JPH061363A - チューブ容器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】チューブ容器胴部を形成している積層シートの
端面がチューブ容器内に露出することが無く、内填物の
品質保持特性に対して優れた性質を有するチューブ容器
を提供する。 【構成】容器胴部２が、積層シート８の１側辺部９と他
側辺部１０との溶着で得られる筒状成形体からなり、積
層シート８の側辺部９，１０の接着部である胴貼り部３
において、容器内面側に位置する積層シート８の１側辺
部９の端面がプラスチック製のシールテープ４で被覆さ
れているチューブ容器１。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は積層シートによって形成
されている筒状成形体からなる容器胴部を有するチュー
ブ容器に関する。

【０００２】

【従来の技術】積層シートによるチューブ容器胴部は、
少なくとも表面樹脂層と裏面樹脂層とを有する胴部形成
用積層シートの１側辺部上に他側辺部を重ね、１側辺部
における表面樹脂層と他側辺部における裏面樹脂層とを
溶着して得られる筒状成形体で形成されている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】前記積層シートによっ
て形成されている容器胴部を有するチューブ容器は、積
層シートにおける１側辺部上に他側辺部を重ね、１側辺
部の表面樹脂層と他側辺部の裏面樹脂層とを溶着させて
形成される容器胴貼り部において、容器内面側に位置す
る積層シートの側辺部の端面がチューブ容器内の内填物
と接触する。

【０００４】このため、積層シート中に例えばアルミニ
ウム箔やガスバリヤー層としてのエチレン−ビニルアル
コール共重合体樹脂層等が積層されている場合には、こ
れらの層が内填物と接触することによリ、内填物の品質
を低下させたり、あるいは、積層シートのガスバリヤー
を低下させる等の弊害が発生する。

【０００５】すなわち、チューブ容器胴部を形成してい
る積層シート中にアルミニウム箔が積層されている場合
には、チューブ容器内に酸またはアルカリ性物質が充填
されると、容器内面側に位置する積層シートの側辺部の
端面に露出しているアルミニウムがチューブ容器内の内
填物中に溶出し、内填物の風味を損なう。

【０００６】また、チューブ容器胴部を形成している積
層シート中にエチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂
層が積層されている場合には、容器内面側に位置する積
層シートの側辺部の端面に露出しているエチレン−ビニ
ルアルコール共重合体樹脂層がチューブ容器内の水分を
吸収し、積層シートのガスバリヤー性の機能を損なう。

【０００７】さらに、積層シート中にポリオレフィン樹
脂層が積層されている場合には、チューブ容器内に例え
ばフレーバー成分のような浸透性の高い物質を含有する
内填物が充填されると、この高浸透性物質がポリオレフ
ィン樹脂層に吸収，吸着され、内填物の品質を劣化させ
る等の欠点を有する。

【０００８】このため、［図３］に示されるように、積
層シートによる筒状成形体の胴貼り部の形成の際に、筒
状成形体の内周面層となるヒートシール用樹脂層１５の
流れにより、積層シートの端面が前記ヒートシール用樹
脂層１５を形成している樹脂によって被覆されるように
しているが、特に、溶融温度が高く、熱溶融時の流動性
の小さい樹脂、例えば、ガスバリヤー性に優れたヒート
シール用樹脂として特公昭５７−６０２３４号公報に説
明されているニトリル系樹脂等をヒートシール用樹脂層
として利用した場合には、積層シートの端面を該ヒート
シール用樹脂で完全には被覆し得ない場合がしばしば発
生する。

【０００９】これに対して本発明は、特に、溶融温度が
高く、熱溶融時の流動性の小さい樹脂をヒートシール用
樹脂層として利用している積層シートによって筒状成形
体を成形する場合においても、チューブ容器胴部を形成
している積層シートの端面がチューブ容器内に露出する
ことが無く、内填物の品質保持特性に対して優れた性質
を有するチューブ容器を提供する。

【００１０】

【課題を解決するための手段】請求項１の発明のチュー
ブ容器は、チューブ容器胴部と、該容器胴部の一端に接
合しているプラスチック製のチューブ容器頭部とからな
り、前記チューブ容器胴部が、表面樹脂層と裏面樹脂層
とを有する積層シートの１側辺部上に他側辺部を重ね、
１側辺部における表面樹脂層と他側辺部における裏面樹
脂層とを溶着して容器胴貼り部を形成することによって
得られる筒状成形体で形成されており、しかも、積層シ
ートの側辺部同士の接着によって形成されている容器胴
貼り部の少なくとも容器内面側に位置する積層シートの
１側辺部の端面がプラスチック製のシールテープで被覆
されてなる。

【００１１】請求項２の発明のチューブ容器は、請求項
１の発明のチューブ容器の構成において、積層シートの
裏面樹脂層に接当する側のプラスチック製のシールテー
プの面と、積層シートの裏面樹脂層とが同一の樹脂で形
成されている。

【００１２】前記構成による本発明のチューブ容器は、
その容器胴部が、表面樹脂層と裏面樹脂層とを有するチ
ューブ容器用積層シートにより、該チューブ容器用積層
シートにおける裏面樹脂層が容器内周面層となるように
して成形されている筒状成形体で形成されている。

【００１３】すなわち、本発明のチューブ容器における
チューブ容器胴部は、前記チューブ容器用積層シートの
１側辺部上に他側辺部を重ね、１側辺部における表面樹
脂層と他側辺部における裏面樹脂層とを溶着して容器胴
貼り部を形成することによって得られる筒状成形体から
なるもので、その内周面層が前記チューブ容器用積層シ
ートにおける裏面樹脂層で形成されている。

【００１４】チューブ容器胴部の成形に使用されるチュ
ーブ容器用積層シートは、従来のこの種のチューブ容器
に利用されているものがそのまま利用し得る。

【００１５】前記チューブ容器胴部の胴貼り部におい
て、少なくとも容器内面側に位置する前記積層シートの
側辺部の裏面樹脂層に貼着され、積層シートの該側辺部
の端面を被覆しているプラスチック製のシールテープ
は、溶着特性を有する樹脂で形成されており、胴貼り部
の形成の際に所定に位置に接当され、胴貼り部を形成す
る際の溶着によって同時に裏面樹脂層に積層される。

【００１６】本発明のチューブ容器においては、容器内
面側に位置する積層シートの１側辺部の端面が、プラス
チック製のシールテープによって被覆されていれば十分
であるが、容器外面側に位置する積層シートの他側辺部
も同様にプラスチック製のシールテープによって被覆さ
れていればより良好なシール性が胴貼り部に形成され
る。

【００１７】また、積層シートの１側辺部の端面を被覆
するプラスチック製のシールテープは、単層のテープで
あってもあるいは積層構成によるテープであっても良
く、少なくともチューブ容器胴部を形成する積層シート
の裏面樹脂層に接当する側のプラスチック製のシールテ
ープの面と、該積層シートの裏面樹脂層とが同一の樹脂
で形成されている場合には、積層シートの１側辺部の端
面を被覆するプラスチック製のシールテープと積層シー
トの裏面樹脂層との間の溶着が極めて良好に行なえる。

【００１８】

【実施例】以下本発明のチューブ容器の具体的な構成を
実施例に基づいて説明する。

【００１９】本発明の１実施例品たるチューブ容器は、
［図１］〜［図２］において、チューブ容器用積層シー
トによって形成されている筒状成形体２からなるチュー
ブ容器胴部を有しており、該チューブ容器胴部の胴貼り
部３に、プラスチック製のシールテープ４が貼着されて
いる。

【００２０】前記チューブ容器胴部をなす筒状成形体２
は、厚さ１２μの２軸延伸ポリエステルフィルムと厚さ
９μのアルミニウム箔とをドライラミネート法で積層し
た中芯層５と、該中芯層５における２軸延伸ポリエステ
ルフィルム側にドライラミネート法によって積層されて
いる厚さ３０μのニトリル系樹脂［バレックス：登録商
標］フィルムによる表面樹脂層６と、中芯層５における
アルミニウム箔側にドライラミネート法によって積層さ
れている厚さ５０μのニトリル系樹脂［バレックス：登
録商標］フィルムによる裏面樹脂層７との積層シート８
によって成形されている。

【００２１】すなわち、筒状成形体２は、積層シート８
の１側辺部９上に他側辺部１０を重ね、１側辺部９にお
ける表面樹脂層６と他側辺部１０における裏面樹脂層７
とを溶着して胴貼り部３を形成して得られたものであ
る。

【００２２】なお、前記胴貼り部３を形成する際の１側
辺部９と他側辺部１０とを溶着させるための加熱工程に
先立って、１側辺部９と他側辺部１０との重ね合わせ部
の裏面樹脂層７側に、厚さ５０μ，幅８ｍｍのニトリル
系樹脂［バレックス：登録商標］製のシールテープ４を
接当し、胴貼り部３を形成する際の加熱により、胴貼り
部の形成工程と同時にシールテープ４を裏面樹脂層７に
溶着させた。

【００２３】続いて、筒状成形体２をマンドレル状の金
型に装着してから、これを射出成形用の金型内にインサ
ートし、細首の口頸部１１と該口頸部１１の下端部に連
続する円錐台形状の肩部１２との一体成形体からなるチ
ューブ容器頭部１３を、ニトリル系樹脂［バレックス：
登録商標］の射出成形によって成形すると同時に、筒状
成形体２の上方端部に接合した。

【００２４】次いで、口頸部１１をシール材で封緘し、
さらに、筒状成形体２の下方端部から１００ｇの靴墨を
充填した後、該筒状成形体２の下方端部を溶着して封緘
部１４を形成することにより、本発明の１実施例品であ
るチューブ容器１を得た。

【００２５】

【発明の作用，効果】本発明のチューブ容器は、チュー
ブ容器胴部と、該容器胴部の一端に接合しているプラス
チック製のチューブ容器頭部とからなり、前記容器胴部
が、表面樹脂層と裏面樹脂層とを有する積層シートの１
側辺部上に他側辺部を重ね、１側辺部における表面樹脂
層と他側辺部における裏面樹脂層とを溶着して胴貼り部
を形成することによって得られる筒状成形体で形成され
ており、しかも、積層シートの側辺部同士の接着によっ
て形成されている前記胴貼り部における少なくとも容器
内面側に位置する積層シートの１側辺部の端面が、プラ
スチック製のシールテープで被覆されてなるものであ
る。

【００２６】したがって、前記構成からなる本発明のチ
ューブ容器は、該チューブ容器の容器胴部を形成してい
る積層シートの側辺部のうちの少なくとも容器内面側に
位置する側辺部の端面が、プラスチック製のシールテー
プで被覆されているため、チューブ容器内に積層シート
中の側辺部の端面が露出するようなことがない。

【００２７】このため、チューブ容器胴部を形成してい
る積層シートとチューブ容器内の内填物とが直接接触す
ることが無く、チューブ容器用積層シート中に例えば金
属箔やエチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂層等が
含まれている場合にも、これらの層とチューブ容器内の
内填物とが接触するようなことがなく、内填物の品質保
持特性に対して優れた作用，効果が奏される。

【００２８】特に、溶融温度が高く、熱溶融時の流動性
の小さい樹脂、例えば、ガスバリヤー性に優れたヒート
シール用樹脂として特公昭５７−６０２３４号公報に説
明されているニトリル系樹脂等を裏面樹脂層として積層
した積層シートによる筒状成形体を得るような際に、極
めて優れた効果が得られる。

【００２９】また、本発明のチューブ容器は、前記した
シールテープの存在により、筒状形成体からなるチュー
ブ容器胴部における胴貼り部のシール性が安定してい
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明のチューブ容器の胴貼り部の１例を説明
する模型断面図である。

【図２】本発明のチューブ容器の概略を説明する斜面図
である。

【図３】流動性の良いヒートシール用樹脂層が積層され
ている積層シートによるチューブ容器胴部の胴貼り部の
状態を説明する模型断面図である。

【符号の説明】

１：チューブ容器 ２：筒状成形体からなるチューブ容器胴部 ３：筒状成形体２の胴貼り部 ４：プラスチック製のシールテープ ５：筒状成形体２を形成している積層シートにおける中
芯層 ６：筒状成形体２を形成している積層シートにおける表
面樹脂層 ７：筒状成形体２を形成している積層シートにおける裏
面樹脂層 ８：筒状成形体２を形成している積層シート ９：積層シート８の１側辺部 １０：積層シート８の他側辺部 １１：細首の口頸部 １２：肩部 １３：チューブ容器頭部

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁵ 識別記号 庁内整理番号 ＦＩ 技術表示箇所 Ｂ３２Ｂ 27/06 7258−4Ｆ // Ｂ２９Ｌ 23:20 4Ｆ

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 チューブ容器胴部と、該容器胴部の一端
   に接合しているプラスチック製のチューブ容器頭部とか
   らなるチューブ容器において、前記チューブ容器胴部
   が、表面樹脂層と裏面樹脂層とを有する積層シートの１
   側辺部上に他側辺部を重ね、１側辺部の表面樹脂層と他
   側辺部の裏面樹脂層とを溶着して胴貼り部を形成するこ
   とによって得られる筒状成形体で形成されており、しか
   も、積層シートの側辺部同士の接着によって形成されて
   いる前記胴貼り部における少なくとも容器内面側に位置
   する積層シートの１側辺部の端面が、プラスチック製の
   シールテープで被覆されていることを特徴とするチュー
   ブ容器。
2. 【請求項２】 積層シートの裏面樹脂層に接当する側の
   プラスチック製のシールテープの面と、積層シートの裏
   面樹脂層とが同一の樹脂で形成されている請求項１記載
   のチューブ容器。