JP2007246921A - 熱可塑性樹脂、架橋樹脂、架橋複合材料および銅張り積層板の製造方法 - Google Patents

熱可塑性樹脂、架橋樹脂、架橋複合材料および銅張り積層板の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】
残留モノマーによる臭気の問題がなく、かつ、保存安定性に優れる熱可塑性樹脂、前記熱可塑性樹脂を加熱溶融・架橋して得られる架橋樹脂、前記熱可塑性樹脂を他の材料と重ね合わせ、加熱溶融・架橋して得られる架橋樹脂複合材料、及び架橋樹脂銅張り積層板の製造方法を提供する。
【解決手段】
分子内にメタセシス開環反応部位を2つ以上有する環状オレフィン(A)を、全モノマー量に対して10重量%以上含有してなるモノマー液を、連鎖移動剤、および、長周期型周期律表第8族の原子を中心金属原子とする遷移金属錯体からなるメタセシス重合触媒の存在下、重合時の最高温度を230℃未満として、塊状重合することを特徴とする後架橋可能な熱可塑性樹脂の製造方法、前記熱可塑性樹脂を加熱溶融し、架橋する架橋樹脂の製造方法、前記熱可塑性樹脂を他の材料(銅箔)と重ね合わせ、該熱可塑性樹脂を加熱溶融し、架橋する架橋樹脂複合材料(架橋樹脂銅張り積層板)の製造方法。
【選択図】 なし。

Description

本発明は、後架橋可能な熱可塑性樹脂の製造方法、並びにこの製造方法により得られた熱可塑性樹脂を加熱溶融し、架橋する工程を有する架橋樹脂、架橋樹脂複合材料および架橋樹脂銅張り積層板の製造方法に関する。
従来から、ジシクロペンタジエンなどの環状オレフィンをメタセシス重合して、銅張り積層板を得る方法が知られている。例えば、特許文献1には、メタセシス触媒系の触媒成分およびモノマーとの混合物からなる溶液Aと、メタセシス触媒系活性化剤およびモノマーとの混合物からなる溶液Bとを、反応射出成形法によりプリント配線板を製造する方法が開示されている。そこでは、メタセシス触媒系として、タングステンやモリブデンなどの有機アンモニウム塩からなる触媒成分と、アルコキシアルキルアルミニウムハライドなどの有機アルミニウムからなる活性化剤とが使用されている。
しかしながら、活性化剤として使用される有機アルミニウムは水や酸素に対して不安定である。そのため、活性化剤として有機アルミニウムを使用する触媒系を用いて反応射出成形を行なう場合には、分割型金型を使用し、該金型を閉じた状態で形成される空間中で塊状重合させる必要があり、通常使用されるプレス成形機を使用することができず、生産性が劣るという問題があった。
この問題を解決すべく、特許文献2には、メタセシス重合可能なシクロオレフィン類を、ルテニウムまたはオスミウムのカルベン錯体の存在下に反応させて半硬化状態とした硬化可能な成形材を得た後、その成形材の少なくとも一方に銅箔を配置し、加熱と加圧を行なう銅張り積層板の製造方法が提案されている。この方法は、原料シクロオレフィン類の重合(メタセシス)反応が完結していない状態(半硬化状態)で硬化可能な成形材を得る第1工程と、この成形材をさらに加熱して完全に硬化させる第2工程とに分けることにより、プレス成形機を使用して銅張り積層板を効率よく製造することを可能としたものである。
しかしながら、上記方法では、半硬化状態の成形材を得たときに、未反応のモノマーが残存し、このものの臭気により作業環境が著しく悪化するという問題があった。また、半硬化状態の成形材を保存する間にも重合反応が進行し、成形材の硬度が変化するために、所望の形状の銅張り積層板を得ることができない場合があった。
特開昭62−52987号公報 特開平2001−71416号公報
本発明は、かかる実情の下になされたものであって、(1)メタセシス重合触媒の存在下、環状オレフィンを塊状重合して得られる後架橋可能な熱可塑性樹脂であって、残留モノマーによる臭気の問題がなく、かつ、保存安定性に優れる熱可塑性樹脂の製造方法、(2)前記熱可塑性樹脂を加熱溶融・架橋する工程を有する架橋樹脂の製造方法、(3)前記熱可塑性樹脂を他の材料(銅箔)と重ね合わせ、加熱溶融し、架橋する工程を有する架橋樹脂複合材料(架橋樹脂銅張り積層板)の製造方法を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題の解決を図るべく鋭意検討を加えた結果、分子内にメタセシス開環反応部位を2つ以上有する環状オレフィン(A)を所定濃度以上含有してなるモノマー液を、連鎖移動剤、および長周期型周期律表第8族の原子を中心金属原子とする遷移金属錯体からなるメタセシス重合触媒の存在下、重合時の最高温度が230℃未満として塊状重合すると、残留モノマーの含有量が少なく(すなわち、メタセシス重合反応率が高く)、かつ、保存安定性に優れる後架橋が可能な熱可塑性樹脂を効率よく得ることができることを見出した。
また本発明者らは、得られた熱可塑性樹脂を加熱溶融・架橋させることで、架橋樹脂が効率よく得られることを見出した。さらに、得られた熱可塑性樹脂と他の材料とを重ね合わせた後に熱プレスを行なうことにより、所望の形状を有する架橋性複合材料が生産性よく得られること、および他の材料として銅箔を用いることにより、層間密着性に優れる架橋樹脂銅張り積層板を製造することができることを見出し、本発明を完成するに到った。
かくして本発明の第1によれば、下記(1)〜(5)の後架橋可能な熱可塑性樹脂の製造方法が提供される。
(1)分子内にメタセシス開環反応部位を2つ以上有する環状オレフィン(A)を、全モノマー量に対して10重量%以上含有してなるモノマー液を、連鎖移動剤、および、長周期型周期律表第8族の原子を中心金属原子とする遷移金属錯体からなるメタセシス重合触媒の存在下、重合時の最高温度を230℃未満として、塊状重合することを特徴とする後架橋可能な熱可塑性樹脂の製造方法。
(2)前記2つ以上のメタセシス開環反応部位が、メタセシス開環反応の反応性が異なるものである(1)に記載の後架橋可能な熱可塑性樹脂の製造方法。
(3)前記環状オレフィン(A)として、ジシクロペンタジエンを用いる(1)または(2)に記載の後架橋可能な熱可塑性樹脂の製造方法。
(4)前記メタセシス重合触媒として、ルテニウムカルベン錯体を用いる(1)〜(3)のいずれかに記載の後架橋可能な熱可塑性樹脂の製造方法。
(5)前記塊状重合を、反応遅延剤の存在下に行う(1)〜(4)のいずれかに記載の後架橋可能な熱可塑性樹脂の製造方法。
本発明の第2によれば、下記(6)に記載の架橋樹脂の製造方法が提供される。
(6)前記(1)〜(5)のいずれかに記載の製造方法により得られた熱可塑性樹脂を加熱溶融し、架橋する工程を有する架橋樹脂の製造方法。
本発明の第3によれば、下記(7)に記載の架橋樹脂複合材料の製造方法が提供される。
(7)前記(1)〜(5)のいずれかに記載の製造方法により得られた熱可塑性樹脂を他の材料と重ね合わせ、該熱可塑性樹脂を加熱溶融し、架橋する工程を有する架橋樹脂複合材料の製造方法。
本発明の第4によれば、下記(8)に記載の架橋樹脂銅張り積層板の製造方法が提供される。
(8)前記(1)〜(5)のいずれかに記載の製造方法により得られた熱可塑性樹脂を銅箔と重ね合わせ、該熱可塑性樹脂を加熱溶融し、架橋する工程を有する架橋樹脂銅張り積層板の製造方法。
本発明の製造方法により得られる後架橋可能な熱可塑性樹脂は、重合反応率が高いものであって、残留モノマーによる臭気の問題がなく、かつ、保存安定性に優れている。
本発明によれば、前記熱可塑性樹脂を加熱溶融・架橋させることにより、生産性よく架橋樹脂を得ることができる。また、前記熱可塑性樹脂を他の材料と重ね合わせて、熱プレス(加熱溶融・架橋)することにより、架橋樹脂複合材料を効率よく得ることができる。
また、前記他の材料として銅箔を使用し、前記熱可塑性樹脂を銅箔と重ね合わせて熱プレスすることにより、銅箔と架橋樹脂との接着強度に優れる架橋樹脂銅張り積層板を、生産性よく製造することができる。
以下、本発明を、1)熱可塑性樹脂の製造方法、2)架橋樹脂の製造方法、3)架橋樹脂複合材料の製造方法、4)架橋樹脂銅張り積層板の製造方法に項分けして詳細に説明する。
1)熱可塑性樹脂の製造方法
本発明の第1は、分子内にメタセシス開環反応部位を2つ以上有する環状オレフィン(A)を、全モノマー量に対して10重量%以上含有してなるモノマー液を、連鎖移動剤、および長周期型周期律表第8族の原子を中心金属原子とする遷移金属錯体からなるメタセシス重合触媒の存在下、重合時の最高温度が230℃未満として、塊状重合することを特徴とする後架橋可能な熱可塑性樹脂の製造方法である。
(1)環状オレフィン(A)
本発明に用いる環状オレフィン(A)は、分子内にメタセシス開環反応部位を2つ以上有する環構造をもつオレフィン化合物である。ここで、「メタセシス開環反応部位」とは、炭素−炭素二重結合であって、メタセシス重合反応によって該二重結合が開裂して開環する部位をいう。
メタセシス開環反応部位を有する環構造としては、例えば、シクロブテン環、シクロペンテン環、シクロヘキセン環、シクロヘプテン環、シクロオクテン環、シクロドデセン環、ビシクロ[2.2.1]ヘプテン環などが挙げられる。
環状オレフィン(A)としては、例えば、メタセシス開環反応部位を有する環構造の1種からなる単環化合物、該環構造の1種または2種以上からなる縮合環化合物、前記環構造の1種または2種以上が結合してなる多環化合物などが挙げられる。
また、環状オレフィン(A)の炭素数は特に制限されないが、通常7〜30、好ましくは7〜20である。また、環状オレフィン(A)のメタセシス反応部位の数は、2以上であれば特に制約されないが、通常2〜5、好ましくは2〜4である。
本発明に用いる環状オレフィン(A)としては、前記2つ以上のメタセシス開環反応部位が、メタセシス開環反応の反応性が異なるものであるのが好ましい。
このような環状オレフィン(A)を用いることで、残留モノマーが少なく(重合反応率が高く)、保存安定性に優れる後架橋可能な熱可塑性樹脂を効率よく得ることができる。
環状オレフィン(A)の具体例としては、下記の(a)〜(c)に示すものが挙げられる。
(a)同一または相異なるシクロオレフィン環の縮合環を有する縮合環化合物。
Figure 2007246921
(b)同一または相異なるシクロオレフィン環が結合してなる多環化合物。
Figure 2007246921
(c)上記(a)および(b)に示す化合物において、任意の位置に、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基などのアルキル基;メチリデン基、エチリデン基、プロピリデン基、ブチリデン基などのアルキリデン基;カルボキシル基;メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基などのアルコキシカルボニル基;酸無水物基;シアノ基;などの置換基を少なくとも1個有する化合物。
これらの化合物は1種単独で、あるいは2種以上を組み合わせて、環状オレフィン(A)として用いることができる。
環状オレフィン(A)の含有量は、全モノマー量に対して10重量%以上、好ましくは20重量%以上、より好ましくは30重量%以上である。環状オレフィン(A)の含有量が10重量%未満である場合には、後架橋可能な熱可塑性樹脂を得ることが困難となる。
本発明に用いるモノマー液には、前記環状オレフィン(A)に加えて、分子内にメタセシス開環反応部位を1つ有する環状オレフィン(B)を添加することができる。
環状オレフィン(B)の好ましい具体例としては、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン(慣用名:ノルボルネン)、エチリデンノルボルネン、7,8−ベンゾトリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3−エン(慣用名:メタノテトラヒドロフルオレン)、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン(慣用名:テトラシクロドデセン)、ノルボルネンジカルボン酸無水物、テトラシクロドデセンカルボン酸、5−ノルボルネン−2−オール、5−ノルボルネン−2−メタノールなどのノルボルネン類;シクロブテン、シクロオクテン、1,5−シクロオクタジエンなどの単環オレフィン類などが挙げられる。これらの化合物は1種単独で、あるいは2種以上を組み合わせて、環状オレフィン(B)として用いることができる。
(3)メタセシス重合触媒
本発明に用いるメタセシス重合触媒は、環状オレフィン(A)および(B)を、これらのメタセシス開環反応部位において開環重合させるものであれば、特に限定されない。
用いるメタセシス重合触媒としては、遷移金属原子を中心原子として、複数のイオン、原子、多原子イオンおよび/または化合物が結合してなる錯体が挙げられる。遷移金属原子としては、5族、6族および8族(長周期型周期表、以下同じ)の原子が使用される。それぞれの族の原子は特に限定されないが、5族の原子としては例えばタンタルが挙げられ、6族の原子としては、例えばモリブデンやタングステンが挙げられ、8族の原子としては、例えばルテニウムやオスミウムが挙げられる。
これらの中でも、8族のルテニウムやオスミウムの錯体をメタセシス重合触媒として用いることが好ましく、ルテニウムカルベン錯体が特に好ましい。ルテニウムカルベン錯体は、塊状重合時の触媒活性が優れるため、後架橋可能な熱可塑性樹脂の生産性に優れ、得られる熱可塑性樹脂の臭気(未反応の環状オレフィンに由来する)が少なく生産性に優れる。また、酸素や空気中の水分に対して安定であって、失活しにくいので、後架橋を行なう場合に有利である。
ルテニウムカルベン錯体は、下記の式(1)または式(2)で表されるものである。
Figure 2007246921
式(1)および(2)において、R、Rは、それぞれ独立して水素原子、ハロゲン原子、またはハロゲン原子、酸素原子、窒素原子、硫黄原子、リン原子若しくは珪素原子を含んでもよい炭素数1〜20の炭化水素基を表す。X、Xは、それぞれ独立して任意のアニオン性配位子を示す。Lはヘテロ原子含有カルベン化合物を表し、Lはヘテロ原子含有カルベン化合物または中性電子供与性化合物を表す。また、R、R、X、X、LおよびLは、任意の組合せで互いに結合して多座キレート化配位子を形成してもよい。
ヘテロ原子とは、周期律表第15族および第16族の原子を意味し、具体的には、N、O、P、S、As、Se原子などを挙げることができる。これらの中でも、安定なカルベン化合物が得られる観点から、N、O、P、S原子などが好ましく、N原子が特に好ましい。
ヘテロ原子含有カルベン化合物は、カルベン炭素の両側にヘテロ原子が隣接して結合していることが好ましく、さらにカルベン炭素原子とその両側のヘテロ原子とを含むヘテロ環が構成されているものがより好ましい。また、カルベン炭素に隣接するヘテロ原子には嵩高い置換基を有していることが好ましい。
ヘテロ原子含有カルベン化合物の例としては、下記の式(3)または式(4)で示される化合物が挙げられる。
Figure 2007246921
(式中、R〜Rは、それぞれ独立して水素原子、ハロゲン原子、またはハロゲン原子、酸素原子、窒素原子、硫黄原子、リン原子若しくは珪素原子を含んでもよいC〜C20の炭化水素基を表す。また、R〜Rは任意の組合せで互いに結合して環を形成していもよい。)
前記式(3)および(4)で表される化合物の具体例としては、1,3−ジメシチルイミダゾリジン−2−イリデン、1,3−ジ(1−アダマンチル)イミダゾリジン−2−イリデン、1−シクロヘキシル−3−メシチルイミダゾリジン−2−イリデン、1,3−ジメシチルオクタヒドロベンズイミダゾール−2−イリデン、1,3−ジイソプロピル−4−イミダゾリン−2−イリデン、1,3−ジ(1−フェニルエチル)−4−イミダゾリン−2−イリデン、1,3−ジメシチル−2,3−ジヒドロベンズイミダゾール−2−イリデンなどが挙げられる。
また、前記式(3)および式(4)で示される化合物のほかに、1,3,4−トリフェニル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1,2,4−トリアゾール−5−イリデン、1,3−ジシクロヘキシルヘキサヒドロピリミジン−2−イリデン、N,N,N’,N’−テトライソプロピルホルムアミジニリデン、1,3,4−トリフェニル−4,5−ジヒドロ−1H−1,2,4−トリアゾール−5−イリデン、3−(2,6−ジイソプロピルフェニル)−2,3−ジヒドロチアゾール−2−イリデンなどのヘテロ原子含有カルベン化合物も用い得る。
前記式(1)および式(2)において、アニオン(陰イオン)性配位子X、Xは、中心金属から引き離されたときに負の電荷を持つ配位子であり、例えば、F、Cl、Br、Iなどのハロゲン原子、ジケトネート基、置換シクロペンタジエニル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、カルボキシル基などを挙げることができる。これらの中でもハロゲン原子が好ましく、塩素原子がより好ましい。
また、中性の電子供与性化合物は、中心金属から引き離されたときに中性の電荷を持つ配位子であればいかなるものでもよい。その具体例としては、カルボニル、アミン類、ピリジン類、エーテル類、ニトリル類、エステル類、ホスフィン類、チオエーテル類、芳香族化合物、オレフィン類、イソシアニド類、チオシアネート類などが挙げられる。これらの中でも、ホスフィン類やピリジン類が好ましく、トリアルキルホスフィンがより好ましい。
前記式(1)で表される錯体化合物としては、例えば、ベンジリデン(1,3−ジメシチルイミダゾリジン−2−イリデン)(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウムジクロリド、(1,3−ジメシチルイミダゾリジン−2−イリデン)(3−メチル−2−ブテン−1−イリデン)(トリシクロペンチルホスフィン)ルテニウムジクロリド、ベンジリデン(1,3−ジメシチル−オクタヒドロベンズイミダゾール−2−イリデン)(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウムジクロリド、ベンジリデン[1,3−ジ(1−フェニルエチル)−4−イミダゾリン−2−イリデン](トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウムジクロリド、ベンジリデン(1,3−ジメシチル−2,3−ジヒドロベンズイミダゾール−2−イリデン)(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウムジクロリド、ベンジリデン(トリシクロヘキシルホスフィン)(1,3,4−トリフェニル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1,2,4−トリアゾール−5−イリデン)ルテニウムジクロリド、(1,3−ジイソプロピルヘキサヒドロピリミジン−2−イリデン)(エトキシメチレン)(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウムジクロリド、ベンジリデン(1,3−ジメシチルイミダゾリジン−2−イリデン)ピリジンルテニウムジクロリドなどのヘテロ原子含有カルベン化合物と中性の電子供与性化合物が結合したルテニウム錯体化合物;
ベンジリデンビス(1,3−ジシクロヘキシルイミダゾリジン−2−イリデン)ルテニウムジクロリド、ベンジリデンビス(1,3−ジイソプロピル−4−イミダゾリン−2−イリデン)ルテニウムジクロリドなどの2つのヘテロ原子含有カルベン化合物が結合したルテニウム錯体化合物;などが挙げられる。
また、前記式(2)で表される錯体化合物としては、例えば、(1,3−ジメシチルイミダゾリジン−2−イリデン)(フェニルビニリデン)(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウムジクロリド、(t−ブチルビニリデン)(1,3−ジイソプロピル−4−イミダゾリン−2−イリデン)(トリシクロペンチルホスフィン)ルテニウムジクロリド、ビス(1,3−ジシクロヘキシル−4−イミダゾリン−2−イリデン)フェニルビニリデンルテニウムジクロリドなどが挙げられる。
これらのルテニウム錯体触媒は、例えば、Org.Lett.,1999年,第1巻,953頁、Tetrahedron.Lett.,1999年,第40巻,2247頁などに記載された方法によって製造することができる。
メタセシス重合触媒の使用量は、(触媒中の金属原子:環状オレオフィン(AA))のモル比で、通常1:2,000〜1:2,000,000、好ましくは1:5,000〜1:1,000,000、より好ましくは1:10,000〜1:500,000の範囲である。
メタセシス重合触媒は必要に応じて、少量の不活性溶剤に溶解して使用することができる。かかる溶媒としては、例えば、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタンなどの鎖状脂肪族炭化水素;シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ジメチルシクロヘキサン、トリメチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、ジエチルシクロヘキサン、デカヒドロナフタレン、ジシクロヘプタン、トリシクロデカン、ヘキサヒドロインデンシクロヘキサン、シクロオクタンなどの脂環式炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素;ニトロメタン、ニトロベンゼン、アセトニトリルなどの含窒素炭化水素;ジエチルエーテル、テトラヒドロフランなどの含酸素炭化水素;などが挙げられる。これらの中では、工業的に汎用な芳香族炭化水素や脂肪族炭化水素、脂環式炭化水素の使用が好ましい。
また、メタセシス重合触媒としての活性を低下させないものであれば、液状の老化防止剤、可塑剤やエラストマーを溶剤として用いてもよい。
メタセシス重合触媒として、5族および6族の遷移金属原子の錯体を用いる場合には、重合活性を制御する目的で、活性剤(共触媒)と併用することもできる。活性剤は、有機アルミニウム化合物または有機スズ化合物であり、具体的には、アルミニウムおよびスズの、(部分)アルキル化物、(部分)ハロゲン化物、(部分)アルコキシ化物および(部分)アリールオキシ化物などが挙げられる(ここで「部分」は同時に複数の化合物となっていてもよいことを意味する)。活性剤は、メタセシス触媒成分に対して、好ましくは1〜10(モル比)の範囲で用いる。
また、メタセシス重合触媒として、5族および6族の遷移金属原子の錯体を用いる場合には、メタセシス重合触媒および活性剤は、いずれもモノマーに溶解して用いる方が好ましいが、生成物の性質を本質的に損なわない範囲であれば少量の溶剤に懸濁または溶解させて用いることができる。
(4)連鎖移動剤
本発明に用いる連鎖移動剤は、一般に分子量を調節する目的で重合反応系に添加されるものである。
連鎖移動剤としては、例えば、炭素−炭素二重結合を有する化合物を用いることができる。その具体例としては、1−ヘキセン、2−ヘキセンなどの脂肪族オレフィン類;スチレン、ビニルスチレン、スチルベンなどの芳香族オレフィン類;ビニルシクロヘキサンなどの脂環式オレフィン類;エチルビニルエーテルなどのビニルエーテル類;メチルビニルケトンなどのビニルケトン類;酢酸アリル、アリルメタクリレートなどのエチレン性不飽和エステル類;などが挙げられる。
連鎖移動剤の添加量は、前記モノマー液全体に対して、通常0.01〜10重量%、好ましくは0.1〜5重量%である。連鎖移動剤の添加量がこの範囲であるときに、重合反応率が高い後架橋可能な熱可塑性樹脂を効率よく得ることができる。
(5)後架橋可能な熱可塑性樹脂
前記モノマー液、メタセシス重合触媒および連鎖移動剤を含有してなる反応液を調製し、該反応液を所定温度に加熱してメタセシス開環重合することにより、後架橋可能な熱可塑性樹脂を製造することができる。
反応液の調製法に特に制約はないが、例えば、モノマー液と、メタセシス重合触媒を適当な溶媒に溶解若しくは分散させた溶液(触媒液)とを別々に調製し、反応させる直前に混合して調製する方法が挙げられる。この場合、連鎖移動剤は、モノマー液に添加してもよいし、触媒液に添加してもよい。また、モノマー液と触媒液とを混合して得られる反応液に添加することもできる。
また、反応液には、ルイス酸や各種の添加剤、例えば、強化材、改質剤、酸化防止剤、難燃剤、充填剤、着色剤、光安定剤などを含有させることができる。これらのルイス酸や添加剤は、予めノルボルネン系モノマーの溶液またはルテニウム錯体触媒の溶液に溶解または分散させることができる。
ルイス酸は、重合反応率などを向上させるために添加される。かかるルイス酸としては、例えば、トリアルコキシアルミニウム、トリフェノキシアルミニウム、ジアルコキシアルキルアルミニウム、アルコキシジアルキルアルミニウム、トリアルキルアルミニウム、ジアルコキシアルミニウムクロリド、アルコキシアルキルアルミニウムクロリド、ジアルキルアルミニウムクロリド、トリアルコキシスカンジウム、テトラアルコキシチタン、テトラアルコキシスズ、テトラアルコキシジルコニウムなどが挙げられる。
ルイス酸の使用量は、(メタセシス重合触媒中の金属原子:ルイス酸)のモル比で、通常、1:0.05〜1:100、好ましくは1:0.2〜1:20、より好ましくは1:0.5〜1:10の範囲である。
強化材としては、例えば、ガラス繊維、ガラス布、紙基材、ガラス不折布などが挙げられる。
改質剤としては、例えば、天然ゴム、ポリブタジエン、ポリイソプレン、スチレン−ブタジエン共重合体(SBR)、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SBS)、スチレン−イソプレン−スチレン共重合体(SIS)、エチレン−プロピレン−ジエンターポリマー(EPDM)、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)およびこれらの水素化物などのエラストマーなどが挙げられる。
酸化防止剤としては、例えば、ヒンダードフェノール系、リン系、アミン系などの各種のプラスチック・ゴム用酸化防止剤などが挙げられる。これらの酸化防止剤は単独で用いてもよいが、2種以上を組合せて用いることが好ましい。
難燃剤としては、リン系難燃剤、窒素系難燃剤、ハロゲン系難燃剤など、好適にはリン系難燃剤が挙げられる。リン系難燃剤としては、例えば、トリフェニルホスフェート、トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリブチルホスフェート、縮合リン酸エステルなどのごときリン酸エステル化合物;リン酸、ホスホン酸、ホスフィン酸、メタリン酸、二リン酸、ホスフィン酸ナトリウム、ホスホン酸ナトリウム、ホスホン酸水素ナトリウム、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸二水素カリウム、二リン酸ナトリウム、二リン酸二水素二ナトリウム、三リン酸ナトリウム、シクロ四リン酸ナトリウム、メタリン酸カリウム、赤リンなどのごとき無機リン化合物;
ポリリン酸アンモニウム、ポリリン酸メラミン塩、ポリリン酸硫酸塩、リン酸グアニジン、リン酸グアニル尿素のごときリン酸塩化合物;ジフェニルリン酸エステル−2−プロペニルアミド、ジフェニルリン酸エステル−2−ヒドロキシエチルアミド、ジフェニルリン酸エステル−ジ(2−ヒドロキシエチル)アミド、ジフェニルリン酸エステル−p−ヒドロキシフェニルアミド、ジフェニルリン酸エステル−シクロヘキシルアミドのごときリン酸エステルアミド化合物;フェニルリン酸エステル−ジ−N,N−フェニルメチルアミド、フェニルリン酸エステル−N−シクロヘキシルアミドのごときリン酸アミド化合物;などが挙げられる。
充填剤としては、例えば、ガラス粉末、カーボンブラック、タルク、炭酸カルシウム、雲母、水酸化アルミニウムなどの無機質充填剤などが挙げられる。また充填剤は、シランカップリング剤などで表面処理したものを用いることもできる。架橋剤としては、イオウまたは過酸化物などが用いられ、耐熱性を向上させることができる。
着色剤としては、染料、顔料などが用いられる。染料は成形品に鮮やかな染料色を付与できるので好ましい。染料の種類は多様であり、公知のものを適宜選択して使用すればよい。例えば、ニトロ染料、ニトロソ染料、アゾ染料、ケトイミン染料、トリフェニルメタン染料、キサンテン染料、アクリジン染料、キノリン染料、メチン染料、チアゾール染料、インダミン染料、アジン染料、オキサジン染料、チアジン染料、硫化染料、アミノケトン染料、アントラキノン染料、インジゴイド染料、フタロシアニン染料などが挙げられる。また、顔料としては、例えば、カーボンブラック、黒鉛、黄鉛、酸化鉄黄色、2酸化チタン、酸化亜鉛、四酸化三鉛、鉛丹、酸化クロム、紺青、チタンブラックなどが挙げられる。
光安定剤としては、例えば、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、サリシレート系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系紫外線吸収剤、オギザニリド系紫外線吸収剤、ヒンダードアミン系紫外線吸収剤、ベンゾエート系紫外線吸収剤などが挙げられる。
これらの添加剤の使用量は、前記熱可塑性樹脂100重量部に対して、通常0.001〜10重量部である。
メタセシス開環重合の方法としては、例えば、(a)成形型に、モノマー液、メタセシス重合触媒および連鎖移動剤の所定量を含む混合物(以下、「反応液」という。)を注入して硬化させる方法、(b)モノマー液、メタセシス重合触媒および連鎖移動剤の所定量を含む反応液をキャリヤー上に注ぐか又は塗布し、モノマー液を重合硬化させる方法などが挙げられる。
(a)の方法に用いる成形法としては、注入、射出、注型、回転、遠心、押出、引抜、射出圧縮、ハンドレイアップなどの成形法が挙げられるが、通常は成形型を用いる成形法である。
用いる成形型としては、従来公知の成形型、例えば、割型構造すなわちコア型とキャビティー型を有する成形型を用いることができ、それらの空隙部(キャビティー)に反応液を注入して塊状重合させる。コア型とキャビティー型は、目的とする成形品の形状にあった空隙部を形成するように作製される。また、成形型の形状、材質、大きさなどは特に制限されない。
(b)の方法に用いるキャリヤーに用いられる材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリカーボネート、ポリエチレンナフタレート、ポリアリレート、ナイロン等の熱可塑性樹脂;鉄、ステンレス、銅、アルミニウム、ニッケル、クロム、金、銀などの金属材料;等が挙げられる。
モノマー液のキャリヤー表面への塗布方法は特に制限されず、例えば、スプレーコート法、ディップコート法、ロールコート法、カーテンコート法、ダイコート法、スリットコート法等の公知の塗布方法が挙げられる。
重合反応は発熱反応であり、一旦塊状重合が開始すると、反応液の温度が急激に上昇し、短時間(例えば、10秒〜5分程度)で140〜230℃のピーク温度に到達する。重合反応時の最高温度があまりに高くなると、重合反応のみならず、架橋反応も進行して、後架橋可能な熱可塑性樹脂が得られないおそれがある。したがって、重合反応のみを完全に進行させ、架橋反応が進行しないようにするためには、塊状重合のピーク温度を、好ましくは200℃以下、より好ましくは170℃未満に制御する必要がある。
重合反応熱による過熱を防止する手法としては、(i)反応遅延剤を反応液に添加することにより、ゆっくりと反応させる方法、(ii)得られる成形品の形状をシート状やフィルム状などの反応熱が逃げやすいものにする方法、などが挙げられる。
本発明の製造方法は、(ii)の方法や前記(b)の方法により、厚さが15mm以下、好適には10mm以下、より好適には5mm以下のフィルム状の熱可塑性樹脂を製造する場合に、好ましく適用することができる。これらの方法によれば、積層フィルム、熱可塑性プリプレグなどの電気絶縁用途の製品を生産性よく得ることができる。
前記(i)の方法で用いる反応遅延剤としては、例えば、1,5−ヘキサジエン、2,5−ジメチル−1,5−ヘキサジエン、(シス,シス)−2,6−オクタジエン、(シス,トランス)−2,6−オクタジエン、(トランス,トランス)−2,6−オクタジエンなどの鎖状1,5−ジエン化合物;1,5−シクロオクタジエン、1,5−ジメチル−1,5−シクロオクタジエン、(シス,トランス,トランス)−1,5,9−シクロドデカトリエン、4−ビニルシクロヘキセン、ジペンテンなどの単環式化合物;5−ビニル−2−ノルボルネン、5−イソプロペニル−2−ノルボルネン、5−(1−プロペニル)−2−ノルボルネンなどの多環式1,5−ジエン化合物;などの分子内に1,5−ジエン骨格を有する反応遅延剤;
(トランス)−1,3,5−ヘキサトリエン、(シス)−1,3,5−ヘキサトリエン、(トランス)−2,5−ジメチル−1,3,5−ヘキサトリエン、(シス)−2,5−ジメチル−1,3,5−ヘキサトリエン、1,3,5−シクロヘプタトリエンなどの鎖状および環式化合物などの1,3,5−トリエン骨格を有する反応遅延剤;トリフェニルホスフィン、トリ−n−ブチルホスフィン、メチルジフェニルホスフィン、アニリンなどのルイス塩基;などが挙げられる。
反応遅延剤の添加割合は、モノマー液に対して0.001〜5重量%、好ましくは0.002〜2重量%の範囲である。反応遅延剤の添加割合が0.001重量%未満であると、反応遅延効果が発揮されない。逆に5重量%を超える場合には、重合物に残存する反応遅延剤によって物性が低下したり、重合反応が十分に進行しなくなるおそれがある。
また、前記(ii)の方法による場合には、ガラス板や金属板などの板状成形型と所定の厚みのスペーサーとを用意し、スペーサーを2枚の板状成形型で挟んで形成される空間内に反応液を注入することにより、シート状またはフィルム状の熱可塑性樹脂成形物を得ることができる。
成形型内の空隙部へ注入される前の反応液の温度は、好ましくは20〜80℃である。反応液をキャビティー内に充填する際の充填圧力(射出圧)は、通常0.01〜10MPa、好ましくは0.02〜5MPaである。充填圧力が低すぎると、キャビティー内周面に形成された転写面の転写が良好に行われない傾向にあり、充填圧が高すぎると、成形型の剛性を高くしなければならず経済的ではない。型締圧力は通常0.01〜10MPaの範囲内である。重合時間は適宜選択すればよいが、通常、10秒〜20分、好ましくは5分以内である。
塊状重合により得られる樹脂が、ベンゼン、トルエンなどの芳香族炭化水素系溶媒に溶解することで、この樹脂が熱可塑性樹脂であることを確認することができる。すなわち、得られた樹脂が芳香族炭化水素系溶媒に溶解するものであれば、熱可塑性樹脂であり、溶解しないものであれば、架橋樹脂であることがわかる。
本発明の製造方法により得られる熱可塑性樹脂は、残留モノマーが少ない、すなわち、重合反応率が高いので、モノマーに由来する臭気により、作業環境が悪化することがない。本発明の熱可塑性樹脂の重合反応率は、通常90%以上、好ましくは95%以上、より好ましくは97%以上である。熱可塑性樹脂の重合反応率は、例えば、熱可塑性樹脂をトルエンに溶解して得られた溶液をガスクロマトグラフィーにより分析することで求めることができる。
本発明の製造方法により得られる熱可塑性樹脂は、全体が後架橋可能な熱可塑性樹脂でなくてもよく、一部分が架橋樹脂になっているものであってもよい。すなわち、モノマー液を塊状重合してシート状またはフィルム状の樹脂成形物を得る場合に、該成形物の中心部分は重合反応熱が発散しにくいので、部分的に重合反応温度が高く(170℃以上)なる場合があるが、このような場合であっても、少なくとも表面部分が後架橋可能な熱可塑性樹脂であればよい。
また、本発明の製造方法により得られる熱可塑性樹脂は、メタセシス開環重合がほぼ完全に進行して得られるものであるので、熱可塑性樹脂成形物の保存中にメタセシス開環重合が進行しにくく、架橋反応も進行しない。従って、熱可塑性樹脂成形物の表面硬度が保存中に変化しにくく、保存安定性に優れるものである。
2)架橋樹脂の製造方法
本発明の第2は、本発明の製造方法により得られた熱可塑性樹脂を加熱溶融・架橋する工程を有する架橋樹脂の製造方法である。すなわち、本発明の熱可塑性樹脂は加熱することによって溶融し、さらに加熱を継続することで架橋反応が進行して架橋樹脂が得られる。熱可塑性樹脂を加熱溶融・架橋するときの温度は、通常170〜250℃、好ましくは180〜220℃である。また、加熱溶融・架橋する時間は特に制約されないが、通常数分から数時間である。
熱可塑性樹脂を加熱溶融・架橋する方法としては、熱可塑性樹脂が溶融して架橋するものであれば特に制約されないが、熱可塑性樹脂がシート状またはフィルム状の成形物である場合には、該成形物の片面側から熱プレスする方法が好ましい。熱プレスするときの圧力は、通常1〜20MPa、好ましくは3〜10MPaである。熱プレスする方法は、例えば、平板成形用のプレス枠型を有する公知のプレス機を用いて行なうことができ、生産性に優れる。
3)架橋樹脂複合材料の製造方法
本発明の第3は、本発明の製造方法により得られた熱可塑性樹脂を他の材料と重ね合わせ、前記熱可塑性樹脂を加熱溶融し、架橋する工程を有する架橋樹脂複合材料の製造方法である。
前記熱可塑性樹脂を加熱溶融・架橋する方法としては特に制限されないが、生産性よく架橋樹脂複合材料を製造する上では、熱可塑性樹脂と他の材料とを重ね合わせたものを熱プレスする方法が好ましい。熱プレスの条件は、前記架橋樹脂を製造する場合と同様である
前記他の材料としては、例えば、銅箔、導電性ポリマーフィルム、他の熱可塑性樹脂フィルムなどが挙げられる。銅箔を用いる場合には、以下に述べる架橋樹脂銅張り積層板を得ることができる。
4)架橋樹脂銅張り積層板の製造方法
本発明の第4は、本発明の製造方法により得られた熱可塑性樹脂に銅箔を重ね合わせて、熱可塑性樹脂を加熱溶融し、架橋する工程を有する銅張り積層板の製造方法である。
前記熱可塑性樹脂を加熱溶融・架橋する方法としては特に制限されないが、生産性よく架橋樹脂複合材料を製造する上では、熱可塑性樹脂と銅箔とを重ね合わせたものを熱プレスする方法が好ましい。熱プレスの条件は、前記架橋樹脂を製造する場合と同様である。
用いる銅箔としては、通常の銅張り積層板に使用されるものであれば特に制限されず、その厚みや粗化状態は、使用目的に応じて適宜選定することができる。また、銅箔の表面はシランカップリング剤、チタネート系カップリング剤、各種接着剤などで処理されていてもよい。
熱可塑性樹脂と銅箔とを重ね合わせて熱プレスを行なうと、熱可塑性樹脂が一旦溶融して銅箔と接着し、その後架橋反応が進行して架橋樹脂となる。本発明の製造方法によれば、架橋樹脂と銅箔とが強固に接合してなる架橋樹脂銅張り積層板を得ることができる。得られる架橋樹脂銅張り積層板の銅箔の引き剥がし強さは、JIS C5012に基づいて測定した値で、好ましくは1.0kN/m以上、より好ましくは1.3kN/m以上である。
次に実施例および比較例を挙げ、本発明を更に説明するが、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。
参考例1 触媒液の調製
ガラス製フラスコ中で、ベンジリデン(1,3−ジメシチルイミダゾリジン−2−イリデン)(トリシクロホスフィン)ルテニウムジクロリド51部と、トリフェニルホスフィン79部とを、トルエン952部に溶解させて触媒液を調製し
た。
実施例1 後架橋可能な熱可塑性樹脂フィルムの製造
ガラス製フラスコに、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン2800部、5−エチリデン−2−ノルボルネン1200部、およびジシクロペンタジエン6,000部からなるモノマー液に、連鎖移動剤としてスチレン909部を加え、さらに、上記触媒液39部を攪拌しながら加えて、モノマー液1を調製した。
得られたモノマー液1を、150℃に加熱した鉄板上に吹きかけたところ、瞬時に硬化した。硬化物を直ちに鉄板から剥がして、無臭のフィルム状のポリマーを得た。このフィルムは厚さが0.1mmで、トルエンに可溶であることから、未架橋であることがわかった。また、このフィルムのトルエン溶液中の残留モノマーをガスクロマトグラフィーで測定し、重合反応率を求めたところ、98.9%であった。
このフィルムを空気中、室温で一週間保存した後に、同様にして重合反応率を求めたところ、98.9%であり、フィルムの製造直後と比べて反応が進行していないことがわかった。
実施例2 架橋樹脂フィルムの製造
実施例1で得られたフィルムを、200℃に加熱した面板ヒーターの上に置いたところ、一端溶融した後に架橋により流動しなくなった。得られた架橋ポリマーは、トルエンに溶解しないものであり、架橋樹脂が得られたことがわかった。。
比較例1 連鎖移動剤を用いないモノマー液の塊状重合
スチレンを添加しない以外は、実施例1と同様に操作した。得られたフィルムは、トルエンに溶解しないものであった。
実施例1と比較例1とから、後架橋可能な熱可塑性樹脂を得るためには、スチレンなどの連鎖移動剤が必要であることが分かった。
比較例2 モノマー液の塊状重合
鉄板を60℃とし、鉄板上で20分間硬化させる以外は比較例1と同様に操作した。得られたフィルムにはモノマー臭があった。また、実施例1と同様にフィルムの製造直後と一週間保存後の重合反応率を測定したところ、それぞれ76.4%、85.2%であり、保存中に反応が進行していることがわかった。
比較例3 モノマー液の塊状重合
実施例1と同様に調製したモノマー液1をガラス製フラスコに入れた。このガラス製フラスコをそのまま50℃の水浴につけて固化させた。このとき、重合発熱により、フラスコの内温は235℃まで上昇した。得られた重合物はトルエンに溶解しないものであった。また、この重合物を200℃に加熱した面板ヒーターの上においても、溶融しなかった。
以上より、重合時に過熱してしまうと、架橋反応も進行してしまい、熱可塑性樹脂は得られないことがわかった。
実施例3 架橋樹脂銅張り積層板の製造
100mlのポリエチレン製の瓶(外径50mm)に、ジシクロペンタジエン45g、ノルボルネン5g、スチレン0.45g、および参考例1で得た触媒液1を197mgを順次攪拌しながら加えて、モノマー液2を得た。
次いで、このモノマー液2を金型内に圧送した。ここで、金型は、2.2mm×120mm×120mmの平板成形用で、ヒーター付きクロームメッキ鉄板にコの字型スペーサーを挟んだものを用いた。金型温度は、片面68℃、もう一方の面は50℃にセットした。
モノマー液2を金型内に圧送した後2分で脱型し、平板を取り出した。この平板を直径10mmの円盤状に切り取り、トルエンに一日浸漬したところ、表面部分は溶解したが、平板の中央部分は溶解せずに残った。このことより、得られた平板の中央部分は架橋が進行している一方で、表面部分は未架橋のままであることが分かった。
また、得られた平板を87mm×87mmの正方形に切り出し、2mm×90mm×90mmの平板成形用ロの字型のプレス枠を用いて、片面(重合時に型温が68℃であった方の面)に電解銅箔(Type GTS、厚み0.018mm、古河サーキットフォイル社製)を重ねあわせ、熱プレスして、板厚み2mmの片面銅張り板を得た。熱プレスの条件は、プレス温度200℃×15分、プレス圧5MPaとした。
得られた銅張り積層板の銅箔引き剥がし強さを、JIS試験法C5012に基づいて測定したところ、1.6kN/mであった。
銅箔引き剥がし強さを測定後において、銅箔が剥がれた樹脂のみの部分を直径10mmの円盤状に切り取り、トルエンに一日浸漬したところ、プレス前の試験に見られたような表面の溶解は起こらず、全体的に膨潤するのみであった。
以上より、熱プレスによって、樹脂の表面部分が一端溶融して銅箔と接着し、その後架橋したことが分かった。
比較例4 架橋樹脂銅張り積層板の製造
スチレンを添加しない以外は、実施例3と同様にして平板を得た。得られた平板を直径10mmの円盤状に切り取り、トルエンに一日浸漬したところ、実施例3に見られたような表面の溶解は起こらず、全体的に膨潤するのみであった。
また、この平板を用いて実施例3と同様にして板厚み2mmの片面銅張り積層板を得た。この銅張り積層板の銅箔の引き剥がし強さを測定したところ、0.2kN/mであった。
実施例3では、銅箔と架橋樹脂とが強固に接着した架橋樹脂銅張り積層板が得られた。一方、連鎖移動剤を添加しない比較例4では、表面部についても熱可塑性は見られなかった。また、得られた樹脂と銅箔とを重ね合わせて熱プレスを行なっても、得られた架橋樹脂銅張り積層板は、銅箔と架橋樹脂との接着性が弱いものであった。

Claims (8)

  1. 分子内にメタセシス開環反応部位を2つ以上有する環状オレフィン(A)を、全モノマー量に対して10重量%以上含有してなるモノマー液を、連鎖移動剤、および、長周期型周期律表第8族の原子を中心金属原子とする遷移金属錯体からなるメタセシス重合触媒の存在下、重合時の最高温度を230℃未満として、塊状重合することを特徴とする後架橋可能な熱可塑性樹脂の製造方法。
  2. 前記2つ以上のメタセシス開環反応部位が、メタセシス開環反応の反応性が異なるものである請求項1に記載の後架橋可能な熱可塑性樹脂の製造方法。
  3. 前記環状オレフィン(A)として、ジシクロペンタジエンを用いる請求項1または2に記載の後架橋可能な熱可塑性樹脂の製造方法。
  4. 前記メタセシス重合触媒として、ルテニウムカルベン錯体を用いる請求項1〜3のいずれかに記載の後架橋可能な熱可塑性樹脂の製造方法。
  5. 前記塊状重合を、反応遅延剤の存在下に行う請求項1〜4のいずれかに記載の後架橋可能な熱可塑性樹脂の製造方法。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の製造方法により得られた熱可塑性樹脂を加熱溶融し、架橋する工程を有する架橋樹脂の製造方法。
  7. 請求項1〜5のいずれかに記載の製造方法により得られた熱可塑性樹脂を他の材料と重ね合わせ、該熱可塑性樹脂を加熱溶融し、架橋する工程を有する架橋樹脂複合材料の製造方法。
  8. 請求項1〜5のいずれかに記載の製造方法により得られた熱可塑性樹脂を銅箔と重ね合わせ、該熱可塑性樹脂を加熱溶融し、架橋する工程を有する架橋樹脂銅張り積層板の製造方法。
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