JP2003055442A - 重合体の製造方法 - Google Patents

重合体の製造方法

Info

Publication number
JP2003055442A
JP2003055442A JP2001244486A JP2001244486A JP2003055442A JP 2003055442 A JP2003055442 A JP 2003055442A JP 2001244486 A JP2001244486 A JP 2001244486A JP 2001244486 A JP2001244486 A JP 2001244486A JP 2003055442 A JP2003055442 A JP 2003055442A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
norbornene
producing
ruthenium
carbon atoms
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001244486A
Other languages
English (en)
Inventor
Nobuhiro Goto
信弘 後藤
▲博▼司 ▲吉▼谷
Hiroshi Yoshitani
Masafumi Nakatani
政史 中谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sekisui Chemical Co Ltd filed Critical Sekisui Chemical Co Ltd
Priority to JP2001244486A priority Critical patent/JP2003055442A/ja
Publication of JP2003055442A publication Critical patent/JP2003055442A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ノルボルネン系モノマーをメタセシス重合で
重合させる重合体の製造方法において、空気中や水分や
官能基存在下でも安定的に重合できることから各種成形
方法を取ることができて成形自由度が高く、1段加熱で
かつ短時間で、高いガラス転移温度及び優れた力学物性
を有する重合体を得ることができる重合体の製造方法を
提供する。 【解決手段】 ノルボルネン系モノマーと、3量体以上
のシクロペンタジエンオリゴマーとからなる重合性組成
物を、ルテニウム系メタセシス重合触媒の存在下で重合
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、重合体の製造方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】ジシクロペンタジエンを始めとするノル
ボルネン系モノマーは、メタセシス重合触媒によりバル
ク重合させることで力学物性に優れた重合体を得ること
ができる。更に、特許第2820408号公報では、4
0〜95重量%のジシクロペンタジエン及び60〜5重
量%のより高位のシクロペンタジエンオリゴマーよりな
るモノマー混合物をメタセシス重合させることにより、
ポリジシクロペンタジエンよりもガラス転移温度及び熱
変形温度の高い共重合体を得ることができる重合体の製
造方法が記載されている。
【0003】上記の製造方法においてメタセシス重合に
用いられる重合触媒としては、アルキルアルミニウム化
合物で活性化されたタングステンまたはモリブデン化合
物とがあげられる。即ち、ジシクロペンタジエン−オリ
ゴマー混合物に溶解されたタングステンハライド及びタ
ングステンオキシハライド錯体等のメタセシス触媒成分
を含んだ流れと、ジシクロペンタジエン−オリゴマー混
合物にアルキルアルミニウムイオダイド等のアルミニウ
ム活性剤化合物及び反応速度調節剤を含んだ流れ、など
からなる複数の反応性液体流れを混合し、型内に射出し
て重合体を得るものである。
【0004】一方、メタセシス重合触媒としてルテニウ
ム錯体は知られている。例えば、特開2000−327
756号公報では、メタセシス重合可能なシクロオレフ
ィン類及びルテニウム錯体等のメタセシス重合触媒を含
む重合性組成物を所定の温度で所定の時間保持した後、
所定の昇温速度で重合させ、さらに必要に応じ、所定温
度で所定時間保持する重合方法が提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、特許第282
0408号公報の方法では、触媒成分及びアルミニウム
活性剤化合物は空気、水分、官能基含有化合物存在化で
失活するために、系中を窒素パージ等により不活性雰囲
気下にしないと重合が不完全に終わるという問題があっ
た。即ち、触媒系が空気や水分に対して不安定であるこ
とにより窒素パージした反応射出成形しかできず成形自
由度が小さいという問題が挙げられる。
【0006】また、特開2000−327756号公報
の方法では、2段階ないし3段階の重合条件で重合させ
る必要があるので、成形に時間と手間がかかり、また、
バッチ生産の場合には問題ないが、多くの成形型を用い
て連続的に生産する場合には、各段階に対応するだけの
種類の加熱設備が必要である。また、所定の昇温速度で
重合させる必要があるので、厳密な温度管理が必要とな
り多くの成形型を加熱炉に同時に投入するような生産方
式には適さず、大量生産にも不向きである。
【0007】さらに、成形サイクルとしても限界があ
り、1型あたりの生産性を期待できず、必要型数が多く
なって型コストが高くなってしまう。また、成形型を温
調する方法も考えられるが、型コストが高くなる上に、
成形型として樹脂型を用いる場合には型の耐用ショット
数が大幅に低下してしまう。また、各工程の時間管理も
生産現場では煩雑になりがちであり、生産管理が大変で
ある。
【0008】さらに、製品1個あたりの成形サイクルが
長いので、1型あたりの必要生産量が多いような製品に
は適用困難であるという問題があった。
【0009】本発明は、上記の課題を解決し、ノルボル
ネン系モノマーをメタセシス重合で重合させる重合体の
製造方法において、空気中や水分や官能基存在下でも安
定的に重合できることから各種成形方法を取ることがで
きて成形自由度が高く、1段加熱でかつ短時間で、高い
ガラス転移温度及び優れた力学物性を有する重合体を得
ることができる重合体の製造方法を提供することを目的
とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の重合体の製造方
法は、ノルボルネン系モノマーと、3量体以上のシクロ
ペンタジエンオリゴマーとからなる重合性組成物を、ル
テニウム系メタセシス重合触媒の存在下で重合するもの
である。
【0011】本発明に使用されるノルボルネン系モノマ
ーとしては、例えば、2−ノルボルネン、ノルボルナジ
エン、エチリデンノルボルネン、メチルノルボルネン、
ジメチルノルボルネン、ブチルノルボルネン、5−アセ
チル−2−ノルボルネン、ジメチル−5−ノルボルネン
−2,3−ジカルボキシレート、N−ヒドロキシ−5−
ノルボルネン−2,3−ジカルボキシイミド、5−ノル
ボルネン−2−カルボニトリル、5−ノルボルネン−2
−カルボキシアルデヒド、5−ノルボルネン−2,3−
ジカルボン酸モノメチルエステル、5−ノルボルネン−
2,3−ジカルボン酸ジメチルエステル、5−ノルボル
ネン−2,3−ジカルボン酸ジエチルエステル、5−ノ
ルボルネン−2,3−ジカルボン酸ジ−n−ブチルエス
テル、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸ジシク
ロヘキシルエステル、5−ノルボルネン−2,3−ジカ
ルボン酸ジベンジルエステル、5−ノルボルネン−2,
3−ジカルボン酸無水物、3,6ーエポキシー1,2,
3,6ーテトラヒドロフタル酸無水物、5−ノルボルネ
ン−2,3−ジカルボン酸、5−ノルボルネン−2−メ
タノール、6−トリエトキシシリル−2−ノルボルネ
ン、5−ノルボルネン−2−オールなどの二環体;ジシ
クロペンタジエン、ジヒドロジシクロペンタジエン、メ
チルジシクロペンタジエン、ジメチルジシクロペンタジ
エンなどの三環体;テトラシクロドデセン、エチリデン
テトラシクロドデセン、フェニルテトラシクロドデセ
ン、メチルテトラシクロドデセン、ジメチルシクロテト
ラドデセンなどの四環体;及びこれらのアルキル置換体
(例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル置換体な
ど);アルキリデン置換体(例えば、エチリデン置換
体);アリール置換体(例えば、フェニル、トリル置換
体);さらにこれらのエポキシ基、メタクリル基、水酸
基、アミノ基、カルボキシル基、シアノ基、ハロゲン
基、エーテル基、エステル結合含有基等の極性基を有す
る誘導体などが挙げられる。これらは単独で使用しても
良いし、2種以上を混合して使用しても良い。
【0012】中でも、請求項2に記載されているよう
に、上記ノルボルネン系モノマーとしては、ジシクロペ
ンタジエン又はその誘導体であることが好ましい。上記
ジシクロペンタジエンの誘導体としては、例えば、水酸
基を有するヒドロキシジシクロペンタジエン、二重結合
が1つであるジヒドロジシクロペンタジエン、アセチル
基を有する酢酸トリシクロデセニル、アクリル基を有す
るジシクロペンテニルメタクリレートなどが挙げられ
る。
【0013】ジシクロペンタジエン及びその誘導体から
なる重合体は、コスト面、静的強度、耐衝撃性、耐熱性
等の物性バランスに優れたものであり、後述するシクロ
ペンタジエンオリゴマーの添加効果が顕著であるという
特性がある。
【0014】本発明において使用されるシクロペンタジ
エンオリゴマーは、シクロペンタジエンの3量体以上の
オリゴマーであり、通常は6量体以下である。上記シク
ロペンタジエンオリゴマーとしては、例えば、トリシク
ロペンタジエン、テトラシクロペンタジエン、ペンタシ
クロペンタジエン、ヘキサシクロペンタジエンなどがあ
げられる。これらは単独で使用しても良いし、2種以上
を混合して使用しても良い。上記シクロペンタジエンオ
リゴマーはジシクロペンタジエンの熱処理によって容易
に得ることができ、ジシクロペンタジエンを0.1〜6
0時間、125〜250℃の温度で加熱処理することに
よって得ることができる。
【0015】ノルボルネン系モノマーに対するシクロペ
ンタジエンオリゴマーの量は、ノルボルネン系モノマー
とシクロペンタジエンオリゴマーの合計量に対して5重
量%以上が好ましい。5重量%より少ないとメタセシス
重合を一段で完結することが難しく、成形サイクルアッ
プも望めないからである。
【0016】特に、ジシクロペンタジエンのような融点
が高く、常温で固体であるノルボルネン系モノマーに、
シクロペンタジエンオリゴマーを添加すると、ノルボル
ネン系モノマーの凝固点を降下させることが可能とな
り、低温でのハンドリング性を向上させるとともに原料
タンク等のユーティリティーに加熱設備をつけることが
不要となる。ジシクロペンタジエンを例に挙げると、ノ
ルボルネン系モノマーとシクロペンタジエンオリゴマー
の合計量に対して、シクロペンタジエンオリゴマーの量
を15重量%以上にすることにより、氷点下での液状を
保持することが可能となる。
【0017】本発明において、必要に応じて、ノルボル
ネン系モノマーと開環重合可能なモノマーが添加されて
もよい。上記ノルボルネン系モノマーと開環重合可能な
モノマーとしては、例えば、シクロブテン、シクロペン
テン、シクロペンタジエン、シクロオクテン、シクロド
デセン、1,5−シクロオクタジエン、1,3,5,7
−シクロオクタテトラエン、1,5,7−シクロドデカ
トリエン、5,6−エポキシ−1−シクロオクテン、
3,4−エポキシ−1−シクロオクテン、5−メトキシ
−1−シクロオクテン、5−ブロモ−1−シクロオクテ
ン、5−イソプロポキシ−1−シクロオクテン、5−ホ
ルミル−1−シクロオクテン、5−メトキシ−1−シク
ロオクテン、エチル−シクロオクト−1−エン−5−カ
ルボキシレート、(トリメチルシリル)シクロオクト−
1−エン−5−カルボキシレート、インデン、テトラヒ
ドロインデン、メチルテトラヒドロインデン、クマロ
ン、クマロンーインデン系コモノマー等のシクロオレフ
ィン系モノマーなどがあげられる。
【0018】上記ノルボルネン系モノマーと開環重合可
能なモノマーの量は、多すぎるとメタセシス重合性が低
下するので、ノルボルネン系モノマーとシクロペンタジ
エンオリゴマーの合計量100重量部に対して30重量
部以下が好ましい。
【0019】本発明において使用される重合性組成物
は、上記ノルボルネン系モノマー、シクロペンタジエン
オリゴマー及び必要に応じてノルボルネン系モノマーと
開環重合可能なモノマーとからなる。
【0020】本発明に使用されるルテニウム系メタセシ
ス重合触媒は、ルテニウムと、ハロゲン、オキシハロゲ
ン基、酸素、有機アンモニウム基などとからなる錯体で
ある。上記メタセシス重合錯体としては特に限定される
ものではないが、中でも、開環メタセシス重合を大気中
で行う場合には、上記メタセシス重合錯体の中でも空気
中での経時安定性に優れる触媒を選択することが好まし
く、具体的には、請求項5に記載されているように、下
記一般式(1)のルテニウムカルベン錯体又は下記一般
式(2)のルテニウムビニリデン錯体からなるものが好
ましい。
【0021】
【化3】
【0022】
【化4】
【0023】〔式中、R1 及びR2 は、お互いに独立
に、水素、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数2〜2
0のアルケニル基、炭素数2〜20のアリール基、炭素
数1〜20のカルボキシ基、炭素数1〜20のアルコキ
シ基、炭素数2〜20のアルケニルオキシ基、炭素数2
〜20のアリールオキシ基、炭素数2〜20のアルコキ
シカルボニル基、炭素数1〜20のアルキルチオ基、炭
素数1〜20のアルキルシリル基、炭素数2〜20のア
リールシリル基、炭素数1〜20のチオアルキル基、炭
素数2〜20のチオアリール基、炭素数1〜20のオキ
シアルキル基、炭素数2〜20のオキシアリール基(こ
れらは、炭素数1〜5のアルキル、ハロゲン、炭素数1
〜5のアルコキシによって、又は炭素数1〜5のアルキ
ル、ハロゲン、炭素数1〜5のアルコキシによって置換
されたフェニルによって置換されていても良い)、フェ
ロセン誘導体を意味し、X1 及びX2 は、お互いに独立
に、任意の所望のアニオン性配位子を意味し、L1 及び
2 は、お互いに独立に、任意の所望の中性電子供与体
を意味し、そして、X1 、X2 、L1 及びL2 の二個又
は三個は、更にまた、一緒に多座キレート化配位子を形
成しても良い。]
【0024】より好ましい触媒の構造は、上記一般式
(1)及び一般式(2)において、式中、R1 及びR2
は、お互いに独立に、水素、メチル、エチル、フェニ
ル、フェロセニル、又はメチル、エチル、フェニルもし
くはフェロセニルによって必要に応じて置換されたビニ
ルであり、X1 及びX2 は、お互いに独立に、Cl、B
rであり、L1 及びL2 は、お互いに独立に、トリメチ
ルホスフィン、トリエチルホスフィン、トリフェニルホ
スフィン,トリイソプロピルホスフィン又はトリシクロ
ヘキシルホスフィンである触媒である。
【0025】上記メタセシス触媒の添加量は触媒の活性
によって異なるので、一概には言えないが、重合性組成
物の総量に対して1/5〜1/500000モル当量で
あることが好ましい。1/5モル当量より多いと得られ
る重合体の分子量が上がらず、1/500000当量よ
り少ないと重合速度が低くなるので好ましくない。更に
好ましい添加量としては、重合性組成物の総量に対して
1/100〜1/100000モル当量である。この範
囲で必要なポットライフ及び硬化時間を基に、触媒の混
合比率を設定すればよい。
【0026】また、ポットライフを延長する手段とし
て、トリフェニルホスフィン、トリシクロヘキシルホス
フィン、トリシクロベンチルホスフィン、トリブチルホ
スフィン、トリイソプロピルホスフィン等のホスフィン
系化合物あるいはピリジン、γ-ピコリン、シアノピリ
ジン、ピラジン、イミダゾール等の3級アミンを反応遅
延剤として使用することができる。
【0027】本発明においては、必要に応じて、充填
材、酸化防止剤、補強材,分散剤、発泡剤、消泡剤、界
面活性剤、カップリング剤、揺変性付与剤、帯電防止
剤、分子量調整剤、高分子改質剤、難燃剤、可塑剤、顔
料、染料、着色剤、エラストマー、紫外線吸収剤,離型
剤等の種々の添加剤を配合することができる。
【0028】上記充填材としては、無機系と有機系に分
類すると以下のものが挙げられる。まず、無機系として
は、鉄、銅、青銅、チタン、ステンレス、ニッケル、
金、銀、アルミニウム、鉛、タングステン等の金属;カ
ーボンブラック、グラファイト、活性炭、炭素バルーン
等の炭素;シリカ、シリカバルーン、アルミナ、酸化チ
タン、酸化鉄、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化す
ず、酸化アンチモン、酸化ベリリウム、バリウムフェラ
イト、ストロンチウムフェライト等の無機酸化物;水酸
化アルミニウム、水酸化マグネシウム等の無機水酸化
物;炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸水素ナト
リウム等の無機炭酸塩;硫酸カルシウム等の無機硫酸
塩;タルク、クレー、マイカ、カオリン、フライアッシ
ュ、モンモリロナイト、ケイ酸カルシウム、ガラス、ガ
ラスバルーン等の無機ケイ酸塩;チタン酸カルシウム;
チタン酸ジルコン酸鉛;窒化アルミニウム;炭化ケイ
素、ウィスカー等が挙げられる。
【0029】また,有機系では、木粉、デンプン、有機
顔料、ポリスチレン、ナイロン、ポリエチレンやポリプ
ロピレンのようなポリオレフィン、塩化ビニル、各種エ
ラストマー、廃プラスチック、熱膨張性塩化ビニリデン
粒子等が挙げられる。
【0030】上記補強材としては、ガラス繊維、カーボ
ン繊維、金属繊維等の無機繊維;アラミド繊維、ナイロ
ン繊維、ジュート繊維、ケナフ繊維、竹繊維、ポリエチ
レン繊維、延伸ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊
維、延伸ポリプロピレン繊維等の有機繊維が挙げられ
る。上記繊維の形態は、ロービング、ロービングクロス
あるいはチョップドストランドマット等の連続繊維であ
ってもよいし、チョップドストランド、ミルドファイバ
ー等の短繊維でであってもよい。
【0031】本発明において、請求項3に記載したよう
に、重合開始時の雰囲気温度が40〜140℃であるこ
とが好ましい。上記重合開始時の雰囲気温度が40℃よ
り低いと重合速度が充分でなく目的の重合体を得るのに
時間がかかり、140℃より高いとルテニウム系メタセ
シス重合触媒の熱分解あるいは反応ムラにより充分な物
性を有する重合体が得られないからである。加熱手段と
しては、成形型を予め上記温度範囲に加熱していても良
いし、上記温度範囲の加熱炉に入れて重合させても良
い。
【0032】重合の際の雰囲気温度は特に限定されない
が、請求項4に記載したように、重合の際の雰囲気温度
が一定であることが好ましい。重合の際の雰囲気温度が
一定に保つことにより、他段階で温度管理をする必要が
ないし、複数の加熱炉も必要ないので、設備投資面や生
産管理面でメリットがある。
【0033】
【実施例】重合体の作製 (実施例1〜10、比較例1〜3)表1〜3に示した所
定量のジシクロペンタジエン及びシクロペンタジエンオ
リゴマーとからなる重合性組成物200gに、トルエン
100重量部にビス(トリシクロヘキシルホスフィン)
ベンジリデンルテニウムジクロリド5重量部を溶解させ
た溶液3mlを添加し、混合撹拌した後に、表1〜3に
示した所定温度の加熱炉内の厚み3mmの平板成形用型
に流し込み、所定時間加熱して重合体を得た。なお、反
応は全て大気中で行った。
【0034】(比較例4)RIM成形用ジシクロペンタ
ジエンの主剤及び硬化剤(帝人メトン社製)を大気中で
混合させ、雰囲気温度80℃の加熱炉内で60分重合さ
せたが、ほとんど重合が進行せずゲル状となった。
【0035】重合体の評価 実施例1〜10、比較例1〜3で得られた重合体から試
験片を切り出し、以下の評価に供した。
【0036】曲げ強度 JIS K7055に準拠して、曲げ強度を測定した。
【0037】曲げ弾性率 JIS K7055に準拠して、曲げ弾性率を測定し
た。
【0038】ガラス転移温度 JIS K7198に準拠して、引張法で動的粘弾性測
定によりガラス転移温度を測定した。
【0039】以上の結果を表1〜3に纏めて示した。
【0040】
【表1】
【0041】
【表2】
【0042】
【表3】
【0043】
【発明の効果】本発明の重合体の製造方法は、ノルボル
ネン系モノマーと、3量体以上のシクロペンタジエンオ
リゴマーとからなる重合性組成物を、ルテニウム系メタ
セシス重合触媒の存在下で重合するものであるから、一
段重合で重合体を得ることができるので、他段階で加熱
する必要もない上に大気中での重合が可能なので窒素パ
ージも必要ない。具体的には、加熱設備は1箇所で良い
し不活性ガスでシールする必要もないので、設備が簡略
化できる。型自体が温調可能な場合には加熱炉等の附帯
設備が不要となる。従って、生産性の面からも一段で重
合できることから成形サイクルアップが可能であり、量
産製品にも対応できる。生産型を用いて重合させる場合
には、一定の温度で成形することができることから厳密
な温度管理も不要で、得られる成形品のばらつきを小さ
くすることができ、品質を安定化することができる。ま
た3量体以上のシクロペンタジエンオリゴマーを用いる
ことで、高いガラス転移温度及び優れた力学物性を有す
る重合体を得ることができる。
【0044】また、ノルボルネン系モノマーが、常温で
固体であるジシクロペンタジエン又はその誘導体であっ
ても、シクロペンタジエンオリゴマーを用いることで、
低温でも液状とすることができ、加熱しながら成形型等
に注ぐ必要がなく、成形自由度が向上する。従って、原
料タンク等のユーティリティーに加熱設備をつけること
が不要となるので、設備投資面でメリットがあるし、装
置も簡略化できる。
【0045】従って、本発明の重合体の製造方法によれ
ば、空気中や水分や官能基存在下でも安定的に重合でき
ることから各種成形方法を取ることができて成形自由度
が高く、1段加熱でかつ短時間で、高いガラス転移温度
及び優れた力学物性を有する重合体を得ることができ
る。
【0046】本発明で得られた重合体は、耐衝撃性、耐
熱性、静的強度等の機械物性に優れることから、パイ
プ、継手、バルブ、マンホール、マス、プラント管、浄
化槽、ボート、自動車部材、浴槽、防水パン、洗面台、
サニタリー部品、便器、壁パネル、床材等多方面の用途
に使用できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J032 CA34 CA38 CA68 CB04 CD02 CE03 CE22 CG07

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ノルボルネン系モノマーと、3量体以上の
    シクロペンタジエンオリゴマーとからなる重合性組成物
    を、ルテニウム系メタセシス重合触媒の存在下で重合す
    ることを特徴とする重合体の製造方法。
  2. 【請求項2】ノルボルネン系モノマーが、ジシクロペン
    タジエン又はその誘導体であることを特徴とする請求項
    1記載の重合体の製造方法。
  3. 【請求項3】重合開始時の雰囲気温度が40〜140℃
    であることを特徴とする請求項1又は2記載の重合体の
    製造方法。
  4. 【請求項4】重合の際の雰囲気温度が一定であることを
    特徴とする請求項3記載の重合体の製造方法。
  5. 【請求項5】ルテニウム系メタセシス重合触媒が、下記
    一般式(1)のルテニウムカルベン錯体又は下記一般式
    (2)のルテニウムビニリデン錯体からなるメタセシス
    重合触媒であることを特徴とする請求項1〜4何れか1
    項に記載の重合体の製造方法。 【化1】 【化2】 〔式中、R1 及びR2 は、お互いに独立に、水素、炭素
    数1〜20のアルキル基、炭素数2〜20のアルケニル
    基、炭素数2〜20のアリール基、炭素数1〜20のカ
    ルボキシ基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数2
    〜20のアルケニルオキシ基、炭素数2〜20のアリー
    ルオキシ基、炭素数2〜20のアルコキシカルボニル
    基、炭素数1〜20のアルキルチオ基、炭素数1〜20
    のアルキルシリル基、炭素数2〜20のアリールシリル
    基、炭素数1〜20のチオアルキル基、炭素数2〜20
    のチオアリール基、炭素数1〜20のオキシアルキル
    基、炭素数2〜20のオキシアリール基(これらは、炭
    素数1〜5のアルキル、ハロゲン、炭素数1〜5のアル
    コキシによって、又は炭素数1〜5のアルキル、ハロゲ
    ン、炭素数1〜5のアルコキシによって置換されたフェ
    ニルによって置換されていても良い)、フェロセン誘導
    体を意味し、X1 及びX2 は、お互いに独立に、任意の
    所望のアニオン性配位子を意味し、L1 及びL2 は、お
    互いに独立に、任意の所望の中性電子供与体を意味し、
    そして、X1 、X2 、L1 及びL2 の二個又は三個は、
    更にまた、一緒に多座キレート化配位子を形成しても良
    い。]
JP2001244486A 2001-08-10 2001-08-10 重合体の製造方法 Pending JP2003055442A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001244486A JP2003055442A (ja) 2001-08-10 2001-08-10 重合体の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001244486A JP2003055442A (ja) 2001-08-10 2001-08-10 重合体の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003055442A true JP2003055442A (ja) 2003-02-26

Family

ID=19074403

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001244486A Pending JP2003055442A (ja) 2001-08-10 2001-08-10 重合体の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003055442A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005000579A1 (ja) * 2003-06-27 2005-01-06 Zeon Corporation 積層体およびその製造方法
KR20160027116A (ko) * 2013-07-03 2016-03-09 마터리아 인코포레이티드 액체 성형 조성물
EP3365320A4 (en) * 2015-10-21 2019-07-10 B.G. Negev Technologies & Applications Ltd., at Ben-Gurion University DICYCLOPENTADIENE DERIVATIVES AND POLYMERS CONTAINING THEM

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005000579A1 (ja) * 2003-06-27 2005-01-06 Zeon Corporation 積層体およびその製造方法
KR20160027116A (ko) * 2013-07-03 2016-03-09 마터리아 인코포레이티드 액체 성형 조성물
JP2016523314A (ja) * 2013-07-03 2016-08-08 マテリア, インコーポレイテッド 液体成形用組成物
JP2018145443A (ja) * 2013-07-03 2018-09-20 マテリア, インコーポレイテッド 液体成形用組成物
KR102332838B1 (ko) 2013-07-03 2021-11-29 마터리아 인코포레이티드 액체 성형 조성물
EP3365320A4 (en) * 2015-10-21 2019-07-10 B.G. Negev Technologies & Applications Ltd., at Ben-Gurion University DICYCLOPENTADIENE DERIVATIVES AND POLYMERS CONTAINING THEM
US11059939B2 (en) 2015-10-21 2021-07-13 B.G. Negev Technologies And Applications Ltd., At Ben-Gurion University Dicyclopentadiene derivatives and polymers thereof

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPWO2006101069A1 (ja) 熱可塑性樹脂、その製造方法および成形材料
JPS58129013A (ja) 架橋したジシクロペンタジエンポリマーからなる成形物の製造方法
EP1155057A1 (en) In mold addition polymerization of norbornene-type monomers using group 10 metal complexes
JPH0757811B2 (ja) ガラス繊維強化ノルボルネン系ポリマーおよびその製造法
JP5862268B2 (ja) 重合体、成形体及び重合体の製造方法
TW473491B (en) A solventless polymerisable composition
JP2003003048A (ja) 溶融成形可能な熱可塑性ノルボルネン系樹脂組成物及びそれを用いた成形品又は光学フィルム
JP2003055442A (ja) 重合体の製造方法
CN104955894B (zh) 树脂组合物及其成型体
JP2012153846A (ja) 塊状重合成形体
JP2001253935A (ja) ノルボルネン系ポリマーの製造方法及びノルボルネン系ポリマー
WO2001072870A1 (fr) Resine de norbornene moulee et son procede de production
JP3595863B2 (ja) ノルボルネン系ポリマー成形体の製造方法及びその成形体
US5438093A (en) Modified polycycloolefins
JP2002121266A (ja) ノルボルネン系モノマーの重合方法
JP2002356540A (ja) ノルボルネン系樹脂成形体の製造方法
JP2013076007A (ja) 重合性組成物および樹脂成形体の製造方法
JPH03146516A (ja) ノルボルネン系ポリマーの製造方法
JPH02258787A (ja) 新規シラン化合物
JPH07693B2 (ja) 架橋重合体成型物の製造方法
JPS63235324A (ja) 重合体成型物,その製造方法および反応性溶液の組合せ
JPS63251423A (ja) 架橋重合体成型物の製造方法および反応性溶液の組合せ
JP2892714B2 (ja) 強化ノルボルネン系ポリマーの製造方法
JPS6392625A (ja) 架橋重合体成型物,その製造方法及び反応性溶液の組合せ
JP2000327796A (ja) 成形品の製造法