JP2000327796A - 成形品の製造法 - Google Patents

成形品の製造法

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JP2000327796A
JP2000327796A JP11145073A JP14507399A JP2000327796A JP 2000327796 A JP2000327796 A JP 2000327796A JP 11145073 A JP11145073 A JP 11145073A JP 14507399 A JP14507399 A JP 14507399A JP 2000327796 A JP2000327796 A JP 2000327796A
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carbon atoms
metathesis
alkyl
norbornene
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JP11145073A
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Akira Sasaki
昭 佐々木
Akio Aihara
章雄 相原
Hitoshi Yamazaki
仁 山崎
Masami Yusa
正己 湯佐
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Showa Denko Materials Co Ltd
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Hitachi Chemical Co Ltd
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  • Polyoxymethylene Polymers And Polymers With Carbon-To-Carbon Bonds (AREA)
  • Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】複雑な形状の二次賦形が容易にできるジシクロ
ペンタジエン成形品の製造法を提供する。 【解決手段】メタセシス重合触媒の存在下にジシクロペ
ンタジエンを反応させて、軟質硬度計による硬度50以
上かつゴム硬度計による硬度75以下の半硬化状態の成
形材とする第一工程と前記成形材を所定の形状に賦形し
て加熱硬化する第二工程とを備えるジシクロペンタジエ
ン成形品の製造法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、メタセシス重合可
能なシクロオレフィン類から成形品を製造する方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】シクロオレフィン類がメタセシス(複分
解)触媒系によって開環重合することは知られている。
例えば、J.Am.Chem.Soc.,第82巻,2
337ページ(1960年)にはノルボルネンがメタセ
シス触媒系によって開環重合することが記載されてお
り、Angew.Chem.Int.Edn.,第3
巻,723ページ(1964年)にはシクロペンテンが
メタセシス触媒系[MoCl5 /Al(C2 5 3
によって開環重合することが記載されている。また、シ
クロオレフィン類を開環重合してポリマーを製造する方
法も知られている。例えば、特開昭50−130900
号公報や特開昭52−33000号公報にはタングステ
ンやモリブデンなどのハロゲン化物と有機アルミニウム
化合物とから成るメタセシス触媒系を用いて、開環重合
ポリマーを製造する方法が開示されている。
【0003】一方、ジシクロペンタジエンやトリシクロ
ペンタジエン等のノルボルネン型シクロオレフィン類
(モノマー)を塊状重合させて、架橋重合体成形物を得
る方法も知られている。例えば、特開昭58−1277
28号公報や特開昭58−129013号公報には、メ
タセシス触媒系の触媒成分及びモノマーとの混合物から
成る溶液Aと、メタセシス触媒系の活性化剤及びモノマ
ーとの混合物から成る溶液Bとを反応射出成形(RI
M)法により架橋重合体成形物を製造する方法が開示さ
れている。
【0004】特開昭59−51911号公報には、タン
グステン及びモリブデンの有機アンモニウム塩から選ば
れた触媒成分とアルコキシアルキルアルミニウムハライ
ド及びアリールオキシアルミニウムハライドから選ばれ
た活性化剤とを組み合わせたメタセシス触媒系を用い
て、ノルボルネン型モノマーを反応射出成形して架橋重
合体成形物を製造する方法が開示されている。また、特
開平3−205409号公報には、六塩化タングステン
及びオキシ四塩化タングステンから選ばれた触媒成分と
塩化ジエチルアルミニウム及び二塩化エチルアルミニウ
ムから選ばれた活性化剤とを組み合わせたメタセシス触
媒系を用いて、反応射出成形法で架橋したジシクロペン
タジエン重合体を製造する方法が開示されている。
【0005】前記したメタセシス触媒系では、触媒成分
は活性化剤によって活性化され、ノルボルネン型モノマ
ーを開環重合させることが分かっている。また、上記反
応射出成形を行う場合には、溶液Aと溶液Bを衝突混合
させ、その混合液は直ちに金型内に液状のまま注入さ
れ、塊状で開環重合される。しかし、上記活性化剤とし
て使用される有機アルミニウム化合物は反応性が高く、
水や酸素が存在すると直ちにこれらと反応して触媒活性
化作用は失われる。そこで、反応射出成形を行う場合
は、大気中の水や酸素の混入をできる限り排除するため
に、分割型金型を閉じた状態で形成される空間中で塊状
重合させる必要がある。そのため、成形方法や成形品の
形状に制限があるという問題があった。特開平2−22
5518公報や特開平3−292124号公報では、ノ
ルボルネン型モノマーを金型内で塊状重合した一次成形
体をつくり、次に一次成形体を二次成形(賦形)する方
法が開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前記した一次
成形体の製造方法では、得られる一次成形体はメタセシ
ス反応が完結して硬くなっており容易に変形させること
はできない。そのため、予め一次成形体を高温(通常1
00℃以上)にしてから賦形を行う必要があり、二次賦
形時の労力がかかるなど種々の問題があった。また、一
次成形体はメタセシス反応が完結した硬化物であるた
め、二次賦形で複雑な形状にするのは困難であった。本
発明は、複雑な形状の二次賦形が容易にできる成形品の
製造法を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、複雑な形
状の二次賦形が容易にできる、成形品の製造法を種々検
討した結果、Ruカルベン触媒のような特定のメタセシ
ス重合触媒を使用して特定の硬度を有する半硬化状態の
成形材を製造し、この成形材を用いる成形品の製造法を
見出し、本発明を完成させるに至った。
【0008】すなわち、本発明は、メタセシス重合触媒
の存在下にメタセシス重合可能なシクロオレフィン類を
反応させて、軟質硬度計による硬度50以上かつゴム硬
度計による硬度75以下の成形材とする第一工程と前記
成形材を所定の形状に賦形して加熱硬化する第二工程と
を備える成形品の製造法に関するものである。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明で用いられるメタセシス重
合可能なシクロオレフィン類としては、二環体以上のノ
ルボルネン類及び炭素数4以上の単環シクロオレフィン
類から選ばれる少なくとも一種が使用できる。中でも置
換又は非置換のノルボルネン、ジシクロペンタジエン、
ジヒドロジシクロペンタジエンなどのノルボルネンが好
適に用いられる。
【0010】ノルボルネン類としては、ノルボルネン、
ノルボルナジエン、メチルノルボルネン、ジメチルノル
ボルネン、エチルノルボルネン、エチリデンノルボルネ
ン、ブチルノルボルネン、5−アセチル−2−ノルボル
ネン、ジメチル−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボ
キシレート、N−ヒドロキシ−5−ノルボルネン−2,
3−ジカルボキシイミド、5−ノルボルネン−2−カル
ボニトリル、5−ノルボルネン−2−カルボキシアルデ
ヒド、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸モノメ
チルエステル、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン
酸ジメチルエステル、5−ノルボルネン−2,3−ジカ
ルボン酸ジエチルエステル、5−ノルボルネン−2,3
−ジカルボン酸ジ−n−ブチルエステル、5−ノルボル
ネン−2,3−ジカルボン酸ジシクロヘキシルエステ
ル、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸ジベンジ
ルエステル、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸
無水物、3,6ーエポキシー1,2,3,6ーテトラヒ
ドロフタル酸無水物、5−ノルボルネン−2,3−ジカ
ルボン酸、5−ノルボルネン−2−メタノール、6−ト
リエトキシシリル−2−ノルボルネン、5−ノルボルネ
ン−2−オールなどの二環ノルボルネン、ジシクロペン
タジエン(シクロペンタジエンの二量体)、ジヒドロジ
シクロペンタジエン、メチルジシクロペンタジエン、ジ
メチルジシクロペンタジエン、などの三環ノルボルネ
ン、テトラシクロドデセン、メチルテトラシクロドデセ
ン、ジメチルシクロテトラドデセンなどの四環ノルボル
ネン、トリシクロペンタジエン(シクロペンタジエンの
三量体)、テトラシクロペンタジエン(シクロペンタジ
エンの四量体)などの五環以上のノルボルネンが挙げら
れる。
【0011】2個以上のノルボルネン基を有する化合
物、例えばテトラシクロドデカジエン、対称型トリシク
ロペンタジエン等を用いることもできる。ノルボルネン
系以外のシクロブテン、シクロペンテン、シクロオクテ
ン、シクロドデセン、1,5−シクロオクタジエン、
1,3,5,7−シクロオクタテトラエン、1,5,7
−シクロドデカトリエン、5,6−エポキシ−1−シク
ロオクテン、3,4−エポキシ−1−シクロオクテン、
5−メトキシ−1−シクロオクテン、5−ブロモ−1−
シクロオクテン、5−イソプロポキシ−1−シクロオク
テン、5−ホルミル−1−シクロオクテン、5−メトキ
シ−1−シクロオクテン、エチル−シクロオクト−1−
エン−5−カルボキシレート、(トリメチルシリル)シ
クロオクト−1−エン−5−カルボキシレート、テトラ
ヒドロインデン、メチルテトラヒドロインデンなどのシ
クロオレフィン類も使用することができる。以上の化合
物は、単独でまた複数の混合物として用いることもでき
る。
【0012】本発明で用いられるメタセシス重合触媒
は、式(a)及び式(b)で示されるメタセシス重合触
媒の少なくとも一種が好ましく使用される。
【0013】
【化3】 (ここで、Mはルテニウム又はオスミウム;R及びR1
は、それぞれ独立に水素、炭素数1〜20のアルキル
基、炭素数2〜20のアルケニル基、炭素数2〜20の
アルキニル基、アリール基、炭素数1〜20のカルボキ
シレート基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数2
〜20のアルケニルオキシ基、アリールオキシ基、炭素
数2〜20のアルコキシカルボニル基、炭素数1〜20
のアルキルチオ基、炭素数1〜20のアルキルスルフォ
ニル基又は炭素数1〜20のアルキルスルフィニル基か
ら選ばれ、それぞれは炭素数1〜5のアルキル基、ハロ
ゲン、炭素数1〜5のアルコキシ基又はフェニル類で置
換されていても良く、前記フェニル類はハロゲン、炭素
数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基で
置換されていても良い;X及びX1はアニオン性配位
子;L及びL1は中性の電子供与基を示す。)
【0014】
【化4】 (ここで、Mはルテニウム又はオスミウム;R及びR1
は、それぞれ独立に水素、炭素数1〜20のアルキル
基、炭素数2〜20のアルケニル基、炭素数2〜20の
アルキニル基、アリール基、炭素数1〜20のカルボキ
シレート基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数2
〜20のアルケニルオキシ基、アリールオキシ基、炭素
数2〜20のアルコキシカルボニル基、炭素数1〜20
のアルキルチオ基、炭素数1〜20のアルキルスルフォ
ニル基、炭素数1〜20のアルキルスルフィニル基、炭
素数1〜20のアルキルセレノ基、炭素数1〜20のア
ルキルセレニニル基又は炭素数1〜20のアルキルセレ
ノニル基から選ばれ、それぞれは炭素数1〜5のアルキ
ル基、ハロゲン、炭素数1〜5のアルコキシ基又はフェ
ニル類で置換されていても良く、前記フェニル類はハロ
ゲン、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアル
コキシ基で置換されていても良い;X及びX1はアニオ
ン性配位子;L及びL1は中性の電子供与基を示す。)
【0015】これら触媒は、従来知られているような触
媒成分と活性化剤とを組み合わせた2液系の複分解触媒
系とは異なり、空気中の酸素や水分によって容易に触媒
活性を失わずにメタセシス重合性化合物を複分解(メタ
セシス)反応で開環重合させることができる。化合物
(触媒)の具体的なものは、たとえば式(1)〜(8)
に挙げるような触媒である、特に式(3)に挙げるもの
が好ましい。
【0016】
【化5】
【0017】
【化6】
【0018】
【化7】
【0019】
【化8】
【0020】
【化9】
【0021】
【化10】
【0022】
【化11】
【0023】
【化12】
【0024】メタセシス重合触媒は、単独に又は2種類
以上を組み合わせて使用できる。このとき、触媒量はメ
タセシス重合可能なシクロオレフィン類100重量部に
対し、0.001〜20重量部、好ましくは0.01〜
5重量部である。
【0025】本発明で使用する成形材においては、上記
のメタセシス重合可能なシクロオレフィン類とメタセシ
ス重合触媒が必須成分であるが、必要に応じてフィラ
ー、ガラス繊維を混入することができる。また、シラン
カップリング剤、酸化防止剤、難燃剤、離型剤、着色
剤、光安定剤などを本発明の目的を損なわない範囲で添
加することができる。その他に改質材、反応調整剤など
の添加剤を必要に応じて添加することができる。改質材
としては、ゴム系エラストマ、ポリスチレン、飽和ポリ
エステル、ポリエチレン、ポリイミド、アクリル樹脂、
メタクリル樹脂、ビニル樹脂等を使用することができ
る。反応調整剤としては、トリフェニルフォスフィン、
トリシクロヘキシルフォスフィン、トリシクロペンチル
フォスフィン、トリブチルフォスフィン、トリイソプロ
ピルフォスフィン等が使用でき、通常、シクロオレフィ
ン類100重量部に対して0.001〜10重量部を加
えることができる。本発明で得られた重合体は、電気絶
縁材料、フィルム、強化プラスチック、コーティング
材、積層板の分野で使用することができる。また、通常
の成形型では成形困難な形状(例えばアンダーカットと
なるような形状、コイル形状など)を有する成形品に好
適に使用することができる。
【0026】本発明の成形材は、流動性がない固形状で
あるが、容易に2次賦形ができる成形材であり、加熱に
よってメタセシス反応が進み、2次賦形の形状を有した
硬化物(成形品)を製造することができる。上記したよ
うなメタセシス重合触媒を用いれば、条件(触媒の使用
量、反応温度、反応調整(抑制)剤の使用等)を適当に
選ぶことで重合(メタセシス)反応の速度を任意に調整
することができる。そのため、原料シクロオレフィン類
の重合(メタセシス)反応が完結していない途中の状態
(半硬化状態)をつくることができる。この半硬化状態
をつくる工程が第一工程である。半硬化状態の成形材は
容易に二次賦形ができ、加熱すると重合(メタセシス)
反応が再開し、硬化を完結させて成形品とすることがで
きる。この二次賦形して硬化を完結させる工程が第二工
程である。半硬化状態の成形材は、流動性のない固形状
であるが容易に2次賦形可能な硬さ(硬度)を有してい
る。本発明の成形材の硬さは、2次賦形の方法や成形品
の形状に応じて適宜選択することができる。本発明の成
形材の硬度はゴム硬度計(GS−702N、JIS K
7215 Dタイプ)の測定値で75以下であり、こ
れ以上硬くなると2次賦形が困難になる。ゴム硬度計
(GS−702N、JIS K 7215 Dタイプ)
の測定値で50以下が好ましい。さらに本成形材の硬度
は、軟質硬度計(GS−701G、JIS S 605
0)の測定値で50以上であり、これより柔らかくなる
と二次賦形の形状を維持することが難しくなる。軟質硬
度計(GS−701G、JIS S 6050)の測定
値で60以上が好ましい。半硬化状態の成形材の硬さ
は、第一工程の条件(触媒の使用量、反応および保管温
度、反応調整(抑制)剤の使用等)を適当に選ぶことで
所望の範囲に設計・調整できる。
【0027】第一工程では、原料シクロオレフィン類、
メタセシス重合触媒、必要に応じて添加剤を混合した液
状配合物を加熱する。加熱の温度は配合物の凝固点〜6
0℃の範囲が好ましく通常は配合物の流動性がなくなる
まで(半硬化状態になるまで)継続する。第一工程の温
度を上げ過ぎると鎖状ポリマー形成反応とともに架橋反
応が進行し、成形材の硬度が高くなり過ぎたり、最終硬
化物中に未反応物が多く残り好ましくない。硬化時間は
数分から数時間の範囲で、作業形態、生産設備などに応
じて適宜調整することができる。第一工程は、配合物の
加熱が完了した後、成形材が所定の硬度になるまで、所
定の温度雰囲気下に保管する工程を含む。保管の温度は
−30℃〜60℃であり、好ましくは、0℃〜50℃で
ある。保管の時間は3分〜5ヶ月までの範囲で生産の形
態に応じて適宜選択することができ、好ましくは、20
分〜30日である。
【0028】第二工程では、第一工程が完了した成形材
を二次賦形し、その形状を保持したまま加熱硬化を行う
と、反応による発熱が起こる。成形材を加熱しながら二
次賦形しても良い。架橋反応を十分に進行させるための
発熱温度は、100℃〜250℃の範囲であり、好まし
くは130℃〜170℃である。第二工程の硬化時間
は、反応速度にもよるが、硬化を十分に進めるためには
10分〜1時間行うのが好ましい。
【0029】本発明の成形材の形状には特に制限はな
く、シート状、フィルム状、ブロック形状、丸棒形状、
角棒形状などの形状を目的に応じて選択することができ
る。また、二次賦形の方法にも特に制限はなく、必要に
応じて種々選択することができる。例えば、成形型に導
入して圧縮成形したり、所定の形状物に沿って巻き付け
たり、所定の形状になるよう人手や機械で曲げたりする
ことが可能である。また、本成形材同士を幾つか接合し
て一体となった成形物(硬化後は接着して一体化してい
る)を得ることができる。例えば、成形材を何枚か積み
重ねた積層物としたり、成形材を幾つかつなぎ合わせて
一体となった立体形状物とすることも可能である。本発
明の成形材の接着性を利用することにより、成形型では
不可能な形状の成形品を容易に製造することもできる。
【0030】
【実施例】以下本発明を実施例により説明する。なお、
実施例中、部とは特に限定しない限り重量部を意味す
る。なお各実施例、比較例で得られた硬化物は、以下の
方法で試験片を評価した。 (a)硬化物の硬化度の評価法 真空理工製TG−DTA(熱天秤分析装置)を用い、窒
素雰囲気下で室温〜500℃まで10℃/minで昇温
し、250℃の加熱減量分を測定し、以下の計算式で供
試試料の硬化度を計算した。 硬化度(%)=100−重量減少率(%) (b)発熱温度の評価法 発熱温度を測定するために、試験片の中心部に熱伝対を
設定した。熱伝対は記録計に接続し、温度を記録した。 (C)硬度評価 B工程を行う前に、試験片(測定ヶ所数は10点)の硬
度を測定した。 (1)ゴム硬度計(GS−702N、JIS K 72
15 Dタイプ) (2)軟質硬度計(GS−701G、JIS S 60
50) (D)曲げ試験 平板から幅10mm、長さ80mmの曲げ試験片を切り
出しJIS K 7203に準じて曲げ試験を行った。 (E)引張り試験 平板から幅25mm,長さ125mmの引張り試験片を
切り出しJIS K6850に準じて引張り試験を行っ
た。
【0031】実施例1 (DCPD樹脂液)市販の純度約99重量%のジシクロ
ペンタジエン(DCPDとする)100重量部にトリフ
ェニルホスフィン0.125重量部を添加してDCPD
樹脂液を作製した。 (試験片の作製)上記DCPD樹脂液にRuカルベン触
媒を添加し、2分間撹拌して触媒を完全に溶解させた。
この樹脂液を、ガラス板(300mm×300mm×6
mm)2枚と厚さ3mmのスペーサで厚みをとった注型
ガラス板に注入した。表1に示す所定の硬化条件に従っ
て硬化物を得た。第一工程を終了後放置期間を設けた。
その放置状態は硬化物をPETフィルムに包み、−20
〜60℃までの雰囲気で放置した。各放置サンプルをそ
れぞれプレス成形、圧縮成形、引出し成形、押出し成
形、ブロー成形、連続シート成形等の成形法を用いて成
形後、第二工程を行ったところ、所定の成形物を得るこ
とができた。
【0032】
【表1】
【0033】上記で得られた各硬化物の評価結果を表2
に示す。
【0034】
【表2】
【0035】
【発明の効果】本発明の製造方法によれば、シクロオレ
フィン、メタセシス重合触媒を含む重合性組成物は、2
段硬化を行う硬化条件において第一工程終了後に必要と
されるだけ放置時間(擬似Bステージ)をとり、その後
第二工程(ポストキュア)を行った場合にでも、硬化度
が十分に高いとされる重合体成形物の製造ができる。ま
た、硬化物同士の接着が可能になった。従って、種々の
プラスチック成形品が製造でき、特に硬化物同士の接着
性が良くその応用範囲が広がった。本発明による製造方
法により製造される成形物は、配線板、積層板、封止
材、フィルム、パイプ、バネ、スプリング、タンク、レ
ジャー用品、硬化物間に補強材等を入れた複合材、浴槽
等の住宅関連の成形品、形状が複雑な成形品等に利用が
できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山崎 仁 茨城県つくば市和台48 日立化成工業株式 会社筑波開発研究所内 (72)発明者 湯佐 正己 茨城県つくば市和台48 日立化成工業株式 会社筑波開発研究所内 Fターム(参考) 4F071 AA69 AC18 AE06 AF25 BB12 4J002 CE001 FD200 GF00 GL00 GQ05 4J032 CA33 CA34 CA35 CA36 CA38 CA43 CA45 CA46 CB13 CD02 CD09 CE05 CE22 CF01 CG07

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】メタセシス重合触媒の存在下にメタセシス
    重合可能なシクロオレフィン類を反応させて、軟質硬度
    計による硬度50以上かつゴム硬度計による硬度75以
    下の成形材とする第一工程と前記成形材を所定の形状に
    賦形して加熱硬化する第二工程とを備える成形品の製造
    法。
  2. 【請求項2】メタセシス重合触媒が、式(a)及び式
    (b)で示されるメタセシス重合触媒の少なくとも一種
    である請求項1に記載の製造法。 【化1】 【化2】 (式(a)(b)で、 Mはルテニウム又はオスミウム;R及びR1は、それぞ
    れ独立に水素、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数2
    〜20のアルケニル基、炭素数2〜20のアルキニル
    基、アリール基、炭素数1〜20のカルボキシレート
    基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数2〜20の
    アルケニルオキシ基、アリールオキシ基、炭素数2〜2
    0のアルコキシカルボニル基、炭素数1〜20のアルキ
    ルチオ基、炭素数1〜20のアルキルスルフォニル基、
    炭素数1〜20のアルキルスルフィニル基、炭素数1〜
    20のアルキルセレノ基、炭素数1〜20のアルキルセ
    レニニル基又は炭素数1〜20のアルキルセレノニル基
    から選ばれ、それぞれは炭素数1〜5のアルキル基、ハ
    ロゲン、炭素数1〜5のアルコキシ基又はフェニル類で
    置換されていても良く、前記フェニル類はハロゲン、炭
    素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基
    で置換されていても良い;X及びX1はアニオン性配位
    子;L及びL1は中性の電子供与基を示す。)
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001071416A (ja) * 1999-09-03 2001-03-21 Hitachi Chem Co Ltd 銅張り積層板の製造方法
JP2003080533A (ja) * 2001-09-07 2003-03-19 Bridgestone Corp 発泡弾性体ローラの製造方法
JP2008255368A (ja) * 2008-07-28 2008-10-23 Nippon Zeon Co Ltd 成形材、その製造方法および成形品

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