JP3276419B2 - 真空用フッ素ゴムの製造方法 - Google Patents

真空用フッ素ゴムの製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明はフッ素ゴムの製造方法に関
し、さらに詳しくは、真空中での放出ガス(アウトガ
ス)量が少ないようなフッ素ゴムの製造方法に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】従来より、真空装置用のシール材
にはフッ素ゴム(FPM)が使用されているが、このフ
ッ素ゴム製シール材は、通常フッ素ゴム配合物を直圧プ
レスなどにより加熱、加圧して成形した後、二次加硫し
て製造されている。
【0003】しかしながらこのフッ素ゴム製シール材は
真空条件下で使用されると、フッ素ゴムから多量の放出
ガス(アウトガス)が発生するため、下記のような問題
が生じていた。 (イ)フッ素ゴムからの放出ガスによりチャンバーが汚
染される。 (ロ)フッ素ゴムから多量のガスが放出されると、高真
空に至るまでに長時間を要し、真空装置の稼働率が低下
してしまう。 (ハ)半導体などの被処理物がフッ素ゴムからの放出ガ
スにより汚染される。 (ニ)CVD装置などの真空装置内では、用いられる処
理ガスとフッ素ゴムからの放出ガスとが反応し、パーテ
ィクル(粒子)が生成してしまう場合がある。
【0004】そこで本発明者らは、上記問題点を解決す
べく鋭意研究したところ、フッ素ゴムに特定の処理を加
えれば、上記の問題点を一挙に解決し得ることなどを見
い出して、本発明を完成するに至った。
【0005】
【発明の目的】本発明は上記のような従来技術に伴う問
題点を解決しようとするものであって、真空中での放出
ガス量が少ないフッ素ゴムを製造することができるよう
なフッ素ゴムの製造方法を提供することを目的としてい
る。
【0006】
【発明の概要】本発明に係る真空用フッ素ゴムの製造方
法は、架橋されたフッ素ゴムを100Torr以下、好
ましくは1Torr以下の圧力で減圧処理することを特
徴としている。このような減圧処理は、25〜400℃
の温度で、0.1時間以上行われる。
【0007】本発明においては、上記のフッ素ゴムが、
ビニリデンフロライド系ゴムまたは、テトラフルオロエ
チレン−パーフルオロビニルエーテル系ゴムであること
が好ましい。
【0008】本発明によれば、上記のように架橋された
フッ素ゴムを上記のような圧力で減圧処理することによ
って、架橋されたフッ素ゴム中の揮発成分を予め放出・
除去しているので、高真空中に置かれても放出ガス量の
少ないようなフッ素ゴムが得られる。
【0009】
【発明の具体的説明】以下、本発明に係る真空用フッ素
ゴムの製造方法について、具体的に説明する。
【0010】本発明では架橋されたフッ素ゴムを後述す
るような条件で減圧処理するが、架橋されたフッ素ゴム
を製造するには、下記のようなフッ素ゴム配合物(A
1)、フッ素ゴム系熱可塑性エラストマー(A2)など
が用いられる。
【0011】フッ素ゴム配合物(A1)としては、下記
のようなフッ素ゴムに必要により加硫剤、加硫助剤、酸
捕捉剤、充填剤などが配合されたフッ素ゴム配合物が挙
げられる。
【0012】フッ素ゴムとしては、従来公知のものが広
く用いられるが、ビニリデンフロライド系ゴム、テトラ
フルオロエチレン−プロピレン系ゴム、テトラフルオロ
エチレン−パーフルオロビニルエーテル系ゴム、フルオ
ロシリコーン系ゴム、フルオロホスファゼン系ゴムなど
が挙げられる。
【0013】ビニリデンフロライド系ゴムとして、具体
的には、たとえばビニリデンフロライド(VdF)とヘ
キサフルオロプロピレン(HFP)との共重合ゴム
(例:ダイキン工業製ダイエル G 801)、ビニリデ
ンフロライドとペンタフルオロプロピレンとの共重合ゴ
ム、ビニリデンフロライドとクロロトリフルオロエチレ
ンとの共重合ゴム、ビニリデンフロライド(VdF)と
ヘキサフルオロプロピレン(HFP)とテトラフルオロ
エチレン(TFE)の三元共重合ゴム(例:ダイキン工
業製ダイエルG-901H、G 901、G 1001)
などが挙げられ、テトラフルオロエチレン−プロピレン
系ゴムとしては、たとえばテトラフルオロエチレン(T
FE)とプロピレン(Pr)との共重合ゴム(例:旭硝
子製アフラス)、テトラフルオロエチレン−パーフルオ
ロビニルエーテル系ゴムとしては、テトラフルオロエチ
レンとパーフルオロビニルエーテルとの共重合物に少量
の架橋用モノマーを共重合してなるゴムが挙げられ、フ
ルオロホスファゼン系ゴムとしては、ジクロロホスフォ
ニトリルの三量体を熱分解してなる長鎖ゴム(PNCl
2nと、含フッ素アルコラートとを反応させて得られる
ゴムが挙げられ、フルオロシリコーン系ゴムとしては、
メチルトリフルオロプロピルシロキサンとビニルメチル
シロキサンとの共重合ゴムが挙げられる。このようなフ
ッ素ゴムの内では、ビニリデンフロライド系ゴム、テト
ラフルオロエチレン−パーフルオロビニルエーテル系ゴ
ムが好ましい。
【0014】加硫剤としては、アミン系加硫剤(a)、
ポリオール系加硫剤(b)、パーオキサイド系加硫剤
(c)、トリアジン系加硫剤(d)が挙げられ、アミン
系加硫剤(a)として具体的には、たとえばヘキサメチ
レンジアミンカーバメート、N,N’-ジシンナミリデン
-1,6-ヘキサンジアミン、ヘキサメチレンジアミン・
カルバメートなどが挙げられ、ポリオール系加硫剤
(b)としては、ビスフェノールAF、4,4'-ジヒド
ロキシルジフェニルなどが挙げられ、パーオキサイド系
加硫剤(c)としては、α,α’-ビス(tーブチルペル
オキシーmーイソプロピル)ベンゼン(日本油脂製パーブ
チル P)、2,5ージメチルー2,5ージ(tーブチルペル
オキシ)ヘキサン(日本油脂製パーヘキサ25B)、ジ
クミルペルオキシド(日本油脂製パークミルD)、2,
5-ジメチルー2,5ー(tーブチルペルオキシ)ヘキシンー
3(日本油脂製パーヘキシン25B)、ベンゾイルペル
オキシド(日本油脂製ナイパーB)などが挙げられ、ト
リアジン系加硫剤(d)としては、トリアジンが挙げら
れる。
【0015】加硫助剤としては、具体的には、たとえば
トリアリルイソシアヌレート(日本化成製タイク)、エ
チレングリコール・ジメタクリレート(三新化学サンエ
ステルEG)、トリメチロールプロパントリメタクリレ
ート(三新化学サンエステルTMP)、多官能性メタク
リレートモノマー(精工化学製ハイクロスM)、多価ア
ルコールメタクリレートおよびアクリレート、メタクリ
ル酸の金属塩などが挙げられる。
【0016】酸捕捉剤(受酸剤)としては、二価金属の
酸化物、水酸化物またはこれらの二価金属化合物と弱酸
金属塩との混合物が挙げられる。二価金属としては、具
体的にはマグネシウム、カルシウム、鉛、亜鉛などが挙
げられる。これらの金属は、酸化物、または水酸化物と
して、あるいはこれら金属化合物とステアリン酸、安息
香酸、炭酸、しゅう酸、亜リン酸などのような弱酸の金
属塩との混合物として用いられる。
【0017】このような酸捕捉剤として、さらに具体的
には、たとえばCa(OH)2、MgOなどが挙げられ
る。加硫促進剤としては、例えば、第四級ホスホニウム
塩、第四級アンモニウム塩、8-アルキル(又はアラルキ
ル)-1,8-ジアザ-バイシクロ[5.4.0]-7-ウンデセンの第
四級アンモニウム塩、アミノホスフィン酸誘導体などが
挙げられる。
【0018】充填剤としては、具体的には、たとえばカ
ーボンブラック、硫酸バリウム、酸化チタン、炭酸カル
シウム、ケイ酸マグネシウム(タルク)、ケイ酸アルミ
ニウム(クレー)などが挙げられる。
【0019】このようなフッ素ゴム配合物では、フッ素
ゴム100重量部に対して、加硫剤は0.5〜10重量
部、好ましくは0.5〜5重量部の量で、加硫助剤は、
1〜20重量部、好ましくは3〜10重量部の量で、酸
捕捉剤は1〜40重量部、好ましくは2〜20重量部の
量で、加硫促進剤は0.1〜10重量部、好ましくは
0.3〜2重量部の量で、充填剤は1〜100重量部、
好ましくは5〜40重量部の量で用いられる。
【0020】上記のようなフッ素ゴム配合物を調製する
には、上記のフッ素ゴムに上記のような量で加硫剤など
の各種成分を配合し、たとえばロールにて混練すればよ
い。なお、このようなフッ素ゴム配合物として、具体的
には、たとえば(イ)ビニリデンフロライド系ゴム、ア
ミン系加硫剤、酸捕捉剤、加硫促進剤および充填剤から
なるフッ素ゴム配合物、(ロ)ビニリデンフロライド系
ゴム、ポリオール系加硫剤、酸捕捉剤、加硫促進剤およ
び充填剤からなるフッ素ゴム配合物、(ハ)ビニリデン
フロライド系ゴム、パーオキサイド系加硫剤、加硫助剤
および充填剤からなるフッ素ゴム配合物、(ニ)テトラ
フルオロエチレン−パーフルオロビニルエーテル系ゴ
ム、ポリオール系加硫剤、酸捕捉剤、加硫促進剤および
充填剤からなるフッ素ゴム配合物、(ホ)テトラフルオ
ロエチレン−パーフルオロビニルエーテル系ゴム、トリ
アジン系加硫剤、酸捕捉剤、加硫促進剤および充填剤か
らなるフッ素ゴム配合物などが挙げられる。
【0021】フッ素ゴム系熱可塑性エラストマー(A
2)は、室温付近の温度では、ゴム弾性を示し、また加
熱によって塑性流動性を示し、エラストマー性ポリマー
鎖セグメントと非エラストマー性セグメントとを含んで
おり、これらの内で少なくとも一方は含フッ素ポリマー
鎖セグメントである。
【0022】このようなフッ素ゴム系熱可塑性エラスト
マーとしては、従来公知のものが広く用いられるが、た
とえば下記のようなフッ素ゴム成分(エラストマー性ポ
リマー鎖セグメント)とフッ素樹脂成分(非エラストマ
ー性ポリマー鎖セグメント)とからなるエラストマーが
挙げられる。
【0023】エラストマー性ポリマー鎖セグメントとし
ては、(i)フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピ
レンまたはペンタフルオロプロピレン−テトラフルオロ
エチレン三元共重合体であって、共重合体100モル%
中にフッ化ビニリデン単位が40〜90モル%、ヘキサ
フルオロプロピレンまたはペンタフルオロプロピレン単
位が5〜50モル%、テトラフルオロエチレン単位が0
〜35モル%の量で含有されているもの、あるいは(i
i)パーフルオロアルキルビニルエーテル−テトラフル
オロエチレン−フッ化ビニリデン三元共重合体であっ
て、共重合体100モル%中にパーフルオロアルキルビ
ニルエーテル単位が15〜75モル%、テトラフルオロ
エチレン単位が0〜85モル%、フッ化ビニリデン単位
が0〜85モル%の量で含有されているものなどが挙げ
られ、これら(i)および(ii)は通常、その分子量が
3万〜120万程度である。
【0024】非エラストマー性ポリマー鎖セグメントと
しては、(iii)フッ化ビニリデン−テトラフルオロエ
チレン共重合体であって、共重合体100モル%中に、
フッ化ビニリデン単位が0〜100モル%、テトラフル
オロエチレン単位が0〜100モル%のもの、あるいは
(iv)エチレンとテトラフルオロエチレンとヘキサフル
オロプロピレン、3,3,3-トリフルオロプロピレン−
1、2−トリフルオロメチル-3,3,3-トリフルオロプ
ロピレン−1またはパフルオロアルキルビニルエーテル
との多元共重合体であって、共重合体100モル%中
に、エチレン単位が40〜60モル%、テトラフルオロ
エチレン単位が60〜40モル%、ヘキサフルオロプロ
ピレンなどの単位が0〜30モル%のものが挙げられ、
これら(iii)および(iv)は通常、その分子量が30
00〜40万程度である。このフッ素ゴム系熱可塑性エ
ラストマーに関しては、特開昭53−3,495号公
報、特願昭60−109,141号明細書などに詳細に
記載されている。
【0025】このようなフッ素ゴム系熱可塑性エラスト
マーでは、エラストマー性ポリマー鎖セグメントと非エ
ラストマー性ポリマー鎖セグメントとの比率は重量比で
通常、40〜95:60〜5程度である。
【0026】またこのようなフッ素ゴムとフッ素樹脂と
の共重合体すなわちフッ素ゴム系熱可塑性エラストマー
は、たとえばダイエルサーモ(ダイキン工業製)などの
商品名で市販されている。
【0027】このフッ素ゴム系熱可塑性エラストマーか
ら予備成形体を得るには常法に従えばよい。たとえばこ
のエラストマーを所望形状の金型に充填し加熱し冷却す
ればよい。この際、上記の加硫剤、充填剤などを前記エ
ラストマー中に通常、添加する必要はないが、場合によ
り、ポリオール、パーオキサイドなどの加硫剤を用いて
もよい。
【0028】このようなフッ素ゴム系熱可塑性エラスト
マーから得られた予備成形体を放射線にて三次元架橋す
ると所望の架橋されたフッ素ゴム系熱可塑性エラストマ
ーが得られる。
【0029】またこのように予備成形体を放射線架橋す
る際には、通常、3〜300KGray、好ましくは7
0〜200KGrayの放射線が照射される。放射線と
しては、X線、ガンマ線、電子線、陽子線、重陽子線、
アルファ線、ベータ線等が用いられる。
【0030】減圧処理によるアウトガスの放出 本発明においては、上記のようなフッ素ゴム配合物(A
1)の架橋物あるいはフッ素ゴム系熱可塑性エラストマ
ー(A2)の架橋物を100Torr以下、好ましくは
1Torr以下の圧力で減圧処理する。このような減圧
処理は、通常25〜400℃、好ましくは100〜20
0℃の温度で、0.1時間以上、好ましくは10時間以
上行われる。なお100Torr以上では、架橋された
フッ素ゴム中の揮発成分が充分に放出・除去されず、高
真空中に置かれた場合に放出ガス量の多いようなフッ素
ゴムが得られてしまう。なお、処理時の圧力が低いほ
ど、処理時間が短くてもよく、また処理温度が低くても
よい。 このような減圧処理されたフッ素ゴムでは、常
温(25℃)で1×10ー5〜1×10ー8Torrの雰囲気
下で12時間保持した後の単位表面積当りのアウトガス
放出量は1×10-7Torr・l/sec・cm2
下、好ましくは5×10-8Torr・l/sec・cm
2以下である。アウトガスとしては、用いられたフッ素
ゴムの種類、加硫方法などにより変化し一概に決定され
ないが、たとえばハイドロカーボン、水、ベースポリマ
ーの低分子量成分、フッ化水素などが挙げられる。
【0031】また減圧処理をされたもののマススペクト
ルのパターンは単純化して、ハイドロカーボン(H
C)、フッ化水素(HF)などはなくなり、概ねH2
2O、CO2などが主体となる。
【0032】本発明においては、上記のようなフッ素ゴ
ムの減圧処理に先立ちあるいはフッ素ゴムの減圧処理
後、架橋されたフッ素ゴムを250℃〜400℃の温度
で1時間以上高温熱処理してもよい。
【0033】フッ素ゴム配合物の場合、このような温度
で上記のような時間、高温熱処理する前に二次加硫して
もよく、二次加硫しなくともよい。また本発明において
は、上記のような減圧処理に先立ちあるいは減圧処理
後、架橋されたフッ素ゴム、すなわち上記のようなフッ
素ゴム配合物(A1)の架橋物あるいはフッ素ゴム系熱
可塑性エラストマー(A2)の架橋物を溶剤と接触させ
てもよい。
【0034】このような架橋されたフッ素ゴムと溶剤と
を接触させるには、架橋されたフッ素ゴムを溶剤に浸漬
するなどすればよい。このようにすると、真空雰囲気下
での使用時に揮発してくるような成分を予め抽出・除去
することができ、真空条件下での使用時に揮発してくる
放出ガス(アウトガス)量を一層少なくすることができ
る。
【0035】溶剤としては、有機溶剤、無機溶剤、混合
溶剤などが挙げられる。有機溶剤としては、アセトン、
メチルエチルケトン(MEK)、アルコールなどの極性
溶剤、ベンゼン、トルエンなどの無極性溶剤が挙げられ
る。このような有機溶剤の内では極性溶剤が好ましく用
いられる。このような極性溶剤を用いると、架橋された
フッ素ゴムに浸透しやすいため抽出されやすい。
【0036】無機溶剤としては、水などが挙げられる。
混合溶剤としては、水−アセトン混合溶剤、水−アルコ
ール混合溶剤などが挙げられる。これらの溶剤のうちで
は環境汚染の問題を有しない水が好ましく用いられる。
【0037】水のうちでは純水が好ましく、特に25℃
で測定した比抵抗値が10×104Ω・cm以上の純水
が好ましい。なお、このような溶剤と架橋されたフッ素
ゴムとの接触時間などは、架橋されたフッ素ゴムの組
成、使用される溶剤の種類、濃度などにより変動する
が、たとえば、上記のような純水を用いる場合には、2
5℃以上の温度、好ましくは95〜100℃の温度に加
熱した純水と、0.1時間以上、好ましくは0.3〜5
時間程度、上記の架橋されたフッ素ゴムとを接触させれ
ばよい。
【0038】本発明においては、上記のような架橋され
たフッ素ゴムの減圧処理に先立ち、上記のような高温熱
処理を行うことが好ましい。フッ素ゴムの減圧処理に先
立ち、このような高温熱処理を行うと真空雰囲気下での
使用時に、特に放出ガス(例:水、フッ化水素、ハイド
ロカーボン、ベースポリマーの低分子量成分が少ないよ
うな架橋されたフッ素ゴムが得られる。
【0039】
【発明の効果】本発明によれば、真空雰囲気下での使用
時に、放出ガスが少ないような架橋されたフッ素ゴムが
得られる。
【0040】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに具体的に
説明するが、本発明はこれらの実施例によりなんら制限
されるものではない。
【0041】
【実施例1】下記のような成分組成のフッ素ゴム配合物
を調製した。フッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロピ
レンからなる二元系フッ素ゴム(フッ素ゴム100モル
%中に、フッ化ビニリデン単位は77モル%、ヘキサフ
ルオロプロピレン単位は23モル%の量で含有されてお
り、フッ素ゴムの平均分子量は100,000であ
る。) フッ素ゴム …… 100重量部 酸化マグネシウム …… 3重量部 カーボンブラック …… 30重量部 水酸化カルシウム …… 6重量部 加硫促進剤(第四級アンモニウム塩)…… 1重量部 加硫剤(ビスフェノールAF)……フッ素ゴムに1重量
%の量で配合。
【0042】このようなフッ素ゴム配合物を金型にて、
30Kgf/cm2の加圧下170℃の温度で10分
間、一次加硫した。次いで、この一次加硫物を大気圧下
230℃の温度で24時間熱処理した。
【0043】得られた熱処理物を、10ー2Torrの減
圧下に150℃の温度で16時間保持した。得られた減
圧処理物は、V55のゴムO(オー)リング3本を試料
として、φ100×l(エル)150の測定室にて、常
温で1×10ー7〜1×10ー8Torrの雰囲気下で12
時間後のOリング表面積当りのアウトガス放出量が1.
6×10ー8Torr・l/sec・cm2であった。
【0044】
【実施例2】実施例1において、得られた熱処理物を、
10ー2Torrの減圧下に200℃の温度で16時間保
持した以外は実施例1と同様にして減圧処理物を得た。
【0045】得られた減圧処理物は、V55のゴムO
(オー)リング3本を試料として、φ100×l(エ
ル)150の測定室にて、常温で1×10ー7〜1×10
ー8Torrの雰囲気下で12時間後のOリング表面積当
りのアウトガス放出量が1.2×10ー8Torr・l/
sec・cm2であった。
【0046】また50時間後の放出ガスのマススペクト
ルを図1に示す。
【0047】
【比較例1】実施例1において、一次加硫物の成形体を
得た。得られた成形体は、V55のゴムO(オー)リン
グ3本を試料として、φ100×l(エル)150の測
定室にて、常温で1×10ー5〜1×10ー6Torrの雰
囲気下で12時間後のOリング表面積当りのアウトガス
放出量が4.1×10 ー6Torr・l/sec・cm2
であった。
【0048】
【比較例2】実施例1において、得られた一次加硫物を
大気圧下230℃の温度で24時間熱処理して熱処理物
を得た。
【0049】得られた熱処理物は、V55のゴムO(オ
ー)リング3本を試料として、φ100×l(エル)1
50の測定室にて、常温で1×10ー6〜1×10ー7To
rrの雰囲気下で12時間後のOリング表面積当りのア
ウトガス放出量が2.2×10ー7Torr・l/sec
・cm2であった。また50時間後の放出ガスのマスス
ペクトルを図2に示す。
【0050】結果を併せて表1に示す。
【0051】
【表1】
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、実施例2における、50時間後の放
出ガスのマススペクトルである。
【図2】 図2は、比較例2における、50時間後の放
出ガスのマススペクトルである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭54−1385(JP,A) 特開 平2−209928(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08J 7/00 - 7/18

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 架橋されたフッ素ゴムを100Torr
    以下の圧力で減圧処理することを特徴とする真空用フッ
    素ゴムの製造方法。
  2. 【請求項2】 架橋されたフッ素ゴムを、100Tor
    r以下の圧力下に、25〜400℃の温度で、0.1時
    間以上減圧処理することを特徴とする真空用フッ素ゴム
    の製造方法。
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