JP2737347B2 - スラスト玉軸受のレースとその製造方法 - Google Patents
スラスト玉軸受のレースとその製造方法Info
- Publication number
- JP2737347B2 JP2737347B2 JP4537090A JP4537090A JP2737347B2 JP 2737347 B2 JP2737347 B2 JP 2737347B2 JP 4537090 A JP4537090 A JP 4537090A JP 4537090 A JP4537090 A JP 4537090A JP 2737347 B2 JP2737347 B2 JP 2737347B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- race
- ball bearing
- raceway surface
- thrust ball
- raceway
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Landscapes
- Rolling Contact Bearings (AREA)
- Heat Treatment Of Articles (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) この発明に係るスラスト玉軸受のレースとその製造方
法は、自動車のサスペンション部分等に設け、回転部分
に加わるスラスト方向の荷重を支承しつつ、この回転部
分の回転を許容する場合等に利用されるスラスト玉軸受
に組み込まれるレースを、安価に提供するものである。
法は、自動車のサスペンション部分等に設け、回転部分
に加わるスラスト方向の荷重を支承しつつ、この回転部
分の回転を許容する場合等に利用されるスラスト玉軸受
に組み込まれるレースを、安価に提供するものである。
(従来の技術) 自動車のサスペンション部分等、スラスト荷重が加わ
る回転部分には、スラスト玉軸受を設ける事で、回転部
分に加わるスラスト方向の荷重を支承しつつ、この回転
部分の回転を許容する様にしている。
る回転部分には、スラスト玉軸受を設ける事で、回転部
分に加わるスラスト方向の荷重を支承しつつ、この回転
部分の回転を許容する様にしている。
周知の様にスラスト玉軸受は、それぞれ円輪状に形成
され、互いに対向する面に軌道面を形成した1対のレー
スと、両レースの軌道面同士の間に転動自在に設けた複
数の玉とから構成されており、これら複数の玉の転動に
伴なって、一方のレースを支持した部材と、他方のレー
スを支持した部材との相対的回転を許容する様にしてい
る。
され、互いに対向する面に軌道面を形成した1対のレー
スと、両レースの軌道面同士の間に転動自在に設けた複
数の玉とから構成されており、これら複数の玉の転動に
伴なって、一方のレースを支持した部材と、他方のレー
スを支持した部材との相対的回転を許容する様にしてい
る。
又、この様なスラスト玉軸受の、回転部分への装着作
業を容易にする為、上記1対のレースに合成樹脂製ケー
スを、各レースの軌道面以外の部分を囲む状態で装着す
る事も行なわれている。
業を容易にする為、上記1対のレースに合成樹脂製ケー
スを、各レースの軌道面以外の部分を囲む状態で装着す
る事も行なわれている。
第5図は、この様な従来から知られた合成樹脂製ケー
ス付のスラスト玉軸受として、フランス特許公告第2375
484号に開示されたものを示している。
ス付のスラスト玉軸受として、フランス特許公告第2375
484号に開示されたものを示している。
この第5図に示した合成樹脂製ケース付のスラスト玉
軸受に於いては、1対のレース1、1に装着した合成樹
脂製ケース2、3の内、一方の合成樹脂製ケース2の下
面両端部から垂下した鉤片4a、4bと他方の合成樹脂製ケ
ース3の両端部上面に植設した鉤片5a,5bとを互いに係
合させる事で、強い力を加えない限り、両合成樹脂製ケ
ース2、3同士が分離しない様にして、スラスト玉軸受
の取り扱いの容易化を図っている。
軸受に於いては、1対のレース1、1に装着した合成樹
脂製ケース2、3の内、一方の合成樹脂製ケース2の下
面両端部から垂下した鉤片4a、4bと他方の合成樹脂製ケ
ース3の両端部上面に植設した鉤片5a,5bとを互いに係
合させる事で、強い力を加えない限り、両合成樹脂製ケ
ース2、3同士が分離しない様にして、スラスト玉軸受
の取り扱いの容易化を図っている。
鋼板製で焼き入れ処理により硬化されたレース1、1
は、それぞれ片面に軌道面6、6を有し、それぞれの軌
道面6、6同士を互いに対向させた状態で、それぞれケ
ース2、3に嵌合保持されており、両レース2、3の軌
道面6、6同士の間に複数の玉7を挟持している。
は、それぞれ片面に軌道面6、6を有し、それぞれの軌
道面6、6同士を互いに対向させた状態で、それぞれケ
ース2、3に嵌合保持されており、両レース2、3の軌
道面6、6同士の間に複数の玉7を挟持している。
合成樹脂製ケース付のスラスト玉軸受は、上述の様に
構成される為、1対のレース1、1の間に挟持した複数
の玉7の転動に基づき、一方のケース2を装着した部材
と他方のケース3を装着した部材との相対的回転が許容
される。
構成される為、1対のレース1、1の間に挟持した複数
の玉7の転動に基づき、一方のケース2を装着した部材
と他方のケース3を装着した部材との相対的回転が許容
される。
(発明が解決しようとする課題) ところが、上述の様に構成され作用する従来のスラス
ト玉軸受の場合、製造コストの面で、必ずしも満足出来
るものではなかった。
ト玉軸受の場合、製造コストの面で、必ずしも満足出来
るものではなかった。
即ち、第5図に示した様な形状を有するレース1、1
を造る場合、先ず、焼き入れ処理されていない鋼板製
で、円輪状の本体8の片面全周に、断面が円弧状に凹ん
だ軌道面6を、施盤等を使用した切削加工により形成し
て、レース素材とする。次いで、第6図に示す様に、複
数のレース素材9、9を密に重ね合わせ、これら複数の
レース素材9、9を焼き入れ処理して、第5図に示した
レース1、1とする。
を造る場合、先ず、焼き入れ処理されていない鋼板製
で、円輪状の本体8の片面全周に、断面が円弧状に凹ん
だ軌道面6を、施盤等を使用した切削加工により形成し
て、レース素材とする。次いで、第6図に示す様に、複
数のレース素材9、9を密に重ね合わせ、これら複数の
レース素材9、9を焼き入れ処理して、第5図に示した
レース1、1とする。
ところが、切削加工により断面円弧状の軌道面6を形
成する作業は面倒で、レース1、1の製作費を高くする
原因となってしまう。
成する作業は面倒で、レース1、1の製作費を高くする
原因となってしまう。
軌道面6の形成作業の簡略化を図り、レース1、1の
製作費の低廉化を図る為には、プレス加工により、上記
軌道面6の形成作業を行なえば良いが、単に軌道面形成
作業を切削加工からプレス加工に変えただけでは、次に
行なう焼き入れ処理を行なえなくなってしまう。
製作費の低廉化を図る為には、プレス加工により、上記
軌道面6の形成作業を行なえば良いが、単に軌道面形成
作業を切削加工からプレス加工に変えただけでは、次に
行なう焼き入れ処理を行なえなくなってしまう。
即ち、一般的に行なわれるプレス加工により、本体8
の片面に断面円弧状の軌道面6を形成した場合、上記本
体8の他面が、軌道面6の凹みよりも大きく突出してし
まう。
の片面に断面円弧状の軌道面6を形成した場合、上記本
体8の他面が、軌道面6の凹みよりも大きく突出してし
まう。
例えば、第7図に示す様に、厚さ寸法がtの鋼板の片
面(同図の上面)に、プレス加工により曲率半径がRの
軌道面6を形成した場合、上記鋼板の他面(同図の下
面)には、曲率半径がR+tの凸部10が形成されてしま
う。
面(同図の上面)に、プレス加工により曲率半径がRの
軌道面6を形成した場合、上記鋼板の他面(同図の下
面)には、曲率半径がR+tの凸部10が形成されてしま
う。
この結果、同図に示す様に、それぞれ軌道面6と凸部
10とを形成された複数枚のレース素材9、9を重ね合わ
せる場合、隣り合うレース素材9、9の間に隙間11、11
が生じてしまう。
10とを形成された複数枚のレース素材9、9を重ね合わ
せる場合、隣り合うレース素材9、9の間に隙間11、11
が生じてしまう。
この様に隙間11、11が生じた状態のまま、上記複数の
レース素材9、9を焼き入れ処理した場合、焼き入れ処
理時の熱により各レース素材9、9が歪んでしまい、良
質のレースを得る事が出来ない。
レース素材9、9を焼き入れ処理した場合、焼き入れ処
理時の熱により各レース素材9、9が歪んでしまい、良
質のレースを得る事が出来ない。
レース素材9、9を1枚ずつ治具により抑えた状態で
焼き入れ処理を行なえば、上述の様な歪の発生を防止す
る事は出来るが、多数枚のレース素材9、9を1枚ずつ
治具に着脱する作業は面倒で、やはりレース1、1の製
作費を高くする原因となってしまう。
焼き入れ処理を行なえば、上述の様な歪の発生を防止す
る事は出来るが、多数枚のレース素材9、9を1枚ずつ
治具に着脱する作業は面倒で、やはりレース1、1の製
作費を高くする原因となってしまう。
本発明のラスト玉軸受のレースとその製造方法は、上
述の様な不都合を解消するものである。
述の様な不都合を解消するものである。
(課題を解決する為の手段) 本発明のスラスト玉軸受のレースとその製造方法の対
象となるスラスト玉軸受は、それぞれ円輪状に形成さ
れ、互いに対向する面に軌道面を形成した1対のレース
と、両レースの軌道面同士の間に設けた複数の玉とから
構成される。
象となるスラスト玉軸受は、それぞれ円輪状に形成さ
れ、互いに対向する面に軌道面を形成した1対のレース
と、両レースの軌道面同士の間に設けた複数の玉とから
構成される。
そして、請求項1に記載されたスラスト玉軸受のレー
スは、焼き入れ処理された鋼板製で、円輪状の本体の片
面全周にプレス成形により形成された、断面が円弧状に
凹んだ軌道面と、この軌道面の形成時に、上記本体の他
面全周に形成された凸部とから成り、上記軌道面の深さ
寸法を上記凸部の高さ寸法よりも、上記軌道面の幅寸法
を上記凸部の幅寸法よりも、それぞれ大きくしている。
スは、焼き入れ処理された鋼板製で、円輪状の本体の片
面全周にプレス成形により形成された、断面が円弧状に
凹んだ軌道面と、この軌道面の形成時に、上記本体の他
面全周に形成された凸部とから成り、上記軌道面の深さ
寸法を上記凸部の高さ寸法よりも、上記軌道面の幅寸法
を上記凸部の幅寸法よりも、それぞれ大きくしている。
又、請求項2に記載されたスラスト玉軸受のレースの
製造方法は、焼き入れ処理されていない鋼板製で円輪状
の本体をプレス成形する事により、上記本体の片面全周
に、断面が円弧状に凹んだ軌道面を形成すると同時に、
上記本体の他面全周に、上記軌道面の深さ寸法よりも小
さな高さ寸法と上記軌道面の幅寸法よりも小さな幅寸法
とを有する凸部を形成する事によりレース素材とした
後、複数のレース素材を、それぞれの軌道面の内周側と
外周側とに存在する片面側平坦部と、それぞれの凸部の
内周側と外周側とに存在する他面側平坦部とを密接させ
た状態で重ね合わせると共に、互いに重ね合わされた複
数のレース素材を治具により抑え付けた状態で、これら
複数のレース素材を焼き入れ処理してレースとする。
製造方法は、焼き入れ処理されていない鋼板製で円輪状
の本体をプレス成形する事により、上記本体の片面全周
に、断面が円弧状に凹んだ軌道面を形成すると同時に、
上記本体の他面全周に、上記軌道面の深さ寸法よりも小
さな高さ寸法と上記軌道面の幅寸法よりも小さな幅寸法
とを有する凸部を形成する事によりレース素材とした
後、複数のレース素材を、それぞれの軌道面の内周側と
外周側とに存在する片面側平坦部と、それぞれの凸部の
内周側と外周側とに存在する他面側平坦部とを密接させ
た状態で重ね合わせると共に、互いに重ね合わされた複
数のレース素材を治具により抑え付けた状態で、これら
複数のレース素材を焼き入れ処理してレースとする。
(作用) 上述の様な本発明のレースを組み込んだスラスト玉軸
受が、回転部分に加わるスラスト方向の荷重を支承しつ
つ、この回転部分の回転を許容する際の作用は、従来の
レースを組み込んだスラスト玉軸受と同様である。
受が、回転部分に加わるスラスト方向の荷重を支承しつ
つ、この回転部分の回転を許容する際の作用は、従来の
レースを組み込んだスラスト玉軸受と同様である。
但し、本発明のスラスト玉軸受のレースとその製造方
法の場合、軌道面をプレス加工により形成する事が出
来、しかも軌道面を形成したレース素材同士を密に重ね
合わせる事が出来る為、レースの製造工程を簡略化し
て、レースの製作費の低廉化を図れる。
法の場合、軌道面をプレス加工により形成する事が出
来、しかも軌道面を形成したレース素材同士を密に重ね
合わせる事が出来る為、レースの製造工程を簡略化し
て、レースの製作費の低廉化を図れる。
(実施例) 次に、図示の実施例を説明しつつ、本発明を更に詳し
く説明する。
く説明する。
第1〜3図は本発明の第一実施例を示しており、第1
図はレース素材を重ね合わせた状態を示す断面図、第2
図は重ね合わされた複数のレース素材を治具により抑え
付けた状態を示す縦断正面図、第3図は本発明により得
られたレースを組み込んだ合成樹脂製ケース付のスラス
ト玉軸受の断面図である。
図はレース素材を重ね合わせた状態を示す断面図、第2
図は重ね合わされた複数のレース素材を治具により抑え
付けた状態を示す縦断正面図、第3図は本発明により得
られたレースを組み込んだ合成樹脂製ケース付のスラス
ト玉軸受の断面図である。
本発明の方法によりレースを造る場合、先ず焼き入れ
処理されていない鋼板製で円輪状の本体8をプレス成形
する事により、上記本体8の片面(第1図の上面)全周
に、断面が円弧状に凹んだ軌道面6を形成すると同時
に、上記本体8の他面(同図の下面)全周に凸部12を形
成してレース素材13とする。
処理されていない鋼板製で円輪状の本体8をプレス成形
する事により、上記本体8の片面(第1図の上面)全周
に、断面が円弧状に凹んだ軌道面6を形成すると同時
に、上記本体8の他面(同図の下面)全周に凸部12を形
成してレース素材13とする。
但し、本発明の場合、上記軌道面6と凸部12とをプレ
ス成形する際に、本体8の一部で、軌道面6と凸部12と
に挟まれる部分の厚さ寸法を圧縮する事で、上記凸部12
の高さ寸法Hを、上記軌道面6の深さ寸法Dよりも小さ
く(H<D)すると共に、上記凸部12の幅寸法wを上記
軌道面6の幅寸法Wよりも小さく(w<W)している。
この様に、軌道面6と凸部12との寸法を規制するのは、
プレス加工に使用する上型と下型との形状を、上記軌道
面6と凸部12との寸法に合わせる事により、容易に行な
う事が出来る。又、プレス加工時に、軌道面6部分の厚
さ寸法を圧縮した場合、この軌道面6部分の金属材料が
緻密になり、この部分の強度が向上する。軌道面6と凸
部12との大きさを上述の様に規制する結果、本発明の製
造方法を実施する過程で造られたレース素材13他面の凸
部12は、同じくレース素材13片面の軌道面6の内側に完
全に入り込む事が可能となる。
ス成形する際に、本体8の一部で、軌道面6と凸部12と
に挟まれる部分の厚さ寸法を圧縮する事で、上記凸部12
の高さ寸法Hを、上記軌道面6の深さ寸法Dよりも小さ
く(H<D)すると共に、上記凸部12の幅寸法wを上記
軌道面6の幅寸法Wよりも小さく(w<W)している。
この様に、軌道面6と凸部12との寸法を規制するのは、
プレス加工に使用する上型と下型との形状を、上記軌道
面6と凸部12との寸法に合わせる事により、容易に行な
う事が出来る。又、プレス加工時に、軌道面6部分の厚
さ寸法を圧縮した場合、この軌道面6部分の金属材料が
緻密になり、この部分の強度が向上する。軌道面6と凸
部12との大きさを上述の様に規制する結果、本発明の製
造方法を実施する過程で造られたレース素材13他面の凸
部12は、同じくレース素材13片面の軌道面6の内側に完
全に入り込む事が可能となる。
上述の様な寸法を有する軌道面6と凸部12とを有する
レース素材13を形成した後、第1図に示す様に複数のレ
ース素材13、13を重ね合わせるが、上述の様に各レース
素材13他面の凸部12は各レース素材13片面の軌道面6の
内側に完全に入り込む事が可能である為、第1図に示す
様に複数のレース素材13、13を重ね合わせた状態に於い
て、各レース素材13、13の軌道面6、6の内周側と外周
側とに存在する片面側平坦部14、14と、各レース素材1
3、13の凸部12の内周側と外周側とに存在する他面側平
坦部15、15とが密接する。
レース素材13を形成した後、第1図に示す様に複数のレ
ース素材13、13を重ね合わせるが、上述の様に各レース
素材13他面の凸部12は各レース素材13片面の軌道面6の
内側に完全に入り込む事が可能である為、第1図に示す
様に複数のレース素材13、13を重ね合わせた状態に於い
て、各レース素材13、13の軌道面6、6の内周側と外周
側とに存在する片面側平坦部14、14と、各レース素材1
3、13の凸部12の内周側と外周側とに存在する他面側平
坦部15、15とが密接する。
この様に、片面側平坦部14、14と他面側平坦部15、15
とを互いに密接させた状態で、複数のレース素材13、13
を互いに重ね合わせたならば、これら複数のレース素材
13、13を、第2図に示す様な治具16により抑え付け、続
いて行なう焼き入れ処理時に、各レース素材13、13が歪
む事を防止する。
とを互いに密接させた状態で、複数のレース素材13、13
を互いに重ね合わせたならば、これら複数のレース素材
13、13を、第2図に示す様な治具16により抑え付け、続
いて行なう焼き入れ処理時に、各レース素材13、13が歪
む事を防止する。
上記治具16は、上下1対の抑え板17、18と、両抑え板
17、18同士を結合するボルト19、19及びナット20、20と
から構成されている。一方(第2図の下方)の抑え板18
の片面で他方の抑え板17と対向する面(第2図の上面)
には、レース素材13の他面に形成された凸部12を進入さ
せる為の凹部21、21を形成して、最も端に存在するレー
ス素材13の他面側平坦部15、15と、上記一方の抑え板18
の片面とを密接させられる様にしている。
17、18同士を結合するボルト19、19及びナット20、20と
から構成されている。一方(第2図の下方)の抑え板18
の片面で他方の抑え板17と対向する面(第2図の上面)
には、レース素材13の他面に形成された凸部12を進入さ
せる為の凹部21、21を形成して、最も端に存在するレー
ス素材13の他面側平坦部15、15と、上記一方の抑え板18
の片面とを密接させられる様にしている。
上述の様な治具16を構成する1対の抑え板17、18によ
り、互いに重ね合わされた複数のレース素材13、13を挟
持したならば、ボルト19、19とナット20、20とを緊締す
る事によって、上記1対の抑え板17、18により上記複数
のレース素材13、13を強く抑え付ける。
り、互いに重ね合わされた複数のレース素材13、13を挟
持したならば、ボルト19、19とナット20、20とを緊締す
る事によって、上記1対の抑え板17、18により上記複数
のレース素材13、13を強く抑え付ける。
そして、この様に複数のレース素材13、13を強く抑え
付けた状態で、これら複数のレース素材13、13を、治具
16ごと加熱炉に入れ、焼き入れ処理してレース22、22と
する。
付けた状態で、これら複数のレース素材13、13を、治具
16ごと加熱炉に入れ、焼き入れ処理してレース22、22と
する。
この様にして造られたレース22、22は、前述した従来
構造の場合と同様、例えば第3図に示す様に、合成樹脂
製のケース2、3に装着して、合成樹脂製ケース付のス
ラスト玉軸受とする。
構造の場合と同様、例えば第3図に示す様に、合成樹脂
製のケース2、3に装着して、合成樹脂製ケース付のス
ラスト玉軸受とする。
但し、本発明のレース22、22を装着する合成樹脂製ケ
ース2、3には、各レース22、22の片面に形成された凸
部12、12を逃がす為の凹部23、23を形成している。
ース2、3には、各レース22、22の片面に形成された凸
部12、12を逃がす為の凹部23、23を形成している。
その他の構成及び作用に就いては、従来からのレース
を組み込んだ合成樹脂製ケース付のスラスト玉軸受の場
合と同様である。
を組み込んだ合成樹脂製ケース付のスラスト玉軸受の場
合と同様である。
次に、第4図は本発明の第二実施例を示している。
本実施例の場合、本体8の片面に形成した軌道面6の
曲率半径Rに比べて、上記本体8の他面に形成した凸部
12の曲率半径rを小さく(R>r)する事で、上記凸部
12の高さ寸法Hを、上記軌道面6の深さ寸法Dよりも小
さく(H<D)すると共に、上記凸部12の幅寸法wを上
記軌道面6の幅寸法Wよりも小さく(w<W)してい
る。
曲率半径Rに比べて、上記本体8の他面に形成した凸部
12の曲率半径rを小さく(R>r)する事で、上記凸部
12の高さ寸法Hを、上記軌道面6の深さ寸法Dよりも小
さく(H<D)すると共に、上記凸部12の幅寸法wを上
記軌道面6の幅寸法Wよりも小さく(w<W)してい
る。
その他の構成及び作用は、前述した第一実施例の場合
と同様である。
と同様である。
(発明の効果) 本発明のスラスト玉軸受のレースとその製造方法は、
以上に述べた通り構成され作用するが、レースの製造工
程を簡略化して、レースの製作費の低廉化を図れる為、
スラスト玉軸受の製造コストの低廉化を図れる。
以上に述べた通り構成され作用するが、レースの製造工
程を簡略化して、レースの製作費の低廉化を図れる為、
スラスト玉軸受の製造コストの低廉化を図れる。
第1〜3図は本発明の第一実施例を示しており、第1図
はレース素材を重ね合わせた状態を示す断面図、第2図
は重ね合わされた複数のレース素材を治具により抑え付
けた状態を示す縦断正面図、第3図は本発明により得ら
れたレースを組み込んだ合成樹脂製ケース付のスラスト
玉軸受の断面図、第4図は本発明の第二実施例を示す、
第1図と同様の断面図、第5図は従来のレースを組み込
んだ合成樹脂製ケース付のスラスト玉軸受の断面図、第
6図は従来のレースの第1例を、第7図は同第2例を、
それぞれ示す第1図同様の断面図である。 1:レース、2、3:合成樹脂製ケース、4a、4b、5a、5b:
鉤片、6:軌道面、7:玉、8:本体、9:レース素材、10:凸
部、11:隙間、12:凸部、13:レース素材、14:片面側平坦
部、15:他面側平坦部、16:治具、17、18:抑え板、19:ボ
ルト、20:ナット、21:凹部、22:レース、23:凹部。
はレース素材を重ね合わせた状態を示す断面図、第2図
は重ね合わされた複数のレース素材を治具により抑え付
けた状態を示す縦断正面図、第3図は本発明により得ら
れたレースを組み込んだ合成樹脂製ケース付のスラスト
玉軸受の断面図、第4図は本発明の第二実施例を示す、
第1図と同様の断面図、第5図は従来のレースを組み込
んだ合成樹脂製ケース付のスラスト玉軸受の断面図、第
6図は従来のレースの第1例を、第7図は同第2例を、
それぞれ示す第1図同様の断面図である。 1:レース、2、3:合成樹脂製ケース、4a、4b、5a、5b:
鉤片、6:軌道面、7:玉、8:本体、9:レース素材、10:凸
部、11:隙間、12:凸部、13:レース素材、14:片面側平坦
部、15:他面側平坦部、16:治具、17、18:抑え板、19:ボ
ルト、20:ナット、21:凹部、22:レース、23:凹部。
Claims (2)
- 【請求項1】それぞれ円輪状に形成され、互いに対向す
る面に軌道面を形成した1対のレースと、両レースの軌
道面同士の間に設けた複数の玉とから成るスラスト玉軸
受のレースであって、焼き入れ処理された鋼板製で、円
輪状の本体の片面全周にプレス成形により形成された、
断面が円弧状に凹んだ軌道面と、この軌道面の形成時
に、上記本体の他面全周に形成された凸部とから成り、
上記軌道面の深さ寸法を上記凸部の高さ寸法よりも、上
記軌道面の幅寸法を上記凸部の幅寸法よりも、それぞれ
大きくしたスラスト玉軸受のレース。 - 【請求項2】それぞれ円輪状に形成され、互いに対向す
る面に軌道面を形成した1対のレースと、両レースの軌
道面同士の間に設けた複数の玉とから成るスラスト玉軸
受のレースの製造方法であって、焼き入れ処理されてい
ない鋼板製で円輪状の本体をプレス成形する事により、
上記本体の片面全周に、断面が円弧状に凹んだ軌道面を
形成すると同時に、上記本体の他面全周に、上記軌道面
の深さ寸法よりも小さな高さ寸法と上記軌道面の幅寸法
よりも小さな幅寸法とを有する凸部を形成する事により
レース素材とした後、複数のレース素材を、それぞれの
軌道面の内周側と外周側とに存在する片面側平坦部と、
それぞれの凸部の内周側と外周側とに存在する他面側平
坦部とを密接させた状態で重ね合わせると共に、互いに
重ね合わされた複数のレース素材を治具により抑え付け
た状態で、これら複数のレース素材を焼き入れ処理して
レースとするスラスト玉軸受のレースの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4537090A JP2737347B2 (ja) | 1990-02-28 | 1990-02-28 | スラスト玉軸受のレースとその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4537090A JP2737347B2 (ja) | 1990-02-28 | 1990-02-28 | スラスト玉軸受のレースとその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH03249419A JPH03249419A (ja) | 1991-11-07 |
JP2737347B2 true JP2737347B2 (ja) | 1998-04-08 |
Family
ID=12717387
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4537090A Expired - Fee Related JP2737347B2 (ja) | 1990-02-28 | 1990-02-28 | スラスト玉軸受のレースとその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2737347B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4546843B2 (ja) * | 2005-01-21 | 2010-09-22 | Ntn株式会社 | スラスト軸受の軌道盤の製造方法およびスラスト軸受の製造方法 |
JP4546844B2 (ja) * | 2005-01-24 | 2010-09-22 | Ntn株式会社 | スラスト軸受の軌道盤の製造方法およびスラスト軸受の製造方法 |
-
1990
- 1990-02-28 JP JP4537090A patent/JP2737347B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH03249419A (ja) | 1991-11-07 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US6581287B2 (en) | Method for assembling a hub unit for supporting a wheel shaft | |
EP2103826B1 (en) | Manufacturing method for bearing outer ring | |
JPS62184220A (ja) | ころがり軸受 | |
US20030084572A1 (en) | Spherical bearing and a manufacturing method thereof | |
JP2737347B2 (ja) | スラスト玉軸受のレースとその製造方法 | |
JPS61157827A (ja) | スラスト転がり軸受及びその製造方法 | |
JPH0741339B2 (ja) | アクスルケースのプレス成形法 | |
JP2585723Y2 (ja) | スラスト滑り軸受 | |
JPS61144467A (ja) | Vリブドプ−リおよびその製造方法 | |
US20130205593A1 (en) | Manufacturing method for bearing outer ring | |
JPS608128B2 (ja) | ユニバ−サルジヨイントのヨ−クの製造方法 | |
JPS60222622A (ja) | クロス溝を有する自在継手の外輪 | |
JPS5919526Y2 (ja) | 連続押出し成形装置 | |
JPH0777217A (ja) | スラスト玉軸受およびその軌道輪の製造方法 | |
WO2020162492A1 (ja) | かしめアセンブリおよびその製造方法、ハブユニット軸受およびその製造方法、並びに、自動車およびその製造方法 | |
USRE15233E (en) | Antifriction bearing | |
JP2501793Y2 (ja) | サスペンション用スラスト玉軸受とそのレ―ス | |
JPH074924U (ja) | 滑り軸受 | |
JPH0720423U (ja) | ころ軸受 | |
EP0851151A1 (en) | Pulley and manufacturing method of the same | |
JP3290094B2 (ja) | 絞りローラ | |
JPH09144763A (ja) | 深溝玉軸受 | |
JP4306645B2 (ja) | 車輪支持用ハブユニットの製造方法 | |
JPS634694Y2 (ja) | ||
JPH06198351A (ja) | コイニング加工方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |