JP4288827B2 - 硬化可能な成形材、成形品およびそれらの製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ルテニウム錯体触媒の存在下に、ノルボルネン系モノマーを開環メタセシス重合させて予備硬化状態(以下、「Bステージ」と言うことがある。)とした硬化可能な成形材、その成形材から得られる成形品およびそれらを製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、ノルボルネン系モノマーを開環メタセシス重合することにより、エラストマーや室温で軟質な樹脂、硬質樹脂などが得られ、これらのエラストマーや樹脂が各種成形品の製造に用いられている。
【0003】
成形品を得る方法としては、ノルボルネン系モノマーを溶液重合した後、その重合体を射出成形法やカレンダー成形法などの熱成形法により成形品とする方法がある。また、反応射出成形(RIM)法のように、金型内でノルボルネン系モノマーを塊状(バルク)重合して成形品を得る方法も知られている。後者のRIM法は、ノルボルネン系モノマーを金型内で塊状重合することにより、液状原料から一挙に耐熱性のよい熱硬化性樹脂となるため、近年、各種の成形品の製造に実用化され注目を浴びている。
【0004】
ポリノルボルネン系樹脂の成形品を得る別の方法も報告されている。例えば、特開平2−225518号公報や特開平3−292124では、金型内での塊状重合によって一次成形されたポリノルボルネン系樹脂を、さらに外力を加えたり、加熱したりして2次成形する成形方法が記載されている。
【0005】
また、WO99/54374号公報には、メタセシス重合触媒の存在下に、メタセシス重合可能なシクロオレフィン類を反応させて半硬化状態とした硬化可能な成形材、およびその成形材から種々の成形品を製造する方法が記載されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記WO99/54374号公報記載の成形材は、メタセシス重合触媒としてルテニウムに2つの中性電子供与体(ホスフィンやアミンなど)が配位したルテニウムカルベン錯体を用い、メタセシス重合可能なシクロオレフィン類を原料として得られるものであり、通常の大気中で容易かつ安全に種々の形状の成形品を製造することができるものである。
【0007】
しかしながら、上記のようなルテニウム触媒を用いて得られる成形材は保存安定性が悪く、しかも加熱硬化時の触媒活性が低いという問題点があった。また、該ルテニウム触媒は触媒活性が低く、触媒の使用量が比較的多量になって成形材が高価になるという問題点があった。さらにまた、最終的に得られる成形品の使用目的によっては、成形品中に触媒由来の金属化合物やハロゲンなどが多量に含まれていると、例えば、電気・電子部品用途の樹脂においては、望ましくない影響がでる場合があり、一般的に樹脂中の金属含有量を可能な限り低減することが必要とされている。
【0008】
かかる実状に鑑み、本発明は第1に、工業的に有利に、ルテニウム錯体触媒の存在下にノルボルネン系モノマーを開環メタセシス重合させて得られる予備硬化状態にある硬化可能な成形材であって、低温時(常温時)の保存安定性が良好であり、しかも加熱硬化が容易な成形材を提供することを目的とする。また、本発明は第2に、触媒由来の金属、ハロゲンなどの含有量が極めて少ない成形材を提供することを目的とする。さらに、本発明は第3に、得られる成形材を硬化してなる成形品及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の目的を達成すべく、各種のルテニウム錯体触媒を用いてノルボルネン系モノマーの開環メタセシス重合させてなる予備硬化状態にした成形材について鋭意検討を重ねた結果、特定の構造を有するルテニウム錯体触媒が重合反応速度の温度依存性が極めて大きく、このものを用いて得られる予備硬化状態の成形材は、低温での保存安定性と高温での重合反応性に優れていることを見出した。また、該ルテニウム触媒は極めて高い触媒活性を有し、このものを用いて重合を行うと、成形材に含まれる金属含有量を一段と低減できることを見出した。さらに、この成形材を用いる成形品の製造方法を確立して、本発明を完成するに至った。
【0010】
すなわち本発明は、ルテニウム錯体触媒の存在下に、ノルボルネン系モノマーを開環メタセシス重合させて得られる予備硬化状態にある硬化可能な成形材であって、前記ルテニウム錯体触媒として、ルテニウムに少なくとも1つのヘテロ原子含有カルベン化合物が配位してなるルテニウム錯体を用いたことを特徴とする成形材を提供する。
【0011】
前記成形材は、該成形材中に含まれるルテニウム化合物の濃度は25ppm以下で成形可能である。
【0012】
また本発明は、前記成形材を得る第1の工程と、該成形材を所定形状に賦形し、加熱硬化せしめる第2の工程とを有する成形品の製造方法および成形品を提供する。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施の形態について、項目に分けて詳細に説明する。(メタセシス重合触媒)
本発明の成形材の製造において使用される触媒は、ルテニウムに少なくとも1つのヘテロ原子含有カルベン化合物が配位してなるルテニウム錯体であれば特に限定されないが、例えば、下記の一般式1または一般式2で表わされるルテニウムカルベン錯体が挙げられる。
【0014】
【化1】
【0015】
(式中、R1,R2は、それぞれ独立して、水素、または(ハロゲン原子、酸素原子、窒素原子、硫黄原子、リン原子、けい素原子)を含んでもよいC1〜C20の炭化水素基を表し、X1,X2は、互いに独立して任意のアニオン性配位子を表し、L1はヘテロ原子含有カルベン化合物を表し、L2はヘテロ原子含有カルベン化合物または任意の中性の電子供与性化合物を表す。また、R1、R2、X1、X2、L1およびL2の2個、3個、4個、5個または6個が互いに結合して多座配位子を形成してもよい。)
【0016】
前記一般式1および一般式2において、R1、R2としては、例えば、水素、C2〜C20アルケニル基、C2〜C20アルキニル基、C1〜C20アルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、カルボキシル基、C2〜C20アルケニルオキシ基、C2〜C20アルキニルオキシ基、置換基を有していてもよいアリールオキシ基、C2〜C20アルコキシカルボニル基、C1〜C20アルキルチオ基、置換基を有していてもよいアリールチオ基、C1〜C20アルキルスルホニル基、C1〜C20アルキルスルフィニル基などが挙げられる。
【0017】
また、前記アリル基、アリルオキシ基およびアリールチオ基の置換基としては、ニトロ基、フッ素、塩素、臭素などのハロゲン原子、メチル基、エチル基などのアルキル基、メトキシ基、エトキシ基などのアルコキシ基などが挙げられる。また、これらの基は同一または相異なる複数個の置換基を有していてもよい。
【0018】
L1は、ヘテロ原子含有カルベン化合物を表し、L2は、ヘテロ原子含有カルベン化合物または任意の中性の電子供与性化合物を表す。
【0019】
ここで、ヘテロ原子としては、例えば、N、O、P、S、As、Se原子などを挙げることができる。中でもN、O、P、S原子などが安定なカルベン化合物を得るためには好ましく、N原子が特に好ましい。
【0020】
カルベン化合物は、分子内にメチレン遊離基を有する化合物の総称であり、(>C:)で表されるような電荷のない2価の炭素原子を有する。一般的にカルベンは、反応中に生じる不安定な中間体として存在するが、ヘテロ原子を有する場合には比較的安定なカルベン化合物となる。
【0021】
かかるヘテロ原子含有カルベン化合物の例としては、下記の式3または式4で示される化合物が挙げられる。
【0022】
【化2】
【0023】
上記式中、R3、R4は、それぞれ独立して、水素、または(ハロゲン原子、酸素原子、窒素原子、硫黄原子、リン原子、けい素原子)を含んでもよいC1〜C20の炭化水素基を表す。
【0024】
前記R3,R4としては、例えば、C1〜C20アルキル基、C2〜C20アルケニル基、C2〜C20アルキニル基、置換基を有していてもよいC3〜C8シクロアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基などが挙げられる。
【0025】
前記式3の具体例としては、1,3−ジイソプロピルイミダゾリジン−2−イリデン、1,3−ジシクロヘキシルイミダゾリジン−2−イリデン、1,3−ジフェニルイミダゾリジン−2−イリデン、1,3−ジ(メチルフェニル)イミダゾール、1,3−ジ(メチルナフチル)イミダゾリジン−2−イリデン、1,3−ジメシチルイミダゾリジン−2−イリデン、1,3−ジアダマンチルイミダゾリジン−2−イリデン、1,3,4,5−テトラメチルイミダゾリジン−2−イリデンなどが挙げられる。
【0026】
前記式4の具体例としては、1,3−ジイソプロピル−4−イミダゾリン−2−イリデン、1,3−ジシクロヘキシル−4−イミダゾリン−2−イリデン、1,3−ジフェニル−4−イミダゾリン−2−イリデン、1,3−ジ(メチルフェニル)−4−イミダゾリン−2−イリデン、1,3−ジ(メチルナフチル)−4−イミダゾリン−2−イリデン、1,3−ジメシチル−4−イミダゾリン−2−イリデン、1,3−ジアダマンチル−4−イミダゾリン−2−イリデン、1,3,4,5−テトラメチル−4−イミダゾリン−2−イリデン、1,3,4,5−テトラフェニル−4−イミダゾリン−2−イリデンなどが挙げられる。
【0027】
また、前記式3および式4で示される化合物のほかに、1,3,4−トリフェニル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1,2,4−トリアゾール−5−イリデン、3−(2,6−ジイソプロピルフェニル)−2,3,4,5−テトラヒドロチアゾール−2−イリデン、1,3−ジシクロヘキシルヘキサヒドロピリミジン−2−イリデン、N,N,N’,N’−テトライソプロピルホルムアミジニリデン、1,3,4−トリフェニル−4,5−ジヒドロ−1H−1,2,4−トリアゾール−5−イリデン、3−(2,6−ジイソプロピルフェニル)−2,3−ジヒドロチアゾール−2−イリデンなどのヘテロ原子含有カルベン化合物を挙げることができる。
【0028】
ヘテロ原子含有カルベン化合物としては、カルベンに隣接するヘテロ原子が嵩高い置換基を有する環状化合物が好ましい。その具体例としては、1,3−ジイソプロピルイミダゾリジン−2−イリデン、1,3−ジシクロヘキシルイミダゾリジン−2−イリデン、1,3−ジ(メチルフェニル)イミダゾリジン−2−イリデン、1,3−ジ(メチルナフチル)イミダゾリジン−2−イリデン、1,3−ジメシチルイミダゾリジン−2−イリデン、1,3−ジアダマンチルイミダゾリジン−2−イリデン、1,3−ジフェニルイミダゾリジン−2−イリデン、1,3,4,5−テトラフェニルイミダゾリジン−2−イリデンなどの1,3−ジ置換イミダゾリジニリデンカルベン化合物、
【0029】
1,3−ジイソプロピル−4−イミダゾリン−2−イリデン、1,3−ジシクロヘキシル−4−イミダゾリン−2−イリデン、1,3−(ジメチルフェニル)−4−イミダゾリン−2−イリデン、1,3−ジ(メチルナフチル)−4−イミダゾリン−2−イリデン、1,3−ジメシチル−4−イミダゾリン−2−イリデン、1,3−ジアダマンチル−4−イミダゾリン−2−イリデン、1,3−ジフェニル−4−イミダゾリン−2−イリデン、1,3,4,5−テトラフェニル−4−イミダゾリン−2−イリデンなどの1,3−ジ置換イミダゾリニリデンカルベン化合物が挙げられる。
【0030】
前記式1および式2のアニオン(陰イオン)性配位子X1、X2としては、中心金属から引き離されたときに負の電荷を持つ配位子であればいかなるものでもよい。また、X1,X2が一緒になって2座以上のアニオン性配位子を形成していてもよい。
【0031】
前記X1,X2の具体例としては、F、Br、Cl、Iなどのハロゲン原子、水素、OH基、置換アリル基、アルケニル基、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルコキシカルボニル基、カルボキシル基、アルキルまたはアリールスルフォネート基、アルキルチオ基、アルケニルチオ基、アリールチオ基、アルキルスルホニル基、アルキルスルフィニル基、アセチルアセトナト基、ジケトネート基、置換シクロペンタジエニル基、などを挙げることができる。これらのうち、好ましくはハロゲン原子であり、より好ましくは塩素原子である。
【0032】
また、中性の電子供与性化合物は、中心金属から引き離されたときに中性の電荷を持つ配位子、すなわちルイス塩基であればいかなるものでもよい。その具体例としては、酸素、水、カルボニル、アミン類、ピリジン類、エ−テル類、ニトリル類、エステル類、ホスフィン類、ホスフィナイト類、ホスファイト類、スチビン類、スルホキシド類、チオエーテル類、アミド類、芳香族化合物、環状ジオレフィン類、オレフィン類、イソシアニド類、チオシアネ−ト類などが挙げられる。
【0033】
これらのうち、ホスフィン類が好ましく、トリアルキルホスフィンやトリアリールホスフィンがより好ましい。トリアルキルホスフィンとしては、トリメチルホスフィン、トリエチルホスフィン、トリプロピルホスフィン、トリイソプロピルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリイソブチルホスフィン、トリ(sec−ブチル)ホスフィン、トリ(t−ブチル)ホスフィン、トリペンチルホスフィン、トリヘキシルホスフィン、トリシクロプロピルホスフィン、トリシクロペンチルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、トリ(2−メチルシクロヘキシル)ホスフィン、トリ(3−メチルシクロヘキシル)ホスフィン、トリ(3−メチルシクロヘキシル)ホスフィン、トリ(2,4−ジメチルシクロヘキシル)ホスフィン、トリ(2,4,6−トリメチルシクロヘキシル)ホスフィンなどが挙げられる。
【0034】
トリアリールホスフィンとしては、トリフェニルホスフィン、トリ(2−メチルフェニル)ホスフィン、トリ(4−クロロフェニル)ホスフィン、トリ(3−メチルフェニルホスフィン)、トリ(4−メチルフェニル)ホスフィン、トリ(2,4−ジメチルフェニル)ホスフィン、トリ(2,4,6−トリメチルフェニル)ホスフィン、ジメチルフェニルホスフィン、ジエチルフェニルホスイン、ジイソプロピルフェニルホスフィン、ジブチルフェニルホスフィン、メチルジフェニルホスフィン、エチルジフェニルホスフィン、プロピルジフェニルホスフィン、ブチルジフェニルホスフィンなどが挙げられる。
【0035】
前記式1で表される錯体化合物としては、例えば、(1,3−ジシクロヘキシルイミダゾリジン−2−イリデン)(トリシクロヘキシルホスフィン)ベンジリデンルテニウムジクロリド、(1,3−ジシクロヘキシル−4−イミダゾリン−2−イリデン)(トリシクロヘキシルホスフィン)ベンジリデンルテニウムジクロリド、(1,3−ジシクロヘキシルイミダゾリジン−2−イリデン)(トリフェニルホスフィン)ベンジリデンルテニウムジクロリド、(1,3−ジシクロヘキシル−4−イミダゾリン−2−イリデン)(トリフェニルホスフィン)ベンジリデンルテニウムジクロリド、(1,3−ジメシチルイミダゾリジン−2−イリデン)(トリシクロヘキシルホスフィン)ベンジリデンルテニウムジクロリド、(1,3−ジメシチルイミダゾリジン−2−イリデン)(トリフェニルホスフィン)ベンジリデンルテニウムジクロリド、(1,3−ジメシチル−4−イミダゾリジン−2−イリデン)(トリシクロヘキシルホスフィン)ベンジリデンルテニウムジクロリド、(1,3−ジメシチル−4−イミダゾリジン−2−イリデン)(トリフェニルホスフィン)ベンジリデンルテニウムジクロリド、
【0036】
[1,3−ジ(2−メチルフェニル)イミダゾリジン−2−イリデン](トリシクロヘキシルホスフィン)ベンジリデンルテニウムジクロリド、[1,3−ジ(3−メチルフェニル)イミダゾリジン−2−イリデン](トリシクロヘキシルホスフィン)ベンジリデンルテニウムジクロリド、[1,3−ジ(4−メチルフェニル)イミダゾリジン−2−イリデン](トリシクロヘキシルホスフィン)ベンジリデンルテニウムジクロリド、[1,3−ジ(2−メチルフェニル)イミダゾリジン−2−イリデン](トリフェニルホスフィン)ベンジリデンルテニウムジクロリド、[1,3−ジ(3−メチルフェニル)イミダゾリジン−2−イリデン](トリフェニルホスフィン)ベンジリデンルテニウムジクロリド、[1,3−ジ(4−メチルフェニル)イミダゾリジン−2−イリデン](トリフェニルホスフィン)ベンジリデンルテニウムジクロリド、
【0037】
[1,3−ジ(2−メチルフェニル)−4−イミダゾリン−2−イリデン](トリシクロヘキシルホスフィン)ベンジリデンルテニウムジクロリド、[1,3−ジ(3−メチルフェニル)−4−イミダゾリン−2−イリデン](トリシクロヘキシルホスフィン)ベンジリデンルテニウムジクロリド、[1,3−ジ(4−メチルフェニル)−4−イミダゾリン−2−イリデン](トリシクロヘキシルホスフィン)ベンジリデンルテニウムジクロリド、[1,3−ジ(2−メチルフェニル)−4−イミダゾリン−2−イリデン](トリフェニルホスフィン)ベンジリデンルテニウムジクロリド、[1,3−ジ(3−メチルフェニル)−4−イミダゾリン−2−イリデン](トリフェニルホスフィン)ベンジリデンルテニウムジクロリド、[1,3−ジ(4−メチルフェニル)−4−イミダゾリン−2−イリデン](トリフェニルホスフィン)ベンジリデンルテニウムジクロリド、
【0038】
[1,3−ジ(2−メチル−1−ナフチル)イミダゾリジン−2−イリデン](トリシクロヘキシルホスフィン)ベンジリデンルテニウムジクロリド、[1,3−ジ(4−メチル−1−ナフチル)イミダゾリジン−2−イリデン](トリシクロヘキシルホスフィン)ベンジリデンルテニウムジクロリド、[1,3−ジ(8−メチル−1−ナフチル)イミダゾリジン−2−イリデン](トリシクロヘキシルホスフィン)ベンジリデンルテニウムジクロリド、[1,3−ジ(1−メチル−2−ナフチル)イミダゾリジン−2−イリデン](トリシクロヘキシルホスフィン)ベンジリデンルテニウムジクロリド、[1,3−ジ(4−メチル−2−ナフチル)イミダゾリジン−2−イリデン](トリシクロヘキシルホスフィン)ベンジリデンルテニウムジクロリド、[1,3−ジ(8−メチル−2−ナフチル)イミダゾリジン−2−イリデン](トリシクロヘキシルホスフィン)ベンジリデンルテニウムジクロリド、
【0039】
[1,3−ジ(2−メチル−1−ナフチル)−4−イミダゾリン−2−イリデン](トリシクロヘキシルホスフィン)ベンジリデンルテニウムジクロリド、[1,3−ジ(4−メチル−1−ナフチル)−4−イミダゾリン−2−イリデン](トリシクロヘキシルホスフィン)ベンジリデンルテニウムジクロリド、[1,3−ジ(8−メチル−1−ナフチル)−4−イミダゾリン−2−イリデン](トリシクロヘキシルホスフィン)ベンジリデンルテニウムジクロリド、[1,3−ジ(1−メチル−2−ナフチル)−4−イミダゾリン−2−イリデン](トリシクロヘキシルホスフィン)ベンジリデンルテニウムジクロリド、[1,3−ジ(4−メチル−2−ナフチル)−4−イミダゾリン−2−イリデン](トリシクロヘキシルホスフィン)ベンジリデンルテニウムジクロリド、[1,3−ジ(8−メチル−2−ナフチル)−4−イミダゾリン−2−イリデン](トリシクロヘキシルホスフィン)ベンジリデンルテニウムジクロリド、(1,3,4,5−テトラフェニル−4−イミダゾリン−2−イリデン)(トリシクロヘキシルホスフィン)ベンジリデンルテニウムジクロリド、(1,3−ジシクロヘキシルヘキサヒドロピリミジン−2−イリデン)(トリシクロヘキシルホスフィン)ベンジリデンルテニウムジクロリドなどのヘテロ原子含有カルベン化合物と中性の電子供与性化合物が配位したルテニウム錯体化合物;
【0040】
ビス(1,3−ジイソプロピルイミダゾリジン−2−イリデン)ベンジリデンルテニウムジクロリド、ビス(1,3−ジシクロヘキシルイミダゾリジン−2−イリデン)ベンジリデンルテニウムジクロリド、ビス(1,3−ジイソプロピル−4−イミダゾリン−2−イリデン)ベンジリデンルテニウムジクロリド、ビス(1,3−ジシクロヘキシル−4−イミダゾリン−2−イリデン)ベンジリデンルテニウムジクロリド、ビス(1,3−ジメシチルイミダゾリジン−2−イリデン)ベンジリデンルテニウムジクロリド、ビス(1,3−ジメシチル−4−イミダゾリン−2−イリデン)ベンジリデンルテニウムジクロリドなどの2つのヘテロ原子含有カルベン化合物が配位したルテニウム錯体化合物などが挙げられる。
【0041】
前記式2で表わされる錯体化合物としては、例えば、(1,3−ジシクロヘキシルイミダゾリジン−2−イリデン)(トリシクロヘキシルホスフィン)フェニルビニリデンルテニウムジクロリド、(1,3−ジメシチルイミダゾリジン−2−イリデン)(トリシクロヘキシルホスフィン)t−ブチルビニリデンルテニウムジクロリド、1,3−ジシクロヘキシル−4−イミダゾリン−2−イリデン)(トリシクロヘキシルホスフィン)フェニルビニリデンルテニウムジクロリド、(1,3−ジメシチル−4−イミダゾリン−2−イリデン)(トリシクロヘキシルホスフィン)フェニルビニリデンルテニウムジクロリド、
【0042】
[1,3−ジ(メチルフェニル)イミダゾリジン−2−イリデン](トリシクロヘキシルホスフィン)t−ブチルビニリデンルテニウムジクロリド、[1,3−ジ(2−メチル−1−ナフチル)イミダゾリジン−2−イリデン](トリシクロヘキシルホスフィン)フェニルビニリデンルテニウムジクロリド、[1,3−ジ(4−メチルフェニル)−4−イミダゾリン−2−イリデン](トリシクロヘキシルホスフィン)t−ブチルビニリデンルテニウムジクロリド、[1,3−ジ(4−メチル−1−ナフチル)−4−イミダゾリン−2−イリデン](トリシクロヘキシルホスフィン)フェニルビニリデンルテニウムジクロリド、(1,3,4,5−テトラフェニルイミダゾリジン−2−イリデン)(トリシクロヘキシルホスフィン)t−ブチルビニリデンルテニウムジクロリド、(1,3−ジシクロヘキシルヘキサヒドロピリミジン−2−イリデン)(トリシクロヘキシルホスフィン)フェニルビニリデンルテニウムジクロリドなどのヘテロ原子含有カルベン化合物と中性の電子供与性化合物が配位したルテニウム錯体化合物;
【0043】
ビス(1,3−ジイソプロピルイミダゾリジン−2−イリデン)フェニルビニリデンルテニウムジクロリド、ビス(1,3−ジシクロヘキシルイミダゾリジン−2−イリデン)t−ブチルビニリデンルテニウムジクロリド、ビス(1,3−ジイソプロピル−4−イミダゾリン−2−イリデン)t−ブチルビニリデンルテニウムジクロリド、ビス(1,3−ジシクロヘキシル−4−イミダゾリン−2−イリデン)フェニルビニリデンルテニウムジクロリドなどの2つのヘテロ原子含有カルベン化合物が配位したルテニウム錯体化合物などが挙げられる。これらのルテニウム錯体化合物は、単独にまたは2種類以上を組み合わせて使用することができる。
【0044】
また本発明においては、前記ルテニウム錯体化合物を、ジ−μ−クロロビス[(p−シメン)クロロルテニウム]、ジ−μ−クロロビス[(p−シメン)クロロオスミウム]、ジクロロ(ペンタメチルシクロペンタジエニル)ロジウムダイマーなどの複核金属錯体と反応させて得られる、複核ルテニウム−カルベン錯体化合物を用いることもできる。
【0045】
これらのルテニウム錯体化合物は、例えば、Org.Lett.,1999年,1巻,953頁、Terahedron.Lett.,1999年,40巻,2247頁などに記載された方法に従って製造することができる。
【0046】
かかるルテニウム錯体化合物の使用量、すなわちノルボルネン系モノマーに対するメタセシス重合触媒の割合は、触媒中の金属ルテニウム/ノルボルネン系モノマーのモル比として、通常1:2,000〜1:2,000,000、好ましくは1:5,000〜1,000,000、より好ましくは1:10,000〜1:500,000である。
【0047】
ルテニウム触媒は必要に応じて、少量の不活性溶剤に溶解させて使用することができる。かかる溶媒としては、例えば、ペンタン、ヘキサン、ヘプタンなどの鎖状脂肪族炭化水素;シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ジメチルシクロヘキサン、トリメチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、ジエチルシクロヘキサン、デカヒドロナフタレン、ビシクロヘプタン、トリシクロデカン、ヘキサヒドロインデンシクロヘキサン、シクロオクタンなどの脂環式炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素;ニトロメタン、ニトロベンゼン、アセトニトリルなどの含窒素炭化水素;ジエチルエ−テル、テトラヒドロフランなどのエ−テルなどの溶媒を使用することができる。これらの中では、工業的に汎用な芳香族炭化水素や脂肪族炭化水素、脂環式炭化水素が好ましい。
【0048】
また、酸化防止剤や可塑剤などの添加剤が液状である場合には、これらを触媒溶解用の溶媒として使用することもできる。液状酸化防止剤の例としては、2,6−ジ−t−ブチルフェノールと2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノールの混合物や、2,6−ジ−t−ブチル−4−ノニルフェノールなどが挙げられる。
【0049】
(ノルボルネン系モノマー)
前記の触媒の存在下に開環メタセシス重合されるモノマーは、ノルボルネン環構造を有するノルボルネン系モノマーである。かかるノルボルネン系モノマーとしては、置換および未置換の二環もしくは三環以上の多環ノルボルネンが用いられる。
【0050】
その具体例としては、ノルボルネン、ノルボルナジエン、メチルノルボルネン、ジメチルノルボルネン、エチルノルボルネン、塩素化ノルボルネン、エチリデンノルボルネン、クロロメチルノルボルネン、トリメチルシリルノルボルネン、フェニルノルボルネン、シアノノルボルネン、ジシアノノルボルネン、メトキシカルボニルノルボルネン、ピリジルノルボルネン、ナヂック酸無水物、ナヂック酸イミドなどの二環ノルボルネン類;
【0051】
ジシクロペンタジエン、ジヒドロジシクロペンタジエンやそのアルキル、アルケニル、アルキリデン、アリール置換体などの三環ノルボルネン類;ジメタノヘキサヒドロナフタレン、ジメタノオクタヒドロナフタレンやそのアルキル、アルケニル、アルキリデン、アリール置換体などの四環ノルボルネン類;トリシクロペンタジエンなどの五環ノルボルネン類、ヘキサシクロヘプタデセンなどの六環ノルボルネン類;ジノルボルネン、二個のノルボルネン環を炭化水素鎖またはエステル基などで結合した化合物、これらのアルキル、アリール置換体などのノルボルネン環を含む化合物などが挙げられる。
【0052】
上記ノルボルネン系モノマーにシクロブテン、シクロペンテン、シクロオクテン、シクロドデセンなどの単環シクロオレフィンおよび置換基を有するそれらの誘導体を共重合することもできる。
【0053】
前記ノルボルネン系モノマーは単独でも二種以上を使用してもよいが、二種以上の使用が好ましい。二種以上使用する場合には、熱可塑性樹脂となる1つの二重結合を有するモノマーと、熱硬化性樹脂となる複数の二重結合を有するモノマーを適宜組合せると、種々の物性を有する樹脂を入手することができる。また、モノマーを単独で使用する場合と比較して、二種以上併用すると凝固点降下により、凝固点温度が高いモノマーでも液状として取扱えるという利点がある。
【0054】
(予備硬化状態にある成形材)
前記したようなルテニウム錯体化合物(メタセシス重合触媒)およびノルボルネン系モノマーを用い、反応条件すなわち触媒の使用量、反応温度、反応調節剤の使用など適宜選択することにより、メタセシス重合反応の速度を任意に調節することができる。そのため、原料であるノルボルネン系モノマーの重合が完結していない反応途中の状態の成形材を得ることができる。このような状態を「予備硬化状態」という。この予備硬化状態にある成形材を加熱するとメタセシス重合反応が再開し、硬化を完結させることができる。
【0055】
本発明の予備硬化状態にある成形材は、条件を選択することにより、流動性のある液体状や流動性のない固形状にすることができる。また、賦形の方法に応じて適宜その流動状態を選ぶことができる。予備硬化状態の成形材が液体状の場合、その粘度は通常数10cps以上であり、賦形の方法に応じて適宜選択することができる。予備硬化状態の成形材が固形状の場合、その硬さ(曲げ剛性)に特に限定はなく、賦形の方法に応じて適宜選択することができる。予備硬化させてから所定の形状に賦形するまでの時間は、成形品の生産の形態に応じて適宜選択すればよい。また、予備硬化時間を維持する時間は保管温度によって調整することが可能である。
【0056】
本発明の成形材には、必要に応じて、酸化防止剤、紫外線吸収剤、エラストマー、高分子改質剤、充填剤、難燃剤、架橋剤、摺動化剤、着色剤、着臭剤、軽量化のためのフィラー類、発泡剤、表面平滑化のためのウィスカーなど種々の添加剤を配合することにより、後述する成形品の特性を改質することができる。通常、これらの添加剤は、予めノルボルネン系モノマーに溶解または分散させて使用する。
【0057】
酸化防止剤としては、例えば、ヒンダードフェノール系、リン系、アミン系などの各種のプラスチック・ゴム用酸化防止剤が挙げられる。これらの酸化防止剤は単独で用いてもよいが、併用することが好ましい。酸化防止剤の配合割合は、通常、ノルボルネン系モノマーに対して0.5重量部以上、好ましくは1〜3重量部である。また酸化防止剤はモノマーと共重合可能なものでもよく、その具体例として5−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ)ベンジル−2−ノルボルネンなどのごときノルボルネニルフェノール系化合物などが例示される(例えば、特開昭57−83522号公報参照)。
【0058】
エラストマーは、ノルボルネン系モノマーに可溶なものであれば特に限定されない。かかるエラストマーとしては、例えば、天然ゴム、ブチルゴム、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリイソブチレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−プロピレン−ジエンターポリマー(EPDM)、スチレン系ブロック共重合体などが挙げられるが、EPDM、スチレン系ブロック共重合体などが好ましい。これらのエラストマーは、平均分子量が500〜数千の液状のものから、数万〜数十万の固体状のものまで広範な範囲のものを用いることができる。また、単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
【0059】
充填剤としては、ガラス粉末、タルク、炭酸カルシウム、雲母、水酸化アルミニウムなどの無機質充填剤が挙げられる。かかる充填剤はシランカップリング剤などで表面処理したものが好ましい。架橋剤としてイオウまたは過酸化物を用いると耐熱性が向上する。
【0060】
補強材としては、ガラス、炭素などの無機系補強材、PAN、ピッチ、レーヨン系炭素繊維、PET、ポリエチレン、ケプラーなどの有機系繊維を使用することができる。これらの補強材は、チョップドストランド、マット、ロービング、クロスなどのいずれの形態でもよい。これらの補強材は、材料に混合しておくことができ、また、予め成形用型に設置しておいてもよい。
【0061】
本発明の成形材は温度依存性が大きい、すなわち低温では安定だが、高温では反応性に優れるルテニウム錯体触媒を用いて製造されるため、▲1▼予備硬化状態にある成形材の保存安定性に優れ(硬化反応は進行しない)、また、▲2▼成形材中に含まれるルテニウム化合物(ルテニウム錯体化合物またはその分解生成物)の量が25ppm以下に抑えることができる。したがって、最終的に得られる成形品が、例えば、電気・電子部品などのような触媒由来の金属化合物、ハロゲンなどの含有量が極力少ない方が望ましい成形品の材料として好適に用いることができる。
【0062】
(成形品の製造方法および成形品)
予備硬化状態にある成形材を加熱することで硬化させて成形品を得る。加熱の操作は通常2段階で行われる。1段階目の加熱は、前述した予備硬化状態とするために行われるものである。その温度は、通常は、0〜100℃、好ましくは20〜50℃で、その時間は触媒の量および反応温度により適宜設定することができる。2段階目の加熱は、所定の形状に賦形するとともに硬化を完了させるために行われる。その際の温度は通常50〜250℃、好ましくは60〜200℃であり、反応の時間は触媒の使用量および反応温度により適宜設定することができる。前述したように、本発明では、温度依存性の大きいルテニウム錯体触媒を用いるため、成形材の硬化時間は短時間に設定することができ、工業的に製造する上で有利となる。
【0063】
本発明においては、予備硬化状態にある成形材を所定形状に賦形した後、賦形された成形材を加熱硬化させてもよく、成形材を所定形状に賦形すると同時に加熱硬化させることもできる。また、本発明の成形材は、無溶剤の組成で使用でき、必要に応じて溶剤を使用することもできる。
【0064】
本発明の予備硬化状態にある成形材を加熱硬化させて得られる成形品としては、パイプ、半円管、積層体などの平面状物、立体状物のいかなるものであってもよい。所定の形状に賦形するために成形用金型を使用する場合には、圧縮成形用の型、通常のSMC(Sheet Mold Compound)やBMC(Bulk Mold Compound)成形用型を使用することができる。また、圧縮、射出圧縮、マッチドメタルダイ、プリプレグ成形などの各種成形法が使用できる。成形品の用途や生産量に応じて、成形法を適宜選択し、また、型の形状や材質を選ぶことができる。
【0065】
(プリント配線基板)
本発明の成形品の製造方法は、プリント配線基板の製造に好適に適用することができる。かかるプリント配線基板は、先ず基材に含浸させたプリプレグまたはシート状(シートまたはフィルム)の予備硬化状態にある成形材を準備し、このものを積層し、加熱硬化させることにより製造される。
【0066】
プリプレグを製造する方法は特に限定されないが、通常、前記したようなモノマー、触媒および各種配合剤を均一に溶解ないしは分散させた反応液を、補強基材に含浸させて、予備硬化させるための加熱処理を施して製造される。一般に、プリプレグは50〜500μm程度の厚さになるようにするのが好ましい。
【0067】
補強基材としては、例えば、紙基材(リンター紙、クラフト紙など)、ガラス基材(ガラスクロス、ガラスマット、ガラスペーパークオーツファイバーなど)および合成樹脂含浸基材(ポリエステル樹脂、アラミド繊維など)を用いることができる。また、これらの補強基材は、シランカップリング剤などの処理剤で表面処理されていてもよい。これらの補強基材は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。補強基材に対するポリノルボルネン系樹脂の使用量は、使用目的に応じて適宜選択されるが、補強基材に対して1〜90重量%、好ましくは10〜60重量%の範囲である。
【0068】
シートを製造する方法は特に限定されないが、一般にはキャスティング法が用いられる。例えば、前述したようなモノマー、触媒および各種配合剤を均一に溶解ないしは分散させた反応液を、平滑面上に流延または塗布し、予備硬化させるための加熱処理を施した後、平滑面から剥離してシートを得る。平滑面としては、鏡面処理した金属板や樹脂製のキャリアフィルムなどを用いることができる。キャスティング法により得られるシートは、一般に10μm〜1mm程度の厚みを有する。
【0069】
プリント配線板(積層板)は、前述のプリプレグおよび/またはシートを積み重ね、加熱圧縮成形して硬化させることにより、必要な厚さにしたものである。この基板には、例えば、金属箔などからなる配線用導電層を積層したり、表面のエッチング処理などにより回路を形成する。配線用導電層は、基板の外部表面に積層するのみでなく、必要に応じて、基板の内部に積層されていてもよい。エッチング処理などの二次加工時の反り防止のためには、上下対称に組み合わせて積層することが好ましい。例えば、重ねたプリプレグおよび/またはシートを、熱硬化温度以上、通常60〜250℃、好ましくは80〜250℃に加熱し、10〜80gf/cm2程度に加圧して積層板を得ることができる。
【0070】
これらの絶縁層または基材に金属を適用する他の方法としては、蒸着、電気メッキ、スパッタリング、イオンメッキ、噴霧およびレヤーリングなどがある。一般に使用される金属は、銅、ニッケル、錫、銀、金、アルミニウム、白金、チタン、亜鉛およびクロムなどが挙げられる。配線基板においては、銅がもっとも頻繁に使用されている。
【0071】
かかるプリント基板は、例えば次のようにして電気素子などを実装することもできる。先ず、本発明の成形材の製造方法によって得られる樹脂と、所望によりフィラーなどを添加した組成物を混練機や3本ロールなどの公知の手段によって十分に混合し、これを圧延法、押出法、射出法、ドクターブレード法などによってシート状に成形し、必要に応じ熱処理を施して予備硬化状態にある硬化可能な絶縁シートを得る。次に、この絶縁シートに、所望により厚み方向に貫通するスルーホールを形成し、そのスルーホール内に導電性金属ペーストを充填して、バイアホール導体を形成する。
【0072】
さらに、この絶縁シートの所定箇所に電気素子を収納するための空隙部を形成する。次いで、絶縁シート表面に配線回路層を形成するとともに前記空隙部に電気素子を実装する。配線回路層は、例えば、絶縁シート表面にメッキにより金属層を形成し、エッチング処理して回路パターンを形成する方法、あるいは絶縁シート表面にレジストパターンを形成し、メッキにより回路パターンを形成する方法などの公知の方法により形成することができる。
【0073】
電気素子が実装された転写フィルムを絶縁シートに対して、電気素子が絶縁シートの空隙部に収納されるように積層して圧着した後、転写フィルムを剥がして、電気素子を絶縁シートに転写させて、電気素子が空隙部に実装収納された単層の配線層を形成する。この場合、配線回路層と電気素子を実装した構造物を転写フィルムから絶縁シートに転写させることもできる。
【0074】
その後は、電気素子が収納された絶縁シートの上下面に、本発明で得られる予備硬化状態にある第2、第3の絶縁シートを積層圧着して、絶縁シートが硬化するのに十分な温度に加熱して、一括して完全硬化させる。
【0075】
このようにして得られる配線基板は、低誘電率であって電気的特性に優れ、機械的強度、密着性に優れたものである。
【0076】
【実施例】
以下、実施例および比較例を挙げて、本発明をより具体的に説明するが、本発明の範囲は、これらの例に限定されるものではない。なお、これらの例において、%および比率は重量基準値である。また、各種物性の測定法は、次のとおりである。
【0077】
(1)粘度:B型粘度計(トキメック社製)を使用して、No.4のローターを12rpmで回転させて測定した。
(2)ガラス転移温度(Tg):ガラス転移点温度(Tg)測定はJIS K 7121にしたがってTigを測定してTgとした。
(3)引き剥がし強さ:JIS C6481にしたがって測定した。
【0078】
実施例1 予備硬化状態にある成形材の調製及び低温安定性試験
300mlのセパラブルフラスコに、ベンジリデン(1,3−ジメシチルイミダゾリジン−2−イリデン)(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウムジクロリド(Org.Lett.,1999年,1巻,953頁の記載に基づいて合成したもの)42mg(重合系での濃度0.5ミリモル/リットル)と攪拌子を入れた。
【0079】
トルエン0.5mlを加えてマグネティックスターラーで攪拌してルテニウム触媒を溶解させた後、ジシクロペンタジエン(5−エチリデンビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エンを10%含む)99.5mlを加えて攪拌した。攪拌子をとりだし、30℃のウォーターバスに入れ50分間メカニカルスターラーで攪拌した後、ただちに氷冷したところ、流動性のある高粘度の液体となった(成形材1)。以上の操作は、すべて窒素雰囲気で行なった。成形材1の0℃における粘度を測定したところ、12.2Pasであった。
【0080】
成形材1の低温での保存安定性を調べるために、−10℃の冷蔵庫に窒素雰囲気下で1週間保存したところ、流動性のある高粘度の液体状態が保たれていた。0℃における粘度を測定したところ、18.2Pasであった。
【0081】
比較例1 予備硬化状態にある成形材の調製及び低温安定性試験
300mlのセパラブルフラスコに、ジシクロペンタジエン(5−エチリデンビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エンを10%含む)100mlとトリフェニルホスフィン78mg(重合系での濃度3ミリモル/リットル)を入れ、メカニカルスターラーで攪拌し溶解させた。これに、ベンジリデンビス(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウムジクロリド(Strem Chemical社製)を41mg(重合系での濃度0.5ミリモル/リットル)加え、攪拌し溶解させた。これを30℃のウォーターバスに入れ50分間攪拌した後、ただちに氷冷したところ、流動性のある高粘度の液体となった(成形材2)。以上の操作は、すべて窒素雰囲気で行なった。
【0082】
成形材2の0℃における粘度を測定したところ、10.3Pasであった。成形材2の低温での保存安定性を調べるために、−10℃の冷蔵庫に窒素雰囲気下で保存したところ、1日後には流動性の無い固形状になっていた。以上のように、比較例1では低温でも硬化反応が進行し、保存安定性が悪いことがわかった。
【0083】
実施例2 前記成形材1の高温での硬化反応
温度調節用配管を有する4×10×10の平板成形用プレス用金型(SUS420j2製)を、上下動可能な油圧プレスを有するプレス成形装置に設置し、型温は、上型80℃、下型60℃とした。型が開いた状態で、前記の成形材1を40gだけ下型に導入し、続いて、油圧プレスを作動させて型を閉じて成形した。このときの圧力は、平板の面積1平方cm当たり10kgであった。3分経過後、型を開けて成形品を取り出した。以上の成形操作は、空気中で行なった。得られた成形品は、充分に硬化しており、Tgは130℃であった。
【0084】
比較例2 前記成形材2の高温での硬化反応
成形材2を使用する他は、実施例2と同様に操作した。得られた成形品は、充分に硬化しておらず、Tgは45℃であった。この成形品を、150℃のオーブンに30分間入れてポストキュアーを行なったところ、硬化が進行し、Tgが131℃となった。以上のように、比較例2では高温での反応性が悪いため、金型内では硬化不充分となり、充分に硬化させるためには、更に高温でのポストキュアーが必要であった。
【0085】
実施例3 ベンジリデン(1,3−ジメシチル−4−イミダゾリン−2−イリデン)(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウムジクロリドを使用した成形材の調製および硬化反応
ルテニウム触媒として、ベンジリデン(1,3−ジメシチル−4−イミダゾリン−2−イリデン)(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウムジクロリド(Tetrahedron Lett.,1999年,40巻,2247頁の記載に基づいて合成したもの)を、42mg(重合系での濃度0.5ミリモル/リットル)使用し、ウォーターバスの温度を46℃とし、半硬化成形材の冷蔵庫での保存温度を0℃とする以外は、実施例1と同様に操作した。ここで得られた成形材を成形材3とする。
【0086】
調製直後の成形材3の0℃における粘度は、11.5Pasであった。また、0℃で1週間保存した後の0℃における粘度は、12.9Pasであり、低温での保存安定性に優れていることが分かった。また、調製直後の成形材3を用いて、実施例2と同様に平板を成形したところ、平板のTgは、131℃であった。このことから、高温での重合反応性にも優れていることが分かった。
【0087】
実施例4 強化材入り成形材の調製および硬化反応
500mlのセパラブルフラスコに、ジシクロペンタジエン(シクロペンタジエンの3量体を10%含む)100g、ガラス繊維のチョップドストランド(商品番号:CS3E227,日東紡績(株)製、120℃で30分乾燥させた後に室温に戻したもの)60gおよび炭酸カルシウム粉末(商品名:白艶華A,白石工業(株)製、120℃で30分乾燥させた後に室温に戻したもの)60gを加え、メカニカルスターラーで攪拌しながら真空にして脱泡した後、窒素置換した。
【0088】
液状老化防止剤(2,6−ジ−tert−ブチルフェノールと2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノールを2:1の比率で混合したもの)にベンジリデン(1,3−ジメシチルイミダゾリジン−2−イリデン)(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウムジクロリド(実施例1と同じもの)を1%溶解させた触媒液2.1gを、セパラブルフラスコ内にメカニカルスターラーで激しく攪拌しながら加えた。セパラブルフラスコを34℃のウォーターバスにつけ、50分間攪拌を続けた後、ただちに氷冷したところ、流動性のある高粘度混合物(成形材4)が得られた。
【0089】
成形材4を−10℃の冷蔵庫に入れて、1週間保存したところ、流動性のある状態を保っていた。保存後の成形材4を65g使用し、型温を上型120℃、下型80℃とする以外は、実施例2と同様にして平板を成形したところ、ガラス繊維強化成形品が得られた。
【0090】
実施例5 プリプレグ(樹脂含浸基材)法による銅張積層板の製造
300mlのナス型フラスコに、テトラシクロ[7.4.0.110,13.02,7]トリデカ−2,4,6,11−テトラエン(インデンとシクロペンタジエンのディールス・アルダー付加物)98mlと攪拌子を入れた。そこへ、液状老化防止剤(2,6−ジ−tert−ブチルフェノールと2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノールを2:1の比率で混合したもの)にベンジリデン(1,3−ジメシチルイミダゾリジン−2−イリデン)(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウムジクロリド(実施例1と同じもの)を2%溶解させた触媒溶液を2.1g加えて攪拌し、配合液1を得た(配合液中のルテニウム濃度は、0.5ミリモル/リットル)。以上の操作は、すべて窒素雰囲気で行なった。
【0091】
窒素雰囲気下のドライボックス内に、テフロンシートを敷き、その上に厚み0.19mmのガラスクロス(商品番号:WE 19 105、日東紡績(株)製)に上記配合液1を含浸させたものを1枚敷き、その上にテフロンシートをかけて、室温(23℃)で2時間置き、半硬化状態としてプリプレグを得た。このプリプレグをテフロンシートをつけたままロール状に巻いて、窒素雰囲気下−10℃で2日間保存した。
保存後のプリプレグを室温に戻した後、空気中に出してテフロンシートを剥がした。このプリプレグを4枚重ね、外層両側に18μmの電解銅箔を積層し、プレス成形装置で2枚のステンレス鏡板にはさみ、1平方cm当たり30kgの荷重をかけて190℃で10分間加熱加圧し、0.8mmの銅張積層板を得た。得られた銅張積層板の銅箔引き剥がし強さを測定したところ1,300gf/cmであった。
【0092】
比較例3 プリプレグ(樹脂含浸基材)法による銅張積層板の製造
300mlのナス型フラスコに、テトラシクロ[7.4.0.110,13.02,7]トリデカ−2,4,6,11−テトラエン(インデンとシクロペンタジエンのディールス・アルダー付加物)99.5mlと攪拌子を入れ、トリフェニルホスフィン78mg(重合系での濃度3ミリモル/リットル)を加え、攪拌し溶解させた。
【0093】
液状老化防止剤(2,6−ジ−tert−ブチルフェノールと2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノールを2:1の比率で混合したもの)にベンジリデンビス(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウムジクロリド(Strem Chemical社製)を2%溶解させた触媒溶液を2.1g加えて攪拌し、配合液2を得た(配合液中のルテニウム濃度は、0.5ミリモル/リットル)。以上の操作は、すべて窒素雰囲気で行なった。
【0094】
以降の操作は、実施例5と同様にして銅張積層板を得た。しかし、この銅張積層板の引き剥がし強さは200gf/cmであった。引き剥がし強さが小さいのは、保存中に硬化が進んだために銅箔と積層した際に充分な接着が出来なかったことを示している。
【0095】
実施例6
300mlのセパラブルフラスコに、ベンジリデン(1,3−ジメシチルイミダゾリジン−2−イリデン)(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウムジクロリド(Org.Lett.,1999年,1巻,953頁の記載に基づいて合成したもの)8.5mg(重合系での濃度0.1ミリモル/リットル、ルテニウム濃度10ppm)と攪拌子を入れた。これに、トルエン0.2mlを加えてマグネティックスターラーで攪拌してルテニウム触媒を溶解させた後、ジシクロペンタジエン(シクロペンタジエンの3量体を10%含む)99.8mlを加えて攪拌した。攪拌子をとりだし、45℃のウォーターバスに入れ、50分間メカニカルスターラーで攪拌した後、ただちに氷冷したところ、流動性のある高粘度の液体となった(成形材5)。以上の操作は、すべて窒素雰囲気で行なった。
【0096】
次いで、成形材5を実施例2と同様に成形して平板を得た。得られた成形品は、充分に硬化しており、Tgは143℃であった。このように、触媒量を減量しても充分な反応性が得られることがわかった。
【0097】
比較例4
300mlのセパラブルフラスコに、ジシクロペンタジエン(シクロペンタジエンの3量体を10%含む)100mlとトリフェニルホスフィン5.2mg(重合系での濃度0.2ミリモル/リットル)を入れ、メカニカルスターラーで攪拌し溶解させた。これに、ベンジリデンビス(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウムジクロリド(Strem Chemical社製)を8.2mg(重合系での濃度0.1ミリモル/リットル、ルテニウム濃度10ppm)加え、攪拌し溶解させた。これを45℃のウォーターバスに入れ50分間攪拌した後、ただちに氷冷したところ、流動性のある高粘度の液体となった(成形材6)。以上の操作は、すべて窒素雰囲気で行なった。
【0098】
次いで、成形材6を実施例2と同様に成形して、平板を得た。得られた成形品は、充分に硬化しておらず、ゴム状であった。この成形品を、150℃のオーブンに30分間入れてポストキュアーを行なったが、硬化は不充分であり、Tgが65℃となった。以上のように、比較例4では触媒量を減量することにより、高温での反応性が比較例2に増して悪くなり、ポストキュアーを行なっても硬化不充分であった。
【0099】
【発明の効果】
本発明は、従来用いられているメタセシス重合触媒に比して温度依存性が大きなルテニウム触媒を用いる。本発明に用いられるルテニウム触媒は、低温での安定性に優れ、高温での反応性に優れるという利点をもつ。従って、本発明の半硬化状態にある成形材は、低温安定性に優れ、高温での重合反応性に優れている。
【0100】
本発明の製造方法は、高温での反応性に優れる触媒を用いるため、硬化時間を短くでき、触媒量の低減化を図ることができるので、予備硬化状態にある成形材および成形品を工業的に有利に製造することができる。
【0101】
また本発明によれば、触媒由来の金属、ハロゲンなどの含有量が極めて少ない成形材が得られる。従って、特に電気・電子部品用途のように、最終的に得られる成形品中の金属含有量が可能な限り低減することが求められる成形品の製造に好適である。
Claims (4)
- 下記式1または2:
で表されるルテニウム錯体触媒の存在下に、ノルボルネン系モノマーを開環メタセシス重合させて得られる予備硬化状態にある硬化可能な成形材。 - 前記成形材中に含まれるルテニウム化合物の濃度は25ppm以下である、請求項1に記載の成形材。
- 前記請求項1または2に記載の成形材を得る第1の工程と、該成形材を所定形状に賦形し、加熱硬化せしめる第2の工程とを有する、成形品の製造方法。
- 前記請求項1または2に記載の成形材を所定形状に賦形し、加熱硬化せしめることにより得られる成形品。
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