JP2930643B2 - 包装体の製造方法 - Google Patents

包装体の製造方法

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【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、フランジ部を有するプラスチック製のカッ
プ状容器と蓋体とからなる包装体において、蓋体をイー
ジーオープンすることができる易開封構造の密封包装体
の製造方法に関する。
(従来の技術) 各種の食品類を包装する包装体として、蓋体が容易に
開封できるイージーオープン構造のプラスチック製密封
容器が汎用されている。
従来から行われている最も一般的なイージーオープン
式の包装体の構造は蓋材のシール層を構成する樹脂の組
成を変えることによって容器フランジ部とのシール強度
を適度の範囲(通常、500〜1500g/15mm)に調整し、シ
ール界面をピールして開封する形態のものである(界面
剥離タイプ)。
ところが、この界面剥離タイプでは、付与するシール
強度がシール時の条件、環境温度、内容物の付着等の影
響を受け易いために目的範囲の制御が難しく、往々にし
て強弱のバラツキを発生させる欠点がある。このバラツ
キは、弱い方に偏るとシール漏れを生じ、逆に強い方に
偏るとピール性を阻害して易開封性を損ねる結果を招
く。特にシール漏れは密封容器としての致命的な欠陥と
なるため、通常、ピール性を犠牲にしてもシールの熱圧
条件を高めに設定する方策が採られている。
このような問題点を改善するため、例えば特公昭50−
37597号に記載されているように容器側のシール層とこ
れに隣接する層との間をデラミネーションすることによ
って開封する方法(層間剥離タイプ)が知られている。
しかし、通常のシール方式でこの構造を採ろうとするシ
ール層部分が円滑に破断せず、内容物が取り出しにくい
という難点がある。この場合、剥離層と隣接層との切り
離しを容易にするため、フランジ部に切り込みを設ける
構造(特開昭62−251363号公報、同63−78号公報、同63
−25037号公報等)、フランジ部に剥離開始用切り欠き
と剥離停止用の切り欠きを設置した構造(特開昭63−96
060号公報、特開昭63−96061号公報等)ほか多数の改良
提案がなされているが、これら構造においては耐圧性を
損ねる危険性がある。更にはフランジ部に切削刃等でシ
ール層部分を切断するには切込み深さの調節が非常に困
難であり、シール層の隣接層に食い込んでしまい、この
為に、内容物充填時や、製品の輸送時にちょっとした衝
撃で、これらの切断線のノッチ効果で折れてしまうとい
う恐れが大である。
(発明が解決しようとする課題) 本発明は、従来技術の欠点を解決し、非常に優れたイ
ージーオープン性と耐圧密封性、フランジ部の強度保持
性のある包装体を簡単に得ることについて研究を進めた
結果、容器本体フランジ部に超音波を用いてシール層を
切断することなく、シール層を形成する樹脂及び隣接す
る層の樹脂による樹脂溜りを形成させ、該樹脂溜り部よ
り外側となる部分をシールしてなる包装体が、非常にス
ムースな開封特性を有することを確認した。
本発明は前記の知見に基づいてなされたものであり、
安定した耐圧密封性やフランジ部の強度を保持しつつス
ムースなピール性を備える包装体の製造方法の提供を目
的としている。
フランジ部に超音波によってシール層を切断線を形成
し、この切断線でイージーピール性を付与する試みが特
開昭63−96061号公報に開示されているが、本発明はシ
ール層を切断せずに残したまま、シール層樹脂とこれに
隣接する層の樹脂の1部で樹脂溜りを形成し、この樹脂
溜りよりイージーピール性を付与するものであり、この
点でこれらの先行技術とは異なるものである。
(課題を解決するための手段) 上記の目的を達成するための本発明の易開封性の包装
体の製造方法は、10〜70μ厚のシール層があり、このシ
ール層とそれに相対する隣接層のラミネート強度が300
〜2000g/25mmの多層シートから形成した容器本体のフラ
ンジ部の内側周縁部全周に渡り超音波により、シール層
が破断せず、形成した凹形状部の縁部にシール層の樹脂
と、これに隣接する樹脂の一部により樹脂溜りを形成さ
せ、該樹脂溜りの外側でもって蓋材を熱シールする包装
体を得るにあり、該樹脂溜り部よりシーラント層を引き
ちぎり切断、開封する構成を特徴とするものである。
以下、本発明を図面に沿って詳細に説明する。
第1図は本発明の包装体の断面図であり、第2図は第
1図における包装体の容器本体のフランジ部の拡大図で
ある。
1はフランジ部2を備える容器本体、3は前記フラン
ジ部2に接着された蓋体である。容器本体1は、シール
層4とそれに相対する隣接層5を少なくとも有する多層
シートからなる。多層シートの材質構成は、例えばシー
ル層4にポリエチレン系樹脂、隣接層5にポリプロピレ
ン系樹脂を配した単なる2層シートでもよく、更にこの
隣接層に接着層を介してエチレン酢酸ビニル共重合体け
ん化物またはポリ塩化ビニリデン系樹脂のバリア層、接
着層及びポリプロピレンの最外層をラミネートした6層
のシートとすることもできる。場合によっては、多層シ
ートの外層や中間層に金属、紙、セラミックスなどの他
材料を積層したものでも差し支えない。
これら容器本体1を構成する多層シートは、シール層
4と隣接層5の間のラミネート強度が300〜2000g/25mm
(剥離角度180゜、剥離速度200mm/min.測定時)であ
り、シール層4の厚さが10〜70μの範囲にあることが要
件となる。この理由は、前記ラミネート強度が300g/25m
mを下廻り、またシート層厚さが10μ未満であると十分
な密封性を確保することができず、他方、ラミネート強
度が2000g/25mmを越え、シート厚さが70μを上廻ると開
封時の剥離抵抗が大きくなって、円滑なピール性が損な
われるからである。
蓋体3を形成するフィルムは、容器本体のシール層4
と強固に密着する材質のシーラント層6を有することが
望ましく、最も好適な態様は蓋体のシーラント層6を容
器本体のシール層4と同一の樹脂材料で構成することで
ある。この蓋体3フィルムは単層であっても良いが、バ
リア性の良好なアルミ箔またはプラスチック材料を組み
合わせた多層構成とすることもできる。尚Aは内容物を
示す。
第2図は、容器本体のフランジ部の拡大した断面の模
式図であり、超音波によって凹形状7が形成された縁部
には、シール層4及び隣接層5の樹脂による樹脂溜り
(8,9,10,11)が形成されている。超音波による凹形状
の深さは、フランジ平面(a)からシール層の厚み以上
が必要であり、0.1〜0.3mm程度が望ましい。
0.1mm以下であれば樹脂溜りの形成される量も少な
く、又蓋体を開封する時に、形成された凹部のシール層
の厚みが厚くなってしまい、イージーピール性が損なわ
れてしまう。又、0.3mm以上であれば、フランジ部の強
度が低下してしまう原因となると同時に、シール層が部
分的に破断してしまい安定したピール感が損なわれてし
まう。
フランジ部に形成する凹部形状では、シール層及びこ
れに隣接層の樹脂による樹脂溜りが形成されうる形状の
ものが使用され、例えばU形状や 形状のものが用いられる。又V形状のものも用いられる
が、先端があまり鋭角でありすぎるとシール層を切断し
てしまう恐れがあるので、シール層を切断しない形状と
することが望ましい。
凹形状部7の先端部14のシーラント層の厚みは、最初
のシーラント層の厚みの1/10〜1/3の厚みとすることが
望ましく、最大でも該先端部14のシーラント層の厚みは
10μ以下とすることが望ましい。
第3図に本発明の包装体を得るための熱シールする工
程の模式図を示す。熱シールする位置はフランジ部に形
成された樹脂溜り8の外側部分をシール盤12でシールす
る。尚、シール受盤13はフランジ部下面にあてておく。
熱シールする個所は、樹脂溜りの外側を行う。
従来技術によるシール層の切断面を熱シール部の境界
面を精度よく管理することが要求されるが、本発明にお
いては熱シール部の精度管理幅が広く例えば、第3図に
おける熱シール盤は実線で図示した個所から点線で示し
た個所の範囲内(b)であれば、イージーピール性にさ
ほど影響を及ぼすことがなく、非常に実戦的な管理幅を
とることができる。
(作 用) 上記した本発明の包装体は蓋体3とフランジ部におい
て、樹脂溜りの外側部において強固に接着した状態で、
密封した時に充分に内圧、外圧に耐えることができ、開
封時にはシーラント層と、シーラント層に隣接した層か
ら剥離を始め、シーラント層が蓋体側について開封され
てゆき、樹脂溜り部分から、凹形状部7に到り、凹形状
部の先端部14あるいは該先端部近辺でシーラント層が引
きちぎられて、容易に開封される。
本発明においてはシーラント層が超音波により形成さ
れた凹部の先端部1点による部分のみならず、側面部で
あってもシーラント層の厚みが徐々に増して来る状態と
なっており引きちぎり可能の範囲が広く、非常に安定し
たイージーピール性が得られる。
(実施例) 以下に本発明の実施例を比較例と対比して説明する。
実施例 全体の厚さが850μで、シール層の材質が密度0.955、
メルトインデックス(MI)5g/10min.の高密度ポリエチ
レン(HDPE)、隣接層(外層を兼ねる)はメルトインデ
ックス(MI)0.5g/min.のポリプロピレン(PP)からな
る2層シートを共押出して作製した。ついで、このシー
トを真空成形し、内径65mm、フランジ部外径75mm、高さ
25mmの容器本体を得た。この容器本体のシール層の厚さ
は20μ、シール層と隣接層とのラミネート強度は1500g/
25mmであった。
ついで容器本体のフランジ面に、フランジ部と容器側
面部の境界面から1mmはなれた位置にU形状(高さ0.5m
m、幅0.4mm、先端R0.2mm)の突起をリング状に設けた超
音波ホーンをあてて、超音波処理を行い、フランジ部最
内側に凹形状を形成し、樹脂溜りを形成した。超音波処
理条件は出力2KW(使用エネルギー55J)加圧力350kpa.
時間0.3秒であり、ホーン先端部の沈み込み高さは0.2mm
とした。
蓋体として、容器のシール層と同一のポリエチレン
(厚さ50μ)をシーラント層とし、これに延伸ナイロン
(厚さ30μ)をドライラミネートしたものを用いた。
容器フランジ部のシール層面に蓋体のシーラント層を
重ね、面圧2kg/cm2、温度190℃、時間0.1秒の条件で容
器本体のフランジ部の樹脂溜り部の外側を熱シールし、
本発明の包装体を得た。
得られた50個の包装体につき蓋体を開封したところ、
全ての容器が抵抗のないピール感で最後まで円滑に開口
分離し、開封面の状態も毛羽立ち、変形等の現象は認め
られず良好であった。
また、蓋体の中央に粘着性のゴム板(厚さ1.5mm)を
貼りつけ、注射針を差込んで2cc/秒の速度で空気を圧入
した際のパンク圧を測定した。
その結果を、開封性能と併せて表1に示した。
比較例 実施例1で得た容器本体のフランジ面に、フランジ部
と容器側面部の境界面から周縁外側に向かって1mmの位
置に深さ25μの切り欠きを全周加工した。この容器本体
に実施例と同一の蓋体を同様の条件によりヒートシール
して密封容器を作製した。
この容器(50個)について測定したパンク圧及び開封
性能を表1に併載した。
表1の結果から本発明の包装体は比較例と比べて耐圧
性は同等であり、そのバラツキが少なく、開封性能では
大幅に優れている結果を示した。
(発明の効果) 以上のとおり、本発明によれば、容器本体のフランジ
部の最内側の部分に全円周にわたり凹形状を形成し、凹
形状の縁部に樹脂溜り部を形成し、樹脂溜り部の外側部
を樹脂溜りの突起部を含めて熱シールすることにより、
常に安定した 耐圧性を保持しながら、円滑なピール感で容易に蓋体
を開封することが出来、更に熱シール時における精度管
理も容易であり、非常に実用的な包装体の製造方法であ
った。
従って、あらゆる種類の食品類に適応できる高品質の
易開封性密封包装体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】 第1図は本発明の易開封性密閉型の包装体を示した断面
図、第2図は容器本体のフランジ部の拡大した断面の模
式図、第3図は本発明の包装体を得るための熱シール工
程を示す模式図である。第4図は蓋体の開封状態を示し
たフランジ部の拡大図である。 A……内容物食品、1……容器本体、2……フランジ
部、3……蓋体、4……シール層、5……隣接層、6…
…シーラント層、7……凹形状部、8,9……シーラント
層樹脂溜り、10,11……隣接層樹脂溜り、12……熱シー
ル盤、13……熱シール受け台。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】10〜70μ厚のシール層を有し、該シール層
    と隣接する隣接層とのラミネート強度が300〜2000g/25m
    mである多層シートから形成したフランジ部を有する容
    器本体と蓋材とを該シール層と隣接層とのラミネート強
    度よりシール強度が強くなるようフランジ部で熱シール
    してなる包装体において、容器本体のフランジ部の最も
    内側周縁部に超音波処理によって凹形状を全周に渡り形
    成することにより、凹形状の縁部にシール層を形成して
    いる樹脂による樹脂溜りを形成させた後、蓋体を被冠さ
    せ、該樹脂溜り部の外側部分を熱シールすることを特徴
    とする包装体の製造方法。
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