JP2013129718A - 重合性組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】電気回路基板などに好適な、高周波領域での誘電正接が小さく、耐クラック性、電気絶縁性、密着性、機械的強度、誘電特性などの特性に優れた架橋樹脂、架橋樹脂複合体、または架橋樹脂積層体を得ることができる、塗布や含侵に適した重合性組成物を提供する。
【解決手段】シクロオレフィン系モノマー(A)、メタセシス重合触媒(B)、およびベンゾシクロブテン構造を分子内に二つ以上有する化合物(C)を含む重合性組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、重合性組成物に関する。より詳細には、本発明は、電気回路基板などに好適な、高周波領域での誘電正接が小さく、耐クラック性、電気絶縁性、密着性、機械的強度、誘電特性などの特性に優れた架橋樹脂、架橋樹脂複合体、または架橋樹脂積層体を得ることができる、塗布や含侵に適した重合性組成物に関する。
ノルボルネン系モノマーを開環メタセシス重合して得られる熱可塑性ノルボルネン系樹脂を有機過酸化物などの架橋剤で架橋させることによって架橋樹脂の成形体が得られる。例えば、特許文献1には、熱可塑性水素化開環ノルボルネン系樹脂に、有機過酸化物および架橋助剤を添加し、均一に分散させてノルボルネン系樹脂組成物を得、この組成物をフィルムやプリプレグに成形し、基板と積層し、次いで加熱加圧成形して架橋・熱融着させて、架橋樹脂成形体を得たことが記載されている。そして特許文献1には、該架橋樹脂成形体が層間絶縁膜、防湿層形成用フィルムなどとして有用であると記載されている。
特許文献2には、ノルボルネン系モノマー、メタセシス重合触媒、連鎖移動剤および架橋剤を含む重合性組成物において、連鎖移動剤として式(A):CH2=CH−Y−OCO−CR1=CH2で表される化合物(式(A)中、Yは炭素数3〜20の二価の炭化水素基を、R1は水素原子またはメチル基を表す。)を用いることによって、電気絶縁性、密着性、機械的強度、耐熱性、などに優れた架橋体または複合体を得たことが開示されている。
また、ノルボルネン系モノマーを付加重合して得られるポリノルボルネンは、電気特性及び耐熱性が高いことが知られている。例えば、特許文献3には、多層配電板の層間絶縁層の材料として、ジビニルシロキサンビスベンゾシクロブテン及び/又はジビニルシロキサンビスベンゾシクロブテンを重合して得られる重合体、並びに、特定のポリノルボルネンを含んでなる樹脂組成物が開示されている。その特定のポリノルボルネンとして、ノルボルネン系化合物を付加共重合して得られるものが開示されている。
特許文献4には、低吸湿性や耐熱性、機械的特性や電気的特性等に優れて電気・電子部品の封止処理や固着処理などに好適な熱硬化性樹脂として、不飽和基含有のポリフェニレンエーテル系樹脂と、ベンゾシクロブテン基含有化合物を成分とすることを特徴とする熱硬化性樹脂が開示されている。そのベンゾシクロブテン基含有化合物として、ジビニルシロキサンビスベンゾシクロブテン(CYCLOTENE(登録商標)3022、ダウケミカル社製)が開示されている。
特開平6−248164号公報 WO2008/047895 特開2005−60472号公報 特開平9−194549号公報
ところが、近年の技術開発の進展の速さから、上記特許文献2に開示されている方法で得られる、架橋体と基板とが積層されてなる複合体においても、高周波領域での誘電正接のさらなる低下、ならびに耐クラック性のさらなる向上が求められている。
また、上記特許文献3に開示されている樹脂組成物は、高周波領域での誘電正接の小ささなどの電気特性や耐クラック性が不十分である。
本発明の目的は、電気回路基板などに好適な、高周波領域での誘電正接が小さく、耐クラック性、電気絶縁性、密着性、機械的強度、誘電特性などの特性に優れた架橋樹脂、架橋樹脂複合体、または架橋樹脂積層体を得ることができる、塗布や含侵に適した重合性組成物を提供することである。
本発明者は、上記目的を達成すべく鋭意検討した。その結果、シクロオレフィン系モノマー、およびメタセシス重合触媒を含む重合性組成物に、更にベンゾシクロブテン構造を分子内に二つ以上有する化合物を含ませると、得られる架橋樹脂は、高周波領域での誘電正接が小さく、耐クラック性に優れていることを見出した。本発明は、この知見に基づき、さらに検討し、完成するに至ったものである。
すなわち、本発明は以下の態様を含む。
[1] シクロオレフィン系モノマー(A)、メタセシス重合触媒(B)、およびベンゾシクロブテン構造を分子内に二つ以上有する化合物(C)を含む重合性組成物。
[2] シクロオレフィン系モノマー(A)が、ノルボルネン系モノマーである[1]に記載の重合性組成物。
[3] ベンゾシクロブテン構造を分子内に二つ以上有する化合物(C)が、式(1)で示される化合物である[1]または[2]に記載の重合性組成物。
Figure 2013129718
[4] [1]〜[3]のいずれかひとつに記載の重合性組成物を塊状重合して得られる、架橋性樹脂。
[5] 支持体と、当該支持体に含浸または被覆された[4]に記載の架橋性樹脂とを含む、架橋性樹脂複合体。
[6] 基体と、当該基体に積層された[4]に記載の架橋性樹脂または請求項5に記載の架橋性樹脂複合体とを含む、架橋性樹脂積層体。
[7] [4]に記載の架橋性樹脂を架橋してなる架橋樹脂。
[8] 支持体と、当該支持体に含浸または被覆された[7]に記載の架橋樹脂とを含む、架橋樹脂複合体。
[9] 基体と、当該基体に積層された[7]に記載の架橋樹脂または請求項8に記載の架橋樹脂複合体とを含む、架橋樹脂積層体。
[10] [1]〜[3]のいずれかひとつに記載の重合性組成物を塊状重合する工程を含む、架橋性樹脂の製造方法。
[11] [1]〜[3]のいずれかひとつに記載の重合性組成物を支持体に含浸または被覆し、次いで塊状重合する工程を含む、架橋性樹脂複合体の製造方法。
[12] [4]に記載の架橋性樹脂を架橋する工程を含む、架橋樹脂の製造方法。
[13] [4]に記載の架橋性樹脂または請求項5に記載の架橋性樹脂複合体を基体に積層し、次いで架橋する工程を含む、架橋樹脂積層体の製造方法。
[14] [5]に記載の架橋性樹脂複合体を架橋する工程を含む、架橋樹脂複合体の製造方法。
本発明の重合性組成物は、それを塊状重合することによって絶縁特性などに優れた架橋性樹脂を提供できる。本発明の重合性組成物から得られる架橋性樹脂を架橋することによって電気回路基板に使用する電気材料などとして好適な架橋樹脂を得ることができる。
本発明の重合性組成物は、塗布や含浸に適しているので、支持体に容易に含浸または被覆させることができる。支持体に含浸または被覆させた重合性組成物を塊状重合することによって容易に架橋性樹脂複合体を得ることができ、また、架橋性樹脂複合体を基体に積層させることにより架橋性樹脂積層体を得ることができる。当該架橋性樹脂複合体または架橋性樹脂積層体を、架橋させることによって、架橋樹脂複合体または架橋樹脂積層体を得ることができる。これら架橋樹脂、架橋樹脂複合体および架橋樹脂積層体は、高周波領域での誘電正接が小さく、耐クラック性、電気絶縁性、密着性、機械的強度、誘電特性などの特性に優れている。
[重合性組成物]
本発明の重合性組成物は、シクロオレフィン系モノマー(A)、メタセシス重合触媒(B)、およびベンゾシクロブテン構造を分子内に二つ以上有する化合物(C)を含むものである。重合性組成物には、連鎖移動剤(D)、架橋剤(E)、その他の添加剤(F)がさらに含まれていてもよい。
以下、本発明の重合性組成物に用いられる(A)〜(F)の物質について説明する。
(シクロオレフィン系モノマー(A))
本発明の重合性組成物を構成するシクロオレフィン系モノマー(A)は、分子内に炭素原子で形成される脂環式構造を有し、該環中に炭素−炭素二重結合を有する化合物である。シクロオレフィン系モノマーを重合することでシクロオレフィン系ポリマーが得られる。
シクロオレフィン系モノマー(A)を構成する脂環式構造としては、単環、多環、縮合多環、橋かけ環およびこれらの組み合わせ多環などが挙げられる。脂環式構造を構成する炭素数に格別な制限はないが、通常4〜30個、好ましくは5〜20個、より好ましくは5〜15個である。
本発明においては、シクロオレフィン系モノマー(A)として、ノルボルネン系モノマーが好ましく用いられる。ノルボルネン系モノマーは、ノルボルネン環構造を分子内に有するシクロオレフィン系モノマーである。具体的には、ノルボルネン類、ジシクロペンタジエン類、テトラシクロドデセン類などが挙げられる。これらは、アルキル基、アルケニル基、アルキリデン基、アリール基などの炭化水素基や、カルボキシル基または酸無水物基などの極性基を置換基として有していてもよい。また、ノルボルネン環の中の二重結合以外に、さらに二重結合を有していてもよい。ノルボルネン系モノマーとしては以下の如きものを例示することが出来る。
極性基を含まないノルボルネン系モノマーとしては、ジシクロペンタジエン、メチルジシクロペンタジエン、ジヒドロジシクロペンタジエン(トリシクロ[5.2.1.02,6]デカ−8−エンとも言う。)などのジシクロペンタジエン類;
テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−4−エン、9−メチルテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−4−エン、9−エチルテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−4−エン、9−シクロヘキシルテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−4−エン、9−シクロペンチルテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−4−エン、9−メチレンテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−4−エン、9−エチリデンテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−4−エン、9−ビニルテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−4−エン、9−プロペニルテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−4−エン、9−シクロヘキセニルテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−4−エン、9−シクロペンテニルテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−4−エン、9−フェニルテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−4−エンなどのテトラシクロドデセン類;
2−ノルボルネン、5−メチル−2−ノルボルネン、5−エチル−2−ノルボルネン、5−ブチル−2−ノルボルネン、5−ヘキシル−2−ノルボルネン、5−デシル−2−ノルボルネン、5−シクロヘキシル−2−ノルボルネン、5−シクロペンチル−2−ノルボルネン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、5−ビニル−2−ノルボルネン、5−プロペニル−2−ノルボルネン、5−シクロヘキセニル−2−ノルボルネン、5−シクロペンテニル−2−ノルボルネン、5−フェニル−2−ノルボルネン、テトラシクロ[9.2.1.02,10.03,8]テトラデカ−3,5,7,12−テトラエン(1,4−メタノ−1,4,4a,9a−テトラヒドロ−9H−フルオレンとも言う。)、テトラシクロ[10.2.1.02,11.04,9]ペンタデカ−4,6,8,13−テトラエン(1,4−メタノ−1,4,4a,9,9a,10−ヘキサヒドロアントラセンとも言う。)などのノルボルネン類;
ペンタシクロ[6.5.1.13,6.02,7.09,13]ペンタデカ−4,10−ジエン、ペンタシクロ[9.2.1.14,7.02,10.03,8]ペンタデカ−5,12−ジエン、ヘキサシクロ[6.6.1.13,6.110,13.02,7.09,14]ヘプタデカ−4−エンなどの五環体以上の環状オレフィン類;などが挙げられる。
極性基を含むノルボルネン系モノマーとしては、テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−9−エン−4−カルボン酸メチル、テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−9−エン−4−メタノール、テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−9−エン−4−カルボン酸、テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−9−エン−4,5−ジカルボン酸、テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−9−エン−4,5−ジカルボン酸無水物、5−ノルボルネン−2−カルボン酸メチル、2−メチル−5−ノルボルネン−2−カルボン酸メチル、酢酸5−ノルボルネン−2−イル、5−ノルボルネン−2−メタノール、5−ノルボルネン−2−オール、5−ノルボルネン−2−カルボニトリル、2−アセチル−5−ノルボルネン、7−オキサ−2−ノルボルネン、メタクリル酸5−ノルボルネン−2−イル、アクリル酸5−ノルボルネン−2−イル、メタクリル酸5−ノルボルネン−2−イルメチル、アクリル酸5−ノルボルネン−2−イルメチル、メタクリル酸5−ノルボルネン−2−イルエチル、アクリル酸5−ノルボルネン−2−イルエチル、メタクリル酸5−ノルボルネン−2−イルプロピル、アクリル酸5−ノルボルネン−2−イルプロピル、メタクリル酸5−ノルボルネン−2−イルブチル、アクリル酸5−ノルボルネン−2−イルブチル、メタクリル酸5−ノルボルネン−2−イルヘキシル、アクリル酸5−ノルボルネン−2−イルヘキシル、メタクリル酸5−ノルボルネン−2−イルオクチル、アクリル酸5−ノルボルネン−2−イルオクチル、メタクリル酸5−ノルボルネン−2−イルデシル、アクリル酸5−ノルボルネン−2−イルデシルなどが挙げられる。
これらのノルボルネン系モノマーの中でも、極性基を含まない、すなわち炭素原子と水素原子のみで構成されるノルボルネン系モノマーが、誘電正接が小さい架橋樹脂、架橋樹脂複合体または架橋樹脂積層体を得ることができるので好ましい。
これらのノルボルネン系モノマーは1種単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。2種以上のモノマーを併用し、その量比を変化させることで、得られる架橋性樹脂のガラス転移温度や溶融温度を制御することが可能である。
その他のシクロオレフィン系モノマー(A)としては、単環シクロオレフィン系モノマーなどが挙げられる。単環シクロオレフィン系モノマーとしては、シクロブテン、シクロペンテン、シクロヘキセン、シクロヘプテン、シクロオクテン、シクロドデセン、1,5−シクロオクタジエンなどが挙げられる。これら単環シクロオレフィン系モノマーのうち、極性基を有しない単環シクロオレフィン系モノマーが好ましい。
本発明においては、ノルボルネン系モノマーとその他のシクロオレフィン系モノマーとを共重合させてもよい。その他のシクロオレフィン系モノマーの量は、使用するノルボルネン系モノマー100質量部に対して、好ましくは40質量部以下、より好ましくは20質量部以下である。その他のシクロオレフィン系モノマーの量が40質量部を超えると、塊状重合により得られる重合体の耐熱性が不十分となる場合がある。
(メタセシス触媒(B))
本発明の重合性組成物を構成するメタセシス重合触媒(B)は、シクロオレフィン系モノマーを、メタセシス開環重合させるものであれば特に限定されない。
メタセシス重合触媒(B)としては、遷移金属錯体が挙げられる。該錯体は遷移金属原子に、イオン、原子、多原子イオンおよび/または化合物が複数結合してなるものである。メタセシス重合触媒に用いられる遷移金属原子は特に限定されないが、長周期型周期律表における5族、6族および8族に属する原子が好ましい。5族に属する好ましい原子としてはタンタルが挙げられる。6族に属する好ましい原子としては、モリブデン、タングステンが挙げられる、8族に属する好ましい原子としては、ルテニウム、オスミウムが挙げられる。
これらの中でも、メタセシス重合触媒(B)としては、ルテニウムまたはオスミウムを含む錯体が好ましく、ルテニウムカルベン錯体が特に好ましい。ルテニウムまたはオスミウムを含む錯体は、酸素や空気中の水分によって失活し難く、比較的安定であるので、大気下でも架橋性樹脂の生産が可能である。また、ルテニウムカルベン錯体は、上記特長に加えて、重合活性に優れ、残留する未反応モノマーの量を少なくできるので、臭気が少ない架橋性樹脂を得ることができる。
ルテニウムカルベン錯体としては、例えば、式(2)または式(3)で表される錯体化合物が挙げられる。
Figure 2013129718
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式(2)および(3)中の、R2およびR3は、それぞれ独立して水素原子、ハロゲン原子、またはハロゲン原子、酸素原子、窒素原子、硫黄原子、リン原子若しくは珪素原子を含んでもよい炭素数1〜20の炭化水素基を表す。また、R2とR3は互いに結合して環を形成してもよい。
式(2)および(3)中の、X1およびX2は、それぞれ独立して任意のアニオン性配位子を示す。アニオン(陰イオン)性配位子は、中心金属原子から引き離されたときに負の電荷を持つ配位子である。例えば、F、Cl、Br、Iなどのハロゲン原子、ジケトネート基、置換シクロペンタジエニル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、カルボキシル基などが挙げられる。これらの中でもハロゲン原子が好ましく、塩素原子がより好ましい。
式(2)および(3)中の、L1およびL2はそれぞれ独立して、ヘテロ原子含有カルベン化合物または中性電子供与性化合物を表す。また、R2、R3、X1、X2、L1およびL2は、任意の組合せで互いに結合してキレート化多座配位子を形成してもよい。
ここで、ヘテロ原子とは、周期律表における第15族および第16族に属する原子を意味し、具体的には、N、O、P、S、As、Seなどが挙げられる。これらの中でも、安定なカルベン化合物が得られる観点から、N、O、P、およびSが好ましく、N(窒素原子)が特に好ましい。
ヘテロ原子含有カルベン化合物は、カルベン炭素原子の両側にヘテロ原子が隣接して結合していることが好ましく、さらにカルベン炭素原子とその両側のヘテロ原子とを含むヘテロ環が構成されているものがより好ましい。また、カルベン炭素原子に隣接するヘテロ原子には嵩高い置換基を有していることが好ましい。
ヘテロ原子含有カルベン化合物としては、1,3,4−トリフェニル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1,2,4−トリアゾール−5−イリデン、1,3−ジシクロヘキシルヘキサヒドロピリミジン−2−イリデン、N,N,N’,N’−テトライソプロピルホルムアミジニリデン、1,3,4−トリフェニル−4,5−ジヒドロ−1H−1,2,4−トリアゾール−5−イリデン、3−(2,6−ジイソプロピルフェニル)−2,3−ジヒドロチアゾール−2−イリデン、または式(4)若しくは式(5)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2013129718
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式(4)および(5)中、R4〜R7は、それぞれ独立して水素原子、ハロゲン原子、またはハロゲン原子、酸素原子、窒素原子、硫黄原子、リン原子若しくは珪素原子を含んでもよい炭素数1〜20個の炭化水素基を表す。また、R4〜R7は任意の組合せで互いに結合して環を形成していてもよい。
式(4)または式(5)で表される化合物としては、1,3−ジメシチルイミダゾリジン−2−イリデン、1,3−ジ(1−アダマンチル)イミダゾリジン−2−イリデン、1−シクロヘキシル−3−メシチルイミダゾリジン−2−イリデン、1,3−ジメシチルオクタヒドロベンズイミダゾール−2−イリデン、1,3−ジイソプロピル−4−イミダゾリン−2−イリデン、1,3−ジ(1−フェニルエチル)−4−イミダゾリン−2−イリデン、1,3−ジメシチル−2,3−ジヒドロベンズイミダゾール−2−イリデンなどが挙げられる。
また、中性の電子供与性化合物は、中心金属から引き離されたときに中性の電荷を持つ配位子であればいかなるものでもよい。その具体例としては、カルボニル類、アミン類、ピリジン類、エーテル類、ニトリル類、エステル類、ホスフィン類、チオエーテル類、芳香族化合物、オレフィン類、イソシアニド類、チオシアネート類などが挙げられる。これらの中でも、ホスフィン類、エーテル類およびピリジン類が好ましく、トリアルキルホスフィン類がより好ましい。
式(2)で表される錯体化合物としては、ベンジリデン(1,3−ジメシチルイミダゾリジン−2−イリデン)(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウムジクロリド、ベンジリデン(1,3−ジメシチル−4,5−ジブロモ−4−イミダゾリン−2−イリデン)(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウムジクロリド、(1,3−ジメシチル−4−イミダゾリン−2−イリデン)(3−フェニル−1H−インデン−1−イリデン)(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウムジクロリド、(1,3−ジメシチルイミダゾリジン−2−イリデン)(3−メチル−2−ブテン−1−イリデン)(トリシクロペンチルホスフィン)ルテニウムジクロリド、ベンジリデン(1,3−ジメシチル−オクタヒドロベンズイミダゾール−2−イリデン)(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウムジクロリド、ベンジリデン[1,3−ジ(1−フェニルエチル)−4−イミダゾリン−2−イリデン](トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウムジクロリド、ベンジリデン(1,3−ジメシチル−2,3−ジヒドロベンズイミダゾール−2−イリデン)(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウムジクロリド、ベンジリデン(トリシクロヘキシルホスフィン)(1,3,4−トリフェニル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1,2,4−トリアゾール−5−イリデン)ルテニウムジクロリド、(1,3−ジイソプロピルヘキサヒドロピリミジン−2−イリデン)(エトキシメチレン)(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウムジクロリド、ベンジリデン(1,3−ジメシチルイミダゾリジン−2−イリデン)ピリジンルテニウムジクロリド、(1,3−ジメシチルイミダゾリジン−2−イリデン)(2−フェニルエチリデン)(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウムジクロリド、(1,3−ジメシチル−4−イミダゾリン−2−イリデン)(2−フェニルエチリデン)(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウムジクロリド、(1,3−ジメシチル−4,5−ジブロモ−4−イミダゾリン−2−イリデン)[(フェニルチオ)メチレン](トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウムジクロリド、(1,3−ジメシチル−4,5−ジブロモ−4−イミダゾリン−2−イリデン)(2−ピロリドン−1−イルメチレン)(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウムジクロリドなどのL1およびL2の一方がヘテロ原子含有カルベン化合物であり、他方が中性の電子供与性化合物であるルテニウム錯体化合物;
ベンジリデンビス(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウムジクロリド、(3−メチル−2−ブテン−1−イリデン)ビス(トリシクロペンチルホスフィン)ルテニウムジクロリドなどのL1およびL2の両方が中性電子供与性化合物であるルテニウム錯体化合物;
ベンジリデンビス(1,3−ジシクロヘキシルイミダゾリジン−2−イリデン)ルテニウムジクロリド、ベンジリデンビス(1,3−ジイソプロピル−4−イミダゾリン−2−イリデン)ルテニウムジクロリドなどのL1およびL2の両方がヘテロ原子含有カルベン化合物であるルテニウム錯体化合物;などが挙げられる。
また、前記式(2)において、R2とL1が結合している錯体化合物として、式(6)〜(8)で表される化合物が挙げられる。Mesは式(9)で表される基である。
Figure 2013129718
Figure 2013129718
Figure 2013129718
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(式(9)中の*は、式(6)〜(8)中のN原子に結合する部分を示す。)
式(3)で表される錯体化合物としては、(1,3−ジメシチルイミダゾリジン−2−イリデン)(フェニルビニリデン)(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウムジクロリド、(t−ブチルビニリデン)(1,3−ジイソプロピル−4−イミダゾリン−2−イリデン)(トリシクロペンチルホスフィン)ルテニウムジクロリド、ビス(1,3−ジシクロヘキシル−4−イミダゾリン−2−イリデン)フェニルビニリデンルテニウムジクロリドなどが挙げられる。
これらの錯体化合物の中で、式(2)で表され、かつL1およびL2の一方が式(5)で表される化合物であり、他方が中性の電子供与性化合物であるルテニウム錯体化合物が最も好ましい。
これらのメタセシス重合触媒(B)は、Org. Lett., 1999年, 第1巻, 953頁, Tetrahedron. Lett., 1999年, 第40巻, 2247頁などに記載された方法によって製造することができる。
メタセシス重合触媒(B)の使用量は、(触媒中の金属原子:シクロオレフィン系モノマー)のモル比で、通常1:2,000〜1:2,000,000、好ましくは1:5,000〜1:1,000,000、より好ましくは1:10,000〜1:500,000の範囲である。
メタセシス重合触媒(B)は必要に応じて、少量の不活性溶剤に溶解または懸濁して使用することができる。かかる溶媒としては、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、流動パラフィン、ミネラルスピリットなどの鎖状脂肪族炭化水素;シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ジメチルシクロヘキサン、トリメチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、ジエチルシクロヘキサン、デカヒドロナフタレン、ジシクロヘプタン、トリシクロデカン、ヘキサヒドロインデン、シクロオクタンなどの脂環式炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素;インデン、インダン、テトラヒドロナフタレンなどの芳香環と脂環との縮合環を有する炭化水素;ニトロメタン、ニトロベンゼン、アセトニトリルなどの含窒素炭化水素;ジエチルエーテル、テトラヒドロフランなどの含酸素炭化水素;などが挙げられる。これらの中では、工業的に汎用な炭化水素の使用が好ましい。また、メタセシス重合触媒としての活性を低下させないものであれば、液状の老化防止剤、液状の可塑剤、液状のエラストマーを溶剤として用いてもよい。
メタセシス重合触媒(B)は、重合活性を制御し、重合反応率を向上させる目的で活性剤(共触媒)と併用することもできる。活性剤としては、アルミニウム、スカンジウムまたはスズの、アルキル化物、ハロゲン化物、アルコキシ化物またはアリールオキシ化物を挙げることができる。活性剤の具体例としては、トリアルコキシアルミニウム、トリフェノキシアルミニウム、ジアルコキシアルキルアルミニウム、アルコキシジアルキルアルミニウム、トリアルキルアルミニウム、ジアルコキシアルミニウムクロリド、アルコキシアルキルアルミニウムクロリド、ジアルキルアルミニウムクロリド、トリアルコキシスカンジウム、テトラアルコキシチタン、テトラアルコキシスズ、テトラアルコキシジルコニウムなどが挙げられる。
活性剤の使用量は、(触媒中の金属原子:活性剤)のモル比で、通常、1:0.05〜1:100、好ましくは1:0.2〜1:20、より好ましくは1:0.5〜1:10の範囲である。
また、メタセシス重合触媒(B)として、5族および6族に属する遷移金属原子の錯体を用いる場合には、メタセシス重合触媒(B)および活性剤は、いずれもモノマーに溶解させて用いる方が好ましいが、生成物の性質を本質的に損なわない範囲であれば少量の溶剤に懸濁または溶解させて用いることができる。
(ベンゾシクロブテン構造を分子内に二つ以上有する化合物(C))
本発明を構成する、ベンゾシクロブテン構造を分子内に二つ以上有する化合物(C)は、分子内にベンゾシクロブテン構造を二つ以上有するものである。ベンゾシクロブテン構造は、芳香環で繋がれていてもシクロブテン環で繋がれていてもよいが、芳香環で繋がれていることが好ましい。芳香環同士が繋がれた化合物としては、式(1)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2013129718

式(10)中のAは、ベンゾシクロブテン同士を繋ぐ基を表す。Aとしては、単結合、飽和または不飽和の二価炭化水素基(−R−)、オキシ基(−O−)、カルボニル基(−CO−)、カルボニルオキシ基(−COO−)、オキシカルボニル基(−OCO−)、アミド基(−NHCO−)、シリルオキシシリル基(例えば、−SiR2−O−SiR2−)またはこれらのうちの2つ以上が結合して成る基(例えば、−R−OCO−、―R−COO−など)などが挙げられる。
飽和または不飽和の二価炭化水素基の具体例としては、エタンジイル基、プロパン−1,2−ジイル基、プロパン−1,3−ジイル基、ブタン−1,4−ジイル基などのアルカンジイル基;2−ブテン−1,4−ジイル基などのアルケンジイル基などが挙げられる。飽和または不飽和の二価炭化水素基の炭素数は、好ましくは1〜15、より好ましくは1〜12、更に好ましくは1〜11、特に好ましくは1〜8である。これらのうちAは、飽和の二価炭化水素基が好ましい。
また、Aは置換基を有していてもよい。置換基としては、アルキル基、ビニル基、アリル基、アリール基、フェニル基、ナフチル基、アラアルキル基、ベンジル基、アルコキシ基、ヒドロキシ基、ハロゲン基、アルデヒド基、アミノ基などが挙げられる。
これらの化合物(C)の中でも、極性基を含まない、すなわち炭素原子と水素原子のみで構成される、ベンゾシクロブテン構造を分子内に二つ以上有する化合物が、高周波領域での誘電正接が小さい架橋樹脂、架橋樹脂複合体または架橋樹脂積層体を得ることができるので好ましい。
係る化合物(C)の具体例としては、ビス−4−ベンゾシクロブテン、ビス(4−ベンゾシクロブテニル)−メタン、1,2−ビス(4−ベンゾシクロブテニル)−エタン、1,3−ビス(4−ベンゾシクロブテニル)−プロパン、1,4−ビス(4−ベンゾシクロブテニル)−ブタン、1,5−ビス(4−ベンゾシクロブテニル)−ペンタン、1,6−ビス(4−ベンゾシクロブテニル)−ヘキサン、1,7−ビス(4−ベンゾシクロブテニル)−ヘプタン、1,8−ビス(4−ベンゾシクロブテニル)−オクタン、1,9−ビス(4−ベンゾシクロブテニル)−ノナン、1,2−ビス(4−ベンゾシクロブテニル)−エテン、ジビニルシロキサンビスベンゾシクロブテンなどが挙げられる。
中でも、下式(1)で示される1,3−ビス(4−ベンゾシクロブテニル)−プロパンが好ましい。化合物(C)は1種単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
Figure 2013129718
化合物(C)は、例えば、J.Am. Chem. Soc., 1972年,4374頁に記載の、ニッケルホスフィン錯体触媒を用いた、有機ハロゲン化合物とグリニャール試薬とのクロスカップリング反応により得ることができる。
グリニャール試薬としては、ビスグリニャール試薬を用い、有機ハロゲン化合物としては、ハロゲン化ベンゾシクロブテンを用いる。
ビスグリニャール試薬は、例えば、溶媒中で金属マグネシウムをジハロ有機化合物と混合することによって調製することができる。
ジハロ有機化合物としては、例えば、ジクロロメタン、ジブロモメタン、ブロモクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、1,2−ジブロモエタン、1−ブロモ−2−クロロエタン、1,3−ジクロロプロパン、1,3−ジブロモプロパン、1,2−ジブロモプロパン、1−ブロモ−3−クロロプロパン、1,4−ジクロロブタン、1,4−ジブロモブタン、1−ブロモ−4−クロロブタンなどのジハロアルカン;1,4−ジクロロ−シス−2−ブテン、2,5−ジクロロ−シス−3−ヘキセン、3,6−ジクロロ−シス−4−オクテンなどのジハロアルケン;1,2−ジブロモ−ベンゼン、α,α’−ジクロロ−o−キシレンなどのジハロアリール;ビス(クロロエチル)エーテルなどのジハロエーテル;ビス(クロロメチル)ジメチルシランなどのジハロシラン;及びビス(クロロメチル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサンなどのジハロシロキサン、などが挙げられる。
ハロゲン化ベンゾシクロブテンは、例えば、オルトキシレンを塩素化してα―クロロオルトキシレンを得、該α―クロロオルトキシレンを熱分解してベンゾシクロブテンを得、該ベンゾシクロブテンを臭素化し、4−ブロモベンゾシクロブテンとして得ることができる。
ニッケルホスフィン錯体触媒を用いたクロスカップリング反応は、具体的には、以下の方法で行うことができる。
ハロゲン化ベンゾシクロブテン、NiCl2(dppe)を溶媒に溶解させる。低温、好ましくは0℃を維持した状態で、ビスグリニャール試薬の溶液を10分以上かけて滴下し、次いで10時間以上還流する。反応後、塩酸水溶液で加水分解する。有機層と水層に分離し、水層をエーテル抽出して有機層に混ぜ合せる。得られた有機層を水で洗浄し、無水塩化カルシウムなどの乾燥剤を用いて乾燥させ、濃縮する。必要によりカラム、蒸留などにより精製する。以上により、ベンゾシクロブテン構造を分子内に二つ以上有する化合物(C)を得ることができる。
ベンゾシクロブテン構造を分子内に二つ以上有する化合物の、その他の合成方法としては、パラジウム錯体触媒を用いた、ジオレフィン化合物とハロゲン化ベンゾシクロブテンとのクロスカップリング反応が挙げられる。
ジオレフィン化合物としては、例えば、1,3−ブタジエン、1,4−ペンタジエン、1,5−ヘキサジエン、1,6−ヘプタジエン、1,7−オクタジエン、1,8−ノナジエン、ジビニルテトラメチルシロキサンなどが挙げられる。
ベンゾシクロブテン構造を分子内に二つ以上有する化合物(C)の使用量は、シクロオレフィン系モノマー(A)100質量部に対して、好ましくは1〜100質量部、より好ましくは1〜50質量部である。化合物(C)の量がこの範囲であるときに、高周波領域での誘電正接が小さく、耐クラック性に非常に優れた架橋樹脂、架橋樹脂複合体、または架橋樹脂積層体を得ることができる。
(連鎖移動剤(D))
本発明の重合性組成物には、連鎖移動剤(D)をさらに含有することが好ましい。連鎖移動剤(D)を用いることにより、重合の際の発熱により反応が過度に進行することを防止でき、生成する重合体の分子量を調整することができる。
連鎖移動剤(D)としては、ビニル基を少なくとも一つ有する化合物を用いることができる。具体例としては、1−ヘキセン、2−ヘキセンなどの脂肪族オレフィン類;スチレン、ジビニルベンゼン、スチルベンなどの芳香族オレフィン類;ビニルシクロヘキサンなどの脂環式オレフィン類;エチルビニルエーテルなどのビニルエーテル類;メチルビニルケトン、1,5−ヘキサジエン−3−オン、2−メチル−1,5−ヘキサジエン−3−オンなどのビニルケトン類;式:CH2=CH−Qで表される化合物(式中、Qはメタクリロイル基、アクリロイル基、ビニルシリル基、エポキシ基、およびアミノ基から選ばれる基を少なくとも一つ有する基を示す。);が挙げられる。これらの連鎖移動剤は一種単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
これらの化合物の中でも、式:CH2=CH−Qで表される化合物を連鎖移動剤(D)として用いると、Qがポリマー末端に導入され、後架橋時に末端のQが架橋に寄与するので架橋密度を上げることができるので好ましい。
式:CH2=CH−Qで表される化合物の具体例としては、メタクリル酸ビニル、メタクリル酸アリル、メタクリル酸3−ブテン−1−イル、メタクリル酸3−ブテン−2−イル、メタクリル酸ヘキセニル、メタクリル酸スチリルなどの、Qがメタクリロイル基を有する基である化合物;アクリル酸アリル、アクリル酸3−ブテン−1−イル、アクリル酸3−ブテン−2−イル、アクリル酸1−メチル−3−ブテン−2−イル、アクリル酸スチリル、エチレングリコールジアクリレートなどの、Qがアクリロイル基を有する基である化合物;アリルトリビニルシラン、アリルメチルジビニルシラン、アリルジメチルビニルシランなどの、Qがビニルシリル基を有する基である化合物;アクリル酸グリシジル、アリルグリシジルエーテルなどの、Qがエポキシ基を有する基である化合物;アリルアミン、2−(ジエチルアミノ)エタノールビニルエーテル、2−(ジエチルアミノ)エチルアクリレート、4−ビニルアニリンなどのQがアミノ基を有する基である化合物が挙げられる。
連鎖移動剤(D)を含有していると、本発明の架橋性樹脂を支持体や基体上で加熱したときの樹脂の流動性が均一になりやすく、支持体または基体表面への樹脂の埋め込み性がよくなる。
連鎖移動剤(D)の量は、シクロオレフィン系モノマー(A)100質量部に対して、好ましくは0.01〜10質量部、より好ましくは0.1〜5質量部である。連鎖移動剤(D)の量がこの範囲であるときに、重合反応率が高く、架橋性樹脂を効率よく得ることができる。また、重合後において、連鎖移動剤(D)の残存量が少ないので、誘電正接(tanδ)の小さい樹脂を得ることができる。
(架橋剤(E))
本発明の重合性組成物は、ベンゾシクロブテン構造を分子内に二つ以上有する化合物(C)により架橋性を有しているが、さらに架橋剤(E)を含有することができる。
架橋剤(E)としては、例えば、ラジカル発生剤、エポキシ化合物、イソシアネート基含有化合物、カルボキシル基含有化合物、酸無水物基含有化合物、アミノ基含有化合物、ルイス酸などが挙げられる。これらは1種単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。これらの中でも、ラジカル発生剤、エポキシ化合物、イソシアネート基含有化合物、カルボキシル基含有化合物、酸無水物基含有化合物の使用が好ましく、ラジカル発生剤、エポキシ化合物、イソシアネート基含有化合物の使用がより好ましく、ラジカル発生剤の使用が特に好ましい。
ラジカル発生剤としては、有機過酸化物、ジアゾ化合物および非極性ラジカル発生剤などが挙げられる。
有機過酸化物としては、例えば、t−ブチルヒドロペルオキシド、p−メンタンヒドロペルオキシド、クメンヒドロペルオキシドなどのヒドロペルオキシド類;ジクミルペルオキシド、t−ブチルクミルペルオキシド、α,α’−ビス(t−ブチルペルオキシ−m−イソプロピル)ベンゼン、ジ−t−ブチルペルオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルペルオキシ)−3−ヘキシン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルペルオキシ)ヘキサンなどのジアルキルペルオキシド類;ジプロピオニルペルオキシド、ベンゾイルペルオキシドなどのジアシルペルオキシド類;2,2−ジ(t−ブチルペルオキシ)ブタン、1,1−ジ(t−ヘキシルペルオキシ)シクロヘキサン、1,1−ジ(t−ブチルペルオキシ)−2−メチルシクロヘキサン、1,1−ジ(t−ブチルペルオキシ)シクロヘキサンなどのペルオキシケタール類;t−ブチルペルオキシアセテート、t−ブチルペルオキシベンゾエートなどのペルオキシエステル類;t−ブチルペルオキシイソプロピルカルボナート、ジ(イソプロピルペルオキシ)ジカルボナートなどのペルオキシカルボナート;t−ブチルトリメチルシリルペルオキシドなどのアルキルシリルペルオキサシド類;などが挙げられる。中でも、メタセシス重合反応に対する障害が少ない点で、ジアルキルペルオキシドおよびペルオキシケタール類が好ましい。
ジアゾ化合物としては、例えば、4,4’−ビスアジドベンザル(4−メチル)シクロヘキサノン、4,4’−ジアジドカルコン、2,6−ビス(4’−アジドベンザル)シクロヘキサノン、2,6−ビス(4’−アジドベンザル)−4−メチルシクロヘキサノン、4,4’−ジアジドジフェニルスルホン、4,4’−ジアジドジフェニルメタン、2,2’−ジアジドスチルベンなどが挙げられる。
非極性ラジカル発生剤としては、2,3−ジメチル−2,3−ジフェニルブタン、2,3−ジフェニルブタン、1,4−ジフェニルブタン、3,4−ジメチル−3,4−ジフェニルヘキサン、1,1,2,2−テトラフェニルエタン、2,2,3,3−テトラフェニルブタン、3,3,4,4−テトラフェニルヘキサン、1,1,2−トリフェニルプロパン、1,1,2−トリフェニルエタン、トリフェニルメタン、1,1,1−トリフェニルエタン、4,5−ジメチル−4,5−ジフェニルオクタン、1,1,1−トリフェニルプロパン、1,1,1−トリフェニルブタン、1,1,1−トリフェニルペンタン、1,1,1−トリフェニル−2−プロペン、1,1,1−トリフェニル−4−ペンテン、1,1,1−トリフェニル−2−フェニルエタンなどが挙げられる。
これらのラジカル発生剤は、1種単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。2種以上のラジカル発生剤を併用し、その量比を変化させることで、得られる架橋性樹脂のガラス転移温度や溶融状態を任意に制御することが可能である。ラジカル発生剤は、1分間半減期温度が好ましくは150〜350℃、より好ましくは200〜300℃である。なお、本発明において、1分間半減期温度とは、ラジカル発生剤が分解して1分間で半量となる温度を表す。
これらラジカル発生剤のうち有機過酸化物が好ましく使用される。
架橋剤(E)の使用量は、シクロオレフィン系モノマー(A)100質量部に対して、通常0.1〜10質量部、好ましくは0.1〜8質量部、より好ましくは0.5〜5質量部である。架橋剤(E)の使用量がこの範囲にあると、高い架橋密度の架橋樹脂が得られる。架橋剤の量が多すぎると、架橋効果が飽和する一方で、所望の物性を有する架橋性樹脂および架橋樹脂が得られなくなるおそれがある。
また、架橋剤(E)としてラジカル発生剤を用いた場合、その架橋反応を促進させるために、架橋助剤を使用することができる。架橋助剤は、開環重合に関与せず、架橋剤により誘起される架橋反応に関与可能な架橋性炭素−炭素不飽和結合を2以上有する化合物が好ましい。かかる架橋性炭素−炭素不飽和結合は、架橋助剤を構成する化合物中、例えば、末端ビニリデン基として、特に、イソプロペニル基やメタクリル基として存在するのが好ましく、メタクリル基として存在するのがより好ましい。
架橋助剤の具体例としては、p−ジイソプロペニルベンゼン、m−ジイソプロペニルベンゼン、o−ジイソプロペニルベンゼンなどの、イソプロペニル基を2以上有する多官能化合物;エチレンジメタクリレート、1,3−ブチレンジメタクリレート、1,4−ブチレンジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、2,2’−ビス(4−メタクリロキシジエトキシフェニル)プロパン、トリメチロ−ルプロパントリメタクリレート、ペンタエリトリトールトリメタクリレートなどの、メタクリル基を2以上有する多官能化合物などを挙げることができる。中でも、架橋助剤としては、得られる多層基板の耐熱性や耐クラック性を向上させる観点から、メタクリル基を2以上有する多官能化合物が好ましい。メタクリル基を2以上有する多官能化合物の中では、特に、トリメチロ−ルプロパントリメタクリレートやペンタエリトリトールトリメタクリレートなどの、メタクリル基を3つ有する多官能化合物がより好適である。
前記架橋助剤は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。架橋助剤の配合量としては、シクロオレフィンモノマー100質量部に対して、通常、エラー! リンクが正しくありません。質量部、好ましくはエラー! リンクが正しくありません。質量部、より好ましくはエラー! リンクが正しくありません。質量部である。
(その他の添加剤(F))
本発明の重合性組成物には、上記に挙げた物質以外に添加剤(F)を含有させることができる。添加剤(F)としては、例えば、重合反応遅延剤、ラジカル架橋遅延剤、強化材、改質剤、酸化防止剤、難燃剤、充填剤、着色剤、光安定剤などが挙げられる。これらは、後述するモノマー液または触媒液に溶解または分散させて用いることができる。
重合反応遅延剤としては、例えば、トリフェニルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリメチルホスフィン、トリエチルホスフィン、ジシクロヘキシルホスフィン、ビニルジフェニルホスフィンなどのホスフィン類;アニリン、ピリジンなどのルイス塩基;などが挙げられる。中でも、本発明の重合性組成物の可使時間を効率よく制御でき、重合反応の阻害が少ないので、ホスフィン類が好ましい。
なお、シクロオレフィン系モノマーのうち、1,5−シクロオクタジエン、5−ビニル−2−ノルボルネンなどの分子内に1,5−ジエン構造や1,3,5−トリエン構造などを有するシクロオレフィン系モノマーは、ノルボルネン系モノマーのメタセシス重合反応の遅延剤としても機能する。
強化材としては、チョッブドストランド、ミルドファイバーなどの短繊維状の粉体が挙げられる。その繊維の種類としては、ガラス繊維、紙基材、カーボン繊維、金属繊維、アラミド繊維などが挙げられる。
改質剤としては、天然ゴム、ポリブタジエン、ポリイソプレン、スチレン−ブタジエン共重合体(SBR)、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SBS)、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(SIS)、エチレン−プロピレン−ジエンターポリマー(EPDM)、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)およびこれらの水素化物などのエラストマーなどが挙げられる。
酸化防止剤としては、ヒンダードフェノール系、リン系、アミン系などの各種のプラスチック・ゴム用酸化防止剤などが挙げられる。これらの酸化防止剤は1種単独でまたは2種以上を組合せて用いることが好ましい。
難燃剤としては、リン系難燃剤、窒素系難燃剤、ハロゲン系難燃剤、水酸化アルミニウムなどの金属水酸化物系難燃剤、三酸化アンチモンなどのアンチモン化合物、などが挙げられる。難燃剤は1種単独でまたは2種以上を組合せて用いることが好ましい。
充填剤としては、ガラス粉末、セラミック粉末、シリカなどが挙げられる。これら充填材は、2種類以上を併用してもよい。充填剤として、シランカップリング剤などで表面処理したものを用いることもできる。充填材の量は、シクロオレフィン系モノマー(A)100質量部に対し、通常0〜600質量部、好ましくは50〜500質量部、より好ましくは50〜400質量部である。
着色剤としては、染料、顔料などが挙げられる。染料の種類は多様であり、公知の染料の中から適宜選択して使用すればよい。
本発明の重合性組成物は、それを調製する方法によって特に制約されない。重合性組成物は、例えば、メタセシス重合触媒(B)を適当な溶媒に溶解若しくは分散させた液(以下、「触媒液」ということがある。)を調製し、別にシクロオレフィン系モノマー(A)に充填剤、難燃剤などの添加剤を必要に応じて配合した液(以下、「モノマー液」ということがある。)を調製し、該モノマー液に触媒液を添加し、攪拌することによって調製できる。モノマー液と触媒液との混合は次に述べる塊状重合を行う直前に行うことが好ましい。また、ベンゾシクロブテン構造を分子内に二つ以上有する化合物(C)、連鎖移動剤(D)などは、モノマー液と触媒液を混合する前にモノマー液および/または触媒液に添加してもよいし、モノマー液と触媒液とを混合した後に添加してもよい。
[架橋性樹脂、架橋性樹脂複合体および架橋性樹脂積層体]
本発明の架橋性樹脂は、前記重合性組成物を塊状重合することによって得られる。
重合性組成物を塊状重合する方法としては、
(a)重合性組成物を支持体に注ぐまたは塗布するなどの方法によって支持体を重合性組成物で被覆し、塊状重合する方法、
(b)重合性組成物を支持体に含浸し塊状重合する方法、
(c)重合性組成物を型内に注ぎこみ、塊状重合する方法、
などが挙げられる。
(a)または(b)の方法によれば、支持体と、当該支持体に含浸または被覆された架橋性樹脂とを含む架橋性樹脂複合体が得られる。
(a)の方法で用いられる支持体としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリカーボネート、ポリエチレンナフタレート、ポリアリレート、ナイロンなどの樹脂;鉄、ステンレス、銅、アルミニウム、ニッケル、クロム、金、銀などの金属材料;などからなるものが挙げられる。支持体の形状は特に限定されないが、支持体として金属箔または樹脂フィルムが好ましく使用される。
例えば、支持体として銅箔を用いた場合、架橋性樹脂付き銅箔(Resin Coated Copper(RCC))を得ることができる。支持体としての金属箔または樹脂フィルムの厚さは、作業性などの観点から、通常1〜150μm、好ましくは2〜100μm、より好ましくは3〜75μmである。これらの支持体の表面は平滑であることが好ましい。また、これらの支持体表面は、スチリルトリメトキシシランなどのシランカップリング剤などで表面処理してあることが好ましい。
重合性組成物で支持体を被覆する方法は特に制限されず、スプレーコート法、ディップコート法、ロールコート法、カーテンコート法、ダイコート法、スリットコート法などの公知の被覆方法が挙げられる。
塊状重合はメタセシス重合が進行する温度まで重合性組成物を加熱することによって開始される。
重合性組成物を所定温度に加熱する方法は、特に制約されず、加熱プレート上に載せて加熱する方法、プレス機を用いて加圧しながら加熱する方法(熱プレス法)、加熱したローラーで押圧する方法、加熱炉を用いる方法などが挙げられる。
以上のようにして得られる支持体の表面に形成された架橋性樹脂膜は、厚さが通常15mm以下、好ましくは10mm以下、より好ましくは5mm以下、特に好ましくは1mm以下である。
(b)の方法で用いられる支持体は、多孔材や繊維材であり、繊維材が多用される。この方法によれば、例えば、繊維材と当該繊維材に含浸された架橋性樹脂とを含む架橋性樹脂複合体であるプリプレグを得ることができる。
繊維材としては、マット、クロス、不織布などが挙げられる。また、これらの繊維材はその表面がシランカップリング剤などで表面処理されていることが好ましい。繊維材を構成する繊維は、有機繊維または無機繊維のいずれであってもよく、例えば、アラミド繊維、ポリエチレンテレフタレート繊維、ビニロン繊維、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維、ポリ(パラフェニレンベンゾビスオキサゾール); ガラス繊維、炭素繊維、金属繊維、セラミック繊維などが挙げられる。これらは1種単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる
重合性組成物の繊維材への含浸は、例えば、重合性組成物の所定量を、スプレーコート法、ディップコート法、ロールコート法、カーテンコート法、ダイコート法、スリットコート法などの公知の方法により繊維材に塗布し、必要に応じてその上に保護フィルムを重ね、上側からローラーなどで押圧することにより行うことができる。重合性組成物を繊維材に含浸させた後、含浸物を所定温度に加熱することによって重合性組成物を塊状重合させることができ、それによって繊維材とそれに含浸された架橋性樹脂とを含んでなるプリプレグが得られる。
含浸物を塊状重合するための加熱方法は特に限定されず、前記(a)の方法と同様の方法が採用でき、含浸物を加熱プレート上に設置して加熱してもよい。また、繊維材を設置した型内に重合性組成物を注入し、重合性組成物を含浸させてから下記(c)の方法に従い塊状重合してもよい。
本発明の重合性組成物は従来の樹脂ワニスと比較して低粘度であり、繊維材などの支持体に対する含浸性に優れるので、繊維材に重合性組成物を均一に含浸させることができる。
また、本発明の重合性組成物は反応に関与しない溶媒などの含有量が少ないので、繊維材に含浸させた後に溶媒を除去するなどの工程が不要であり、生産性に優れ、残存溶媒による臭気やフクレなども生じない。さらに、本発明の架橋性樹脂は保存安定性に優れるので、得られるプリプレグは保存安定性に優れる。
(c)の方法によれば、任意の形状の架橋性樹脂の成形体を得ることができる。架橋性樹脂の成形体の形状としては、シート状、フィルム状、柱状、円柱状、多角柱状などが挙げられる。
架橋性樹脂の成形体を得るための型としては、従来公知の成形型、例えば、割型構造すなわちコア型とキャビティー型を有する成形型を用いることができる。該成形型の空隙部(キャビティー)に重合性組成物を注入して塊状重合させる。コア型とキャビティー型は、目的とする架橋性樹脂の成形体の形状にあった空隙部を形成するように作製される。また、成形型の形状、材質、大きさなどは特に制限されない。また、ガラス板や金属板などの板状成形型と所定の厚さのスペーサーとを用意し、スペーサーを2枚の板状成形型で挟んで形成される空間内に重合性組成物を注入することにより、シート状またはフィルム状の架橋性樹脂の成形体を得ることができる。
重合性組成物を成形型のキャビティー内に充填する際の充填圧力(注入圧)は、通常0.01〜10MPa、好ましくは0.02〜5MPaである。充填圧力が低すぎると、キャビティー内周面に形成された転写面の転写が良好に行われない傾向にあり、充填圧が高すぎると、成形型の剛性を高くしなければならず経済的ではない。型締圧力は通常0.01〜10MPaの範囲内である。
上記(a)、(b)および(c)のいずれの方法においても、重合性組成物を重合させるための加熱温度は、通常50〜250℃、好ましくは100〜200℃である。重合時間は適宜選択すればよいが、通常、10秒間から20分間、好ましくは5分間以内である。
重合性組成物を所定温度に加熱することにより重合反応が開始する。この重合反応は発熱反応であり、一旦塊状重合反応が開始すると、反応液の温度が急激に上昇し、短時間(例えば、10秒から5分程度)でピーク温度に到達する。重合反応時の最高温度があまりに高くなると、架橋反応が起きて架橋樹脂になってしまい、後架橋可能な樹脂が得られないおそれがある。したがって、重合反応のみを完全に進行させ、架橋反応が進行しないようにするためには、塊状重合のピーク温度を、前記架橋剤の1分間半減期温度以下、好ましくは200℃以下、より好ましくは170℃未満に制御することが好ましい。
本発明の架橋性樹脂は、後架橋可能な樹脂である。ここで「後架橋可能な」とは、樹脂を加熱することによって、架橋反応が進行して架橋樹脂になり得るということである。
また、本発明の架橋性樹脂複合体は、該架橋性樹脂と前記支持体とが一体化されてなる複合材料である。
前述した重合性組成物の塊状重合反応はほぼ完全に進行するので、重合性組成物に連鎖移動剤(D)が含まれている場合、連鎖移動剤(D)も重合反応においてほとんどが消費される。その結果、該塊状重合によって得られる架橋性樹脂は、連鎖移動剤(D)の残留量が少なく、誘電正接(tanδ)が非常に小さく、且つ電気特性が良好である。
架橋性樹脂に含まれる連鎖移動剤(D)の量は、重合性組成物に含まれる連鎖移動剤(D)の量に対して、通常10質量%以下、好ましくは5質量%以下、より好ましくは3質量%以下、最も好ましくは1.5質量%以下である。架橋性樹脂に含まれる連鎖移動剤(D)の量は、例えば、架橋性樹脂を溶媒に溶解して得られた溶液をガスクロマトグラフで分析することで求めることができる。
本発明の架橋性樹脂の分子量分布は、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)で、好ましくは3.5以下、より好ましくは3.0以下、最も好ましくは2.8以下である。また、重量平均分子量の範囲は、好ましくは5,000〜80,000、より好ましくは10,000〜50,000、最も好ましくは15,000〜40,000である。架橋性樹脂の分子量が低すぎると流動性が高すぎるために支持体や基体への架橋性樹脂の埋め込み性や平坦性の制御が困難となるおそれがある。また、分子量が高すぎると架橋時の温度範囲では、流動しないおそれがある。
本発明の架橋性樹脂は、ベンゼン、トルエンなどの芳香族炭化水素、ジエチルエーテル、テトラヒドロフランなどのエーテル類、ジクロロメタン、クロロホルムなどのハロゲン化炭化水素などの溶媒に可溶であることが好ましい。また、本発明の架橋性樹脂は、熱可塑性を示すので、架橋反応が起きない程度の温度で溶融成形を行うことによって様々な形状に形成できる。
(c)の方法で得られる架橋性樹脂の成形体は、一部分が架橋樹脂になっているものであってもよい。例えば、型内で重合性組成物を塊状重合したときには、型の中心部分は重合反応熱が発散しにくいので、型内の一部の温度が高くなりすぎる場合がある。高温部では架橋反応が起き、架橋樹脂になってしまうことがある。しかし、熱を発散しやすい表面部が後架橋可能な樹脂で形成されていれば、本発明の架橋性樹脂の成形体としての効果を十分に享受できる。架橋性樹脂複合体においても、同様に架橋性樹脂の一部が架橋樹脂になっていてもよい。
本発明の架橋性樹脂は、塊状重合がほぼ完全に進行して得られるものであるので、保管中にさらに重合反応が進行するという恐れがない。本発明の架橋性樹脂は架橋剤(D)を含有しているが、架橋反応を起す温度以上に加熱しない限り、表面硬度が変化するなどの不具合が生じず、保存安定性に優れている。
本発明の架橋性樹脂積層体は、基体と該基体に積層された架橋性樹脂または架橋性樹脂複合体とを含んでなるものである。
本発明の架橋性樹脂積層体は前記架橋性樹脂または前記架橋性樹脂複合体を基体に積層することによって、得ることができる。
架橋性樹脂や架橋性樹脂複合体を積層するために用いられる基体としては、(a)および(b)の方法で用いられる支持体として例示したもの、プリント配線板、導電性ポリマーフィルム、などが挙げられる。また、該基体としてプリント配線板を用いると、配線埋め込み性に優れた多層プリント配線板を製造することができる。 銅箔などの金属箔やプリント配線板上の導電層は、その表面が、シランカップリング剤、チオール系カップリング剤、チタネート系カップリング剤、各種接着剤などで処理されているものが好ましい。これらのうちシランカップリング剤で処理されているものが特に好ましい。
架橋性樹脂や架橋性樹脂複合体と基体とは、必要に応じて交互に、あるいはブロック毎に、一層あるいは複数層、積層し、熱プレスすることができる。熱プレスするときの圧力は、通常0.5〜20MPa、好ましくは3〜10MPaである。熱プレスは、真空または減圧雰囲気下で行ってもよい。熱プレスは、平板成形用のプレス枠型を有する公知のプレス機、シートモールドコンパウンド(SMC)やバルクモールドコンパウンド(BMC)などのプレス成形機を用いて行なうことができる。
[架橋樹脂、架橋樹脂複合体および架橋樹脂積層体]
本発明の架橋樹脂は前記架橋性樹脂を架橋してなるものである。
架橋性樹脂の架橋は、例えば、本発明の架橋性樹脂を加熱するなどして、架橋性樹脂が架橋反応を起す温度以上に維持することによって行うことができる。架橋性樹脂を架橋させるときの温度は、前記塊状重合時のピーク温度より20℃以上高いことが好ましく、通常170〜250℃、好ましくは170〜240℃である。また、架橋時間は特に制約されないが、通常数分間から数時間である。
本発明の架橋樹脂複合体は、支持体と該支持体に含浸または被覆された架橋樹脂とを含んでなるものである。
本発明の架橋樹脂複合体は、架橋性樹脂の架橋と同様の方法によって前述の架橋性樹脂複合体を架橋することによって得ることができる。
本発明の架橋樹脂積層体は、基体と当該基体に積層された架橋樹脂または架橋樹脂複合体とを含んでなるものである。
本発明の架橋樹脂積層体は、前記架橋性樹脂積層体を加熱して架橋することによって得られる。架橋性樹脂積層体を加熱して架橋する方法としては、熱プレスによる方法が挙げられる。例えば、板状、フィルム状に成形された架橋性樹脂の成形体を、熱プレスによって、基体に積層させ、さらに加熱を続けることによって架橋性樹脂を架橋することができる。熱プレスの条件は、前記架橋性樹脂を架橋する場合と同様である。
本発明の架橋性樹脂は流動性および密着性に優れているので、平坦性に優れ、かつ、支持体や基体との密着性に優れた架橋性樹脂成形体、架橋性樹脂複合体、および架橋性樹脂積層体を得ることができる。
本発明の架橋樹脂、架橋樹脂複合体、および架橋樹脂積層体は、高周波領域での誘電正接が小さく、耐クラック性、電気絶縁性、密着性、機械的強度、誘電特性の他、耐熱性や配線埋め込み性なども優れているので、電気材料として好適である。
電気絶縁性は、多層板に100μmの間隔をあけて一直線上に10個並んだ、互いに電気的に接続されたビアホールの列を、100μmの間隔をあけて平行に2列作製したものを、サンプル基板として用いた。130℃で85%RHの環境下、互いに絶縁が確保されている、一方のビアホールの列と他方のビアホールの列との間に100Vの電圧を所定時間印加し、導通が確認されるまでの時間を測定し評価した。
密着性(ピール強度)は、架橋樹脂積層体から銅箔を引き剥がすときの強度を、JIS C6481に準拠して測定し評価した。
配線埋め込み性は、以下の手順で評価した。架橋樹脂積層体の銅箔をエッチングしてL/S=15μmの配線を15本形成した面に架橋性樹脂複合体であるプリプレグを重ね、220℃で30分間、3MPaにて加熱プレスを行い試験用多層板を得た。該試験用多層板を、配線方向に対し垂直な方向で任意に3箇所で切断した。得られた試験用多層板の切断面を目視により観察した。
次に実施例および比較例を挙げ、本発明を具体的に説明する。但し、本発明は下記の実施例に何ら限定されるものではない。また、下記の実施例および比較例において、「部」および「%」は特に断りのない限り、質量基準である。
本実施例では以下の方法に従って評価を行った。
(数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)および分子量分布(Mw/Mn))
テトラヒドロフランを展開溶媒とする、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィーによる測定結果を標準ポリスチレンの分子量に換算して求めた。
(誘電正接(tanδ))
インピーダンスアナライザー(アジレントテクノロジー社製、型番号E4991)を用いて周波数1GHzにおける誘電正接(tanδ)を容量法にて測定した。誘電正接の値に応じて以下のような指標で評価した。
A:0.0015以下
B:0.0015を超え0.0020以下
C:0.0020を超える
(耐クラック性)
積層体サンプルについて、一65℃〜+150℃の温度範囲で所定回数の冷熱衝撃試験を行った後の外観観察を行い、以下の基準に従って評価した。なお、冷熱衝撃試験は、冷熱衝撃試験装置(エスペック社製、型番TSA−71H−W)により行った。
A:500サイクル終了後のサンプルで、クラックの発生が確認されない
B:300サイクル終了後のサンプルで、クラックの発生が確認されない
C:300サイクル終了後のサンプルで、クラックの発生が確認される
製造例
金属マグネシウム粉末3部及びジエチルエーテル5部を、三つ口丸底フラスコに入れた。該フラスコには、滴下ロート、温度計、及び乾燥窒素を供給するガス注入口を取り付けた水冷凝縮器が備えてある。1,3−ジクロロプロパン5.65部(0.05モル部)とジエチルエーテル35部とを滴下ロート中で混合した。数滴の1,2−ジブロモエタンを該フラスコに添加した。反応が開始したら、反応物を攪拌しながら、該1,3−ジクロロプロパン/ジエチルエーテル混合物を滴下した。反応物を約50℃〜約95℃に維持するように、該混合原料を非常にゆっくりと滴下した。反応は、60分間で終了し、ビスグリニャール試薬(ClMg(CH23MgCl)を得た。
4−クロロベンゾシクロブテン6.93部(0.05モル部)、[NiCl2(dppe)]0.19部(0.00036モル部)をジエチルエーテル30部に溶解して、反応容器に入れた。該フラスコには、滴下ロート、温度計、及び乾燥窒素を供給するガス注入口を取り付けた水冷凝縮器が備えてある。反応液の温度を0℃に維持した状態で、前記ビスグリニャール試薬のジエチルエーテル溶液50部を10分かけて滴下し、その後20時間還流した。反応後、希塩酸を加えて加水分解した。有機層と水層を分離し、水層をジエチルエーテルで抽出した。該有機層と該ジエチルエーテルを合わせ、水で洗浄した。有機層を、無水塩化カルシウムで乾燥させ、次いで、濃縮し、式(1)で表される1,3−ビス(4−ベンゾシクロブテニル)−プロパンを得た。
実施例1
ガラス製フラスコ中で、ベンジリデン(1,3−ジメチル−4−イミダゾリン−2−イリデン)(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウムジクロリド0.04部と、トリフェニルホスフィン0.06部を、テトラヒドロフラン0.7部に溶解させて触媒液を調製した。
200mlの金属容器にテトラシクロ[6.2.1.13.6.02.7]ドデカ−4−エン70部、2−ノルボルネン30部、シリカ粒子100部、難燃剤として三酸化アンチモン10部およびエタン−1,2−ビス(ペンタブロモフェニル)26.7部を入れ、均一に混合してモノマー液を得た。
次いで、容量200mlのポリエチレン製の瓶に、前記モノマー液240部、製造例で得た1,3−ビス(4−ベンゾシクロブテニル)−プロパン20部、連鎖移動剤としてメタクリル酸ヘキセニル1.8部、及び上記触媒液0.35部を攪拌しながら加えて、重合性組成物Aを得た。
次いで、この重合性組成物A70部をポリエチレンナフタレートフィルムの上に流延し、その上にガラスクロスを敷いて、さらにその上に上記重合性組成物A70部を流延した。その上からさらにポリエチレンナフタレートフィルムをかぶせ、ローラーを用いて重合性組成物をガラスクロス全体に含浸させた。次いで、これを130℃に熱した加熱炉中で、1分間加熱し、重合性組成物を塊状重合させて架橋性樹脂複合体であるプリプレグAを得た。
このプリプレグAを100mm角の大きさに切り出し、それを6枚重ねにし、その両面を銅箔で挟み、熱プレスにて、3MPa、200℃で30分間加熱圧着し、架橋樹脂積層体Aを作製した。
前記架橋樹脂積層体Aを20mm×20mm角の大きさに切り出し、40℃の塩化第二鉄溶液に浸漬し、表面の銅箔を取り除いた。銅箔が取り除かれた後の架橋樹脂複合体の誘電正接(tanδ)を測定した。
前記架橋樹脂積層体Aを50mm×50mm角の大きさに切り出し、40℃の塩化第二鉄溶液に浸漬し、表面の銅箔を取り除いた。銅箔が取り除かれた後の架橋樹脂複合体の耐クラック性を測定した。
比較例1
室温で液状であるジビニルシロキサンビスベンゾシクロブテンモノマー100g(BCBモノマー(特許文献3に記載の一般式(2a)で表される化合物)、ポリスチレン換算重量平均分子量350、ダウ・ケミカル(株)製)とポリノルボルネン50g(Avatrel(登録商標)4110(ブチルノルボルネン90mol%とトリエトキシシランノルボルネン10mol%の共重合体)、PROMERUS LLC製)とを、超音波分散機を用いて、溶融混合して、重合性組成物Bを得た。得られた重合性組成物Bは、100℃において、3000mPa・s程度の粘度を有していた。
この重合性組成物B70部をポリエチレンナフタレートフィルムの上に流延し、その上にガラスクロスを敷いて、さらにその上に重合性組成物B70部を流延した。その上からさらにポリエチレンナフタレートフィルムをかぶせ、ローラーを用いて重合性組成物Bをガラスクロス全体に含浸させて、プリプレグBを得た。
このプリプレグBを100mm角の大きさに切り出し、それを6枚重ねにし、その両面を銅箔で挟み、熱プレスにて、3MPa、190℃で120分間、その後、250℃で60分間加熱圧着し、樹脂積層体Bを作製した。
前記樹脂積層体Bを20mm×20mm角の大きさに切り出し、40℃の塩化第二鉄溶液に浸漬し、表面の銅箔を取り除いた。銅箔が取り除かれた後の樹脂複合体の誘電正接(tanδ)を測定した。
前記架橋樹脂積層体Aを50mm×50mm角の大きさに切り出し、40℃の塩化第二鉄溶液に浸漬し、表面の銅箔を取り除いた。銅箔が取り除かれた後の架橋樹脂複合体の耐クラック性を測定した。
比較例2
1,3−ビス(4−ベンゾシクロブテニル)−プロパン20部の代わりに1,3−ジフェルニルプロパン16部を用いた以外は実施例1と同じ方法で重合性組成物Cを得た。
次いで、この重合性組成物C70部をポリエチレンナフタレートフィルムの上に流延し、その上にガラスクロスを敷いて、さらにその上に上記重合性組成物C70部を流延した。その上からさらにポリエチレンナフタレートフィルムをかぶせ、ローラーを用いて重合性組成物をガラスクロス全体に含浸させた。次いで、これを130℃に熱した加熱炉中で、1分間加熱し、重合性組成物を塊状重合させて樹脂複合体Cを得た。
この樹脂複合体Cを100mm角の大きさに切り出し、それを6枚重ねにし、その両面を銅箔で挟み、熱プレスにて、3MPa、200℃で30分間加熱圧着し樹脂積層体Cを作製した。
前記樹脂積層体Cを20mm×20mm角の大きさに切り出し、40℃の塩化第二鉄溶液に浸漬し、表面の銅箔を取り除いた。銅箔が取り除かれた後の樹脂複合体の誘電正接(tanδ)を測定した。
前記架橋樹脂積層体Cを50mm×50mm角の大きさに切り出し、40℃の塩化第二鉄溶液に浸漬し、表面の銅箔を取り除いた。銅箔が取り除かれた後の架橋樹脂複合体の耐クラック性を測定した。評価結果を表1に示す。
Figure 2013129718
以上の結果から、本発明の重合性組成物を塊状重合して得られたプリプレグを熱プレスすることによって、架橋性樹脂が架橋され、高い電気特性および高い耐クラック性を有する架橋体になったことがわかる。

Claims (14)

  1. シクロオレフィン系モノマー(A)、メタセシス重合触媒(B)、およびベンゾシクロブテン構造を分子内に二つ以上有する化合物(C)を含む重合性組成物。
  2. シクロオレフィン系モノマー(A)が、ノルボルネン系モノマーである請求項1に記載の重合性組成物。
  3. ベンゾシクロブテン構造を分子内に二つ以上有する化合物(C)が、式(1)で示される化合物である請求項1または2に記載の重合性組成物。

    Figure 2013129718
  4. 請求項1〜3のいずれかひとつに記載の重合性組成物を塊状重合して得られる、架橋性樹脂。
  5. 支持体と、当該支持体に含浸または被覆された請求項4に記載の架橋性樹脂とを含む、架橋性樹脂複合体。
  6. 基体と、当該基体に積層された請求項4に記載の架橋性樹脂または請求項5に記載の架橋性樹脂複合体とを含む、架橋性樹脂積層体。
  7. 請求項4に記載の架橋性樹脂を架橋してなる架橋樹脂。
  8. 支持体と、当該支持体に含浸または被覆された請求項7に記載の架橋樹脂とを含む、架橋樹脂複合体。
  9. 基体と、当該基体に積層された請求項7に記載の架橋樹脂または請求項8に記載の架橋樹脂複合体とを含む、架橋樹脂積層体。
  10. 請求項1〜3のいずれかひとつに記載の重合性組成物を塊状重合する工程を含む、架橋性樹脂の製造方法。
  11. 請求項1〜3のいずれかひとつに記載の重合性組成物を支持体に含浸または被覆し、次いで塊状重合する工程を含む、架橋性樹脂複合体の製造方法。
  12. 請求項4に記載の架橋性樹脂を架橋する工程を含む、架橋樹脂の製造方法。
  13. 請求項4に記載の架橋性樹脂または請求項5に記載の架橋性樹脂複合体を基体に積層し、次いで架橋する工程を含む、架橋樹脂積層体の製造方法。
  14. 請求項5に記載の架橋性樹脂複合体を架橋する工程を含む、架橋樹脂複合体の製造方法。
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