本発明の一目的は、液体環式オレフィンモノマー樹脂、特に保存安定な均一な液体である樹脂、そのような樹脂を使用する方法、並びにROMPを介したポリマー物品及び/又はポリマー複合体物品の製造のためのROMP組成物を調製するためのそのような樹脂の使用を提供することであり、ポリマー物品及び/又はポリマー複合体物品には欠陥がない又は実質的にない。
より具体的には、本発明の一目的は、39℃〜10℃の間にて安定で均一な液体である環式オレフィン組成物及び/又は樹脂組成物を提供することであり、これは少なくとも1種の金属カルベンオレフィンメタセシス触媒を含む触媒組成物と組み合わせて、ROMP組成物を形成することができ、ROMP組成物は40℃未満、好ましくは、室温以下であり、ROMP組成物を60℃〜200℃に予熱した成形型に添加することができる及び/又は成形型を急速に加熱して(例えば、0.5℃/分を超える速度で)、成形ポリマー物品及び/又はポリマー複合体物品を調製することができ、得られた成形ポリマー物品及び/又はポリマー複合体物品には欠陥がない又は実質的にない。
本発明者らは、環式オレフィン組成物を含む樹脂組成物であって、環式オレフィン組成物が35重量%〜70重量%のトリシクロペンタジエンを含む上記樹脂組成物を、少なくとも1種の金属カルベンオレフィンメタセシス触媒を含む触媒組成物と組み合わせたとき、内部欠陥及び/又は表面欠陥(例えば、不要な細孔、空洞、気泡、ボイド、ニットライン、及び/又は内部応力破壊)の、目に見える欠陥がない又は実質的にないポリマー物品及び/又はポリマー複合体物品の調製が可能となることを発見した。特に、本発明は、環式オレフィン組成物中に存在する低沸点化合物の揮発により引き起こされると考えられる又は重合(発熱)サイクル中に生成される欠陥に関連する問題を軽減する。環式オレフィン組成物中に存在する低沸点化合物の揮発により引き起こされると考えられる又は重合中に生成される欠陥は、本発明の金属カルベンオレフィンメタセシス触媒(重合触媒)、特に本発明のルテニウム金属カルベンオレフィンメタセシス触媒に伴う特定の課題である。このことはとりわけ、第2世代Grubbs触媒及び/又はGrubbs−Hoveyda触媒と一般に呼ばれるルテニウム金属カルベンメタセシス触媒に当てはまる。第2世代Grubbs触媒及び/又はGrubbs−Hoveyda触媒は、一般に、環式オレフィンの重合(例えば、ROMP)を、第1世代Grubbs触媒と一般に呼ばれるルテニウム金属カルベンオレフィンメタセシス触媒よりも速く進行させる。理論に束縛されるものではないが、ROMP反応中に、低沸点化合物の揮発により引き起こされると考えられる欠陥は、より遅く進行する触媒(例えば、第1世代Grubbs触媒)と比較して、より速く進行する触媒(例えば、第2世代Grubbs触媒及び/又はGrubbs−Hoveyda触媒)で悪化する。
より具体的には、本発明者らは、環式オレフィン組成物を含む樹脂組成物であって、環式オレフィン組成物が、35.00重量%〜70.00重量%のトリシクロペンタジエン、0.01重量%〜4.00重量%のテトラシクロペンタジエン、及び64.99重量%〜26.00重量%のジシクロペンタジエンを含む、上記樹脂組成物を、少なくとも1種の金属カルベンオレフィンメタセシス触媒を含む触媒組成物と組み合わせたとき、10重量%〜30重量%の間のトリシクロペンタジエンを含有する液体DCPDモノマー樹脂を使用して調製した同じ物品よりも、内部欠陥及び/又は表面欠陥(例えば、不要な細孔、空洞、気泡、ボイド、ニットライン、及び/又は内部応力破壊)の、目に見える欠陥がないか、目に見える欠陥が実質的にないか、より少ない目に見える欠陥を含む、ポリマー物品及び/又はポリマー複合体物品の調製が可能となることを発見した。特に、本発明は、環式オレフィン組成物中に存在するジシクロペンタジエン及び/又は他の低沸点化合物の揮発により引き起こされると考えられる又は重合(発熱)サイクル中に生成される欠陥に関連する問題を軽減する。環式オレフィン組成物中に存在するジシクロペンタジエン及び/又は他の低沸点化合物の揮発により引き起こされると考えられる又は重合中に生成される欠陥は、本発明の金属カルベンオレフィンメタセシス触媒(重合触媒)、特に本発明のルテニウム金属カルベンオレフィンメタセシス触媒に伴う特定の課題である。このことはとりわけ、第2世代Grubbs触媒及び/又はGrubbs−Hoveyda触媒と一般に呼ばれるルテニウム金属カルベンメタセシス触媒に当てはまる。第2世代Grubbs触媒及び/又はGrubbs−Hoveyda触媒は、一般に、第1世代Grubbs触媒と一般に呼ばれるルテニウム金属カルベンオレフィンメタセシス触媒よりも速く環式オレフィンの重合(例えば、ROMP)を進行する。理論に束縛されるものではないが、ROMP反応中に、ジシクロペンタジエン及び/又は他の低沸点化合物の揮発により引き起こされると考えられる欠陥は、より遅く進行する触媒(例えば、第1世代Grubbs触媒)と比較して、より速く進行する触媒(例えば、第2世代Grubbs触媒及び/又はGrubbs−Hoveyda触媒)で悪化する。換言すれば、ROMP反応中に、10重量%〜30重量%のトリシクロペンタジエンを含有する液体DCPDモノマー樹脂は、より遅く進行する触媒(例えば、第1世代Grubbs触媒)と比較して、より早く進行する触媒(例えば、第2世代Grubbs触媒及び/又はGrubbs−Hoveyda触媒)で触媒されたときに、揮発関連の欠陥を有する傾向が大きくなる。
一般に、35重量パーセント以上のトリシクロペンタジエン含有量を有する本発明の液体環式オレフィン組成物は、市販の液体DCPDモノマー樹脂と比較して、低減した引火性(例えば、より高い引火点)を有する。さらに、本発明者らは、本発明の液体環式オレフィン組成物は、そのような環式オレフィン組成物が、60.5℃超の引火点を有し得る液体樹脂組成物(例えば、液体DCPD樹脂組成物)の調製を可能にし得るという点で、さらなる利益を提供し得ることを発見した。60.5℃超の引火点を有する液体樹脂組成物は、世界調和システム(GHS)引火性及び可燃性液体基準によると、可燃性液体と指定される。60.5℃未満の引火点を有する液体樹脂組成物は、GHS引火性液体及び可燃性液体基準によると、引火性液体と指定される。引火性液体ではなく可燃性液体と指定される液体樹脂組成物は、取扱いの容易さ、輸送費用の低減、及びさらなる安全性面、並びにその他の利点/利益を含むいくつかの利点/利益を提供する。
一般に、35重量パーセント以上のトリシクロペンタジエン含有量を有する本発明の液体環式オレフィン組成物は、市販の液体DCPDモノマー樹脂と比較して、低減した毒性を有する。特に、本発明者らは、本発明の液体環式オレフィン組成物は、そのような環式オレフィン組成物が、世界調和システム(GHS)基準によってH330(吸入すると生命に危険)ではなくH331(吸入すると有毒)と指定され得る液体樹脂組成物(例えば、液体DCPD樹脂組成物)の調製を可能にし得るという点で、さらなる利益を提供し得ることを発見した。例えば、以下の環式オレフィン組成物は、H331(吸入すると有毒)と指定されるはずである:DCPD(40wt%)、トリシクロペンタジエン(57wt%)、テトラシクロペンタジエン(3wt%)。例えば、以下の樹脂組成物は、H331(吸入すると有毒)と指定されるはずである:DCPD(43wt%)、トリシクロペンタジエン(53wt%)、テトラシクロペンタジエン(4wt%)、Ethanox 4702(3phr)、5−ビニル−2−ノルボルネン(1wt%)、トリフェニルホスフィン(0.6phr)、エラストマー耐衝撃改質剤(4phr)。例えば、以下の樹脂組成物は、H331(吸入すると有毒)と指定されるはずである:DCPD(37wt%)、トリシクロペンタジエン(60wt%)、テトラシクロペンタジエン(3wt%)、液体MDI(4phr)。例えば、以下の樹脂組成物は、H331(吸入すると有毒)と指定されるはずである:DCPD(41wt%)、トリシクロペンタジエン(57wt%)、テトラシクロペンタジエン(2wt%)、Ethanox 4702(2phr)、5−ビニル−2−ノルボルネン(1phr)、トリフェニルホスフィン(0.6phr)、及び接着促進剤組成物(A)(4phr)。
本発明の一実施形態は、35.00重量%〜70.00重量%のトリシクロペンタジエン、0.01重量%〜4.00重量%のテトラシクロペンタジエン、及び64.99重量%〜26.00重量%のジシクロペンタジエンを含む環式オレフィン組成物を提供する。
本発明の別の実施形態は、40.00重量%〜65.00重量%のトリシクロペンタジエン、0.01重量%〜3.50重量%のテトラシクロペンタジエン、及び59.99重量%〜31.50重量%のジシクロペンタジエンを含む環式オレフィン組成物を提供する。
本発明の別の実施形態は、40.00重量%〜60.00重量%のトリシクロペンタジエン、0.01重量%〜3.00重量%のテトラシクロペンタジエン、及び59.99重量%〜37.00重量%のジシクロペンタジエンを含む環式オレフィン組成物を提供する。
本発明の別の実施形態は、35.00〜70.0重量パーセントのトリシクロペンタジエン、0.01〜4.00重量パーセントのテトラシクロペンタジエン、及び64.99〜26.00重量パーセントのジシクロペンタジエンを含む環式オレフィン組成物を提供し、重量パーセントはガスクロマトグラフィーにより決定される。
本発明の別の実施形態は、40.00〜65.00重量パーセントのトリシクロペンタジエン、0.01〜3.50重量パーセントのテトラシクロペンタジエン、及び59.99〜31.50重量パーセントのジシクロペンタジエンを含む環式オレフィン組成物を提供し、重量パーセントはガスクロマトグラフィーにより決定される。
本発明の別の実施形態は、40.00〜60.00重量パーセントのトリシクロペンタジエン、0.01〜3.00重量パーセントのテトラシクロペンタジエン、及び59.99〜37.00重量パーセントのジシクロペンタジエンを含む環式オレフィン組成物を提供し、重量パーセントはガスクロマトグラフィーにより決定される。
本発明の別の実施形態は、35.00重量%〜70.00重量%のトリシクロペンタジエン、0.01重量%〜4.00重量%のテトラシクロペンタジエン、及び64.99重量%〜26.00重量%のジシクロペンタジエンを含む環式オレフィン組成物を提供し、環式オレフィン組成物は、39℃〜10℃で、39℃〜15℃で、39℃〜20℃、39℃〜25℃で、39℃〜30℃で、39℃〜35℃で、30℃〜15℃で、35℃〜20℃で、35℃〜25℃で、25℃〜20℃で、又は25℃〜10℃で、安定で均一な液体である。
本発明の別の実施形態は、40.00重量%〜65.00重量%のトリシクロペンタジエン、0.01重量%〜3.50重量%のテトラシクロペンタジエン、及び59.99重量%〜31.50重量%のジシクロペンタジエンを含む環式オレフィン組成物を提供し、環式オレフィン組成物は、39℃〜10℃で、39℃〜15℃で、39℃〜20℃、39℃〜25℃で、39℃〜30℃で、39℃〜35℃で、30℃〜15℃で、35℃〜20℃で、35℃〜25℃で、25℃〜20℃で、又は25℃〜10℃で、安定で均一な液体である。
本発明の別の実施形態は、40.00重量%〜60.00重量%のトリシクロペンタジエン、0.01重量%〜3.00重量%のテトラシクロペンタジエン、及び59.99重量%〜37.00重量%のジシクロペンタジエンを含む環式オレフィン組成物を提供し、環式オレフィン組成物は、39℃〜10℃で、39℃〜15℃で、39℃〜20℃、39℃〜25℃で、39℃〜30℃で、39℃〜35℃で、30℃〜15℃で、35℃〜20℃で、35℃〜25℃で、25℃〜20℃で、又は25℃〜10℃で、安定で均一な液体である。
本発明の別の実施形態は、環式オレフィン組成物を含む樹脂組成物であって、環式オレフィン組成物が、35.00重量%〜70.00重量%のトリシクロペンタジエン、0.01重量%〜4.00重量%のテトラシクロペンタジエン、及び64.99重量%〜26.00重量%のジシクロペンタジエンを含む、上記樹脂組成物を提供する。
本発明の別の実施形態は、環式オレフィン組成物を含む樹脂組成物であって、環式オレフィン組成物が、40.00重量%〜65.00重量%のトリシクロペンタジエン、0.01重量%〜3.50重量%のテトラシクロペンタジエン、及び59.99重量%〜31.50重量%のジシクロペンタジエンを含む、上記樹脂組成物を提供する。
本発明の別の実施形態は、環式オレフィン組成物を含む樹脂組成物であって、環式オレフィン組成物が、40.00重量%〜60.00重量%のトリシクロペンタジエン、0.01重量%〜3.00重量%のテトラシクロペンタジエン、及び59.99重量%〜37.00重量%のジシクロペンタジエンを含む、上記樹脂組成物を提供する。
本発明の別の実施形態は、環式オレフィン組成物を含む樹脂組成物であって、環式オレフィン組成物が、35.00重量%〜70.00重量%のトリシクロペンタジエン、0.01重量%〜4.00重量%のテトラシクロペンタジエン、及び64.99重量%〜26.00重量%のジシクロペンタジエンを含む、上記樹脂組成物を提供し、樹脂組成物は、39℃〜10℃で、39℃〜15℃で、39℃〜20℃、39℃〜25℃で、39℃〜30℃で、39℃〜35℃で、30℃〜15℃で、35℃〜20℃で、35℃〜25℃で、25℃〜20℃で、又は25℃〜10℃で、安定で均一な液体である。
本発明の別の実施形態は、環式オレフィン組成物を含む樹脂組成物であって、環式オレフィン組成物が、40.00重量%〜65.00重量%のトリシクロペンタジエン、0.01重量%〜3.50重量%のテトラシクロペンタジエン、及び59.99重量%〜31.50重量%のジシクロペンタジエンを含む、上記樹脂組成物を提供し、樹脂組成物は、39℃〜10℃で、39℃〜15℃で、39℃〜20℃、39℃〜25℃で、39℃〜30℃で、39℃〜35℃で、30℃〜15℃で、35℃〜20℃で、35℃〜25℃で、25℃〜20℃で、又は25℃〜10℃で、安定で均一な液体である。
本発明の別の実施形態は、環式オレフィン組成物を含む樹脂組成物であって、環式オレフィン組成物が、40.00重量%〜60.00重量%のトリシクロペンタジエン、0.01重量%〜3.00重量%のテトラシクロペンタジエン、及び59.99重量%〜37.00重量%のジシクロペンタジエンを含む、上記樹脂組成物を提供し、樹脂組成物は、39℃〜10℃で、39℃〜15℃で、39℃〜20℃、39℃〜25℃で、39℃〜30℃で、39℃〜35℃で、30℃〜15℃で、35℃〜20℃で、35℃〜25℃で、25℃〜20℃で、又は25℃〜10℃で、安定で均一な液体である。
本発明の別の実施形態は、実質的にボイドを含まない物品を調製するための方法であって、樹脂組成物と触媒組成物とを組み合わせて、ROMP組成物を形成することであって、触媒組成物は、少なくとも1種の金属カルベンオレフィンメタセシス触媒を含み、樹脂組成物は、環式オレフィン組成物を含み、環式オレフィン組成物は、35.00重量%〜70.00重量%のトリシクロペンタジエン、0.1重量%〜4.00重量%のテトラシクロペンタジエン、及び64.99重量%〜26.00重量%のジシクロペンタジエンを含むこと、並びにオレフィンメタセシス反応(例えば、開環メタセシス重合反応)を促進するのに有効な条件にROMP組成物を曝すことを含む上記方法を提供する。
本発明の別の実施形態は、実質的にボイドを含まない物品を調製するための方法であって、樹脂組成物と触媒組成物とを組み合わせて、ROMP組成物を形成することであって、触媒組成物は、少なくとも1種の金属カルベンオレフィンメタセシス触媒を含み、樹脂組成物は、環式オレフィン組成物を含み、環式オレフィン組成物は、40.00重量%〜65.00重量%のトリシクロペンタジエン、0.1重量%〜3.50重量%のテトラシクロペンタジエン、及び59.99重量%〜31.50重量%のジシクロペンタジエンを含むこと、並びにオレフィンメタセシス反応(例えば、開環メタセシス重合反応)を促進するのに有効な条件にROMP組成物を曝すことを含む上記方法を提供する。
本発明の別の実施形態は、実質的にボイドを含まない物品を調製するための方法であって、樹脂組成物と触媒組成物とを組み合わせて、ROMP組成物を形成することであって、触媒組成物は、少なくとも1種の金属カルベンオレフィンメタセシス触媒を含み、樹脂組成物は、環式オレフィン組成物を含み、環式オレフィン組成物は、40.00重量%〜60.00重量%のトリシクロペンタジエン、0.1重量%〜3.00重量%のテトラシクロペンタジエン、及び59.99重量%〜37.00重量%のジシクロペンタジエンを含むこと、並びにオレフィンメタセシス反応(例えば、開環メタセシス重合反応)を促進するのに有効な条件にROMP組成物を曝すことを含む上記方法を提供する。
本発明の別の実施形態は、樹脂組成物と少なくとも1種の金属カルベンオレフィンメタセシス触媒を含む触媒組成物とを含む製造品であって、樹脂組成物が環式オレフィン組成物を含み、環式オレフィン組成物が、35.00重量%〜70.00重量%のトリシクロペンタジエン、0.01重量%〜4.00重量%のテトラシクロペンタジエン、及び64.99重量%〜26.00重量%のジシクロペンタジエンを含む上記製造品を提供する。
本発明の別の実施形態は、樹脂組成物と少なくとも1種の金属カルベンオレフィンメタセシス触媒を含む触媒組成物とを含む製造品であって、樹脂組成物が環式オレフィン組成物を含み、環式オレフィン組成物が、40.00重量%〜65.00重量%のトリシクロペンタジエン、0.01重量%〜3.50重量%のテトラシクロペンタジエン、及び59.99重量%〜31.50重量%のジシクロペンタジエンを含む上記製造品を提供する。
本発明の別の実施形態は、樹脂組成物と少なくとも1種の金属カルベンオレフィンメタセシス触媒を含む触媒組成物とを含む製造品であって、樹脂組成物が環式オレフィン組成物を含み、環式オレフィン組成物が、40.00重量%〜60.00重量%のトリシクロペンタジエン、0.01重量%〜3.00重量%のテトラシクロペンタジエン、及び59.99重量%〜37.00重量%のジシクロペンタジエンを含む上記製造品を提供する。
本発明の別の実施形態は、ROMPポリマーを含む製造品であって、ROMPポリマーが、樹脂組成物と少なくとも1種の金属カルベンオレフィンメタセシス触媒を含む触媒組成物との反応生成物であり、樹脂組成物が環式オレフィン組成物を含み、環式オレフィン組成物が、35.00重量%〜70.00重量%のトリシクロペンタジエン、0.01重量%〜4.00重量%のテトラシクロペンタジエン、及び64.99重量%〜26.00重量%のジシクロペンタジエンを含む、上記製造品を提供する。
本発明の別の実施形態は、ROMPポリマーを含む製造品であって、ROMPポリマーが、樹脂組成物と少なくとも1種の金属カルベンオレフィンメタセシス触媒を含む触媒組成物との反応生成物であり、樹脂組成物が環式オレフィン組成物を含み、環式オレフィン組成物が、40.00重量%〜65.00重量%のトリシクロペンタジエン、0.01重量%〜3.50重量%のテトラシクロペンタジエン、及び59.99重量%〜31.50重量%のジシクロペンタジエンを含む、上記製造品を提供する。
本発明の別の実施形態は、ROMPポリマーを含む製造品であって、ROMPポリマーが、樹脂組成物と少なくとも1種の金属カルベンオレフィンメタセシス触媒を含む触媒組成物との反応生成物であり、樹脂組成物が環式オレフィン組成物を含み、環式オレフィン組成物が、40.00重量%〜60.00重量%のトリシクロペンタジエン、0.01重量%〜3.00重量%のテトラシクロペンタジエン、及び59.99重量%〜37.00重量%のジシクロペンタジエンを含む、上記製造品を提供する。
本発明の別の実施形態は、ROMPポリマー複合体を含む製造品であって、ROMPポリマー複合体が、樹脂組成物と少なくとも1種の金属カルベンオレフィンメタセシス触媒を含む触媒組成物との反応生成物であり、樹脂組成物が環式オレフィン組成物を含み、環式オレフィン組成物が、35.00重量%〜70.00重量%のトリシクロペンタジエン、0.01重量%〜4.00重量%のテトラシクロペンタジエン、及び64.99重量%〜26.00重量%のジシクロペンタジエンを含む、上記製造品を提供する。
本発明の別の実施形態は、ROMPポリマー複合体を含む製造品であって、ROMPポリマー複合体が、樹脂組成物と少なくとも1種の金属カルベンオレフィンメタセシス触媒を含む触媒組成物との反応生成物であり、樹脂組成物が環式オレフィン組成物を含み、環式オレフィン組成物が、40.00重量%〜65.00重量%のトリシクロペンタジエン、0.01重量%〜3.50重量%のテトラシクロペンタジエン、及び59.99重量%〜31.50重量%のジシクロペンタジエンを含む、上記製造品を提供する。
本発明の別の実施形態は、ROMPポリマー複合体を含む製造品であって、ROMPポリマー複合体が、樹脂組成物と少なくとも1種の金属カルベンオレフィンメタセシス触媒を含む触媒組成物との反応生成物であり、樹脂組成物が環式オレフィン組成物を含み、環式オレフィン組成物が、40.00重量%〜60.00重量%のトリシクロペンタジエン、0.01重量%〜3.00重量%のテトラシクロペンタジエン、及び59.99重量%〜37.00重量%のジシクロペンタジエンを含む、上記製造品を提供する。
本発明の別の実施形態は、少なくとも1種の金属カルベンオレフィンメタセシス触媒を含む触媒組成物;並びに、環式オレフィン組成物を含む樹脂組成物であって、環式オレフィン組成物が、35.00〜70.00重量パーセントのトリシクロペンタジエン、0.01〜4.00重量パーセントのテトラシクロペンタジエン、及び64.99〜26.00重量パーセントのジシクロペンタジエンを含む、上記樹脂組成物を含むROMP組成物を提供する。
本発明の別の実施形態は、少なくとも1種の金属カルベンオレフィンメタセシス触媒を含む触媒組成物;並びに、環式オレフィン組成物を含む樹脂組成物であって、環式オレフィン組成物が、40.00〜65.00重量パーセントのトリシクロペンタジエン、0.01〜3.50重量パーセントのテトラシクロペンタジエン、及び59.99〜31.50重量パーセントのジシクロペンタジエンを含む、上記樹脂組成物を含むROMP組成物を提供する。
本発明の別の実施形態は、少なくとも1種の金属カルベンオレフィンメタセシス触媒を含む触媒組成物;並びに、環式オレフィン組成物を含む樹脂組成物であって、環式オレフィン組成物が、40.00〜60.00重量パーセントのトリシクロペンタジエン、0.01〜3.00重量パーセントのテトラシクロペンタジエン、及び59.99〜37.00重量パーセントのジシクロペンタジエンを含む、上記樹脂組成物を含むROMP組成物を提供する。
本発明の別の実施形態は、少なくとも1種の金属カルベンオレフィンメタセシス触媒を含む触媒組成物を準備すること;環式オレフィン組成物を含む樹脂組成物であって、環式オレフィン組成物が、35.00〜70.00重量パーセントのトリシクロペンタジエン、0.01〜4.00重量パーセントのテトラシクロペンタジエン、及び64.99〜26.00重量パーセントのジシクロペンタジエンを含む、上記樹脂組成物を準備すること;触媒組成物と樹脂組成物とを組み合わせて、ROMP組成物を形成すること;並びにオレフィンメタセシス反応を促進するのに有効な条件にROMP組成物を曝すことを含む方法を提供する。
本発明の別の実施形態は、ROMPポリマーを製造するための方法であって、少なくとも1種の金属カルベンオレフィンメタセシス触媒を含む触媒組成物を準備すること;環式オレフィン組成物を含む樹脂組成物であって、環式オレフィン組成物が、35.00〜70.00重量パーセントのトリシクロペンタジエン、0.01〜4.00重量パーセントのテトラシクロペンタジエン、及び64.99〜26.00重量パーセントのジシクロペンタジエンを含む、上記樹脂組成物を準備すること;触媒組成物と樹脂組成物とを組み合わせて、ROMP組成物を形成すること;並びにROMP組成物の重合を促進するのに有効な条件にROMP組成物を曝すことを含む上記方法を提供する。
本発明の別の実施形態は、少なくとも1種の金属カルベンオレフィンメタセシス触媒を含む触媒組成物を準備すること;環式オレフィン組成物を含む樹脂組成物であって、環式オレフィン組成物が、40.00〜65.00重量パーセントのトリシクロペンタジエン、0.01〜3.50重量パーセントのテトラシクロペンタジエン、及び59.99〜31.50重量パーセントのジシクロペンタジエンを含む、上記樹脂組成物を準備すること;触媒組成物と樹脂組成物とを組み合わせて、ROMP組成物を形成すること;並びにオレフィンメタセシス反応を促進するのに有効な条件にROMP組成物を曝すことを含む方法を提供する。
本発明の別の実施形態は、ROMPポリマーを製造するための方法であって、少なくとも1種の金属カルベンオレフィンメタセシス触媒を含む触媒組成物を準備すること;環式オレフィン組成物を含む樹脂組成物であって、環式オレフィン組成物が、40.00〜65.00重量パーセントのトリシクロペンタジエン、0.01〜3.50重量パーセントのテトラシクロペンタジエン、及び59.99〜31.50重量パーセントのジシクロペンタジエンを含む、上記樹脂組成物を準備すること;触媒組成物と樹脂組成物とを組み合わせて、ROMP組成物を形成すること;並びにROMP組成物の重合を促進するのに有効な条件にROMP組成物を曝すことを含む上記方法を提供する。
本発明の別の実施形態は、少なくとも1種の金属カルベンオレフィンメタセシス触媒を含む触媒組成物を準備すること;環式オレフィン組成物を含む樹脂組成物であって、環式オレフィン組成物が、40.00〜60.00重量パーセントのトリシクロペンタジエン、0.01〜3.00重量パーセントのテトラシクロペンタジエン、及び59.99〜37.00重量パーセントのジシクロペンタジエンを含む、上記樹脂組成物を準備すること;触媒組成物と樹脂組成物とを組み合わせて、ROMP組成物を形成すること;並びにオレフィンメタセシス反応を促進するのに有効な条件にROMP組成物を曝すことを含む方法を提供する。
本発明の別の実施形態は、ROMPポリマーを製造するための方法であって、少なくとも1種の金属カルベンオレフィンメタセシス触媒を含む触媒組成物を準備すること;環式オレフィン組成物を含む樹脂組成物であって、環式オレフィン組成物が、40.00〜60.00重量パーセントのトリシクロペンタジエン、0.01〜3.00重量パーセントのテトラシクロペンタジエン、及び59.99〜37.00重量パーセントのジシクロペンタジエンを含む、上記樹脂組成物を準備すること;触媒組成物と樹脂組成物とを組み合わせて、ROMP組成物を形成すること;並びにROMP組成物の重合を促進するのに有効な条件にROMP組成物を曝すことを含む上記方法を提供する。
本発明の別の実施形態は、少なくとも1種の金属カルベンオレフィンメタセシス触媒を含む触媒組成物を準備すること;環式オレフィン組成物を含む樹脂組成物であって、環式オレフィン組成物が、35.00〜70.00重量パーセントのトリシクロペンタジエン、0.01〜4.00重量パーセントのテトラシクロペンタジエン、及び64.99〜26.00重量パーセントのジシクロペンタジエンを含む、上記樹脂組成物を準備すること;触媒組成物と樹脂組成物とを組み合わせて、ROMP組成物を形成すること;ROMP組成物と基材材料とを接触させること;並びにオレフィンメタセシス反応を促進するのに有効な条件にROMP組成物を曝すことを含む方法を提供する。
本発明の別の実施形態は、ROMPポリマー複合体を製造するための方法であって、少なくとも1種の金属カルベンオレフィンメタセシス触媒を含む触媒組成物を準備すること;環式オレフィン組成物を含む樹脂組成物であって、環式オレフィン組成物が、35.00〜70.00重量パーセントのトリシクロペンタジエン、0.01〜4.00重量パーセントのテトラシクロペンタジエン、及び64.99〜26.00重量パーセントのジシクロペンタジエンを含む、上記樹脂組成物を準備すること;触媒組成物と樹脂組成物とを組み合わせて、ROMP組成物を形成すること;ROMP組成物と基材材料とを接触させること;並びにROMP組成物の重合を促進するのに有効な条件にROMP組成物を曝すことを含む上記方法を提供する。
本発明の別の実施形態は、少なくとも1種の金属カルベンオレフィンメタセシス触媒を含む触媒組成物を準備すること;環式オレフィン組成物を含む樹脂組成物であって、環式オレフィン組成物が、40.00〜65.00重量パーセントのトリシクロペンタジエン、0.01〜3.50重量パーセントのテトラシクロペンタジエン、及び59.99〜31.50重量パーセントのジシクロペンタジエンを含む、上記樹脂組成物を準備すること;触媒組成物と樹脂組成物とを組み合わせて、ROMP組成物を形成すること;ROMP組成物と基材材料とを接触させること;並びにオレフィンメタセシス反応を促進するのに有効な条件にROMP組成物を曝すことを含む方法を提供する。
本発明の別の実施形態は、ROMPポリマー複合体を製造するための方法であって、少なくとも1種の金属カルベンオレフィンメタセシス触媒を含む触媒組成物を準備すること;環式オレフィン組成物を含む樹脂組成物であって、環式オレフィン組成物が、40.00〜65.00重量パーセントのトリシクロペンタジエン、0.01〜3.50重量パーセントのテトラシクロペンタジエン、及び59.99〜31.50重量パーセントのジシクロペンタジエンを含む、上記樹脂組成物を準備すること;触媒組成物と樹脂組成物とを組み合わせて、ROMP組成物を形成すること;ROMP組成物と基材材料とを接触させること;並びにROMP組成物の重合を促進するのに有効な条件にROMP組成物を曝すことを含む上記方法を提供する。
本発明の別の実施形態は、少なくとも1種の金属カルベンオレフィンメタセシス触媒を含む触媒組成物を準備すること;環式オレフィン組成物を含む樹脂組成物であって、環式オレフィン組成物が、40.00〜60.00重量パーセントのトリシクロペンタジエン、0.01〜3.00重量パーセントのテトラシクロペンタジエン、及び59.99〜37.00重量パーセントのジシクロペンタジエンを含む、上記樹脂組成物を準備すること;触媒組成物と樹脂組成物とを組み合わせて、ROMP組成物を形成すること;ROMP組成物と基材材料とを接触させること;並びにオレフィンメタセシス反応を促進するのに有効な条件にROMP組成物を曝すことを含む方法を提供する。
本発明の別の実施形態は、ROMPポリマー複合体を製造するための方法であって、少なくとも1種の金属カルベンオレフィンメタセシス触媒を含む触媒組成物を準備すること;環式オレフィン組成物を含む樹脂組成物であって、環式オレフィン組成物が、40.00〜60.00重量パーセントのトリシクロペンタジエン、0.01〜3.00重量パーセントのテトラシクロペンタジエン、及び59.99〜37.00重量パーセントのジシクロペンタジエンを含む、上記樹脂組成物を準備すること;触媒組成物と樹脂組成物とを組み合わせて、ROMP組成物を形成すること;ROMP組成物と基材材料とを接触させること;並びにROMP組成物の重合を促進するのに有効な条件にROMP組成物を曝すことを含む上記方法を提供する。
本発明の別の実施形態は、35.00重量%〜70.00重量%のトリシクロペンタジエン、0.01重量%〜4.00重量%のテトラシクロペンタジエン、及び64.99重量%までの1種又は複数の他の環式オレフィンを含む環式オレフィン組成物を提供する。
本発明の別の実施形態は、35.00重量%〜70.00重量%のトリシクロペンタジエン、0.01重量%〜4.00重量%のテトラシクロペンタジエン、及び64.99重量%までの1種又は複数の他の環式オレフィンを含む環式オレフィン組成物を提供し、他の環式オレフィンは、35℃未満の融点を有する。
本発明の別の実施形態は、35.00〜70.00重量パーセントのトリシクロペンタジエン、0.01〜4.00重量パーセントのテトラシクロペンタジエン、及び64.99重量パーセントまでの1種又は複数の他の環式オレフィンを含む環式オレフィン組成物を提供し、重量パーセントはガスクロマトグラフィーにより決定される。
本発明の別の実施形態は、35.00重量%〜70.00重量%のトリシクロペンタジエン、0.01重量%〜4.00重量%のテトラシクロペンタジエン、及び64.99重量%までの1種又は複数の他の環式オレフィンを含む環式オレフィン組成物を提供し、環式オレフィン組成物は、39℃〜10℃で、39℃〜15℃で、39℃〜20℃、39℃〜25℃で、39℃〜30℃で、39℃〜35℃で、30℃〜15℃で、35℃〜20℃で、35℃〜25℃で、25℃〜20℃で、又は25℃〜10℃で、安定で均一な液体である。
本発明の別の実施形態は、環式オレフィン組成物を含む樹脂組成物であって、環式オレフィン組成物が、35.00重量%〜70.00重量%のトリシクロペンタジエン、0.01重量%〜4.00重量%のテトラシクロペンタジエン、及び64.99重量%までの1種又は複数の他の環式オレフィンを含む、上記樹脂組成物を提供する。
本発明の別の実施形態は、環式オレフィン組成物を含む樹脂組成物であって、環式オレフィン組成物が、35.00重量%〜70.00重量%のトリシクロペンタジエン、0.01重量%〜4.00重量%のテトラシクロペンタジエン、及び64.99重量%までの1種又は複数の他の環式オレフィンを含む、上記樹脂組成物を提供し、樹脂組成物は、39℃〜10℃で、39℃〜15℃で、39℃〜20℃、39℃〜25℃で、39℃〜30℃で、39℃〜35℃で、30℃〜15℃で、35℃〜20℃で、35℃〜25℃で、25℃〜20℃で、又は25℃〜10℃で、安定で均一な液体である。
本発明の別の実施形態は、少なくとも1種の金属カルベンオレフィンメタセシス触媒を含む触媒組成物;並びに、環式オレフィン組成物を含む樹脂組成物であって、環式オレフィン組成物が、35.00重量%〜70.00重量%のトリシクロペンタジエン、0.01重量%〜4.00重量%のテトラシクロペンタジエン、及び64.99重量%までの1種又は複数の他の環式オレフィンを含む、上記樹脂組成物を含むROMP組成物を提供する。
本発明の別の実施形態は、少なくとも1種の金属カルベンオレフィンメタセシス触媒を含む触媒組成物を準備すること;環式オレフィン組成物を含む樹脂組成物であって、環式オレフィン組成物が、35.00重量%〜70.00重量%のトリシクロペンタジエン、0.01重量%〜4.00重量%のテトラシクロペンタジエン、及び64.99重量%までの1種又は複数の他の環式オレフィンを含む、上記樹脂組成物を準備すること;触媒組成物と樹脂組成物とを組み合わせて、ROMP組成物を形成すること;並びにオレフィンメタセシス反応を促進するのに有効な条件にROMP組成物を曝すことを含む方法を提供する。
本発明の別の実施形態は、ROMPポリマーを製造するための方法であって、少なくとも1種の金属カルベンオレフィンメタセシス触媒を含む触媒組成物を準備すること;環式オレフィン組成物を含む樹脂組成物であって、環式オレフィン組成物が、35.00重量%〜70.00重量%のトリシクロペンタジエン、0.01重量%〜4.00重量%のテトラシクロペンタジエン、及び64.99重量%までの1種又は複数の他の環式オレフィンを含む、上記樹脂組成物を準備すること;触媒組成物と樹脂組成物とを組み合わせて、ROMP組成物を形成すること;並びにROMP組成物の重合を促進するのに有効な条件にROMP組成物を曝すことを含む上記方法を提供する。
本発明の別の実施形態は、少なくとも1種の金属カルベンオレフィンメタセシス触媒を含む触媒組成物を準備すること;環式オレフィン組成物を含む樹脂組成物であって、環式オレフィン組成物が、35.00重量%〜70.00重量%のトリシクロペンタジエン、0.01重量%〜4.00重量%のテトラシクロペンタジエン、及び64.99重量%までの1種又は複数の他の環式オレフィンを含む、上記樹脂組成物を準備すること;触媒組成物と樹脂組成物とを組み合わせて、ROMP組成物を形成すること;ROMP組成物と基材材料とを接触させること;並びにオレフィンメタセシス反応を促進するのに有効な条件にROMP組成物を曝すことを含む方法を提供する。
本発明の別の実施形態は、ROMPポリマーを製造するための方法であって、少なくとも1種の金属カルベンオレフィンメタセシス触媒を含む触媒組成物を準備すること;環式オレフィン組成物を含む樹脂組成物であって、環式オレフィン組成物が、35.00重量%〜70.00重量%のトリシクロペンタジエン、0.01重量%〜4.00重量%のテトラシクロペンタジエン、及び64.99重量%までの1種又は複数の他の環式オレフィンを含む、上記樹脂組成物を準備すること;触媒組成物と樹脂組成物とを組み合わせて、ROMP組成物を形成すること;ROMP組成物と基材材料とを接触させること;並びにROMP組成物の重合を促進するのに有効な条件にROMP組成物を曝すことを含む上記方法を提供する。
本発明の別の実施形態は、実質的にボイドを含まない物品を調製するための方法であって、樹脂組成物と触媒組成物とを組み合わせて、ROMP組成物を形成することであって、触媒組成物が、少なくとも1種の金属カルベンオレフィンメタセシス触媒を含み、樹脂組成物が環式オレフィン組成物を含み、環式オレフィン組成物が、35.00重量%〜70.00重量%のトリシクロペンタジエン、0.01重量%〜4.00重量%のテトラシクロペンタジエン、及び64.99重量%までの1種又は複数の他の環式オレフィンを含むこと、並びにオレフィンメタセシス反応(例えば、開環メタセシス重合反応)を促進するのに有効な条件にROMP組成物を曝すことを含む上記方法を提供する。
本発明の別の実施形態は、樹脂組成物と少なくとも1種の金属カルベンオレフィンメタセシス触媒を含む触媒組成物とを含む製造品であって、樹脂組成物が環式オレフィン組成物を含み、環式オレフィン組成物が、35.00重量%〜70.00重量%のトリシクロペンタジエン、0.01重量%〜4.00重量%のテトラシクロペンタジエン、及び64.99重量%までの1種又は複数の他の環式オレフィンを含む、上記製造品を提供する。
本発明の別の実施形態は、ROMPポリマーを含む製造品であって、ROMPポリマーが、樹脂組成物と少なくとも1種の金属カルベンオレフィンメタセシス触媒を含む触媒組成物との反応生成物であり、樹脂組成物が環式オレフィン組成物を含み、環式オレフィン組成物が、35.00重量%〜70.00重量%のトリシクロペンタジエン、0.01重量%〜4.00重量%のテトラシクロペンタジエン、及び64.99重量%までの1種又は複数の他の環式オレフィンを含む、上記製造品を提供する。
本発明の別の実施形態は、ROMPポリマー複合体を含む製造品であって、ROMPポリマー複合体が、樹脂組成物と少なくとも1種の金属カルベンオレフィンメタセシス触媒を含む触媒組成物との反応生成物であり、樹脂組成物が環式オレフィン組成物を含み、環式オレフィン組成物が、35.00重量%〜70.00重量%のトリシクロペンタジエン、0.01重量%〜4.00重量%のテトラシクロペンタジエン、及び64.99重量%までの1種又は複数の他の環式オレフィンを含む、上記製造品を提供する。
本発明の別の実施形態は、環式オレフィン組成物を提供し、環式オレフィン組成物は、35〜70重量パーセントのトリシクロペンタジエン及び4重量パーセント未満のテトラシクロペンタジエンを含む。
本発明の別の実施形態は、環式オレフィン組成物を提供し、環式オレフィン組成物は、35〜70重量パーセントのトリシクロペンタジエン及び3.5重量パーセント未満のテトラシクロペンタジエンを含む。
本発明の別の実施形態は、環式オレフィン組成物を提供し、環式オレフィン組成物は、35〜70重量パーセントのトリシクロペンタジエン及び3重量パーセント未満のテトラシクロペンタジエンを含む。
本発明の別の実施形態は、55重量%〜58重量%のトリシクロペンタジエン、0重量%〜3.6重量%のテトラシクロペンタジエン、及び38重量%〜42重量%のジシクロペンタジエンを含む環式オレフィン組成物を提供する。
本発明の別の実施形態は、55重量%〜58重量%のトリシクロペンタジエン、0重量%〜3.6重量%のテトラシクロペンタジエン、及び38重量%〜42重量%のジシクロペンタジエンを含む環式オレフィン組成物を提供し、環式オレフィン組成物は、39℃〜10℃で、39℃〜15℃で、39℃〜20℃、39℃〜25℃で、39℃〜30℃で、39℃〜35℃で、30℃〜15℃で、35℃〜20℃で、35℃〜25℃で、25℃〜20℃で、又は25℃〜10℃で、安定で均一な液体である。
本発明の別の実施形態は、環式オレフィン組成物を含む樹脂組成物であって、環式オレフィン組成物が、55重量%〜58重量%のトリシクロペンタジエン、0重量%〜3.6重量%のテトラシクロペンタジエン、及び38重量%〜42重量%のジシクロペンタジエンを含む、上記樹脂組成物を提供する。
本発明の別の実施形態は、環式オレフィン組成物を含む樹脂組成物であって、環式オレフィン組成物が、55重量%〜58重量%のトリシクロペンタジエン、0重量%〜3.6重量%のテトラシクロペンタジエン、及び38重量%〜42重量%のジシクロペンタジエンを含む、上記樹脂組成物を提供し、樹脂組成物は、39℃〜10℃で、39℃〜15℃で、39℃〜20℃、39℃〜25℃で、39℃〜30℃で、39℃〜35℃で、30℃〜15℃で、35℃〜20℃で、35℃〜25℃で、25℃〜20℃で、又は25℃〜10°で、安定で均一な液体である。
本発明の別の実施形態は、実質的にボイドを含まない物品を調製するための方法であって、樹脂組成物と触媒組成物とを組み合わせて、ROMP組成物を形成することであって、触媒組成物が少なくとも1種の金属カルベンオレフィンメタセシス触媒を含み、樹脂組成物が環式オレフィン組成物を含み、環式オレフィン組成物が、55重量%〜58重量%のトリシクロペンタジエン、0重量%〜3.6重量%のテトラシクロペンタジエン、及び38重量%〜42重量%のジシクロペンタジエンを含むこと、並びにオレフィンメタセシス反応(例えば、開環メタセシス重合反応)を促進するのに有効な条件にROMP組成物を曝すことを含む上記方法を提供する。
本発明の別の実施形態は、樹脂組成物と少なくとも1種の金属カルベンオレフィンメタセシス触媒を含む触媒組成物とを含む製造品であって、樹脂組成物が環式オレフィン組成物を含み、環式オレフィン組成物が、55重量%〜58重量%のトリシクロペンタジエン、0重量%〜3.6重量%のテトラシクロペンタジエン、及び38重量%〜42重量%のジシクロペンタジエンを含む、上記製造品を提供する。
本発明の別の実施形態は、ROMPポリマーを含む製造品であって、ROMPポリマーが、樹脂組成物と少なくとも1種の金属カルベンオレフィンメタセシス触媒を含む触媒組成物との反応生成物であり、樹脂組成物が環式オレフィン組成物を含み、環式オレフィン組成物が、55重量%〜58重量%のトリシクロペンタジエン、0重量%〜3.6重量%のテトラシクロペンタジエン、及び38重量%〜42重量%のジシクロペンタジエンを含む、上記製造品を提供する。
本発明の別の実施形態は、ROMPポリマー複合体を含む製造品であって、ROMPポリマー複合体が、樹脂組成物と少なくとも1種の金属カルベンオレフィンメタセシス触媒を含む触媒組成物との反応生成物であり、樹脂組成物が環式オレフィン組成物を含み、環式オレフィン組成物が、55重量%〜58重量%のトリシクロペンタジエン、0重量%〜3.6重量%のテトラシクロペンタジエン、及び38重量%〜42重量%のジシクロペンタジエンを含む、上記製造品を提供する。
本発明の別の実施形態は、少なくとも1種の金属カルベンオレフィンメタセシス触媒を含む触媒組成物;並びに環式オレフィン組成物を含む樹脂組成物であって、環式オレフィン組成物が、55重量%〜58重量%のトリシクロペンタジエン、0重量%〜3.6重量%のテトラシクロペンタジエン、及び38重量%〜42重量%のジシクロペンタジエンを含む、上記樹脂組成物を含むROMP組成物を提供する。
本発明の別の実施形態は、少なくとも1種の金属カルベンオレフィンメタセシス触媒を含む触媒組成物を準備すること;環式オレフィン組成物を含む樹脂組成物であって、環式オレフィン組成物が、55重量%〜58重量%のトリシクロペンタジエン、0重量%〜3.6重量%のテトラシクロペンタジエン、及び38重量%〜42重量%のジシクロペンタジエンを含む、上記樹脂組成物を準備すること;触媒組成物と樹脂組成物とを組み合わせて、ROMP組成物を形成すること;並びにオレフィンメタセシス反応を促進するのに有効な条件にROMP組成物を曝すことを含む方法を提供する。
本発明の別の実施形態は、ROMPポリマーを製造するための方法であって、少なくとも1種の金属カルベンオレフィンメタセシス触媒を含む触媒組成物を準備すること;環式オレフィン組成物を含む樹脂組成物であって、環式オレフィン組成物が、55重量%〜58重量%のトリシクロペンタジエン、0重量%〜3.6重量%のテトラシクロペンタジエン、及び38重量%〜42重量%のジシクロペンタジエンを含む、上記樹脂組成物を準備すること;触媒組成物と樹脂組成物とを組み合わせて、ROMP組成物を形成すること;並びにROMP組成物の重合を促進するのに有効な条件にROMP組成物を曝すことを含む上記方法を提供する。
本発明の別の実施形態は、少なくとも1種の金属カルベンオレフィンメタセシス触媒を含む触媒組成物を準備すること;環式オレフィン組成物を含む樹脂組成物であって、環式オレフィン組成物が、55重量%〜58重量%のトリシクロペンタジエン、0重量%〜3.6重量%のテトラシクロペンタジエン、及び38重量%〜42重量%のジシクロペンタジエンを含む、上記樹脂組成物を準備すること;触媒組成物と樹脂組成物とを組み合わせて、ROMP組成物を形成すること;ROMP組成物と少なくとも1種の基材材料とを接触させること;並びにオレフィンメタセシス反応を促進するのに有効な条件にROMP組成物を曝すことを含む方法を提供する。
本発明の別の実施形態は、ROMPポリマー複合体を製造するための方法であって、少なくとも1種の金属カルベンオレフィンメタセシス触媒を含む触媒組成物を準備すること;環式オレフィン組成物を含む樹脂組成物であって、環式オレフィン組成物が、55重量%〜58重量%のトリシクロペンタジエン、0重量%〜3.6重量%のテトラシクロペンタジエン、及び38重量%〜42重量%のジシクロペンタジエンを含む、上記樹脂組成物を準備すること;触媒組成物と樹脂組成物とを組み合わせて、ROMP組成物を形成すること;ROMP組成物と少なくとも1種の基材材料とを接触させること;並びにROMP組成物の重合を促進するのに有効な条件にROMP組成物を曝すことを含む上記方法を提供する。
別の実施形態では、本発明は、少なくとも1種の金属カルベンオレフィンメタセシス触媒を含む触媒組成物並びに環式オレフィン組成物を含む樹脂組成物であって、環式オレフィン組成物が、35.00重量%〜70.00重量%のトリシクロペンタジエン、0.01重量%〜4.00重量%のテトラシクロペンタジエン、及び64.99重量%までの1種又は複数の他のオレフィンを含む、上記樹脂組成物を含むROMP組成物を提供し、ROMP組成物又は樹脂組成物は、39.9℃〜20℃、39.9℃〜25℃、39.9℃〜30℃、35℃〜20℃、又は35℃〜25℃であり、ROMP組成物を60℃〜200℃、60℃〜150℃、60℃〜120℃、60℃〜100℃、60℃〜90℃、若しくは60℃〜80℃に予熱した成形型に添加して且つ/又は成形型を急速に加熱して(例えば、0.5℃/分を超える速度で)、成形ポリマー物品及び/又はポリマー複合体物品を調製することができ、得られた成形ポリマー物品及び/又はポリマー複合体物品には欠陥がない又は実質的にない。
別の実施形態では、本発明は、少なくとも1種の金属カルベンオレフィンメタセシス触媒を含む触媒組成物並びに環式オレフィン組成物を含む樹脂組成物であって、環式オレフィン組成物が、35.00〜70.00重量パーセントのトリシクロペンタジエン、0.01〜4.00重量パーセントのテトラシクロペンタジエン、及び64.99〜26.00重量パーセントのジシクロペンタジエンを含む、上記樹脂組成物を含むROMP組成物を提供し、ROMP組成物又は樹脂組成物は、39.9℃〜20℃、39.9℃〜25℃、39.9℃〜30℃、35℃〜20℃、又は35℃〜25℃であり、ROMP組成物を60℃〜200℃、60℃〜150℃、60℃〜120℃、60℃〜100℃、60℃〜90℃、若しくは60℃〜80℃に予熱した成形型に添加して且つ/又は成形型を急速に加熱して(例えば、0.5℃/分を超える速度で)、成形ポリマー物品及び/又はポリマー複合体物品を調製することができ、得られた成形ポリマー物品及び/又はポリマー複合体物品には欠陥がない又は実質的にない。
別の実施形態では、本発明は、樹脂組成物を調製するための、35.00重量%〜70.00重量%のトリシクロペンタジエン、0.01重量%〜4.00重量%のテトラシクロペンタジエン、及び64.99重量%までの1種又は複数の他のオレフィンを含む環式オレフィン組成物の使用を提供する。
別の実施形態では、本発明は、樹脂組成物を調製するための、35.00〜70.00重量パーセントのトリシクロペンタジエン、0.01〜4.00重量パーセントのテトラシクロペンタジエン、及び64.99〜26.00重量パーセントのジシクロペンタジエンを含む環式オレフィン組成物の使用を提供する。
別の実施形態では、本発明は、樹脂組成物を調製するための環式オレフィン組成物の使用を提供し、環式オレフィン組成物は、35.00重量%〜70.00重量%のトリシクロペンタジエン、0.01重量%〜4.00重量%のテトラシクロペンタジエン、及び64.99重量%までの1種又は複数の他のオレフィンを含み、環式オレフィン組成物は、39℃〜10℃で、39℃〜15℃で、39℃〜20℃、39℃〜25℃で、39℃〜30℃で、39℃〜35℃で、30℃〜15℃で、35℃〜20℃で、35℃〜25℃で、25℃〜20℃で、又は25℃〜10℃で、安定で均一な液体である。
別の実施形態では、本発明は、樹脂組成物を調製するための環式オレフィン組成物の使用を提供し、環式オレフィン組成物が、35.00〜70.00重量パーセントのトリシクロペンタジエン、0.01〜4.00重量パーセントのテトラシクロペンタジエン、及び64.99〜26.00重量パーセントのジシクロペンタジエンを含み、樹脂組成物は、39℃〜10℃で、39℃〜15℃で、39℃〜20℃、39℃〜25℃で、39℃〜30℃で、39℃〜35℃で、30℃〜15℃で、35℃〜20℃で、35℃〜25℃で、25℃〜20℃で、又は25℃〜10℃で、安定で均一な液体である。
別の実施形態では、本発明は、欠陥がない又は実質的にないポリマー物品を調製するための環式オレフィン組成物の使用であって、ポリマー物品がROMP組成物の重合反応により形成され、ROMP組成物が、樹脂組成物と少なくとも1種の金属カルベンオレフィンメタセシス触媒を含む触媒組成物とを含み、樹脂組成物が、35.00重量%〜70.00重量%のトリシクロペンタジエン、0.01重量%〜4.00重量%のテトラシクロペンタジエン、及び64.99重量%までの1種又は複数の他のオレフィンを含む環式オレフィン組成物を含む、上記使用を提供する。
別の実施形態では、本発明は、ポリマー物品を調製するための環式オレフィン組成物の使用であって、ポリマー物品がROMP組成物の重合反応により形成され、ROMP組成物が、樹脂組成物と少なくとも1種の金属カルベンオレフィンメタセシス触媒を含む触媒組成物とを含み、樹脂組成物が、35.00重量%〜70.00重量%のトリシクロペンタジエン、0.01重量%〜4.00重量%のテトラシクロペンタジエン、及び64.99重量%までの1種又は複数の他のオレフィンを含む環式オレフィン組成物を含む、上記使用を提供する。
別の実施形態では、本発明は、欠陥がない又は実質的にないポリマー複合体物品を調製するための環式オレフィン組成物の使用であって、ポリマー複合体物品が、基材材料と接触したROMP組成物の重合反応により形成され、ROMP組成物が、樹脂組成物と少なくとも1種の金属カルベンオレフィンメタセシス触媒を含む触媒組成物とを含み、樹脂組成物が、35.00重量%〜70.00重量%のトリシクロペンタジエン、0.01重量%〜4.00重量%のテトラシクロペンタジエン、及び64.99重量%までの1種又は複数の他のオレフィンを含む環式オレフィン組成物を含む、上記使用を提供する。
別の実施形態では、本発明は、ポリマー複合体物品を調製するための環式オレフィン組成物の使用であって、ポリマー複合体物品が、基材材料と接触したROMP組成物の重合反応により形成され、ROMP組成物が、樹脂組成物と少なくとも1種の金属カルベンオレフィンメタセシス触媒を含む触媒組成物とを含み、樹脂組成物が、35.00重量%〜70.00重量%のトリシクロペンタジエン、0.01重量%〜4.00重量%のテトラシクロペンタジエン、及び64.99重量%までの1種又は複数の他のオレフィンを含む環式オレフィン組成物を含む、上記使用を提供する。
別の実施形態では、本発明は、欠陥がない又は実質的にないポリマー物品を調製するための環式オレフィン組成物の使用であって、ポリマー物品がROMP組成物の重合反応により形成され、ROMP組成物が、樹脂組成物と少なくとも1種の金属カルベンオレフィンメタセシス触媒を含む触媒組成物とを含み、樹脂組成物が、35.00〜70.00重量パーセントのトリシクロペンタジエン、0.01〜4.00重量パーセントのテトラシクロペンタジエン、及び64.99〜26.00重量パーセントのジシクロペンタジエンを含む環式オレフィン組成物を含む、上記使用を提供する。
別の実施形態では、本発明は、ポリマー物品を調製するための環式オレフィン組成物の使用であって、ポリマー物品がROMP組成物の重合反応により形成され、ROMP組成物が、樹脂組成物と少なくとも1種の金属カルベンオレフィンメタセシス触媒を含む触媒組成物とを含み、樹脂組成物が、35.00〜70.00重量パーセントのトリシクロペンタジエン、0.01〜4.00重量パーセントのテトラシクロペンタジエン、及び64.99〜26.00重量パーセントのジシクロペンタジエンを含む環式オレフィン組成物を含む、上記使用を提供する。
別の実施形態では、本発明は、欠陥がない又は実質的にないポリマー複合体物品を調製するための環式オレフィン組成物の使用であって、ポリマー複合体物品が、基材材料と接触したROMP組成物の重合反応により形成され、ROMP組成物が、樹脂組成物と少なくとも1種の金属カルベンオレフィンメタセシス触媒を含む触媒組成物とを含み、樹脂組成物が、35.00〜70.00重量パーセントのトリシクロペンタジエン、0.01〜4.00重量パーセントのテトラシクロペンタジエン、及び、64.99〜26.00重量パーセントのジシクロペンタジエンを含む環式オレフィン組成物を含む、上記使用を提供する。
別の実施形態では、本発明は、ポリマー複合体物品を調製するための環式オレフィン組成物の使用であって、ポリマー複合体物品が、基材材料と接触したROMP組成物の重合反応により形成され、ROMP組成物が、樹脂組成物と少なくとも1種の金属カルベンオレフィンメタセシス触媒を含む触媒組成物とを含み、樹脂組成物が、35.00〜70.00重量パーセントのトリシクロペンタジエン、0.01〜4.00重量パーセントのテトラシクロペンタジエン、及び64.99〜26.00重量パーセントのジシクロペンタジエンを含む環式オレフィン組成物を含む、上記使用を提供する。
本明細書における実施形態は、限定的な意味で解釈されることを意図していない。本発明の実施形態の形態及び詳細における多様な変更、並びに本発明のその他の態様及び変形形態が、以下の詳細な説明及び実施例に照らして、当業者に明らかとなろう。
用語法及び定義
特定の反応物、置換基、触媒、環式オレフィン、樹脂組成物、環式オレフィン組成物、触媒組成物、反応条件等は変わり得るので、別段指定されない限り、本発明はこれらに限定されない。また、本明細書で使用される用語法は、単に特定の実施形態を説明する目的のものであり、限定的であると解釈されるべきでないと理解される。
本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用される場合、単数形「a」、「an」及び「the」は、状況によって別段明示されない限り、複数の参照対象を含む。したがって、例えば、「1つのα−オレフィン」への言及は、単一のα−オレフィン並びに2つ以上のα−オレフィンの組合せ又は混合物を含み、「1つの置換基」への言及は、単一の置換基並びに2つ以上の置換基等を包含する。
本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用される場合、用語「例えば」、「例として」、「などの」又は「含めた」は、より全般的な主題をさらに明確にする例を導入することを意味する。別段特定されない限り、これらの例は、本発明を理解するための助けとしてのみ提示され、いかなる様式でも限定的であることを意味しない。
本明細書及び以下の特許請求の範囲では、いくつかの用語に言及するが、それらは以下の意味を有すると定義されるものとする。
用語「アルキル」は、本明細書で使用される場合、典型的に、必ずではないが、1〜約24個の炭素原子、好ましくは1〜約12個の炭素原子を含有する直鎖、分岐又は環式飽和炭化水素基、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、t−ブチル、オクチル、デシル等、並びにシクロアルキル基、例えばシクロペンチル、シクロヘキシル等を指す。一般に、やはり必ずではないが、アルキル基は、本明細書では、1〜約12個の炭素原子を含有する。用語「低級アルキル」は、1〜6個の炭素原子のアルキル基を指し、特定の用語「シクロアルキル」は、典型的に4〜8個、好ましくは5〜7個の炭素原子を有する環式アルキル基を指す。用語「置換アルキル」は、1つ又は複数の置換基で置換されているアルキルを指し、用語「ヘテロ原子含有アルキル」及び「ヘテロアルキル」は、少なくとも1つの炭素原子がヘテロ原子で置き換えられているアルキルを指す。別段示されない場合、用語「アルキル」及び「低級アルキル」は、それぞれ、直鎖、分岐、環式、非置換、置換の、及び/又はヘテロ原子を含有するアルキル及び低級アルキルを含む。
用語「アルキレン」は、本明細書で使用される場合、二官能性の直鎖、分岐又は環式アルキル基を指し、ここで「アルキル」は、先に定義されている通りである。
用語「アルケニル」は、本明細書で使用される場合、少なくとも1つの二重結合を含有する2〜約24個の炭素原子の直鎖、分岐又は環式炭化水素基、例えばエテニル、n−プロペニル、イソプロペニル、n−ブテニル、イソブテニル、オクテニル、デセニル、テトラデセニル、ヘキサデセニル、エイコセニル、テトラコセニル等を指す。好ましいアルケニル基は、本明細書では、2〜約12個の炭素原子を含有する。用語「低級アルケニル」は、2〜6個の炭素原子のアルケニル基を指し、特定の用語「シクロアルケニル」は、好ましくは5〜8個の炭素原子を有する環式アルケニル基を指す。用語「置換アルケニル」は、1つ又は複数の置換基で置換されているアルケニルを指し、用語「ヘテロ原子含有アルケニル」及び「ヘテロアルケニル」は、少なくとも1つの炭素原子がヘテロ原子で置き換えられているアルケニルを指す。別段示されない場合、用語「アルケニル」及び「低級アルケニル」は、それぞれ、直鎖、分岐、環式、非置換、置換の、及び/又はヘテロ原子を含有するアルケニル及び低級アルケニルを含む。
用語「アルケニレン」は、本明細書で使用される場合、二官能性の直鎖、分岐又は環式アルケニル基を指し、ここで「アルケニル」は、先に定義されている通りである。
用語「アルキニル」は、本明細書で使用される場合、少なくとも1つの三重結合を含有する2〜約24個の炭素原子の直鎖又は分岐炭化水素基、例えばエチニル、n−プロピニル等を指す。好ましいアルキニル基は、本明細書では、2〜約12個の炭素原子を含有する。用語「低級アルキニル」は、2〜6個の炭素原子のアルキニル基を指す。用語「置換アルキニル」は、1つ又は複数の置換基で置換されているアルキニルを指し、用語「ヘテロ原子含有アルキニル」及び「ヘテロアルキニル」は、少なくとも1つの炭素原子がヘテロ原子で置き換えられているアルキニルを指す。別段示されない場合、用語「アルキニル」及び「低級アルキニル」は、それぞれ、直鎖、分岐、非置換、置換の、及び/又はヘテロ原子を含有するアルキニル及び低級アルキニルを含む。
用語「アルコキシ」は、本明細書で使用される場合、単一の末端エーテル連結を介して結合しているアルキル基を指す。すなわち、「アルコキシ」基は、−O−アルキルと表すことができ、ここでアルキルは、先に定義されている通りである。「低級アルコキシ」基は、1〜6個の炭素原子を含有するアルコキシ基を指す。同様に、「アルケニルオキシ」及び「低級アルケニルオキシ」は、それぞれ、単一の末端エーテル連結を介して結合しているアルケニル及び低級アルケニル基を指し、「アルキニルオキシ」及び「低級アルキニルオキシ」は、それぞれ、単一の末端エーテル連結を介して結合しているアルキニル及び低級アルキニル基を指す。
用語「アリール」は、本明細書で使用される場合、別段特定されない限り、単一の芳香環、又は一緒になって縮合しており、直接的に連結しており、若しくは間接的に連結している複数の芳香環(したがって、異なる芳香環が、メチレン又はエチレン部分などの共通の基に結合している)を含有する芳香族置換基を指す。好ましいアリール基は、5〜24個の炭素原子を含有しており、特に好ましいアリール基は、5〜14個の炭素原子を含有している。例示的なアリール基は、1つの芳香環、又は2つの縮合若しくは連結した芳香環、例えば、フェニル、ナフチル、ビフェニル、ジフェニルエーテル、ジフェニルアミン、ベンゾフェノン等を含有している。「置換アリール」は、1つ又は複数の置換基で置換されているアリール部分を指し、用語「ヘテロ原子含有アリール」及び「ヘテロアリール」は、以下にさらに詳説する通り、少なくとも1つの炭素原子がヘテロ原子で置き換えられているアリール置換基を指す。
用語「アリールオキシ」は、本明細書で使用される場合、単一の末端エーテル連結を介して結合しているアリール基を指し、ここで「アリール」は、先に定義されている通りである。「アリールオキシ」基は、−O−アリールと表すことができ、ここでアリールは、先に定義されている通りである。好ましいアリールオキシ基は、5〜24個の炭素原子を含有しており、特に好ましいアリールオキシ基は、5〜14個の炭素原子を含有している。アリールオキシ基の例として、フェノキシ、o−ハロ−フェノキシ、m−ハロ−フェノキシ、p−ハロ−フェノキシ、o−メトキシ−フェノキシ、m−メトキシ−フェノキシ、p−メトキシ−フェノキシ、2,4−ジメトキシ−フェノキシ、3,4,5−トリメトキシ−フェノキシ等が挙げられるが、これらに限定されない。
用語「アルカリール」は、アルキル置換基を有するアリール基を指し、用語「アラルキル」は、アリール置換基を有するアルキル基を指し、ここで「アリール」及び「アルキル」は、先に定義されている通りである。好ましいアルカリール及びアラルキル基は、6〜24個の炭素原子を含有しており、特に好ましいアルカリール及びアラルキル基は、6〜16個の炭素原子を含有している。アルカリール基として、p−メチルフェニル、2,4−ジメチルフェニル、p−シクロヘキシルフェニル、2,7−ジメチルナフチル、7−シクロオクチルナフチル、3−エチル−シクロペンタ−1,4−ジエン等が挙げられるが、これらに限定されない。アラルキル基の例として、ベンジル、2−フェニル−エチル、3−フェニル−プロピル、4−フェニル−ブチル、5−フェニル−ペンチル、4−フェニルシクロヘキシル、4−ベンジルシクロヘキシル、4−フェニルシクロヘキシルメチル、4−ベンジルシクロヘキシルメチル等が挙げられるが、これらに限定されない。用語「アルカリールオキシ」及び「アラルキルオキシ」は、式−ORの置換基を指し、ここでRは、先に定義されている通り、それぞれアルカリール又はアラルキルである。
用語「アシル」は、式−(CO)−アルキル、−(CO)−アリール、−(CO)−アラルキル、−(CO)−アルカリール、−(CO)−アルケニル又は−(CO)−アルキニルを有する置換基を指し、用語「アシルオキシ」は、式−O(CO)−アルキル、−O(CO)−アリール、−O(CO)−アラルキル、−O(CO)−アルカリール、−O(CO)−アルケニル、−O(CO)−アルキニルを有する置換基を指し、ここで「アルキル」、「アリール」、「アラルキル」、アルカリール、アルケニル及びアルキニルは、先に定義されている通りである。
用語「環式」及び「環」は、置換されていても置換されていなくてもよく、及び/又はヘテロ原子を含有していても含有していなくてもよく、単環式、二環式又は多環式であり得る脂環式又は芳香族基を指す。用語「脂環式」は、通常の意味では、芳香族環式部分とは対照的に、脂肪族環式部分を指すために使用され、単環式、二環式又は多環式であってもよい。
用語「ハロ」及び「ハロゲン」は、通常の意味では、クロロ、ブロモ、フルオロ又はヨード置換基を指すために使用される。
「ヒドロカルビル」は、直鎖、分岐、環式、飽和及び不飽和の種を含む、1〜約30個の炭素原子、好ましくは1〜約24個の炭素原子、最も好ましくは1〜約12個の炭素原子を含有する、一価のヒドロカルビルラジカル、例えばアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基等を指す。用語「低級ヒドロカルビル」は、1〜6個の炭素原子、好ましくは1〜4個の炭素原子のヒドロカルビル基を企図し、用語「ヒドロカルビレン」は、1〜約30個の炭素原子、好ましくは1〜約24個の炭素原子、最も好ましくは1〜約12個の炭素原子を含有し、直鎖、分岐、環式、飽和及び不飽和の種を含む二価のヒドロカルビル部分を指す。用語「低級ヒドロカルビレン」は、1〜6個の炭素原子のヒドロカルビレン基を指す。「置換ヒドロカルビル」は、1つ又は複数の置換基で置換されているヒドロカルビルを指し、用語「ヘテロ原子含有ヒドロカルビル」及び「ヘテロヒドロカルビル」は、少なくとも1つの炭素原子がヘテロ原子で置き換えられているヒドロカルビルを指す。同様に、「置換ヒドロカルビレン」は、1つ又は複数の置換基で置換されているヒドロカルビレンを指し、用語「ヘテロ原子含有ヒドロカルビレン」及び「ヘテロヒドロカルビレン」は、少なくとも1つの炭素原子がヘテロ原子で置き換えられているヒドロカルビレンを指す。別段指定されない限り、用語「ヒドロカルビル」及び「ヒドロカルビレン」は、それぞれ、置換されている及び/又はヘテロ原子を含有するヒドロカルビル及びヘテロ原子を含有するヒドロカルビレン部分を含むと解釈されるべきである。
「ヘテロ原子含有ヒドロカルビル基」などに見られる用語「ヘテロ原子含有」は、1つ又は複数の炭素原子が、炭素以外の原子、例えば窒素、酸素、硫黄、リン又はケイ素、典型的に窒素、酸素又は硫黄で置き換えられている、炭化水素分子又はヒドロカルビル分子の断片を指す。同様に、用語「ヘテロアルキル」は、ヘテロ原子を含有するアルキル置換基を指し、用語「複素環式」は、ヘテロ原子を含有する環式置換基を指し、用語「ヘテロアリール」及び「複素芳香族」は、それぞれ、ヘテロ原子を含有する「アリール」及び「芳香族」置換基を指す。「複素環式」基又は化合物は、芳香族であっても芳香族でなくてもよく、さらに「複素環」は、用語「アリール」に関して先に記載した通り、単環式、二環式又は多環式であり得ることに留意すべきである。ヘテロアルキル基の例として、アルコキシアリール、アルキルスルファニル置換アルキル、N−アルキル化アミノアルキル等が挙げられるが、これらに限定されない。ヘテロアリール置換基の例として、ピロリル、ピロリジニル、ピリジニル、キノリニル、インドリル、ピリミジニル、イミダゾリル、1,2,4−トリアゾリル、テトラゾリル等が挙げられるが、これらに限定されず、ヘテロ原子含有脂環式基の例として、ピロリジノ、モルホリノ、ピペラジノ、ピペリジノ等が挙げられるが、これらに限定されない。
「置換ヒドロカルビル」、「置換アルキル」、「置換アリール」等に見られる「置換」は、前述の定義のいくつかにおいて示唆されている通り、ヒドロカルビル、アルキル、アリール又は他の部分において、炭素(又は他の)原子に結合している少なくとも1つの水素原子が、1つ又は複数の非水素置換基で置き換えられていることを意味する。このような置換基の例として、本明細書では「Fn」と呼ばれる官能基、例えばハロ、ヒドロキシル、スルフヒドリル、C1〜C24アルコキシ、C2〜C24アルケニルオキシ、C2〜C24アルキニルオキシ、C5〜C24アリールオキシ、C6〜C24アラルキルオキシ、C6〜C24アルカリールオキシ、アシル(C2〜C24アルキルカルボニル(−CO−アルキル)及びC6〜C24アリールカルボニル(−CO−アリール)を含む)、アシルオキシ(C2〜C24アルキルカルボニルオキシ(−O−CO−アルキル)及びC6〜C24アリールカルボニルオキシ(−O−CO−アリール)を含む、−O−アシル)、C2〜C24アルコキシカルボニル(−(CO)−O−アルキル)、C6〜C24アリールオキシカルボニル(−(CO)−O−アリール)、ハロカルボニル(−CO)−X、ここでXはハロである)、C2〜C24アルキルカルボナト(−O−(CO)−O−アルキル)、C6〜C24アリールカルボナト(−O−(CO)−O−アリール)、カルボキシ(−COOH)、カルボキシラト(−COO−)、カルバモイル(−(CO)−NH2)、モノ−(C1〜C24アルキル)置換カルバモイル(−(CO)−NH(C1〜C24アルキル))、ジ−(C1〜C24アルキル)置換カルバモイル(−(CO)−N(C1〜C24アルキル)2)、モノ−(C1〜C24ハロアルキル)置換カルバモイル(−(CO)−NH(C1〜C24ハロアルキル))、ジ−(C1〜C24ハロアルキル)置換カルバモイル(−(CO)−N(C1〜C24ハロアルキル)2)、モノ−(C5〜C24アリール)置換カルバモイル(−(CO)−NH−アリール)、ジ−(C5〜C24アリール)置換カルバモイル(−(CO)−N(C5〜C24アリール)2)、ジ−N−(C1〜C24アルキル)、N−(C5〜C24アリール)置換カルバモイル(−(CO)−N(C1〜C24アルキル)(C5〜C24アリール)、チオカルバモイル(−(CS)−NH2)、モノ−(C1〜C24アルキル)置換チオカルバモイル(−(CS)−NH(C1〜C24アルキル))、ジ−(C1〜C24アルキル)置換チオカルバモイル(−(CS)−N(C1〜C24アルキル)2)、モノ−(C5〜C24アリール)置換チオカルバモイル(−(CS)−NH−アリール)、ジ−(C5〜C24アリール)置換チオカルバモイル(−(CS)−N(C5〜C24アリール)2)、ジ−N−(C1〜C24アルキル)、N−(C5〜C24アリール)置換チオカルバモイル(−(CS)−N(C1〜C24アルキル)(C5〜C24アリール)、カルバミド(−NH−(CO)−NH2)、シアノ(−C≡N)、シアナト(−O−C≡N)、チオシアナト(−S−C≡N)、イソシアナート(−N=C=O)、チオイソシアナート(−N=C=S)、ホルミル(−(CO)−H)、チオホルミル(−(CS)−H)、アミノ(−NH2)、モノ−(C1〜C24アルキル)置換アミノ(−NH(C1〜C24アルキル)、ジ−(C1〜C24アルキル)置換アミノ(−N(C1〜C24アルキル)2)、モノ−(C5〜C24アリール)置換アミノ(−NH(C5〜C24アリール)、ジ−(C5〜C24アリール)置換アミノ(−N(C5〜C24アリール)2)、C2〜C24アルキルアミド(−NH−(CO)−アルキル)、C6〜C24アリールアミド(−NH−(CO)−アリール)、イミノ(−CR=NH、ここでRとして、水素、C1〜C24アルキル、C5〜C24アリール、C6〜C24アルカリール、C6〜C24アラルキル等が挙げられるが、これらに限定されない)、C2〜C20アルキルイミノ(−CR=N(アルキル)、ここでRとして、水素、C1〜C24アルキル、C5〜C24アリール、C6〜C24アルカリール、C6〜C24アラルキル等が挙げられるが、これらに限定されない)、アリールイミノ(−CR=N(アリール)、ここでRとして、水素、C1〜C20アルキル、C5〜C24アリール、C6〜C24アルカリール、C6〜C24アラルキル等が挙げられるが、これらに限定されない)、ニトロ(−NO2)、ニトロソ(−NO)、スルホ(−SO2−OH)、スルホナト(−SO2−O−)、C1〜C24アルキルスルファニル(−S−アルキル;「アルキルチオ」とも呼ばれる)、C5〜C24アリールスルファニル(−S−アリール;「アリールチオ」とも呼ばれる)、C1〜C24アルキルスルフィニル(−(SO)−アルキル)、C5〜C24アリールスルフィニル(−(SO)−アリール)、C1〜C24アルキルスルホニル(−SO2−アルキル)、C1〜C24モノアルキルアミノスルホニル(−SO2−N(H)アルキル)、C1〜C24ジアルキルアミノスルホニル(−SO2−N(アルキル)2)、C5〜C24アリールスルホニル(−SO2−アリール)、ボリル(−BH2)、ボロノ(−B(OH)2)、ボロナト(−B(OR)2、ここでRとして、アルキル又は他のヒドロカルビルが挙げられるが、これらに限定されない)、ホスホノ(−P(O)(OH)2)、ホスホナト(−P(O)(O−)2)、ホスフィナト(−P(O)(O−))、ホスホ(−PO2)及びホスフィノ(−PH2);並びにヒドロカルビル部分であるC1〜C24アルキル(好ましくはC1〜C12アルキル、より好ましくはC1〜C6アルキル)、C2〜C24アルケニル(好ましくはC2〜C12アルケニル、より好ましくはC2〜C6アルケニル)、C2〜C24アルキニル(好ましくはC2〜C12アルキニル、より好ましくはC2〜C6アルキニル)、C5〜C24アリール(好ましくはC5〜C14アリール)、C6〜C24アルカリール(好ましくはC6〜C16アルカリール)、及びC6〜C24アラルキル(好ましくはC6〜C16アラルキル)が挙げられるが、これらに限定されない。
「官能化ヒドロカルビル」、「官能化アルキル」、「官能化オレフィン」、「官能化環式オレフィン」等に見られる「官能化」は、ヒドロカルビル、アルキル、オレフィン、環式オレフィン又は他の部分において、炭素(又は他の)原子に結合している少なくとも1つの水素原子が、本明細書で先に記載したものなどの1つ又は複数の官能基で置き換えられていることを意味する。用語「官能基」は、本明細書に記載の使用に適した任意の官能性の種を含むことを意味する。特に、本明細書で使用される場合、官能基は、基材表面上の対応する官能基と反応又は結合する能力を、必ず有しているはずである。
さらに、前述の官能基は、特定の基が可能であれば、具体的に先に列挙したものなどの1つ若しくは複数の追加の官能基、又は1つ若しくは複数のヒドロカルビル部分でさらに置換されていてもよい。同様に、前述のヒドロカルビル部分は、前述の通り、1つ若しくは複数の官能基、又は追加のヒドロカルビル部分でさらに置換されていてもよい。
「任意選択の」又は「任意選択により」は、その後に記載の状況が生じても生じなくてもよいことを意味し、したがってこの説明は、その状況が生じる場合と、生じない場合を含む。例えば、句「任意選択により置換されている」は、非水素置換基が、所与の原子上に存在しても存在しなくてもよいことを意味し、したがってこの説明は、非水素置換基が存在する構造と、非水素置換基が存在しない構造を含む。
用語「基材材料」は、一般に、本明細書で使用される場合、本発明の樹脂組成物が、樹脂に組み込まれる基材材料と接触し、その基材材料に適用され、又はその基材材料を有することができる、任意の材料を意味することを企図する。このような材料として、強化材料、例えばフィラメント、繊維、粗紡、マット、織物、生地、ニット材料、布地又は他の公知の構造、ガラス繊維及び生地、炭素繊維及び生地、アラミド繊維及び生地、並びにポリオレフィン又は他のポリマー繊維又は生地が挙げられるが、これらに限定されない。他の適切な基材材料として、金属密度調節剤、微粒子密度調節剤、例えば微小球、ガラス微小球、セラミック微小球、マイクロバルーン、セノスフェア、及びマクロ粒子(macroparticulate)密度調節剤、例えばガラス又はセラミックビーズが挙げられる。ROMPポリマー複合体は、1種の基材材料又は異なる基材材料の混合物を含むことができる。
表現「実質的に欠陥がない」及び「実質的に欠陥なしの」は、裸眼で見たときに、ポリマー1平方インチ当たり、目に見える欠陥が1個未満存在することを意味する。欠陥として、例えば、不要な細孔、空洞、気泡、ボイド、ニットライン及び/又は内部応力破壊が挙げられる。特に、本発明は、本明細書において論じるような環式オレフィン組成物中に存在する低沸点化合物の揮発により引き起こされると考えられる又は重合(発熱)サイクル中に生成される欠陥に関連する問題を軽減する。揮発に関連する欠陥は、ROMPポリマー物品及び/又はROMPポリマー複合体物品の表面に目に見えて存在し得る。揮発に関連する欠陥は、物品を断片に切断したときに、ROMPポリマー物品及び/又はROMPポリマー複合体物品の内部にも目に見えて存在し得る。存在し得る欠陥の他の例は、閉じ込められた気泡などの不十分な混合及び/又は不完全な成形型表面に関連する表面欠陥に関連し得る。
当技術分野で公知の通り、重量パーセント(wt%)は、ガスクロマトグラフィー(GC)面積パーセント(面積%)により表すことができる。したがって、GCから得られたGC面積%を、wt%として報告した。重量パーセント(weight percent)(wt%)及び重量パーセント(percent by weight)は、本明細書では交換可能に使用される。
接着促進剤
本明細書に開示されている本発明に使用することができる接着促進剤は、一般に、少なくとも2個のイソシアナート基を含有する化合物(例えば、メチレンジフェニルジイソシアナート及びヘキサメチレンジイソシアナートなど)である。接着促進剤は、ジイソシアナート、トリイソシアナート、又はポリイソシアナート(すなわち、4個以上のイソシアナート基を含有する)であり得る。接着促進剤は、少なくとも1種のジイソシアナート、トリイソシアナート、又はポリイソシアナートの混合物であり得る。より具体的な本発明の態様では、接着促進剤は、ジイソシアナート化合物、又はジイソシアナート化合物の混合物を含むか、これに限定される。そのような接着促進剤及びそれらの使用は、PCT国際公開第WO2012/174502号に記載されている。
一般に、本発明に使用することができる接着促進剤は、少なくとも2個のイソシアナート基を有する任意の化合物であり得る。適切な接着促進剤として、限定されるものではないが、少なくとも2個のイソシアナート基を含むイソシアナート化合物が挙げられ、この化合物は、ヒドロカルビル、置換ヒドロカルビル、ヘテロ原子含有ヒドロカルビル、置換ヘテロ原子含有ヒドロカルビル、及び官能化ヒドロカルビル化合物から選択される。上記のように、適切なヒドロカルビル接着促進剤化合物として、一般に、アルキル、シクロアルキル、アルキレン、アルケニル、アルキニル、アリール、シクロアルキル、アルカリール、及びアラルキル化合物が挙げられる。置換ヘテロ原子含有、及び官能化ヒドロカルビル接着促進剤化合物として、前述のヒドロカルビル化合物、並びに上記のこれらの変形形態が挙げられる。
本発明に使用することができる接着促進剤は、アルキルジイソシアナートであり得る。アルキルジイソシアナートとは、典型的に、必ずではないが、1〜約24個の炭素原子を含有する、直鎖、分岐、又は環式の飽和又は不飽和の炭化水素基を指し、好ましくは2〜約12個の炭素原子を含有するジイソシアナート、より好ましくは6〜12個の炭素原子を含有するジイソシアナート、例えば、ヘキサメチレンジイソシアナート(HDI)、オクタメチレンジイソシアナート、デカメチレンジイソシアナートなどである。シクロアルキルジイソシアナートは、環式アルキル基を含有し、典型的には4〜16個の炭素原子を有する。6〜約12個の炭素原子を含有する好ましいシクロアルキルジイソシアナートは、シクロヘキシル、シクロオクチル、シクロデシルなどである。より好ましいシクロアルキルジイソシアナートは、5−イソシアナト−1−(イソシアナトメチル)−1,3,3−トリメチル−シクロヘキサンと呼ばれ、一般にイソホロンジイソシアナート(IPDI)として知られるアセトンの縮合物及びイソシアナト−[(イソシアナトシクロヘキシル)メチル]シクロヘキサンの異性体(H12MDI)として生じる。H12MDIは、アリールジイソシアナートであるメチレンジフェニルジイソシアナート(MDI)の水素化形態から得られる。
本発明に使用することができる接着促進剤は、アリールジイソシアナートであり得る。アリールジイソシアナートとは、単一の芳香環又は、縮合した、直接的に連結した若しくは間接的に連結した(異なる芳香環が、メチレン又はエチレン部分などの共通の基に結合しているように)複数の芳香環を含有する芳香族ジイソシアナートを指す。好ましいアリールジイソシアナートは、5〜24個の炭素原子を含有し、特に好ましいアリールジイソシアナートは、5〜14個の炭素原子を含有する。例示的なアリールジイソシアナートは、1個の芳香環又は2個の縮合した又は連結した芳香環、例えば、フェニル、トリル、キシリル、ナフチル、ビフェニル、ジフェニルエーテル、ベンゾフェノンなどを含有する。好ましい芳香族ジイソシアナートとして、トルエンジイソシアナート、テトラメチルキシレンジイソシアナート(TMXDI)、及びメチレンジフェニルジイソシアナート(MDI)が挙げられ、MDIは、その3種の異性体、2.2’−MDI、2,4’−MDI、及び4,4’−MDIの任意の混合物を含有し得る。
本発明に使用することができる接着促進剤は、ポリマー含有イソシアナート、例えば、ジイソシアナートなどであり得る。ポリマー含有イソシアナートとは、ポリマーを含有する2個以上の末端及び/又はペンダントのアルキル又はアリールイソシアナート基を指す。ポリマー含有イソシアナートは、一般に、改善した機械的特性をもたらすために、樹脂中で最小の溶解度を有さなければならない。好ましいポリマー含有イソシアナートとして、PM200(ポリMDI)、Lupranate(登録商標)(BASFからのポリMDI)、Krasol(登録商標)イソシアナート末端ポリブタジエンプレポリマー、例えば、Krasol(登録商標)LBD2000(TDIベース)、Krasol(登録商標)LBD3000(TDIベース)、Krasol(登録商標)NN−22(MDIベース)、Krasol(登録商標)NN−23(MDIベース)、Krasol(登録商標)NN−25(MDIベース)などが挙げられるが、これらに限定されない。Krasol(登録商標)イソシアナート末端ポリブタジエンプレポリマーは、Cray Valleyから入手可能である。
本発明に使用することができる接着促進剤は、アルキルジイソシアナート及びアリールジイソシアナートの三量体であり得る。その最も簡単な形態において、ポリイソシアナート化合物の任意の組合せを三量体化して、イソシアナート官能基を含有するイソシアヌラート環を形成することができる。アルキルジイソシアナート及びアリールジイソシアナートの三量体は、アルキルジイソシアナート又はアリールジイソシアナートのイソシアヌラートと称され得る。好ましいアルキルジイソシアナート及びアリールジイソシアナート三量体として、ヘキサメチレンジイソシアナート三量体(HDIt)、イソホロンジイソシアナート三量体、トルエンジイソシアナート三量体、テトラメチルキシレンジイソシアナート三量体、メチレンジフェニルジイソシアナート三量体などが挙げられるが、これらに限定されない。より好ましい接着促進剤は、トルエンジイソシアナート、テトラメチルキシレンジイソシアナート(TMXDI)、並びにその3種の異性体、2.2’−MDI、2,4’−MDI及び4,4’−MDIの任意の混合物を含むメチレンジフェニルジイソシアナート(MDI);液体MDI;固体MDI;ヘキサメチレンジイソシアナート三量体(HDIt);ヘキサメチレンジイソシアナート(HDI);イソホロンジイソシアナート(IPDI);4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアナート)(H12MDI);ポリメリックMDI(PM200);MDIプレポリマー(Lupranate(登録商標)5080);液体カルボジイミド変性4,4’−MDI(Lupranate(登録商標)MM103);液体MDI(Lupranate(登録商標)MI);液体MDI(Mondur(登録商標)ML);及び液体MDI(Mondur(登録商標)MLQ)である。さらにより好ましい接着促進剤は、その3種の異性体、2,2’−MDI、2,4’−MDI及び4,4’−MDIの任意の混合物を含むメチレンジフェニルジイソシアナート(MDI);液体MDI;固体MDI;ヘキサメチレンジイソシアナート三量体(HDIt);ヘキサメチレンジイソシアナート(HDI);イソホロンジイソシアナート(IPDI);4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアナート)(H12MDI);ポリメリックMDI(PM200);MDIプレポリマー(Lupranate(登録商標)5080);液体カルボジイミド変性4,4’−MDI(Lupranate(登録商標)MM103);液体MDI)(Lupranate(登録商標)MI);液体MDI(Mondur(登録商標)ML);液体MDI(Mondur(登録商標)MLQ)である。
オレフィン複合体(例えば、ROMPポリマー複合体)の機械的特性を改善する接着促進剤の任意の濃度が、本発明にとって十分である。一般に、接着促進剤の適切な量は、0.001〜50phr、具体的には0.05〜10phr、より具体的には0.1〜10phr、又はさらにより具体的には0.5〜4.0phrの範囲である。1種又は複数の接着促進剤を本発明に使用することができる。
本発明に使用するのに適したさらなる接着促進剤は、式Fn−(A)n−Si(Y*)3の官能化シラン(式中、Y*は、ハロゲン化物(好ましくはクロリド)又はORから選択され;Fnは、アクリラート、メタクリラート、アリル、ビニル、アルケン、シクロアルケン、又はノルボルネンから選択される官能基であり;Aは、ヒドロカルビレン、置換ヒドロカルビレン、ヘテロ原子含有ヒドロカルビレン、又は置換ヘテロ原子含有ヒドロカルビレンから選択される二価の連結基であり;nは、0又は1であり;Rは、ヒドロカルビル、置換ヒドロカルビル、ヘテロ原子含有ヒドロカルビル、又は置換ヘテロ原子含有ヒドロカルビル、好ましくは低級アルキル、より好ましくはメチル、エチル、又はイソプロピルから選択される)、並びにジアルキル及びジアリールペルオキシドから選択されるペルオキシドを含む。
本発明に使用するためのさらなる接着促進剤及びその使用方法として、その内容が参照によって本明細書に組み込まれる、国際特許出願第PCT/US00/03002号に開示されているものが挙げられる。
ヘテロ原子含有官能基及びメタセシス活性オレフィンを含む化合物
ヘテロ原子含有官能基及びメタセシス活性オレフィンを含む化合物は、典型的には、ヒドロキシル、アミン、チオール、リン又はシラン官能基と共に、2〜20個の炭素を含有する。本明細書に開示されている本発明に使用することができるヘテロ原子含有官能基及びメタセシス活性オレフィンを含む化合物は、一般に、少なくとも1つのヘテロ原子含有官能基及び少なくとも1つのメタセシス活性オレフィンを含有する化合物であり、以下の一般構造のものである。
(OM)−(Q*)n−(X*)−H
式中、OM、Q*及びX*は以下の通りである。
OMは、環式オレフィン及び非環式オレフィンから選択されるメタセシス活性オレフィンフラグメントであり、炭素−炭素二重結合は、典型的には、四置換されておらず(例えば、少なくとも1つの置換基は、水素である);
Q*は、例えばヒドロカルビレン(例えば、置換ヒドロカルビレン、ヘテロ原子含有ヒドロカルビレン、並びに置換及び/若しくはヘテロ原子含有アルキレンなどの置換ヘテロ原子含有ヒドロカルビレンを含む)又は−(CO)−基などの、任意の連結基(例えば、n=0又は1)であり;
X*は、酸素、硫黄、又はN(RX)、P(RX)、OP(RX)、OP(RX)O、OP(ORX)O、P(=O)(RX)、OP(=O)(RX)、OP(=O)(RX)O、OP(=O)(ORX)O、Si(RX)2、Si(RX)2O、Si(ORX)2O若しくはSi(RX)(ORX)Oなどのヘテロ原子含有フラグメントであり、
各RXは、互いに独立して、水素又はさらなる官能基を場合により含むヒドロカルビル基である。各RXは、互いに独立して、最も一般的には水素、アリール又は低級アルキル基である。
メタセシス活性オレフィンには、本明細書に記載されている環式オレフィンが含まれ、そのような環式オレフィンは、単環式、二環式又は多環式であり得る、場合により置換され、場合によりヘテロ原子を含有する、一不飽和、二不飽和又は多不飽和C5〜C24炭化水素であり得る。環式オレフィンは、一般に、環式オレフィンが独立して又はROMP環式オレフィン組成物の一部としてROMP反応に関与することができる限り、任意の歪み又は非歪み環式オレフィンであり得る。メタセシス活性オレフィンには、非環式オレフィンも含まれ、そのような非環式オレフィンは、場合により置換されている、場合によりヘテロ原子を含有する、一不飽和、二不飽和又は多不飽和C2〜C30炭化水素、典型的にはC2〜C20炭化水素又はより典型的にはC2〜C12炭化水素であり得る。非環式オレフィンは、1つ以上の末端オレフィン及び/若しくは1つ以上の内部オレフィン、並びに/又は末端オレフィン及び/若しくは内部オレフィンの任意の組合せを含有することができる。
ヘテロ原子含有官能基において、X*は、一般的には酸素、硫黄又はNRxであり、最も一般的には酸素であり、すなわち、ヒドロキシ置換オレフィンである。ヘテロ原子含有官能基及びメタセシス活性オレフィンを含む好ましい化合物として、5−ノルボルネン−2−メタノール(NB−MeOH);2−ヒドロキシエチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン−カルボキシラート(HENB);2−ヒドロキシエチルアクリラート(HEA);アリルアルコール;オレイルアルコール;9−デセン−1−オール;ビニルアルコール、アリルアルコール、cis−13−ドデセノール、及びtrans−9−オクタデセノール、並びに他の不飽和アルコール、ノルボルニルアルコール、2−シクロオクテン−1−オール、2−シクロオクタジエン−1−オール、及びp−ビニルフェノール、並びに脂環式構造を有する他のアルコール;2−ヒドロキシエチルメタクリラート;2−ヒドロキシ−3−アクリルオキシプロピルメタクリラート、エトキシル化ヒドロキシエチルアクリラート、エトキシル化ヒドロキシエチルメタクリラート、ポリプロピレングリコールモノメタクリラート、ポリプロピレングリコールモノアクリラート、フェノールアクリラート、フェノールメタクリラート、ビスフェノールA型エポキシアクリラート、ノボラック型エポキシアクリラート、及び臭素化ビスフェノールA型エポキシアクリラート、並びに1つ又は複数のメタクリル又はアクリル基及びヒドロキシル基を有する他のメタクリル酸又はアクリル酸等が挙げられるが、これらに限定されない。
ヘテロ原子含有官能基及びメタセシス活性オレフィンを含む化合物を、少なくとも2個のイソシアナート基を含有する化合物と組み合わせて、予備反応させると、樹脂中保存安定性を有し、改善した機械的特性を有するオレフィンメタセシス複合体をもたらす、接着促進剤組成物が得られる。ヘテロ原子含有官能基及びメタセシス活性オレフィンを含む化合物の任意の濃度が、本発明の接着促進剤組成物を調製するのに使用するために十分であり、ここで、予備反応混合物を形成するのに使用されるヘテロ原子含有官能基及びメタセシス活性オレフィンを含む化合物のmol%又はmol当量は、予備反応混合物を形成するのに使用される少なくとも2個のイソシアナート基を含有する化合物のmol%又はmol当量よりも少ない。ヘテロ原子含有官能基及びメタセシス活性オレフィンを含む化合物と、少なくとも2個のイソシアナート基を含有する化合物とのmol比は、0.001:1〜0.90:1の範囲である。ヘテロ原子含有官能基及びメタセシス活性オレフィンを含む化合物と、少なくとも2個のイソシアナート基を含有する化合物との好ましいmol比は、0.01:1〜0.75:1、具体的には0.01:1〜0.5:1、より具体的には0.02:1〜0.25:1の範囲である。当業者は、ヘテロ原子含有官能基及びメタセシス活性オレフィンを含む化合物と、少なくとも2個のイソシアナート基を含有する化合物との最適な比は、樹脂組成物に添加される接着促進剤組成物の量に応じて調整する必要があり得ることを認識しよう。
別の実施形態では、ヘテロ原子含有官能基及びメタセシス活性オレフィンを含む化合物を、環式オレフィン組成物を含む樹脂組成物と組み合わせて、改善した機械的特性を有するオレフィンメタセシス複合体を得ることができる。ヘテロ原子含有官能基及びメタセシス活性オレフィンを含む化合物を、環式オレフィン組成物及び接着促進剤を含む樹脂組成物と組み合わせて、改善した機械的特性を有するオレフィンメタセシス複合体を得ることができる。オレフィン複合体の機械的特性を改善するヘテロ原子含有官能基及びメタセシス活性オレフィンを含む化合物の任意の濃度が、本発明にとって十分である。一般に、ヘテロ原子含有官能基及びメタセシス活性オレフィンを含む化合物の適切な量は、0.001〜50phr、具体的には0.05〜10phr、より具体的には0.1〜10phr、又はさらにより具体的には0.5〜4.0phrの範囲である。ヘテロ原子含有官能基及びメタセシス活性オレフィンを含む1種又は複数の化合物を、本発明に使用することができる。
接着促進剤組成物
本明細書に開示されている本発明に使用することができる接着促進剤組成物は、一般に、上記で論じた少なくとも1種の接着促進剤(すなわち、少なくとも2個のイソシアナート基を含有する少なくとも1種の化合物(例えば、メチレンジフェニルジイソシアナート、ヘキサメチレンジイソシアナート))及び上記で論じたヘテロ原子含有官能基及びメタセシス活性オレフィンを含む少なくとも1種の化合物(例えば、2−ヒドロキシエチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン−5−カルボキシラート(HENB)、2−ヒドロキシエチルアクリラート(HEA)、オレイルアルコール、9−デセン−1−オール)を含む組成物であり、これらの化合物は、多様な比で組み合わせて、予備反応混合物を形成することができ、次いで予備反応混合物がその後に樹脂組成物に添加され、接着促進剤組成物は、樹脂中保存安定性を有する。
本発明の接着促進剤組成物を調製するのに有用な少なくとも2個のイソシアナート基を含有する化合物並びにヘテロ原子含有官能基及びメタセシス活性オレフィンを含む化合物は、本明細書において開示されている。
好ましい接着促進剤組成物として、液体MDI(Mondur(登録商標)MLQ)と2−ヒドロキシエチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン−カルボキシラート(HENB)との予備反応混合物;液体MDI(Mondur(登録商標)MLQ)と2−ヒドロキシエチルアクリラート(HEA)との予備反応混合物;液体MDI(Mondur(登録商標)MLQ)とオレイルアルコールとの予備反応混合物;及び液体MDI(Mondur(登録商標)MLQ)と9−デセン−1−オールとの予備反応混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
オレフィン複合体の機械的特性を改善する接着促進剤組成物の任意の濃度が、本発明にとって十分である。一般に、接着促進剤組成物の適切な量は、0.001〜50phr、具体的には0.05〜10phr、より具体的には0.1〜10phr、又はさらにより具体的には、0.5〜4.0phrの範囲である。
基材表面
本発明は、接着促進剤又は接着促進剤組成物の添加が、接着促進剤又は接着促進剤組成物が含まれないという点以外は同一である樹脂組成物と比較して、基材材料への樹脂(例えば、ROMP)組成物の接着において有益な改善をもたらす、任意の基材材料と共に使用するのに一般に適している。さらに、本発明は、接着促進剤又は接着促進剤組成物の添加が、接着促進剤又は接着促進剤組成物が含まれないことを除いて同一であるポリマー−マトリックスと比較して、基材材料へのポリマー−マトリックス(例えば、ROMPポリマー−マトリックス)の接着において有益な改善をもたらす、任意の基材材料と共に使用するのに一般に適している。本発明は、エポキシ及びメタクリラート樹脂と共に使用するのに適したガラス及び炭素材料表面と共に使用するのに特に有益であり、該樹脂には仕上げ剤又はサイジング剤を含有するものが含まれ、この場合、接着促進剤又は接着促進剤組成物が有効となるためには、仕上げ材又はサイジング剤は除去する(例えば、洗浄又はヒートクリーニングによって)必要がない。本発明は、木材及びアルミニウム材料と共に使用するのにも適している。適切な基材材料は、繊維状、織物状、微粒子状、セラミック、金属、ポリマー、及び半導体材料から選択することもできる。ポリマー−マトリックス複合体(例えば、ROMPポリマーマトリックス複合体)は、1種の基材材料又は異なる基材材料の混合物を含むことができる。
環式オレフィン
本発明と共に使用できる本明細書に開示の樹脂組成物及び/又は環式オレフィン組成物は、1種又は複数の環式オレフィンを含む。一般に、本明細書に開示の任意のメタセシス反応に適した環式オレフィンを使用することができる。このような環式オレフィンは、任意選択により置換されており、任意選択によりヘテロ原子を含有する、一不飽和、二不飽和又は多不飽和C5〜C24炭化水素であり得、これは単環式、二環式又は多環式であってもよい。環式オレフィンは、一般に、個々に又は環式オレフィン組成物の一部として又は樹脂組成物の一部としてROMP反応に関与することができるという条件で、歪みを有する又は歪みを有していないいかなる環式オレフィンであってもよい。シクロヘキセンなどの歪みを有していない特定の環式オレフィンは、一般に、これら自体、ROMP反応を受けないと理解されているが、それにも関わらず、このような歪みを有していない環式オレフィンは、適切な環境下では、ROMPに対して活性になり得る。例えば、歪みを有していない環式オレフィンは、ROMP組成物にコモノマーとして存在する場合、ROMPに対して活性であり得る。したがって、用語「歪みを有していない環式オレフィン」(“unstrained cyclic olefin”)は、本明細書で使用される場合、当業者に理解され得る通り、歪みを有していない環式オレフィンがROMPに対して活性であるという条件で、いかなる条件下又はいかなるROMP組成物においてもROMP反応を受け得るような、歪みを有していない環式オレフィンを指すことを企図する。
一般に、環式オレフィンは、式(A)の構造によって表すことができ、
式中、J、RA1及びRA2は、以下の通りである:
RA1及びRA2は、独立に、水素、ヒドロカルビル(例えば、C1〜C20アルキル、C5〜C20アリール、C5〜C30アラルキル又はC5〜C30アルカリール)、置換ヒドロカルビル(例えば、置換C1〜C20アルキル、C5〜C20アリール、C5〜C30アラルキル又はC5〜C30アルカリール)、ヘテロ原子含有ヒドロカルビル(例えば、C1〜C20ヘテロアルキル、C5〜C20ヘテロアリール、ヘテロ原子含有C5〜C30アラルキル、又はヘテロ原子含有C5〜C30アルカリール)、及び置換ヘテロ原子含有ヒドロカルビル(例えば、置換C1〜C20ヘテロアルキル、C5〜C20ヘテロアリール、ヘテロ原子含有C5〜C30アラルキル、又はヘテロ原子含有C5〜C30アルカリール)からなる群から選択され、置換ヒドロカルビル又は置換ヘテロ原子含有ヒドロカルビルである場合、置換基は、ホスホナト、ホスホリル、ホスファニル、ホスフィノ、スルホナト、C1〜C20アルキルスルファニル、C5〜C20アリールスルファニル、C1〜C20アルキルスルホニル、C5〜C20アリールスルホニル、C1〜C20アルキルスルフィニル、C5〜C20アリールスルフィニル、スルホンアミド、アミノ、アミド、イミノ、ニトロ、ニトロソ、ヒドロキシル、C1〜C20アルコキシ、C5〜C20アリールオキシ、C2〜C20アルコキシカルボニル、C5〜C20アリールオキシカルボニル、カルボキシル、カルボキシラト、メルカプト、ホルミル、C1〜C20チオエステル、シアノ、シアナト、チオシアナト、イソシアナート、チオイソシアナート、カルバモイル、エポキシ、スチレニル、シリル、シリルオキシ、シラニル、シロキサザニル、ボロナト、ボリル、又はハロゲン又は金属含有若しくは半金属(metalloid)含有基(金属は、例えばSn又はGeであり得る)などの官能基(「Fn」)であってもよい。RA1及びRA2は、それ自体が前述の基の1つであってもよく、したがって、Fn部分は、構造内に示されているオレフィンの炭素原子に直接的に結合している。しかし、後者の場合、官能基は、一般に、1つ若しくは複数の孤立電子対を含有するヘテロ原子、例えば酸素、硫黄、窒素若しくはリン原子を介して、又は電子に富んだ金属若しくは半金属、例えばGe、Sn、As、Sb、Se、Te等を介しては、オレフィンの炭素に直接的に結合しない。このような官能基を用いると、普通は、介在する連結Z*が存在し、したがって、RA1及び/又はRA2は、構造−(Z*)n−Fnを有する(nは1であり、Fnは官能基であり、Z*は、ヒドロカルビレン連結基、例えばアルキレン、置換アルキレン、ヘテロアルキレン、置換ヘテロアルケン、アリーレン、置換アリーレン、ヘテロアリーレン、又は置換ヘテロアリーレン連結である)。
Jは、飽和若しくは不飽和のヒドロカルビレン、置換ヒドロカルビレン、ヘテロ原子含有ヒドロカルビレン、又は置換ヘテロ原子含有ヒドロカルビレン連結であり、Jが、置換ヒドロカルビレン又は置換ヘテロ原子含有ヒドロカルビレンである場合、置換基は、1つ又は複数の−(Z*)n−Fn基(nは、0又は1であり、Fn及びZ*は、既に定義されている通りである)を含むことができる。さらに、J内の環の炭素(又は他の)原子に結合している2つ以上の置換基は、連結して、二環式又は多環式オレフィンを形成することができる。Jは、一般に、単環式オレフィンでは、およそ5〜14個の範囲の環原子、典型的に5〜8個の範囲の環原子を含有し、二環式及び多環式オレフィンでは、各環は、一般に4〜8個、典型的に5〜7個の環原子を含有する。
構造(A)によって包含される一不飽和の環式オレフィンは、構造(B)によって表すことができる:
式中、bは、一般に、必ずではないが、1〜10、典型的に1〜5の範囲の整数であり、RA1及びRA2は、構造(A)について先に定義されている通りであり、RB1、RB2、RB3、RB4、RB5及びRB6は、独立に、水素、ヒドロカルビル、置換ヒドロカルビル、ヘテロ原子含有ヒドロカルビル、置換ヘテロ原子含有ヒドロカルビル及び−(Z*)n−Fn(n、Z*及びFnは、既に定義されている通りである)からなる群から選択され、RB1〜RB6部分のいずれかが、置換ヒドロカルビル又は置換ヘテロ原子含有ヒドロカルビルである場合、置換基は、1つ又は複数の−(Z*)n−Fn基を含むことができる。したがって、RB1、RB2、RB3、RB4、RB5及びRB6は、例えば、水素、ヒドロキシル、C1〜C20アルキル、C5〜C20アリール、C1〜C20アルコキシ、C5〜C20アリールオキシ、C2〜C20アルコキシカルボニル、C5〜C20アリールオキシカルボニル、アミノ、アミド、ニトロ等であり得る。
さらに、RB1、RB2、RB3、RB4、RB5及びRB6部分のいずれかは、他のRB1、RB2、RB3、RB4、RB5及びRB6部分のいずれかに連結して、4〜30個の環炭素原子を含有する置換若しくは非置換脂環式基、又は6〜18個の環炭素原子を含有する置換若しくは非置換アリール基、又はこれらの組合せを提供することができ、連結は、ヘテロ原子又は官能基を含むことができ、例えば連結は、エーテル、エステル、チオエーテル、アミノ、アルキルアミノ、イミノ又は無水物部分を含むことができるが、これらに限定されない。脂環式基は、単環式、二環式又は多環式であってもよい。環式基は、不飽和である場合、一不飽和又は多不飽和を含有することができ、一不飽和の環式基が好ましい。環は、置換されている場合、一置換又は多置換を含有し、置換基は、独立に、水素、ヒドロカルビル、置換ヒドロカルビル、ヘテロ原子含有ヒドロカルビル、置換ヘテロ原子含有ヒドロカルビル、−(Z*)n−Fn(nは、0又は1であり、Z*及びFnは、既に定義されている通りであり、官能基(Fn)は先に提示されている)から選択される。
構造(B)によって包含される一不飽和の単環式オレフィンの例として、シクロペンテン、シクロヘキセン、シクロヘプテン、シクロオクテン、シクロノネン、シクロデセン、シクロウンデセン、シクロドデセン、トリシクロデセン、テトラシクロデセン、オクタシクロデセン及びシクロエイコセン、並びにそれらが置換されたもの、例えば1−メチルシクロペンテン、1−エチルシクロペンテン、1−イソプロピルシクロヘキセン、1−クロロペンテン、1−フルオロシクロペンテン、4−メチルシクロペンテン、4−メトキシ−シクロペンテン、4−エトキシ−シクロペンテン、シクロペンタ−3−エン−チオール、シクロペンタ−3−エン、4−メチルスルファニル−シクロペンテン、3−メチルシクロヘキセン、1−メチルシクロオクテン、1,5−ジメチルシクロオクテン等が挙げられるが、これらに限定されない。
構造(A)によって包含される単環式ジエン反応物は、一般に、構造(C)によって表すことができる
式中、c及びdは、独立に、1〜約8、典型的に2〜4の範囲の整数、好ましくは2(したがって、反応物はシクロオクタジエンである)であり、RA1及びRA2は、構造(A)について先に定義されている通りであり、RC1、RC2、RC3、RC4、RC5及びRC6は、RB1〜RB6について定義されている。この場合、RC3及びRC4は非水素置換基であることが好ましく、この場合、第2のオレフィン部分は四置換されている。単環式ジエン反応物の例として、1,3−シクロペンタジエン、1,3−シクロヘキサジエン、1,4−シクロヘキサジエン、5−エチル−1,3−シクロヘキサジエン、1,3−シクロヘプタジエン、シクロヘキサジエン、1,5−シクロオクタジエン、1,3−シクロオクタジエン、及びこれらの置換類似体が挙げられるが、これらに限定されない。トリエン反応物は、ジエン構造(C)に類似しており、一般に、任意の2つのオレフィンセグメントの間に少なくとも1つのメチレン連結を含有する。
構造(A)によって包含される二環式及び多環式オレフィンは、一般に、構造(D)によって表すことができる
式中、RA1及びRA2は、構造(A)について先に定義されている通りであり、RD1、RD2、RD3及びRD4は、RB1〜RB6について定義されている通りであり、eは、1〜8(典型的に2〜4)の範囲の整数であり、fは、一般に1又は2であり、Tは、低級アルキレン又はアルケニレン(一般に、置換又は非置換のメチル又はエチル)、CHRG1、C(RG1)2、O、S、N−RG1、P−RG1、O=P−RG1、Si(RG1)2、B−RG1、又はAs−RG1(RG1は、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、アルカリール、アラルキル、又はアルコキシである)である。さらに、RD1、RD2、RD3及びRD4部分のいずれかは、他のRD1、RD2、RD3及びRD4部分のいずれかに連結して、4〜30個の環炭素原子を含有する置換若しくは非置換脂環式基、又は6〜18個の環炭素原子を含有する置換若しくは非置換アリール基、又はこれらの組合せを提供することができ、連結は、ヘテロ原子又は官能基を含むことができ、例えば連結は、エーテル、エステル、チオエーテル、アミノ、アルキルアミノ、イミノ又は無水物部分を含むことができるが、これらに限定されない。環式基は、単環式、二環式又は多環式であってもよい。環式基は、不飽和である場合、一不飽和又は多不飽和を含有することができ、一不飽和の環式基が好ましい。環は、置換されている場合、一置換又は多置換を含有し、置換基は、独立に、水素、ヒドロカルビル、置換ヒドロカルビル、ヘテロ原子含有ヒドロカルビル、置換ヘテロ原子含有ヒドロカルビル、−(Z*)n−Fn(nは、0又は1であり、Z*及びFnは、既に定義されている通りであり、官能基(Fn)は先に提示されている)から選択される。
構造(D)によって包含される環式オレフィンは、ノルボルネンファミリーのものである。本明細書で使用される場合、ノルボルネンは、限定されるものではないが、ノルボルネン、置換ノルボルネン(単数又は複数)、ノルボルナジエン、置換ノルボルナジエン(単数又は複数)、多環式ノルボルネン、及び置換多環式ノルボルネン(単数又は複数)を含めた、少なくとも1つのノルボルネン又は置換ノルボルネン部分を含む任意の化合物を意味する。この群に含まれるノルボルネンは、一般に、構造(E)によって表すことができる
式中、RA1及びRA2は、構造(A)について先に定義されている通りであり、Tは、構造(D)について先に定義されている通りであり、RE1、RE2、RE3、RE4、RE5、RE6、RE7及びRE8は、RB1〜RB6について定義されている通りであり、「a」は、単結合又は二重結合を表し、fは、一般に1又は2であり、「g」は、0〜5の整数であり、「a」が二重結合である場合、RE5、RE6の1つ及びRE7、RE8の1つは、存在しない。
さらに、RE5、RE6、RE7及びRE8部分のいずれかは、他のRE5、RE6、RE7及びRE8部分のいずれかに連結して、4〜30個の環炭素原子を含有する置換若しくは非置換脂環式基、又は6〜18個の環炭素原子を含有する置換若しくは非置換アリール基、又はこれらの組合せを提供することができ、連結は、ヘテロ原子又は官能基を含むことができ、例えば連結は、エーテル、エステル、チオエーテル、アミノ、アルキルアミノ、イミノ又は無水物部分を含むことができるが、これらに限定されない。環式基は、単環式、二環式又は多環式であってもよい。環式基は、不飽和である場合、一不飽和又は多不飽和を含有することができ、一不飽和の環式基が好ましい。環は、置換されている場合、一置換又は多置換を含有し、置換基は、独立に、水素、ヒドロカルビル、置換ヒドロカルビル、ヘテロ原子含有ヒドロカルビル、置換ヘテロ原子含有ヒドロカルビル、−(Z*)n−Fn(nは、0又は1であり、Z*及びFnは、既に定義されている通りであり、官能基(Fn)は先に提示されている)から選択される。
少なくとも1つのノルボルネン部分を有する、より好ましい環式オレフィンは、構造(F)を有する:
式中、RF1、RF2、RF3及びRF4は、RB1〜RB6について定義されている通りであり、「a」は、単結合又は二重結合を表し、「g」は、0〜5の整数であり、「a」が二重結合である場合、RF1、RF2の1つ及びRF3、RF4の1つは、存在しない。
さらに、RF1、RF2、RF3及びRF4部分のいずれかは、他のRF1、RF2、RF3及びRF4部分のいずれかに連結して、4〜30個の環炭素原子を含有する置換若しくは非置換脂環式基、又は6〜18個の環炭素原子を含有する置換若しくは非置換アリール基、又はこれらの組合せを提供することができ、連結は、ヘテロ原子又は官能基を含むことができ、例えば連結は、エーテル、エステル、チオエーテル、アミノ、アルキルアミノ、イミノ又は無水物部分を含むことができるが、これらに限定されない。脂環式基は、単環式、二環式又は多環式であってもよい。環式基は、不飽和である場合、一不飽和又は多不飽和を含有することができ、一不飽和の環式基が好ましい。環は、置換されている場合、一置換又は多置換を含有し、置換基は、独立に、水素、ヒドロカルビル、置換ヒドロカルビル、ヘテロ原子含有ヒドロカルビル、置換ヘテロ原子含有ヒドロカルビル、−(Z*)n−Fn(nは、0又は1であり、Z*及びFnは、既に定義されている通りであり、官能基(Fn)は先に提示されている)から選択される。
ヒドロカルビルで置換された及び機能的に置換されたノルボルネンの調製のためのある経路では、ディールス−アルダー環化付加反応を用い、ここでシクロペンタジエン又は置換シクロペンタジエンは、適切な求ジエン体と高められた温度で反応して、一般に以下の反応スキーム1に示されている置換ノルボルネン付加物を形成する:
式中、RF1〜RF4は、構造(F)について既に定義されている通りである。
他のノルボルネン付加物は、適切な求ジエン体の存在下で、ジシクロペンタジエンの熱分解によって調製することができる。反応は、ジシクロペンタジエンがシクロペンタジエンに最初に熱分解することによって進行し、その後、シクロペンタジエン及び求ジエン体のディールス−アルダー環化付加が生じて、スキーム2に示されている付加物が得られる:
式中、「g」は、0〜5の整数であり、RF1〜RF4は、構造(F)について既に定義されている通りである。
ノルボルナジエン及びその高次ディールス−アルダー付加物も同様に、スキーム3に示されている通り、アセチレン反応物の存在下、シクロペンタジエン及びジシクロペンタジエンの熱反応によって調製することができる:
式中、「g」は、0〜5の整数であり、RF1及びRF4は、構造(F)について既に定義されている通りである。
したがって、二環式及び多環式オレフィンの例として、限定されるものではないが、ジシクロペンタジエン(DCPD);限定されるものではないが、トリシクロペンタジエン(シクロペンタジエン三量体)、シクロペンタジエン四量体(テトラシクロペンタジエン)、及びシクロペンタジエン五量体(ペンタシクロペンタジエン);エチリデンノルボルネン;ジシクロヘキサジエン;ノルボルネン;5−メチル−2−ノルボルネン;5−エチル−2−ノルボルネン;5−イソブチル−2−ノルボルネン;5,6−ジメチル−2−ノルボルネン;5−フェニルノルボルネン;5−ベンジルノルボルネン;5−アセチルノルボルネン;5−メトキシカルボニルノルボルネン;5−エチオキシカルボニル−1−ノルボルネン;5−メチル−5−メトキシ−カルボニルノルボルネン;5−シアノノルボルネン;5,5,6−トリメチル−2−ノルボルネン;シクロヘキセニルノルボルネン;endo,exo−5,6−ジメトキシノルボルネン;endo,endo−5,6−ジメトキシノルボルネン;endo,exo−5,6−ジメトキシカルボニルノルボルネン;endo,endo−5,6−ジメトキシカルボニルノルボルネン;2,3−ジメトキシノルボルネン;ノルボルナジエン;トリシクロウンデセン;テトラシクロドデセン;8−メチルテトラシクロドデセン;8−エチルテトラシクロドデセン;8−メトキシカルボニルテトラシクロドデセン;8−メチル−8−テトラシクロドデセン;8−シアノテトラシクロドデセン;ペンタシクロペンタデセン;ペンタシクロヘキサデセン等を含めたシクロペンタジエンの三量体及び他の高次オリゴマー、並びにこれらの構造異性体、立体異性体、及びこれらの混合物が挙げられる。二環式及び多環式オレフィンのさらなる例として、C2〜C12ヒドロカルビル置換ノルボルネン、例えば5−ブチル−2−ノルボルネン、5−ヘキシル−2−ノルボルネン、5−オクチル−2−ノルボルネン、5−デシル−2−ノルボルネン、5−ドデシル−2−ノルボルネン、5−ビニル−2−ノルボルネン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、5−イソプロペニル−2−ノルボルネン、5−プロペニル−2−ノルボルネン、及び5−ブテニル−2−ノルボルネン等が挙げられるが、これらに限定されない。本明細書において開示されるような二環式及び多環式オレフィンは、多種多様な構造異性体及び/又は立体異性体からなることができ、それらのいずれもが、本発明において使用するのに適していることが、当業者により、よく理解される。そのような二環式及び多環式オレフィンへの本明細書におけるいかなる言及も、具体的な記載がない限り、任意の及び全てのそのような構造異性体及び/又は立体異性体の混合物を含む。
好ましい環式オレフィンには、C5〜C24不飽和炭化水素が含まれる。О、N、S又はPなどの1つ又は複数(典型的に2〜12)のヘテロ原子を含有するC5〜C24環式炭化水素も好ましい。例えば、クラウンエーテル環式オレフィンは、環のあらゆる場所に数々のOヘテロ原子を含むことができ、こうしたオレフィンは、本発明の範囲に含まれる。さらに、好ましい環式オレフィンは、1つ又は複数(典型的に2又は3)のオレフィンを含有するC5〜C24炭化水素である。例えば、環式オレフィンは、一不飽和、二不飽和又は三不飽和であり得る。環式オレフィンの例として、シクロオクテン、シクロドデセン、及び(c,t,t)−1,5,9−シクロドデカトリエンが挙げられるが、これらに限定されない。
環式オレフィンはまた、複数(典型的に2又は3)の環を含むこともできる。例えば、環式オレフィンは、単環系、二環系又は三環系であり得る。環式オレフィンが2つ以上の環を含む場合、環は、縮合していても縮合していなくてもよい。複数の環を含む環式オレフィンの好ましい例として、ノルボルネン、ジシクロペンタジエン、トリシクロペンタジエン、及び5−エチリデン−2−ノルボルネンが挙げられる。
環式オレフィンはまた、置換されていてもよく、例えば水素の1つ又は複数(典型的に2、3、4又は5)が非水素置換基で置き換えられているC5〜C24環式炭化水素であり得る。適切な非水素置換基は、本明細書で先に記載した置換基から選択することができる。例えば、水素の1つ又は複数(典型的に2、3、4又は5)が官能基で置き換えられている官能化環式オレフィン、すなわちC5〜C24環式炭化水素は、本発明の範囲に含まれる。適切な官能基は、本明細書で先に記載した官能基から選択することができる。例えば、アルコール基で官能化された環式オレフィンを使用して、ペンダントアルコール基を含む、両端に官能基を有する(telechelic)ポリマーを調製することができる。環式オレフィン上の官能基は、官能基がメタセシス触媒を妨害する場合に保護することができ、当技術分野で一般に使用される保護基のいずれかを用いることができる。許容される保護基は、例えばGreeneら、「有機合成における保護基(Protective Groups in Organic Synthesis)」、第3版(New York:Wiley、1999年)に見出すことができる。官能化環式オレフィンの例として、2−ヒドロキシメチル−5−ノルボルネン、2−[(2−ヒドロキシエチル)カルボキシラート]−5−ノルボルネン、シデカノール(cydecanol)、5−n−ヘキシル−2−ノルボルネン、5−n−ブチル−2−ノルボルネンが挙げられるが、これらに限定されない。
前述の特徴(すなわち、ヘテロ原子、置換基、複数のオレフィン、複数の環)の任意の組合せを組み込んだ環式オレフィンは、本明細書に開示の方法に適している。さらに、前述の特徴(すなわち、ヘテロ原子、置換基、複数のオレフィン、複数の環)の任意の組合せを組み込んだ環式オレフィンは、本明細書に開示の本発明に適している。
本明細書に開示の方法において有用な環式オレフィンは、歪みを有していても、歪みを有していなくてもよい。環の歪みの量は、環式オレフィン化合物ごとに変わり、環の大きさ、置換基の存在及び識別、並びに複数の環の存在を含めたいくつかの要因に応じて決まることを理解されよう。環の歪みは、開環オレフィンメタセシス反応に向かう分子の反応性を決定する1つの要因である。高度に歪みを有する環式オレフィン、例えば特定の二環式化合物は、オレフィンメタセシス触媒により、容易に開環反応を受ける。歪みの少ない環式オレフィン、例えば特定の非置換炭化水素単環式オレフィンは、一般に反応性が低い。ある場合には、相対的に歪みを有していない(したがって相対的に非反応性の)環式オレフィンの開環反応は、本明細書に開示のオレフィン化合物の存在下で実施されると、生じることが可能になる。さらに、本発明において有用な本明細書に開示の環式オレフィンは、歪みを有していても、歪みを有していなくてもよい。
本発明の樹脂組成物及び/又は環式オレフィン組成物は、複数の環式オレフィンを含むことができる。複数の環式オレフィンを使用して、オレフィン化合物からメタセシスポリマーを調製することができる。例えば、本明細書で先に記載した環式オレフィンから選択された2つの環式オレフィンは、両方の環式オレフィンを組み込むメタセシス生成物を形成するために用いることができる。2つ以上の環式オレフィンが使用される場合、第2の環式オレフィンの一例は、環式アルケノール、すなわちC5〜C24環式炭化水素であり、ここで、水素置換基の少なくとも1つを、アルコール又は保護されたアルコール部分で置き換えると、官能化環式オレフィンが得られる。
複数の環式オレフィンを使用すると、特に環式オレフィンの少なくとも1つが官能化される場合、生成物内の官能基の位置決めをさらに制御することができる。例えば、架橋点の密度は、本明細書に開示の方法を使用して調製したポリマー及びマクロモノマーにおいて制御され得る。また、置換基及び官能基の量及び密度を制御することによって、生成物の物理的特性(例えば、融点、引張強度、ガラス転移温度等)を制御することができる。これら及び他の特性の制御は、単一の環式オレフィンだけを使用する反応で可能であるが、複数の環式オレフィンを使用することによって、形成可能なメタセシス生成物及びポリマーの範囲がさらに拡大することを理解されよう。
環式オレフィンの例として、ジシクロペンタジエン;トリシクロペンタジエン;ジシクロヘキサジエン;ノルボルネン;5−メチル−2−ノルボルネン;5−エチル−2−ノルボルネン;5−イソブチル−2−ノルボルネン;5,6−ジメチル−2−ノルボルネン;5−フェニルノルボルネン;5−ベンジルノルボルネン;5−アセチルノルボルネン;5−メトキシカルボニルノルボルネン;5−エトキシカルボニル−1−ノルボルネン;5−メチル−5−メトキシ−カルボニルノルボルネン;5−シアノノルボルネン;5,5,6−トリメチル−2−ノルボルネン;シクロヘキセニルノルボルネン;endo,exo−5,6−ジメトキシノルボルネン;endo,endo−5,6−ジメトキシノルボルネン;endo,exo−5−6−ジメトキシカルボニルノルボルネン;endo,endo−5,6−ジメトキシカルボニルノルボルネン;2,3−ジメトキシノルボルネン;ノルボルナジエン;トリシクロウンデセン;テトラシクロドデセン;8−メチルテトラシクロドデセン;8−エチル−テトラシクロドデセン;8−メトキシカルボニルテトラシクロドデセン;8−メチル−8−テトラシクロ−ドデセン;8−シアノテトラシクロドデセン;ペンタシクロペンタデセン;ペンタシクロヘキサデセン;シクロペンタジエンの高次オリゴマー、例えばシクロペンタジエン四量体、シクロペンタジエン五量体等;並びにC2〜C12ヒドロカルビル置換ノルボルネン、例えば5−ブチル−2−ノルボルネン;5−ヘキシル−2−ノルボルネン;5−オクチル−2−ノルボルネン;5−デシル−2−ノルボルネン;5−ドデシル−2−ノルボルネン;5−ビニル−2−ノルボルネン;5−エチリデン−2−ノルボルネン;5−イソプロペニル−2−ノルボルネン;5−プロペニル−2−ノルボルネン;及び5−ブテニル−2−ノルボルネン等が挙げられる。環式オレフィンの例として、ジシクロペンタジエン、トリシクロペンタジエン、及びシクロペンタジエンの高次オリゴマー、例えばシクロペンタジエン四量体、シクロペンタジエン五量体等、テトラシクロドデセン、ノルボルネン、並びにC2〜C12ヒドロカルビル置換ノルボルネン、例えば5−ブチル−2−ノルボルネン、5−ヘキシル−2−ノルボルネン、5−オクチル−2−ノルボルネン、5−デシル−2−ノルボルネン、5−ドデシル−2−ノルボルネン、5−ビニル−2−ノルボルネン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、5−イソプロペニル−2−ノルボルネン、5−プロペニル−2−ノルボルネン、5−ブテニル−2−ノルボルネン等が挙げられる。
環式オレフィンの例として、ジシクロペンタジエン、トリシクロペンタジエン、及びシクロペンタジエンの高次オリゴマー、例えばシクロペンタジエン四量体、シクロペンタジエン五量体などが挙げられ、これには構造異性体及び/又は立体異性体が含まれ、それらのいずれも本発明に使用するのに適している。環式オレフィンの例として、ジシクロペンタジエン、トリシクロペンタジエン、及びテトラシクロペンタジエンが挙げられ、これには構造異性体及び/又は立体異性体が含まれ、それらの全てが本発明において使用するのに適している。環式オレフィンの例として、ジシクロペンタジエン及びトリシクロペンタジエンが挙げられ、これには構造異性体及び/又は立体異性体が含まれ、それらの全てが本発明において使用するのに適している。
金属カルベンオレフィンメタセシス触媒
本明細書に開示されている本発明と共に使用できる触媒組成物は、1種又は複数の金属カルベンオレフィンメタセシス触媒を含む。本明細書に開示されている本発明で使用できる金属カルベンオレフィンメタセシス触媒は、好ましくは、式(I)の構造を有する第8族遷移金属錯体である
式中、
Mは、第8族遷移金属であり、
L1、L2及びL3は、中性電子供与体配位子であり、
nは、0又は1であり、したがってL3は存在しても存在しなくてもよく、
mは、0、1又は2であり、
kは、0又は1であり、
X1及びX2は、アニオン性配位子であり、
R1及びR2は、独立に、水素、ヒドロカルビル、置換ヒドロカルビル、ヘテロ原子含有ヒドロカルビル、置換ヘテロ原子含有ヒドロカルビル、及び官能基から選択され、
X1、X2、L1、L2、L3、R1及びR2の任意の2つ以上は、一緒になって、1つ又は複数の環式基を形成することができ、さらにX1、X2、L1、L2、L3、R1及びR2の任意の1つ又は複数は、担体に結合していてもよい。
さらに、式(I)において、R1及びR2の一方又は両方は、構造−(W)n−U+V−を有することができ、ここで、Wは、ヒドロカルビレン、置換ヒドロカルビレン、ヘテロ原子含有ヒドロカルビレン、又は置換ヘテロ原子含有ヒドロカルビレンから選択され、Uは、水素、ヒドロカルビル、置換ヒドロカルビル、ヘテロ原子含有ヒドロカルビル、又は置換ヘテロ原子含有ヒドロカルビルで置換されている正電荷の第15族又は第16族の元素であり、Vは、負電荷の対イオンであり、nは0又は1である。さらに、R1及びR2は、一緒になって、インデニリデン部分を形成することができる。
好ましい触媒は、第8族遷移金属としてRu又はOsを含有し、Ruが特に好ましい。
本明細書に開示の反応において有用な触媒の数々の実施形態を、以下により詳細に記載する。便宜上、触媒は、群で記載されるが、これらの群は、いかなる方式でも限定的であることを意味しないことが強調されるべきである。すなわち、本発明において有用な触媒のいずれも、本明細書に記載の群の2つ以上の説明に該当し得る。
次に、触媒の第1の群は、一般に、第1世代Grubbsタイプの触媒と呼ばれ、式(I)の構造を有する。触媒の第1の群では、Mは、第8族遷移金属であり、mは、0、1又は2であり、n、X1、X2、L1、L2、L3、R1及びR2は、下記の通りである。
触媒の第1の群では、nは0であり、L1及びL2は、独立に、ホスフィン、スルホン化ホスフィン、ホスファイト、ホスフィナイト、ホスホナイト、アルシン、スチビン、エーテル(環式エーテルを含む)、アミン、アミド、イミン、スルホキシド、カルボキシル、ニトロシル、ピリジン、置換ピリジン、イミダゾール、置換イミダゾール、ピラジン、置換ピラジン及びチオエーテルから選択される。例示的な配位子は、三置換ホスフィンである。好ましい三置換ホスフィンは、式PRH1RH2RH3を有し、ここでRH1、RH2及びRH3は、それぞれ独立に、置換又は非置換アリール又はC1〜C10アルキル、特に第一級アルキル、第二級アルキル又はシクロアルキルである。最も好ましくは、L1及びL2は、独立に、トリメチルホスフィン(PMe3)、トリエチルホスフィン(PEt3)、トリ−n−ブチルホスフィン(PBu3)、トリ(オルト−トリル)ホスフィン(P−o−トリル3)、トリ−tert−ブチルホスフィン(P−tert−Bu3)、トリシクロペンチルホスフィン(Pシクロペンチル3)、トリシクロヘキシルホスフィン(PCy3)、トリイソプロピルホスフィン(P−i−Pr3)、トリオクチルホスフィン(POct3)、トリイソブチルホスフィン(P−i−Bu3)、トリフェニルホスフィン(PPh3)、トリ(ペンタフルオロフェニル)ホスフィン(P(C6F5)3)、メチルジフェニルホスフィン(PMePh2)、ジメチルフェニルホスフィン(PMe2Ph)、及びジエチルフェニルホスフィン(PEt2Ph)からなる群から選択される。或いはL1及びL2は、独立に、ホスファビシクロアルカン(例えば、一置換9−ホスファビシクロ−[3.3.1]ノナン又は一置換9−ホスファビシクロ[4.2.1]ノナン]、例えばシクロヘキシルフォバン、イソプロピルフォバン、エチルフォバン、メチルフォバン、ブチルフォバン、ペンチルフォバン等)から選択することができる。
X1及びX2は、アニオン性配位子であり、同じでも異なっていてもよく、又は一緒になって連結して、環式基、典型的に、必ずではないが5〜8員の環を形成する。好ましい実施形態では、X1及びX2は、それぞれ独立に、水素、ハロゲン化物、又は以下の基の1つである。C1〜C20アルキル、C5〜C24アリール、C1〜C20アルコキシ、C5〜C24アリールオキシ、C2〜C20アルコキシカルボニル、C6〜C24アリールオキシカルボニル、C2〜C24アシル、C2〜C24アシルオキシ、C1〜C20アルキルスルホナト、C5〜C24アリールスルホナト、C1〜C20アルキルスルファニル、C5〜C24アリールスルファニル、C1〜C20アルキルスルフィニル、NO3、−N=C=O、−N=C=S、又はC5〜C24アリールスルフィニル。任意選択により、X1及びX2は、C1〜C12アルキル、C1〜C12アルコキシ、C5〜C24アリール、及びハロゲン化物から選択される1つ又は複数の部分で置換されていてもよく、これらは、ハロゲン化物を除いて、ハロゲン化物、C1〜C6アルキル、C1〜C6アルコキシ及びフェニルから選択される1つ又は複数の基でさらに置換されていてもよい。より好ましい実施形態では、X1及びX2は、ハロゲン化物、ベンゾアート、C2〜C6アシル、C2〜C6アルコキシカルボニル、C1〜C6アルキル、フェノキシ、C1〜C6アルコキシ、C1〜C6アルキルスルファニル、アリール、又はC1〜C6アルキルスルホニルである。さらにより好ましい実施形態では、X1及びX2は、それぞれ、ハロゲン化物、CF3CO2、CH3CO2、CFH2CO2、(CH3)3CO、(CF3)2(CH3)CO、(CF3)(CH3)2CO、PhO、MeO、EtO、トシラート、メシラート、又はトリフルオロメタン−スルホナートである。最も好ましい実施形態では、X1及びX2は、それぞれ塩化物である。
R1及びR2は、独立に、水素、ヒドロカルビル(例えば、C1〜C20アルキル、C2〜C20アルケニル、C2〜C20アルキニル、C5〜C24アリール、C6〜C24アルカリール、C6〜C24アラルキル等)、置換ヒドロカルビル(例えば、置換C1〜C20アルキル、C2〜C20アルケニル、C2〜C20アルキニル、C5〜C24アリール、C6〜C24アルカリール、C6〜C24アラルキル等)、ヘテロ原子含有ヒドロカルビル(例えば、ヘテロ原子含有C1〜C20アルキル、C2〜C20アルケニル、C2〜C20アルキニル、C5〜C24アリール、C6〜C24アルカリール、C6〜C24アラルキル等)、及び置換ヘテロ原子含有ヒドロカルビル(例えば、置換ヘテロ原子含有C1〜C20アルキル、C2〜C20アルケニル、C2〜C20アルキニル、C5〜C24アリール、C6〜C24アルカリール、C6〜C24アラルキル等)、並びに官能基から選択される。R1及びR2はまた、連結して環式基を形成することができ、この環式基は、脂肪族又は芳香族であり得、置換基及び/又はヘテロ原子を含有することができる。一般に、このような環式基は、4〜12個、好ましくは5、6、7又は8個の環原子を含有する。
好ましい触媒では、R1は水素であり、R2は、C1〜C20アルキル、C2〜C20アルケニル及びC5〜C24アリール、より好ましくはC1〜C6アルキル、C2〜C6アルケニル及びC5〜C14アリールから選択される。さらにより好ましくは、R2は、フェニル、ビニル、メチル、イソプロピル又はt−ブチルであり、これらは、C1〜C6アルキル、C1〜C6アルコキシ、フェニル、及び本明細書で先に定義されている官能基Fnから選択される1つ又は複数の部分で、任意選択により置換されている。最も好ましくは、R2は、メチル、エチル、クロロ、ブロモ、ヨード、フルオロ、ニトロ、ジメチルアミノ、メチル、メトキシ、及びフェニルから選択される1つ又は複数の部分で置換されているフェニル又はビニルである。最適には、R2は、フェニル又は−CH=C(CH3)2である。
X1、X2、L1、L2、L3、R1及びR2の任意の2つ以上(典型的に2、3又は4つ)は、例えば開示が参照によって本明細書に組み込まれる米国特許第5,312,940号に開示されている通り、一緒になって、二座又は多座配位子を含む環式基を形成することができる。X1、X2、L1、L2、L3、R1及びR2のいずれかが連結して環式基を形成する場合、そのような環式基は、4〜12個、好ましくは4、5、6、7若しくは8個の原子を含有することができ、又は縮合若しくは連結し得るような環の2つ又は3つを含み得る。環式基は、脂肪族又は芳香族であり得、ヘテロ原子を含有していてもよく、及び/又は置換されていてもよい。環式基は、場合によって、二座配位子又は三座配位子を形成することができる。二座配位子の例として、ビスホスフィン、ジアルコキシド、アルキルジケトナート、及びアリールジケトナートが挙げられるが、これらに限定されない。
一般に第2世代Grubbsタイプの触媒と呼ばれる、金属カルベンオレフィンメタセシス触媒の第2の群は、式(I)の構造を有し、ここで、L1は、式(II)の構造を有するカルベン配位子であり、
したがって、錯体は、式(III)の構造を有することができる:
式中、M、m、n、X1、X2、L2、L3、R1及びR2は、触媒の第1の群について定義されている通りであり、残りの置換基は、以下の通りである;
X及びYは、典型的に、N、O、S及びPから選択されるヘテロ原子である。O及びSは二価なので、XがO又はSである場合、pは必然的に0であり、YがO又はSである場合、qは必然的に0であり、kは0又は1である。しかし、XがN又はPである場合、pは1であり、YがN又はPである場合、qは1である。好ましい一実施形態では、X及びYの両方は、Nであり、
Q1、Q2、Q3及びQ4は、リンカー、例えばヒドロカルビレン(置換ヒドロカルビレン、ヘテロ原子含有ヒドロカルビレン、及び置換ヘテロ原子含有ヒドロカルビレン、例えば置換されている、及び/又はヘテロ原子含有アルキレンを含む)又は−(CO)−であり、w、x、y及びzは、独立に、0又は1であり、このことは、各リンカーが任意選択であることを意味する。好ましくは、w、x、y及びzは、すべて0である。さらに、Q1、Q2、Q3及びQ4内の隣接する原子上の2つ以上の置換基は、連結して、追加の環式基を形成することができ、
R3、R3A、R4及びR4Aは、独立に、水素、ヒドロカルビル、置換ヒドロカルビル、ヘテロ原子含有ヒドロカルビル、及び置換ヘテロ原子含有ヒドロカルビルから選択される。さらに、X及びYは、独立に、炭素及び前述のヘテロ原子の1つから選択することができ、好ましくはX又はYのわずか一方が炭素である。また、L2及びL3は、一緒になって、単一の二座の(bindentate)電子供与性の複素環式配位子を形成することができる。さらに、R1及びR2は、一緒になって、インデニリデン部分を形成することができる。さらに、X1、X2、L2、L3、X及びYは、ホウ素又はカルボキシラートにさらに配位され得る。
さらに、X1、X2、L1、L2、L3、R1、R2、R3、R3A、R4、R4A、Q1、Q2、Q3及びQ4の任意の2つ以上は、一緒になって、環式基を形成することができ、X1、X2、L2、L3、Q1、Q2、Q3、Q4、R1、R2、R3、R3A、R4及びR4Aの任意の1つ又は複数は、担体に結合していてもよい。X1、X2、L1、L2、L3、R1、R2、R3、R3A、R4及びR4Aの任意の2つ以上は、−A−Fnになることもでき、ここで「A」は、アルキレン及びアリールアルキレンから選択される二価の炭化水素部分であり、アルキレン及びアリールアルキレン基のアルキル部分は、直鎖又は分岐、飽和又は不飽和、環式又は非環式、及び置換又は非置換であってもよく、アリールアルキレンのアリール部分は、置換又は非置換であり得、ヘテロ原子及び/又は官能基は、アルキレン及びアリールアルキレン基のアリール又はアルキル部分のいずれかに存在することができ、Fnは、官能基であり、又は一緒になって環式基を形成し、X1、X2、L2、L3、Q1、Q2、Q3、Q4、R1、R2、R3、R3A、R4及びR4Aの任意の1つ又は複数は、担体に結合していてもよい。
R3A及びR4Aが連結して環式基を形成し、X若しくはYの少なくとも1つが窒素であり、又はQ3若しくはQ4の少なくとも1つが、ヘテロ原子含有ヒドロカルビレン若しくは置換ヘテロ原子含有ヒドロカルビレンであり、少なくとも1つのヘテロ原子が窒素である、式(II)の構造を有する特定のクラスのカルベン配位子は、一般に、N−複素環式カルベン(NHC)配位子と呼ばれる。
好ましくは、R3A及びR4Aは、連結して環式基を形成し、したがってカルベン配位子は、式(IV)の構造を有する:
式中、R3及びR4は、先の触媒の第2の群について定義されている通りであり、好ましくはR3及びR4の少なくとも1つ、より好ましくはR3及びR4の両方は、1〜約5個の環の脂環式又は芳香族であり、任意選択により1つ又は複数のヘテロ原子及び/又は置換基を含有する。Qは、リンカー、典型的に置換ヒドロカルビレン、ヘテロ原子含有ヒドロカルビレン、及び置換ヘテロ原子含有ヒドロカルビレンリンカーを含むヒドロカルビレンリンカーであり、Q内の隣接する原子上の2つ以上の置換基はまた、連結して、追加の環式構造を形成することができ、この環式構造は、同様に置換されて、2〜約5個の環式基の縮合多環式構造を提供することができる。Qは、しばしば、必ずではないが、2つの原子による連結又は3つの原子による連結である。
したがって、L1として適したN−複素環式カルベン(NHC)配位子及び非環式ジアミノカルベン配位子の例として、以下が挙げられるが、これらに限定されない。式中、DIPP又はDiPPは、ジイソプロピルフェニルであり、Mesは、2,4,6−トリメチルフェニルである:
したがって、L1として適したN−複素環式カルベン(NHC)配位子及び非環式ジアミノカルベン配位子のさらなる例として、
が挙げられるが、これらに限定されない[式中、RW1、RW2、RW3、RW4は、独立に、水素、非置換ヒドロカルビル、置換ヒドロカルビル、又はヘテロ原子含有ヒドロカルビルであり、RW3及びRW4の一方又は両方は、独立に、ハロゲン、ニトロ、アミド、カルボキシル、アルコキシ、アリールオキシ、スルホニル、カルボニル、チオ、又はニトロソ基から選択され得る]。
L1として適したN−複素環式カルベン(NHC)配位子のさらなる例は、米国特許第7,378,528号、同第7,652,145号、同第7,294,717号、同第6,787,620号、同第6,635,768号及び同第6,552,139号にさらに記載されており、それぞれの内容は、参照によって本明細書に組み込まれる。
さらに、内容が参照によって本明細書に組み込まれる米国特許第6,838,489号に開示の熱活性化N−複素環式カルベン前駆体も、本発明と共に使用することができる。
Mがルテニウムである場合、好ましい錯体は、式(V)の構造を有する。
より好ましい実施形態では、Qは、構造−CR11R12−CR13R14−又は−CR11=CR13−、好ましくは−CR11R12−CR13R14−を有する2つの原子による連結であり、ここで、R11、R12、R13及びR14は、独立に、水素、ヒドロカルビル、置換ヒドロカルビル、ヘテロ原子含有ヒドロカルビル、置換ヘテロ原子含有ヒドロカルビル、及び官能基から選択される。ここで官能基の例として、C1〜C12アルキル、C1〜C12アルコキシ、C5〜C14アリール、ヒドロキシル、スルフヒドリル、ホルミル、及びハロゲン化物から選択される1つ又は複数の部分で任意選択により置換されている、カルボキシル、C1〜C20アルコキシ、C5〜C24アリールオキシ、C2〜C20アルコキシカルボニル、C5〜C24アルコキシカルボニル、C2〜C24アシルオキシ、C1〜C20アルキルチオ、C5〜C24アリールチオ、C1〜C20アルキルスルホニル、及びC1〜C20アルキルスルフィニルが挙げられるが、これらに限定されない。R11、R12、R13及びR14は、好ましくは独立に、水素、C1〜C12アルキル、置換C1〜C12アルキル、C1〜C12ヘテロアルキル、置換C1〜C12ヘテロアルキル、フェニル、及び置換フェニルから選択される。或いは、R11、R12、R13及びR14の任意の2つは、一緒になって連結して、置換又は非置換、飽和又は不飽和の環構造、例えばC4〜C12脂環式基又はC5若しくはC6アリール基を形成することができ、これらは例えば、連結若しくは縮合している脂環式若しくは芳香族基で、又は他の置換基で、それ自体が置換されていてもよい。さらなる一態様では、R11、R12、R13及びR14の任意の1つ又は複数は、リンカーの1つ又は複数を含む。さらに、R3及びR4は、非置換フェニルであり、又はC1〜C20アルキル、置換C1〜C20アルキル、C1〜C20ヘテロアルキル、置換C1〜C20ヘテロアルキル、C5〜C24アリール、置換C5〜C24アリール、C5〜C24ヘテロアリール、C6〜C24アラルキル、C6〜C24アルカリール若しくはハロゲン化物から選択される1つ若しくは複数の置換基で置換されているフェニルであり得る。さらに、X1及びX2は、ハロゲンであってもよい。
R3及びR4が芳香族である場合、これらは典型的に、必ずではないが、置換されていても置換されていなくてもよい1つ又は2つの芳香環から構成され、例えばR3及びR4は、フェニル、置換フェニル、ビフェニル、置換ビフェニル等であり得る。好ましい一実施形態では、R3及びR4は同じであり、それぞれ、非置換フェニルであり、又はC1〜C20アルキル、置換C1〜C20アルキル、C1〜C20ヘテロアルキル、置換C1〜C20ヘテロアルキル、C5〜C24アリール、置換C5〜C24アリール、C5〜C24ヘテロアリール、C6〜C24アラルキル、C6〜C24アルカリール若しくはハロゲン化物から選択される3つまでの置換基で置換されているフェニルである。好ましくは、存在する任意の置換基は、水素、C1〜C12アルキル、C1〜C12アルコキシ、C5〜C14アリール、置換C5〜C14アリール、又はハロゲン化物である。一例として、R3及びR4は、メシチル(すなわち、本明細書で定義のMes)である。
式(I)の構造を有する金属カルベンオレフィンメタセシス触媒の第3の群では、M、m、n、X1、X2、R1及びR2は、触媒の第1の群について定義されている通りであり、L1は、触媒の第1の群及び第2の群について記載したもののいずれかなどの、強力に配位する中性電子供与体配位子であり、L2及びL3は、任意選択により置換されている複素環式基の形態の、弱く配位する中性電子供与体配位子である。やはりnは0又は1であり、したがってL3は、存在しても存在しなくてもよい。一般に、触媒の第3の群では、L2及びL3は、1〜4個、好ましくは1〜3個、最も好ましくは1〜2個のヘテロ原子を含有する、任意選択により置換されている5員若しくは6員の単環式基であり、又は2〜5員、例えば5員若しくは6員の単環式基から構成される、任意選択により置換されている二環式若しくは多環式構造である。複素環式基が置換されている場合、その複素環式基は、配位ヘテロ原子上で置換されるべきではなく、複素環式基内の任意の1つの環式部分は、一般に、3つを超える置換基で置換されない。
金属カルベンオレフィンメタセシス触媒の第3の群では、L2及びL3の例として、限定されるものではないが、窒素、硫黄、酸素又はその混合物を含有する複素環が挙げられる。
L2及びL3に適した、窒素含有複素環の例として、ピリジン、ビピリジン、ピリダジン、ピリミジン、ビピリダミン、ピラジン、1,3,5−トリアジン、1,2,4−トリアジン、1,2,3−トリアジン、ピロール、2H−ピロール、3H−ピロール、ピラゾール、2H−イミダゾール、1,2,3−トリアゾール、1,2,4−トリアゾール、インドール、3H−インドール、1H−イソインドール、シクロペンタ(b)ピリジン、インダゾール、キノリン、ビスキノリン、イソキノリン、ビスイソキノリン、シンノリン、キナゾリン、ナフチリジン、ピペリジン、ピペラジン、ピロリジン、ピラゾリジン、キヌクリジン、イミダゾリジン、ピコリルイミン、プリン、ベンゾイミダゾール、ビスイミダゾール、フェナジン、アクリジン、及びカルバゾールが挙げられる。さらに、窒素含有複素環は、非配位ヘテロ原子上で、非水素置換基により任意選択により置換されていてもよい。
L2及びL3に適した、硫黄含有複素環の例として、チオフェン、1,2−ジチオール、1,3−ジチオール、チエピン、ベンゾ(b)チオフェン、ベンゾ(c)チオフェン、チオナフテン、ジベンゾチオフェン、2H−チオピラン、4H−チオピラン、及びチオアントレンが挙げられる。
L2及びL3に適した、酸素含有複素環の例として、2H−ピラン、4H−ピラン、2−ピロン、4−ピロン、1,2−ジオキシン、1,3−ジオキシン、オキセピン、フラン、2H−1−ベンゾピラン、クマリン、クマロン、クロメン、クロマン−4−オン、イソクロメン−1−オン、イソクロメン−3−オン、キサンテン、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、及びジベンゾフランが挙げられる。
L2及びL3に適した、混合複素環の例として、イソオキサゾール、オキサゾール、チアゾール、イソチアゾール、1,2,3−オキサジアゾール、1,2,4−オキサジアゾール、1,3,4−オキサジアゾール、1,2,3,4−オキサトリアゾール、1,2,3,5−オキサトリアゾール、3H−1,2,3−ジオキサゾール、3H−1,2−オキサチオール、1,3−オキサチオール、4H−1,2−オキサジン、2H−1,3−オキサジン、1,4−オキサジン、1,2,5−オキサチアジン、o−イソオキサジン、フェノキサジン、フェノチアジン、ピラノ[3,4−b]ピロール、インドキサジン、ベンゾオキサゾール、アントラニル、及びモルホリンが挙げられる。
好ましいL2及びL3配位子は、窒素含有及び酸素含有芳香族複素環であり、特に好ましいL2及びL3配位子は、1〜3個、好ましくは1又は2個の置換基で任意選択により置換されている、単環式N−ヘテロアリール配位子である。特に好ましいL2及びL3配位子の具体例は、ピリジン及び置換ピリジン、例えば3−ブロモピリジン、4−ブロモピリジン、3,5−ジブロモピリジン、2,4,6−トリブロモピリジン、2,6−ジブロモピリジン、3−クロロピリジン、4−クロロピリジン、3,5−ジクロロピリジン、2,4,6−トリクロロピリジン、2,6−ジクロロピリジン、4−ヨードピリジン、3,5−ジヨードピリジン、3,5−ジブロモ−4−メチルピリジン、3,5−ジクロロ−4−メチルピリジン、3,5−ジメチル−4−ブロモピリジン、3,5−ジメチルピリジン、4−メチルピリジン、3,5−ジイソプロピルピリジン、2,4,6−トリメチルピリジン、2,4,6−トリイソプロピルピリジン、4−(tert−ブチル)ピリジン、4−フェニルピリジン、3,5−ジフェニルピリジン、3,5−ジクロロ−4−フェニルピリジン等である。
一般に、L2及び/又はL3上に存在する任意の置換基は、ハロ、C1〜C20アルキル、置換C1〜C20アルキル、C1〜C20ヘテロアルキル、置換C1〜C20ヘテロアルキル、C5〜C24アリール、置換C5〜C24アリール、C5〜C24ヘテロアリール、置換C5〜C24ヘテロアリール、C6〜C24アルカリール、置換C6〜C24アルカリール、C6〜C24ヘテロアルカリル、置換C6〜C24ヘテロアルカリル、C6〜C24アラルキル、置換C6〜C24アラルキル、C6〜C24ヘテロアラルキル、置換C6〜C24ヘテロアラルキル、及び官能基から選択され、適切な官能基として、C1〜C20アルコキシ、C5〜C24アリールオキシ、C2〜C20アルキルカルボニル、C6〜C24アリールカルボニル、C2〜C20アルキルカルボニルオキシ、C6〜C24アリールカルボニルオキシ、C2〜C20アルコキシカルボニル、C6〜C24アリールオキシカルボニル、ハロカルボニル、C2〜C20アルキルカルボナト、C6〜C24アリールカルボナト、カルボキシ、カルボキシラト、カルバモイル、モノ−(C1〜C20アルキル)置換カルバモイル、ジ−(C1〜C20アルキル)置換カルバモイル、ジ−N−(C1〜C20アルキル)、N−(C5〜C24アリール)置換カルバモイル、モノ−(C5〜C24アリール)置換カルバモイル、ジ−(C6〜C24アリール)置換カルバモイル、チオカルバモイル、モノ−(C1〜C20アルキル)置換チオカルバモイル、ジ−(C1〜C20アルキル)置換チオカルバモイル、ジ−N−(C1〜C20アルキル)−N−(C6〜C24アリール)置換チオカルバモイル、モノ−(C6〜C24アリール)置換チオカルバモイル、ジ−(C6〜C24アリール)置換チオカルバモイル、カルバミド、ホルミル、チオホルミル、アミノ、モノ−(C1〜C20アルキル)置換アミノ、ジ−(C1〜C20アルキル)置換アミノ、モノ−(C5〜C24アリール)置換アミノ、ジ−(C5〜C24アリール)置換アミノ、ジ−N−(C1〜C20アルキル)、N−(C5〜C24アリール)置換アミノ、C2〜C20アルキルアミド、C6〜C24アリールアミド、イミノ、C1〜C20アルキルイミノ、C5〜C24アリールイミノ、ニトロ、及びニトロソが挙げられるが、これらに限定されない。さらに、2つの隣接する置換基は、一緒になって、任意選択により1〜3個のヘテロ原子及び前述の1〜3個の置換基を含有する環、一般に5員又は6員の脂環式又はアリール環を形成することができる。
L2及びL3上の好ましい置換基として、ハロ、C1〜C12アルキル、置換C1〜C12アルキル、C1〜C12ヘテロアルキル、置換C1〜C12ヘテロアルキル、C5〜C14アリール、置換C5〜C14アリール、C5〜C14ヘテロアリール、置換C5〜C14ヘテロアリール、C6〜C16アルカリール、置換C6〜C16アルカリール、C6〜C16ヘテロアルカリル、置換C6〜C16ヘテロアルカリル、C6〜C16アラルキル、置換C6〜C16アラルキル、C6〜C16ヘテロアラルキル、置換C6〜C16ヘテロアラルキル、C1〜C12アルコキシ、C5〜C14アリールオキシ、C2〜C12アルキルカルボニル、C6〜C14アリールカルボニル、C2〜C12アルキルカルボニルオキシ、C6〜C14アリールカルボニルオキシ、C2〜C12アルコキシカルボニル、C6〜C14アリールオキシカルボニル、ハロカルボニル、ホルミル、アミノ、モノ−(C1〜C12アルキル)置換アミノ、ジ−(C1〜C12アルキル)置換アミノ、モノ−(C5〜C14アリール)置換アミノ、ジ−(C5〜C14アリール)置換アミノ、及びニトロが挙げられるが、これらに限定されない。
先の中でも、最も好ましい置換基は、ハロ、C1〜C6アルキル、C1〜C6ハロアルキル、C1〜C6アルコキシ、フェニル、置換フェニル、ホルミル、N,N−ジ(C1〜C6アルキル)アミノ、ニトロ、及び前述の窒素複素環(例えば、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、ピラジン、ピリミジン、ピリジン、ピリダジン等を含む)である。
特定の実施形態では、L2及びL3は、一緒になって、2つ以上の、一般に2つの配位ヘテロ原子、例えばN、O、S又はPを含有する二座又は多座配位子を形成することもでき、このような好ましい配位子は、Brookhartタイプのジイミン配位子である。ある代表的な二座配位子は、式(VI)の構造を有する
式中、R15、R16、R17及びR18は、ヒドロカルビル(例えば、C1〜C20アルキル、C2〜C20アルケニル、C2〜C20アルキニル、C5〜C24アリール、C6〜C24アルカリール、又はC6〜C24アラルキル)、置換ヒドロカルビル(例えば、置換C1〜C20アルキル、C2〜C20アルケニル、C2〜C20アルキニル、C5〜C24アリール、C6〜C24アルカリール、又はC6〜C24アラルキル)、ヘテロ原子含有ヒドロカルビル(例えば、C1〜C20ヘテロアルキル、C5〜C24ヘテロアリール、ヘテロ原子含有C6〜C24アラルキル、又はヘテロ原子含有C6〜C24アルカリール)、若しくは置換ヘテロ原子含有ヒドロカルビル(例えば、置換C1〜C20ヘテロアルキル、C5〜C24ヘテロアリール、ヘテロ原子含有C6〜C24アラルキル、又はヘテロ原子含有C6〜C24アルカリール)であり、又は(1)R15及びR16、(2)R17及びR18、(3)R16及びR17、若しくは(4)R15及びR16と、R17及びR18の両方は、一緒になって、環、すなわちN−複素環を形成することができる。このような場合の好ましい環式基は、5員及び6員環、典型的に芳香環である。
式(I)の構造を有する金属カルベンオレフィンメタセシス触媒の第4の群では、置換基の2つは、一緒になって、二座配位子又は三座配位子を形成する。二座配位子の例として、ビスホスフィン、ジアルコキシド、アルキルジケトナート、及びアリールジケトナートが挙げられるが、これらに限定されない。具体例として、−P(Ph)2CH2CH2P(Ph)2−、−As(Ph)2CH2CH2As(Ph2)−、−P(Ph)2CH2CH2C(CF3)2O−、ビナフトラート(binaphtholate)ジアニオン、ピナコラートジアニオン、−P(CH3)2(CH2)2P(CH3)2−、及び−OC(CH3)2(CH3)2CO−が挙げられる。好ましい二座配位子は、−P(Ph)2CH2CH2P(Ph)2−及び−P(CH3)2(CH2)2P(CH3)2−である。三座配位子として、(CH3)2NCH2CH2P(Ph)CH2CH2N(CH3)2が挙げられるが、これに限定されない。他の好ましい三座配位子は、X1、X2、L1、L2、L3、R1及びR2のうちの任意の3つ(例えば、X1、L1及びL2)が、一緒になって、シクロペンタジエニル、インデニル又はフルオレニルになるものであり、これらはそれぞれ、C2〜C20アルケニル、C2〜C20アルキニル、C1〜C20アルキル、C5〜C20アリール、C1〜C20アルコキシ、C2〜C20アルケニルオキシ、C2〜C20アルキニルオキシ、C5〜C20アリールオキシ、C2〜C20アルコキシカルボニル、C1〜C20アルキルチオ、C1〜C20アルキルスルホニル、又はC1〜C20アルキルスルフィニルで任意選択により置換されており、これらのそれぞれは、C1〜C6アルキル、ハロゲン化物、C1〜C6アルコキシ又はフェニル基(ハロゲン化物、C1〜C6アルキル、又はC1〜C6アルコキシで任意選択により置換されている)でさらに置換されていてもよい。より好ましくは、この種類の化合物では、X、L1及びL2は、一緒になって、シクロペンタジエニル又はインデニルになり、これらはそれぞれ、ビニル、C1〜C10アルキル、C5〜C20アリール、C1〜C10カルボキシラート、C2〜C10アルコキシカルボニル、C1〜C10アルコキシ、又はC5〜C20アリールオキシで任意選択により置換されており、これらはそれぞれ、C1〜C6アルキル、ハロゲン化物、C1〜C6アルコキシ又はフェニル基(ハロゲン化物、C1〜C6アルキル又はC1〜C6アルコキシで任意選択により置換されている)で任意選択により置換されている。最も好ましくは、X、L1及びL2は、一緒になって、シクロペンタジエニルになることができ、これは、ビニル、水素、メチル又はフェニルで任意選択により置換されている。四座配位子として、O2C(CH2)2P(Ph)(CH2)2P(Ph)(CH2)2CO2、フタロシアニン、及びポルフィリンが挙げられるが、これらに限定されない。
Yが金属に配位している錯体は、金属カルベンオレフィンメタセシス触媒の第5の群の例であり、一般に、「Grubbs−Hoveyda」触媒と呼ばれる。Grubbs−Hoveydaメタセシスに対して活性な金属カルベン錯体は、式(VII)によって記載することができる:
式中、
Mは、第8族遷移金属、特にRu若しくはOsであり、又はより具体的には、Ruであり、
X1、X2及びL1は、触媒の第1及び第2の群について本明細書で既に定義されている通りであり、
Yは、N、O、S及びPから選択されるヘテロ原子であり、好ましくは、Yは、O又はNであり、
R5、R6、R7及びR8は、それぞれ独立に、水素、ハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアルキル、ヘテロ原子含有アルケニル、ヘテロアルケニル、ヘテロアリール、アルコキシ、アルケニルオキシ、アリールオキシ、アルコキシカルボニル、カルボニル、アルキルアミノ、アルキルチオ、アミノスルホニル、モノアルキルアミノスルホニル、ジアルキルアミノスルホニル、アルキルスルホニル、ニトリル、ニトロ、アルキルスルフィニル、トリハロアルキル、ペルフルオロアルキル、カルボン酸、ケトン、アルデヒド、ニトラート(nitrate)、シアノ、イソシアナート、ヒドロキシル、エステル、エーテル、アミン、イミン、アミド、ハロゲン置換アミド、トリフルオロアミド、スルフィド、ジスルフィド、スルホナート、カルバマート(carbamate)、シラン、シロキサン、ホスフィン、ホスファート、ボラート、又は−A−Fnからなる群から選択され、ここで「A」及びFnは、先に定義されており、Y、Z、R5、R6、R7及びR8の任意の組合せが連結して、1つ又は複数の環式基を形成することができ、
nは、0、1又は2であり、したがって、二価のヘテロ原子O又はSでは、nは1であり、三価のヘテロ原子N又はPでは、nは2であり、
Zは、水素、アルキル、アリール、官能化アルキル、官能化アリールから選択される基であり、ここで官能基(単数又は複数)は、独立に、アルコキシ、アリールオキシ、ハロゲン、カルボン酸、ケトン、アルデヒド、ニトラート、シアノ、イソシアナート、ヒドロキシル、エステル、エーテル、アミン、イミン、アミド、トリフルオロアミド、スルフィド、ジスルフィド、カルバマート、シラン、シロキサン、ホスフィン、ホスファート、又はボラート;メチル、イソプロピル、sec−ブチル、t−ブチル、ネオペンチル、ベンジル、フェニル及びトリメチルシリルの1つ又は複数であり得、X1、X2、L1,Y、Z、R5、R6、R7及びR8の任意の1つ又は複数の組合せは、担体に結合することができる。さらに、R5、R6、R7、R8及びZは、独立に、チオイソシアナート、シアナト又はチオシアナトであり得る。
本発明に適したGrubbs−Hoveyda配位子を含む錯体の例として、
が挙げられ、式中、L1、X1、X2及びMは、触媒の他の群のいずれかについて記載されている通りである。適切なキレート化カルベン及びカルベン前駆体は、Pedersonら(両方の開示が参照によって本明細書に組み込まれる米国特許第7,026,495号及び同第6,620,955号)及びHoveydaら(両方の開示が参照によって本明細書に組み込まれる米国特許第6,921,735号及びWO0214376号)によってさらに説明されている。
他の有用な錯体には、式(I)、(III)又は(V)によるL2及びR2が連結している構造、例えば担体に結合するための官能基を含むスチレン化合物も含まれる。官能基がトリアルコキシシリル官能化部分である例として、以下が挙げられるが、これらに限定されない:
連結した配位子を有する錯体のさらなる例として、中性NHC配位子とアニオン性配位子の間、中性NHC配位子とアルキリデン配位子の間、中性NHC配位子とL2配位子の間、中性NHC配位子とL3配位子の間、アニオン性配位子とアルキリデン配位子、及びこれらの任意の組合せの間に連結を有するものが挙げられる。本明細書に列挙するには、可能な構造が多すぎるが、式(III)に基づくいくつかの適切な構造として、
が挙げられる。
前述の式(I)の構造を有する金属カルベンオレフィンメタセシス触媒に加えて、他の遷移金属カルベン錯体として、
形式的には+2の酸化状態にあり、電子数が16であり、五配位であり、一般式(IX)を有し、金属中心を含有している中性ルテニウム又はオスミウム金属カルベン錯体、
形式的には+2の酸化状態にあり、電子数が18であり、六配位であり、一般式(X)を有し、金属中心を含有している中性ルテニウム又はオスミウム金属カルベン錯体、
形式的には+2の酸化状態にあり、電子数が14であり、四配位であり、一般式(XI)を有し、金属中心を含有しているカチオン性ルテニウム又はオスミウム金属カルベン錯体、
形式的には+2の酸化状態にあり、電子数が14又は16であり、それぞれ四配位又は五配位であり、一般式(XII)を有し、金属中心を含有しているカチオン性ルテニウム又はオスミウム金属カルベン錯体
[式中、
M、X1、X2、L1、L2、L3、R1及びR2は、既に定義された触媒の4つの群のいずれかについて定義されている通りであり、
r及びsは、独立に、0又は1であり、
tは、0〜5の範囲の整数であり、
kは、0〜1の範囲の整数であり、
Yは、任意の非配位アニオン(例えば、ハロゲン化物イオン、BF4 −等)であり、
Z1及びZ2は、独立に、−O−、−S−、−NR2−、−PR2−、−P(=O)R2−、−P(OR2)−、−P(=O)(OR2)−、−C(=O)−、−C(=O)O−、−OC(=O)−、−OC(=O)O−、−S(=O)−、−S(=O)2−、並びに任意選択により置換されている及び/又は任意選択によりヘテロ原子を含有するC1〜C20ヒドロカルビレン連結から選択され、
Z3は、−P(R2)3 +又は−N(R2)3 +などの任意のカチオン部分であり、
X1、X2、L1、L2、L3、Z1、Z2、Z3、R1及びR2の任意の2つ以上は、一緒になって、環式基、例えば多座配位子を形成することができ、X1、X2、L1、L2、L3、Z1、Z2、Z3、R1及びR2の任意の1つ又は複数は、担体に結合していてもよい]
が挙げられるが、これらに限定されない。
さらに、本発明で使用できる本明細書に開示の金属カルベンオレフィンメタセシス触媒の別の群は、式(XIII)の構造を有する第8族遷移金属錯体である:
式中、Mは、第8族遷移金属、特にルテニウム若しくはオスミウム、又はより具体的には、ルテニウムであり、
X1、X2、L1及びL2は、先に定義されている触媒の第1及び第2群について定義されている通りであり、
RG1、RG2、RG3、RG4、RG5及びRG6は、それぞれ独立に、水素、ハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアルキル、ヘテロ原子含有アルケニル、ヘテロアルケニル、ヘテロアリール、アルコキシ、アルケニルオキシ、アリールオキシ、アルコキシカルボニル、カルボニル、アルキルアミノ、アルキルチオ、アミノスルホニル、モノアルキルアミノスルホニル、ジアルキルアミノスルホニル、アルキルスルホニル、ニトリル、ニトロ、アルキルスルフィニル、トリハロアルキル、ペルフルオロアルキル、カルボン酸、ケトン、アルデヒド、ニトラート、シアノ、イソシアナート、チオイソシアナート、シアナト、チオシアナト、ヒドロキシル、エステル、エーテル、チオエーテル、アミン、アルキルアミン、イミン、アミド、ハロゲン置換アミド、トリフルオロアミド、スルフィド、ジスルフィド、スルホナート、カルバマート、シラン、シロキサン、ホスフィン、ホスファート、ボラート又は−A−Fnからなる群から選択され、ここで「A」は、アルキレン及びアリールアルキレンから選択される二価の炭化水素部分であり、アルキレン及びアリールアルキレン基のアルキル部分は、直鎖又は分岐、飽和又は不飽和、環式又は非環式、及び置換又は非置換であってもよく、アリールアルキレンのアリール部分は、置換又は非置換であってもよく、ヘテロ原子及び/又は官能基は、アルキレン及びアリールアルキレン基のアリール又はアルキル部分のいずれかに存在することができ、Fnは、官能基であり、又はRG1、RG2、RG3、RG4、RG5及びRG6の任意の1つ若しくは複数は、一緒になって連結して、環式基を形成することができ、又はRG1、RG2、RG3、RG4、RG5及びRG6の任意の1つ若しくは複数は、担体に結合していてもよい。
さらに、式XIIIの第8族遷移金属錯体の好ましい一実施形態は、式(XIV)の第8族遷移金属錯体であり、
式中、M、X1、X2、L1、L2は、式XIIIの第8族遷移金属錯体について先に定義されている通りであり、
RG7、RG8、RG9、RG10、RG11、RG12、RG13、RG14、RG15及びRG16は、式XIIIの第8族遷移金属錯体のRG1、RG2、RG3、RG4、RG5及びRG6について先に定義されている通りであり、又はRG7、RG8、RG9、RG10、RG11、RG12、RG13、RG14、RG15及びRG16の任意の1つ若しくは複数は、一緒になって連結して、環式基を形成することができ、又はRG7、RG8、RG9、RG10、RG11、RG12、RG13、RG14、RG15及びRG16の任意の1つ若しくは複数は、担体に結合していてもよい。
さらに、式XIIIの第8族遷移金属錯体の別の好ましい実施形態は、式(XV)の第8族遷移金属錯体であり、
式中、M、X1、X2、L1、L2は、式XIIIの第8族遷移金属錯体について先に定義されている通りである。
さらに、本発明で使用できる本明細書に開示のオレフィンメタセシス触媒の別の群は、式(XVI)の構造を有するシッフ塩基配位子を含む第8族遷移金属錯体であり、
式中、Mは、第8族遷移金属、特にルテニウム若しくはオスミウム、又はより具体的には、ルテニウムであり、
X1及びL1は、先に定義されている触媒の第1及び第2の群について定義されている通りであり、
Zは、酸素、硫黄、セレン、NRJ11、PRJ11、AsRJ11及びSbRJ11からなる群から選択され、
RJ1、RJ2、RJ3、RJ4、RJ5、RJ6、RJ7、RJ8、RJ9、RJ10及びRJ11は、それぞれ独立に、水素、ハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアルキル、ヘテロ原子含有アルケニル、ヘテロアルケニル、ヘテロアリール、アルコキシ、アルケニルオキシ、アリールオキシ、アルコキシカルボニル、カルボニル、アルキルアミノ、アルキルチオ、アミノスルホニル、モノアルキルアミノスルホニル、ジアルキルアミノスルホニル、アルキルスルホニル、ニトリル、ニトロ、アルキルスルフィニル、トリハロアルキル、ペルフルオロアルキル、カルボン酸、ケトン、アルデヒド、ニトラート、シアノ、イソシアナート、チオイソシアナート、シアナト、チオシアナト、ヒドロキシル、エステル、エーテル、チオエーテル、アミン、アルキルアミン、イミン、アミド、ハロゲン置換アミド、トリフルオロアミド、スルフィド、ジスルフィド、スルホナート、カルバマート、シラン、シロキサン、ホスフィン、ホスファート、ボラート又は−A−Fnからなる群から選択され、ここで「A」は、アルキレン及びアリールアルキレンから選択される二価の炭化水素部分であり、アルキレン及びアリールアルキレン基のアルキル部分は、直鎖又は分岐、飽和又は不飽和、環式又は非環式、及び置換又は非置換であってもよく、アリールアルキレンのアリール部分は、置換又は非置換であってもよく、ヘテロ原子及び/又は官能基は、アルキレン及びアリールアルキレン基のアリール又はアルキル部分のいずれかに存在することができ、Fnは、官能基であり、又はRJ1、RJ2、RJ3、RJ4、RJ5、RJ6、RJ7、RJ8、RJ9、RJ10及びRJ11の任意の1つ若しくは複数は、一緒になって連結して、環式基を形成することができ、又はRJ1、RJ2、RJ3、RJ4、RJ5、RJ6、RJ7、RJ8、RJ9、RJ10及びRJ11の任意の1つ若しくは複数は、担体に結合していてもよい。
さらに、式(XVI)の第8族遷移金属錯体の好ましい一実施形態は、式(XVII)の構造を有するシッフ塩基配位子を含む第8族遷移金属錯体であり、
式中、M、X1、L1、Z、RJ7、RJ8、RJ9、RJ10及びRJ11は、式XVIの第8族遷移金属錯体について先に定義されている通りであり、
RJ12、RJ13、RJ14、RJ15、RJ16、RJ17、RJ18、RJ19、RJ20及びRJ21は、式XVIの第8族遷移金属錯体のRJ1、RJ2、RJ3、RJ4、RJ5及びRJ6について先に定義されている通りであり、又はRJ7、RJ8、RJ9、RJ10、RJ11、RJ12、RJ13、RJ14、RJ15、RJ16、RJ17、RJ18、RJ19、RJ20及びRJ21の任意の1つ若しくは複数は、一緒になって連結して、環式基を形成することができ、又はRJ7、RJ8、RJ9、RJ10、RJ11、RJ12、RJ13、RJ14、RJ15、RJ16、RJ17、RJ18、RJ19、RJ20及びRJ21の任意の1つ若しくは複数は、担体に結合していてもよい。
さらに、式(XVI)の第8族遷移金属錯体の別の好ましい実施形態は、式(XVIII)の構造を有するシッフ塩基配位子を含む第8族遷移金属錯体であり、
式中、M、X1、L1、Z、RJ7、RJ8、RJ9、RJ10及びRJ11は、式(XVI)の第8族遷移金属錯体について先に定義されている通りである。
さらに、本発明で使用できる本明細書に開示のオレフィンメタセシス触媒の別の群は、式(XIX)の構造を有するシッフ塩基配位子を含む第8族遷移金属錯体であり、
式中、Mは、第8族遷移金属、特にルテニウム若しくはオスミウム、又はより具体的には、ルテニウムであり、
X1、L1、R1及びR2は、先に定義されている触媒の第1及び第2の群について定義されている通りであり、
Zは、酸素、硫黄、セレン、NRK5、PRK5、AsRK5及びSbRK5からなる群から選択され、
mは、0、1又は2であり、
RK1、RK2、RK3、RK4及びRK5は、それぞれ独立に、水素、ハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアルキル、ヘテロ原子含有アルケニル、ヘテロアルケニル、ヘテロアリール、アルコキシ、アルケニルオキシ、アリールオキシ、アルコキシカルボニル、カルボニル、アルキルアミノ、アルキルチオ、アミノスルホニル、モノアルキルアミノスルホニル、ジアルキルアミノスルホニル、アルキルスルホニル、ニトリル、ニトロ、アルキルスルフィニル、トリハロアルキル、ペルフルオロアルキル、カルボン酸、ケトン、アルデヒド、ニトラート、シアノ、イソシアナート、チオイソシアナート、シアナト、チオシアナト、ヒドロキシル、エステル、エーテル、チオエーテル、アミン、アルキルアミン、イミン、アミド、ハロゲン置換アミド、トリフルオロアミド、スルフィド、ジスルフィド、スルホナート、カルバマート、シラン、シロキサン、ホスフィン、ホスファート、ボラート又は−A−Fnからなる群から選択され、ここで「A」は、アルキレン及びアリールアルキレンから選択される二価の炭化水素部分であり、アルキレン及びアリールアルキレン基のアルキル部分は、直鎖又は分岐、飽和又は不飽和、環式又は非環式、及び置換又は非置換であってもよく、アリールアルキレンのアリール部分は、置換又は非置換であってもよく、ヘテロ原子及び/又は官能基は、アルキレン及びアリールアルキレン基のアリール又はアルキル部分のいずれかに存在することができ、Fnは、官能基であり、又はRK1、RK2、RK3、RK4及びRK5の任意の1つ若しくは複数は、一緒になって連結して、環式基を形成することができ、又はRK1、RK2、RK3、RK4及びRK5の任意の1つ若しくは複数は、担体に結合していてもよい。
さらに、式(XVI)〜(XIX)の触媒は、任意選択により、第8族遷移金属と少なくとも1つのシッフ塩基配位子の間の結合が少なくとも一部切断される活性化化合物と接触させることができ、この活性化化合物は、ハロゲン化銅(I);式Zn(RY1)2の亜鉛化合物(RY1は、ハロゲン、C1〜C7アルキル又はアリールである);式SnRY2RY3RY4RY5によって表されるスズ化合物(RY2、RY3、RY4及びRY5のそれぞれは、独立に、ハロゲン、C1〜C20アルキル、C3〜C10シクロアルキル、アリール、ベンジル及びC2〜C7アルケニルからなる群から選択される);及び式SiRY6RY7RY8RY9によって表されるケイ素化合物(RY6、RY7、RY8、RY9のそれぞれは、独立に、水素、ハロゲン、C1〜C20アルキル、ハロ、C1〜C7アルキル、アリール、ヘテロアリール及びビニルからなる群から選択される)からなる群から選択される金属又はケイ素化合物のいずれかである。さらに、式(XVI)〜(XIX)の触媒は、任意選択により、第8族遷移金属と少なくとも1つのシッフ塩基配位子の間の結合が少なくとも一部切断される、無機酸、例えばヨウ化水素、臭化水素、塩化水素、フッ化水素、硫酸、硝酸、ヨウ素酸、過ヨウ素酸、過塩素酸、HOClO、HOClO2及びHOIO3である活性化化合物と接触させることができる。さらに、式(XVI)〜(XIX)の触媒は、任意選択により、第8族遷移金属と少なくとも1つのシッフ塩基配位子の間の結合が少なくとも一部切断される、有機酸、例えば限定されるものではないが、メタンスルホン酸、アミノベンゼンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、スルファニル酸及びトリフルオロメタンスルホン酸を含めたスルホン酸;限定されるものではないが、アセト酢酸、バルビツル酸、ブロモ酢酸、ブロモ安息香酸、クロロ酢酸、クロロ安息香酸、クロロフェノキシ酢酸、クロロプロピオン酸、cis−ケイ皮酸、シアノ酢酸、シアノ酪酸、シアノフェノキシ酢酸、シアノプロピオン酸、ジクロロ酢酸、ジクロロアセチル酢酸、ジヒドロキシ安息香酸、ジヒドロキシリンゴ酸、ジヒドロキシ酒石酸、ジニコチン酸、ジフェニル酢酸、フルオロ安息香酸、ギ酸、フランカルボン酸、フル酸、グリコール酸、馬尿酸、ヨード酢酸、ヨード安息香酸、乳酸、ルチジン酸、マンデル酸、α−ナフトエ(naphtoic)酸、ニトロ安息香酸、ニトロフェニル酢酸、o−フェニル安息香酸、チオ酢酸、チオフェン−カルボン酸、トリクロロ酢酸、及びトリヒドロキシ安息香酸を含めたモノカルボン酸;並びに他の酸性物質、例えば限定されるものではないが、ピクリン酸及び尿酸である活性化化合物と接触させることができる。
さらに、本発明と共に使用できる触媒の他の例は、それぞれが参照によって本明細書に組み込まれる以下の開示に記載されている。米国特許第7,687,635号、同第7,671,224号、同第6,284,852号、同第6,486,279号、及び同第5,977,393号;国際公開公報WO2010/037550号;並びに米国特許出願第12/303,615号、同第10/590,380号、同第11/465,651号(米国特許出願公開第2007/0043188号)及び米国特許出願第11/465,651号(米国特許出願公開第2008/0293905号訂正公報);並びに欧州特許第1757613B1号及び同第1577282B1号。
担持錯体の調製及び本明細書に開示の反応において使用できる金属カルベンオレフィンメタセシス触媒の非限定的な例として、以下が挙げられ、それらのいくつかは、便宜上、本開示を通して分子量を参照することによって識別される:
先の分子構造及び式において、Phは、フェニルを表し、Cyは、シクロヘキシルを表し、Cpは、シクロペンチルを表し、Meは、メチルを表し、Buは、n−ブチルを表し、t−Buは、tert−ブチルを表し、i−Prは、イソプロピルを表し、pyは、ピリジン(N原子を介して配位)を表し、Mesは、メシチル(すなわち、2,4,6−トリメチルフェニル)を表し、DiPP及びDIPPは、2,6−ジイソプロピルフェニルを表し、MiPPは、2−イソプロピルフェニルを表す。
担持錯体の調製及び本明細書に開示の反応において有用な金属カルベンオレフィンメタセシス触媒のさらなる例として、以下が挙げられる:ルテニウム(II)ジクロロ(3−メチル−2−ブテニリデン)ビス(トリシクロペンチルホスフィン)(C716);ルテニウム(II)ジクロロ(3−メチル−2−ブテニリデン)ビス(トリシクロヘキシルホスフィン)(C801);ルテニウム(II)ジクロロ(フェニルメチレン)ビス(トリシクロヘキシルホスフィン)(C823);ルテニウム(II)(1,3−ビス−(2,4,6−トリメチルフェニル)−2−イミダゾリジニリデン)ジクロロ(フェニルメチレン)(トリフェニルホスフィン)(C830);ルテニウム(II)ジクロロ(フェニルビニリデン)ビス(トリシクロヘキシルホスフィン)(C835a);ルテニウム(II)ジクロロ(トリシクロヘキシルホスフィン)(o−イソプロポキシフェニルメチレン)(C601);ルテニウム(II)(1,3−ビス−(2、4,6−トリメチルフェニル)−2−イミダゾリジニリデン)ジクロロ(フェニルメチレン)ビス(3−ブロモピリジン)(C884);[1,3−ビス−(2,4,6−トリメチルフェニル)−2−イミダゾリジニリデン]ジクロロ(o−イソプロポキシフェニルメチレン)ルテニウム(II)(C627);[1,3−ビス−(2,4,6−トリメチルフェニル)−2−イミダゾリジニリデン]ジクロロ(ベンジリデン)(トリフェニルホスフィン)ルテニウム(II)(C831);[1,3−ビス−(2,4,6−トリメチルフェニル)−2−イミダゾリジニリデン]ジクロロ(ベンジリデン)(メチルジフェニルホスフィン)ルテニウム(II)(C769);[1,3−ビス−(2,4,6−トリメチルフェニル)−2−イミダゾリジニリデン]ジクロロ(ベンジリデン)(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウム(II)(C848);[1,3−ビス−(2,4,6−トリメチルフェニル)−2−イミダゾリジニリデン]ジクロロ(ベンジリデン)(ジエチルフェニルホスフィン)ルテニウム(II)(C735);[1,3−ビス−(2,4,6−トリメチルフェニル)−2−イミダゾリジニリデン]ジクロロ(ベンジリデン)(トリ−n−ブチルホスフィン)ルテニウム(II)(C771);[1,3−ビス−(2,4,6−トリメチルフェニル)−2−イミダゾリジニリデン]ジクロロ(3−メチル−2−ブテニリデン)(トリフェニルホスフィン)ルテニウム(II)(C809);[1,3−ビス−(2,4,6−トリメチルフェニル)−2−イミダゾリジニリデン]ジクロロ(3−メチル−2−ブテニリデン)(メチルジフェニルホスフィン)ルテニウム(II)(C747);[1,3−ビス−(2,4,6−トリメチルフェニル)−2−イミダゾリジニリデン]ジクロロ(3−メチル−2−ブテニリデン)(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウム(II)(C827);[1,3−ビス−(2,4,6−トリメチルフェニル)−2−イミダゾリジニリデン]ジクロロ(3−メチル−2−ブテニリデン)(ジエチルフェニルホスフィン)ルテニウム(II)(C713);[1,3−ビス−(2,4,6−トリメチルフェニル)−2−イミダゾリジニリデン]ジクロロ(3−メチル−2−ブテニリデン)(トリ−n−ブチルホスフィン)ルテニウム(II)(C749);[1,3−ビス−(2,4,6−トリメチルフェニル)−2−イミダゾリジニリデン]ジクロロ(フェニルインデニリデン)(トリフェニルホスフィン)ルテニウム(II)(C931);[1,3−ビス−(2,4,6−トリメチルフェニル)−2−イミダゾリジニリデン]ジクロロ(フェニルインデニリデン)(メチルフェニルホスフィン)ルテニウム(II)(C869);[1,3−ビス−(2,4,6−トリメチルフェニル)−2−イミダゾリジニリデン]ジクロロ(フェニルインデニリデン)(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウム(II)(C949);[1,3−ビス−(2,4,6−トリメチルフェニル)−2−イミダゾリジニリデン]ジクロロ(フェニルインデニリデン)(ジエチルフェニルホスフィン)ルテニウム(II)(C835);及び[1,3−ビス−(2,4,6−トリメチルフェニル)−2−イミダゾリジニリデン]ジクロロ(フェニルインデニリデン)(トリ−n−ブチルホスフィン)ルテニウム(II)(C871)。
またさらに、ROMP反応及び/又は他のメタセシス反応、例えば閉環メタセシス、クロスメタセシス、開環クロスメタセシス、セルフメタセシス、エテノリシス、アルケノリシス、非環式ジエンメタセシス重合、及びこれらの組合せにおいて有用な金属カルベンオレフィンメタセシス触媒は、以下の構造を含む:
一般に、本明細書において触媒として使用される遷移金属錯体は、それぞれの開示が参照によって本明細書に組み込まれるSchwabら(1996年)J.Am.Chem.Soc.118:100〜110、Schollら(1999年)Org.Lett.6:953〜956、Sanfordら(2001年)J.Am.Chem.Soc.123:749〜750、米国特許第5,312,940号、及び米国特許第5,342,909号に記載の方法などの、いくつかの異なる方法によって調製することができる。また、それぞれの開示が参照によって本明細書に組み込まれる、Grubbsらの米国特許出願公開第2003/0055262号、WO第02/079208号、及びGrubbsらの米国特許第6,613,910号も参照されたい。好ましい合成法は、その開示が参照によって本明細書に組み込まれる、GrubbsらのWO第03/11455A1号に記載されている。
金属カルベンオレフィンメタセシス触媒の例は、一般に「第1世代Grubbs」触媒と呼ばれる式(I)の構造を有する第8族遷移金属錯体、一般に「第2世代Grubbs」触媒と呼ばれる式(III)の構造を有する第8族遷移金属錯体、又は一般に「Grubbs−Hoveyda」触媒と呼ばれる式(VII)の構造を有する第8族遷移金属錯体である。
金属カルベンオレフィンメタセシス触媒の例は、式(I)
[式中、
Mは、第8族遷移金属であり、
L1、L2及びL3は、中性電子供与体配位子であり、
nは、0又は1であり、
mは、0、1又は2であり、
kは、0又は1であり、
X1及びX2は、アニオン性配位子であり、
R1及びR2は、独立に、水素、ヒドロカルビル、置換ヒドロカルビル、ヘテロ原子含有ヒドロカルビル、置換ヘテロ原子含有ヒドロカルビル、及び官能基から選択され、
X1、X2、L1、L2、L3、R1及びR2の任意の2つ以上は、一緒になって、1つ又は複数の環式基を形成することができ、さらに、X1、X2、L1、L2、L3、R1及びR2の任意の1つ又は複数は、担体に結合していてもよい]、
及び式(VII)
[式中、
Mは、第8族遷移金属であり、
L1は、中性電子供与体配位子であり、
X1及びX2は、アニオン性配位子であり、
Yは、O又はNから選択されるヘテロ原子であり、
R5、R6、R7及びR8は、独立に、水素、ヒドロカルビル、置換ヒドロカルビル、ヘテロ原子含有ヒドロカルビル、置換ヘテロ原子含有ヒドロカルビル、及び官能基から選択され、
nは、0、1又は2であり、
Zは、水素、ヒドロカルビル、置換ヒドロカルビル、ヘテロ原子含有ヒドロカルビル、置換ヘテロ原子含有ヒドロカルビル、及び官能基から選択され、
Y、Z、R5、R6、R7及びR8の任意の組合せは、連結して、1つ又は複数の環式基を形成することができ、さらに、X1、X2、L1、Y、Z、R5、R6、R7及びR8の任意の組合せは、担体に結合していてもよい]
の構造を有している。
金属カルベンオレフィンメタセシス触媒の例は、式(I)
[式中、
Mは、ルテニウムであり、
nは、0であり、
mは、0であり、
kは、1であり、
L1及びL2は、独立に、トリ−n−ブチルホスフィン(Pn−Bu3)、トリシクロペンチルホスフィン(PCp3)、トリシクロヘキシルホスフィン(PCy3)、トリイソプロピルホスフィン(P−i−Pr3)、トリフェニルホスフィン(PPh3)、メチルジフェニルホスフィン(PMePh2)、ジメチルフェニルホスフィン(PMe2Ph)、及びジエチルフェニルホスフィン(PEt2Ph)からなる群から選択される三置換ホスフィンであり、又はL1は、1,3−ビス(2,4,6−トリメチルフェニル)−2−イミダゾリジニリデン、1,3−ビス(2,4,6−トリメチルフェニル)イミダゾール−2−イリデン、1,3−ビス(2,6−ジ−イソプロピルフェニル)−2−イミダゾリジニリデン、及び1,3−ビス(2,6−ジ−イソプロピルフェニル)イミダゾール−2−イリデンからなる群から選択されるN−複素環式カルベンであり、L2は、トリ−n−ブチルホスフィン(Pn−Bu3)、トリシクロペンチルホスフィン(PCp3)、トリシクロヘキシルホスフィン(PCy3)、トリイソプロピルホスフィン(P−i−Pr3)、トリフェニルホスフィン(PPh3)、メチルジフェニルホスフィン(PMePh2)、ジメチルフェニルホスフィン(PMe2Ph)、及びジエチルフェニルホスフィン(PEt2Ph)からなる群から選択される三置換ホスフィンであり、
X1及びX2は、塩化物であり、
R1は、水素であり、R2は、フェニル若しくは−CH=C(CH3)2若しくはチエニルであり、又はR1及びR2は、一緒になって、3−フェニル−1H−インデンを形成する]
及び式(VII)
[式中、
Mは、ルテニウムであり、
L1は、トリ−n−ブチルホスフィン(Pn−Bu3)、トリシクロペンチルホスフィン(PCp3)、トリシクロヘキシルホスフィン(PCy3)、トリイソプロピルホスフィン(P−i−Pr3)、トリフェニルホスフィン(PPh3)、メチルジフェニルホスフィン(PMePh2)、ジメチルフェニルホスフィン(PMe2Ph)、及びジエチルフェニルホスフィン(PEt2Ph)からなる群から選択される三置換ホスフィンであり、又はL1は、1,3−ビス(2,4,6−トリメチルフェニル)−2−イミダゾリジニリデン、1,3−ビス(2,4,6−トリメチルフェニル)イミダゾール−2−イリデン、1,3−ビス(2,6−ジ−イソプロピルフェニル)−2−イミダゾリジニリデン、及び1,3−ビス(2,6−ジ−イソプロピルフェニル)イミダゾール−2−イリデンからなる群から選択されるN−複素環式カルベンであり、
X1及びX2は、塩化物であり、
Yは、酸素であり、
R5、R6、R7及びR8は、それぞれ水素であり、
nは、1であり、
Zは、イソプロピルである]
の構造を有している。
金属カルベンオレフィンメタセシス触媒の例は、式(I)
[式中、
Mは、ルテニウムであり、
nは、0であり、
mは、0であり、
kは、1であり、
L1は、1,3−ビス(2,4,6−トリメチルフェニル)−2−イミダゾリジニリデン、1,3−ビス(2,4,6−トリメチルフェニル)イミダゾール−2−イリデン、1,3−ビス(2,6−ジ−イソプロピルフェニル)−2−イミダゾリジニリデン、及び1,3−ビス(2,6−ジ−イソプロピルフェニル)イミダゾール−2−イリデンからなる群から選択されるN−複素環式カルベンであり、
L2は、トリ−n−ブチルホスフィン(Pn−Bu3)、トリシクロペンチルホスフィン(PCp3)、トリシクロヘキシルホスフィン(PCy3)、トリイソプロピルホスフィン(P−i−Pr3)、トリフェニルホスフィン(PPh3)、メチルジフェニルホスフィン(PMePh2)、ジメチルフェニルホスフィン(PMe2Ph)、及びジエチルフェニルホスフィン(PEt2Ph)からなる群から選択される三置換ホスフィンであり、
X1及びX2は、塩化物であり、
R1は、水素であり、R2は、フェニル若しくは−CH=C(CH3)2若しくはチエニルであり、又はR1及びR2は、一緒になって、3−フェニル−1H−インデンを形成する]
及び式(VII)
[式中、
Mは、ルテニウムであり、
L1は、トリ−n−ブチルホスフィン(Pn−Bu3)、トリシクロペンチルホスフィン(PCp3)、トリシクロヘキシルホスフィン(PCy3)、トリイソプロピルホスフィン(P−i−Pr3)、トリフェニルホスフィン(PPh3)、メチルジフェニルホスフィン(PMePh2)、ジメチルフェニルホスフィン(PMe2Ph)、及びジエチルフェニルホスフィン(PEt2Ph)からなる群から選択される三置換ホスフィンであり、又はL1は、1,3−ビス(2,4,6−トリメチルフェニル)−2−イミダゾリジニリデン、1,3−ビス(2,4,6−トリメチルフェニル)イミダゾール−2−イリデン、1,3−ビス(2,6−ジ−イソプロピルフェニル)−2−イミダゾリジニリデン、及び1,3−ビス(2,6−ジ−イソプロピルフェニル)イミダゾール−2−イリデンからなる群から選択されるN−複素環式カルベンであり、
X1及びX2は、塩化物であり、
Yは、酸素であり、
R5、R6、R7及びR8は、それぞれ水素であり、
nは、1であり、
Zは、イソプロピルである]
の構造を有している。
金属カルベンオレフィンメタセシス触媒の例は、式(I)
[式中、
Mは、ルテニウムであり、
nは、0であり、
mは、0であり、
kは、1であり、
L1は、1,3−ビス(2,4,6−トリメチルフェニル)−2−イミダゾリジニリデン、1,3−ビス(2,4,6−トリメチルフェニル)イミダゾール−2−イリデン、1,3−ビス(2,6−ジ−イソプロピルフェニル)−2−イミダゾリジニリデン、及び1,3−ビス(2,6−ジ−イソプロピルフェニル)イミダゾール−2−イリデンからなる群から選択されるN−複素環式カルベンであり、
L2は、トリ−n−ブチルホスフィン(Pn−Bu3)、トリシクロペンチルホスフィン(PCp3)、トリシクロヘキシルホスフィン(PCy3)、トリイソプロピルホスフィン(P−i−Pr3)、トリフェニルホスフィン(PPh3)、メチルジフェニルホスフィン(PMePh2)、ジメチルフェニルホスフィン(PMe2Ph)、及びジエチルフェニルホスフィン(PEt2Ph)からなる群から選択される三置換ホスフィンであり、
X1及びX2は、塩化物であり、
R1は、水素であり、R2は、フェニル若しくは−CH=C(CH3)2若しくはチエニルであり、又はR1及びR2は、一緒になって、3−フェニル−1H−インデンを形成する]
及び式(VII)
[式中、
Mは、ルテニウムであり、
L1は、1,3−ビス(2,4,6−トリメチルフェニル)−2−イミダゾリジニリデン、1,3−ビス(2,4,6−トリメチルフェニル)イミダゾール−2−イリデン、1,3−ビス(2,6−ジ−イソプロピルフェニル)−2−イミダゾリジニリデン、及び1,3−ビス(2,6−ジ−イソプロピルフェニル)イミダゾール−2−イリデンからなる群から選択されるN−複素環式カルベンであり、
X1及びX2は、塩化物であり、
Yは、酸素であり、
R5、R6、R7及びR8は、それぞれ水素であり、
nは、1であり、
Zは、イソプロピルである]
の構造を有している。
金属カルベンオレフィンメタセシス触媒の例は、式(I)
[式中、
Mは、ルテニウムであり、
nは、0であり、
mは、0であり、
kは、1であり、
L1は、1,3−ビス(2,4,6−トリメチルフェニル)−2−イミダゾリジニリデン、1,3−ビス(2,4,6−トリメチルフェニル)イミダゾール−2−イリデン、1,3−ビス(2,6−ジ−イソプロピルフェニル)−2−イミダゾリジニリデン、及び1,3−ビス(2,6−ジ−イソプロピルフェニル)イミダゾール−2−イリデンからなる群から選択されるN−複素環式カルベンであり、
L2は、トリ−n−ブチルホスフィン(Pn−Bu3)、トリシクロペンチルホスフィン(PCp3)、トリシクロヘキシルホスフィン(PCy3)、トリイソプロピルホスフィン(P−i−Pr3)、トリフェニルホスフィン(PPh3)、メチルジフェニルホスフィン(PMePh2)、ジメチルフェニルホスフィン(PMe2Ph)、及びジエチルフェニルホスフィン(PEt2Ph)からなる群から選択される三置換ホスフィンであり、
X1及びX2は、塩化物であり、
R1は、水素であり、R2は、フェニル若しくは−CH=C(CH3)2若しくはチエニルであり、又はR1及びR2は、一緒になって、3−フェニル−1H−インデンを形成する]
の構造を有している。
本明細書に記載の触媒のいずれかに適した担体は、合成、半合成又は自然に存在する材料から生成されていてもよく、有機又は無機の、例えばポリマー、セラミック、又は金属性のものであり得る。担体との結合は、一般に、必ずではないが共有結合性であり、共有結合性連結は、直接的であってもよく間接的であってもよい。間接的な共有結合性連結は、典型的に、必ずではないが、担体表面上の官能基を介して生じる。カチオン基を含有している担体とカップリングした、金属錯体上の1つ若しくは複数のアニオン基の組合せ、又はアニオン基を含有している担体とカップリングした、金属錯体上の1つ若しくは複数のカチオン基の組合せを含めた、イオン結合も適している。
適切な担体が利用される場合、担体は、シリカ、ケイ酸塩、アルミナ、酸化アルミニウム、シリカ−アルミナ、アルミノケイ酸塩、ゼオライト、チタニア、二酸化チタン、マグネタイト、酸化マグネシウム、酸化ホウ素、粘土、ジルコニア、二酸化ジルコニウム、炭素、ポリマー、セルロース、セルロースポリマーアミロース、アミロースポリマー、又はこれらの組合せから選択することができる。担体は、好ましくは、シリカ、ケイ酸塩又はこれらの組合せを含む。
特定の実施形態では、官能基、不活性な部分、及び/又は過剰の配位子を含むように処理された担体を使用することも可能である。本明細書に記載の官能基のいずれも、担体上に組み込むのに適しており、一般に、当技術分野で公知の技術によって達成することができる。また、例えば担体に連結している錯体の配置又は量を制御するために、不活性な部分を担体上に組み込んで、一般に担体上の利用可能な結合部位を低減することができる。
以下に記載のメタセシス触媒は、当技術分野で公知の技術に従って、オレフィンメタセシス反応で利用することができる。触媒は、典型的に、固体、溶液又は懸濁液として樹脂組成物に添加される。触媒が、懸濁液として樹脂組成物に添加される場合、触媒は、分散化キャリア、例えば鉱物油、パラフィン油、大豆油、トリ−イソプロピルベンゼン、又は触媒を有効に分散させるために十分に高い粘度を有し、十分に不活性であり、オレフィンメタセシス反応において低沸点の不純物として作用しないように十分に高い沸点を有する、任意の疎水性の液体に懸濁される。反応物に使用される触媒の量(すなわち、「触媒負荷量」)は、様々な要因、例えば反応物の識別及び用いられる反応条件に依存して決まることを理解されよう。したがって、触媒負荷量は、反応ごとに最適に、独立に選択され得ると理解される。しかしながら、一般に、触媒は、オレフィン基質の量に対して、約0.1ppm、1ppm、又は5ppmの下限から、約10ppm、15ppm、25ppm、50ppm、100ppm、200ppm、500ppm、又は1000ppmの上限までの範囲の量で存在し得る。
触媒は、一般に、オレフィン基質に対して、約0.00001mol%、0.0001mol%、又は0.0005mol%の下限から、約0.001mol%、0.0015mol%、0.0025mol%、0.005mol%、0.01mol%、0.02mol%、0.05mol%、又は0.1mol%の上限までの範囲の量で存在し得る。
モノマーと触媒とのモル比として表した場合、触媒(「モノマー対触媒比」)負荷量は、一般に、約10,000,000:1、1,000,000:1、又は200,00:1の下限から、約100,000:1 66,667:1、40,000:1、20,000:1、10,000:1、5,000:1、又は1,000:1の上限までの範囲の量で存在し得る。
本発明の触媒組成物は、少なくとも1種の金属カルベンオレフィンメタセシス触媒を含む。しかしながら、本発明の触媒組成物はまた、2種以上の金属カルベンオレフィンメタセシス触媒を含むこともできる。
さらに、任意の従来技術のモリブデン又はタングステンに基づいたメタセシス触媒(又は二成分系メタセシス触媒系)も、本発明と共に使用することができる。
樹脂組成物及び物品
本発明による樹脂組成物は、一般に、少なくとも1種の環式オレフィン組成物を含む。さらに、本発明の樹脂組成物は、少なくとも1種の環式オレフィン組成物を含むことができ、樹脂組成物は少なくとも1種の金属カルベンオレフィンメタセシス触媒を含む触媒組成物と組み合わされて、ROMP組成物を形成する。さらに、本発明による樹脂組成物は、少なくとも1種の環式オレフィン組成物及び少なくとも1種の接着促進剤を含み得る。さらに、本発明による樹脂組成物は、少なくとも1種の環式オレフィン組成物及び少なくとも1種の接着促進剤組成物を含んでもよい。さらに、本発明の樹脂組成物は、少なくとも1種の環式オレフィン組成物及び少なくとも1種の基材材料を含むこともできる。さらに、本発明の樹脂組成物は、少なくとも1種の環式オレフィン組成物、少なくとも1種の接着促進剤、及び少なくとも1種の基材材料を含んでもよい。さらに、本発明による樹脂組成物は、少なくとも1種の環式オレフィン組成物、及び少なくとも1種の接着促進剤を含むこともでき、樹脂組成物は少なくとも1種の金属カルベンオレフィンメタセシス触媒を含む触媒組成物と組み合わされて、ROMP組成物を形成し、得られたROMP組成物を少なくとも1種の基材材料に適用する。さらに、本発明による樹脂組成物は、少なくとも1種の環式オレフィン組成物、及び少なくとも2個のイソシアナート基を含有する少なくとも1種の化合物を含む少なくとも1種の接着促進剤を含むこともでき、樹脂組成物は少なくとも1種の金属カルベンオレフィンメタセシス触媒を含む触媒組成物と組み合わされて、ROMP組成物を形成し、得られたROMP組成物は少なくとも1種の基材材料に適用され、基材材料は、官能化基材材料、例えば、ヘテロ原子−官能化基材、例えば、アミノ−官能化基材などであってもよい。さらに、本発明による樹脂組成物は、少なくとも1種の環式オレフィン組成物、及び少なくとも2個のイソシアナート基を含有する少なくとも1種の化合物を含む少なくとも1種の接着促進剤を含むこともでき、樹脂組成物は少なくとも1種の金属カルベンオレフィンメタセシス触媒を含む触媒組成物と組み合わされて、得られた樹脂組成物は、少なくとも1種の基材材料、例えば、ガラス基材材料又は炭素基材材料などに適用される。別の実施形態では、本発明による環式オレフィン樹脂組成物、特にROMP組成物は、少なくとも1種の環式オレフィン組成物、少なくとも1種の金属カルベンオレフィンメタセシス触媒を含む触媒組成物、少なくとも2個のイソシアナート基を含有する少なくとも1種の化合物を含む少なくとも1種の接着促進剤、及び少なくとも1種のヘテロ原子−官能化基材材料を含む。
別の実施形態では、本発明による樹脂組成物は、接着促進剤をさらに含んでいてよい。本発明に使用される接着促進剤は、その内容が参照によって本明細書に組み込まれる国際特許出願第PCT/US2012/042850号に開示されている。樹脂組成物中の接着促進剤の量は、広範囲にわたって変更することができ、製造操作又は特定の最終用途に応じて変更することができる。一般に、機械的特性における所望の向上をもたらす、接着促進剤の任意のレベルが、特に有用である。樹脂組成物と配合される又は組み合わされるとき、接着促進剤の濃度は、典型的には、0.001〜50phr、具体的には0.05〜10phr、より具体的には0.1〜10phr、又はさらにより具体的には0.5〜4.0phrの範囲である。
別の実施形態では、本発明による樹脂組成物は、外因性阻害剤をさらに含むことができる。本発明に使用される外因性阻害剤又は「ゲル変性添加剤」は、米国特許第5,939,504号に開示されており、その内容はまた、参照として本明細書に組み込まれる。外因性阻害剤又は「ゲル変性添加剤」の非限定的な例として、水、テトラヒドロフラン(THF)、2−メチルテトラヒドロフラン(2−Me−THF)、ジエチルエーテル((C2H5)2O)、メチル−tert−ブチルエーテル(CH3OC(CH3)3)、ジメトキシエタン(CH3OCH2CH2OCH3)、ジグリム(CH3OCH2OCH2OCH3)、トリメチルホスフィン(PMe3)、トリエチルホスフィン(PEt3)、トリブチルホスフィン(PBu3)、トリ(オルト−トリル)ホスフィン(P−o−tolyl3)、トリ−tert−ブチルホスフィン(P−tert−Bu3)、トリシクロペンチルホスフィン(PCyclopentyl3)、トリシクロヘキシルホスフィン(PCy3)、トリイソプロピルホスフィン(P−i−Pr3)、トリオクチルホスフィン(POct3)、トリイソブチルホスフィン(P−i−Bu3)、トリフェニルホスフィン(PPh3)、トリ(ペンタフルオロフェニル)ホスフィン(P(C6F5)3)、メチルジフェニルホスフィン(PMePh2)、ジメチルフェニルホスフィン(PMe2Ph)、ジエチルフェニルホスフィン(PEt2Ph)、トリメチルホスファイト(P(OMe)3)、トリエチルホスファイト、(P(OEt)3)、トリイソプロピルホスファイト(P(O−i−Pr)3)、エチルジフェニルホスフィナイト(P(OEt)Ph2)、トリブチルホスファイト(P(OBu)3)、トリフェニルホスファイト(P(OPh)3、ジエチルフェニルホスホナイト(P(OEt)2Ph)、及びトリベンジルホスフィン(P(CH2Ph)3)、2−シクロヘキセノン、及びトリフェニルホスフィンオキシドが挙げられる。好ましい外因性阻害剤として、トリフェニルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、及びトリブチルホスフィンが挙げられる。最も好ましい外因性阻害剤は、トリフェニルホスフィンである。樹脂組成物と配合される又は組み合わされる場合、外因性阻害剤の濃度は、典型的には、0.001〜10phr、具体的には0.01〜5phr、より具体的には0.05〜3phrの範囲である。外因性阻害剤は、溶媒の不在下で、又は有機溶液として、樹脂組成物に添加することができる。単一の外因性阻害剤を使用することもでき、2種以上の異なる外因性阻害剤の組合せを使用することもできる。
別の実施形態では、本発明による樹脂組成物は、ヒドロペルオキシドゲル変性剤をさらに含むことができる。本発明に使用されるヒドロペルオキシドゲル変性剤は、その内容もまた参照によって本明細書に組み込まれる国際特許出願第PCT/US2012/042850号に開示されている。ヒドロペルオキシドゲル変性剤の非限定的な例には、tert−ブチルヒドロペルオキシド、tert−アミルヒドロペルオキシド、クメンヒドロペルオキシド、ジイソプロピルベンゼンヒドロペルオキシド、(2,5−ジヒドロペルオキシ)−2,5−ジメチルヘキサン、シクロヘキシルヒドロペルオキシド、トリフェニルメチルヒドロペルオキシド、ピナンヒドロペルオキシド(例えば、Glidox(登録商標)500;LyondellBasell)及びパラメンタンヒドロペルオキシド(例えば、Glidox(登録商標)300;LyondellBasell)が含まれる。より好ましくは、使用に適したヒドロペルオキシドには、tert−ブチルヒドロペルオキシド及びクメンヒドロペルオキシドが含まれる。ヒドロペルオキシドゲル変性添加剤を、溶媒の不在下で又は有機若しくは水性の溶液として反応混合物に添加することができる。単一のヒドロペルオキシド化合物を、ゲル変性添加剤として使用することができる又は2つ以上の異なるヒドロペルオキシド化合物の組合せを、使用することができる。特定のメタセシス重合のゲル状態の開始を遅延させるヒドロペルオキシドの全ての濃度。有利なことに、ヒドロペルオキシドゲル変性剤の使用が、ピーク発熱温度及び機械的特性を含む、硬化したポリマーの特性を実質的に維持することが見出されている。必ずしも限定されるものではないが、ヒドロペルオキシド濃度は、有利には、触媒に対して、0.01〜1000当量の間である。他の実施形態では、ヒドロペルオキシド濃度は、触媒に対して、0.1〜20当量の間であり得る。一般に、ヒドロペルオキシドのより高い濃度が、ポットライフの延長につながり得る。さらに、他の実施形態では、ヒドロペルオキシド濃度は、触媒に対して、0.05〜100当量の間であり得る。さらに、他の実施形態では、ヒドロペルオキシド濃度は、触媒に対して、0.1〜50当量の間であり得る。
別の実施形態では、本発明の樹脂組成物は、少なくとも1種の5−アルケニル−2−ノルボルネンをポットライフ調整剤としてさらに含むことができる。本発明に使用される5−アルケニル−2−ノルボルネンは、米国特許第5,204,427号に開示されており、非限定的な例として、5−ビニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン(5−ビニル−2−ノルボルネン);5−イソプロペニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン(5−イソプロペニル−2−ノルボルネン);5−ビニル−4−ビニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン(5−ビニル−4−ビニル−2−ノルボルネン);5−プロペニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン(5−プロペニル−2−ノルボルネン);5−ブテニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン(5−ブテニル−2−ノルボルネン;5−ペンテニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン(5−ペンテニル−2−ノルボルネン);並びにこれらのモノメチル、モノクロロ、及びジクロロ置換体が挙げられ、これにはエンド及びエキソ異性体並びにこれらの混合物が含まれる。より好ましい5−アルケニル−2−ノルボルネン(単数又は複数)として、5−ビニル−2−ノルボルネン、5−イソプロペニル−2−ノボルボルネン、5−プロペニル−2−ノルボルネン、及び5−ブテニル−2−ノルボルネンが挙げられ、これにはエンド及びエキソ異性体、並びにこれらの混合物が含まれる。最も好ましい5−アルケニル−2−ノルボルンポットライフ調整剤は、5−ビニル−2−ノルボルネンであり、これにはエンド及びエキソ異性体、並びにこれらの混合物が含まれる。5−アルケニル−2−ノルボルネンポットライフ調整剤は、通常、約0.01phr〜10phrの濃度で、より好ましくは約0.1phr〜5phrの濃度で、さらにより好ましくは約0.1phr〜3phrの濃度で、樹脂組成物中に採用される。5−アルケニル−2−ノルボルンポットライフ調整剤を、溶媒の不在下で、又は有機溶液として、樹脂組成物に添加することができる。単一の5−アルケニル−2−ノルボルンポットライフ調整剤を、ポットライフ調整剤として使用することもでき、2種以上の異なる5−アルケニル−2−ノルボルネンポットライフ調整剤の組合せを使用することもできる。
本発明の樹脂組成物は、場合により添加物を用いて配合されうる。適切な添加物には、ゲル変性剤、硬度調節剤、衝撃改質剤、エラストマー、酸化防止剤、オゾン分解防止剤、安定剤、架橋剤、充填剤、結合剤、カップリング剤、チオキトロープ、湿潤剤、殺生剤、可塑剤、顔料、難燃剤、染料、繊維、並びに仕上剤、被覆剤、カップリング剤、膜形成剤及び/又は潤沢剤で処理されたものなどの、サイジング強化剤及び基材を含む強化剤材料が含まれるが、これらに限定されない。さらに、樹脂組成物に存在する添加剤の量は、使用される特定の種類の添加剤に応じて変わりうる。樹脂組成物中の添加剤の濃度は、典型的には、例えば0.001〜85重量パーセント、特に0.1〜75重量パーセント又はさらにより特定的には2〜60重量パーセントの範囲である。
本発明の樹脂組成物は、場合により、架橋剤、例えばジアルキルペルオキシド、ジアシルペルオキシド及びペルオキシ酸から選択される架橋剤を用いて又は用いることなく配合されうる。
適切な衝撃改質剤又はエラストマーには、限定されることなく、天然ゴム、ブチルゴム、ポリイソプレン、ポリブタジエン、ポリイソブチレン、エチレン−プロピレンコポリマー、スチレン−ブタジエン−スチレントリブロックゴム、ランダムスチレン−ブタジエンゴム、スチレン−イソプレン−スチレントリブロックゴム、スチレン−エチレン/ブチレン−スチレンコポリマー、スチレン−エチレン/プロピレン−スチレンコポリマー、エチレン−プロピレン−ジエンターポリマー、エチレン−ビニルアセタート、及びニトリルゴムが含まれる。好ましい衝撃改質剤又はエラストマーは、ポリブタジエンのDiene 55AC10(Firestone)、ポリブタジエンのDiene 55AM5(Firestone)、EPDM Royalene 301T、EPDM Buna T9650(Bayer)、スチレン−エチレン/ブテン−スチレンコポリマーのKraton G1651H、Polysar Butyl 301(Bayer)、ポリブタジエンのTaktene 710(Bayer)、スチレン−エチレン/ブチレン−スチレンのKraton G1726M、Ethylene−Octene Engage 8150(DuPont−Dow)、スチレン−ブタジエンのKraton D1184、EPDM Nordel 1070(DuPont−Dow)及びポリイソブチレンのVistanex MML−140(Exxon)である。そのような材料は、通常、約0.10phr〜10phrの濃度であるが、より好ましくは約0.1phr〜5phrの濃度で樹脂組成物に用いられる。多様な極性衝撃改質剤又はエラストマーを使用することもできる。
酸化防止剤及びオゾン分解防止剤には、ゴム及びプラスチック産業に使用されるいかなる酸化防止剤又はオゾン分解防止剤も含まれる。「Index of Commercial Antioxidants and Antiozonants,第4版」は、Goodyear Chemicals,The Goodyear Tire and Rubber Company,Akron,Ohio 44316から入手可能である。適切な安定剤(すなわち、酸化防止剤又はオゾン分解防止剤)には、限定されることなく、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール(BHT);Wingstay(登録商標)S(Goodyear)などのスチレン化フェノール;2−及び3−tert−ブチル−4−メトキシフェノール;Wingstay C(Goodyear)などのアルキル化ヒンダードフェノール;4−ヒドロキシメチル−2,6−ジ−tert−ブチルフェノール;2,6−ジ−tert−ブチル−4−sec−ブチルフェノール;2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール);2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール);4,4’−メチレンビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェノール);Cyanox(登録商標)53(Cytec Industries Inc.)及びPermanax WSOなどのその他のビスフェノール;2,2’−エチリデンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェノール);2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−(1−メチルシクロヘキシル)フェノール);4,4’−ブチリデンビス(6−tert−ブチル−3−メチルフェノール);ポリブチル化ビスフェノールA;4,4’−チオビス(6−tert−ブチル−3−メチルフェノール);4,4’−メチレンビス(2,6−ジメチルフェノール);1,1’−チオビス(2−ナフトール);Ethyl酸化防止剤738などのメチレン架橋ポリアクリルフェノール;2,2’−チオビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール);2,2’−イソブチリデンビス(4,6−ジメチルフェノール);2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−シクロヘキシルフェノール);Wingstay Lなどのp−クレゾールとジシクロペンタジエンのブチル化反応生成物;テトラキス(メチレン−3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナマート)メタン、すなわちIrganox(登録商標)1010(BASF);1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、例えばEthanox(登録商標)330(Albemarle Corporation);4,4’−メチレンビス(2,6−ジ−第三級ブチルフェノール)、例えばEthanox 4702又はEthanox 4710;1,3,5−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌラート、すなわちGood−rite(登録商標)3114(Emerald Performance Materials)、2,5−ジ−tert−アミルヒドロキノン、tert−ブチルヒドロキノン、トリス(ノニルフェニルホスファイト)、ビス(2,4−ジ−tert−ブチル)ペンタエリトリトール)ジホスファイト、ジステアリルペンタエリトリトールジホスファイト、Naugard(登録商標)492(Chemtura Corporation)などのホスファイト化フェノール及びビスフェノール、Irganox B215などのホスファイト/フェノール酸酸化防止剤ブレンド;Irganox 1093などのジ−n−オクタデシル(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ホスホナート;Irganox 259などの1,6−ヘキサメチレンビス(3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオナート)及びオクタデシル−3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナマート、すなわちIrganox 1076、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)4,4’−ビフェニリレンジホスホナイト、ジフェニルアミン、並びに4,4’−ジメトキシシジフェニルアミンが含まれる。そのような材料は、通常、約0.10phr〜10phrの濃度であるが、より好ましくは約0.1phr〜5phrの濃度で樹脂組成物に用いられる。
適切な強化材料には、ポリマーに組み込まれたとき、ポリマー複合体の強度又は剛性を追加するものが含まれる。強化材料は、フィラメント、繊維、ロービング、マット、織物、生地、編物材料、布地又は他の既知の構造の形態であり得る。適切な強化剤材料には、ガラス繊維及び生地、炭素繊維及び生地、アラミド繊維及び生地、ポリオレフィン繊維又は生地(Spectra(登録商標)の商品名でHoneywellにより生産されたものなどの超高分子量ポリエチレン生地を含む)、並びにポリオキサゾール繊維又は生地(Zylon(登録商標)の商品名でToyobo Corporationにより生産されたものなど)が含まれる。Ahlstromガラスロービング(R338−2400)、Johns Manvilleガラスロービング(Star ROV(登録商標)−086)、Owens Corningロービング(OCV 366−AG−207、R25H−X14−2400、SE1200−207、SE1500−2400、SE2350−250)、PPGガラスロービング(Hybon(登録商標)2002、Hybon(登録商標)2026)、Toho Tenax(登録商標)炭素繊維トウ(HTR−40)及びZoltek炭素繊維トウ(Panex(登録商標)35)を含む、表面仕上剤、サイジング剤又は被覆剤を含有する強化材料が、記載されている発明に特に適している。さらに、表面仕上剤、サイジング剤又は被覆剤を含有する強化材料を使用して調製された任意の生地が、本発明に適している。有利には、本発明は、表面仕上剤、サイジング剤又は被覆剤を強化材料から取り除く高価なプロセスを必要としない。加えて、ガラス繊維及び生地には、限定されることなく、Aガラス、Eガラス又はSガラス、S−2ガラス、Cガラス、Rガラス、ECRガラス、Mガラス、Dガラス、並びに石英及びシリカ/石英が含まれうる。好ましいガラス繊維強化剤は、エポキシ、ビニルエステル及び/又はポリウレタン樹脂を使用して配合された仕上剤を有するものである。これらの種類の樹脂の組合せを使用して配合されたとき、強化剤は、時々、「多重適合性」と記載される。そのような強化剤は、一般に、ビニル、アミノ、グリシドキシ又はメタクリルオキシ官能基(又はこれらの多様な組合せ)を含むオルガノシランカップリング剤により、製造の際に処理され、仕上剤が被覆されて、繊維表面を保護し、取り扱い及び加工(例えば、巻き付け及び織り込み)を推進する。仕上剤は、典型的には、膜形成剤、界面活性剤及び滑剤などの、薬品化合物やポリマー化合物との混合物を含む。とりわけ好ましいガラス強化剤は、幾らかの量のアミノ官能化シランカップリング剤を含有するものである。とりわけ好ましい仕上剤は、エポキシに基づいた及び/又はポリウレタンに基づいた膜形成剤を含むものである。好ましいガラス繊維強化剤の例は、Hybon(登録商標)2026、2002及び2001(PPG)多重適合性ロービング;Ahlstrom R338エポキシシラン−サイジング済みロービング;StarRov(登録商標)086(Johns Manville)軟質シラン−サイジング済み多重適合性ロービング;OCV(商標)366、SE1200及びR25H(Owens Corning)多重適合性ロービング;OCV(商標)SE1500及び2350(Owens Corning)エポキシ適合性ロービング;並びにJushi Group多重適合性ガラスロービング(752型、396型、312型、386型)に基づいたものである。追加の適切なポリマー繊維及び生地には、限定されることなく、ポリエステル、ポリアミド(例えば、E.I.DuPontから入手可能なNYLONポリアミド、芳香族ポリアミド(E.I.DuPontから入手可能なKEVLAR芳香族ポリアミド又はLenzing Aktiengesellschaftから入手可能なP84芳香族ポリアミドなど)、ポリイミド(例えば、E.I.DuPontから入手可能なKAPTONポリイミド、ポリエチレン(例えば、Toyobo Co.,Ltd.からのDYNEEMAポリエチレン)の1つ以上が含まれうる。追加の適切な炭素繊維には、限定されることなく、Hexcel CorporationからのAS2C、AS4、AS4C、AS4D、AS7、IM6、IM7、IM9及びPV42/850;Toray Industries,Inc.からのTORAYCA T300、T300J、T400H、T600S、T700S、T700G、T800H、T800S、T1000G、M35J、M40J、M46J、M50J、M55J、M60J、M30S、M30G及びM40;Toho Tenax,Inc.からのHTS12K/24K、G30−500 3k/6K/12K、G30−500 12K、G30−700 12K、G30−7000 24K F402、G40−800 24K、STS 24K、HTR 40 F22 24K 1550tex;Grafil Inc.からの34−700、34−700WD、34−600、34−600WD及び34−600非サイジング;Cytec IndustriesからのT−300、T−650/35、T−300C及びT−650/35Cが含まれうる。追加の適切な炭素繊維には、限定されることなく、AKSACA(A42/D011)、AKSACA(A42/D012)、Blue Star Starafil(10253512−90)、Blue Star Starafil(10254061−130)、SGL Carbon(C30 T050 1.80)、SGL Carbon(C50 T024 1.82)、Grafil(347R1200U)、Grafil(THR 6014A)、Grafil(THR 6014K)、Hexcel Carbon(AS4C/EXP 12K)、Mitsubishi(Pyrofil TR 50S 12L AF)、Mitsubishi(Pyrofil TR 50S 12L AF)、Toho Tenax(T700SC 12000−50C)、Toray(T700SC 12000−90C)、Zoltek(Panex 35 50K、サイジング11)、Zoltek(Panex 35 50K、サイジング13)が含まれうる。追加の適切な炭素生地には、限定されることなく、Vectorply(C−L1800)及びZoltek(Panex 35D Fabic−PX35UD0500−1220)による炭素生地が含まれうる。追加の適切なガラス生地には、限定されることなく、PPG Hybon(登録商標)2026に基づいているVectorply(E−LT 3500−10);PPG Hybon(登録商標)2002に基づいているSaertex(U14EU970−01190−T2525−125000);Chongqing Polycomp Internation Corp.(CPIC(登録商標)Fiberglass)(EKU 1150(0)/50−600);並びにOwens Corning(L1020/07A06 Xweft 200tex)により供給されるガラス生地が含まれうる。
他の適切な充填剤には、例えば、金属密度調節剤、例えば微小球などの微粒子密度調節剤及び例えばガラス又はセラミックビーズなどのマクロ粒子密度調節剤が含まれる。金属密度調節剤には、粉末化、焼結、切削、剥片化、充填、粒状化又は造粒された金属、金属酸化物、金属窒化物及び/又は金属炭化物などが含まれるが、これらに限定されない。好ましい金属密度調節剤には、とりわけ、タングステン、炭化タングステン、アルミニウム、チタン、鉄、鉛、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、炭化ホウ素及び炭化ケイ素が含まれる。微粒子密度調節剤には、ガラス、金属、熱可塑性(膨張性若しくは予備膨張のいずれか)又は熱硬化性及び/或いはセラミック/ケイ酸塩微小球が含まれるが、これらに限定されない。マクロ粒子密度調節剤には、ガラス、プラスチック又はセラミックビーズ;金属ロッド、チャンク、ピース又はショット;中空のガラス、セラミック、プラスチック又は金属の球、ボール又はチューブなどが含まれるが、これらに限定されない。
本発明は、少なくとも1種の環式オレフィン組成物、及び少なくとも1種の金属カルベンオレフィンメタセシス触媒を含む触媒組成物を含む樹脂組成物から製造された物品も対象とする。さらに、本発明は、少なくとも1種の環式オレフィン組成物、少なくとも1種の金属カルベンオレフィンメタセシス触媒を含む触媒組成物、及び基材材料を含む樹脂組成物から製造された物品を対象とする。さらに、本発明は、少なくとも1種の環式オレフィン組成物、少なくとも1種の接着促進剤、少なくとも1種の金属カルベンオレフィンメタセシス触媒を含む触媒組成物、及び基材材料を含む樹脂組成物から製造された物品を対象とする。
さらに、本発明は、少なくとも1種の環式オレフィン組成物、少なくとも2個のイソシアナート基を含有する少なくとも1種の化合物を含む少なくとも1種の接着促進剤を含む樹脂組成物から製造された物品であって、樹脂組成物が少なくとも1種の金属カルベンオレフィンメタセシス触媒を含む触媒組成物と組み合わされて、ROMP組成物を形成し、得られたROMP組成物が少なくとも1種の基材に適用され、基材は、例えば、官能化基材、例えば、ヘテロ原子官能化基材、例えば、アミノ官能化基材などであり得る、上記物品を対象とする。
物品には、注型、遠心注型、引抜成形、成形、回転成形、開放成形、反応射出成形(RIM)、樹脂移送成形(RTM)、流し込み、真空含浸、表面被覆、フィラメント巻き、並びに、ポリマー物品及び/又はポリマー複合体物品の製造に有用である他の既知の方法を含む標準的な製造技術により形成されるものが含まれるが、これらに限定されない。さらには、本発明の組成物及び製造品は、単一ポリマー表面界面に限定されず、複数のポリマー表面界面を含有する多層及び積層も含まれる。本発明は、多孔質材料への樹脂の注入による物品の製造にも適している。そのような多孔質材料には、木材、セメント、コンクリート、連続気泡網状発泡体及びスポンジ、紙、段ボール、フェルト、天然又は合成繊維のロープ又はブレード、並びに多様な焼結材料が含まれるが、これらに限定されない。加えて、他の製造技術には、限定されることなく、セル注型、浸漬注型、連続注型、埋め込み、注封、封入成型、膜注型又は溶媒注型、ゲート注型、成形注型、スラッシ注型、押出、機械的発泡、化学的発泡、物理的発泡、圧縮成形又はマッチドダイ成形、噴霧、吹付、真空補助樹脂移送成形(VARTM)、Seeman複合樹脂射出成形プロセス(SCRIMP)、吹込み成形、インモールドコーティング、成形型内塗装又は射出、真空形成、強化反応射出成形(RRIM)、構造反応射出成形(SRIM)、熱膨張移送成形(TERM)、樹脂射出再循環成形(RICM)、制御大気圧樹脂注入(CAPRI)、手積みが含まれる。RIMの使用又はRIM、SRIM及びRRIMを限定することなく含む衝突型混合ヘッドの使用を必要とする製造技術では、製造品は、単一混合ヘッド又は複数の混合ヘッド、並びに複数の材料射出流(例えば、2つの樹脂流及び1つの触媒流)を使用して成形することができる。本発明が、前述の製造技術のいずれかを使用して、ますます迅速なサイクル時間及びますます高い成形型温度、特に90℃超の成形型温度を可能にするにつれて、混合問題及び/又は閉じ込められた気体により引き起こされる欠陥を防止するために、高圧下又は真空下で本発明のROMP組成物を成形することが必要となり得る。
さらに、本発明は、任意の配置、重量、サイズ、厚み又は幾何学的形状の製造品の作製も可能にする。製造品の例には、限定されることなく、航空宇宙用部品、船舶用部品、自動車部品、スポーツ用品用部品、電気部品及び工業部品、医療用部品、歯科用部品、又は軍事用部品として使用される任意の成形又は造形品が含まれる。1つの実施形態において、物品は、航空機又は一般的な発電に使用されるタービン部品であり得る。1つの実施形態において、タービン部品には、限定されることなく、インレット、パイロン、パイロンフェアリング、防音パネル、逆推力装置パネル、ファンの羽根、ファン収納ケース、バイパスダクト、空気力カウル又はエアフォイル部品の1つ以上が含まれうる。1つの実施形態において、物品は、タービン羽根部品であり得る又はタービン羽根であり得る。1つの実施形態において、物品は、風回転羽根、塔、スパーキャップ又はウインドタービンのナセルであり得る。1つの実施形態において、物品は、機体部品であり得る。航空宇宙用部品の例には、限定されることなく、胴体表面、翼、フェアリング、扉、点検用パネル、空力制御面又は補強剤の1つ以上が含まれうる。1つの実施形態において、物品は、自動車部品であり得る。自動車部品の例には、限定されることなく、車体パネル、フェンダー、スポイラー、トラックの荷台、保護プレート、フード、長軸方向レール、ピラー又は扉の1つ以上が含まれうる。工業部品の例には、限定されることなく、ライザー、プラットフォーム、油及びガス用の衝突保護構造、橋梁、管、圧力容器、電柱、コイル、コンテナ、タンク、ライナー、格納容器、腐食環境(例えば、塩素アルカリ性、苛性、酸性、塩水など)に適用される物品、セントラライザー(例えば、油田セントラライザー)、電解槽カバー、コンクリート建築物及び道路の強化構造又は放熱器の1つ以上が含まれうる。電気部品の例には、限定されることなく、コイル若しくは電気モーターなどの巻線物品又は絶縁装置の1つ以上が含まれうる。1つの実施形態において、物品は、磁気共鳴画像系の渦電流遮蔽部品又は任意の電磁放射線の遮蔽部品であり得る。1つの実施形態において、物品は、限定されることなく、乗員若しくは車両の防弾装甲又は人員若しくは機器を保護する防弾構造を含む軍事用部品であり得る。1つの実施形態において、物品は、限定されることなく、矢柄、テニスラケットフレーム、ホッケースティック、複合弓リム又はゴルフクラブシャフトを含むスポーツ用品用部品であり得る。1つの実施形態において、物品は、オフショア用途に使用される物体であり得、この物体は、本発明のROMP組成物で少なくとも部分的にコーティングされており、この物体として、管、パイプライン、管継手、ホース、ホース継手、タンク、容器、ドラム、マニホールド、ライザー管、現場継手、クリスマスツリーと称される構造(油田クリスマスツリー、海中クリスマスツリー)、ジャンパー、スプールピース、パイプライン終端(PLET)と称される構造、パイプラインエンドマニホールド(PLEM)と称される構造、海中用途に使用されるロボット部品、装置及び乗物、海中ドッグハウス(subsea dog houses)と称される構造、並びにその他の海中構築物及び設備が挙げられるが、これらに限定されない。
本発明による樹脂組成物は、サイジング組成物をさらに含むことができる、又は業界で一般に使用される特定の商業用シランでサイジングされた基材材料への改善された接着をもたらすために使用することができる。当技術分野で公知の通り、ガラス繊維は、典型的には、形成された後すぐに、ガラス繊維を強化し、処理及び複合体製造中の糸の機械的完全性を保護するために、化学溶液(例えば、サイジング組成物)で処理される。オレフィンメタセシス触媒及びポリジシクロペンタジエン複合体と適合性のあるサイジング処理は、その両方の開示が参照によって本明細書に組み込まれる、米国特許第6,890,650号及び同第6,436,476号に記載されている。しかしながら、これらの開示は、工業的ガラス製造において一般に使用されていない特別なシラン処理の使用に基づいている。比べて、本発明は、業界で一般に使用されているシランでサイジングされたポリマー−ガラス複合体についての改善された機械的特性をもたらすことができる。
ガラスサイジング剤は、典型的には、少なくとも1種の膜形成剤(典型的には膜形成性ポリマー)、少なくとも1種のシラン、及び少なくとも1種の潤滑剤を含む。メタセシス触媒又はオレフィン重合反応の有効性に干渉しないか、これを大幅に減少させない、サイジング剤の任意の成分が、本発明に適合していると考えられ、本明細書において一般に使用することができる。
メタセシス触媒と適合性のある膜形成剤として、エポキシ、ポリエステル、ポリウレタン、ポリオレフィン、及び/又はポリビニルアセタートが挙げられる。オレフィンメタセシス触媒の性能に悪影響を与えないその他の通常の膜形成剤もまた使用することができる。膜形成剤は、典型的には、非イオン性の水性エマルションとして使用される。ガラス加工性及び複合体の機械的特性の所望のバランスを達成するために、2種以上の膜形成剤を所与のサイジング配合物に使用することができる。
より具体的には、膜形成剤は、500未満のエポキシド基当たりの平均分子量(EEW)を有するエポキシモノマー若しくはオリゴマーとして定義される低分子量エポキシエマルション、及び/又は500超のエポキシド基当たり平均分子量(EEW)を有するエポキシモノマー若しくはオリゴマーとして定義される高分子量エポキシエマルションを含み得る。適切な低分子量製品の例として、Franklin Internationalにより製造される水性エポキシエマルションが挙げられ、Franklin K8−0203(EEW190)及びFranklin E−102(EEW225〜275)が挙げられる。低分子量エポキシエマルションの他の例は、Hexionから入手可能であり、EPI−REZ(商標)3510−W−60(EEW185〜215)、及びEPI−REZ(商標)3515−W−60(EEW225〜275)が挙げられる。低分子量エポキシエマルションのさらなる例は、COIMから入手可能であり、Filco 309(EEW270)及びFilco 306(EEW330)が挙げられる。低分子量エポキシエマルションのさらなる例は、DSMから入手可能であり、Neoxil(登録商標)965(EEW220〜280)及びNeoxil(登録商標)4555(EEW220〜260)が挙げられる。適切な高分子量エポキシエマルション製品の例として、Hexionにより製造されるエポキシエマルションが挙げられ、EPI−REZ(商標)3522−W−60(EEW615〜715)が挙げられる。
変性エポキシ、ポリエステル、及びポリウレタンの水性エマルションもまた、膜形成剤に使用することができる。適切な変性エポキシ製品の例として、DSMにより製造されるエマルションが挙げられ、Neoxil(登録商標)2626(500〜620のEEWを有する可塑化エポキシ)、Neoxil(登録商標)962/D(470〜550のEEWを有するエポキシ−エステル)、Neoxil(登録商標)3613(500〜800のEEWを有するエポキシ−エステル)、Neoxil(登録商標)5716(210〜290のEEWを有するエポキシ−ノボラック)、Neoxil(登録商標)0035(2500のEEWを有する可塑化エポキシ−エステル)、及びNeoxil(登録商標)729(200〜800のEEWを有する潤滑化エポキシ)が挙げられる。変性エポキシエマルションのさらなる例は、COIMから入手可能であり、Filco 339(2000のEEWを有する不飽和ポリエステル−エポキシ)及びFilco 362(530のEEWを有するエポキシ−エステル)が挙げられる。適切なポリエステル製品の例として、DSMにより製造されるエマルションが挙げられ、Neoxil(登録商標)954/D、Neoxil(登録商標)2635、及びNeoxil(登録商標)4759(不飽和ビスフェノールポリエステル)が挙げられる。DSMからのさらなる適切な製品として、Neoxil(登録商標)9166及びNeoxil(登録商標)968/60(アジパートポリエステル)が挙げられる。適切な製品のさらなる例として、COIMにより製造されるエマルションが挙げられ、Filco 354/N(不飽和ビスフェノールポリエステル)、Filco 350(不飽和ポリエステル)、及びFilco 368(飽和ポリエステル)が挙げられる。適切なポリウレタン製品の例として、Bayer Material Scienceにより製造されるエマルションが挙げられ、Baybond(登録商標)330及びBaybond(登録商標)401が挙げられる。
膜形成剤は、ポリオレフィン又はポリオレフィン−アクリルコポリマー、ポリビニルアセタート、変性ポリビニルアセタート、又はポリオレフィン−アセタートコポリマーも含み得る。適切なポリオレフィンとして、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレン、及びこれらのコポリマーが挙げられるが、これらに限定されず、有効な膜形成剤用途のために、ポリオレフィンは酸化されていてもよく、マレアート化されていてもよく、別の方法で処理されていてもよい。適切な製品の例として、Michelmanにより製造されるエマルションが挙げられ、Michem(登録商標)Emulsion 91735、Michem(登録商標)Emulsion 35160、Michem(登録商標)Emulsion 42540、Michem(登録商標)Emulsion 69230、Michem(登録商標)Emulsion 34040M1、Michem(登録商標)Prime 4983R、及びMichem(登録商標)Prime 4982SCが挙げられる。適切な製品の例として、HB Fullerにより製造されるエマルションが挙げられ、PD 708H、PD 707、及びPD 0166が挙げられる。さらなる適切な製品として、Franklin Internationalにより製造されるエマルションが挙げられ、Duracet(登録商標)637が挙げられる。さらなる適切な製品として、Celaneseにより製造されるエマルションが挙げられ、Vinamul(登録商標)8823(可塑化ポリビニルアセタート)、Dur−O−Set(登録商標) E−200(エチレン−ビニルアセタートコポリマー)、Dur−O−Set(登録商標) TX840(エチレン−ビニルアセタートコポリマー)、及びResyn(登録商標)1971(エポキシ−変性ポリビニルアセタート)が挙げられる。
これらに限定されるものではないが、好ましい膜形成剤として、低及び高分子量エポキシ、飽和及び不飽和ポリエステル、及びポリオレフィンが挙げられ、例えばFranklin K80−203、Franklin E−102、Hexion 3510−W−60、Hexion 3515−W−60、及びMichelman 35160などである。
非イオン性潤滑剤もまたサイジング組成物に添加することができる。ROMP組成物と適合性のある適切な非イオン性潤滑剤として、ポリエチレングリコールとエチレンオキシド及びプロピレンオキシドのブロックコポリマーとのエステルが挙げられる。例えば、ガラス加工性及び複合体の機械的特性の所望のバランスを達成するために、2種以上の非イオン性潤滑剤を所与のサイジング配合物に所望の場合使用することができる。
適切な潤滑剤は、200〜2000の間の、好ましくは200〜600の間の平均分子量を有するポリエチレングリコール(PEG)単位を含有し得る。これらのPEG単位は、1つ又は複数の脂肪酸とエステル化することができ、オレアート、タラート(tallate)、ラウラート、ステアラート、及びその他が含まれる。特に好ましい潤滑剤として、PEG400ジラウラート、PEG600ジラウラート、PEG400ジステアラート、PEG600ジステアラート、PEG400ジオレアート、及びPEG600ジオレアートが挙げられる。適切な製品の例として、BASFにより製造される化合物が挙げられ、MAPEG(登録商標)400 DO、MAPEG(登録商標)400 DOT、MAPEG(登録商標)600 DO、MAPEG(登録商標)600 DOT、及びMAPEG(登録商標)600 DSが挙げられる。さらなる適切な製品として、Zschimmer&Schwarzにより製造される化合物が挙げられ、Mulsifan 200 DO、Mulsifan 400 DO、Mulsifan 600 DO、Mulsifan 200 DL、Mulsifan 400 DL、Mulsifan 600 DL、Mulsifan 200 DS、Mulsifan 400 DS、及びMulsifan 600 DSが挙げられる。さらなる適切な製品として、Cognisにより製造される化合物が挙げられ、Agnique(登録商標)PEG 300 DO、Agnique(登録商標)PEG 400 DO、及びAgnique(登録商標)PEG 600 DOが挙げられる。
適切な非イオン性潤滑剤として、エチレンオキシド及びプロピレンオキシドのブロックコポリマーも挙げられる。適切な製品の例として、BASFにより製造される化合物が挙げられ、Pluronic(登録商標)L62、Pluronic(登録商標)L101、Pluronic(登録商標)P103、及びPluronic(登録商標)P105が挙げられる。
カチオン性潤滑剤もまたサイジング組成物に添加することができる。ROMPと適合性のあるカチオン性潤滑剤として、変性ポリエチレンイミン、例えばPulcra Chemicalsにより製造されるEmery 6760Lが挙げられる。
シランカップリング剤を、任意選択で、サイジング組成物に添加することができ、非限定的な例として、メタクリラート、アクリラート、アミノ、又はエポキシ官能化シラン並びにアルキル、アルケニル、及びノルボルネニルシランが挙げられる。
任意選択で、サイジング組成物は、サイジング樹脂のpHを調節するための1種又は複数の添加剤を含有し得る。1つの好ましいpH調節剤は、酢酸である。
サイジング組成物は、任意選択で、ガラスサイジング組成物に有用なその他の添加剤を含有し得る。そのような添加剤には、乳化剤、消泡剤、共溶媒、殺生物剤、酸化防止剤、及びサイジング組成物の有効性を改善するように設計された添加剤が含まれ得る。サイジング組成物は、任意の方法により調製することができ、任意の技術又は方法により、本明細書において使用される例えばガラス繊維又は生地などの基材材料に適用することができる。
好ましい実施形態において、本明細書に開示されているメタセシス反応は、乾燥した不活性雰囲気下で実施される。そのような雰囲気は、窒素及びアルゴンなどのガスを含む任意の不活性ガスを使用して作り出すことができる。不活性雰囲気の使用は、触媒活性を促進する観点から最適であり、不活性雰囲気下で実施される反応は、典型的には比較的低い触媒装填量で実施される。本明細書に開示されている反応は、酸素含有及び/又は水含有雰囲気下で実施することもでき、1つの実施形態において、反応は、周囲条件下で実施される。しかし反応における酸素又は水の存在は、不活性雰囲気下で実施される反応と比較して、高い触媒装填量の使用を必要とする。反応体の蒸気圧が許容される場合、本明細書に開示されている反応を、減圧下で実施することもできる。
本明細書に開示されている反応を溶媒中で実施することができ、交差メタセシスに対して不活性である任意の溶媒を用いることができる。一般に、メタセシス反応に使用することができる溶媒には、芳香族炭化水素、塩素化炭化水素、エーテル、脂肪族炭化水素、アルコール、水又はこれらの混合物などの有機、プロトン性又は水性の溶媒が含まれる。溶媒の例には、ベンゼン、トルエン、p−キシレン、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、ジクロロベンゼン、クロロベンゼン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ペンタン、メタノール、エタノール、水又はこれらの混合物が含まれる。好ましい実施形態において、本明細書に開示されている反応は、未希釈で、すなわち溶媒を使用することなく実施される。
本明細書に開示の方法によるメタセシス反応が実施される温度は、幅広い温度範囲にわたって必要に応じて調節することができることが理解されよう。活性の高いメタセシス触媒では、オレフィンメタセシスは、−78℃という低い温度で起こり得る。ますます潜在的な触媒では、オレフィンメタセシスは、−40℃、−10℃、0℃、10℃、20℃、25℃、35℃、50℃、70℃、100℃、又は150℃の温度まで、観察されないだろう。好ましい実施形態において、反応は、少なくとも約35℃の温度で実施され、別の実施形態において、反応は、少なくとも約50℃の温度で実施される。ある特定の実施形態では、成形型又はプリフォームに、室温付近の温度(例えば、約10〜45℃、又は好ましくは15〜40℃、又はより好ましくは20〜35℃)で樹脂及び触媒を充填した後、ある期間にわたってより高い温度(例えば、約50〜200℃、又は好ましくは70〜150℃、又はより好ましくは90〜120℃)に加熱して、より迅速に重合を完了させることができる。ある特定の実施形態では、成形型又はプリフォームを、室温よりかなり高い温度(例えば、約50〜250℃、又は約50〜200℃、又は約50〜150℃、又は約50〜100℃、又は約100〜150℃、又は約150〜200℃)で予熱した後、樹脂及び触媒を迅速に充填して、迅速なサイクル時間を可能にすることができる。
本発明は特定の実施形態と共に記載されてきたが、上の記載、並びに続く実施例は、例示であって、本発明の範囲を制限することを意図しないことが、理解されるべきである。本発明の範囲内の他の態様、利点及び改変は、本発明が関わる当業者に明白である。
実験
以下の実施例では、使用される数値(例えば、量、温度など)に関して正確性を確実にする努力がなされてきたが、幾らかの実験誤差及び偏差が考慮されるべきである。特に指示のない限り、温度は摂氏(℃)であり、圧力は大気圧又は近大気圧であり、粘度はセンチポアズ(cP)である。樹脂組成物を形成するために環式オレフィン組成物に添加される添加剤は、環式オレフィン組成物百万グラム当たりの添加剤のグラム単位の重量と定義される、ppmとして、又は環式オレフィン組成物百グラム当たりの添加剤のグラム単位の重量と定義される、phrとして、報告する。
以下の実施例は、本明細書に記載されている発明を制限するものとして考慮されるべきではなく、むしろ、本発明の組成物、その使用方法、並びにそのような組成物及び方法から製造された物品の代表例として提供されている。
材料及び方法
全てのガラス器具をオーブン乾燥し、反応を、特に示されない限り、周囲条件下で実施した。全ての溶媒及び試薬は、商業供給者から購入し、特に示されない限り、受け取ったままで使用した。全ての環式オレフィン組成物は、特に示されない限り、真空下で最低20分間脱気して、シクロペンタジエン(CPD)を除去した。脱気した環式オレフィン組成物中に存在するジシクロペンタジエン(DCPD)、トリシクロペンタジエン(TCPD)、及びテトラシクロペンタジエン(TeCPD)の重量パーセントは、ガスクロマトグラフィー(GC)によって得られた面積パーセント値から決定した。
DCPD(Ultrene(登録商標)99)は、Cymetech Corporationから得た。Ultrene(登録商標)99の代表的なロットは、GCにより測定して、DCPD(99.83重量パーセント)及びTCPD(0.17重量パーセント)を含んだ。20〜25%のTCPD(及び少量のより高次のCPD同族体)を含有する改質DCPDベース樹脂(DCPD−HT)を、米国特許第4,899,005号に一般的に記載されているように、Ultrene(登録商標)99を熱処理することによって調製した。このように調製したDCPD−HTの代表的なロットは、DCPD(73.98重量パーセント)、TCPD(23.51重量パーセント)、及びTeCPD(2.51重量パーセント)を含んだ。
TCPDは、DCPD−HTから、DCPD及び他の低分子量、低沸点炭化水素を真空下で除去して、およそ80重量%のTCPDを含む組成物を得、これをさらに高真空蒸留に供して、室温に冷却されたとき白色のワックス状固体として所望の生成物を得ることによって調製した。このように調製したTCPD(>99%純度)の代表的なロットは、GCにより測定して、DCPD(0.11重量パーセント)、TCPD(99.72重量パーセント)、及びテトラシクロペンタジエン(0.17重量パーセント)を含んだ。このように調製したTCPDの第2の代表的なロットは、DCPD(2.93重量パーセント)、TCPD(97.03重量パーセント)、及びTeCPD(0.04重量パーセント)を含んだ。
液体MDI(4,4’−MDIと2,4’−MDIの50/50混合物)は、Bayer Material Science(Mondur(登録商標)MLQ)から受け取ったままで使用し、指示したところで使用した。Ethanox(登録商標)4702酸化防止剤(4,4’−メチレンビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、Albemarle Corporation)を、指示したところで使用した。2phrのCab−o−sil TS610を含有する、Crystal Plus 70FG鉱油を、触媒懸濁液を調製するのに使用した。トリフェニルホスフィン(TPP)はArkemaから受け取ったままで使用した。5−ビニル−2−ノルボルネン(>99%)は、JX Nippon Chemical Texas Incから受け取ったままで使用した。金属カルベンオレフィンメタセシス触媒トリシクロヘキシルホスフィン[1,3−ビス(2,4,6−トリメチルフェニル)イミダゾール−2−イリデン][2−チエニルメチレン]ルテニウム(II)ジクロリド)(catMETium(登録商標)RF2 Evonik Industries;CAS番号1190427−49−6)は、Strem Chemicals Inc.から購入した。
金属カルベンオレフィンメタセシス触媒は、標準的な方法で調製したが、これには[1,3−ビス−(2,4,6−トリメチルフェニル)−2−イミダゾリジニリデン]ジクロロ(3−メチル−2−ブテニリデン)(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウム(II)(C827);1,3−ビス−(2,4,6−トリメチルフェニル)−2−イミダゾリジニリデン]ジクロロ(ベンジリデン)(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウム(II)(C848);[1,3−ビス−(2,4,6−トリメチルフェニル)−2−イミダゾリジニリデン]ジクロロ(フェニルインデニリデン)(ジエチルフェニルホスフィン)ルテニウム(II)(C835)、[1,3−ビス−(2,4,6−トリメチルフェニル)−2−イミダゾリジニリデン]ジクロロ(フェニルインデニリデン)(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウム(II)(C949);及びルテニウム(II)ジクロロ(3−メチル−2−ブテニリデン)ビス(トリシクロヘキシルホスフィン)(C801)が含まれる。
環式オレフィン組成物(A):Ultrene(登録商標)99 DCPDを、TCPD含有量が10〜14%(GCにより測定して)に達するまで、米国特許第4,899,005号に一般的に記載されているように熱処理した。DCPD及び他の低分子量、低沸点炭化水素を真空下で除去して、54〜56重量%のTCPDを含む組成物を得た。TCPD(>99%純度)及びUltrene(登録商標)99 DCPDを添加することによって、所望のTCPD/テトラシクロペンタジエン比を調整して、室温で無色透明の均一な液体として環式オレフィン組成物(A)を得た。脱気した環式オレフィン組成物(A)は、GCにより測定して、DCPD(42.99重量パーセント)、TCPD(55.14重量パーセント)、及びテトラシクロペンタジエン(1.87重量パーセント)を含んだ。
環式オレフィン組成物(B):Ultrene(登録商標)99 DCPDを、TCPD含有量が10〜14%(GCにより測定して)に達するまで、米国特許第4,899,005号に一般的に記載されているように熱処理した。DCPD及び他の低分子量、低沸点炭化水素を真空下で除去して、66〜69重量%のTCPDを含む組成物を得た。TCPD(>99%純度)及びUltrene(登録商標)99 DCPDを添加することによって、所望のTCPD/テトラシクロペンタジエン比を調整して、室温で無色透明の均一な液体として環式オレフィン組成物(B)を得た。脱気した環式オレフィン組成物(B)は、GCにより測定して、DCPD(29.78重量パーセント)、TCPD(67.57重量パーセント)、及びテトラシクロペンタジエン(2.65重量パーセント)を含んだ。
環式オレフィン組成物(C):Ultrene(登録商標)99 DCPDを、TCPD含有量が10〜14%(GCにより測定して)に達するまで、米国特許第4,899,005号に一般的に記載されているように熱処理した。DCPD及び他の低分子量、低沸点炭化水素を真空下で除去して、54〜56重量%のTCPDを含む組成物を得た。TCPD(>99%純度)及びUltrene(登録商標)99 DCPDを添加することによって、所望のTCPD/TeCPD比を調整して、室温で無色透明の均一な液体として環式オレフィン組成物(C)を得た。脱気した環式オレフィン組成物(C)は、GCにより測定して、DCPD(37.17重量パーセント)、TCPD(59.28重量パーセント)、及びTeCPD(3.55重量パーセント)を含んだ。
環式オレフィン組成物(D):Ultrene(登録商標)99 DCPDを溶融し、DCPD(2.93重量パーセント)、TCPD(97.03重量パーセント)、及びTeCPD(0.04重量パーセント)を含むTCPDの代表的なロットと合わせた。得られた脱気した環式オレフィン組成物(D)は、GCにより測定して、DCPD(90.04重量パーセント)及びTCPD(9.96重量パーセント)を含んだ。
環式オレフィン組成物(E):Ultrene(登録商標)99 DCPDを溶融し、DCPD(2.93重量パーセント)、TCPD(97.03重量パーセント)、及びTeCPD(0.04重量パーセント)を含むTCPDの代表的なロットと合わせた。得られた脱気した環式オレフィン組成物(E)は、GCにより測定して、DCPD(79.88重量パーセント)及びTCPD(20.12重量パーセント)を含んだ。
環式オレフィン組成物(F):DCPD(73.98重量パーセント)、TCPD(23.51重量パーセント)、及びTeCPD(2.51重量パーセント)を含むDCPD−HTの代表的なロットを、DCPD(2.93重量パーセント)、TCPD(97.03重量パーセント)、及びTeCPD(0.04重量パーセント)を含むTCPDの代表的なロットと合わせた。得られた脱気した環式オレフィン組成物(F)は、GCにより測定して、DCPD(66.00重量パーセント)、TCPD(31.54重量パーセント)、及びTeCPD(2.46重量パーセント)を含んだ。
環式オレフィン組成物(G):DCPD(73.98重量パーセント)、TCPD(23.51重量パーセント)、及びTeCPD(2.51重量パーセント)を含むDCPD−HTの代表的なロットを、DCPD(2.93重量パーセント)、TCPD(97.03重量パーセント)、及びTeCPD(0.04重量パーセント)を含むTCPDの代表的なロットと合わせた。得られた脱気した環式オレフィン組成物(G)は、GCにより測定して、DCPD(58.58重量パーセント)、TCPD(39.44重量パーセント)、及びTeCPD(1.98重量パーセント)を含んだ。
触媒組成物(A):2phrのCab−o−sil TS610を含有する鉱油(Crystal Plus 500 FG)中にC827を懸濁した。触媒組成物(A)は、DCPDモノマー100グラム当たり触媒懸濁液2グラムで、45,000:1のモノマー対触媒比を有するように調製した。
触媒組成物(B):C848を、2phrのCab−o−sil TS610を含有する鉱油(Crystal Plus 500 FG)中に懸濁した。触媒組成物(B)は、DCPDモノマー100グラム当たり触媒懸濁液2グラムで、90,000:1のモノマー対触媒比を有するように調製した。
触媒組成物(C):C827及びC835を、2phrのCab−o−sil TS610を含有する鉱油(Crystal Plus 500 FG)中に懸濁した。触媒組成物(C)は、DCPDモノマー100グラム当たり触媒懸濁液2グラムで、C827について45,000:1及びC835について150,000:1のモノマー対触媒比を有するように調製した。
触媒組成物(D):C949を2phrのCab−o−sil TS610を含有する鉱油(Crystal Plus 500 FG)中に懸濁した。触媒組成物(D)は、DCPDモノマー100グラム当たり触媒懸濁液2グラムで、C949について30,000:1のモノマー対触媒比を有するように調製した。
触媒組成物(E):C827及びC848を、2phrのCab−o−sil TS610を含有する鉱油(Crystal Plus 500 FG)中に懸濁した。触媒組成物(E)は、DCPDモノマー100グラム当たり触媒懸濁液2グラムで、C827について45,000:1及びC848について500,000:1のモノマー対触媒比を有するように調製した。
触媒組成物(F):catMETium(登録商標)RF2をトルエン中に溶解した。触媒組成物(F)は、DCPDモノマー100グラム当たり触媒溶液2グラムで、catMETium(登録商標)RF2について60,000:1のモノマー対触媒比を有するように調製した。
触媒組成物(G):C801を2phrのCab−o−sil TS610を含有する鉱油(Crystal Plus 500 FG)中に懸濁した。触媒組成物(G)は、DCPDモノマー100グラム当たり触媒懸濁液2グラムで、C801について5,000:1のモノマー対触媒比を有するように調製した。
2−ヒドロキシエチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン−5−カルボキシラート(HENB)は、WO2012/174502に記載されているように調製した。
接着促進剤組成物(A)。合成HENB(2−ヒドロキシエチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン−5−カルボキシラート)(0.10mol当量、338g)を周囲温度(22〜25℃)で液体MDI(Mondur(登録商標)MLQ)(1.0mol当量、4646g)に添加し、不活性雰囲気下で最低24時間撹拌した。反応混合物を調製したままで使用した。
(例1〜4)
環式オレフィン組成物(A)又は(B)の試料をジャケット付きの1000mL三つ口丸底フラスコに入れ、23.5℃に冷却し、真空下で20分間脱気した。脱気した環式オレフィン組成物(A)は、GCにより測定して、DCPD(42.99重量パーセント)、TCPD(55.14重量パーセント)、及びテトラシクロペンタジエン(1.87重量パーセント)を含んだ。脱気した環式オレフィン組成物(B)は、GCにより測定して、DCPD(29.78重量パーセント)、TCPD(67.57重量パーセント)、及びテトラシクロペンタジエン(2.65重量パーセント)を含んだ。脱気した環式オレフィン組成物(A)又は(B)の試料(100g)を、2グラムの触媒組成物(A)又は(B)を添加することによって触媒して、ROMP組成物を形成し、これを真空下23.5℃で1分間さらに脱気した。脱気したROMP組成物(23.5℃)を、70℃に予熱したアルミニウム成形型(6インチ×4インチ×1/4インチ)に注ぎ入れた。成形したポリマーパネルのいずれも、表1に要約するように、目に見える欠陥を有さなかった:
(例5〜7)
Ultrene(登録商標)99 DCPDの試料を溶融し、環式オレフィン組成物(A)又は(B)と合わせて、下表2に示す新たな環式オレフィン組成物を得た(100グラム)。得られた環式オレフィン組成物をジャケット付きの1000mL三つ口丸底フラスコに入れ、23.5℃に冷却し、真空下で20分間脱気した。GCにより測定した、得られた脱気した環式オレフィン組成物の組成(DCPD/TCPD/テトラシクロペンタジエン)を、表2に要約する。脱気した環式オレフィン組成物を、2グラムの触媒組成物(A)又は(B)を添加することによって触媒して、ROMP組成物を形成し、これを真空下23.5℃で1分間さらに脱気した。脱気したROMP組成物(23.5℃)を、表3に示すように予熱したアルミニウム成形型(6インチ×4インチ×1/4インチ)に注ぎ入れた。得られた成形したポリマーパネルについての結果を表3に要約する。
(例8〜10)
Ultrene(登録商標)99 DCPDの試料を溶融し、環式オレフィン組成物(A)又は(B)と合わせて、下表4に示す新たな環式オレフィン組成物を得た(100グラム)。得られた環式オレフィン組成物をジャケット付きの1000mL三つ口丸底フラスコに入れ、23.5℃に冷却し、真空下で20分間脱気した。GCにより測定した、得られた脱気した環式オレフィン組成物の組成(DCPD/TCPD/テトラシクロペンタジエン)を、表4に要約する。トリフェニルホスフィン(0.6グラム)、液体MDI(4.0グラム)、Ethanox 4702(2.0グラム)、及び5−ビニル−2−ノルボルネン(1.0グラム)を、環式オレフィン組成物に添加して、樹脂組成物を得た。樹脂組成物をジャケット付きの1000mL三つ口丸底フラスコに入れ、23.5℃に冷却し、真空下で20分間脱気した。樹脂組成物を、触媒組成物(C)(2グラム)を添加することによって触媒して、ROMP組成物を形成し、これを真空下23.5℃で1分間さらに脱気した。脱気したROMP組成物(23.5℃)を、表5に示すように予熱したアルミニウム成形型(6インチ×4インチ×1/4インチ)に注ぎ入れた。得られた成形したポリマーパネルについての結果を表5に要約する。
(例11)
複合積層の成形型底面は、密閉され、離型処理されたアルミニウム板で構成された。アルミニウム板は、それぞれ、樹脂注入及び真空源連結のための、アルミニウム板の底面に機械的に取り付けられた入口及び出口ポートを有した。ピールプライ(Bron Aerotech;PTFEコート)をアルミニウム板の表面に置いた。ガラス複合積層は、各プライが3インチ×6インチの寸法を有する、50プライのガラス生地を、切断してピールプライの上面に配置して、およそ1.5インチの積層の厚みを達成することにより構築した。ガラス生地は、PPG Hybon(登録商標)2026に基づくVectorply(E−LT 3500−10)により供給されたままで使用した(「Vectorplyガラス生地」)。ピールプライ(Bron Aerotech;PTFEコート)を、50プライのガラス生地強化材料の上に置いた。ナイロン製樹脂分配媒体(Airtech Greenflow 75)を、それぞれ入口ポート及び出口ポートの位置に対応する、複合積層の両端で、ピールプライの上に置いた。1枚の真空バギングフィルム(Umeco Process Materials Stretch−Vac 2000)を、完成した積層を覆うように置いた。真空バギングフィルムを、シーラントテープ(Airtech AT200−Yテープ)を使用して、成形型表面に固定し、出口ポートに真空を適用して、28インチHg〜29インチHgの間の真空レベルに積層から排気した。
Ultrene(登録商標)99 DCPD(44グラム)を溶融し、脱気後にDCPD(37.50重量パーセント)、TCPD(59.96重量パーセント)、及びテトラシクロペンタジエン(2.54重量パーセント)を含んだ環式オレフィン組成物(B)(356グラム)と合わせた。次いで、TPP(2.4グラム)、液体MDI(16.0グラム)、Ethanox 4702(8.0グラム)、及び5−ビニル−2−ノルボルネン(4.0グラム)を添加して、配合樹脂組成物を得て、次いでこれを真空下、周囲温度(20〜25℃)で20分間撹拌しながら脱気した。樹脂組成物を、触媒組成物(C)(8グラム)を添加することによって触媒して、ROMP組成物を形成し、これを真空下、周囲温度(20〜25℃)で少なくとも1分間撹拌しながらさらに脱気した。少なくとも1分後に、ROMP組成物の撹拌を止め、真空源のクランプを緩め、ROMP組成物をアルゴンで埋め戻した。次いで、周囲圧力と排気したガラス生地積層との間の圧力勾配によって、ROMP組成物(20〜25℃)をガラス生地に注入した。注入が完了した後、ガラス複合積層を1℃/分の加熱速度で100℃に加熱して、100℃で1時間保持した後、周囲温度(20〜25℃)に冷却させて、その後に型から出した。型から出したガラス複合積層は、目に見える欠陥を有さなかった。
(例12)
環式オレフィン組成物(A)(100.0グラム)を、ジャケット付きの1000mL三つ口丸底フラスコに入れた。脱気した環式オレフィン組成物(A)は、GCにより測定して、DCPD(42.99重量パーセント)、TCPD(55.14重量パーセント)、及びテトラシクロペンタジエン(1.87重量パーセント)を含んだ。TPP(0.6グラム)、接着促進剤組成物(A)(4.0グラム)、Ethanox 4702(2.0グラム)、及び5−ビニル−2−ノルボルネン(1.0グラム)を、環式オレフィン組成物(A)に添加して、樹脂組成物を得た。樹脂組成物を23.5℃に冷却して、真空下で20分間脱気した。樹脂組成物を、触媒組成物(C)(2グラム)を添加することによって触媒して、ROMP組成物を形成し、これを真空下、23.5℃で1分間さらに脱気した。脱気したROMP組成物(23.5℃)を、90℃に予熱したアルミニウム成形型(6インチ×4インチ×1/4インチ)に注ぎ入れた。成形したポリマーパネルは、目に見える欠陥を有さなかった。
(例13)
複合積層の成形型底面は、密閉され、離型処理されたアルミニウム板で構成された。アルミニウム板は、それぞれ、樹脂注入及び真空源連結のための、アルミニウム板の底面に機械的に取り付けられた入口及び出口ポートを有した。ピールプライ(Bron Aerotech;PTFEコート)をアルミニウム板の表面に置いた。ガラス複合積層は、各プライが3インチ×6インチの寸法を有する、50プライのガラス生地を、切断してピールプライの上面に配置して、およそ1.5インチの積層の厚みを達成することにより構築した。ガラス生地は、PPG Hybon(登録商標)2026に基づくVectorply(E−LT 3500−10)により供給されたままで使用した(「Vectorplyガラス生地」)。ピールプライ(Bron Aerotech;PTFEコート)を、50プライのガラス生地強化材料の上に置いた。ナイロン製樹脂分配媒体(Airtech Greenflow 75)を、それぞれ入口ポート及び出口ポートの位置に対応する、複合積層の両端で、ピールプライの上に置いた。1枚の真空バギングフィルム(Umeco Process Materials Stretch−Vac 2000)を、完成した積層を覆うように置いた。真空バギングフィルムを、シーラントテープ(Airtech AT200−Yテープ)を使用して、成形型表面に固定し、出口ポートに真空を適用して、28インチHg〜29インチHgの間の真空レベルに積層から排気した。
環式オレフィン組成物(A)(500.0グラム)を、1000mL3つ口丸底フラスコに入れた。脱気した環式オレフィン組成物(A)は、GCにより測定して、DCPD(42.99重量パーセント)、TCPD(55.14重量パーセント)、及びテトラシクロペンタジエン(1.87重量パーセント)を含んだ。TPP(3.0グラム)、接着促進剤組成物(A)(20.0グラム)、Ethanox 4702(10.0グラム)、及び5−ビニル−2−ノルボルネン(5.0グラム)を、環式オレフィン組成物(A)に添加して、樹脂組成物を得た。樹脂組成物を、真空下、周囲温度(20〜25℃)で20分間撹拌しながら脱気した。樹脂組成物を、触媒組成物(C)(10グラム)を添加することによって触媒して、ROMP組成物を形成し、これを真空下、周囲温度(20〜25℃)で少なくとも1分間撹拌しながらさらに脱気した。少なくとも1分後に、ROMP組成物の撹拌を止め、真空源のクランプを緩め、ROMP組成物をアルゴンで埋め戻した。次いで、周囲圧力と排気したガラス生地積層との間の圧力勾配によって、ROMP組成物(20〜25℃)をガラス生地に注入した。注入が完了した後、ガラス複合積層を1℃/分の加熱速度で100℃に加熱して、100℃で1時間保持した後、周囲温度(20〜25℃)に冷却させて、その後に型から出した。型から出したガラス複合積層は、目に見える欠陥を有さなかった。
(例14)
複合積層の成形型底面は、密閉され、離型処理されたエポキシ複合体材料で構成された。2プライのELT−3500一方向ガラス生地(12.5インチ×26インチ)をエポキシ複合体板に置いた。PVCコア材料(12.5インチ×12.5インチ)の2枚の1インチ厚の断片を、ELT−3500ガラス生地の半分の区分に置いた。100プライのELT−1800一方向ガラス生地(12.5インチ×12.5インチ)を、ELT−3500ガラス生地の他方の半分の区分に置いた。2プライのELT−3500ガラス生地(12.5インチ×28インチ)を、PVCコア材料及びELT−1800ガラス生地スタックの上に置いた。ピールプライを、PVCコア−ガラス生地複合体積層を覆うように置いた。2層の注入媒体(11.5インチ×27.5インチ)をピールプライの上に置いた。1枚の真空バギングフィルム(Umeco Process Materials Stretch−Vac 2000)を、完成した積層を覆うように置いた。真空バギングフィルムを、シーラントテープ(Airtech AT200−Yテープ)を使用して、成形型表面に固定し、出口ポートに真空を適用して、28インチHg〜29インチHgの間の真空レベルに積層から排気した。
GCにより測定して、DCPD(30.05重量パーセント)、TCPD(64.97重量パーセント、及びテトラシクロペンタジエン(4.97重量パーセント)を含む第1の環式オレフィン組成物(7132グラム)を、GCにより測定して、DCPD(75.19重量パーセント)、TCPD(22.33重量パーセント)、及びテトラシクロペンタジエン(2.47重量パーセント)を含む第2の環式オレフィン組成物(2868グラム)と合わせて、計算では、DCPD(43.00重量パーセント)、TCPD(52.74重量パーセント)及びテトラシクロペンタジエン(4.26重量パーセント)を含む新たな環式オレフィン組成物(10kg)を得た。新たな環式オレフィン組成物は、室温(20〜25℃)で不均一な混合物(すなわち、白色固体を含有する透明な液体)であった。TPP(66グラム)、接着促進剤組成物(A)(400グラム)、Ethanox 4702(200グラム)、及び5−ビニル−2−ノルボルネン(100グラム)を、新たな環式オレフィン組成物に添加して、樹脂組成物を得た。樹脂組成物を、真空下で、20分間撹拌しながら脱気した。樹脂組成物を、触媒組成物(A)(200グラム)を添加することによって触媒して、ROMP組成物を形成し、これを真空下で少なくとも1分間撹拌しながらさらに脱気した。少なくとも1分後に、ROMP組成物の撹拌を止め、真空源のクランプを緩め、ROMP組成物を周囲空気で埋め戻した。次いで、周囲圧力と排気した複合体積層との間の圧力勾配によって、ROMP組成物(20〜25℃)を複合体積層に注入した。注入が完了した後、複合体積層を1℃/分の加熱速度で100℃に加熱して、100℃で30分間保持した後、周囲温度(20〜25℃)に冷却させて、その後に型から出した。型から出したガラス複合積層は、目に見える欠陥を有した。さらに、注入中に、白色固体がROMP組成物から析出し、注入を困難とし、特に白色固体が樹脂注入媒体に集まることによって、複合体積層への樹脂の流れを遅くした(触媒後の注入時間は90分であった)。
(例15〜20)
環式オレフィン組成物(C)を真空下、周囲温度(20〜25℃)で20分間脱気した。脱気した環式オレフィン組成物(C)は、GCにより測定して、DCPD(37.17重量パーセント)、TCPD(59.28重量パーセント)、及びTeCPD(3.55重量パーセント)を含んだ。脱気した環式オレフィン組成物(C)の6個の個別の試料(試料1個当たり100グラム)を、2グラムの触媒組成物(A)、(B)、(D)、(E)、(F)、又は(G)を添加することによって触媒して、周囲温度(20〜25℃)で6個の独立したROMP組成物を形成した。6個の独立したROMP組成物を、それぞれ、6個の個別の70℃に予熱したアルミニウム成形型(6インチ×4インチ×1/4インチ)に注ぎ入れた。得られた成形したポリマーパネルについての結果を表6に要約する。
(例21)
環式オレフィン組成物(E)を真空下、周囲温度(20〜25℃)で20分間脱気した。脱気した環式オレフィン組成物(E)は、GCにより測定して、DCPD(79.88重量パーセント)及びTCPD(20.12重量パーセント)を含んだ。脱気した環式オレフィン組成物(E)(100グラム)を、2グラムの触媒組成物(D)を添加することによって触媒して、周囲温度(20〜25℃)でROMP組成物を形成した。ROMP組成物を、70℃に予熱したアルミニウム成形型(6インチ×4インチ×1/4インチ)に注ぎ入れた。成形したポリマーパネルは、目に見える欠陥を有した。
(例22〜23)
環式オレフィン組成物(C)を真空下、周囲温度(20〜25℃)で20分間脱気した。脱気した環式オレフィン組成物(C)は、GCにより測定して、DCPD(37.17重量パーセント)、TCPD(59.28重量パーセント)、及びTeCPD(3.55重量パーセント)を含んだ。脱気した環式オレフィン組成物(C)(600グラム)を、12グラムの触媒組成物(D)を添加することによって触媒して、周囲温度(20〜25℃)でROMP組成物を形成した。ROMP組成物を、70℃に予熱したアルミニウム成形型(1.5インチ×1.5インチ×12インチ)に注ぎ入れた。得られた成形したポリマーパネルについての結果を表7に要約する。
環式オレフィン組成物(F)を真空下、周囲温度(20〜25℃)で20分間脱気した。脱気した環式オレフィン組成物(F)は、GCにより測定して、DCPD(66.00重量パーセント)、TCPD(31.54重量パーセント)、及びTeCPD(2.46重量パーセント)を含んだ。脱気した環式オレフィン組成物(F)(600グラム)を、12グラムの触媒組成物(D)を添加することによって触媒して、周囲温度(20〜25℃)でROMP組成物を形成した。ROMP組成物を、70℃に予熱したアルミニウム成形型(1.5インチ×1.5インチ×12インチ)に注ぎ入れた。得られた成形したポリマーパネルについての結果を表7に要約する。
(例24)
環式オレフィン組成物(G)を真空下、周囲温度(20〜25℃)で20分間脱気した。脱気した環式オレフィン組成物(G)は、GCにより測定して、DCPD(58.58重量パーセント)、TCPD(39.44重量パーセント)、及びTeCPD(1.98重量パーセント)を含んだ。脱気した環式オレフィン組成物(G)(100グラム)を、2グラムの触媒組成物(G)を添加することによって触媒して、周囲温度(20〜25℃)でROMP組成物を形成した。ROMP組成物を、70℃に予熱したアルミニウム成形型(6インチ×4インチ×1/4インチ)に注ぎ入れた。成形したポリマーパネルは、目に見える欠陥を有さなかった。
(例25)
環式オレフィン組成物(C)を真空下、周囲温度(20〜25℃)で20分間脱気した。脱気した環式オレフィン組成物(C)は、GCにより測定して、DCPD(37.17重量パーセント)、TCPD(59.28重量パーセント)、及びTeCPD(3.55重量パーセント)を含んだ。脱気した環式オレフィン組成物(C)(50グラム)を、1グラムの触媒組成物(G)を添加することによって触媒して、周囲温度(20〜25℃)でROMP組成物を形成した。ROMP組成物を、70℃に予熱したアルミニウム成形型(6インチ×4インチ×1/8インチ)に注ぎ入れた。成形したポリマーパネルは、目に見える欠陥を有さなかった。
(例26)
環式オレフィン組成物(D)を真空下、周囲温度(20〜25℃)で20分間脱気した。脱気した環式オレフィン組成物(D)は、GCにより測定して、DCPD(90.04重量パーセント)及びTCPD(9.96重量パーセント)を含んだ。脱気した環式オレフィン組成物(D)(100グラム)を、2グラムの触媒組成物(G)を添加することによって触媒して、周囲温度(20〜25℃)でROMP組成物を形成した。ROMP組成物を、70℃に予熱したアルミニウム成形型(6インチ×4インチ×1/4インチ)に注ぎ入れた。成形したポリマーパネルは、目に見える欠陥を有さなかった。
(例27〜29)
DCPD樹脂の引火点測定は、ASTM D93(Pensky Martens法)によって測定して、DCPD含有量が減少すれば、引火点における上昇を示す(表8を参照のこと)。
(例30〜31)
樹脂組成物の引火点測定は、ASTM D93(Pensky Martens法)によって測定して、TCPD含有量が増加すれば(DCPD含有量が減少すれば)、引火点における上昇を示す(表9を参照のこと)。
(例32)
脱気した環式オレフィン組成物(G)は、GCにより測定して、DCPD(58.58重量パーセント)、TCPD(39.44重量パーセント)、及びTeCPD(1.98重量パーセント)を含み、周囲温度(20〜25℃)で均一な無色透明の液体であった。環式オレフィン組成物(G)の2回分(10mLアリコート)を個別のガラス瓶に入れ、ねじ蓋で密閉した。一方のアリコートを周囲温度(20〜25℃)で保存し、他方のアリコートを10℃で保存した。24時間後、どちらのアリコートも均一な無色透明の液体であった。
計算で25wt%のDCPD及び75wt%のTCPDを含む環式オレフィン組成物(26グラム)を70℃に加熱して、均一な無色透明の液体を調製した。この環式オレフィン組成物(25wt%のDCPD及び75wt%のTCPD)の2回分(10mLアリコート)を個別のガラス瓶に入れ、ねじ蓋で密閉した。一方のアリコートを周囲温度(20〜25℃)で保存し、他方のアリコートを10℃で保存した。5時間後、周囲温度(20〜25℃)で保存されたアリコートは、無色透明の液体及び白色固体沈殿物を含有する不均一混合物であった。5時間後、10℃で保存されたアリコートは、白色固体であった。
本発明に包含され得る諸態様は、以下のように要約される。
[態様1]
35.00〜70.00重量パーセントのトリシクロペンタジエン;
0.01〜4.00重量パーセントのテトラシクロペンタジエン;及び
64.99〜26.00重量パーセントのジシクロペンタジエン
を含む環式オレフィン組成物。
[態様2]
環式オレフィン組成物を含む樹脂組成物であって、
環式オレフィン組成物が、35.00〜70.00重量パーセントのトリシクロペンタジエン、0.01〜4.00重量パーセントのテトラシクロペンタジエン、及び64.99〜26.00重量パーセントのジシクロペンタジエンを含む、上記樹脂組成物。
[態様3]
少なくとも1種の金属カルベンオレフィンメタセシス触媒を含む触媒組成物;並びに
環式オレフィン組成物を含む樹脂組成物であって、環式オレフィン組成物が、35.00〜70.00重量パーセントのトリシクロペンタジエン、0.01〜4.00重量パーセントのテトラシクロペンタジエン、及び64.99〜26.00重量パーセントのジシクロペンタジエンを含む、上記樹脂組成物
を含むROMP組成物。
[態様4]
ROMPポリマーを製造するための方法であって、
少なくとも1種の金属カルベンオレフィンメタセシス触媒を含む触媒組成物を準備すること;
環式オレフィン組成物を含む樹脂組成物であって、環式オレフィン組成物が、35.00〜70.00重量パーセントのトリシクロペンタジエン、0.01〜4.00重量パーセントのテトラシクロペンタジエン、及び64.99〜26.00重量パーセントのジシクロペンタジエンを含む、上記樹脂組成物を準備すること;
上記触媒組成物と上記樹脂組成物とを組み合わせて、ROMP組成物を形成すること;並びに
ROMP組成物の重合を促進するのに有効な条件にROMP組成物を曝すこと
を含む上記方法。
[態様5]
ROMPポリマー複合体を製造するための方法であって、
少なくとも1種の金属カルベンオレフィンメタセシス触媒を含む触媒組成物を準備すること;
環式オレフィン組成物を含む樹脂組成物であって、環式オレフィン組成物が、35.00〜70.00重量パーセントのトリシクロペンタジエン、0.01〜4.00重量パーセントのテトラシクロペンタジエン、及び64.99〜26.00重量パーセントのジシクロペンタジエンを含む、上記樹脂組成物を準備すること;
上記触媒組成物と上記樹脂組成物とを組み合わせて、ROMP組成物を形成すること;
ROMP組成物と基材材料とを接触させること;並びに
ROMP組成物の重合を促進するのに有効な条件にROMP組成物を曝すこと
を含む上記方法。
[態様6]
樹脂組成物と少なくとも1種の金属カルベンオレフィンメタセシス触媒を含む触媒組成物とを含む製造品であって、樹脂組成物が環式オレフィン組成物を含み、環式オレフィン組成物が、35.00〜70.00重量パーセントのトリシクロペンタジエン、0.01〜4.00重量パーセントのテトラシクロペンタジエン、及び64.99〜26.00重量パーセントのジシクロペンタジエンを含む、上記製造品。
[態様7]
上記態様4又は上記態様5に記載の方法により製造された製造品。
[態様8]
ポリマー物品を調製するための環式オレフィン組成物の使用であって、ポリマー物品がROMP組成物の重合反応により形成され、ROMP組成物が、樹脂組成物と少なくとも1種の金属カルベンオレフィンメタセシス触媒を含む触媒組成物とを含み、樹脂組成物が、35.00〜70.00重量パーセントのトリシクロペンタジエン、0.01〜4.00重量パーセントのテトラシクロペンタジエン、及び64.99〜26.00重量パーセントのジシクロペンタジエンを含む環式オレフィン組成物を含む、上記使用。
[態様9]
ポリマー複合体物品を調製するための環式オレフィン組成物の使用であって、ポリマー複合体物品が、基材材料と接触したROMP組成物の重合反応により形成され、ROMP組成物が、樹脂組成物と少なくとも1種の金属カルベンオレフィンメタセシス触媒を含む触媒組成物とを含み、樹脂組成物が、35.00〜70.00重量パーセントのトリシクロペンタジエン、0.01〜4.00重量パーセントのテトラシクロペンタジエン、及び64.99〜26.00重量パーセントのジシクロペンタジエンを含む環式オレフィン組成物を含む、上記使用。