JP5407857B2 - 重合性組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、重合性組成物に関する。より詳細には、電気回路基板に使用する材料等として好適な重合体を得ることができ、経時の粘度上昇抑制と高い重合転化率とを両立させた重合性組成物、該重合性組成物を用いて得られる重合体、および前記重合性組成物または該重合体を用いて得られる電気絶縁性、密着性、機械的強度、耐熱性、誘電特性などに優れた架橋体や複合架橋体等に関する。
ノルボルネン系モノマーに代表されるシクロオレフィンモノマーを、ルテニウムカルベン錯体などのメタセシス重合触媒を用いて開環重合することによって、機械的または電気的に優れた性質を示す重合体が得られることが知られている。
例えば、特許文献1には、シクロオレフィンモノマーの開環重合体の水素化物が開示されている。この水素化物を得るための触媒として、イミダゾリン−2−イリデンを配位子として有するルテニウム錯体化合物が開示されている。このルテニウム錯体化合物は、開環重合触媒として機能し、水素化反応触媒としても機能すると、特許文献1に述べられている。
また、オレフィン化合物のメタセシス重合反応は無溶媒または溶媒中で行うことができると記載され、重合反応溶媒として、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタンなどの鎖状脂肪族炭化水素;シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、デカヒドロナフタレン、ジシクロヘプタン、トリシクロデカン、シクロオクタンなどの脂環式炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレン、テトラヒドロナフタレンなどの芳香族炭化水素;ニトロメタン、ニトロベンゼンなどのニトロ化合物;アセトニトリル、ベンゾニトリルなどのニトリル化合物;ジエチルエーテル、テトラヒドロフランなどのエーテル類;メタノール、エタノールなどのアルコール類;水などが例示されている。
これらの溶媒で重合反応を行えば、ルテニウム錯体化合物は安定であると特許文献1は記載している。そして、ジシクロペンタジエンをトルエンに溶解し、そしてルテニウム錯体化合物によって溶液重合させ、次いで重合体を溶液中で水素化した実施例が記載されている。
特開2005−104922号公報
このシクロオレフィンモノマーの開環重合体の水素化物は、耐熱性や誘電特性に優れているので、電気回路基板などに使用する材料、例えば、プリプレグなどに適用することが期待されている。
特許文献2には、熱可塑性水素化開環ノルボルネン系樹脂溶液に有機過酸化物及び架橋助剤を添加し、均一に分散させてノルボルネン系樹脂組成物を得、この樹脂組成物を繊維材に含浸させて、溶媒を除去し、プリプレグ等に成形し、基板と積層し、次いで加熱加圧成形して架橋・熱融着させて、架橋成形品を得ることが記載されている。
特許文献2のノルボルネン系樹脂組成物は溶媒を含有しているので、それを除去する工程が必要であり、また溶媒除去に際し膨れなどの不具合を生じるおそれが予測された。
特開平6−248164号公報
そこで、ノルボルネン系モノマー、ルテニウムカルベン錯体及び架橋剤からなる重合性組成物を無溶媒下で塊状重合させて、ポリシクロオレフィンを製造し、次いで、後硬化(後架橋)させる方法が特許文献3によって提案された。この特許文献3の方法によれば、プリプレグなどの製造を無溶媒にすることができ、溶媒除去に際しての膨れなどの不具合を防止することが期待できる。
特表平11−507962号公報
また、特許文献4には、ノルボルネン系モノマー、メタセシス重合触媒、連鎖移動剤及び架橋剤を含む重合性組成物が開示されている。この連鎖移動剤と架橋剤を含有する重合性組成物を塊状重合させると後架橋可能な熱可塑性樹脂が得られることを特許文献4は開示している。
また、メタセシス重合触媒は少量の不活性溶剤に溶解または懸濁して使用することができることが開示されており、不活性溶剤として、n−ペンタン、n−ヘキサン、流動パラフィンなどの鎖状脂肪族炭化水素;シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、デカヒドロナフタレン、ジシクロヘプタン、トリシクロデカン、ヘキサヒドロインデン、シクロオクタンなどの脂環式炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素;ニトロメタン、ニトロベンゼン、アセトニトリルなどの含窒素炭化水素;ジエチルエーテル、テトラヒドロフランなどの含酸素炭化水素などが挙げられている。
特開2004−244609号公報
しかし、一般にメタセシス重合触媒は活性が高く、重合速度が速いので、繊維材に含浸させ、プリプレグ等に成形する前に、シクロオレフィンモノマーが重合され硬化してしまい、所望の形態にすることが難しかった。
一方、特許文献5には、粉末状であるメタセシス重合触媒を液体中に溶解または分散させることにより、触媒の取り扱い性を向上させ、かつモノマー中での溶解性を向上させたことが記載されている。
メタセシス重合触媒を溶解または分散させる液体として、ペンタン、ヘキサン、オクタン、シクロヘキサン、ベンゼン、スチレンなどの炭化水素系溶剤;アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、テトラヒドロフランなどのエーテル、ケトン類溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル系溶剤;塩化メチレン、クロロホルム、トリクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素類;灯油、ガソリン、スピンドル油、ミネラルターペン、流動パラフィン、シリコンオイルなどの鉱物油、合成油;牛脂、スクワラン、大豆油、やし油などの動植物油などが挙げられている。
特開2001−139668号公報
しかしながら、本発明者らの検討によると、メタセシス重合触媒の活性を落とさずに、重合速度を安定化させ、硬化までの時間を長くし、取り扱い性を改善する、特許文献5の試みは、不十分である事が判った。すなわち、前記プリプレグ等の製造において、重合性組成物の重合反応が予期に反して進行してしまうため、粘度上昇によって繊維材等への含浸性が不十分となったり、得られる開環重合体の分子量の制御が困難であるという問題があった。さらに、重合性組成物の粘度上昇を抑えるために多量にゲル化調節剤等を添加すると単量体の重合転化率が低下した。このように経時の粘度上昇抑制と高い重合転化率とは相反する関係を持つ特性であった。
本発明の目的は、電気回路基板に使用する電気材料等として好適な重合体を得ることができ、経時の粘度上昇抑制と高い重合転化率とを両立させた重合性組成物、およびそれを用いて得られる重合体、並びに電気絶縁性、密着性、機械的強度、耐熱性、誘電特性などに優れた架橋体や複合架橋体等を提供することにある。
本発明者は、上記目的を達成すべく鋭意検討した結果、芳香環を有する多環炭化水素化合物、およびルテニウムカルベン錯体を含有する触媒液と、シクロオレフィンモノマーとを混合することによって得られる重合性組成物は、経時による粘度上昇を抑えることおよび単量体の重合転化率を高くすることの相反する要求を両方とも満足させることができ、繊維材への均一な含浸が可能となり、電気絶縁性、密着性、機械的強度、耐熱性、誘電特性などに優れた成形体が安定的に高効率で生産できることを見出した。本発明は、この知見に基づき、さらに検討し、完成するに至ったものである。
すなわち、本発明は、以下の態様を含むものである。
(1) 芳香環を有する多環炭化水素化合物およびルテニウムカルベン錯体を含有する触媒液と、シクロオレフィンモノマーとを混合してなる重合性組成物。
(2) 前記芳香環を有する多環炭化水素化合物が縮合二環式炭化水素化合物である前記の重合性組成物。
(3) 前記芳香環を有する多環炭化水素化合物の融点が80℃未満である前記の重合性組成物。
(4) 前記芳香環を有する多環炭化水素化合物がインデンまたはテトラリンである前記の重合性組成物。
(5) 前記ルテニウムカルベン錯体が、式(A)、式(B)、式(C)、式(D)および式(E)で表される化合物から選ばれる少なくとも1つの化合物である前記の重合性組成物。
Figure 0005407857
Figure 0005407857
Figure 0005407857
Figure 0005407857
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式(A)、(B)、(C)、(D)および(E)中の、X1およびX2はアニオン性配位子であり、L1およびL2は、それぞれ独立に、ヘテロ原子含有カルベン化合物または中性電子供与性化合物であり、RおよびR6は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、またはハロゲン原子、酸素原子、窒素原子、硫黄原子、リン原子もしくは珪素原子を含んでもよい炭素数1〜20の炭化水素基である。式(A)および式(B)中の点線部は二重結合になっていてもよい。
(6) さらに連鎖移動剤を含有する前記の重合性組成物。
(7) さらに架橋剤を含有する前記の重合性組成物。
(8) ルテニウムカルベン錯体を、芳香環を有する多環炭化水素化合物に添加して触媒液を調製する工程(I)、および前記触媒液とシクロオレフィンモノマーとを混合する工程(II)を含む重合性組成物の製造方法。
(9) 前記の重合性組成物を重合して得られる重合体。
(10) 前記の重合性組成物を重合する工程(III)を含む重合体の製造方法。
(11) 前記工程(I)を、30℃〜60℃で行う、前記の重合性組成物の製造方法。
(12) 前記工程(II)を、0℃〜25℃で行う、前記の重合性組成物の製造方法。
(13) 前記工程(III)を、80℃以上で行う、前記の重合体の製造方法。
(14) 前記の重合性組成物を支持体に塗布または含浸し、重合する工程を含む、重合体と支持体との複合成形体の製造方法。
(15) 前記の重合性組成物を重合し重合体を得る工程、該重合体を架橋する工程を含む、架橋体の製造方法。
本発明の重合性組成物は、経時による粘度上昇を抑えることおよび単量体の重合転化率を高くすることの相反する要求を両方とも満足させることができ、繊維材等への均一な含浸が可能である。
本発明の重合性組成物を重合し次いで架橋させると、電気絶縁性、密着性、機械的強度、耐熱性、誘電特性などの特性に優れた架橋体が安定的に高効率で生産できる。
この架橋体を、フィルム状の基材に積層することによって、または繊維材と複合することによって、上記特性を備えた複合架橋体を得ることができる。
本発明の重合性組成物を用いて得られた架橋体、および複合架橋体は、電気回路基板に使用する電気材料等として好適である。
[重合性組成物]
本発明の重合性組成物は、芳香環を有する多環炭化水素化合物およびルテニウムカルベン錯体を含有する触媒液と、シクロオレフィンモノマーとを混合してなるものである。
(1)シクロオレフィンモノマー
本発明の重合性組成物を構成するシクロオレフィンモノマーは、炭素原子で形成される環構造を有し、該環中に炭素−炭素二重結合を有し、該炭素−炭素二重結合がメタセシス反応によって開環し、重合体を生成し得る化合物である。その例として、ノルボルネン系モノマーおよび単環シクロオレフィン類が挙げられ、好ましいものとしてノルボルネン系モノマーが挙げられる。
ノルボルネン系モノマーは、ノルボルネン環を含むモノマーである。具体的には、ノルボルネン類、ジシクロペンタジエン類、テトラシクロドデセン類などが挙げられる。これらは、アルキル基、アルケニル基、アルキリデン基、アリール基などの炭化水素基や、カルボキシル基または酸無水物基などの極性基が置換基として含まれていてもよい。また、ノルボルネン環の二重結合以外に、さらに別の二重結合を有していてもよい。これらの中でも、極性基を含まない、すなわち炭素原子と水素原子のみで構成されるノルボルネン系モノマーが好ましい。ノルボルネン系モノマーを構成する環の数は、3〜6であるものが好ましく、3または4であるものがより好ましく、4であるものが特に好ましい。
極性基を含まないノルボルネン系モノマーとしては、2−ノルボルネン、5−メチル−2−ノルボルネン、5−エチル−2−ノルボルネン、5−ブチル−2−ノルボルネン、5−ヘキシル−2−ノルボルネン、5−デシル−2−ノルボルネン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、5−ビニル−2−ノルボルネン、5−プロペニル−2−ノルボルネン、などの環の数が2であるノルボルネン類;
5−シクロヘキシル−2−ノルボルネン、5−シクロペンチル−2−ノルボルネン、5−シクロヘキセニル−2−ノルボルネン、5−シクロペンテニル−2−ノルボルネン、5−フェニル−2−ノルボルネンなどの環の数が3であるノルボルネン類;
ジシクロペンタジエン、メチルジシクロペンタジエン、ジヒドロジシクロペンタジエン(トリシクロ[5.2.1.02,6]デカ−8−エンとも言う。)などの環の数が3であるジシクロペンタジエン類;
テトラシクロ[9.2.1.02,10.03,8]テトラデカ−3,5,7,12−テトラエン(1,4−メタノ−1,4,4a,9a−テトラヒドロ−9H−フルオレンとも言う。)、テトラシクロ[10.2.1.02,11.04,9]ペンタデカ−4,6,8,13−テトラエン(1,4−メタノ−1,4,4a,9,9a,10−ヘキサヒドロアントラセンとも言う。)などの環の数が4であるノルボルネン類;
テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−4−エン、9−メチルテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−4−エン、9−エチルテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−4−エン、9−メチレンテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−4−エン、9−エチリデンテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−4−エン、9−ビニルテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−4−エン、9−プロペニルテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−4−エン、などの環の数が4であるテトラシクロドデセン類;
9−シクロヘキシルテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−4−エン、9−シクロペンチルテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−4−エン、9−シクロヘキセニルテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−4−エン、9−シクロペンテニルテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−4−エン、9−フェニルテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−4−エンなどの環の数が5であるテトラシクロドデセン類;
ペンタシクロ[6.5.1.13,6.02,7.09,13]ペンタデカ−4,10−ジエン、ペンタシクロ[9.2.1.14,7.02,10.03,8]ペンタデカ−5,12−ジエン、ヘキサシクロ[6.6.1.13,6.110,13.02,7.09,14]ヘプタデカ−4−エンなどの環の数が5以上であるその他のノルボルネン系モノマー;などが挙げられる。
極性基を含むノルボルネン系モノマーとしては、テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−9−エン−4−カルボン酸メチル、テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−9−エン−4−メタノール、テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−9−エン−4−カルボン酸、テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−9−エン−4,5−ジカルボン酸、テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−9−エン−4,5−ジカルボン酸無水物、5−ノルボルネン−2−カルボン酸メチル、2−メチル−5−ノルボルネン−2−カルボン酸メチル、酢酸5−ノルボルネン−2−イル、5−ノルボルネン−2−メタノール、5−ノルボルネン−2−オール、5−ノルボルネン−2−カルボニトリル、2−アセチル−5−ノルボルネン、7−オキサ−2−ノルボルネンなどが挙げられる。
単環シクロオレフィン類としては、シクロブテン、シクロペンテン、シクロオクテン、シクロドデセン、1,5−シクロオクタジエンなどの単環シクロオレフィンおよび置換基を有するそれらの誘導体が挙げられる。単環シクロオレフィンおよびそれらの誘導体の量は、シクロオレフィンモノマーの全量に対して、好ましくは40質量%以下、より好ましくは20質量%以下である。40質量%を超えると、重合体および架橋体の耐熱性が不十分となる場合がある。
これらのシクロオレフィンモノマーは1種単独で若しくは2種以上を組み合わせて用いることができる。2種以上のモノマーを併用し、そのブレンド比を変化させることで、得られる重合体および架橋体のガラス転移温度や溶融温度を自由に制御することが可能である。
本発明の重合性組成物を構成する触媒液は、芳香環を有する多環炭化水素化合物およびルテニウムカルベン錯体を含有するものである。
(2)ルテニウムカルベン錯体
触媒液を構成するルテニウムカルベン錯体は、シクロオレフィンモノマーを、メタセシス開環重合させるものであれば特に限定されない。
ルテニウムカルベン錯体は、ルテニウム原子を中心にして、イオン、原子、多原子イオンおよび/または化合物が複数結合してなる錯体であって、ルテニウム原子にカルベン炭素が二重結合した構造(Ru=C)を有するものである。
ルテニウムカルベン錯体は、重合時の触媒活性が優れているので、後架橋可能な重合体の生産性に優れ、残留未反応モノマーに由来する臭気が少ない重合体を得ることができる。また、ルテニウムカルベン錯体は、酸素や空気中の水分に対して比較的安定であって、失活しにくいので、大気下でも重合体の生産が可能である。
ルテニウムカルベン錯体は、例えば、下記の式(1)または式(2)で表されるものである。
Figure 0005407857
式(1)および式(2)において、R5およびR6は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、またはハロゲン原子、酸素原子、窒素原子、硫黄原子、リン原子若しくは珪素原子を含んでもよい炭素数1〜20の炭化水素基を表す。X1およびX2は、それぞれ独立に、任意のアニオン性配位子を示す。L1およびL2は、それぞれ独立に、ヘテロ原子含有カルベン化合物または中性電子供与性化合物を表す。また、R5とR6は互いに結合して環を形成してもよい。さらに、R5、R6、X1、X2、L1およびL2は、任意の組合せで互いに結合して多座キレート化配位子を形成してもよい。
ヘテロ原子とは、周期律表第15族および第16族の原子を意味し、具体的には、N原子、O原子、P原子、S原子、As原子、Se原子などを挙げることができる。これらの中でも、安定なカルベン化合物が得られる観点から、N原子、O原子、P原子、S原子が好ましく、N原子が特に好ましい。
ヘテロ原子含有カルベン化合物は、カルベン炭素の両側にヘテロ原子が隣接して結合していることが好ましく、さらにカルベン炭素原子とその両側のヘテロ原子とを含むヘテロ環が構成されているものがより好ましい。また、カルベン炭素に隣接するヘテロ原子には嵩高い置換基を有していることが好ましい。
ヘテロ原子含有カルベン化合物としては、下記の式(3)または式(4)で示される化合物が挙げられる。重合性組成物の粘度の上昇をより抑制できるとの観点からは、式(4)で示される化合物が好ましい。
Figure 0005407857
(式中、R7〜R10は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、またはハロゲン原子、酸素原子、窒素原子、硫黄原子、リン原子若しくは珪素原子を含んでもよい炭素数1〜20個の炭化水素基を表す。また、R7〜R10は任意の組合せで互いに結合して環を形成していてもよい。)
前記式(3)または式(4)で表される化合物としては、1,3−ジメシチルイミダゾリジン−2−イリデン、1,3−ジ(1−アダマンチル)イミダゾリジン−2−イリデン、1−シクロヘキシル−3−メシチルイミダゾリジン−2−イリデン、1,3−ジメシチルオクタヒドロベンズイミダゾール−2−イリデン、1,3−ジイソプロピル−4−イミダゾリン−2−イリデン、1,3−ジ(1−フェニルエチル)−4−イミダゾリン−2−イリデン、1,3−ジメシチル−2,3−ジヒドロベンズイミダゾール−2−イリデンなどが挙げられる。
また、前記式(3)または式(4)で示される化合物のほかに、1,3,4−トリフェニル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1,2,4−トリアゾール−5−イリデン、1,3−ジシクロヘキシルヘキサヒドロピリミジン−2−イリデン、N,N,N’,N’−テトライソプロピルホルムアミジニリデン、1,3,4−トリフェニル−4,5−ジヒドロ−1H−1,2,4−トリアゾール−5−イリデン、3−(2,6−ジイソプロピルフェニル)−2,3−ジヒドロチアゾール−2−イリデンなどのヘテロ原子含有カルベン化合物も用い得る。
前記式(1)および式(2)において、アニオン(陰イオン)性配位子X1およびX2は、中心金属原子から引き離されたときに負の電荷を持つ配位子であり、例えば、F、Cl、Br、Iなどのハロゲン原子、ジケトネート基、置換シクロペンタジエニル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、カルボキシル基などを挙げることができる。これらの中でもハロゲン原子が好ましく、塩素原子がより好ましい。
また、中性の電子供与性化合物は、中心金属から引き離されたときに中性の電荷を持つ配位子であればいかなるものでもよい。その具体例としては、カルボニル、アミン類、ピリジン類、エーテル類、ニトリル類、エステル類、ホスフィン類、チオエーテル類、芳香族化合物、オレフィン類、イソシアニド類、チオシアネート類などが挙げられる。これらの中でも、ホスフィン類、エーテル類およびピリジン類が好ましく、ホスフィン類がより好ましい。
前記式(1)で表されるルテニウムカルベン錯体としては、ベンジリデン(1,3−ジメシチルイミダゾリジン−2−イリデン)(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウムジクロリド、ベンジリデン(1,3−ジメシチル−4,5−ジブロモ−4−イミダゾリン−2−イリデン)(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウムジクロリド、(1,3−ジメシチル−4−イミダゾリン−2−イリデン)(3−フェニル−1H−インデン−1−イリデン)(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウムジクロリド、(1,3−ジメシチルイミダゾリジン−2−イリデン)(3−メチル−2−ブテン−1−イリデン)(トリシクロペンチルホスフィン)ルテニウムジクロリド、ベンジリデン(1,3−ジメシチル−オクタヒドロベンズイミダゾール−2−イリデン)(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウムジクロリド、ベンジリデン[1,3−ジ(1−フェニルエチル)−4−イミダゾリン−2−イリデン](トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウムジクロリド、ベンジリデン(1,3−ジメシチル−2,3−ジヒドロベンズイミダゾール−2−イリデン)(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウムジクロリド、(3−ブテニリデン−2−ピリジン)(1,3−ジメシチル−4−イミダゾリン−2−イリデン)(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウムジクロリド、
ベンジリデン(トリシクロヘキシルホスフィン)(1,3,4−トリフェニル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1,2,4−トリアゾール−5−イリデン)ルテニウムジクロリド、(1,3−ジイソプロピルヘキサヒドロピリミジン−2−イリデン)(エトキシメチレン)(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウムジクロリド、ベンジリデン(1,3−ジメシチルイミダゾリジン−2−イリデン)ピリジンルテニウムジクロリド、(1,3−ジメシチルイミダゾリジン−2−イリデン)(2−フェニルエチリデン)(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウムジクロリド、(1,3−ジメシチル−4−イミダゾリン−2−イリデン)(2−フェニルエチリデン)(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウムジクロリド、(1,3−ジメシチル−4,5−ジブロモ−4−イミダゾリン−2−イリデン)[(フェニルチオ)メチレン](トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウムジクロリド、(1,3−ジメシチル−4,5−ジブロモ−4−イミダゾリン−2−イリデン)(2−ピロリドン−1−イルメチレン)(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウムジクロリドなどのL1およびL2の一方がへテロ原子含有カルベン化合物であり、他方が中性の電子供与性化合物であるルテニウム錯体化合物;
ベンジリデンビス(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウムジクロリド、(3−メチル−2−ブテン−1−イリデン)ビス(トリシクロペンチルホスフィン)ルテニウムジクロリドなどのL1およびL2の両方が中性の電子供与性化合物であるルテニウム錯体化合物;
ベンジリデンビス(1,3−ジシクロヘキシルイミダゾリジン−2−イリデン)ルテニウムジクロリド、ベンジリデンビス(1,3−ジイソプロピル−4−イミダゾリン−2−イリデン)ルテニウムジクロリドなどのL1およびL2の両方がヘテロ原子含有カルベン化合物であるルテニウム錯体化合物;などが挙げられる。
また、前記式(1)において、R5とL1が結合している錯体化合物として、下記の式(5)で表される化合物が挙げられる。
Figure 0005407857
式(5)中のAは2価または3価の有機基、ZはOR11、PR1213、OまたはNR1415である。R11〜R15は、それぞれ独立に、炭化水素基を表す。式(5)中の点線部は二重結合であってもよい。具体的には、(3−ブテニリデン−2−ピリジン)(1,3−ジメシチル−4−イミダゾリン−2−イリデン)ルテニウムジクロリド、(1,3−ジメシチル−4,5−ジブロモ−4−イミダゾリン−2−イリデン)(2−ピロリドン−1−イルメチレン)ルテニウムジクロリドなどが挙げられる。
前記式(2)で表されるルテニウムカルベン錯体としては、(1,3−ジメシチルイミダゾリジン−2−イリデン)(フェニルビニリデン)(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウムジクロリド、(t−ブチルビニリデン)(1,3−ジイソプロピル−4−イミダゾリン−2−イリデン)(トリシクロペンチルホスフィン)ルテニウムジクロリド、ビス(1,3−ジシクロヘキシル−4−イミダゾリン−2−イリデン)フェニルビニリデンルテニウムジクロリドなどが挙げられる。
これらのルテニウムカルベン錯体の中でも、下記式(A)、式(B)、式(C)、式(D)および式(E)で表される化合物から選ばれる少なくとも1つのルテニウムカルベン錯体が特に好ましく、式(A)で表されるルテニウムカルベン錯体が、重合反応活性が高いので、最も好ましい。
Figure 0005407857
Figure 0005407857
Figure 0005407857
Figure 0005407857
Figure 0005407857
式(A)、(B)、(C)、(D)および(E)中の、X1およびX2はアニオン性配位子であり、L1およびL2は、それぞれ独立に、ヘテロ原子含有カルベン化合物または中性電子供与性化合物であり、RおよびR6は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、またはハロゲン原子、酸素原子、窒素原子、硫黄原子、リン原子もしくは珪素原子を含んでもよい炭素数1〜20の炭化水素基である。式(A)および式(B)中の点線部は二重結合になっていてもよい。なお、式(A)、(B)、(C)、(D)および(E)中に在る複数のRは、同じものを含んでもよいし、それぞれ独立に異なるものであってもよい。
かかる化合物の配位子としては、L1がホスフィン類であり、L2が前記式(4)で表される化合物であるものが最も好ましい。
これらのルテニウムカルベン錯体は、Org. Lett., 1999年, 第1巻, 953頁, Tetrahedron. Lett., 1999年, 第40巻, 2247頁などに記載された方法によって製造することができる。
ルテニウムカルベン錯体の量は、(ルテニウム金属原子:シクロオレフィンモノマー)のモル比で、通常1:2,000〜1:2,000,000、好ましくは1:5,000〜1:1,000,000、より好ましくは1:10,000〜1:500,000の範囲である。これらのルテニウムカルベン錯体は、1種単独で用いてもよいし2種以上を組み合わせて用いてもよい。
ルテニウムカルベン錯体の重合活性を制御し、重合反応率を向上させる目的で活性剤(共触媒)を併用することができる。活性剤としては、アルミニウム、スカンジウムおよびスズのアルキル化物、ハロゲン化物、アルコキシ化物およびアリールオキシ化物などを例示することができる。
具体的には、トリアルコキシアルミニウム、トリフェノキシアルミニウム、ジアルコキシアルキルアルミニウム、アルコキシジアルキルアルミニウム、トリアルキルアルミニウム、ジアルコキシアルミニウムクロリド、アルコキシアルキルアルミニウムクロリド、ジアルキルアルミニウムクロリド、トリアルコキシスカンジウム、テトラアルコキシチタン、テトラアルコキシスズ、テトラアルコキシジルコニウムなどが挙げられる。
活性剤の量は、(ルテニウム金属原子:活性剤)のモル比で、通常、1:0.05〜1:100、好ましくは1:0.2〜1:20、より好ましくは1:0.5〜1:10の範囲である。
(3)芳香環を有する多環炭化水素化合物
触媒液を構成する芳香環を有する多環炭化水素化合物は、ルテニウムカルベン錯体を溶解または懸濁することができるものである。
該多環炭化水素化合物は、分子中に炭化水素環を2以上有し、そのうちの少なくとも1個が芳香環(=ベンゼン環)である。芳香環以外の炭化水素環は脂環である。脂環は、飽和脂環であっても、不飽和脂環であってもよい。ただし、該多環炭化水素化合物は、前記シクロオレフィンモノマーの概念を含むものではない。従って、該多環炭化水素化合物は、分子中に炭素−炭素二重結合を有する場合に、該炭素−炭素二重結合がメタセシス反応によって開環し、重合体を生成し得る化合物ではない。該多環炭化水素化合物はルテニウムカルベン錯体に対して不活性であることが好ましい。
2以上の炭化水素環は、単結合または二重結合で繋がったものであってもよいし、炭化水素基で繋がったものであってもよいし、1以上の炭素を共有し縮合したものであってもよい。これらのうち、前記芳香環を有する多環炭化水素化合物は、縮合二環式炭化水素化合物であることが好ましい。
該多環炭化水素化合物としては、インデン、インダン、1−メチレンインデン、1,2−ジヒドロナフタレン、1,4−ジヒドロナフタレン、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン(別名:テトラリン)、フルオレン、9−フェニルフルオレン、9,10−ジヒドロアントラセンなどのベンゼン環と脂環とが縮合した化合物;ジフェニルフルベンなどのベンゼン環と脂環とが炭化水素基で結合された化合物などが挙げられる。これらのうち、融点が80℃未満であるものが好ましく、インデンまたはテトラリンがより好ましく、インデンが特に好ましい。
芳香環を有する多環炭化水素化合物の量は、ルテニウムカルベン錯体の活性を阻害しない範囲であれば特に限定されない。本発明では重合性組成物の重合を塊状重合法で行うことが好ましいので、芳香環を有する多環炭化水素化合物の量は、シクロオレフィンモノマー100質量部に対して、0.01〜10質量部、好ましくは0.1〜5質量部、特に好ましくは0.5〜3質量部である。
ルテニウムカルベン錯体の活性は、重合体の重合転化率及び分子量分布によって評価される。ルテニウムカルベン錯体の活性が高いと、重合転化率が高く、分子量分布が小さくなる。また、ルテニウムカルベン錯体の活性が低いと、重合転化率が低く、分子量分布が大きくなる。
触媒液には必要に応じて、少量の不活性溶剤をさらに含有していてもよい。例えば、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、流動パラフィン、ミネラルスピリットなどの鎖状脂肪族炭化水素;シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ジメチルシクロヘキサン、トリメチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、ジエチルシクロヘキサン、デカヒドロナフタレン、ジシクロヘプタン、トリシクロデカン、ヘキサヒドロインデン、シクロオクタンなどの脂環式炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素;ニトロメタン、ニトロベンゼン、アセトニトリルなどの含窒素炭化水素;ジエチルエーテル、テトラヒドロフランなどの含酸素炭化水素;などが挙げられる。また、触媒液には、ルテニウムカルベン錯体の活性を低下させないものであれば、液状の老化防止剤、液状の可塑剤、液状のエラストマーを含んでいてもよい。
触媒液は、ルテニウムカルベン錯体を、芳香環を有する多環炭化水素化合物に添加し、混合することにより調製できる。調製時の温度は、30〜60℃にすることが好ましい。触媒液調製時の温度が低すぎると、ルテニウムカルベン錯体の溶解性または分散性が低下する傾向になる。高すぎるとルテニウムカルベン錯体が分解するおそれがある。
(4)連鎖移動剤
本発明の重合性組成物は、重合反応の連鎖移動剤をさらに含有することが好ましい。連鎖移動剤を含むことにより、室温以下での重合反応の進行を抑制することができる。
連鎖移動剤として、通常、置換基を有していてもよい鎖状のオレフィン類を用いることができる。
具体的には、1−ヘキセン、2−ヘキセンなどの脂肪族オレフィン類;スチレン、ジビニルベンゼン、スチルベンなどの芳香族基を有するオレフィン類;ビニルシクロヘキサンなどの脂環式炭化水素基を有するオレフィン類;エチルビニルエーテルなどのビニルエーテル類;メチルビニルケトン、1,5−ヘキサジエン−3−オン、2−メチル−1,5−ヘキサジエン−3−オンなどのビニルケトン類;アクリル酸スチリル、エチレングリコールジアクリレート;アリルトリビニルシラン、アリルメチルジビニルシラン、アリルジメチルビニルシラン;アクリル酸グリシジル、アリルグリシジルエーテル;アリルアミン、2−(ジエチルアミノ)エタノールビニルエーテル、2−(ジエチルアミノ)エチルアクリレート、4−ビニルアニリン;などが挙げられる。
これらの連鎖移動剤の中でも、式(F) : CH2=CH−Y−OCO−CR4=CH2 で表される化合物が好ましい。式(F)中のYはアルキレン基、R4は水素原子またはメチル基である。
アルキレン基の炭素数は特に制限されないが、通常1〜20、好ましくは4〜12である。この構造の連鎖移動剤を用いることで、より強度の高い架橋体または複合架橋体を得ることが可能になる。
式(F)で表される化合物としては、メタクリル酸アリル、メタクリル酸3−ブテン−1−イル、アクリル酸アリル、アクリル酸3−ブテン−1−イル、メタクリル酸ウンデセニル、メタクリル酸ヘキセニルなどが挙げられる。中でも、メタクリル酸ウンデセニルおよびメタクリル酸ヘキセニルが特に好ましい。
連鎖移動剤の量は、前記シクロオレフィンモノマーの全量に対して、通常0.01〜10質量%、好ましくは0.1〜5質量%である。連鎖移動剤の量がこの範囲であるときに、重合反応率が高く、しかも後架橋可能な熱可塑性樹脂を効率よく得ることができる。
(5)架橋剤
重合性組成物は、塊状重合後に架橋性を有する重合体とするために、さらに架橋剤を含有することが好ましい。架橋剤は架橋性の官能基を有する化合物である。該官能基としては、例えば、炭素−炭素二重結合、カルボン酸基、酸無水物基、水酸基、アミノ基、活性ハロゲン原子、エポキシ基などが挙げられる。
架橋剤としては、例えば、ラジカル発生剤、エポキシ化合物、イソシアネート基含有化合物、カルボキシル基含有化合物、酸無水物基含有化合物、アミノ基含有化合物、ルイス酸などが挙げられる。これらは1種単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。これらの中でも、ラジカル発生剤、エポキシ化合物、イソシアネート基含有化合物、カルボキシル基含有化合物、酸無水物基含有化合物の使用が好ましく、ラジカル発生剤、エポキシ化合物、イソシアネート基含有化合物の使用がより好ましく、ラジカル発生剤の使用が特に好ましい。
ラジカル発生剤としては、有機過酸化物、ジアゾ化合物、非極性ラジカル発生剤などが挙げられる。
有機過酸化物としては、例えば、t−ブチルヒドロペルオキシド、p−メンタンヒドロペルオキシド、クメンヒドロペルオキシドなどのヒドロペルオキシド類;ジクミルペルオキシド、t−ブチルクミルペルオキシド、α,α’−ビス(t−ブチルペルオキシ−m−イソプロピル)ベンゼン、ジ−t−ブチルペルオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルペルオキシ)−3−ヘキシン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルペルオキシ)ヘキサンなどのジアルキルペルオキシド類;ジプロピオニルペルオキシド、ベンゾイルペルオキシドなどのジアシルペルオキシド類;2,2−ジ(t−ブチルペルオキシ)ブタン、1,1−ジ(t−ヘキシルペルオキシ)シクロヘキサン、1,1−ジ(t−ブチルペルオキシ)−2−メチルシクロヘキサン、1,1−ジ(t−ブチルペルオキシ)シクロヘキサンなどのペルオキシケタール類;t−ブチルペルオキシアセテート、t−ブチルペルオキシベンゾエートなどのペルオキシエステル類;t−ブチルペルオキシイソプロピルカルボナート、ジ(イソプロピルペルオキシ)ジカルボナートなどのペルオキシカルボナート;t−ブチルトリメチルシリルペルオキシドなどのアルキルシリルペルオキサシド類およびペルオキシケタール類;などが挙げられる。中でも、メタセシス重合反応に対する障害が少ない点で、ジアルキルペルオキシド類およびペルオキシケタール類が好ましい。
ジアゾ化合物としては、例えば、4,4’−ビスアジドベンザル(4−メチル)シクロヘキサノン、4,4’−ジアジドカルコン、2,6−ビス(4’−アジドベンザル)シクロヘキサノン、2,6−ビス(4’−アジドベンザル)−4−メチルシクロヘキサノン、4,4’−ジアジドジフェニルスルホン、4,4’−ジアジドジフェニルメタン、2,2’−ジアジドスチルベンなどが挙げられる。
本発明に用いられる非極性ラジカル発生剤としては、2,3−ジメチル−2,3−ジフェニルブタン、2,3−ジフェニルブタン、1,4−ジフェニルブタン、3,4−ジメチル−3,4−ジフェニルヘキサン、1,1,2,2−テトラフェニルエタン、2,2,3,3−テトラフェニルブタン、3,3,4,4−テトラフェニルヘキサン、1,1,2−トリフェニルプロパン、1,1,2−トリフェニルエタン、トリフェニルメタン、1,1,1−トリフェニルエタン、1,1,1−トリフェニルプロパン、1,1,1−トリフェニルブタン、1,1,1−トリフェニルペンタン、1,1,1−トリフェニル−2−プロペン、1,1,1−トリフェニル−4−ペンテン、1,1,1−トリフェニル−2−フェニルエタンなどが挙げられる。
これらのラジカル発生剤は、1種単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。2種以上のラジカル発生剤を併用し、そのブレンド比を変化させることで、得られる架橋性重合体および架橋体のガラス転移温度や溶融状態を自由に制御することが可能である。
架橋剤の量は、シクロオレフィンモノマー100質量部に対して、通常0.1〜10質量部、好ましくは0.5〜5質量部である。架橋剤の量があまりに少ないと架橋が不十分となり、高い架橋密度の架橋体が得られなくなるおそれがある。架橋剤の量が多すぎる場合には、架橋効果が飽和する一方で、所望の物性を有する重合体および架橋体が得られなくなるおそれがある。
また本発明においては、架橋剤としてラジカル発生剤を用いた場合、その架橋反応を促進させるために、架橋助剤を使用することができる。架橋助剤としては、p−キノンジオキシムなどのジオキシム化合物;ラウリルメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクレートなどのメタクリレート化合物;ジアリルフマレートなどのフマル酸化合物:ジアリルフタレートなどのフタル酸化合物、トリアリルシアヌレートなどのシアヌル酸化合物;マレイミドなどのイミド化合物;などが挙げられる。架橋助剤の量は特に制限されないが、シクロオレフィンモノマー100質量部に対して、通常0〜100質量部、好ましくは0〜50質量部である。
(6)その他の添加剤
前記重合性組成物には、各種の添加剤、例えば、重合反応遅延剤、ラジカル架橋遅延剤、強化材、改質剤、酸化防止剤、難燃剤、充填剤、着色剤、光安定剤などを含有させることができる。これらは、後述するモノマー液または触媒液に予め溶解または分散させて用いることができる。
重合反応遅延剤としては、トリフェニルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリメチルホスフィン、トリエチルホスフィン、ジシクロヘキシルホスフィン、ビニルジフェニルホスフィン、アリルジフェニルホスフィン、トリアリルホスフィン、スチリルジフェニルホスフィンなどのホスフィン化合物;アニリン、ピリジンなどのルイス塩基;が挙げられる。
また、ノルボルネン系モノマーと共重合可能な環状オレフィン系モノマーのうち、分子内に1,5−ジエン構造や1,3,5−トリエン構造を有する環状オレフィンは重合反応遅延剤としても機能する。このような化合物としては、1,5−シクロオクタジエン、5−ビニル−2−ノルボルネンなどが挙げられる。
これら重合反応遅延剤の中でも、室温以下での重合反応の進行を抑制する効果が大きいので、式(G) : PR123 (式(G)中、R1〜R3は、それぞれ独立に、水素原子、アルケニル基、シクロアルキル基またはアリール基を表す。)で表されるホスフィン化合物が好ましく、ジシクロヘキシルホスフィンおよびビニルジフェニルホスフィンがより好ましく、ジシクロヘキシルホスフィンが特に好ましい。
ラジカル架橋遅延剤としては、アルコキシフェノール類、カテコール類、ベンゾキノン類が挙げられ、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシアニソールなどのアルコキシフェノール類が好ましい。
強化材としては、ガラス繊維、ガラス布、紙基材、ガラス不織布などが挙げられる。
改質剤としては、天然ゴム、スチレン−ブタジエン共重合体(SBR)、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SBS)、スチレン−イソプレン−スチレン共重合体(SIS)、エチレン−プロピレン−ジエンターポリマー(EPDM)、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)およびこれらの水素化物などのエラストマーなどが挙げられる。
酸化防止剤としては、ヒンダードフェノール系、リン系、アミン系などの各種のプラスチック・ゴム用酸化防止剤などが挙げられる。これらの酸化防止剤は単独で用いてもよいが、二種以上を組合せて用いることが好ましい。
難燃剤としては、リン系難燃剤、窒素系難燃剤、ハロゲン系難燃剤、水酸化アルミニウムなどの金属水酸化物系難燃剤、三酸化アンチモンなどのアンチモン化合物、などが挙げられる。難燃剤は単独で用いてもよいが、二種以上を組合せて用いることが好ましい。
充填剤としては、ガラス粉末、セラミック粉末、シリカなどが挙げられる。これら充填剤は、二種類以上を併用してもよい。充填剤として、シランカップリング剤等で表面処理したものを用いることもできる。充填剤の量は、シクロオレフィンモノマー100質量部に対し、通常0〜600質量部、好ましくは50〜500質量部、より好ましくは50〜300質量部である。
着色剤としては、染料、顔料などが用いられる。染料の種類は多様であり、公知のものを適宜選択して使用すればよい。
本発明の重合性組成物は、(I)ルテニウムカルベン錯体を芳香環を有する多環炭化水素化合物に溶解若しくは分散させてなる触媒液を得、別にシクロオレフィンモノマーに必要に応じて充てん剤、難燃剤などの添加剤を配合してなるモノマー液を調製し、(II)該モノマー液に触媒液を添加し、攪拌混合することによって調製することが好ましい。
触媒液とモノマー液との混合は、重合を行う直前に行うことが好ましい。また、必要に応じて添加される連鎖移動剤、架橋剤などは、モノマー液と触媒液を混合する前にモノマー液および/または触媒液に添加してもよいし、モノマー液と触媒液とを混合した後に添加してもよい。
触媒液とモノマー液との混合は、0〜25℃で行うことが好ましい。混合時の温度が低すぎるとモノマー液の粘度が高くなり、触媒液を均一に混合することが困難になる。混合時の温度が高すぎると重合反応が急激に進行するおそれがある。
[重合体]
本発明の重合体は、前記重合性組成物を重合することによって得られる。
重合性組成物を重合する方法としては、(a)重合性組成物を支持体に注ぐかまたは塗布し、塊状重合する方法、(b)重合性組成物を型内に注ぎこみ、塊状重合する方法、(c)重合性組成物を支持体に含浸し塊状重合する方法などが挙げられる。なお、(a)または(c)の方法によって前記重合性組成物を塊状重合すると、支持体と重合体とを含む複合成形体が得られる。
(a)の方法によれば、重合体と支持体とから形成される複合成形体が得られる。ここで用いる支持体としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリカーボネート、ポリエチレンナフタレート、ポリアリレート、ナイロンなどの樹脂;鉄、ステンレス、銅、アルミニウム、ニッケル、クロム、金、銀などの金属材料;などからなるものが挙げられる。その形状は特に限定されないが、金属箔または樹脂フィルムの使用が好ましい。例えば、支持体に銅箔を用いた場合、樹脂付き銅箔(Resin Coated Copper(RCC))を得ることができる。これら金属箔または樹脂フィルムの厚さは、作業性などの観点から、通常1〜150μm、好ましくは2〜100μm、より好ましくは3〜75μmである。これらの支持体の表面は平滑であることが好ましい。また、これらの支持体表面は、シランカップリング剤などで表面処理をしてあることが好ましい。
重合性組成物を支持体へ塗布する方法は特に制限されず、スプレーコート法、ディップコート法、ロールコート法、カーテンコート法、ダイコート法、スリットコート法などの公知の塗布方法が挙げられる。
重合反応はルテニウムカルベン錯体が活性を発現する温度以上に、好ましくは80℃以上に重合性組成物を加熱することによって行うことができる。
重合性組成物を所定温度に加熱する方法は特に制約されず、加熱プレート上に載せて加熱する方法、プレス機を用いて加圧しながら加熱(熱プレス)する方法、加熱したローラーで押圧する方法、加熱炉を用いる方法などが挙げられる。
熱プレスまたはローラーによって得られる重合体のフィルムは、厚さが通常15mm以下、好ましくは10mm以下、より好ましくは5mm以下である。
(b)の方法によれば、任意の形状の重合体の成形体を得ることができる。その形状としては、シート状、フィルム状、柱状、円柱状、多角柱状等が挙げられる。
ここで用いる型としては、従来公知の成形型、例えば、割型構造すなわちコア型とキャビティー型を有する成形型を用いることができ、それらの空隙部(キャビティー)に重合性組成物を注入して塊状重合させる。コア型とキャビティー型は、目的とする成形品の形状にあった空隙部を形成するように作製される。また、成形型の形状、材質、大きさなどは特に制限されない。また、ガラス板や金属板などの板状成形型と所定の厚さのスペーサーとを用意し、スペーサーを2枚の板状成形型で挟んで形成される空間内に重合性組成物を注入することにより、シート状またはフィルム状の重合体の成形体を得ることができる。このようにして得られる重合体のフィルムは、厚さが通常15mm以下、好ましくは10mm以下、より好ましくは5mm以下である。
重合性組成物を成形型のキャビティー内に充填する際の充填圧力(注入圧)は、通常0.01〜10MPa、好ましくは0.02〜5MPaである。充填圧力が低すぎると、キャビティー内周面に形成された転写面の転写が良好に行われない傾向にあり、充填圧が高すぎると、成形型の剛性を高くしなければならず経済的ではない。型締圧力は通常0.01〜10MPaの範囲内である。
(c)の方法で用いられる支持体は、繊維材である。この方法によれば、重合体が繊維材に含浸された複合成形体であるプリプレグを得ることができる。ここで用いられる繊維材は、有機および/または無機の繊維の中から任意に選択できる。例えば、ガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維、ポリエチレンテレフタレート繊維、ビニロン繊維、ポリエステル繊維、アミド繊維、金属繊維、セラミック繊維などからなる繊維材が挙げられる。これらは1種単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。繊維材の形状としては、マット、クロス、不織布などが挙げられる。また、これらの繊維材はその表面がシランカップリング剤などで表面処理をしてあることが好ましい。
重合性組成物の繊維材への含浸は、例えば、重合性組成物の所定量を、スプレーコート法、ディップコート法、ロールコート法、カーテンコート法、ダイコート法、スリットコート法等の公知の方法により繊維材に塗布し、必要に応じてその上に保護フィルムを重ね、上側からローラーなどで押圧することにより行うことができる。
本発明の重合性組成物は、室温以下での重合反応の進行が遅く、粘度の上昇が抑制されているため、繊維材に均一に含浸させることができる。重合性組成物を繊維材に含浸させた後、含浸物を所定温度に加熱することにより、重合性組成物を塊状重合させることができ、それによって重合体が繊維材に含浸されたプリプレグが得られる。
前記含浸物の加熱方法は特に限定されず、前記(a)の方法と同様の方法が採用でき、含浸物を基材上に設置して加熱してもよい。また、繊維材を設置した型内に重合性組成物を注入し、重合性組成物を含浸させてから前記(b)の方法に従い加熱してもよい。
本発明の重合性組成物は従来の樹脂ワニスと比較して低粘度であり、繊維材に対する含浸性に優れるので、繊維材に重合体を均一に含浸させることができる。
また、本発明の重合性組成物は反応に関与しない溶媒等の含有量が少ないので、繊維材に含浸させた後に溶媒を除去するなどの工程が不要であり、生産性に優れ、残存溶媒による臭気やフクレ等も生じない。
さらに、本発明の重合体は保存安定性に優れるので、得られるプリプレグは保存安定性に優れる。
上記(a)、(b)および(c)のいずれの方法においても、重合性組成物を重合させるための加熱温度は、好ましくは80℃以上、より好ましくは100〜200℃である。重合時間は適宜選択すればよいが、通常、10秒間から20分間、好ましくは5分間以内である。
重合性組成物を所定温度に加熱することにより重合反応が開始する。この重合反応は発熱反応であり、一旦塊状重合反応が開始すると、反応液の温度が急激に上昇し、短時間(例えば、10秒間から5分間程度)でピーク温度に到達する。重合反応時の最高温度があまりに高くなると、架橋反応が起きて架橋体になってしまい、後架橋可能な重合体が得られないおそれがある。したがって、重合反応のみを完全に進行させ、架橋反応が進行しないようにするためには、塊状重合反応時のピーク温度を、前記ラジカル発生剤の1分間半減期温度以下、好ましくは230℃以下、より好ましくは200℃未満に制御することが好ましい。
本発明の重合体は、架橋可能な樹脂である。ここで「架橋可能な」は、樹脂を加熱することによって、架橋反応が進行して架橋体になり得るということである。
また、本発明の複合成形体は、該重合体と前記支持体とが一体化されてなる複合材料である。
本発明の重合体は、前述した重合性組成物の塊状重合反応がほぼ完全に進行するので、残留モノマーが少なくなっており、残留するシクロオレフィンモノマーに由来する臭気等で作業環境が悪化することがない。
さらに、前記の非極性ラジカル発生剤として分解温度の高いものを用いると、架橋時において、重合体が適度に流動し、金属箔などの支持体との密着性、配線板への埋め込み性が良好になる。また、該重合体を架橋して得られる架橋体の誘電損失(tanδ)は著しく小さくなり、電気特性に優れている。
本発明の重合体は、ベンゼン、トルエンなどの芳香族炭化水素、ジエチルエーテル、テトラヒドロフランなどのエーテル類、ジクロロメタン、クロロホルムなどのハロゲン化炭化水素等の溶媒に可溶であることが好ましい。また、熱可塑性を示すので、架橋反応が起きない程度の温度で溶融成形を行うことによって様々な形状を形成できる。
本発明の重合体の成形体は、一部分が架橋体になっているものであってもよい。例えば、型内で重合性組成物を塊状重合したときには、型の中心部分は重合反応熱が発散しにくいので、型内の一部の温度が高くなりすぎる場合がある。高温部では架橋反応が起き、架橋体になってしまうことがある。しかし、熱を発散しやすい表面部が後架橋可能な重合体で形成されていれば、本発明の重合体の成形体としての効果を十分に享受できる。重合体と支持体との複合成形体においても、同様に該重合体の一部が架橋体になっていてもよい。
本発明の重合体は、塊状重合がほぼ完全に進行して得られるものであるので、保管中にさらに重合反応が進行するという恐れがない。本発明の好ましい態様の重合体は架橋剤(非極性ラジカル発生剤等)を含有しているが、架橋反応を起す温度以上に加熱しない限り、表面硬度が変化するなどの不具合が生じず、保存安定性に優れている。
[架橋体]
本発明の架橋体は前記重合体を架橋してなるものである。
重合体の架橋は、例えば、本発明の重合体を加熱溶融するなどして、重合体が架橋反応を起す温度以上に維持することによって行うことができる。重合体を架橋させるときの温度は、前記塊状重合時のピーク温度より20℃以上高いことが好ましく、通常170〜250℃、好ましくは180〜220℃である。また、架橋する時間は特に制約されないが、通常数分間から数時間である。
本発明の重合体がシート状またはフィルム状の成形体である場合には、該成形体を基材に必要に応じて積層し、熱プレスする方法が好ましい。熱プレスするときの圧力は、通常0.5〜20MPa、好ましくは3〜10MPaである。熱プレスは、真空または減圧雰囲気下で行ってもよい。熱プレスは、平板成形用のプレス枠型を有する公知のプレス機、シートモールドコンパウンド(SMC)やバルクモールドコンパウンド(BMC)などのプレス成形機を用いて行なうことができる。
[複合架橋体]
本発明の複合架橋体は、前記架橋体と支持体とを含んでなるものである。
本発明の複合架橋体は、前述の重合体と支持体とを含む複合成形体を架橋することによって得られる。また、前述の重合体の成形体を支持体上で加熱して架橋することによって、または、前述の重合体と支持体とを含む複合成形体を別の支持体上で加熱して架橋することによっても得られる。
重合体の成形体または複合成形体を支持体上で加熱して架橋する方法としては、板状、フィルム状に成形された重合体を、熱プレスによって、支持体に積層させ、さらに加熱を続けることによって該重合体を架橋することができる。熱プレスの条件は、前記重合体を架橋する場合と同様である。
ここで用いられる新たな支持体としては、銅箔、アルミ箔、ニッケル箔、クロム箔、金箔、銀箔などの金属箔;プリント配線板;導電性ポリマーフィルム、他の樹脂フィルムなどのフィルム類;などが挙げられる。また、該支持体としてプリント配線板を用いると、多層プリント配線板を製造することができる。
銅箔などの金属箔やプリント配線板上の導電層は、その表面が、シランカップリング剤、チオール系カップリング剤、チタネート系カップリング剤、各種接着剤などで処理されているものが好ましい。これらのうちシランカップリング剤で処理されているものが特に好ましい。
本発明の重合体は流動性および密着性に優れているので、平坦性に優れ、かつ、支持体との密着性に優れた複合架橋体を得ることができる。本発明の複合架橋体は、例えば、支持体として厚さ18μmの超平滑(SLP)銅箔を用いた場合には、JIS C6481に基づいて測定した剥離強度が、好ましくは0.6kN/m以上、より好ましくは0.8kN/m以上である。
本発明の架橋体および複合架橋体は、電気絶縁性、機械的強度、耐熱性、誘電特性などに優れている。また複合架橋体は、支持体との密着性が良好であり、電気材料として好適である。
以下に実施例および比較例を示して本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。また、以下の実施例および比較例において、「部」および「%」は特に断りのない限り、質量基準である。
評価方法は以下のとおりである。
(ポットライフの評価)
モノマー液に触媒液を添加した直後の重合性組成物の粘度(η0)をE型粘度計で測定し、次いでこの重合性組成物を0℃条件下で30分間放置した後の粘度(η1)を同じくE型粘度計で測定した。30分間放置後の粘度(η1)の初期粘度(η0)からの変化率(=(η1−η0)/η0×100)を求めた。変化率を以下の指標にて表記した。
A:粘度変化率が、10%未満
B:粘度変化率が、10%以上50%未満
C:粘度変化率が、50%以上100%未満
D:粘度変化率が、100%以上
(分子量と分子量分布の測定)
プリプレグを2cm角に切り出し、これをテトラヒドロフラン5mlに漬けて溶質分を溶解させた。この溶液をテトラヒドロフランを展開溶媒とするゲル・パミエーション・クロマトグラフィー法にて測定し、標準ポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)と分子量分布(Mw/Mn)を求めた。
(重合転化率の評価)
プリプレグを7cm角に切り出し、これをトルエン3.5mlに漬けて溶質分を溶解させた。この溶液をガスクロマトグラフィーにて測定し、残存モノマーの量を定量し、重合転化率を算出し、以下の指標で表した。
A:重合転化率が、98%以上
B:重合転化率が、95%以上98%未満
C:重合転化率が、90%以上95%未満
D:重合転化率が、90%未満
(はんだ耐熱性の評価)
両面銅張積層板から2.5mm角の試料を切り出し、JIS C6481準拠のはんだ耐熱性試験を行った。はんだ浴の温度は260℃であり、試料の浸漬時間は30秒間とした。この試料10個について試験を行い、それらの中で膨れや剥がれ、またはクラック等が発生した試料の数を数えた。
(導体のピール強度の測定)
真空プレスにて作製した両面銅張積層板から25mm×100mmのサンプルを切り出し、表面の銅箔をアルカリ脱脂、ソフトエッチング、10%硫酸処理した。この銅箔の処理面にドライフィルムレジスト(日立化成工業社製 RY−3215)をラミネートし、JIS C6481の引きはがし強さのパターンが反転して印刷されたフィルムフォトマスクをレジストの上に重ねて、フォトレジスト用露光装置(オーク製作所製 EXP−2805)にて露光した。次いで、1%炭酸ナトリウム水溶液にてレジストを現像し、塩化銅(II)水溶液にて銅箔のエッチングを行い、さらに5%水酸化ナトリウム水溶液にて残ったレジストを剥離してピール強度測定用サンプルを作製した。このようにして作製したピール強度測定用サンプルの銅箔をJIS C6481に従って、クロスヘッドの速度を50mm/分に設定した引っ張り試験機にて90°剥離試験を行い導体のピール強度を測定した。
(誘電正接の測定)
真空プレスにて作製した両面銅張積層板から25mm角の試料を切り出し、表面の銅箔を塩化銅(II)水溶液にてエッチングした。次いでインピーダンスアナライザー(アジレントテクノロジー社製 E4991)にて1GHzの誘電正接(tanδ)を測定した。
[実施例1]
攪拌子を入れたガラス製フラスコ中に、ルテニウムカルベン錯体として(1,3−ジメシチル−4,5−ジブロモ−4−イミダゾリン−2−イリデン)(2−ピロリドン−1−イルメチレン)(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウムジクロリド 0.128部、重合反応遅延剤としてジシクロヘキシルホスフィン 0.254部、および芳香環を有する多環炭化水素化合物としてインデン 2.50部を加え、40℃の水浴中で30分間攪拌し、触媒液を調製した。調製された触媒液を0℃に冷却した。0℃で4時間以上経過したものを重合性組成物用の触媒液として使用した。
シクロオレフィンモノマーとしてテトラシクロドデセン 80部とノルボルネン 20部との混合物を攪拌機付きの容器に入れ、ここに酸化防止剤として2,6−ジターシャリ−ブチルヒドロキシトルエン 0.28部、および充填剤としてシリカ(アドマファイン社製、製品名SO−E1,スチリルシラン処理品 平均粒径0.2μm) 100部を添加し、攪拌機(シンキー社製、遊星式攪拌機)で5分間混合した。さらに連鎖移動剤としてメタクリル酸ウンデセニル(東京化成社製) 1.7部と、架橋剤としてジ−t−ブチルパーオキサイド(化薬アクゾ社製、製品名カヤブチルD) 1.14部を投入してモノマー液を得た。このモノマー液を0℃に冷却し、ここに0℃の上記触媒液をシクロオレフィンモノマー100gあたり0.8ml投入して攪拌し、重合性組成物を得た。
このようにして調製した重合性組成物 80部を、ポリエチレンナフタレートフィルム(帝人デュポンフィルム社製、厚み75μm)の上に流延し、その上にガラスクロス(旭シュエーベル社製2116、厚み75μm)を敷いて、さらにその上に重合性組成物 80部を流延した。その上からさらにポリエチレンナフタレートフィルムをかぶせ、塗料塗布用ローラーで重合性組成物をガラスクロス全体に含浸させた。次いで、これを135℃に熱した加熱炉中に、1分間静置し、重合性組成物を塊状重合させて厚さ約0.1mmのプリプレグを得た。
上記のようにして作製したプリプレグを340mm角の大きさに切り出し、これを8枚重ねにし、その両面をSLP銅箔(TypeF0、厚み35μm、バレル面シランカップリング剤処理品、古川サーキットフォイル社製)で挟み、真空プレスを用いて、プレス圧3MPa、基板表面温度200℃、−100kPa(ゲージ圧)の真空中にて15分間プレスし、厚さ約0.8mmの両面銅張積層板を作製した。
Figure 0005407857
錯体A : (1,3−ジメシチル−4,5−ジブロモ−4−イミダゾリン−2−イリデン)(2−ピロリドン−1−イルメチレン)(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウムジクロリド
錯体B : (1,3−ジメシチル−4−イミダゾリン−2−イリデン)(3−フェニル−1H−インデン−1−イリデン)(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウムジクロリド
錯体C : (3−ブテニリデン−2−ピリジン)(1,3−ジメシチル−4−イミダゾリン−2−イリデン)(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウムジクロリド
[実施例2]
(1,3−ジメシチル−4,5−ジブロモ−4−イミダゾリン−2−イリデン)(2−ピロリドン−1−イルメチレン)(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウムジクロリドを、(1,3−ジメシチル−4−イミダゾリン−2−イリデン)(3−フェニル−1H−インデン−1−イリデン)(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウムジクロリド 0.120部に替え、ジシクロヘキシルホスフィンの量を0.238部に変え、塊状重合に用いる加熱炉の温度を145℃に変えた以外は実施例1と同様にして、重合性組成物、プリプレグおよび両面銅張積層板の作製を行った。
[実施例3]
(1,3−ジメシチル−4,5−ジブロモ−4−イミダゾリン−2−イリデン)(2−ピロリドン−1−イルメチレン)(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウムジクロリドを、(3−ブテニリデン−2−ピリジン)(1,3−ジメシチルイミダゾリジン−2−イリデン)(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウムジクロリド 0.127部に替え、ジシクロヘキシルホスフィンをトリフェニルホスフィン 0.197部に替え、塊状重合に用いる加熱炉の温度を145℃に変えた以外は実施例1と同様にして、重合性組成物、プリプレグおよび両面銅張積層板の作製を行った。
[実施例4]
インデンを、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン 2.46部に替えた以外は実施例3と同様にして、重合性組成物、プリプレグおよび両面銅張積層板の作製を行った。
[実施例5]
40℃で調製された触媒液を0℃で冷却する代わりに25℃で冷却し、25℃での冷却を4時間以上経過したものを、25℃に温度調整されたモノマー液に添加した以外は実施例3と同様にして、重合性組成物、プリプレグおよび両面銅張積層板の作製を行った。
[実施例6]
触媒液の調製温度を40℃から25℃に変えた以外は実施例5と同様にして、重合性組成物、プリプレグおよび両面銅張積層板の作製を行った。
[実施例7]
メタクリル酸ウンデセニルをアリルメタクリレート 2.7部に替えた以外は実施例6と同様にして、重合性組成物、プリプレグおよび両面銅張積層板の作製を行なった。
[実施例8]
(1,3−ジメシチル−4,5−ジブロモ−4−イミダゾリン−2−イリデン)(2−ピロリドン−1−イルメチレン)(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウムジクロリドを、ベンジリデン(1,3−ジメシチル−4−イミダゾリジン−2−イリデン)(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウムジクロリド 0.127部に替え、ジシクロヘキシルホスフィンをトリフェニルホスフィン 0.191部に替え、触媒液の調製温度を40℃から25℃に変え、調製された触媒液を0℃で冷却する代わりに25℃で冷却し、25℃での冷却を4時間以上経過したものを、25℃に温度調整されたモノマー液に添加し、塊状重合に用いる加熱炉の温度を145℃に変えた以外は実施例1と同様にして、重合性組成物、プリプレグおよび両面銅張積層板の作製を行なった。
Figure 0005407857
錯体C : (3−ブテニリデン−2−ピリジン)(1,3−ジメシチル−4−イミダゾリン−2−イリデン)(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウムジクロリド
錯体D : ベンジリデン(1,3−ジメシチル−4−イミダゾリン−2−イリデン)(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウムジクロリド
[比較例1]
インデン 2.50部に代えて、テトラヒドロフラン 2.25部を用いたこと以外は実施例7と同様にして、重合性組成物、プリプレグおよび両面銅張積層板の作製を行なった。
[比較例2]
インデン 2.50部に代えて、テトラヒドロフラン 2.25部を用いたこと以外は実施例8と同様にして、重合性組成物、プリプレグおよび両面銅張積層板の作製を行なった。
以上の結果から、テトラヒドロフランなどの溶媒とルテニウムカルベン錯体との触媒液を用いた重合性組成物(比較例)は、ポットライフが短く、半田耐熱性、誘電正接においても十分な特性を得られないことがわかる。
一方、本発明に従って調製された、インデンやテトラリンと、ルテニウムカルベン錯体との触媒液を用いた重合性組成物(実施例)は、ポットライフが長く、繊維材等への含浸性に優れている。そして、実施例で得られたプリプレグ等は、半田耐熱性、密着性、誘電正接においてバランスのとれた優れた特性を示すことがわかる。

Claims (14)

  1. 芳香環を有する多環炭化水素化合物およびルテニウムカルベン錯体を含有する触媒液と、シクロオレフィンモノマーとを混合してなる重合性組成物。
  2. 前記芳香環を有する多環炭化水素化合物が縮合二環式炭化水素化合物である請求項1に記載の重合性組成物。
  3. 前記芳香環を有する多環炭化水素化合物の融点が80℃未満である請求項1または2に記載の重合性組成物。
  4. 前記芳香環を有する多環炭化水素化合物がインデンまたはテトラリンである請求項1に記載の重合性組成物。
  5. 前記ルテニウムカルベン錯体が、式(A)、式(B)、式(C)、式(D)および式(E)で表される化合物から選ばれる少なくとも1つの化合物である請求項1〜4のいずれかに記載の重合性組成物。

    Figure 0005407857

    Figure 0005407857

    Figure 0005407857

    Figure 0005407857

    Figure 0005407857

    式(A)、(B)、(C)、(D)および(E)中の、X1およびX2はアニオン性配位子であり、L1およびL2は、それぞれ独立に、ヘテロ原子含有カルベン化合物または中性電子供与性化合物であり、RおよびR6は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、またはハロゲン原子、酸素原子、窒素原子、硫黄原子、リン原子もしくは珪素原子を含んでもよい炭素数1〜20の炭化水素基である。式(A)および式(B)中の点線部は二重結合になっていてもよい。
  6. さらに連鎖移動剤を含有する請求項1〜5のいずれかに記載の重合性組成物。
  7. さらに架橋剤を含有する請求項1〜6のいずれかに記載の重合性組成物。
  8. ルテニウムカルベン錯体を、芳香環を有する多環炭化水素化合物に添加して触媒液を調製する工程(I)、および前記触媒液とシクロオレフィンモノマーとを混合する工程(II)を含む重合性組成物の製造方法。
  9. 請求項1〜7のいずれかに記載の重合性組成物を重合する工程(III)を含む重合体の製造方法。
  10. 前記工程(I)を、30℃〜60℃で行う、請求項8に記載の製造方法。
  11. 前記工程(II)を、0℃〜25℃で行う、請求項8に記載の製造方法。
  12. 前記工程(III)を、80℃以上で行う、請求項に記載の製造方法。
  13. 請求項1〜7のいずれかに記載の重合性組成物を支持体に塗布または含浸し、重合する工程を含む、重合体と支持体との複合成形体の製造方法。
  14. 請求項7に記載の重合性組成物を重合し重合体を得る工程、該重合体を架橋する工程を含む、架橋体の製造方法。
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