JPH11322903A - 充填材入りシクロオレフィン系重合体成形物の製造法 - Google Patents

充填材入りシクロオレフィン系重合体成形物の製造法

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JPH11322903A
JPH11322903A JP13329598A JP13329598A JPH11322903A JP H11322903 A JPH11322903 A JP H11322903A JP 13329598 A JP13329598 A JP 13329598A JP 13329598 A JP13329598 A JP 13329598A JP H11322903 A JPH11322903 A JP H11322903A
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metathesis
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Masami Yusa
正己 湯佐
Toyoji Oshima
外代次 大島
Shunichi Numata
俊一 沼田
Noburu Kikuchi
宣 菊地
Hiromasa Kawai
宏政 河合
Suchen Chu Robert
スウチェン チュウ ロバート
Tomoaki Aoki
知明 青木
Hitoshi Yamazaki
仁 山崎
Yoshiki Inoue
芳樹 井上
Kazuyuki Tanaka
一行 田中
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Abstract

(57)【要約】 【課題】充填材中の付着水分の悪影響(硬化阻害)も受
けないで種々のオープンモールド成形法にも適用でき
る、充填材入りシクロオレフィン系重合体成形物の製造
法。 【解決手段】Ruカルベン触媒(Cl)2(Pcy32
Ru=CH−CH=C(CH22の存在下に、1種又は
2種以上のメタセシス重合性シクロオレフィン系化合物
を、0.01重量%以上0.3重量%未満の水分を含有
する充填材とともに重合・成形し、充填材入りシクロオ
レフィン系重合体成形物を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ジシクロペンタジ
エンやトリシクロペンタジエン等のノルボルネン型シク
ロオレフィン類を原料とする複合プラスチック、すなわ
ち充填材入りシクロオレフィン系重合体成形物の製造法
に関する。
【0002】
【従来の技術】シクロオレフィン類が複分解(メタセシ
ス)重合触媒系によって開環重合することは知られてい
る。例えば、J.Am.Chem.Soc.,196
0,Vol.82, 2337にはノルボルネンが複分解触
媒系によって開環重合することが記載されており、An
gew.Chem.Int.Edn.,1964, Vo
l.3,723にはシクロペンテンが複分解触媒系[Mo
Cl5/Al(C253]によって開環重合することが
記載されている。また、シクロオレフィン類を開環重合
してポリマーを製造する方法も知られている。例えば、
特開昭50−130900号公報や特開昭52−330
00号公報にはタングステンやモリブデン等のハロゲン
化物と有機アルミニウム化合物とから成る複分解触媒系
を用いて、開環重合ポリマーを製造する方法が開示され
ている。
【0003】一方、ジシクロペンタジエンやトリシクロ
ペンタジエン等のノルボルネン型シクロオレフィン類を
反応射出成形(RIM)により塊状重合させて、架橋重
合体成形物を得る方法も知られている。例えば、特開昭
58−127728号公報や特開昭58−129013
号公報には、複分解触媒系の触媒成分及びモノマーとの
混合物から成る溶液Aと、複分解触媒系の活性化剤及び
モノマーとの混合物から成る溶液Bとを反応射出成形
(RIM)して架橋重合体成形物を得る方法が開示され
ている。
【0004】特開昭59−51911号公報には、タン
グステン及びモリブデンの有機アンモニウム塩から選ば
れた触媒成分とアルコキシアルキルアルミニウムハライ
ド及びアリールオキシアルミニウムハライドから選ばれ
た活性化剤とを組み合わせた複分解触媒系を用いて、ノ
ルボルネン型シクロオレフィン類を反応射出成形して架
橋重合体成形物を製造する方法が開示されている。
【0005】また、特開平3−205409号公報に
は、六塩化タングステン及びオキシ四塩化タングステン
から選ばれた触媒成分と塩化ジエチルアルミニウム及び
二塩化エチルアルミニウムから選ばれた活性化剤とを組
み合わせた複分解触媒系を用いて、反応射出成形法で架
橋したジシクロペンタジエン重合体を製造する方法が開
示されている。これらの複分解触媒系では、触媒成分は
活性化剤によって活性化され、ノルボルネン型シクロオ
レフィン類を開環重合させることが分かっている。ま
た、上記反応射出成形を行う場合には、溶液Aと溶液B
を衝突混合させ、その混合液は直ちに金型内に液状のま
ま注入され、塊状で開環重合される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来のメタセ
シス触媒を用いた系では空気中の酸素や水分による触媒
の失活の問題があるため、金型内等を使用し成形時に触
媒と空気の接触がない、いわゆるクローズドモールディ
ングしか適用できないという問題がある。例え金型を使
用しても、使用する材料自体に付着した水分や反応液に
接する金型表面には水分や酸素が付着しやすく、そのた
め特に成形物の表面で開環重合反応が十分に進行せず、
成形型の表面が次第に汚れて成形物表面に肌あれやピン
ホールが発生したり、臭気(主として未反応の原料モノ
マーに由来する)を発生させる等の問題がある。この問
題を解決する方法として金型内を不活性ガスで置換する
方法が提案されている(特開昭63−112125号公
報,特開平1−215519号公報)が装置が大がかり
となることや操作が煩雑になる問題が残る。更に、特に
大型の成形物の場合、この方法では反応液が接する金型
表面に付着する水分や酸素を低減することは困難であ
る。
【0007】また、充填材を使用して成形物を製造する
場合、使用する充填材を常態で保存すると、通常0.0
1重量%から0.3重量%の水分が付着してしまう。そ
のため、ノルボルネン型シクロオレフィン類をメタセシ
ス重合性触媒系で開環重合させると、この付着水分の影
響で触媒が失活し、硬化阻害が起こる問題がある。
【0008】本発明は、ジシクロペンタジエンやトリシ
クロペンタジエン等のノルボルネン型シクロオレフィン
類を原料とする複合プラスチック、すなわち充填材入り
シクロオレフィン系重合体成形物の製造法であって、ク
ローズドモールド成形法だけでなく、種々のオープンモ
ールド成形も適用でき、充填材の付着水分の悪影響(硬
化阻害)も受けない製造法を提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、メタセシ
ス重合触媒の存在下にノルボルネン型シクロオレフィン
類を原料とし充填材を含有したプラスチック成形物を安
定に製造する方法を種々検討した結果、常態で保存した
充填材を用いた場合であっても、特定のメタセシス重合
触媒を用いれば、優れた特性の複合プラスチック成形物
が安定して得られることを見出し、本発明を完成した。
【0010】すなわち、本発明は、メタセシス重合触媒
の存在下に、1種又は2種以上のメタセシス重合性シク
ロオレフィン系化合物を、0.01重量%以上0.3重
量%未満の水分を含有する充填材とともに重合・成形す
ることを特徴とする、充填材入りシクロオレフィン系重
合体成形物の製造法である。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明において、用いることので
きるメタセシス重合触媒は、従来知られているような触
媒成分と活性化剤とを組み合わせた2液系の複分解触媒
系とは異なり、空気中の酸素や水分によって容易に触媒
活性を失わずにメタセシス重合性シクロオレフィン系化
合物を複分解(メタセシス)反応で開環重合させること
ができる触媒である。このような触媒としては、次の一
般式(A)で表される化合物がある。
【化2】
【0012】Mはルテニウム又はオスミウムを示す。X
及びX1それぞれ独立にアニオン性配位子を示す。アニ
オン性配位子は、中心金属への配位を外したときに陰性
電荷をもつ基のことである。このような基としては、例
えば、水素、ハロゲン、CF3CO2、CH3CO2、CF
2CO2、(CH33CO、(CF32(CH3)C
O、(CF3)(CH32CO、炭素数1〜5のアルキ
ル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、フェニル基、フェ
ノキシ基、トシル基、メシル基、トリフルオロメタンス
ルホネート基等があり、特に好ましいものは両方共にハ
ロゲン(特に、塩素)である。L及びL1はそれぞれ独
立に中性の電子供与基を示す。中性の電子供与基は、中
心金属への配位を外したときに中性電荷をもつ基のこと
である。このような基としては、例えば、PR234
(ここで、R2は2級のアルキル基又はシクロアルキル
基、R3及びR4はそれぞれ独立に、アリール基、炭素数
1〜10の1級アルキル基もしくは2級アルキル基、シ
クロアルキル基を示す。)で表されるホスフィン系電子
供与基や、ピリジン、p−フルオロピリジン等があり、
特に好ましいものは、両方共に−P(シクロヘキシル)
3、−P(シクロペンチル)3、又は−P(イソプロピ
ル)3である。
【0013】Q及びQ1は、それぞれ独立に水素、アル
キル基、アルケニル基又は芳香族基を示す。アルキル基
としては炭素数1〜20のアルキル基、アルケニル基と
しては炭素数2〜20のアルケニル基、芳香族基として
はアリール基等があり、前記アルキル基、アルケニル基
又は芳香族基は置換基を有していてもよい。
【0014】更に好ましいメタセシス重合触媒は、次の
一般式(A’)で表される化合物である。
【化3】 ここで、M、X、X1、L及びL1は、一般式(A)にお
ける意味と同じである。R1及びR2はそれぞれ独立に炭
素数1〜18のアルキル基、炭素数2〜18のアルケニ
ル基、炭素数2〜18のアルキニル基、アリール基、炭
素数1〜18のカルボキシレート基、炭素数1〜18の
アルコキシ基、炭素数2〜18のアルケニルオキシ基、
炭素数2〜18のアルキニルオキシ基、炭素数2〜18
のアリルオキシ基、炭素数2〜18のアルコキシカルボ
ニル基、炭素数1〜18のアルキルチオ基、炭素数1〜
18のアルキルスルホニル基又は炭素数1〜18のアル
キルスルフィニル基を示し、R3は水素、アリール基又
は炭素数1〜18のアルキル基を示す。
【0015】一般式(A)又は一般式(A’)で表され
る化合物(触媒)の具体的なものは、例えば、式(1)
〜(8)に挙げるようなRuカルベン触媒である。
【化4】
【0016】
【化5】
【0017】上記化合物(触媒)の合成法は、すでに知
られている。例えば、Organometallics 第16巻、18号、
3867ページ(1997年)には、次のスキームで示されるよ
うにプロパギルクロライドを使用する方法が示されてい
る。
【化6】
【0018】合成例(上記スキーム参照、R6及びR7
メチル基) 500mlのFisher−Porter bottl
eにシクロオクタジエンルテニウムジクロライド(21
mmol)、トリシクロヘキシルホスフィン(42mm
ol)、水酸化ナトリウム(7.2g)、酸素を除去し
たsec−ブタノール250mlを入れ、水素2気圧下
で90℃で加熱する。水素の吸収が終了するまで数回加
圧を繰り返し、一晩撹拌を続ける。水素の圧力をかけた
ままで室温まで冷却し、淡黄色の沈殿物を得る。水30
mlを加え沈殿物を濾過し、水素気流中で乾燥して、R
u(H)2(H22(Pcy32を得る(収率約80
%)。次に、このRu(H)2(H22(Pcy3
2(1.5mmol)をジクロロエタン溶液30mlに
溶解し、−30℃に冷却する。3−クロロ−3−メチル
−1−ブチン(1.5mmol)を加える。溶液は即座
に赤紫に変わり、そのまま15分反応させる。冷却浴を
はずし、脱ガスしたメタノール(20ml)を加えると
紫色の結晶が沈殿する。メタノールで洗浄し、乾燥させ
て前記式(4)のRuカルベン触媒(Cl)2(Pc
32Ru=CH−CH=C(CH32を得る(収率9
5%)。(参考文献:Organometallics 第16巻、18号、
3867ページ(1997年))
【0019】本発明で用いられる原料のシクロオレフィ
ン系化合物としては、メタセシス重合において有用なも
のであればいずれでも良い。中でも置換又は非置換のノ
ルボルネン、ジシクロペンタジエン、ジヒドロジシクロ
ペンタジエン等のノルボルネン系化合物が好適に用いら
れる。ノルボルネン系化合物としては、ノルボルネン、
メチルノルボルネン、ジメチルノルボルネン、エチルノ
ルボルネン、エチリデンノルボルネン、ブチルノルボル
ネン、等の二環ノルボルネン、ジシクロペンタジエン
(シクロペンタジエンの二量体)、ジヒドロジシクロペ
ンタジエン、メチルジシクロペンタジエン、ジメチルジ
シクロペンタジエン、等の三環ノルボルネン、テトラシ
クロドデセン、メチルテトラシクロドデセン、ジメチル
シクロテトラドデセン等の四環ノルボルネン、トリシク
ロペンタジエン(シクロペンタジエンの三量体)、テト
ラシクロペンタジエン(シクロペンタジエンの四量体)
等の五環以上のノルボルネンが挙げられる。また、2個
以上のノルボルネン基を有する化合物、例えばノルボル
ナジエン、テトラシクロドデカジエン、対称型トリシク
ロペンタジエン等を多官能架橋剤として用いることもで
きる。
【0020】これらの中で、入手の容易さ、経済性等か
らジシクロペンタジエン、メチルテトラシクロドデセ
ン、エチリデンノルボルネン、トリシクロペンタジエ
ン、テトラシクロペンタジエンが好ましく、ジシクロペ
ンタジエンが特に好ましい。これらのノルボルネン系化
合物は単独で、また複数の混合物として用いることもで
きるが、好ましくは、50重量%以上のジシクロペンタ
ジエンとその他にトリシクロペンタジエン及び/又はテ
トラシクロペンタジエンを含む混合物である。
【0021】なお、上記ノルボルネン系化合物と開環共
重合し得る(ノルボルネン系以外の)シクロブテン、シ
クロペンテン、シクロオクテン、シクロドデセン、テト
ラヒドロインデン、メチルテトラヒドロインデン等のシ
クロオレフィン類を、本発明の目的を損なわない範囲で
混合使用することができる。なお、通常の市販されてい
るジシクロペンタジエンは、ビニルノルボルネン、テト
ラヒドロインデン、メチルビニルノルボルネン、メチル
テトラヒドロインデン、メチルジシクロペンタジエン、
ジメチルジシクロペンタジエン、トリシクロペンタジエ
ン等を不純物として含んでいることがあり、種々の純度
のジシクロペンタジエンが市販されている。本発明に使
用するジシクロペンタジエンとしては、得られるポリマ
ーの使用目的によっても異なるが、通常80重量%以上
の純度のものが、好ましくは90重量%以上の純度のも
のが使用される。
【0022】ジシクロペンタジエンの使用にあたって
は、事前に加熱処理することにより、ジシクロペンタジ
エンの一部をトリシクロペンタジエンやテトラシクロペ
ンタジエン等のシクロペンタジエンオリゴマーにした
り、不純物であるビニルノルボルネンやメチルビニルノ
ルボルネンをテトラヒドロインデンやメチルテトラヒド
ロインデンに異性化したりすることができる。加熱処理
は通常120〜250℃で、0.5〜10時間程度であ
る。
【0023】また、本発明で用いるノルボルネン系化合
物には必要に応じて酸化防止剤を加えることができる。
なお、通常の市販されているジシクロペンタジエンには
既に2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール,
4−t−ブチルカテコール等の酸化防止剤が含有されて
いる。使用にあたって、含有している酸化防止剤を除去
したり、新たに添加したりすることができる。
【0024】用いられる酸化防止剤としては、酸化防止
能があれば特に制限はなく、好ましいものとしてはヒン
ダードフェノール系の酸化防止剤があり、2,6−ジ−
t−ブチル−4−メチルフェノール、2,6−ジ−t−
ブチル−4−エチルフェノール、ステアリル−β−
(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)
プロピオネート、テトラキス−〔メチレン−3−
(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェ
ニル)プロピオネート〕メタン、2,2’−メチレンビ
ス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,
2’−メチレンビス(4−エチル−6−t−ブチルフェ
ノール)、4,4’−メチレンビス(2,6−ジ−t−
ブチルフェノ−ル)、1,3,5−トリメチル−2,
4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロ
キシベンジル)ベンゼン、1,3,5−トリス(3’,
5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシベンジル)−
S−トリアジン−2,4,6−(1H、3H、5H)ト
リオン等が挙げられる。酸化防止剤の添加量は、通常1
0〜10,000ppmである。
【0025】触媒としては前記したようなものがあり、
その添加量は重合性シクロオレフィン系化合物100重
量部に対し0.001〜20重量部であるが、経済性及
び硬化速度の理由から好ましくは0.01〜5重量部で
ある。
【0026】本発明で用いられる充填材は、得られる重
合体成形物の収縮率や弾性率等の機械的特性の向上を目
的として含有させるもので、粉体状もしくは粒体状又は
繊維状の無機充填材及び有機充填材がある。本発明で用
いられる充填材は、付着水分量が0.01重量%以上0.
3重量%未満の範囲のものとする。付着水分量が0.0
1重量%未満の充填材であっても使用可能であるが、付
着水分量を0.01重量%未満とするために加熱処理等
の水分除去操作を要するので不経済である。また、0.
3重量%以上の充填材では硬化性が悪くなるので好まし
くない。ここで、付着水分量は充填材を150℃で1時
間加熱した後の重量減少分から算出される。
【0027】本発明で用いられる充填材の種類として
は、例えば、酸化チタン、酸化ジルコン、酸化アンチモ
ン、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、
水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、炭酸カルシ
ウム、タルク、カオリンクレー、マイカ、ネフエリンシ
ナイト、シリカ、シリカゲル、溶融シリカ、合成ケイ
酸、石英粉、珪石粉、ケイソー土、硫酸バリウム、硫酸
カルシウム、軽石粉、ガラスバルン、ウイスカー等の無
機系充填材、木粉、ポリエステルやポリスチレン、アク
リル樹脂、尿素樹脂等の樹脂ビーズ、カーボン繊維、カ
ーボンブラック等の有機系充填材が挙げられ、これら2
種類以上を混合して使用しても良い。また、充填材の使
用量は、重合物の物性、樹脂液の粘度等により、適宜決
めることができ、通常はメタセシス重合性シクロオレフ
ィン化合物100重量部に対し、0.1重量部〜300
重量部である。
【0028】本発明で用いられる充填材は表面処理を施
されていても良く、その表面処理用シランカップリング
剤は、通常式YSiX(Yは官能基を有し、Siに結合
する1価の基、Xは加水分解性を有しSiに結合する1
価の基)で表される。上記Y中の官能基としては、例え
ばビニル、アミノ、エポキシ、クロロ、メルカプト、メ
タクリルオキシ、シアノ、カルバメート、ピリジン、ス
ルホニルアジド、尿素、スチリル、クロロメチル、アン
モニウム塩、アルコール等の基がある。Xとしては、例
えばクロル、メトキシ、エトキシ、メトキシエトキシ等
がある。
【0029】上記シランカップリング剤の具体例として
は、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリメトキシシラ
ン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(2−メ
トキシエトキシ)シラン、ビニルトリアセトキシシラ
ン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−アミ
ノプロピルトリエトキシシラン、γ−(2−アミノエチ
ル)−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカ
プトプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプ
ロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシ
クロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−メタク
リルオキシプロピルトリメトキシシラン、N,N−ジメ
チルアミノフェニルトリエトキシシラン、トリメトキシ
シリル安息香酸、クロロメチルフェネチルトリメトキシ
シラン、2−スチリルエチルトリエトキシシラン、アミ
ノエチルアミノメチルフェネチルトリメトキシシラン、
γ−クロロフェニルトリメトキシシラン、N−フェニル
アミノプロピルトリメトキシシラン、アリルトリエトキ
シシラン、3−アミノプロピルメチルジエトキシシラ
ン、3−アミノトリメトキシシラン、
【0030】ビス(2−ヒドロキシエチル)アミノプロ
ピルトリエトキシシラン、ビス{3−(トリエトキシシ
リル)プロピル}アミン、ビス{3−(トリエトキシシ
リル)プロピル}エチレンジアミン、2−クロロエチル
トリエトキシシラン、クロロメチルトリエトキシシラ
ン、クロロフェニルトリエトキシシラン、3−シアノプ
ロピルトリエトキシシラン、N,N−ジエチル−3−ア
ミノプロピルトリメトキシシラン、N,N−ジエチルア
ミノフェニルトリエトキシシラン、1−(ジメチルクロ
ロシリル)−2−(クロロメチルフェニル)エタン、イ
ソシアナートプロピルトリエトキシシラン、メルカプト
エチルトリエトキシシラン、メタクリルオキシエチルジ
メチル(3−トリメトキシシリルプロピル)アンモニウ
ムクロライド、N−メチルアミノプロピルトリエトキシ
シラン、3−(N−スチリルメチル−2−アミノエチル
アミノ)プロピルトリメトキシシラン塩酸塩、1−トリ
クロロシリル−2−(クロロメチルフェニル)エタン、
β−トリクロロシリル−4−エチルピリジン、トリエト
キシシリルプロピルエチルカルバメート、N−(トリエ
トキシシリルプロピル)尿素、1−トリメトキシシリル
−2−(アミノメチル)フェニルエタン、1−トリメト
キシシリル−2−(クロロメチル)フェニルエタン、2
−(トリメトキシシリル)エチルフェニルスルホニルア
ジド、トリメトキシシリルプロピルアリルアミン、トリ
メトキシシリルプロピルジエチレントリアミン、p−ア
ミノフェニルトリメトキシシラン、2−スチリルエチル
トリメトキシシラン、アミノエチルメチルフェネチルト
リメトキシシラン、6−トリエトキシシリル−2−ノル
ボルネン及びその誘導体等が挙げられ、これらを混合し
て使用することも可能である。
【0031】前記シランカップリング剤には、エポキシ
樹脂、フェノール樹脂、ビスマレイミド樹脂、シアナー
トエスエル樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリ
スチレン、ポリイミド、ポリアミド、ポリエステル、シ
ロキサンポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリエステ
ルイミド等の樹脂を含んでもよい。また、これらの樹脂
を使用する場合、必要に応じて硬化剤、硬化促進剤、触
媒等を使用してもよい。
【0032】充填材の表面を処理する際に用いられる処
理液としては、前記したシランカップリング剤自体が液
状の場合は、これをそのまま用いることもできるが、通
常は水又は有機溶剤の溶液として用いることが好まし
い。
【0033】有機溶剤としてはシランカップリング剤及
びその他の成分を溶解できるものであれば特に制限する
ものではない。メタノール、エタノール、プロピルアル
コール、イソプロピルアルコール等のアルコールのほ
か、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチル
ケトン、ベンゼン、トルエン、キシレン、ジメチルホル
ムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピ
ロリドン、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ジオ
キサン、テトラヒドロフラン、エチレングリコールジメ
チルエーテル等が使用され、水を含めこれらは2種類以
上を混合して使用してもよい。
【0034】処理液中のシランカップリング剤濃度とし
ては、0.001〜10重量%で、好ましくは0.01〜
5重量%である。0.001重量%よりも少ないと樹脂
と充填材界面の接着力向上の効果が少なく、10重量%
より多いと経済的に好ましくない。処理の温度及び時間
は特に制限するものではないが、通常は0〜100℃、
0.5〜10分で、好ましくは20〜50℃,5秒〜3
分である。
【0035】この触媒を用いた重合性シクロオレフィン
系化合物の重合では、前記した充填材以外に、重合体成
形物の物性や外観、又は作業性等を考慮して必要に応じ
て、ガラス繊維、ガラスマット、改質剤、重合速度調節
剤、離型剤、着色剤、光安定剤、難燃剤等を添加するこ
とができる。
【0036】改質剤としては例えば、エラストマー、天
然ゴム、ブタジエン系ゴム、スチレンーブタジエン共重
合体(SBR)、スチレンーブタジエンースチレンブロ
ック共重合体(SBS)、ポリメタクリル酸メチル、ポ
リ酢酸ビニル、ポリスチレン、エポキシ樹脂、フェノー
ル樹脂、ビスマレイミド樹脂、シアナートエスエル樹
脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリスチレン、ポ
リイミド、ポリアミド、ポリエステル、シロキサンポリ
イミド、ポリエーテルイミド、ポリエステルイミド等が
挙げられる。その使用量は目的とする樹脂硬化物の物性
にもよるが、通常、重合性シクロオレフィン系化合物1
00重量部に対し1〜50重量部の範囲で用いることが
できる。
【0037】重合速度調節剤としては、例えばトリフェ
ニルフォスフィンが挙げられる。離型剤としては例え
ば、ステアリン酸亜鉛、シリコンオイル、フッ素オイル
等が挙げられ、通常、重合性シクロオレフィン系化合物
100重量部に対し0.01〜5重量部添加することが
できる。着色剤としては、二酸化チタン、コバルトブル
ー、カドミウムエロー等の無機顔料、カーボンブラッ
ク、アニリンブラック、フタロシアニン、キナクドリン
等の有機系顔料が挙げられる。
【0038】耐候性付与剤としては、紫外線吸収剤と光
安定剤が挙げられる。紫外線吸収剤としては、例えばフ
ェニルサリシレート、パラ−t−ブチルフェニルサリシ
レート等のサリチル酸系紫外線吸収剤、2,4−ジヒド
ロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ
ベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4'ジメ
トキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン系紫外線吸収
剤、2−(2'−ヒドロキシ−5'−メチルフェニル)ベ
ンゾトリアゾール、2−(2'−ヒドロキシ−3',5'−
ジ−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール2−
(2'−ヒドロキシ−3',5'−ジ−t−アミルフェニ
ル)ベンゾトリアゾール等のベンゾトリアゾール系紫外
線吸収剤、2−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3'−
ジフェニルアクリレート、エチル−2−シアノ−3,3'
−ジフェニルアクリレート等のシアノアクリレート系紫
外線吸収剤が挙げられる。これらは単独又は2種類以上
併用しても良い。
【0039】また耐候性を高めるため、上記紫外線吸収
剤とともにビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピ
ペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタ
メチル−4−ピペリジニル)セバケート、コハク酸ジメ
チル・1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ
−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン重縮合物等の
ヒンダードアミン系光安定剤を添加してもよい。
【0040】難燃剤としては、ヘキサブロムベンゼン、
テトラブロムビスフェノールA、デカブロムジフェニル
オキサイド、トリブロムフェノール、ジブロモフェニル
グリシジルエーテル、パークロロペンタシクロデカン、
ヘット酸誘導体等のハロゲン系化合物が単独又は2種以
上併用される。また、リン酸トリス(ジクロロプロピ
ル)、リン酸トリス(ジブロモプロピル)等のリン酸化
合物、ホウ酸化合物等も併用できる。更に、助難燃剤と
しては三酸化アンチモン、酸化鉄、水素化アルミ等が挙
げられ、これらを難燃剤と併用するとより難燃効果が高
められる。ハロゲン系難燃剤は、通常、重合性シクロオ
レフィン系化合物100重量部に対し1〜50重量部
で、また三酸化アンチモン等の助難燃剤は1〜15重量
部の範囲で用いられる。また、水酸化アルミニウムや水
酸化マグネシウム等の水和物も難燃を目的とした充填材
として併用することができる。これらの添加量は重合性
シクロオレフィン系化合物100重量部に対し10〜3
00重量部の範囲で用いることが好ましい。
【0041】重合・成形は、通常、重合性シクロオレフ
ィン系化合物に触媒を加え溶かしたのち、加熱して行う
ことができる。樹脂液に触媒を加え溶かす際の温度は、
通常は0〜70℃、好ましくは室温〜50℃である。重
合・成形体を得るための加熱の操作は1段階加熱でも2
段階加熱でもよい。1段階加熱とする場合は、その温度
は、通常80〜250℃、好ましくは100〜200℃
であり、2段階加熱とする場合は、1段階目の温度は、
通常は60〜130℃、好ましくは80〜110℃であ
り、2段階目の温度は、通常は80〜250℃、好まし
くは100〜200℃である。また、重合の時間は触媒
の量及び重合温度により適宜決めることができる。
【0042】重合・成形体を得るには、一般に用いられ
ている成形法が適用できる。例えば、ハンドレイアップ
やスプレイアップ等の積層成形法、プレス成形法、フィ
ラメントワインディング法、注入成形法、遠心成形法、
真空又は加圧バック法、連続成形法、引抜き成形法、射
出成形法等が挙げられる。
【0043】
【実施例】以下本発明を実施例により説明する。なお実
施例中、部とは特に限定しない限り重量部を意味する。
【0044】(DCPD樹脂液)純度約98重量%のジ
シクロペンタジエン(DCPDとする)90重量部にト
リシクロペンタジエン(TCPDとする)10重量部を
添加してDCPD樹脂液を作製した。
【0045】実施例1〜7 表1上段に示す樹脂配合物を空気雰囲気下で注型金型を
使用して80℃で1h硬化し、続いて130℃で2hの
アフタキュアを行い成形物を得た。充填材の付着水分量
は150℃で1時間加熱後の重量変化率から算出した。
なお、Ruカルベン触媒としては、前記式(4)で示し
た化合物を用いた。
【0046】<比較例1>撹拌機、コンデンサ、窒素ガ
ス導入管及び温度計を取り付けた2リットルの4つ口フ
ラスコにプロピレングリコール380部、ネオペンチル
グリコール624部、イソフタル酸747部を仕込み、
窒素ガスをゆっくり流しながらマントルヒータを用いて
1hで150℃に昇温し、更に6hかけて220℃に昇
温した。その温度で5h保温し、酸価8の中間体を得
た。冷却後これに無水マレイン酸539部を仕込み、1
hで150℃に昇温し、更に4hかけて210℃に昇温
した。その温度で保温しながら反応を進め、酸価25の
不飽和ポリエステルを得た。これにハイドロキノン0.
01重量%を溶解したスチレンモノマーに不飽和ポリエ
ステル分が60重量%となるように溶解し、続いて促進
剤として6重量%ナフテン酸コバルト溶液を0.5重量
部添加し、25℃の粘度が0.4Pasの促進剤入り不
飽和ポリエステル樹脂液とした。DCPD樹脂液の代わ
りにこの不飽和ポリエステル樹脂液を用いて表1上段に
示すような配合物を作製し、それを常温でゲル化させた
後,50℃で16hのアフタキュアを行って成形物を得
た。
【0047】<比較例2>実施例と同様のDCPD樹脂
液に対し、ジエチルアルミニウムクロライドを40ミリ
モル濃度、n−プロピルアルコールを52ミリモル濃
度、及び四塩化ケイ素を20ミリモル濃度それぞれを窒
素パージしたドライボックス内で添加しA液とした。ま
た、A液と同様に、DCPD樹脂液に対し、トリデシル
アンモニウムモリブデネートを10ミリモル濃度添加し
B液を作製した。このA液及びB液を、窒素パージした
ドライボックス内で等量づつ混合し、20℃で20分の
ポットライフの内に充填材の配合を行い、80℃で1h
硬化し、続いて130℃で2hのアフタキュアを行い成
形物を得た。
【0048】<比較例3>比較例2と同様にDCPD−
A液及びB液を作製し、混合ならびに成形を空気中で行
った。
【0049】得られた成形物の評価方法は、以下の通り
である。 <機械的特性> 曲げ試験 :JIS−K−7203準拠 試験片形状:80mm×15mm×3mm 試験速度 :2mm/分 試験スパン:48mm 試験数 :n=5 引張り試験:JIS K7113準拠 試験片形状:1号ダンベル 試験速度 :5mm/分 つかみ具間距離:115mm 試験数 :n=5
【0050】<耐煮沸性>約95℃の熱水に試験片を3
00h浸漬し、煮沸試験した後の成形物の曲げ強さを上
記曲げ試験と同様に測定し、曲げ強さの保持率を算出し
比較した。 曲げ強さ保持率(%)=(煮沸試験後曲げ強さ/煮沸試
験前曲げ強さ)×100
【0051】実施例及び比較例の結果を表1下段に示し
た。Ruカルベン触媒を用いると空気中で成形でき、一
定の付着水分量を有する充填材を用いても樹脂は完全に
硬化した。また、成形物の耐煮沸性は不飽和ポリエステ
ル樹脂を用いて作製した成形物と同等以上の特性を有し
ていた。
【0052】
【表1】
【0053】
【発明の効果】請求項1〜3の製造法によれば、ジシク
ロペンタジエンやトリシクロペンタジエン等のノルボル
ネン型シクロオレフィン類を原料とし、使用する充填材
の付着水分に関し特別な処理を施すことなく、クローズ
ドモールド成形法や種々のオープンモールド成形法を適
用して、耐水性、耐煮沸性、機械的特性等の特性に優れ
た複合プラスチック成形物を得ることができる。請求項
1〜3の製造法により得られた複合プラスチックは、耐
水性、耐煮沸性、機械的特性等が要求される用途、例え
ば浄化槽、浴槽、キッチン天板、タンク、ユニットバ
ス、壁パネル、レジャーボート、配線板、波板等の用途
に利用できる。
【手続補正書】
【提出日】平成10年6月4日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【化1】 (Mはルテニウム又はオスミウムを示し、X及びX1
それぞれ独立にアニオン性配位子を示し、L及びL1
それぞれ独立に中性の電子供与基を示し、R1及びR2
それぞれ独立に炭素数1〜18のアルキル基、炭素数2
〜18のアルケニル基、炭素数2〜18のアルキニル
基、アリール基、炭素数1〜18のカルボキシレート
基、炭素数1〜18のアルコキシ基、炭素数2〜18の
アルケニルオキシ基、炭素数2〜18のアルキニルオキ
シ基、炭素数2〜18のアリルオキシ基、炭素数2〜1
8のアルコキシカルボニル基、炭素数1〜18のアルキ
ルチオ基、炭素数1〜18のアルキルスルホニル基又は
炭素数1〜18のアルキルスルフィニル基を示し、R3
は水素、アリール基又は炭素数1〜18のアルキル基を
示す。)で表される化合物である、請求項1の製造法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0014
【補正方法】変更
【補正内容】
【0014】更に好ましいメタセシス重合触媒は、次の
一般式(A’)で表される化合物である。
【化3】 ここで、M、X、X1、L及びL1は、一般式(A)にお
ける意味と同じである。R1及びR2はそれぞれ独立に炭
素数1〜18のアルキル基、炭素数2〜18のアルケニ
ル基、炭素数2〜18のアルキニル基、アリール基、炭
素数1〜18のカルボキシレート基、炭素数1〜18の
アルコキシ基、炭素数2〜18のアルケニルオキシ基、
炭素数2〜18のアルキニルオキシ基、炭素数2〜18
のアリルオキシ基、炭素数2〜18のアルコキシカルボ
ニル基、炭素数1〜18のアルキルチオ基、炭素数1〜
18のアルキルスルホニル基又は炭素数1〜18のアル
キルスルフィニル基を示し、R3は水素、アリール基又
は炭素数1〜18のアルキル基を示す。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0018
【補正方法】変更
【補正内容】
【0018】合成例(上記スキーム参照、R6及びR7
メチル基) 500mlのFisher−Porter bottl
eにシクロオクタジエンルテニウムジクロライド(21
mmol)、トリシクロヘキシルホスフィン(42mm
ol)、水酸化ナトリウム(7.2g)、酸素を除去し
たsec−ブタノール250mlを入れ、水素2気圧下
で90℃で加熱する。水素の吸収が終了するまで数回加
圧を繰り返し、一晩撹拌を続ける。水素の圧力をかけた
ままで室温まで冷却し、淡黄色の沈殿物を得る。水30
mlを加え沈殿物を濾過し、水素気流中で乾燥して、R
u(H)2(H22(Pcy32を得る(収率約80
%)。次に、このRu(H)2(H22(Pcy3
2(1.5mmol)をジクロロエタン溶液30mlに
溶解し、−30℃に冷却する。3−クロロ−3−メチル
−1−ブチン(1.5mmol)を加える。溶液は即座
に赤紫に変わり、そのまま15分反応させる。冷却浴を
はずし、脱ガスしたメタノール(20ml)を加えると
紫色の結晶が沈殿する。メタノールで洗浄し、乾燥させ
て前記式()のRuカルベン触媒(Cl)2(Pc
32Ru=CH−CH=C(CH32を得る(収率9
5%)。(参考文献:Organometallics 第16巻、18号、
3867ページ(1997年))
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0045
【補正方法】変更
【補正内容】
【0045】実施例1〜7 表1上段に示す樹脂配合物を空気雰囲気下で注型金型を
使用して80℃で1h硬化し、続いて130℃で2hの
アフタキュアを行い成形物を得た。充填材の付着水分量
は150℃で1時間加熱後の重量変化率から算出した。
なお、Ruカルベン触媒としては、前記式()で示し
た化合物を用いた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 菊地 宣 茨城県つくば市和台48 日立化成工業株式 会社筑波開発研究所内 (72)発明者 河合 宏政 茨城県つくば市和台48 日立化成工業株式 会社筑波開発研究所内 (72)発明者 ロバート スウチェン チュウ 茨城県つくば市和台48 日立化成工業株式 会社筑波開発研究所内 (72)発明者 青木 知明 茨城県つくば市和台48 日立化成工業株式 会社筑波開発研究所内 (72)発明者 山崎 仁 茨城県つくば市和台48 日立化成工業株式 会社筑波開発研究所内 (72)発明者 井上 芳樹 茨城県つくば市和台48 日立化成工業株式 会社筑波開発研究所内 (72)発明者 田中 一行 茨城県日立市東町4丁目13番1号 日立化 成工業株式会社山崎工場内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】メタセシス重合触媒の存在下に、1種又は
    2種以上のメタセシス重合性シクロオレフィン系化合物
    を、0.01重量%以上0.3重量%未満の水分を含有
    する充填材とともに重合・成形する、充填材入りシクロ
    オレフィン系重合体成形物の製造法。
  2. 【請求項2】メタセシス重合触媒が、次の一般式
    (A’) 【化1】 (Mはルテニウム又はオスミウムを示し、X及びX1
    それぞれ独立にアニオン性配位子を示し、L及びL1
    それぞれ独立に中性の電子供与基を示し、R1及びR2
    それぞれ独立に炭素数1〜18のアルキル基、炭素数2
    〜18のアルケニル基、炭素数2〜18のアルキニル
    基、アリール基、炭素数1〜18のカルボキシレート
    基、炭素数1〜18のアルコキシ基、炭素数2〜18の
    アルケニルオキシ基、炭素数2〜18のアルキニルオキ
    シ基、炭素数2〜18のアリルオキシ基、炭素数2〜1
    8のアルコキシカルボニル基、炭素数1〜18のアルキ
    ルチオ基、炭素数1〜18のアルキルスルホニル基又は
    炭素数1〜18のアルキルスルフィニル基を示し、R3
    は水素、アリール基又は炭素数1〜18のアルキル基を
    示す。)で表される化合物である、請求項1の製造法。
  3. 【請求項3】充填材の使用量がメタセシス重合性シクロ
    オレフィン化合物100重量部に対し0.1重量部〜3
    00重量部である、請求項1又は2の製造法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006088087A1 (ja) * 2005-02-18 2006-08-24 Rimtec Corporation ノルボルネン系樹脂成形体およびその製造方法
WO2008032743A1 (fr) 2006-09-12 2008-03-20 Kuraray Co., Ltd. Composition de résine absorbant l'oxygène
JP2010168484A (ja) * 2009-01-23 2010-08-05 Nippon Zeon Co Ltd 重合性組成物、架橋体および架橋樹脂複合体

Cited By (4)

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