JPH11322905A - シクロオレフィン類の重合方法及び成形品の製造方法 - Google Patents

シクロオレフィン類の重合方法及び成形品の製造方法

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JPH11322905A
JPH11322905A JP15274198A JP15274198A JPH11322905A JP H11322905 A JPH11322905 A JP H11322905A JP 15274198 A JP15274198 A JP 15274198A JP 15274198 A JP15274198 A JP 15274198A JP H11322905 A JPH11322905 A JP H11322905A
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JP
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group
carbon atoms
polymerization
metathesis polymerization
metathesis
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JP15274198A
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English (en)
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Akio Aihara
章雄 相原
Akira Sasaki
昭 佐々木
Tomoaki Aoki
知明 青木
Toyoji Oshima
外代次 大島
Toru Kimura
徹 木村
Takayuki Igarashi
孝行 五十嵐
Norio Honda
則夫 本田
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Showa Denko Materials Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Chemical Co Ltd
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Publication date
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  • Polyoxymethylene Polymers And Polymers With Carbon-To-Carbon Bonds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】ジシクロペンタジエン等のシクロオレフィン類
を原料とし、ハンドレイアップ、スプレイアップ等のオ
ープンモールド法で成形品の製造が可能な方法を提供す
る。 【解決手段】メタセシス重合可能なシクロオレフィン類
をメタセシス重合触媒の存在下に、大気に接触させた状
態で重合させ、成形品を得る。メタセシス重合触媒とし
ては、ルテニウム・カルベン触媒が好適に使用できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、メタセシス重合可
能なシクロオレフィン類の重合方法及び成形品の製造方
法に関し、更に詳しくは、メタセシス重合触媒を使用し
て大気(特別の処置を施さないで通常の操業を行ってい
る周囲の雰囲気)と接触させた状態、いわゆる開放状態
で原料シクロオレフィン類を重合する方法と、成形品の
製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】シクロオレフィン類がメタセシス(複分
解)触媒系によって開環重合することは知られている。
例えば、J.Am.Chem.Soc.,第82巻,2
337ページ(1960年)にはノルボルネンがメタセ
シス触媒系によって開環重合することが記載されてお
り、Angew.Chem.Int.Edn.,第3
巻,723ページ(1964年)にはシクロペンテンが
メタセシス触媒系[MoCl5/Al(C253]によ
って開環重合することが記載されている。また、シクロ
オレフィン類を開環重合してポリマーを製造する方法も
知られている。例えば、特開昭50−130900号公
報や特開昭52−33000号公報にはタングステンや
モリブデンなどのハロゲン化物と有機アルミニウム化合
物とから成るメタセシス触媒系を用いて、開環重合ポリ
マーを製造する方法が開示されている。
【0003】一方、ジシクロペンタジエンやトリシクロ
ペンタジエン等のノルボルネン型シクロオレフィン類を
塊状重合させて、架橋重合体成形物を得る方法も知られ
ている。例えば、特開昭58−127728号公報や特
開昭58−129013号公報には、メタセシス触媒系
の触媒成分及びノルボルネン型シクロオレフィン類との
混合物から成る溶液Aと、メタセシス触媒系の活性化剤
及びノルボルネン型シクロオレフィン類との混合物から
成る溶液Bとを反応射出成形(RIM)法により架橋重
合体成形物を製造する方法が開示されている。
【0004】特開昭59−51911号公報には、タン
グステン及びモリブデンの有機アンモニウム塩から選ば
れた触媒成分とアルコキシアルキルアルミニウムハライ
ド及びアリールオキシアルミニウムハライドから選ばれ
た活性化剤とを組み合わせたメタセシス触媒系を用いて
ノルボルネン型シクロオレフィン類を反応射出成形して
架橋重合体成形物を製造する方法が開示されている。ま
た、特開平3−205409号公報には、六塩化タング
ステン及びオキシ四塩化タングステンから選ばれた触媒
成分と塩化ジエチルアルミニウム及び二塩化エチルアル
ミニウムから選ばれた活性化剤とを組み合わせたメタセ
シス触媒系を用いて、反応射出成形法で架橋したジシク
ロペンタジエン重合体を製造する方法が開示されてい
る。
【0005】前記したメタセシス触媒系では、触媒成分
は活性化剤によって活性化され、ノルボルネン型シクロ
オレフィン類を開環重合させることが分かっている。ま
た、上記反応射出成形を行う場合には、溶液Aと溶液B
を衝突混合させ、その混合液は直ちに金型内に液状のま
ま注入され、塊状で開環重合される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記活性化剤
として使用される有機アルミニウム化合物は反応性が高
く、水や酸素が存在すると直ちにこれらと反応して触媒
活性化作用は失われる。そこで、反応射出成形を行う場
合は、大気中の水や酸素の混入をできる限り排除するた
めに成形材料(溶液Aおよび溶液B)を不活性ガスで満
たした容器中に保管したり、分割型金型を閉じた状態で
形成される空間中で塊状重合させる必要がある。そのた
め、ハンドレイアップ、スプレイアップ、引抜き成形、
フィラメントワインディング成形等のオープンモールド
法により成形品を製造することが困難で、成形品の用途
が限定されていた。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、シクロオ
レフィン類を大気と接触した状態で重合や成形を行った
場合にも、硬化不良を起こさずに所定の形状と特性を有
する重合体成形物を得ることができれば、これを電気絶
縁用部品や回路形成用基板等の電気・電子用部品等へと
用途が格段に広がることに着目して種々検討した結果、
特定のメタセシス重合触媒を使用する方法に到達し、本
発明を完成するに至った。すなわち、本発明(第1の発
明)は、メタセシス重合可能なシクロオレフィン類をメ
タセシス重合触媒の存在下に、大気に接触させた状態で
重合させることを特徴とする、シクロオレフィン類の重
合方法に関するものである。
【0008】また、本発明(第2の発明)は、メタセシ
ス重合可能なシクロオレフィン類をメタセシス重合触媒
の存在下に、大気に接触させた状態で重合とともに成形
することを特徴とする、成形品の製造方法に関するもの
である。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明(第1の発明)の重合方法
においては、メタセシス重合触媒(常温で、通常は固
体)をメタセシス重合可能なシクロオレフィン類(常温
で、通常は液体のモノマー)に溶解し、必要に応じて、
酸化防止剤、反応調整剤、充てん材、改質剤、離型剤、
着色剤、光安定剤、難燃剤等の添加剤を加えて原料液と
し、この原料液を大気に接触させた状態で、加熱し、重
合させる。以下に順次、具体的に説明する。
【0010】ここで用いられるメタセシス重合触媒は、
従来知られているような触媒成分と活性化剤とを組み合
わせた2液系複分解触媒系とは異なり、空気中の酸素や
水分によって容易にその触媒活性を失わずに、メタセシ
ス重合性シクロオレフィン系化合物を複分解(メタセシ
ス)反応で開環重合させることができる触媒である。
【0011】このようなメタセシス重合触媒として好ま
しいものは、次の一般式(A)で表される化合物であ
る。
【化5】 Mはルテニウム又はオスミウムを示す。X及びX1はそ
れぞれ独立にアニオン性配位子を示す。アニオン性配位
子は、中心金属への配位を外したときに陰性電荷をもつ
基のことである。このような基としては、例えば、水
素、ハロゲン、CF3CO2、CH3CO2、CFH2
2、(CH33CO、(CF32(CH3)CO、(C
3)(CH32CO、炭素数1〜5のアルキル基、炭
素数1〜5のアルコキシ基、フェニル基、フェノキシ
基、トシル基、メシル基、トリフルオロメタンスルホネ
ート基等があり、特に好ましいものは両方共にハロゲン
(特に、塩素)である。L及びL1はそれぞれ独立に中
性の電子供与基を示す。中性の電子供与基は、中心金属
への配位を外したときに中性電荷をもつ基のことであ
る。このような基としては、例えば、PR234(こ
こで、R2は2級のアルキル基又はシクロアルキル基、
3及びR4はそれぞれ独立に、アリール基、炭素数1〜
10の1級アルキル基もしくは2級アルキル基、シクロ
アルキル基を示す。)で表されるホスフィン系電子供与
基や、ピリジン、p−フルオロピリジン等があり、特に
好ましいものは、両方共に−P(シクロヘキシル)3
−P(シクロペンチル)3、又は−P(イソプロピル)3
である。
【0012】Q及びQ1は、それぞれ独立に水素、アル
キル基、アルケニル基又は芳香族基を示す。アルキル基
としては炭素数1〜20のアルキル基、アルケニル基と
しては炭素数2〜20のアルケニル基、芳香族基として
はアリール基等があり、前記アルキル基、アルケニル基
又は芳香族基は置換基を有していてもよい。
【0013】更に好ましいメタセシス重合触媒は、次の
一般式(A’)で表される化合物である。
【化6】 ここで、M、X、X1、L及びL1は、一般式(A)におけ
る意味と同じである。R1及びR2はそれぞれ独立に炭素
数1〜18のアルキル基、炭素数2〜18のアルケニル
基、炭素数2〜18のアルキニル基、アリール基、炭素
数1〜18のカルボキシレート基、炭素数1〜18のア
ルコキシ基、炭素数2〜18のアルケニルオキシ基、炭
素数2〜18のアルキニルオキシ基、炭素数2〜18の
アリルオキシ基、炭素数2〜18のアルコキシカルボニ
ル基、炭素数1〜18のアルキルチオ基、炭素数1〜1
8のアルキルスルホニル基又は炭素数1〜18のアルキ
ルスルフィニル基を示し、R3は水素、アリール基又は
炭素数1〜18のアルキル基を示す。
【0014】一般式(A)又は一般式(A’)で表され
る化合物(触媒)の具体的なものは、例えば、式(1)
〜(8)に挙げるようなRuカルベン触媒である。
【化7】
【0015】
【化8】
【0016】上記化合物(触媒)の合成法は、すでに知
られている。例えば、Journal of American Chemical S
ociety 第118巻、100ページ(1996年)には、シクロプロ
ペン誘導体を用いる方法が示されている。<スキーム1
【化9】
【0017】また、上と同じ文献において次式で示され
るジアゾ化合物を用いる方法も示されている。<スキー
ム2>
【化10】
【0018】また、Organometallics 第16巻、18号、38
67ページ(1997年)には、次式で示されるプロパギルク
ロライドを使用する方法も示されている。<スキーム3
【化11】
【0019】更に、Organometallics 第16巻、18号、40
01ページ(1997年)によれば、次のような方法(スキー
ム4及びスキーム5)も示されている。
【化12】
【化13】
【0020】合成例(スキーム3参照、R6及びR7:メ
チル基) 500mlのFisher−Porter bottl
eにシクロオクタジエンルテニウムジクロライド(21
mmol)、トリシクロヘキシルホスフィン(42mm
ol)、水酸化ナトリウム(7.2g)、酸素を除去し
たsec−ブタノール250mlを入れ、水素2気圧下
で90℃で加熱する。水素の吸収が終了するまで数回加
圧を繰り返し、一晩撹拌を続ける。水素の圧力をかけた
ままで室温まで冷却し、淡黄色の沈殿物を得る。水30
mlを加え沈殿物を濾過し、水素気流中で乾燥して、R
u(H)2(H22(Pcy32を得る(収率約80
%)。次に、このRu(H)2(H22(Pcy3
2(1.5mmol)をジクロロエタン溶液30mlに
溶解し、−30℃に冷却する。3−クロロ−3−メチル
−1−ブチン(1.5mmol)を加える。溶液は即座
に赤紫に変わり、そのまま15分反応させる。冷却浴を
はずし、脱ガスしたメタノール(20ml)を加えると
紫色の結晶が沈殿する。メタノールで洗浄し、乾燥させ
て目的の触媒〔式(3)の化合物〕を得る(収率95
%)。(参考文献:Organometallics 第16巻、18号、38
67ページ(1997年))
【0021】メタセシス重合触媒は、単独に又は2種類
以上を組み合わせて使用できる。また、メタセシス重合
触媒の使用量は、反応を進行させるのに必要な量とす
る。触媒の種類により変わるが、メタセシス重合可能な
シクロオレフィン類100重量部に対し0.001〜2
0重量部、好ましくは0.01〜5重量部である。
【0022】原料として用いられるシクロオレフィン類
は、メタセシス重合に有用なものであればいずれでも良
く特に制限はない。中でも置換又は非置換のノルボルネ
ン、ジシクロペンタジエン、ジヒドロジシクロペンタジ
エンなどのノルボルネン型シクロオレフィン類が好適に
用いられる。
【0023】ノルボルネン系シクロオレフィン類として
は、ノルボルネン、メチルノルボルネン、ジメチルノル
ボルネン、エチルノルボルネン、エチリデンノルボルネ
ン、ブチルノルボルネン、などの二環ノルボルネン、ジ
シクロペンタジエン(シクロペンタジエンの二量体)、
ジヒドロジシクロペンタジエン、メチルジシクロペンタ
ジエン、ジメチルジシクロペンタジエン、などの三環ノ
ルボルネン、テトラシクロドデセン、メチルテトラシク
ロドデセン、ジメチルシクロテトラドデセンなどの四環
ノルボルネン、トリシクロペンタジエン(シクロペンタ
ジエンの三量体)、テトラシクロペンタジエン(シクロ
ペンタジエンの四量体)などの五環以上のノルボルネン
が挙げられる。また、2個以上のノルボルネン基を有す
る化合物、例えば、ノルボルナジエン、テトラシクロド
デカジエン、対称型トリシクロペンタジエン等を多官能
架橋剤として用いることもできる。
【0024】これらの中で、入手の容易さ、経済性など
からジシクロペンタジエン、メチルテトラシクロドデセ
ン、エチリデンノルボルネン、トリシクロペンタジエ
ン、テトラシクロペンタジエンが好ましく、ジシクロペ
ンタジエンが特に好ましい。
【0025】これらのノルボルネン型シクロオレフィン
類は単独で、また複数の混合物として用いることもでき
るが、好ましくは、50重量%以上のジシクロペンタジ
エンとその他にトリシクロペンタジエン及び/又はテト
ラシクロペンタジエンを含む混合物である。
【0026】なお、上記ノルボルネン系シクロオレフィ
ン類と開環共重合し得る(ノルボルネン系以外の)シク
ロブテン、シクロペンテン、シクロオクテン、シクロド
デセン、テトラヒドロインデン、メチルテトラヒドロイ
ンデンなどのシクロオレフィン類を、本発明の目的を損
なわない範囲で混合使用することができる。
【0027】通常の市販されているジシクロペンタジエ
ンは、ビニルノルボルネン、テトラヒドロインデン、メ
チルビニルノルボルネン、メチルテトラヒドロインデ
ン、メチルジシクロペンタジエン、ジメチルジシクロペ
ンタジエン、トリシクロペンタジエン等を不純物として
含んでいることがあり、種々の純度のジシクロペンタジ
エンが市販されている。本発明に使用するジシクロペン
タジエンとしては、得られるポリマーの使用目的によっ
ても異なるが、通常80重量%以上の純度のものが、好
ましくは90重量%以上の純度のものが使用される。
【0028】ジシクロペンタジエンの使用にあたって
は、予め加熱処理することにより、ジシクロペンタジエ
ンの一部をトリシクロペンタジエンやテトラシクロペン
タジエン等のシクロペンタジエンオリゴマーにしたり、
不純物であるビニルノルボルネンやメチルビニルノルボ
ルネンをテトラヒドロインデンやメチルテトラヒドロイ
ンデンに異性化したりすることができる。加熱処理は通
常120〜250℃で、0.5〜10時間程度である。
【0029】本発明の第1の発明において、「大気に接
触させた状態で重合させる」とは、「雰囲気を窒素ガス
等で置換する等の特別な処置を施すことなく、通常の空
気雰囲気(雰囲気中には酸素や湿気も含まれる。)中で
重合させる」の意味であり、したがって、シクロオレフ
ィン類にメタセシス重合触媒を溶解又は分散させた原料
液(重合体を形成する過程のものを含む。)の表面は大
気と接触した状態で重合させる。このとき、シクロオレ
フィン類の表面(すなわち、シクロオレフィン類にメタ
セシス重合触媒を溶解又は分散させた原料液の表面)が
大気と接触する面積はその全表面積に対して1%未満で
あっても重合反応は進行するが、それが1%から100
%の範囲であっても、重合反応は硬化阻害なく進行す
る。なお、ここで「シクロオレフィン類の全表面積」と
は、所定の形状を与えるために供給した原料液の外側の
全表面積の意味であり、通常は、得られる成形物の有す
る全表面積と等しい。
【0030】重合反応には、原料モノマーに予め含まれ
ている分以外の酸化防止剤を加えることができる。酸化
防止剤としてはヒンダードフェノール系酸化防止剤等が
あり、例えば、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフ
ェノール、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノ
ール、ステアリル−β−(3,5−ジ−t−ブチル−4
−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、テトラキス−
〔メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’
−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕メタン、2,
2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェ
ノール)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−
t−ブチルフェノール)、4,4’−メチレンビス
(2,6−ジ−t−ブチルフェノ−ル)、1,3,5−
トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブ
チル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、1,3,5
−トリス(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロ
キシベンジル)−S−トリアジン−2,4,6−(1
H、3H、5H)トリオン等が挙げられる。新たに加え
る酸化防止剤の添加量は、通常は、10,000ppm
以下であるが、10,000ppmを越えて添加しても
差し支えない。
【0031】汎用の原料モノマーであるジシクロペンタ
ジエンには、既に2,6−ジ−t−ブチル−4−メチル
フェノール,4−t−ブチルカテコール等の酸化防止剤
が含有されている。本発明の重合反応において、この酸
化防止剤をそのまま使用してもよく、新たに添加しても
よい。場合によっては除去してもよい。
【0032】重合反応には反応調整剤を加えることがで
き、物性、外観、作業性を考慮して、更に、充てん材、
改質剤、離型剤、着色剤、光安定剤、難燃剤等を添加す
ることができる。反応調整剤としては、トリフェニルフ
ォスフィン、トリシクロヘキシルフォスフィン、トリシ
クロペンチルフォスフィン、トリブチルフォスフィン、
トリイソプロピルフォスフィン等の反応抑制剤があり、
通常、DCPD樹脂液に対し0.001〜10重量%を
加えることができる。充てん材としては、例えば、珪
砂、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、クレーなど
の無機系充填材、木粉、ポリエステルやポリスチレンビ
ーズなどの有機系充填材が挙げられる。その使用量は、
重合体の物性、原材料液の粘度などにより、適宜決める
ことができる。
【0033】改質剤としては例えば、エラストマー、天
然ゴム、ブタジエン系ゴム、ポリメタクリル酸メチル、
ポリ酢酸ビニル、ポリスチレンなどが挙げられる。その
使用量は目的とする重合体の物性にもよるが通常樹脂1
00重量部に対し1〜50重量部の範囲で用いることが
できる。離型剤としては例えば、ステアリン酸亜鉛、シ
リコンオイル、フッ素オイルなどが挙げられ、通常樹脂
100重量部に対し0.01〜5重量部添加することが
できる。
【0034】着色剤としては、二酸化チタン、コバルト
ブルー、カドミウムイェローなどの無機顔料、カーボン
ブラック、アニリンブラック、フタロシアニン、キナク
ドリンなどの有機系顔料が挙げられる。
【0035】耐候性付与剤としては、紫外線吸収剤と光
安定剤が挙げられる。紫外線吸収剤としては、例えばフ
ェニルサリシレート、パラ−t−ブチルフェニルサリシ
レートなどのサリチル酸系紫外線吸収剤、2,4−ジヒ
ドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキ
シベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’
ジメトキシベンゾフェノンなどのベンゾフェノン系紫外
線吸収剤、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェ
ニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−
3’,5’−ジ−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾ
ール2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ア
ミルフェニル)ベンゾトリアゾールなどのベンゾトリア
ゾール系紫外線吸収剤、2−エチルヘキシル−2−シア
ノ−3,3’−ジフェニルアクリレート、エチル−2−
シアノ−3,3’−ジフェニルアクリレートなどのシア
ノアクリレート系紫外線吸収剤が挙げられる。これらは
単独又は2種類以上組み合わせて使用しても良い。
【0036】また耐候性を高めるため、上記紫外線吸収
剤とともにビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−
ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−
ペンタメチル−4−ピペリジニル)セバケート、コハク
酸ジメチル・1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒド
ロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン重縮
合物などのヒンダードアミン系光安定剤を添加してもよ
い。
【0037】難燃剤としては、ヘキサブロムベンゼン、
テトラブロムビスフェノールA、デカブロムジフェニル
オキサイド、トリブロムフェノール、ジブロモフェニル
グリシジルエーテル、、パークロロペンタシクロデカ
ン、ヘット酸誘導体等のハロゲン系化合物が単独または
2種以上併用される。また、リン酸トリス(ジクロロプ
ロピル)、リン酸トリス(ジブロモプロピル)などのリ
ン酸化合物、ホウ酸化合物なども併用できる。さらに、
助難燃剤としては三酸化アンチモン、酸化鉄、水素化ア
ルミなどが挙げられ、これらを難燃剤と併用するとより
難燃効果が高められる。通常ハロゲン系難燃剤は樹脂1
00重量部に対し1〜50重量部で三酸化アンチモン等
の助難燃剤は1〜15重量部の範囲で用いられる。ま
た、水酸化アルミニウムや水酸化マグネシウムなどの水
和物も難燃を目的とした充てん材として併用することが
できる。これらの添加量は樹脂100重量部に対し10
〜300重量部の範囲で用いることが好ましい。
【0038】本発明の重合反応では、重合反応を進める
ため加熱する。加熱の操作は、1段階加熱でも2段階加
熱でもよい。1段階加熱とする場合は、その温度は、通
常80〜250℃、好ましくは100〜200℃であ
る。2段階加熱とする場合は、1段階目の温度は、通常
は20〜100℃、好ましくは40〜60℃であり、2
段階目の温度は、通常は80〜250℃、好ましくは1
00〜200℃である。また、重合の時間は触媒の量お
よび重合温度により適宜決めることができる。
【0039】第2の発明の成形品の製造方法において
は、メタセシス重合触媒(常温で、通常は固体)をメタ
セシス重合可能なシクロオレフィン類(常温で、通常は
液体のモノマー)に溶解し、必要に応じて、酸化防止
剤、充てん材、改質剤、離型剤、着色剤、光安定剤、難
燃剤等の添加剤を加えて原料液とし、金型(型枠)を用
いて、この原料液を大気に接触させた状態で、加熱しな
がら、重合とともに成形し、成形品を製造する。以下、
順次、具体的に説明する。
【0040】上記製造方法において、用いられるメタセ
シス重合触媒、メタセシス重合可能なシクロオレフィン
類及び添加剤(酸化防止剤、充てん材、改質剤、離型
剤、着色剤、光安定剤、難燃剤等)は、第1の発明の重
合方法で記述したものと同じである。
【0041】用いることができる成形法は、ハンドレイ
アップ、スプレーアップ、注型、回転、遠心、押出、引
抜、フィラメントワインディング、フィラメントスプレ
ーなどの成形法で、通常は、金型を用いる。成形品の用
途や生産量に応じて、適宜、成形法を選び、また、型の
形状や材質を選ぶことができる。
【0042】図1〜図7に、金型を用いて成形する場合
の、金型によって成形される原料液(又は重合体)の配
置状況(断面略図)を示す。図1は断面凹状の金型を用
いてその窪み部に原料液(又は重合体)を充填して成形
する場合、図2は広がりのある断面凹状の金型を用いて
その窪み部に原料液(又は重合体)を充填して成形する
場合、図3は断面台形状の金型の上に原料液(又は重合
体)を載置して成形する場合、図4は上下分割型の金型
の中でその壁に沿って一定厚みで原料液(又は重合体)
を供給し成形する場合、図5は円筒状の金型の中でその
壁に沿って一定厚みで原料液(又は重合体)を供給し成
形する場合、図6は円筒状の金型の表面上に一定厚みで
原料液(又は重合体)を供給し成形する場合、図7は押
出成形で原料液(又は重合体)を成形する場合の、それ
ぞれの金型と原料液(又は重合体)の配置を示す。
【0043】前記金型を使用した成形法以外の方法によ
っても成形品を製造することができる。例えば、円筒形
や箱形の基材の中で重合体を製造して基材と一体となっ
た成形品(製品又は半製品)を製造する等である。ま
た、基材の上に薄膜状に重合体を製造して基材と一体と
なった成形品(製品又は半製品)を製造することも可能
である。薄膜状の重合体を製造する方法としては、刷毛
塗り、フィルム塗工、スピンコート、シート加工等の方
法がある。
【0044】
【実施例】以下、本発明を実施例により説明する。なお
実施例中、部とあるのは特に限定しない限り重量部を意
味する。また、実施例において得られた重合体の評価方
法は以下の通りである。 引張特性:JIS K7113に準拠して測定 曲げ特性:JIS K7203に準拠して測定
【0045】実施例1 [重合体製造用原料液の調製]純度98重量%のジシク
ロペンタジエン(DCPD)を約30℃に加熱し、DC
PD100部にトリフェニルホスフィン0.13部を加
えて溶かし、式(3)のRuカルベン触媒0.1部を加
えて、重合体製造用原材料とした。
【0046】[重合体製造用成形型の製作]縦200m
m、横200mm、厚さ10mmのアルミニウムブロッ
クを上面から縦100mm、横50mm、深さ4mmの
大きさで研削加工し、図1に示すような重合体製造用の
金型とした。
【0047】[成形]前記の方法で製作した型全体を通
常の雰囲気でホットプレート上に載せ、型の温度を40
℃に保った。次いで、前記の重合体製造用原料液を型に
流し込み、40℃で2時間、次いで130℃で30分間
加熱して重合体を得た。ここで、原材料の供給から重合
の完了までの間、重合体の上面部分は大気に直接接触し
た状態であった。得られた重合体を型から取り外し各物
性を測定した結果、以下の通りであった。 引張強さ: 54MPa 引張弾性率:2240MPa 曲げ強さ: 76MPa 曲げ弾性率:2000MPa
【0048】
【発明の効果】請求項1〜4の重合方法によれば、メタ
セシス重合可能なシクロオレフィン類を大気に接触させ
た状態で重合や成形を行うことができる。そのため、各
種のクローズドモールド成形法(レジントランスファー
モールディング、レジンインジェクション等)はもとよ
り、例えば、ハンドレイアップ、スプレイアップ、引抜
き成形、フィラメントワインディング成形等のオープン
モールド法や注型等の成形法により成形品を製造するこ
とができ、成形物の形状の自由度を飛躍的に拡大するこ
とができる。請求項5〜8の製造方法で製造された成形
品(製品又は半製品)は、ライニング材、パイプ、容器
に、また、エレクトロニクス分野における絶縁ワニス、
絶縁シート、封止材など多くの分野へ応用が可能であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】断面凹状の金型を用いてその窪み部に原料液
(又は重合体)を充填して成形する場合の金型と原料液
の配置を示す断面略図。
【図2】広がりのある断面凹状の金型を用いてその窪み
部に原料液(又は重合体)を充填して成形する場合の金
型と原料液の配置を示す断面略図。
【図3】断面台形状の金型の上に原料液(又は重合体)
を載置して成形する場合の金型と原料液の配置を示す断
面略図。
【図4】上下分割型の金型の中でその壁に沿って一定厚
みで原料液(又は重合体)を成形する場合の金型と原料
液の配置を示す断面略図。
【図5】円筒状の金型の中でその壁に沿って一定厚みで
原料液(又は重合体)を成形する場合の金型と原料液の
配置を示す断面略図。
【図6】円筒状の金型の表面上に一定厚みで原料液(又
は重合体)を成形する場合の金型と原料液の配置を示す
断面略図。
【図7】押出成形で原料液(又は重合体)を成形する場
合の金型と原料液の配置を示す断面略図。
【符号の説明】
1:原料液(又は重合体) 2:金型(雌型) 3:金型(雌型) 4、5:金型(分割型) 6:金型(円筒状) 7:金型(管状)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大島 外代次 東京都新宿区西新宿二丁目1番1号 日立 化成工業株式会社内 (72)発明者 木村 徹 茨城県下館市大字下江連1250番地 日立化 成工業株式会社結城工場内 (72)発明者 五十嵐 孝行 茨城県下館市大字下江連1250番地 日立化 成工業株式会社結城工場内 (72)発明者 本田 則夫 茨城県下館市大字下江連1250番地 日立化 成工業株式会社結城工場内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】メタセシス重合可能なシクロオレフィン類
    をメタセシス重合触媒の存在下に、大気に接触させた状
    態で重合させる、シクロオレフィン類の重合方法。
  2. 【請求項2】シクロオレフィン類の全表面積のうちの1
    %以上の面積が大気に接触した状態で重合させる、請求
    項1記載の重合方法。
  3. 【請求項3】メタセシス重合触媒として次の一般式
    (A) 【化1】 (Mはルテニウム又はオスミウム、X及びX1は、アニ
    オン性配位子、L及びL1は、中性の電子供与基、Q及
    びQ1は、それぞれ独立に水素、アルキル基、アルケニ
    ル基又は芳香族基を示し、アルキル基、アルケニル基又
    は芳香族基は置換基を有していてもよい。)で表される
    化合物を用いる、請求項1又は請求項2の製造方法。
  4. 【請求項4】メタセシス重合触媒として次の一般式
    (A’) 【化2】 (Mはルテニウム又はオスミウムを示し、X及びX1
    それぞれ独立にアニオン性配位子を示し、L及びL1
    それぞれ独立に中性の電子供与基を示し、R1及びR2
    それぞれ独立に炭素数1〜18のアルキル基、炭素数2
    〜18のアルケニル基、炭素数2〜18のアルキニル
    基、アリール基、炭素数1〜18のカルボキシレート
    基、炭素数1〜18のアルコキシ基、炭素数2〜18の
    アルケニルオキシ基、炭素数2〜18のアルキニルオキ
    シ基、炭素数2〜18のアリルオキシ基、炭素数2〜1
    8のアルコキシカルボニル基、炭素数1〜18のアルキ
    ルチオ基、炭素数1〜18のアルキルスルホニル基又は
    炭素数1〜18のアルキルスルフィニル基を示し、R3
    は水素、アリール基又は炭素数1〜18のアルキル基を
    示す。)で表される触媒を用いる、請求項1又は請求項
    2の製造方法。
  5. 【請求項5】メタセシス重合可能なシクロオレフィン類
    をメタセシス重合触媒の存在下に、大気に接触させた状
    態で重合とともに成形する、成形品の製造方法。
  6. 【請求項6】シクロオレフィン類の全表面積のうちの1
    %以上の面積が大気に接触した状態で重合とともに成形
    する、請求項5記載の製造方法。
  7. 【請求項7】メタセシス重合触媒として次の一般式
    (A) 【化3】 (Mはルテニウム又はオスミウム、X及びX1は、アニ
    オン性配位子、L及びL1は、中性の電子供与基、Q及
    びQ1は、それぞれ独立に水素、アルキル基、アルケニ
    ル基又は芳香族基を示し、アルキル基、アルケニル基又
    は芳香族基は置換基を有していてもよい。)で表される
    化合物を用いる、請求項5又は請求項6の製造方法。
  8. 【請求項8】メタセシス重合触媒として次の一般式
    (A’) 【化4】 (Mはルテニウム又はオスミウムを示し、X及びX1
    それぞれ独立にアニオン性配位子を示し、L及びL1
    それぞれ独立に中性の電子供与基を示し、R1及びR2
    それぞれ独立に炭素数1〜18のアルキル基、炭素数2
    〜18のアルケニル基、炭素数2〜18のアルキニル
    基、アリール基、炭素数1〜18のカルボキシレート
    基、炭素数1〜18のアルコキシ基、炭素数2〜18の
    アルケニルオキシ基、炭素数2〜18のアルキニルオキ
    シ基、炭素数2〜18のアリルオキシ基、炭素数2〜1
    8のアルコキシカルボニル基、炭素数1〜18のアルキ
    ルチオ基、炭素数1〜18のアルキルスルホニル基又は
    炭素数1〜18のアルキルスルフィニル基を示し、R3
    は水素、アリール基又は炭素数1〜18のアルキル基を
    示す。)で表される触媒を用いる、請求項5又は請求項
    6の製造方法。
JP15274198A 1998-03-17 1998-06-02 シクロオレフィン類の重合方法及び成形品の製造方法 Pending JPH11322905A (ja)

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