JPH0613324Y2 - 錠の取付位置調整金具 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は例えば用心錠等のように、錠本体を扉の表面に
取付ける面付錠に用いて好適な錠の取付位置調整金具に
関する。

〔従来の技術〕 従来用心錠の取付けに際しては、錠本体を扉表面に取付
けねじにより直接固定していた為、錠本体の取付け位置
を誤ったり、又は長期間にわたる使用で扉がずれ、扉の
竪枠に設けられるデッドボルトの係合孔或はガードアー
ムの係合孔とデッドボルト或はガードアームが一致しな
い不具合を生じた場合、扉に取付けねじ孔を再度あけな
おし、錠本体の取付位置を変更しなければならないが、
当該作業は非常に面倒であり、又古い取付けねじ孔が見
えることがあると扉の外観を損ねる等の問題点がある。
又取付け位置の変更が僅かの時は、扉に取付けねじ孔を
新たにあけなおせない為、取付け位置の微調整が困難と
なる問題点がある。

〔考案が解決しようとする問題点〕

本考案は上記問題点を解消しようとするもので、固定金
具を扉に、該扉との間にスライド金具を水平移動可能に
介在して固定し、該スライド金具を上記固定金具に締付
ねじにより水平移動調整可能に固定し、錠本体を上記ス
ライド金具にねじにより固定するよう構成することによ
って、扉の施工上の寸法誤差や錠本体の取付け誤差、又
は長年にわたる使用で扉がずれた場合等において、錠本
体を適切な位置関係に簡単、かつ容易に取付けできるよ
うにしたのが、その目的である。

〔問題点を解決するための手段〕

即ち本考案は、錠本体がねじにて固定されるスライド金
具を上下動を阻止した状態で水平方向へスライド自在に
嵌合可能なるよう裏側に凹部を縦設した固定金具を、扉
の表面との間に上記スライド金具を介在して扉表面にね
じにて固定し、上記固定金具に穿設した横長孔に締付ね
じを挿入して当該固定金具に上記スライド金具を締、弛
可能に固定して構成し、上記問題点を解決したのであ
る。

〔実施例〕

以下本考案を用心錠に実施した一実施例につき図面に基
づいて詳述すれば、第１図ないし第７図に示したよう
に、固定金具１とスライド金具２との極めて数少ない部
材で構成されている。

上記固定金具１は前面板部１ａと、該前面板部１ａの左
右両側辺を夫々裏側へ略直角に屈曲した左右の起立板部
１ｂ、１ｂとで横断面略凹字形状に形成されており、こ
れによって固定金具１の裏側には上記スライド金具２を
水平方向へスライド自在に嵌合する為の凹部３を上下方
向へ開口して設けてあると共に、前面板部１ａの上下両
側端からスライド金具２の押え片１ｃ、１ｃを対称に延
設させてある。

又、上記前面板部１ａには、その略中央部に横長孔１ｄ
を貫設させてあると共に、その上下両端部の左右両側部
には夫々取付孔１ｅ…を貫設させてある。

一方、上記スライド金具２は、幅の狭い縦長板部２ａ
と、該縦長板部２ａの上下両端に連設される横長板部２
ｂ、２ｂとで正面略Ｉ字形状に、かつ、上記固定金具１
と略同一長さに一体に形成させてあり、該縦長板部２ａ
の略中央部にはねじ孔２ｃが上記固定金具１の横長孔１
ｄと合致するよう貫設させてあり、又上記両横長板部２
ｂ、２ｂの左右両端部近くには錠本体９をねじ10…にて
固定する為のねじ孔２ｄ…が夫々貫設されているが、こ
のねじ孔２ｄ…は充分な締付けしろが得られるようボス
部２ｆを突設して設けると良い。

こゝで、上記固定金具１における凹部３の長さｌ、つま
り左右の起立板部１ｂ、１ｂの長さと、上記スライド金
具２における上下の両横長板部２ｂ、２ｂ間の寸法ｌ′
は同一ないしは、上記長さｌより上記寸法ｌ′を僅かに
大きく設けてあり、又上記固定金具１における凹部３の
横幅Ｌに対して上記スライド金具２における縦長板部２
ａの横幅Ｌ′は相当に幅狭く設けてある。

又、上記スライド金具２における縦長板部２ａの上部及
び下部の左右両側部には、固定金具１を扉４に固定する
為のねじ５…のニゲ部２ｅを夫々欠除形成させてある。

更に上記固定金具１における前面板部１ａの裏面と、上
記スライド金具２における縦長板部２ａの表面には、後
述するようにして上記両金具１、２を重積状態で締付ね
じ６にて固定する際、相互に噛み合う複数箇の縦長溝７
…と、縦長突条８を設けて上記両金具１、２がより強固
に固定されるようにしてある。

尚、図において11はデッドボルト、11aは切欠き、12は
デッドボルト11を出没操作する為のノブ、13はガードア
ーム、13aは係合孔を夫々示している。

而して上記構成において、これを用いて扉４に錠本体９
を取付ける時は、予め設定した錠本体９の取付け位置に
おいて、固定金具１を、夫々の取付孔１ｅ…にねじ５…
を挿入し、扉４に螺着することによって扉４の表面に固
定するが、この際、固定金具１と扉４との間にスライド
金具２を介在して固定金具１を扉４に固定し、該スライ
ド金具２の縦長板部２ａを上記固定金具１の凹部３に嵌
合する。

この状態では、上記スライド金具２は、その縦長板部２
ａの横幅Ｌ′と、固定金具１における凹部３の横幅Ｌの
寸法差だけ水平方向にスライド可能であり、上下の横長
板部２ｂ、２ｂによりスライド金具２の上下動は阻止さ
れる。

次いで、固定金具１の横長孔１ｄから締付ねじ６を挿入
し、スライド金具２のねじ孔２ｃに螺着すると上記両金
具１、２は重積状態で締着されるので、スライド金具２
は固定金具１に固定される。又、上記締付ねじ６を弛め
た状態では、上記スライド金具２は横長孔１ｄの有効ス
トロークの範囲で水平方向の移動調整が可能であるか
ら、予め位置調整した後、締付ねじ６にて締着すること
によりスライド金具２は所望位置に固定される。又上記
固定状態では夫々に設けた縦長溝７と縦長突条８とが相
互に噛み合い相対的に水平方向及び締付ねじ６を中心と
する回転方向の動きは阻止されるので、スライド金具２
はより強固に固定され、使用中に取付け位置がずれるこ
とはない。

次いで、上記スライド金具２の各ねじ孔２ｄ…に、錠本
体１の外側から差し込んだねじ10…を螺合して、当該錠
本体９をスライド金具２に固定することで取付けは完了
する。

〔考案の効果〕

以上説明したように本考案に係る錠の取付位置調整金具
は構成したものであるから、例えば用心錠において、扉
４の施工上の寸法誤差、又は扉４に対する錠本体９の取
付け誤差、更には長年にわたる使用で扉４がずれる等し
てデッドボルト11の切欠き11aと、ガードアーム13の係
合孔13aとが一致しなくなる不具合が生じて錠本体９の
取付け位置を調整しなければならなくなった場合でも、
錠本体９を取り外し、締付ねじ６を弛めた状態でスライ
ド金具２を水平方向に任意にスライドした後、上記締付
ねじ６を螺着して固定することで錠本体９の位置調整を
行なうことができ、しかもその調整は締付ねじ６のみの
容易な操作によって簡単、かつ素早く行なうことがで
き、又従来のように扉に新たに孔を加工するものではな
いから扉の外観を損ねることもなく、更に構造的には固
定金具１とスライド金具２との数少ない部材で構成され
て簡単であるから安価に製作することができる等の効果
がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る錠の取付位置調整金具の一実施例
を示した分解斜視図、第２図は同実施例において固定金
具を扉との間にスライド金具を介在して扉に固定した状
態を示す斜視図、第３図は同実施例における錠本体の取
付状態を示した斜視図、第４図、第５図、第６図は同実
施例における錠本体の取付位置調整状態を夫々示した各
正面図、第７図は同実施例の一部の横断面図である。 １……固定金具、１ｄ……横長孔 ２……スライド金具、３……凹部 ４……扉、５、10……ねじ ６……締付ねじ、９……錠本体

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】錠本体９がねじ10…にて固定されるスライ
   ド金具２を上下動を阻止した状態で水平方向へスライド
   自在に嵌合可能なるよう裏側に凹部３を縦設した固定金
   具１を、扉４の表面との間に上記スライド金具を介在し
   て扉表面にねじ５…にて固定し、上記固定金具に穿設し
   た横長孔１ｄに締付ねじ６を挿入して当該固定金具に上
   記スライド金具を締、弛可能に固定するよう構成したこ
   とを特徴とする錠の取付位置調整金具。