JPH0610641U - 回転伝達緩衝装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本考案は、入力回転体から弾性体を介して出
力回転体に回転を伝達する回転伝達緩衝装置において、
その構成を簡単にするとともに弾性体の耐久性を向上さ
せることを目的とした。 【構成】 入力回転体から弾性体を介して出力回転体に
回転を伝達する回転伝達緩衝装置において、出力回転体
１を外周縁に突片１ａを設けた略円形の金属板とし、弾
性体２の表面に耐損耗性強化処理を施し、これらを係合
させた。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は入力回転体と出力回転体との間に弾性体を介在させた回転伝達緩衝装 置に関し、特に、その構成を簡単にするとともに弾性体の耐久性を向上させたも のである。

【０００２】

【従来の技術】

従来、入力回転体と出力回転体との間に弾性体を介在させた回転伝達緩衝装置 では、実開昭４８−１６４２７号公報に示されたものが知られている。その場合 、入・出力回転体は、それぞれ弾性体と接する面の外周縁部に、弾性体の放射状 突起と噛み合わすことができるように複数の爪を突設させてあり、入・出力回転 体で弾性体を挟み付け両側の爪の間に弾性体の突起を嵌合させていた。入・出力 軸は入力回転体及び出力回転体のぞれぞれにボルト等で連結されていた。 このようにして、入力側のモーターにより回転が入力回転体に伝達されると、 弾性体の突起を介して出力回転体に伝達され、さらに出力軸に回転が伝達された 。この時、入・出力回転体の間に介在する弾性体により回転時の衝撃が緩衝され るようになっていた。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

上記従来技術の回転伝達緩衝装置では、入・出力回転体は鋳鉄で製造されてお り、その製造に手間がかかり、且つ重量も大きいという問題があった。 そこで本考案は、回転伝達緩衝装置の構成を簡単にするとともに軽量に形成し 、しかも緩衝作用をさせる弾性体の耐久性を向上することを目的とした。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するために、入力回転体から弾性体を介して出力回転体に回転 力を伝達する回転伝達緩衝装置において、出力回転体を形成する金属板の周縁部 に複数の突片が設けられ、弾性体は放射状の突起を有する形状に形成されてその 表面が耐損耗性強化処理を施され、かつ弾性体は出力回転体の複数の突片に対応 する溝が設けられて、それら溝に出力回転体の突片が係合され、入力回転体の内 周部に弾性体の放射状突起間の凹部に対応した突部が設けられ、それら突部を弾 性体の突起間凹部に係合させた。

【０００５】

【作用】

本考案に係る回転伝達緩衝装置は、出力回転体が周縁部に複数の突片を有する 金属板で形成され、各突片が弾性体の溝に係合され、弾性体の放射状突起間の凹 部が入力回転体の内周部の突部に係合されているので、構成が簡単であり、軽量 に作成できる。 そして回転伝達時に、入力回転体の突部から弾性体の放射状突起を介して出力 回転体の突片に回転が伝達され、弾性体の放射状突起が弾性変形することにより 回転時の衝撃が緩衝される。 また、弾性体の放射状突起が緩衝作用時に屈曲して金属製の出力回転体の側面 や角部に接するが、弾性体の表面は予め塩素処理を施したりまたは成型後に表面 コーティング等を行って耐亀裂、耐摩耗性等のいわゆる耐損耗性強化を施してあ るので、弾性体に亀裂及び損耗等が発生するのを未然に防ぐことができる。

【０００６】

【実施例】

本実施例を図１〜図３により説明する。 本実施例における回転伝達緩衝装置は、入力回転体３から放射状突起を有する 形状の弾性体２を介して、出力回転体１に回転が伝達されるようになっている。 そして、入力回転体３がモーターにより回転されると弾性体２を介して出力回転 体１が回転されるようになっており、回転時の衝撃が弾性体２により緩衝される ようになっている。 回転伝達緩衝装置において、出力回転体１は略円形の金属板の外周縁部に複数 の突片１ａを有し、それは金属板をプレス打ち抜き機などで打ち抜いて、周縁数 ケ所を折り曲げることにより形成されている。突片１ａは、略円形の金属板の外 周縁に沿って等間隔の３ケ所に設けられ、金属板の面に対して９０度の角度に折 り曲げられている。各突片１ａは、弾性体２の外周部に設けた溝２ａにそれぞれ 係合され、両者が一体に回転するようになっている。また、出力回転体１の中央 には、出力軸イをボルトなどで連結できるように使用ボルト径に見合った取り付 け孔１ｂが開けられている。

【０００７】 弾性体２は、耐亀裂性、耐摩耗性を持つように表面塩素処理を施したり、また は成型後表面コーティングして耐損耗性が強化されている。弾性体２の中央には 、出力軸イの円形の貫通孔２ｃが開けられており、この貫通孔２ｃの外周縁には 複数の突起２ｄが放射状に設けられるとともに、各突起２ｄの間に凹部２ｂが形 成され、さらに、各突起２ｄに前記溝２ａが設けられている。なお、溝２ａはそ の先端で左右に少し切り込まれ、ちょうど逆Ｔ字形の溝に形成され、溝２ａの奥 部に応力が集中しないようになっている。また、弾性体２の放射状突起２ｄの表 面には小突起２ｅが形成され、放射状突起２ｄの一部のみが金属製の出力回転体 １及び入力回転体３に接するように作られている。 入力回転体３は硬質樹脂などで略円形に形成され、外周部に入力軸との噛み合 わせ歯３ａを有している。さらに、内周部には内縁に沿って弾性体２の凹部２ｂ と係合する略台形の突部３ｂが一体に形成されている。さらに、入力回転体３の 中央には出力軸イの円形の貫通孔３ｃが開けられている。 このように構成された弾性体２の溝２ａが出力回転体１の突片１ａに係合され 、さらに弾性体２の凹部２ｂが入力回転体３の突部３ｂに係合されて、さらに入 力回転体３及び弾性体２のそれぞれの側面中央の貫通孔を貫通した出力軸イの先 端が、出力回転体１にボルト等で連結されている。

【０００８】 また、本実施例では出力回転体に金属板を用いたが、金属以外の材質のものを 使用しても構わない。 また、入・出力回転体をともに金属板に突片を有した構成としても構わない。

【０００９】

【考案の効果】

本考案は、入・出力回転体の間に弾性体を係合介在する回転伝達緩衝装置にお いて、出力回転体を周縁に突片を有する略円形の金属板としたことにより、従来 の鋳鉄製の回転体を用いた回転伝達緩衝装置よりも構成が簡単になり、その軽量 化及び製造工程の省力化に貢献できる。さらに、出力回転体と係合する弾性体表 面を耐損耗性強化処理しているため、金属製の出力回転体に接する弾性体に亀裂 や損傷が生じにくく耐久性があるものとなった。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の回転伝達緩衝装置の縦断面図である。

【図２】本考案の回転伝達緩衝装置の分解斜視図であ
る。

【図３】出力回転体の斜視図である。

【符号の説明】

１ 出力回転体 １ａ 突片 ２ 弾性体 ３ａ 歯

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 入力回転体から弾性体を介して出力回転
   体に回転力を伝達する回転伝達緩衝装置において、出力
   回転体を形成する金属板の周縁部に複数の突片が設けら
   れ、弾性体は放射状の突起を有する形状に形成されてそ
   の表面が耐損耗性強化処理を施され、かつ弾性体は出力
   回転体の複数の突片に対応する溝が設けられて、それら
   溝に出力回転体の突片が係合され、入力回転体の内周部
   に弾性体の放射状突起間の凹部に対応した突部が設けら
   れ、それら突部が弾性体の突起間凹部に係合されている
   ことを特徴とする回転伝達緩衝装置。