JPH06107803A - 真空用フッ素ゴム並びにその製造方法 - Google Patents

真空用フッ素ゴム並びにその製造方法

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JPH06107803A
JPH06107803A JP25653492A JP25653492A JPH06107803A JP H06107803 A JPH06107803 A JP H06107803A JP 25653492 A JP25653492 A JP 25653492A JP 25653492 A JP25653492 A JP 25653492A JP H06107803 A JPH06107803 A JP H06107803A
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久 治 小日向
Yoshitaka Samura
村 義 隆 左
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Abstract

(57)【要約】 【構成】本発明の真空用フッ素ゴムは、常温で1×10
-5〜1×10-8Torrの雰囲気下で12時間放置後のアウ
トガス放出量が、単位表面積当り1×10-7Torr・l/
sec・cm2以下であることを特徴とする。また本発明の真
空用フッ素ゴムは、メチルエチルケトン溶剤に常温で2
4時間浸漬した場合における、フッ素ゴムからの抽出量
が単位体積当り0.02g/cm3以下であることを特徴
とする。このようなフッ素ゴムは、例えば、架橋された
フッ素ゴムを水などの溶剤と接触させることにより得ら
れる。 【効果】本発明の真空用フッ素ゴムでは、高真空中に置
かれても放出ガス量が少ない。該真空用フッ素ゴムをシ
ール材に用いれば、短時間でチャンバー内を高真空状態
にすることができ、しかもチャンバーやチャンバー内の
半導体などの被処理物は汚染されず、またCVD装置内
にパーティクルが生成することもない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は真空用フッ素ゴム並びにそ
の製造方法に関し、さらに詳しくは、真空中での放出ガ
ス(アウトガス)量が少ないような真空用フッ素ゴム並
びにその製造方法に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】従来より、真空装置用のシール材
にはフッ素ゴム(FPM)が使用されているが、このフ
ッ素ゴム製シール材は、通常フッ素ゴム配合物を直圧プ
レスなどにより加熱、加圧して成形した後、二次加硫し
て製造されている。
【0003】しかしながらこのフッ素ゴム製シール材は
真空条件下で使用されると、下記のような問題が生じて
いた。 (イ)フッ素ゴム製シール材が装着されたチャンバーが
汚染される。 (ロ)高真空に至るまでに長時間を要し、真空装置の稼
働率が低下してしまう。 (ハ)半導体などの被処理物が汚染されることがある。 (ニ)フッ素ゴム製シール材が装着されたCVD装置な
どの真空装置内に、パーティクル(粒子)が生成してし
まう場合がある。
【0004】そこで本発明者らは、上記問題点を解決す
べく鋭意研究したところ、以上のような問題点は、すべ
てフッ素ゴムから放出されるガスによるものであること
を見出し、さらに研究したところ、特定のアウトガス放
出量のフッ素ゴムを用いると、上記の問題点を一挙に解
決し得ることなどを見出して、本発明を完成するに至っ
た。
【0005】
【発明の目的】本発明は上記のような従来技術に伴う問
題点を解決しようとするものであって、真空中での放出
ガス量が少ない真空用フッ素ゴム並びにその製造方法を
提供することを目的としている。
【0006】
【発明の概要】本発明に係る真空用フッ素ゴムは、常温
で1×10-5〜1×10-8Torrの減圧雰囲気下で12時
間放置後のアウトガス放出量が、単位表面積当り1×1
-7Torr・l/sec・cm2以下、好ましくは5×10-8To
rr・l/sec・cm2以下であることを特徴としている。
【0007】また本発明に係る真空用フッ素ゴムは、常
温で、メチルエチルケトン溶剤に24時間浸漬した場合
における、フッ素ゴムからの抽出物量が単位体積当り
0.02g/cm3以下、好ましくは0.01g/cm3以下
であることを特徴としている。
【0008】本発明に係る真空用フッ素ゴムの製造方法
は、架橋されたフッ素ゴムを溶剤と接触させることを特
徴としている。本発明においては、上記のフッ素ゴム
が、ビニリデンフロライド系ゴムまたは、テトラフロロ
エチレン−パーフロロビニルエーテル系ゴムであること
が好ましい。また、本発明においては、上記の溶剤は水
であることが好ましい。
【0009】本発明によれば、上記のように架橋された
フッ素ゴムをたとえば高温の純水などの溶剤と接触させ
ることによって、架橋されたフッ素ゴム中の揮発成分を
予め抽出・除去しているので、高真空中に置かれても放
出ガス量の少ないようなフッ素ゴムが得られる。
【0010】従って、この真空用フッ素ゴムを真空装置
のシール材として用いると、短時間でチャンバー内を高
真空状態にすることができ、しかもチャンバーやチャン
バー内の半導体などの被処理物は汚染されず、またCV
D装置内にパーティクルが生成することもない。
【0011】
【発明の具体的説明】以下、本発明に係る真空用フッ素
ゴム並びにその製造方法について、具体的に説明する。
【0012】本発明に係る真空用フッ素ゴムは、常温で
1×10-5〜1×10-8Torrの雰囲気下で12時間放置
後のアウトガス放出量が、単位表面積当り1×10-7To
rr・l/sec・cm2以下、好ましくは5×10-8Torr・l
/sec・cm2以下である。
【0013】また、本発明に係る真空用フッ素ゴムは、
メチルエチルケトン溶剤に常温で24時間浸漬した場合
における抽出物量が単位体積当り0.02g/cm3
下、好ましくは0.01g/cm3以下である。
【0014】このようなフッ素ゴムでは、架橋フッ素ゴ
ム中の揮発成分が予め放出・除去されており、真空中あ
るいは高真空中に置かれても放出ガス量が少ない。この
ようなフッ素ゴムは、例えば、架橋されたフッ素ゴムを
溶剤と接触させることにより得られる。
【0015】架橋されたフッ素ゴムを製造するには、下
記のようなフッ素ゴム配合物(A1)、フッ素ゴム系熱
可塑性エラストマー(A2)などが用いられる。フッ素
ゴム配合物(A1)としては、下記のようなフッ素ゴム
に必要により加硫剤、加硫助剤、酸捕捉剤、充填剤など
が配合されたフッ素ゴム配合物が挙げられる。
【0016】フッ素ゴムとしては、従来公知のものが広
く用いられるが、ビニリデンフロライド系ゴム、テトラ
フルオロエチレン−プロピレン系ゴム、テトラフルオロ
エチレン−パーフルオロビニルエーテル系ゴム、フルオ
ロシリコーン系ゴム、フルオロホスファゼン系ゴムなど
が挙げられる。
【0017】ビニリデンフロライド系ゴムとして、具体
的には、たとえばビニリデンフロライド(VdF)とヘ
キサフルオロプロピレン(HFP)との共重合ゴム
(例:ダイキン工業製ダイエル G 801)、ビニリ
デンフロライドとペンタフルオロプロピレンとの共重合
ゴム、ビニリデンフロライドとクロロトリフルオロエチ
レンとの共重合ゴム、ビニリデンフロライド(VdF)
とヘキサフルオロプロピレン(HFP)とテトラフルオ
ロエチレン(TFE)の三元共重合ゴム(例:ダイキン
工業製ダイエルG−901H、G 901、G 100
1)などが挙げられ、テトラフルオロエチレン−プロピ
レン系ゴムとしては、たとえばテトラフルオロエチレン
(TFE)とプロピレン(Pr)との共重合ゴム(例:
旭硝子製アフラス)、テトラフルオロエチレン−パーフ
ルオロビニルエーテル系ゴムとしては、テトラフルオロ
エチレンとパーフルオロビニルエーテルとの共重合物に
少量の架橋用モノマーを共重合してなるゴムが挙げら
れ、フルオロホスファゼン系ゴムとしては、ジクロロホ
スフォニトリルの三量体を熱分解してなる長鎖ゴム(P
NCl2nと、含フッ素アルコラートとを反応させて得
られるゴムが挙げられ、フルオロシリコーン系ゴムとし
ては、メチルトリフルオロプロピルシロキサンとビニル
メチルシロキサンとの共重合ゴムが挙げられる。このよ
うなフッ素ゴムの内では、ビニリデンフロライド系ゴ
ム、テトラフルオロエチレン−パーフルオロビニルエー
テル系ゴムが好ましい。
【0018】加硫剤としては、アミン系加硫剤(a)、
ポリオール系加硫剤(b)、パーオキサイド系加硫剤
(c)、トリアジン系加硫剤(d)が挙げられ、アミン
系加硫剤(a)として具体的には、たとえばヘキサメチ
レンジアミンカーバメート、N,N'-ジシンナミリデン-1,
6-ヘキサンジアミン、ヘキサメチレンジアミン・カルバ
メートなどが挙げられ、ポリオール系加硫剤(b)とし
ては、ビスフェノールAF、4,4'-ジヒドロキシジフェ
ニルなどが挙げられ、パーオキサイド系加硫剤(c)と
しては、α,α’-ビス(t-ブチルペルオキシ-m-イソプ
ロピル)ベンゼン(日本油脂製パーブチル P)、2,5-
ジメチル-2,5-ジ(t-ブチルペルオキシ)ヘキサン(日
本油脂製パーヘキサ25B)、ジクミルペルオキシド
(日本油脂製パークミルD)、2,5-ジメチル-2,5-(t-
ブチルペルオキシ)ヘキシン-3(日本油脂製パーヘキシ
ン25B)、ベンゾイルペルオキシド(日本油脂製ナイ
パーB)などが挙げられ、トリアジン系加硫剤(d)と
しては、トリアジンが挙げられる。
【0019】加硫助剤としては、具体的には、たとえば
トリアリルイソシアヌレート(日本化成製タイク)、エ
チレングリコール・ジメタクリレート(三新化学サンエ
ステルEG)、トリメチロールプロパントリメタクリレ
ート(三新化学サンエステルTMP)、多官能性メタク
リレートモノマー(精工化学製ハイクロスM)、多価ア
ルコールメタクリレートおよびアクリレート、メタクリ
ル酸の金属塩などが挙げられる。
【0020】酸捕捉剤(受酸剤)としては、二価金属の
酸化物、水酸化物またはこれらの二価金属化合物と弱酸
金属塩との混合物が挙げられる。二価金属としては、具
体的にはマグネシウム、カルシウム、鉛、亜鉛などが挙
げられる。これらの金属は、酸化物、または水酸化物と
して、あるいはこれら金属化合物とステアリン酸、安息
香酸、炭酸、しゅう酸、亜リン酸などのような弱酸の金
属塩との混合物として用いられる。
【0021】このような酸捕捉剤として、さらに具体的
には、たとえばCa(OH)2、MgOなどが挙げられ
る。加硫促進剤としては、例えば、第四級ホスホニウム
塩、第四級アンモニウム塩、8-アルキル(又はアラルキ
ル)-1,8-ジアザ-バイシクロ[5.4.0]-7-ウンデセンの第
四級アンモニウム塩、アミノホスフィン酸誘導体などが
挙げられる。
【0022】充填剤としては、具体的には、たとえばカ
ーボンブラック、硫酸バリウム、酸化チタン、炭酸カル
シウム、ケイ酸マグネシウム(タルク)、ケイ酸アルミ
ニウム(クレー)などが挙げられる。
【0023】このようなフッ素ゴム配合物では、フッ素
ゴム100重量部に対して、加硫剤は0.5〜10重量
部、好ましくは0.5〜5重量部の量で、加硫助剤は、
1〜20重量部、好ましくは3〜10重量部の量で、酸
捕捉剤は1〜40重量部、好ましくは2〜20重量部の
量で、加硫促進剤は0.1〜10重量部、好ましくは
0.3〜2重量部の量で、充填剤は1〜100重量部、
好ましくは5〜40重量部の量で用いられる。
【0024】上記のようなフッ素ゴム配合物を調製する
には、上記のフッ素ゴムに上記のような量で加硫剤など
の各種成分を配合し、たとえばロールにて混練すればよ
い。なお、このようなフッ素ゴム配合物として、具体的
には、たとえば(イ)ビニリデンフロライド系ゴム、ア
ミン系加硫剤、酸捕捉剤、加硫促進剤および充填剤から
なるフッ素ゴム配合物、(ロ)ビニリデンフロライド系
ゴム、ポリオール系加硫剤、酸捕捉剤、加硫促進剤およ
び充填剤からなるフッ素ゴム配合物、(ハ)ビニリデン
フロライド系ゴム、パーオキサイド系加硫剤、加硫助剤
および充填剤からなるフッ素ゴム配合物、(ニ)テトラ
フルオロエチレン−パーフルオロビニルエーテル系ゴ
ム、ポリオール系加硫剤、酸捕捉剤、加硫促進剤および
充填剤からなるフッ素ゴム配合物、(ホ)テトラフルオ
ロエチレン−パーフルオロビニルエーテル系ゴム、トリ
アジン系加硫剤、酸捕捉剤、加硫促進剤および充填剤か
らなるフッ素ゴム配合物などが挙げられる。
【0025】フッ素ゴム系熱可塑性エラストマー(A
2)は、室温付近の温度では、ゴム弾性を示し、また加
熱によって塑性流動性を示し、エラストマー系ポリマー
鎖セグメントと非エラストマー性セグメントとを含んで
おり、これらの内で少なくとも一方は含フッ素ポリマー
鎖セグメントである。
【0026】このようなフッ素ゴム系熱可塑性エラスト
マーとしては、従来公知のものが広く用いられるが、た
とえば下記のようなフッ素ゴム成分(エラストマー性ポ
リマー鎖セグメント)とフッ素樹脂成分(非エラストマ
ー性ポリマー鎖セグメント)とからなるエラストマーが
挙げられる。
【0027】エラストマー性ポリマー鎖セグメントとし
ては、(i)フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピ
レンまたはペンタフルオロプロピレン−テトラフルオロ
エチレン三元共重合体であって、共重合体100モル%
中にフッ化ビニリデン単位が40〜90モル%、ヘキサ
フルオロプロピレンまたはペンタフルオロプロピレン単
位が5〜50モル%、テトラフルオロエチレン単位が0
〜35モル%の量で含有されているもの、あるいは(i
i)パーフルオロアルキルビニルエーテル−テトラフル
オロエチレン−フッ化ビニリデン三元共重合体であっ
て、共重合体100モル%中にパーフルオロアルキルビ
ニルエーテル単位が15〜75モル%、テトラフルオロ
エチレン単位が0〜85モル%、フッ化ビニリデン単位
が0〜85モル%の量で含有されているものなどが挙げ
られ、これら(i)および(ii)は通常、その分子量が
3万〜120万程度である。
【0028】非エラストマー性ポリマー鎖セグメントと
しては、(iii)フッ化ビニリデン−テトラフルオロエ
チレン共重合体であって、共重合体100モル%中に、
フッ化ビニリデン単位が0〜100モル%、テトラフル
オロエチレン単位が0〜100モル%のもの、あるいは
(iv)エチレンとテトラフルオロエチレンとヘキサフル
オロプロピレン、3,3,3-トリフルオロプロピレン-1、2-
トリフルオロメチル-3,3,3-トリフルオロプロピレン-1
またはパーフルオロアルキルビニルエーテルとの多元共
重合体であって、共重合体100モル%中に、エチレン
単位が40〜60モル%、テトラフルオロエチレン単位
が60〜40モル%、ヘキサフルオロプロピレンなどの
単位が0〜30モル%のものが挙げられ、これら(ii
i)および(iv)は通常、その分子量が3000〜40
万程度である。このフッ素ゴム系熱可塑性エラストマー
に関しては、特開昭53−3,495号公報、特願昭6
0−109,141号明細書などに詳細に記載されてい
る。
【0029】このようなフッ素ゴム系熱可塑性エラスト
マーでは、エラストマー性ポリマー鎖セグメントと非エ
ラストマー性ポリマー鎖セグメントとの比率は重量比で
通常、40〜95:60〜5程度である。
【0030】またこのようなフッ素ゴムとフッ素樹脂と
の共重合体すなわちフッ素ゴム系熱可塑性エラストマー
は、たとえばダイエルサーモ(ダイキン工業製)などの
商品名で市販されている。
【0031】このフッ素ゴム系熱可塑性エラストマーか
ら予備成形体を得るには常法に従えばよい。たとえばこ
のエラストマーを所望形状の金型に充填し加熱し冷却す
ればよい。この際、上記の加硫剤、充填剤などを前記エ
ラストマー中に通常、添加する必要はないが、場合によ
り、ポリオール、パーオキサイドなどの加硫剤を用いて
もよい。
【0032】このようなフッ素ゴム系熱可塑性エラスト
マーから得られた予備成形体を放射線にて三次元架橋す
ると所望の架橋されたフッ素ゴム系熱可塑性エラストマ
ーが得られる。
【0033】またこのように予備成形体を放射線架橋す
る際には、通常、3〜300KGray、好ましくは70〜
200KGrayの放射線が照射される。放射線としては、
X線、ガンマ線、電子線、陽子線、重陽子線、アルファ
線、ベータ線等が用いられる。
【0034】溶剤によるアウトガスの抽出 本発明に係る真空用フッ素ゴムは、上記のようなフッ素
ゴム配合物(A1)の架橋物あるいはフッ素ゴム系熱可
塑性エラストマー(A2)の架橋物と、溶剤とを接触さ
せることにより製造することができる。
【0035】このような架橋されたフッ素ゴムと溶剤と
を接触させるには、架橋されたフッ素ゴムを溶剤に浸漬
するなどすればよい。このようにすると、真空雰囲気下
での使用時に揮発しているような成分を予め抽出・除去
することができ、真空条件下での使用時に揮発してくる
放出ガス(アウトガス)量が少ないような真空用フッ素
ゴムが得られる。
【0036】溶剤としては、有機溶剤、無機溶剤、混合
溶剤などが挙げられる。有機溶剤としては、アセトン、
メチルエチルケトン(MEK)、アルコールなどの極性
溶剤、ベンゼン、トルエンなどの無極性溶剤が挙げられ
る。このような有機溶剤の内では極性溶剤が好ましく用
いられる。このような極性溶剤を用いると、架橋された
フッ素ゴムに該溶媒が浸透しやすいため、真空雰囲気下
での使用時に揮発してくるような成分は抽出されやす
い。
【0037】無機溶剤としては、水などが挙げられる。
混合溶剤としては、水−アセトン混合溶剤、水−アルコ
ール混合溶剤などが挙げられる。これらの溶剤のうちで
は環境汚染の問題を有しない水が好ましく用いられる。
【0038】水のうちでは純水が好ましく、特に25℃
で測定した比抵抗値が10×104Ω・cm以上の純水が
好ましい。なお、このような溶剤によるアウトガス抽出
の際には、界面活性剤を用いることもできる。界面活性
剤を上記溶剤とともに用いると抽出および洗浄効果が高
まり、フッ素ゴムと溶剤との接触時間を短縮することが
できる。界面活性剤としては、例えば、アルキルベンゼ
ンスルホン酸ナトリウムなどが挙げられる。このような
界面活性剤は、例えば、水などの溶媒100重量部に対
して0.1〜1重量部の量で用いられる。
【0039】なお、このような溶剤と架橋されたフッ素
ゴムとの接触時間などは、架橋されたフッ素ゴムの組
成、使用される溶剤の種類、濃度などにより変動する
が、たとえば、上記のような純水を用いる場合には、2
5℃以上の温度、好ましくは95〜100℃の温度に加
熱した純水と、0.1時間以上、好ましくは0.3〜5
時間程度、上記の架橋されたフッ素ゴムとを接触させれ
ばよい。
【0040】またこの溶剤処理をする前に、二次加硫を
してもよく、二次加硫をしなくてもよい。このような溶
剤処理をされたフッ素ゴムでは、常温(25℃)で1×
10-5〜1×10-8Torrの減圧雰囲気下で12時間保持
した後の単位表面積当りのアウトガス放出量は1×10
-7Torr・l/sec・cm2以下、好ましくは5×10-8Torr
・l/sec・cm2以下である。
【0041】またこれらのような処理されたフッ素ゴム
では、常温でメチルエチルケトンの溶剤に24時間浸漬
した場合における抽出物量が単位体積当り0.02g/
cm3以下、好ましくは0.01g/cm3以下である。
【0042】
【発明の効果】本発明に係る上記したようなフッ素ゴム
を真空雰囲気下に用いれば、該ゴムからの放出ガス量が
少ないため、例えば、短時間でチャンバー内を高真空状
態にすることができ、しかもチャンバーやチャンバー内
の半導体などの被処理物は汚染されず、またCVD装置
内にパーティクルが生成することもない。
【0043】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに具体的に
説明するが、本発明はこれらの実施例によりなんら制限
されるものではない。
【0044】
【実施例1】下記のような成分組成のフッ素ゴム配合物
を調製した。フッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロピ
レンからなる二元系フッ素ゴム(フッ素ゴム100モル
%中に、フッ化ビニリデン単位は77モル%、ヘキサフ
ルオロプロピレン単位は23モル%の量で含有されてお
り、フッ素ゴムの平均分子量は100,000であ
る。) フッ素ゴム …100重量部 酸化マグネシウム … 3重量部 カーボンブラック … 30重量部 水酸化カルシウム … 6重量部 加硫促進剤(第四級アンモニウム塩)… 1重量部 加硫剤(ビスフェノールAF) …フッ素ゴムに1
重量%の量で配合。
【0045】このようなフッ素ゴム配合物を金型にて、
30kgf/cm2の加圧下170℃の温度で10分間、一次
加硫した。得られた一次加硫物を大気圧下230℃の温
度で24時間二次加硫した。
【0046】得られた二次加硫物を25℃の比抵抗値が
3×105Ω・cmの純水にて、98℃の温度で20分間
煮沸した後、煮沸水を捨て、新たに新しい純水を入れ、
98℃の温度でさらに20分間煮沸した後、得られた成
形体を取り出して乾燥した。
【0047】その結果、乾燥して得られた成形体は、常
温で1×10-7〜1×10-8Torrの雰囲気下で12時間
後のOリング表面積当りのアウトガス放出量が2.0×
10 -6Torr・l/sec・cm2であった。
【0048】また乾燥して得られた成形体を、常温で2
4時間メチルエチルケトン(MEK)溶剤に浸漬したと
ころ、抽出物量は0.005g/cm3であった。また、
このような成形体をシール材として用いたところ、チャ
ンバーやチャンバー内の半導体などの被処理物は汚染さ
れなかった。また、短時間でチャンバー内を高真空状態
にすることができ、CVD装置にパーティクルが生成す
ることもなかった。
【0049】
【実施例2】実施例1において、得られた二次加硫物を
純水にて、98℃の温度で2時間30分煮沸した後、煮
沸水を捨て、新たに新しい純水を入れ、98℃の温度で
さらに2時間30分煮沸した以外は、実施例1と同様に
して乾燥された成形体を得た。
【0050】その結果、乾燥して得られた成形体は、常
温で1×10-7〜1×10-8Torrの雰囲気下で12時間
後のOリング表面積当りのアウトガス放出量が1.8×
10 -8Torr・l/sec・cm2であった。
【0051】また乾燥して得られた成形体を、常温で2
4時間メチルエチルケトン(MEK)溶剤に浸漬したと
ころ、抽出物量は0.003g/cm3であった。また、
このような成形体をシール材として用いたところ、チャ
ンバーやチャンバー内の半導体などの被処理物は汚染さ
れなかった。また、短時間でチャンバー内を高真空状態
にすることができ、CVD装置にパーティクルが生成す
ることもなかった。
【0052】
【比較例1】実施例1において、一次加硫物から直接成
形体を得た。得られた成形体は、常温で1×10-5〜1
×10-6Torrの雰囲気下で12時間後のOリング表面積
当りのアウトガス放出量が4.1×10-6Torr・l/se
c・cm2であった。常温(RT)で、24時間 MEK
(メチルエチルケトン)に浸漬した時の抽出量が0.0
35g/cm3であった。
【0053】また、このような成形体をシール材として
用いたところ、チャンバーやチャンバー内の半導体など
の被処理物の汚染が認められた。またチャンバー内を高
真空状態にする際に比較的長時間を要し、またCVD装
置内にパーティクルが生成することがあった。
【0054】
【比較例2】実施例1において、得られた二次加硫物か
ら直接成形体を得た。得られた二次加硫物は、常温で1
×10-6〜1×10-7Torrの雰囲気下で12時間後のO
リング表面積当りのアウトガス放出量が2.2×10-7
Torr・l/sec・cm2であった。
【0055】また得られた二次加硫物では、常温で24
時間MEKに浸漬したところ、抽出物量は0.025g
/cm3であった。また、このような成形体をシール材と
して用いたところ、チャンバーやチャンバー内の半導体
などの被処理物の汚染が認められた。またチャンバー内
を高真空状態にする際に比較的長時間を要し、またCV
D装置内にパーティクルが生成することがあった。
【0056】結果を併せて表1に示す。
【0057】
【表1】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 27/12 KJG 9166−4J (72)発明者 朝比奈 稔 大阪府八尾市安中町5丁目5番5号 日本 バルカー工業株式会社技術研究所内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 常温で1×10-5〜1×10-8Torrの雰
    囲気下で12時間放置後のアウトガス放出量が、単位表
    面積当り1×10-7Torr・l/sec・cm2以下であること
    を特徴とする真空用フッ素ゴム。
  2. 【請求項2】 メチルエチルケトン溶剤に常温で24時
    間浸漬した場合における、フッ素ゴムからの抽出量が単
    位体積当り0.02g/cm3以下であることを特徴とす
    る真空用フッ素ゴム。
  3. 【請求項3】 架橋されたフッ素ゴムを溶剤と接触させ
    ることを特徴とする真空用フッ素ゴムの製造方法。
  4. 【請求項4】溶剤が、水であることを特徴とする請求項
    3に記載の方法。
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