JP5407857B2 - 重合性組成物 - Google Patents
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Description
特許文献2のノルボルネン系樹脂組成物は溶媒を含有しているので、それを除去する工程が必要であり、また溶媒除去に際し膨れなどの不具合を生じるおそれが予測された。
また、メタセシス重合触媒は少量の不活性溶剤に溶解または懸濁して使用することができることが開示されており、不活性溶剤として、n−ペンタン、n−ヘキサン、流動パラフィンなどの鎖状脂肪族炭化水素;シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、デカヒドロナフタレン、ジシクロヘプタン、トリシクロデカン、ヘキサヒドロインデン、シクロオクタンなどの脂環式炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素;ニトロメタン、ニトロベンゼン、アセトニトリルなどの含窒素炭化水素;ジエチルエーテル、テトラヒドロフランなどの含酸素炭化水素などが挙げられている。
メタセシス重合触媒を溶解または分散させる液体として、ペンタン、ヘキサン、オクタン、シクロヘキサン、ベンゼン、スチレンなどの炭化水素系溶剤;アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、テトラヒドロフランなどのエーテル、ケトン類溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル系溶剤;塩化メチレン、クロロホルム、トリクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素類;灯油、ガソリン、スピンドル油、ミネラルターペン、流動パラフィン、シリコンオイルなどの鉱物油、合成油;牛脂、スクワラン、大豆油、やし油などの動植物油などが挙げられている。
(1) 芳香環を有する多環炭化水素化合物およびルテニウムカルベン錯体を含有する触媒液と、シクロオレフィンモノマーとを混合してなる重合性組成物。
(2) 前記芳香環を有する多環炭化水素化合物が縮合二環式炭化水素化合物である前記の重合性組成物。
(3) 前記芳香環を有する多環炭化水素化合物の融点が80℃未満である前記の重合性組成物。
(4) 前記芳香環を有する多環炭化水素化合物がインデンまたはテトラリンである前記の重合性組成物。
(5) 前記ルテニウムカルベン錯体が、式(A)、式(B)、式(C)、式(D)および式(E)で表される化合物から選ばれる少なくとも1つの化合物である前記の重合性組成物。
(7) さらに架橋剤を含有する前記の重合性組成物。
(10) 前記の重合性組成物を重合する工程(III)を含む重合体の製造方法。
(11) 前記工程(I)を、30℃〜60℃で行う、前記の重合性組成物の製造方法。
(12) 前記工程(II)を、0℃〜25℃で行う、前記の重合性組成物の製造方法。
(13) 前記工程(III)を、80℃以上で行う、前記の重合体の製造方法。
(14) 前記の重合性組成物を支持体に塗布または含浸し、重合する工程を含む、重合体と支持体との複合成形体の製造方法。
(15) 前記の重合性組成物を重合し重合体を得る工程、該重合体を架橋する工程を含む、架橋体の製造方法。
本発明の重合性組成物を重合し次いで架橋させると、電気絶縁性、密着性、機械的強度、耐熱性、誘電特性などの特性に優れた架橋体が安定的に高効率で生産できる。
この架橋体を、フィルム状の基材に積層することによって、または繊維材と複合することによって、上記特性を備えた複合架橋体を得ることができる。
本発明の重合性組成物を用いて得られた架橋体、および複合架橋体は、電気回路基板に使用する電気材料等として好適である。
本発明の重合性組成物は、芳香環を有する多環炭化水素化合物およびルテニウムカルベン錯体を含有する触媒液と、シクロオレフィンモノマーとを混合してなるものである。
本発明の重合性組成物を構成するシクロオレフィンモノマーは、炭素原子で形成される環構造を有し、該環中に炭素−炭素二重結合を有し、該炭素−炭素二重結合がメタセシス反応によって開環し、重合体を生成し得る化合物である。その例として、ノルボルネン系モノマーおよび単環シクロオレフィン類が挙げられ、好ましいものとしてノルボルネン系モノマーが挙げられる。
ノルボルネン系モノマーは、ノルボルネン環を含むモノマーである。具体的には、ノルボルネン類、ジシクロペンタジエン類、テトラシクロドデセン類などが挙げられる。これらは、アルキル基、アルケニル基、アルキリデン基、アリール基などの炭化水素基や、カルボキシル基または酸無水物基などの極性基が置換基として含まれていてもよい。また、ノルボルネン環の二重結合以外に、さらに別の二重結合を有していてもよい。これらの中でも、極性基を含まない、すなわち炭素原子と水素原子のみで構成されるノルボルネン系モノマーが好ましい。ノルボルネン系モノマーを構成する環の数は、3〜6であるものが好ましく、3または4であるものがより好ましく、4であるものが特に好ましい。
ジシクロペンタジエン、メチルジシクロペンタジエン、ジヒドロジシクロペンタジエン(トリシクロ[5.2.1.02,6]デカ−8−エンとも言う。)などの環の数が3であるジシクロペンタジエン類;
これらのシクロオレフィンモノマーは1種単独で若しくは2種以上を組み合わせて用いることができる。2種以上のモノマーを併用し、そのブレンド比を変化させることで、得られる重合体および架橋体のガラス転移温度や溶融温度を自由に制御することが可能である。
触媒液を構成するルテニウムカルベン錯体は、シクロオレフィンモノマーを、メタセシス開環重合させるものであれば特に限定されない。
ルテニウムカルベン錯体は、ルテニウム原子を中心にして、イオン、原子、多原子イオンおよび/または化合物が複数結合してなる錯体であって、ルテニウム原子にカルベン炭素が二重結合した構造(Ru=C)を有するものである。
かかる化合物の配位子としては、L1がホスフィン類であり、L2が前記式(4)で表される化合物であるものが最も好ましい。
活性剤の量は、(ルテニウム金属原子:活性剤)のモル比で、通常、1:0.05〜1:100、好ましくは1:0.2〜1:20、より好ましくは1:0.5〜1:10の範囲である。
触媒液を構成する芳香環を有する多環炭化水素化合物は、ルテニウムカルベン錯体を溶解または懸濁することができるものである。
該多環炭化水素化合物は、分子中に炭化水素環を2以上有し、そのうちの少なくとも1個が芳香環(=ベンゼン環)である。芳香環以外の炭化水素環は脂環である。脂環は、飽和脂環であっても、不飽和脂環であってもよい。ただし、該多環炭化水素化合物は、前記シクロオレフィンモノマーの概念を含むものではない。従って、該多環炭化水素化合物は、分子中に炭素−炭素二重結合を有する場合に、該炭素−炭素二重結合がメタセシス反応によって開環し、重合体を生成し得る化合物ではない。該多環炭化水素化合物はルテニウムカルベン錯体に対して不活性であることが好ましい。
2以上の炭化水素環は、単結合または二重結合で繋がったものであってもよいし、炭化水素基で繋がったものであってもよいし、1以上の炭素を共有し縮合したものであってもよい。これらのうち、前記芳香環を有する多環炭化水素化合物は、縮合二環式炭化水素化合物であることが好ましい。
ルテニウムカルベン錯体の活性は、重合体の重合転化率及び分子量分布によって評価される。ルテニウムカルベン錯体の活性が高いと、重合転化率が高く、分子量分布が小さくなる。また、ルテニウムカルベン錯体の活性が低いと、重合転化率が低く、分子量分布が大きくなる。
本発明の重合性組成物は、重合反応の連鎖移動剤をさらに含有することが好ましい。連鎖移動剤を含むことにより、室温以下での重合反応の進行を抑制することができる。
連鎖移動剤として、通常、置換基を有していてもよい鎖状のオレフィン類を用いることができる。
アルキレン基の炭素数は特に制限されないが、通常1〜20、好ましくは4〜12である。この構造の連鎖移動剤を用いることで、より強度の高い架橋体または複合架橋体を得ることが可能になる。
式(F)で表される化合物としては、メタクリル酸アリル、メタクリル酸3−ブテン−1−イル、アクリル酸アリル、アクリル酸3−ブテン−1−イル、メタクリル酸ウンデセニル、メタクリル酸ヘキセニルなどが挙げられる。中でも、メタクリル酸ウンデセニルおよびメタクリル酸ヘキセニルが特に好ましい。
重合性組成物は、塊状重合後に架橋性を有する重合体とするために、さらに架橋剤を含有することが好ましい。架橋剤は架橋性の官能基を有する化合物である。該官能基としては、例えば、炭素−炭素二重結合、カルボン酸基、酸無水物基、水酸基、アミノ基、活性ハロゲン原子、エポキシ基などが挙げられる。
有機過酸化物としては、例えば、t−ブチルヒドロペルオキシド、p−メンタンヒドロペルオキシド、クメンヒドロペルオキシドなどのヒドロペルオキシド類;ジクミルペルオキシド、t−ブチルクミルペルオキシド、α,α’−ビス(t−ブチルペルオキシ−m−イソプロピル)ベンゼン、ジ−t−ブチルペルオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルペルオキシ)−3−ヘキシン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルペルオキシ)ヘキサンなどのジアルキルペルオキシド類;ジプロピオニルペルオキシド、ベンゾイルペルオキシドなどのジアシルペルオキシド類;2,2−ジ(t−ブチルペルオキシ)ブタン、1,1−ジ(t−ヘキシルペルオキシ)シクロヘキサン、1,1−ジ(t−ブチルペルオキシ)−2−メチルシクロヘキサン、1,1−ジ(t−ブチルペルオキシ)シクロヘキサンなどのペルオキシケタール類;t−ブチルペルオキシアセテート、t−ブチルペルオキシベンゾエートなどのペルオキシエステル類;t−ブチルペルオキシイソプロピルカルボナート、ジ(イソプロピルペルオキシ)ジカルボナートなどのペルオキシカルボナート;t−ブチルトリメチルシリルペルオキシドなどのアルキルシリルペルオキサシド類およびペルオキシケタール類;などが挙げられる。中でも、メタセシス重合反応に対する障害が少ない点で、ジアルキルペルオキシド類およびペルオキシケタール類が好ましい。
前記重合性組成物には、各種の添加剤、例えば、重合反応遅延剤、ラジカル架橋遅延剤、強化材、改質剤、酸化防止剤、難燃剤、充填剤、着色剤、光安定剤などを含有させることができる。これらは、後述するモノマー液または触媒液に予め溶解または分散させて用いることができる。
また、ノルボルネン系モノマーと共重合可能な環状オレフィン系モノマーのうち、分子内に1,5−ジエン構造や1,3,5−トリエン構造を有する環状オレフィンは重合反応遅延剤としても機能する。このような化合物としては、1,5−シクロオクタジエン、5−ビニル−2−ノルボルネンなどが挙げられる。
改質剤としては、天然ゴム、スチレン−ブタジエン共重合体(SBR)、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SBS)、スチレン−イソプレン−スチレン共重合体(SIS)、エチレン−プロピレン−ジエンターポリマー(EPDM)、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)およびこれらの水素化物などのエラストマーなどが挙げられる。
触媒液とモノマー液との混合は、0〜25℃で行うことが好ましい。混合時の温度が低すぎるとモノマー液の粘度が高くなり、触媒液を均一に混合することが困難になる。混合時の温度が高すぎると重合反応が急激に進行するおそれがある。
本発明の重合体は、前記重合性組成物を重合することによって得られる。
重合性組成物を重合する方法としては、(a)重合性組成物を支持体に注ぐかまたは塗布し、塊状重合する方法、(b)重合性組成物を型内に注ぎこみ、塊状重合する方法、(c)重合性組成物を支持体に含浸し塊状重合する方法などが挙げられる。なお、(a)または(c)の方法によって前記重合性組成物を塊状重合すると、支持体と重合体とを含む複合成形体が得られる。
重合性組成物を所定温度に加熱する方法は特に制約されず、加熱プレート上に載せて加熱する方法、プレス機を用いて加圧しながら加熱(熱プレス)する方法、加熱したローラーで押圧する方法、加熱炉を用いる方法などが挙げられる。
熱プレスまたはローラーによって得られる重合体のフィルムは、厚さが通常15mm以下、好ましくは10mm以下、より好ましくは5mm以下である。
また、本発明の重合性組成物は反応に関与しない溶媒等の含有量が少ないので、繊維材に含浸させた後に溶媒を除去するなどの工程が不要であり、生産性に優れ、残存溶媒による臭気やフクレ等も生じない。
さらに、本発明の重合体は保存安定性に優れるので、得られるプリプレグは保存安定性に優れる。
また、本発明の複合成形体は、該重合体と前記支持体とが一体化されてなる複合材料である。
さらに、前記の非極性ラジカル発生剤として分解温度の高いものを用いると、架橋時において、重合体が適度に流動し、金属箔などの支持体との密着性、配線板への埋め込み性が良好になる。また、該重合体を架橋して得られる架橋体の誘電損失(tanδ)は著しく小さくなり、電気特性に優れている。
本発明の架橋体は前記重合体を架橋してなるものである。
重合体の架橋は、例えば、本発明の重合体を加熱溶融するなどして、重合体が架橋反応を起す温度以上に維持することによって行うことができる。重合体を架橋させるときの温度は、前記塊状重合時のピーク温度より20℃以上高いことが好ましく、通常170〜250℃、好ましくは180〜220℃である。また、架橋する時間は特に制約されないが、通常数分間から数時間である。
本発明の複合架橋体は、前記架橋体と支持体とを含んでなるものである。
本発明の複合架橋体は、前述の重合体と支持体とを含む複合成形体を架橋することによって得られる。また、前述の重合体の成形体を支持体上で加熱して架橋することによって、または、前述の重合体と支持体とを含む複合成形体を別の支持体上で加熱して架橋することによっても得られる。
ここで用いられる新たな支持体としては、銅箔、アルミ箔、ニッケル箔、クロム箔、金箔、銀箔などの金属箔;プリント配線板;導電性ポリマーフィルム、他の樹脂フィルムなどのフィルム類;などが挙げられる。また、該支持体としてプリント配線板を用いると、多層プリント配線板を製造することができる。
銅箔などの金属箔やプリント配線板上の導電層は、その表面が、シランカップリング剤、チオール系カップリング剤、チタネート系カップリング剤、各種接着剤などで処理されているものが好ましい。これらのうちシランカップリング剤で処理されているものが特に好ましい。
(ポットライフの評価)
モノマー液に触媒液を添加した直後の重合性組成物の粘度(η0)をE型粘度計で測定し、次いでこの重合性組成物を0℃条件下で30分間放置した後の粘度(η1)を同じくE型粘度計で測定した。30分間放置後の粘度(η1)の初期粘度(η0)からの変化率(=(η1−η0)/η0×100)を求めた。変化率を以下の指標にて表記した。
A:粘度変化率が、10%未満
B:粘度変化率が、10%以上50%未満
C:粘度変化率が、50%以上100%未満
D:粘度変化率が、100%以上
プリプレグを2cm角に切り出し、これをテトラヒドロフラン5mlに漬けて溶質分を溶解させた。この溶液をテトラヒドロフランを展開溶媒とするゲル・パミエーション・クロマトグラフィー法にて測定し、標準ポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)と分子量分布(Mw/Mn)を求めた。
プリプレグを7cm角に切り出し、これをトルエン3.5mlに漬けて溶質分を溶解させた。この溶液をガスクロマトグラフィーにて測定し、残存モノマーの量を定量し、重合転化率を算出し、以下の指標で表した。
A:重合転化率が、98%以上
B:重合転化率が、95%以上98%未満
C:重合転化率が、90%以上95%未満
D:重合転化率が、90%未満
両面銅張積層板から2.5mm角の試料を切り出し、JIS C6481準拠のはんだ耐熱性試験を行った。はんだ浴の温度は260℃であり、試料の浸漬時間は30秒間とした。この試料10個について試験を行い、それらの中で膨れや剥がれ、またはクラック等が発生した試料の数を数えた。
真空プレスにて作製した両面銅張積層板から25mm×100mmのサンプルを切り出し、表面の銅箔をアルカリ脱脂、ソフトエッチング、10%硫酸処理した。この銅箔の処理面にドライフィルムレジスト(日立化成工業社製 RY−3215)をラミネートし、JIS C6481の引きはがし強さのパターンが反転して印刷されたフィルムフォトマスクをレジストの上に重ねて、フォトレジスト用露光装置(オーク製作所製 EXP−2805)にて露光した。次いで、1%炭酸ナトリウム水溶液にてレジストを現像し、塩化銅(II)水溶液にて銅箔のエッチングを行い、さらに5%水酸化ナトリウム水溶液にて残ったレジストを剥離してピール強度測定用サンプルを作製した。このようにして作製したピール強度測定用サンプルの銅箔をJIS C6481に従って、クロスヘッドの速度を50mm/分に設定した引っ張り試験機にて90°剥離試験を行い導体のピール強度を測定した。
真空プレスにて作製した両面銅張積層板から25mm角の試料を切り出し、表面の銅箔を塩化銅(II)水溶液にてエッチングした。次いでインピーダンスアナライザー(アジレントテクノロジー社製 E4991)にて1GHzの誘電正接(tanδ)を測定した。
攪拌子を入れたガラス製フラスコ中に、ルテニウムカルベン錯体として(1,3−ジメシチル−4,5−ジブロモ−4−イミダゾリン−2−イリデン)(2−ピロリドン−1−イルメチレン)(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウムジクロリド 0.128部、重合反応遅延剤としてジシクロヘキシルホスフィン 0.254部、および芳香環を有する多環炭化水素化合物としてインデン 2.50部を加え、40℃の水浴中で30分間攪拌し、触媒液を調製した。調製された触媒液を0℃に冷却した。0℃で4時間以上経過したものを重合性組成物用の触媒液として使用した。
錯体B : (1,3−ジメシチル−4−イミダゾリン−2−イリデン)(3−フェニル−1H−インデン−1−イリデン)(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウムジクロリド
錯体C : (3−ブテニリデン−2−ピリジン)(1,3−ジメシチル−4−イミダゾリン−2−イリデン)(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウムジクロリド
(1,3−ジメシチル−4,5−ジブロモ−4−イミダゾリン−2−イリデン)(2−ピロリドン−1−イルメチレン)(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウムジクロリドを、(1,3−ジメシチル−4−イミダゾリン−2−イリデン)(3−フェニル−1H−インデン−1−イリデン)(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウムジクロリド 0.120部に替え、ジシクロヘキシルホスフィンの量を0.238部に変え、塊状重合に用いる加熱炉の温度を145℃に変えた以外は実施例1と同様にして、重合性組成物、プリプレグおよび両面銅張積層板の作製を行った。
(1,3−ジメシチル−4,5−ジブロモ−4−イミダゾリン−2−イリデン)(2−ピロリドン−1−イルメチレン)(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウムジクロリドを、(3−ブテニリデン−2−ピリジン)(1,3−ジメシチルイミダゾリジン−2−イリデン)(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウムジクロリド 0.127部に替え、ジシクロヘキシルホスフィンをトリフェニルホスフィン 0.197部に替え、塊状重合に用いる加熱炉の温度を145℃に変えた以外は実施例1と同様にして、重合性組成物、プリプレグおよび両面銅張積層板の作製を行った。
インデンを、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン 2.46部に替えた以外は実施例3と同様にして、重合性組成物、プリプレグおよび両面銅張積層板の作製を行った。
40℃で調製された触媒液を0℃で冷却する代わりに25℃で冷却し、25℃での冷却を4時間以上経過したものを、25℃に温度調整されたモノマー液に添加した以外は実施例3と同様にして、重合性組成物、プリプレグおよび両面銅張積層板の作製を行った。
触媒液の調製温度を40℃から25℃に変えた以外は実施例5と同様にして、重合性組成物、プリプレグおよび両面銅張積層板の作製を行った。
メタクリル酸ウンデセニルをアリルメタクリレート 2.7部に替えた以外は実施例6と同様にして、重合性組成物、プリプレグおよび両面銅張積層板の作製を行なった。
(1,3−ジメシチル−4,5−ジブロモ−4−イミダゾリン−2−イリデン)(2−ピロリドン−1−イルメチレン)(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウムジクロリドを、ベンジリデン(1,3−ジメシチル−4−イミダゾリジン−2−イリデン)(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウムジクロリド 0.127部に替え、ジシクロヘキシルホスフィンをトリフェニルホスフィン 0.191部に替え、触媒液の調製温度を40℃から25℃に変え、調製された触媒液を0℃で冷却する代わりに25℃で冷却し、25℃での冷却を4時間以上経過したものを、25℃に温度調整されたモノマー液に添加し、塊状重合に用いる加熱炉の温度を145℃に変えた以外は実施例1と同様にして、重合性組成物、プリプレグおよび両面銅張積層板の作製を行なった。
錯体D : ベンジリデン(1,3−ジメシチル−4−イミダゾリン−2−イリデン)(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウムジクロリド
インデン 2.50部に代えて、テトラヒドロフラン 2.25部を用いたこと以外は実施例7と同様にして、重合性組成物、プリプレグおよび両面銅張積層板の作製を行なった。
インデン 2.50部に代えて、テトラヒドロフラン 2.25部を用いたこと以外は実施例8と同様にして、重合性組成物、プリプレグおよび両面銅張積層板の作製を行なった。
一方、本発明に従って調製された、インデンやテトラリンと、ルテニウムカルベン錯体との触媒液を用いた重合性組成物(実施例)は、ポットライフが長く、繊維材等への含浸性に優れている。そして、実施例で得られたプリプレグ等は、半田耐熱性、密着性、誘電正接においてバランスのとれた優れた特性を示すことがわかる。
Claims (14)
- 芳香環を有する多環炭化水素化合物およびルテニウムカルベン錯体を含有する触媒液と、シクロオレフィンモノマーとを混合してなる重合性組成物。
- 前記芳香環を有する多環炭化水素化合物が縮合二環式炭化水素化合物である請求項1に記載の重合性組成物。
- 前記芳香環を有する多環炭化水素化合物の融点が80℃未満である請求項1または2に記載の重合性組成物。
- 前記芳香環を有する多環炭化水素化合物がインデンまたはテトラリンである請求項1に記載の重合性組成物。
- 前記ルテニウムカルベン錯体が、式(A)、式(B)、式(C)、式(D)および式(E)で表される化合物から選ばれる少なくとも1つの化合物である請求項1〜4のいずれかに記載の重合性組成物。
式(A)、(B)、(C)、(D)および(E)中の、X1およびX2はアニオン性配位子であり、L1およびL2は、それぞれ独立に、ヘテロ原子含有カルベン化合物または中性電子供与性化合物であり、RおよびR6は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、またはハロゲン原子、酸素原子、窒素原子、硫黄原子、リン原子もしくは珪素原子を含んでもよい炭素数1〜20の炭化水素基である。式(A)および式(B)中の点線部は二重結合になっていてもよい。 - さらに連鎖移動剤を含有する請求項1〜5のいずれかに記載の重合性組成物。
- さらに架橋剤を含有する請求項1〜6のいずれかに記載の重合性組成物。
- ルテニウムカルベン錯体を、芳香環を有する多環炭化水素化合物に添加して触媒液を調製する工程(I)、および前記触媒液とシクロオレフィンモノマーとを混合する工程(II)を含む重合性組成物の製造方法。
- 請求項1〜7のいずれかに記載の重合性組成物を重合する工程(III)を含む重合体の製造方法。
- 前記工程(I)を、30℃〜60℃で行う、請求項8に記載の製造方法。
- 前記工程(II)を、0℃〜25℃で行う、請求項8に記載の製造方法。
- 前記工程(III)を、80℃以上で行う、請求項9に記載の製造方法。
- 請求項1〜7のいずれかに記載の重合性組成物を支持体に塗布または含浸し、重合する工程を含む、重合体と支持体との複合成形体の製造方法。
- 請求項7に記載の重合性組成物を重合し重合体を得る工程、該重合体を架橋する工程を含む、架橋体の製造方法。
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