素化スチレン−ブタジエンブロック共重合体、水素化スチレン−イソプレンブロック共重合体、水素化スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、水素化スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体、水素化スチレン−ブタジエン−イソプレン−スチレンブロック共重合体等が挙げられる。なお、かかる水素化物は、ポリスチレンブロックのフェニル基自体が水素化されることはなく、ポリイソプレンブロックやポリブタジェンブロックだけが水素化されているものである。
かかるスチレン系ブロック共重合体としては、工業的に生産され市販されているものを用いてもよい。例えば、日本ゼオン株式会社の「クインタック」、旭化成工業株式会社の「タフプレン」及び「タフテック」、シェル社の「クレイトン」、株式会社クラレの「セプトン」等の名を付して販売されているものを適宜選択して使用することができる。
本発明では成形品の使用目的に応じて、次のA群又はB群に示される高分子改質剤が好ましく用いられる。
A群に属する高分子改質剤としては、ポリブタジエン、スチレン−ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体等のブタジエンモノマー単位を有するポリマー;ポリスチレン、ポリ(α−メチルスチレン)、ポリ(p−メチルスチレン)、ポリ(p−ブロモスチレン)等のスチレン系樹脂;熱可塑性ノルボルネン系樹脂;熱可塑性飽和ノルボルネン樹脂;等が挙げられる。
B群に属する高分子改質剤としては、エチレン−プロピレン−ジエンタ−ポリマー、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体等のエチレンモノマー単位を有するポリマー;ポリプロピレン、プロピレン−1−ブテン共重合体、プロピレン−1−ヘキセン共重合体、プロピレン−1−オクテン共重合体、ポリ(1−ブテン)、ポリ(1−ヘキセン)等のα−オレフィン(分子末端部に二重結合を有するモノオレフィン)モノマー単位を有するポリマー;ポリイソブチレン、イソブチレン−イソプレン共重合体、スチレン−イソブチレン−スチレン共重合体等のイソブチレンモノマー単位を有するポリマー;ポリイソプレン、スチレン−イソプレンブロック共重合体、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合等のイソプレンモノマー単位を有するポリマー;が挙げられる。
上記A群及びB群におけるブタジエンモノマー単位、エチレンモノマー単位、、α−オレフィンモノマー単位、イソブチレンモノマー単位、イソプレンモノマー単位の含有量は特に限定されないが、通常、5重量%以上、好ましくは10重量%以上、より好ましく20重量%以上である。これらのモノマー単位が他のコモノマーと共重合する場合、その共重合の形式は特に限定されない。例えば、ブロック共重合体であってもランダム共重合体であってもよい。
上記A群の高分子改質剤は、ノルボルネン系モノマーの粘度調整剤として機能する。また、それらをノルボルネン系モノマーに含有せしめて塊状重合させることにより、無色で透明性が極めて良好なノルボルネン系樹脂成形品を得ることができる。透明なプラスチックの可視領域における全光線透過率の試験方法については、JIS K7361−1に規定されている。本発明の成形品(厚み4mm)の全光線透過率は通常80%以上であり、好ましくは85%以上である。かかる成形品はそのままで、又は成形時に後述するような着色剤で着色することにより、OA機器ハウジング等スケルトン仕様の成形品として好ましく用いられる。
上記B群の高分子改質剤は、ノルボルネン系モノマーの粘度調整剤として機能する。また、それらをノルボルネン系モノマーに含有せしめて塊状重合させることにより、アイゾット衝撃値が30kgcm/cm以上で、かつ曲げ強度が5kg/mm以上であるノルボルネン系樹脂成形品を得ることができる。さらに、前記B群の高分子改質剤をノルボルネン系モノマーに含有せしめて塊状重合させることにより、チタン白顔料等を使用しなくても無色純白なノルボルネン系樹脂成形品を得ることができる。さらに、B群の高分子改質剤と着色剤を併用することにより、鮮やかに発色した成形品を得ることもできる。
これらの高分子改質剤は、平均分子量が500〜数千の液状のものから、数万〜数十万の固体状のものまで広範な範囲のものを用いることができる。また、単独で用いても、2種以上を併用してもよい。A群及びB群に属するもの2種以上併用する場合は、それぞれ同一群内から選択することが好ましい。
高分子改質剤は、通常、ノルボルネン系モノマーを含む反応溶液に予め溶解させて使用する。高分子改質剤を溶解させることにより、モノマーを含む反応溶液が低粘度である場合には、その粘度を適度なものに調節することができる。高分子改質剤の使用量は、得られるノルボルネン系樹脂100重量部に対し、通常、0.5〜20重量部、好ましくは1〜15重量部、より好ましくは2〜10重量部である。A群の使用量が少なすぎると粘度調節効果が小さくなって、反応液が気泡を巻き込み易くなる。またB群の使用量が少なすぎると耐衝撃性付与効果は小さく、逆に多すぎると反応溶液の粘度が高くなって成形操作性が悪くなったり、樹脂の熱変形温度や曲げ弾性率が小さくなるおそれがある。
(塊状開環メタセシス重合)
本発明のノルボルネン系樹脂を得る重合方法は、ルテニウム錯体触媒を用いる塊状開環メタセシス重合である。ルテニウム錯体触媒としては、ルテニウムに少なくとも1つのヘテロ原子含有カルベン化合物が配位してなる錯体が好ましく用いられる。このルテニウム触媒を用いることにより、液状のノルボルネン系モノマーから一挙に熱硬化性樹脂を得ることができる。この重合反応は急激なものであり、ルテニウム錯体を使用した従来公知の製造方法、すなわち反応調節剤(遅延剤)を使用してポストキュアーを施す従来法と比較して、重合開始直後の発熱が大きく異なる。
すなわち、本発明においては、重合反応の活性化エネルギーは90kJ/モル以上であり、重合反応速度の温度依存性が大きいため、一旦発熱が開始して温度が上昇すると、重合反応速度が極めて速くなり、その結果発熱時の温度の立ち上がり(温度上昇カーブ)が急となる。最高昇温速度は、通常20℃/秒以上であり、好ましくは30℃/秒以上である。このように、急激に重合反応が進行するため、重合過程で高分子改質剤が相分離する際に、相分離構造が過度に大きくなることはない。
用いることができる成形法としては、注入、射出、注型、回転、遠心、押出、引抜、射出圧縮、ハンドレイアップ等の成形法が挙げられ、通常は金型を用いる。特に、レジントランスファーモールディング(RTM)法や反応射出成形(RIM)法により、ノルボルネン系モノマーを金型内において塊状で重合する方法が有用である。
金型は所定形状の成形物を得るために使用する。これらの方法は、実質的に塊状であればよく、少量の不活性溶剤が存在していてもよい。かかる方法においては、従来からRTM機やRIM機として公知の成形機を、モノマーや触媒を含有する反応液又は触媒液を混合するために使用することができる。
RTM機は、一般的にモノマー配合液タンク、触媒配合液タンク、計量ポンプ及びミキサー等からなる。計量ポンプにより、モノマー配合液と触媒配合液を1000:1〜10:1の容量比でミキサーに送り込み、次いで所定温度に加熱した成形金型内に注入し、そこで即座に塊状重合させて成形品を得ることができる。RTM機を用いた好ましい成形法としては、ノルボルネン系モノマーを含有するモノマー配合液と、ルテニウムに少なくとも1つのヘテロ原子含有カルベン化合物が配位してなる錯体触媒を、少量の溶媒に溶解させた触媒配合液を用意し、これらを混合して成形する方法が挙げられる。
RIM機は、2種類以上の反応原液をミキシングヘッドに送り込み衝突エネルギーによって混合させ、次いで高温の成形金型中に注入し、そこで即座に塊状重合させて成形品を得る。RIM機を用いた好ましい成形法としては、ノルボルネン系モノマーを2つの部分に分け、3液目にルテニウム錯体触媒を少量の溶媒に溶解させた液を使用し、これらの3液を衝突混合によって混合して成形する方法が挙げられる。
本発明の特に好ましい成形方法は、通常、割型構造すなわちコア型とキャビティー型を有する成形金型を用い、それらの空隙部(キャビティー)に反応液を注入して塊状重合させるものである。コア型とキャビティー型は、目的とする成形品の形状にあった空隙部を形成するように作成される。金型の形状、材質、大きさには、特に制限はない。比較的低粘度の反応液を用い、比較的低温低圧で成形できるため、金属製の金型だけではなく、各種合成樹脂、低融点合金等種々の材料で作成されたものが使用できる。
前記のキャビティー内へ供給する前の反応原液の温度は、好ましくは20〜80℃である。反応液の粘度は、添加する高分子改質剤の量を加減することより適宜調節できるが、通常、30℃において2〜1000cP、好ましくは5〜300cPである。反応原液をキャビティー内に充填する際の充填圧力(射出圧)は、通常0.1〜100kgf/cm、好ましくは0.2〜50kgf/cmである。充填圧力が低すぎると、キャビティー内周面に形成された転写面の転写が良好に行われない傾向にあり、充填圧が高すぎると、金型の剛性を高くしなければならず経済的ではない。
金型温度は、通常、室温以上、好ましくは40〜200℃、特に好ましくは50〜130℃である。また、型締圧力は通常0.1〜100kg/cmの範囲内である。重合時間は適宜選択すればよいが、通常、10秒〜20分、好ましくは5分以内である。
前記したRTM機又はRIM機等で混合した反応液を、金型の空隙部に注入すると、即座に塊状重合反応を開始し、硬化する。重合反応は発熱反応であり、硬化時間(キュアー時間)が長くなるにつれて、金型内の成形品の温度は徐々に低下していく。
塊状重合させて得た成形品は、通常、コア型に付着させた状態で金型を開いて成形体を脱型することができる。成形品のコア型への付着は、成形条件を制御することによって行われる。金型温度を高くする程、あるいはキュアー時間を長くする程、コア型に付着する可能性が高くなる。キュアー時間が短い場合には、金型を開けると、成形品はキャビティー型に付着して残るおそれがある。一方、キュアー時間が長くなると、成形品は冷却されて収縮するため、コア型に付着するようになる。しかし、コア型に付着させても、キュアー時間があまり長すぎると成形品の冷却による収縮がかなりの程度まで進むため、過度に成形体が冷却しない状態で、エアーエジェクター又は金型に設けた脱型装置により脱型するのが好ましい。
(無色なノルボルネン系樹脂)
本発明のノルボルネン系樹脂成形品は、実質的に無色又は無色透明であることを特徴とする。一般的に無色又は白色を呈するプラスチックの色の評価方法は、JISのK7103に黄色度(YI)として規定されている。また、透明性の評価方法は前述のとおりである。
本発明のポリノルボルネン系樹脂が前記A群の高分子改質剤を用いて得られたものである場合には、透過法による光路長4mmにおける黄色度(YI)が10以下であり、より好ましくは5以下である。また、全光線透過率は、好ましくは80%以上であり、より好ましくは85%以上である。
本発明のノルボルネン系樹脂が前記B群の高分子改質剤を用いて得られたものである場合には、反射法による黄色度が10以下であり、より好ましくは5以下である。
本発明のノルボルネン系樹脂には高分子改質剤のほかに、必要に応じて、着色剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、充填剤、難燃剤、架橋剤、摺動化剤、着臭剤、軽量化のためのフィラー類、発泡剤、表面平滑化のためのウィスカー等種々の添加剤を配合することによって、成形体の特性をさらに改質することができる。通常、これらの添加剤は、反応射出成形において予めノルボルネン系モノマーに溶解又は分散させて、少なくとも一つの反応原液に混合しておき、その後金型内で重合させる。
酸化防止剤としては、ヒンダードフェノール系、リン系、アミン系等の各種のプラスチック・ゴム用酸化防止剤がある。これらの酸化防止剤は単独で用いてもよいが、併用することが好ましい。酸化防止剤の配合割合は、通常、ノルボルネン系モノマーに対して0,5重量部以上、好ましくは1〜3重量部である。また、酸化防止剤はモノマーと共重合可能なものでもよく、その具体例としては、5−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ)ベンジル−2−ノルボルネン等のごときノルボルネニルフェノール系化合物等が挙げられる(特開昭57−83522号会報参照)。
充填剤としては、ガラス粉末、タルク、炭酸カルシウム、雲母、水酸化アルミニウム等の無機質充填剤が挙げられる。かかる充填剤はシランカップリング剤等で表面処理したものが好ましい。架橋剤としてイオウ又は過酸化物を用いると耐熱性が向上する。
(着色されたノルボルネン系樹脂)
本発明のノルボルネン系樹脂は無色又は無色透明なので、塊状重合する際に着色剤を添加するだけで任意の色調に着色することができる。その結果、着色されたノルボルネン系樹脂を得ることができる。用いることができる着色剤は特に限定されないが、染料、顔料等の使用が好ましい。染料は、ノルボルネン系樹脂に鮮やかな染料色を付与できるので、特に好ましい。一般に、顔料が溶剤に溶解せず微粒子状に基材中に分散し、基材に対する結合力が弱いのに対し、染料は各種の溶剤に可溶であり、基材に対しイオン結合、水素結合、ファンデルワールスカ、共有結合等の結合力で染着するよう工夫されている。
染料の種類は多様であり、適宜選択して使用すればよい。例えば、染料便覧(有機合成化学協会編、昭和49年版、丸善(株)発行、発行日:昭和49年7月20日)では、その構造から、ニトロ染料、ニトロソ染料、アゾ染料、ケトイミン染料、トリフェニルメタン染料、キサンテン染料、アクリジン染料、キノリン染料、メチン染料、チアゾール染料、インダミン染料、アジン染料、オキサジン染料、チアジン染料、硫化染料、アミノケトン染料、アントラキノン染料、インジゴイド染料、フタロシアニン染料等に分類している。また、染色法から、直接染料、酸性染料、塩基性染料、媒染染料、建染染料、硫化染料、アゾイック染料、反応染料、カチオン染料、分散染料、酸化染料、油溶染料等に分類している。
直接染料は、大部分がアゾ染料だが、フタロシアニン染料、オキサジン染料のものもあり、また、酸性染料では、アゾ染料、アントラキノン染料、トリフェニルメタン染料等がある。このように多様な染料を分類するために、染料便覧ではColour Index番号、その他で染料を規定している。
この中で、油溶染料はSolvent Dyesと称されるもので、成形品の着色剤として好ましく用いられる。アルコールのような極性溶剤に対して溶解度の高いもの、ガソリン等の非極性溶剤に対して溶解度の高いもの等、その溶解性の範囲は広く、主に溶解現象により着色を行う染料であり、低分子量のものが一般的である。黄色、赤系の色はアゾ染料が多く、青、緑はアントラキノン染料、フタロシアニン染料が多い。
かかる染料の具体例としては、油溶染料でアゾ系のソルベントイエロー2、同じくアントラキノン系のソルベントブルー11、同じくフタロシアニン系のソルベントブルー55、同じくトリアリルメタン系のソルベントブルー2、分散染料でアントラキノン系のディスパースブルー3、同じくアゾ系のディスパースレッド13、酸性染料でアントラキノン系のアシドブルー45、塩基性染料でチアジン系のベーシックイエロー11、同じくベーシックブルー9、建染染料でアントラキノン系のバットイエロー4、同じくバットブルー20等が挙げられる。どのようなタイプの染料でも、ノルボルネン系モノマーに可溶なものが好ましい。中でも油溶染料、分散染料、その中でも特に炭化水素系溶剤に可溶の油溶染料は、ノルボルネン系モノマーに溶解しやすいので、特に好ましく推奨される。
顔料としては、例えば、カーボンブラック、黒鉛、黄鉛、酸化鉄黄色、二酸化チタン、酸化亜鉛、四酸化三鉛、鉛丹、酸化クロム、紺青、チタンブラック等が挙げられる。
かかる染料、顔料等の着色剤は、単独で使用しても、あるいは2種以上を併用してもよい。2種以上の着色剤を併用することにより多様な色彩を作り出せる。
着色剤は、そのまま反応原液に添加するか、又はノルボルネン系モノマーにできるだけ高濃度に溶解したマスターバッチを作成し、反応液に添加する。マスターバッチの濃度は5%以上、好ましくは10%以上にすると、添加する上で取扱いやすい。着色剤の添加量は、各反応液を合計したモノマー量100部に対して0.002〜3.0部、好ましくは0.01〜2.0部である。添加量は、必要とする着色の軽度に応じて決定する。添加量が少ないと着色の効果が低く、添加量が多すぎると経済的でない。
以下、実施例及び比較例を挙げて、本発明をより具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらの例に限定されるものではない。なお、これらの例において、%及び比率は、特に断りのない限り重量基準値である。
また、以下の実施例及び比較例においては、高分子改質剤及び着色顔料として以下の略号のものを用いた。
(高分子改質剤)
SIS:スチレン−イソプレン−スチレンゴム(商品名:Quintac 3530又は3421、日本ゼオン(株)製)
EPDM:エチレン−プロピレン−ジエンゴム(商品名:EPT X−3012P、三井化学(株)製)
IR:イソプレンゴム(商品名:Nipol IR2200L、日本ゼオン(株)製)
SBS:スチレン−ブタジエン−スチレンゴム(商品名:アサプレン、旭化成(株)製)
BR:ブタジエンゴム(商品名:Nipol BR1220、日本ゼオン(株)製)
SBR:スチレン−ブタジエンゴム(商品名:Nipol NS320SB、日本ゼオン(株)製)
PS:ポリスチレン(商品名:スタイロンG8259、旭化成(株)製)
ZNR:非晶性ノルボルネン系プラスチック(商品名:ZNR 1060R、日本ゼオン(株)製)
(着色顔料)
青顔料:(品番:P−BL−1、大日精化工業(株)製)
黄顔料:(品番:P−420、大日精化工業(株)製)
(実施例1)平板成形及び物性測定
磁気撹拌子を備えた500mlのナス型フラスコに、ジシクロペンタジエン(約10%のシクロペンタジエン3量体を含む)193g、及びSIS6.0gを加えて、窒素雰囲気下80℃で2時間撹拌、溶解させた。その後、撹拌しながら減圧にして、低沸点成分を0.5gだけ除去した(組成液1)。
その後、室温に戻し、窒素雰囲気下で、ベンジリデン(1,3−ジメシチルイミダゾリジン−2−イリデン)(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウムジクロリド(Org.Lett.,1999年、第1巻、953頁の記載に基づいて合成したもの)のトルエン溶液(濃度20ミリモル/リットル)1.0mlを加えて撹拌し金型内に圧送した。
ここで、金型は寸法が4×200×200mmの平板成形用で、ヒーター付きクロームメッキ鉄板にコの字型スペーサーを挟んだものである。金型温度は、製品面側は80℃、裏面側は60℃にセットした。また、金型内で重合反応中の樹脂の温度を測定するために、金型中央部、厚み中央部にK型熱電対(直径0.1mm、二本の線の先端を溶接したもの)をセットした。
配合液を金型内に圧送した後は、金型内の樹脂温度を測定し、注入後3分で脱型し、平板を取り出した。
その後、この平板のガラス転移点温度(Tg)、曲げ強さ、曲げ弾性率、引張降伏強さ、アイゾット衝撃値及び黄色度(YI)の測定試験を行った。ガラス転移点温度(Tg)測定は、JIS K 7121に従い、Tigを測定してTgとした。曲げ強さ及び曲げ弾性率は、JIS K 7203に従って測定した。引張降伏強さは、JIS K 7113に従い、1号型試験片を用いて引張速度500mm/minで測定した。アイゾット衝撃値は、JIS K 7110に従って、2号A試験片で測定した。また、黄色度は反射法により測定した。
(実施例2)平板成形及び物性測定
触媒溶液として、ベンジリデン(1,3−ジメシチル−4−イミダゾリン−2−イリデン)(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウムジクロリド(Terahedron Lett.,1999年、第40巻、2247頁の記載に基づいて合成したもの)のトルエン溶液(濃度40ミリモル/リットル)1.0mlを用いること以外は、実施例1と同様に操作して平板を得た。得られた平板の物性(ガラス転移点温度(Tg)、曲げ強さ、曲げ弾性率、引張降伏強さ、アイゾット衝撃値及び黄色度)を、実施例1と同様にして測定した。
(比較例1)平板成形及び物性測定
実施例1と同様に組成液1を調製後、室温に戻し、窒素雰囲気下で、ビス(1,3−ジクロロ−2−プロポキシ)アルミニウムクロリドのジシクロペンタジエン溶液(0.1モル/リットル)2mlとベンジリデンビス(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウムジクロリド(Strem Chemical社製)のトルエン溶液(濃度0.1モル/リットル)1.0mlを加えて撹拌し、金型内に圧送した。
ここで、金型温度は、製品面側は95℃、裏面側は60℃にセットする以外は実施例1と同様の金型を使用した。配合液を金型内に圧送した後は、実施例1と同様に操作して平板を得た。得られた平板の物性(ガラス転移点温度(Tg)、曲げ強さ、曲げ弾性率、引張降伏強さ、アイゾット衝撃値及び黄色度)を実施例1と同様にして測定した。なお、本比較例において、実施例よりも金型温度を上げ、アルミニウム化合物を添加しているのは、反応率を上げるためである。
(実施例3)平板成形及び物性測定
EPDM6.0gを使用すること以外は、実施例1と同様に操作して平板を得た。得られた平板の物性(ガラス転移点温度(Tg)、曲げ強さ、曲げ弾性率、引張降伏強さ、アイゾット衝撃値及び黄色度)を実施例1と同様にして測定した。
(比較例2)平板成形及び物性測定
EPDM6.0gを使用すること以外は、比較例1と同様に操作して平板を得た。得られた平板の物性(ガラス転移点温度(Tg)、曲げ強さ、曲げ弾性率、引張降伏強さ、アイゾット衝撃値及び黄色度)を実施例1と同様にして測定した。
(実施例4)平板成形及び物性測定
IR6.0gを使用すること以外は、実施例1と同様に操作して平板を得た。得られた平板の物性(ガラス転移点温度(Tg)、曲げ強さ、曲げ弾性率、引張降伏強さ、アイゾット衝撃値及び黄色度)を実施例1と同様にして測定した。
実施例1〜4及び比較例1、2で用いた高分子改質剤の種類、重合時の最高昇温速度、及び実施例1〜4及び比較例1、2で得られた平板の物性(ガラス転移点温度(Tg)、曲げ強さ、曲げ弾性率、引張降伏強さ、アイゾット衝撃値及び黄色度)の測定結果を第1表にまとめて示す。また、実施例1及び比較例1の重合反応時の温度上昇曲線を第1図に示す。図中の急に立ち上がる曲線は実施例1の測定結果、緩やかな曲線は比較例1の測定結果である。
Figure 0004352648
第1表及び第1図より明らかなように、実施例1〜4では、比較例1〜2に比して重合時の最高昇温速度が大きく、得られる樹脂の諸物性が一段と向上している。また、実施例1〜4の樹脂(平板)は黄色度が極めて低く、目視観察においても無色であることが認められた。一方、比較例1〜2は黄色度が相対的に高く、目視観察で黄色を帯びていた。
(実施例5〜9)平板成形
実施例1と同様にして組成液1を調製し、実施例1と同様の触媒を用い、高分子改質剤として、実施例5ではSBS、実施例6ではBR、実施例7ではSBR、実施例8ではPS、実施例9ではZNRをそれぞれを5重量%含むモノマー組成液を調製し、実施例1と同様にして平板成形を行なった。
実施例5〜9で得られた平板はいずれも無色透明であり、成形品表面にボイドは認められなかった。実施例5〜9で得られた平板のガラス転移点温度(Tg)を実施例1と同様にして測定した。また、全光線透過率をJIS K 7361−1に従って測定し、黄色度を透過法により測定した。
(比較例3〜7)平板成形
実施例1の組成液1の調製法と同様に、高分子改質剤として、比較例3ではSBS、比較例4ではBR、比較例5ではSBR、比較例6ではPS、比較例7ではZNRをそれぞれを5重量%含むモノマー組成液を調製し、比較例1と同様にして平板成形を行なった。
比較例3〜7で得られた平板はいずれも黄色半透明であった。また、比較例3〜7で得られた平板の物性(ガラス転移点温度(Tg)、全光線透過率及び黄色度)を実施例5〜9と同様に測定した。
(比較例8)平板の成形
高分子改質剤を用いない以外は実施例1と同様にして平板成形を行なった。得られた平板は無色半透明であり、成形品表面にボイドが認められた。また、比較例8で得られた平板の得られた平板の物性(ガラス転移点温度(Tg)、全光線透過率及び黄色度)を実施例5〜9と同様にして測定した。
実施例5〜9及び比較例3〜8で用いた高分子改質剤の種類、重合時の最高昇温速度、及び得られた平板の各物性(ガラス転移点温度(Tg)、全光線透過率及び黄色度)を測定した結果を第2表にまとめて示す。
Figure 0004352648
Figure 0004352648
(実施例10)着色平板の成形
SBS6g及び黄色顔料0.15gを用いる以外は、実施例1と同様にして平板成形を行ない、表面にボイドのない黄色透明な平板を得た。
(実施例11)着色平板の成形
PS6g及び青色顔料0.1gを用いる以外は、実施例1と同様にして平板成形を行ない、表面にボイドのない青色透明な平板を得た。
(実施例12)着色平板の成形
EPDM6g及び青色顔料1.0gを用いる以外は、実施例1と同様にして平板成形を行ない、表面にボイドのない青色不透明な平板を得た。
産業上の利用可能性
本発明のノルボルネン系樹脂成形品は、従来公知の製法で得られるものと比較して高分子改質剤添加による顕著な物性改善効果を奏する。本発明のノルボルネン系樹脂成形品は無色であるので、光学材料等の分野において極めて有用である。また、本発明によれば、添加される高分子改質剤を適宜選択することにより、無色で透明性に極めて優れたノルボルネン系樹脂成形品、及びチタン白顔料等を使用しなくても無色純白なノルボルネン系樹脂成形品が提供される。さらに、本発明の着色された樹脂は色調が鮮やかであり、意匠性に優れるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
第1図は、実施例1及び比較例1の重合反応時の温度上昇曲線を表す図である。縦軸は重合物の内部温度(℃)を示し、横軸は反応時間(秒)を示す。図中の急に立ち上がる曲線は実施例1の測定結果、緩やかな曲線は比較例1の測定結果である。

Claims (10)

  1. A群:ブタジエンモノマー単位を有するポリマー、スチレン系樹脂、熱可塑性ノルボルネン系樹脂及び熱可塑性飽和ノルボルネン系樹脂から選ばれる1種若しくは2種以上、又は、B群:エチレンモノマー単位、α−オレフィンモノマー単位、イソブチレンモノマー単位及びイソプレンモノマー単位から選ばれる少なくとも1種のモノマー単位を有するポリマーから選ばれる1種若しくは2種以上の高分子改質剤を含有するノルボルネン系モノマーを、下記の式1又は式2
    Figure 0004352648
    (式中、R 、R は、それぞれ独立して、水素原子又は(ハロゲン原子、酸素原子、窒素原子、硫黄原子、リン原子若しくは珪素原子)を含んでもよいC 〜C 20 の炭化水素基を表し、X 、X は、それぞれ独立して任意のアニオン性配位子を表し、L はヘテロ原子含有カルベン化合物を表し、L はヘテロ原子含有カルベン化合物又は任意の中性の電子供与性化合物を表す。また、R 、R 、X 、X 、L 及びL の2個、3個、4個、5個又は6個が互いに結合して多座配位子を形成してもよい。)
    で表されるルテニウム錯体触媒の存在下に、塊状重合して得られる無色なノルボルネン系樹脂成形品。
  2. 前記高分子改質前記A群から選ばれる1種又は2種以上であり、かつ全光線透過率(厚み4mm)が80%以上である請求項1に記載の成形品。
  3. 前記高分子改質前記B群から選ばれる1種又は2種以上であり、アイゾット衝撃値が30kgcm/cm以上、かつ曲げ強度が5kg/mm以上である請求項1に記載の成形品。
  4. 前記B群から選ばれる1種又は2種以上の高分子改質剤及び着色剤を含有するノルボルネン系モノマーを、ルテニウム錯体触媒の存在下に塊状重合して得られる、白色顔料を使用することなく着色されてなる請求項1に記載の成形品。
  5. 前記ルテニウム錯体触媒が、ルテニウムに少なくとも1つの、1,3位に置換基を有するイミダゾリジン−2−イリデン化合物又は4−イミダゾリン−2−イリデン化合物が配位してなる触媒である請求項1〜4のいずれかに記載の成形品。
  6. 前記ルテニウム錯体触媒が、ルテニウムに少なくとも1つの、下記式3又は式4
    Figure 0004352648
    (式中、R 、R は、それぞれ独立して、水素原子又は(ハロゲン原子、酸素原子、窒素原子、硫黄原子、リン原子、珪素原子)を含んでもよいC 〜C 20 の炭化水素基を表す。)で表されるヘテロ原子含有カルベン化合物が配位してなる触媒である請求項1〜5のいずれかに記載の成形品。
  7. 下記の式1又は式2
    Figure 0004352648
    式中、R 、R は、それぞれ独立して、水素原子又は(ハロゲン原子、酸素原子、窒素原子、硫黄原子、リン原子若しくは珪素原子)を含んでもよいC 〜C 20 の炭化水素基を表し、X 、X は、それぞれ独立して任意のアニオン性配位子を表し、L はヘテロ原子含有カルベン化合物を表し、L はヘテロ原子含有カルベン化合物又は任意の中性の電子供与性化合物を表す。また、R 、R 、X 、X 、L 及びL の2個、3個、4個、5個又は6個が互いに結合して多座配位子を形成してもよい。)
    で表されるルテニウム錯体触媒の存在下に、A群:ブタジエンモノマー単位を有するポリマー、スチレン系樹脂、熱可塑性ノルボルネン系樹脂及び熱可塑性飽和ノルボルネン系樹脂から選ばれる1種若しくは2種以上、又は、B群:エチレンモノマー単位、α−オレフィンモノマー単位、イソブチレンモノマー単位及びイソプレンモノマー単位から選ばれる少なくとも1種のモノマー単位を有するポリマーから選ばれる1種若しくは2種以上の高分子改質剤を含有するノルボルネン系モノマーを塊状重合させることを特徴とする無色なノルボルネン系成形品の製造方法。
  8. 前記ルテニウム錯体触媒が、ルテニウムに少なくとも1つの、1,3位に置換基を有するイミダゾリジン−2−イリデン化合物又は4−イミダゾリン−2−イリデン化合物が配位してなる触媒である請求項7に記載の成形品の製造方法。
  9. 前記ルテニウム錯体触媒が、ルテニウムに少なくとも1つの、下記式3又は式4
    Figure 0004352648
    (式中、R 、R は、それぞれ独立して、水素原子又は(ハロゲン原子、酸素原子、窒素原子、硫黄原子、リン原子、珪素原子)を含んでもよいC 〜C 20 の炭化水素基を表す。)で表されるヘテロ原子含有カルベン化合物が配位してなる触媒である請求項7又は8に記載の成形品の製造方法。
  10. 塊状重合時の最高昇温速度が20℃/秒以上である請求項7〜9のいずれかに記載の成形品の製造方法。
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