JPH0593389A - 抄紙機用電動機の制御装置 - Google Patents

抄紙機用電動機の制御装置

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JPH0593389A
JPH0593389A JP24723191A JP24723191A JPH0593389A JP H0593389 A JPH0593389 A JP H0593389A JP 24723191 A JP24723191 A JP 24723191A JP 24723191 A JP24723191 A JP 24723191A JP H0593389 A JPH0593389 A JP H0593389A
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隆治 ▲こう▼塚
Takaharu Kouzuka
Hiroshi Hasegawa
博 長谷川
Akio Ishii
明夫 石井
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OOKURASHIYOU INSATSU KYOKUCHO
YAMAKAWA KIKAI SEISAKUSHO KK
Toshiba Corp
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OOKURASHIYOU INSATSU KYOKUCHO
YAMAKAWA KIKAI SEISAKUSHO KK
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明は、紙の巻付けからトルク制御を行うま
での細幅から全幅に至る過程での張力変化によるトルク
制御を安定に行うことにある。 【構成】カレンダ2とリール巻取部1間に紙3が溜まっ
ている状態からリール巻取部1に紙を巻き付けるときは
リール速度をカレンダ速度よりもドロー速度Vα分だけ
速度を増して速度制御する。紙のたるみがなくなり紙が
張った状態になったことが電流検出演算器11により検出
されるとトルク制御に切換られ、トルク演算器12により
トルクをランプ関数状に細幅張力値まで変化させる。ま
た、カレンダ2の速度とリール巻取部1の速度の一致が
速度差検出演算器7により検出されると、速度をドロー
速度Vα上げてトルク制御範囲を拡げる。次に紙幅が細
幅から全幅になったことが検出されると、トルク演算器
12によりトルクを張力設定器TRH に設定されている全幅
張力値にランプ関数状に自動的に変化させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はカレンダーを通過した紙
を巻取る抄紙機リール巻取部における電動機の制御装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、抄紙機による紙の製造ラインにお
いて、最終工程でカレンダーを通った紙を巻取る抄紙機
リール巻取部の電動機制御装置としては、図6に示すよ
うな構成のものが採用されている。図6において、1は
カレンダ2を通って送られてくる紙3を巻取るリール巻
取部で、このリール巻取部1は電動機Mにより回転駆動
される。この電動機Mは、交流電源より入力される交流
をスイッチング回路4によりスイッチングして得られる
電流が開閉器5を介して供給される制御電源回路に接続
されている。
【0003】一方、DRHは速度基準Refを可変する
速度差調整器で、この速度差調整器DRHの出力信号と
電動機Mの回転速度を検出する速度検出器SSの出力信
号とが比較され、その偏差が張力入操作装置6のリレー
Ry3の常閉接点S3bを介して速度制御回路SCに入
力される。この場合、速度制御回路SCには並列に張力
入操作装置6のリレーRy3の常開接点S3a1を介し
て速度制限回路SLが設けられている。この速度制御回
路SCの出力信号は、スイッチング回路4の入力回路に
設けられた変流器CTにより検出される入力電流、つま
り負荷電流と比較され、その偏差を電流制御回路CCに
与え、その出力信号を位相制御回路PHCに入力して位
相制御信号がスイッチング回路4を制御する構成になっ
ている。
【0004】また、TRHは張力設定器で、この張力設
定器TRHで設定された張力設定信号はカレンダ2とリ
ール巻取部1との間の紙移動経路にテンションロールT
Rを介して設けられた張力検出器TDにより検出される
張力検出信号と比較され、その偏差は張力制御回路TC
に入力される。この張力制御回路TCの出力信号は、張
力入操作装置6のリレーRy3の常開接点S3a2を介
して前述の速度制限回路SLの出力に加算されて負荷電
流と比較され、その偏差が電流制御回路CCに入力され
るようになっている。
【0005】このような構成の抄紙機用電動機の制御装
置において、紙3の巻取りを開始するには、カレンダ2
より引出された細幅の紙3の先端をリール巻取部1のロ
ーラにセットしておく。このような状態から電動機Mを
運転制御するには、カレンダ2とリール巻取部1との間
には紙3が溜まっており、図示点線で示すようなたるみ
があるため、まず速度制御が行われ、紙3がリール巻取
部1に巻取られる過程で細幅から全幅への移行、つまり
通紙が完了し、紙3がローラの巻取によりある程度張力
がかかり、安定したところで張力制御が行われる。以下
その作用を説明する。
【0006】電動機Mの速度制御時には、張力入操作装
置6の操作が行われていないため、リレーRy3の常開
接点S3a1,S3a2は開放、常閉接点S3bは閉路
状態にある。従って、この時は速度差調整器DRHで調
整された速度基準Refと速度検出器SSで検出された
電動機Mの速度検出信号との偏差が速度制御回路SCに
入力される。そして、この速度制御回路SCの出力信号
は負荷電流と比較され、その偏差が電流制御回路CCに
与えられることにより、電動機Mは速度制御される。
【0007】この場合、カレンダ2とリール巻取部1と
の間に紙3が溜まっている間は速度差調整器DRHを調
整してリール側の速度差設定を増加させることにより、
リール速度を速め、紙3の巻取速度を上げている。
【0008】次に通紙が完了し、紙3がリールの巻取に
よりある程度張力がかかり、安定したところで、張力入
操作装置6を手動操作してリレーRy3を励磁すること
により、その常開接点S3a1,S3a2が閉路し、常
閉接点S3bが開路する。従って、この時は張力設定器
TRHに設定された張力設定信号と張力検出器TDによ
り検出された張力検出信号との偏差に応じた張力制御信
号が張力制御回路TCより出力され、また速度基準と速
度検出器SSで検出された速度検出信号の偏差が速度制
限回路SLにより制限されて出力され、これら両出力信
号の加算値と負荷電流との偏差が電流制御回路CCに与
えられることにより、リール巻取部1は張力制御され
る。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】このように従来の抄紙
機用電動機の制御装置においては、紙3の巻取り開始か
ら紙3の通紙が完了するまで速度制御が行われるが、こ
の場合カレンダー2とリール巻取部1との間に紙3がた
るみとなって溜まっている間、リール側の速度差設定を
増加させてリール速度を速めており、紙溜まりがなくな
る瞬間、つまり紙が張った瞬間も速度制御が行われてい
るため、紙3に過大トルクが働き、紙が張り切れること
があった。
【0010】また、速度制御系から張力制御系への切換
は、張力入操作装置6を手動操作により行っているた
め、リール巻取部1に紙3がある程度巻取られて紙に張
力が出てきても、張力入操作装置6によるトルク制御系
への切換タイミングが遅れると、張力制御が不安定にな
ることがあった。特に紙の巻始めでは本来必要とする張
力分のトルクで駆動することが望ましく、上記のような
状態にあっては速度制御ではなく、トルク制御とするこ
とが必要である。
【0011】さらに、速度制御により通紙が完了して
も、張力制御に移行する前に紙が細幅から全幅になる
と、紙幅の変化により張力分トルクも変化して速度変動
をきたすことがあった。
【0012】本発明は、紙溜まりの速度制御により紙が
張った瞬間になっても紙が張り切れることがなく、張力
制御を行うまでの細幅から全幅に至る過程での張力変化
による不安定をなくすことにより、紙の巻付けから細
幅、全幅へとスムースに移行させることができる抄紙機
用電動機の制御装置を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は上記の目的を達
成するため、カレンダを通して送出される紙をリール巻
取部を駆動して巻取る電動機を速度基準と前記リール巻
取部のリール回転速度との偏差に応じて速度制御する速
度制御系と、張力設定値と前記リール巻取部に巻き取ら
れる紙の張力検出信号との偏差に応じて前記電動機を張
力制御する張力制御系とを備えた抄紙機用電動機の制御
装置において、前記速度制御系により前記リール巻取部
が速度制御されているときのみリール実速度と前記カレ
ンダの実速度との差を演算して両実速度が一致している
か否かを検出する速度差検出演算手段と、この速度差検
出演算手段により、リール実速度とカレンダ実速度とが
不一致であることが検出されると前記速度基準を一定の
速度基準として出力させ、リール実速度とカレンダ実速
度との一致が検出されると前記速度基準に対して一定の
レートでかさ上げ分の基準まで上げて出力させるリール
かさ上げ速度基準演算手段と、前記リール巻取部の無負
荷運転時のメカニカルロス電流と前記電動機に流れる負
荷電流との差を常時演算し、負荷電流がメカニカルロス
電流以上になったことを検出する電流検出演算手段と、
紙が全幅のときの張力設定値および紙の全幅値と細幅値
を入力し、全幅時の張力値と細幅値の張力値を演算する
張力演算手段と、前記電流検出演算手段で負荷電流がメ
カニカルロス電流になったことの一致タイミング信号お
よび前記紙が細幅から全幅に移行するタイミング信号が
入力される毎に前記張力演算手段より出力される張力値
と前記メカニカルロス電流とをそのときの適性トルク値
として加算するトルク演算手段と、前記電流検出演算手
段により負荷電流がメカニカルロス電流以上になったこ
とが検出されると前記速度制御系から前記トルク演算手
段の出力によるトルク制御に切換える切換手段とを設け
ている。また、上記構成の電流検出演算手段に代えて紙
の張力検出信号から紙が張った状態になったか否かを判
別する紙状態判別手段を設ける。
【0014】
【作用】このような構成の抄紙機用電動機の制御装置に
おいては、細幅で紙がたるんでいるときは速度制御系で
設定された速度基準とリール実速度との偏差に応じて電
動機が速度制御され、リールはメカニカルロストルク分
の電流で回転する。このとき電流検出演算手段では負荷
電流がメカニカルロス電流以上になったかどうかが判別
され、負荷電流がメカニカルロス電流以上になると切換
手段により速度制御系からトルク演算手段の出力による
トルク制御に切換られる。この場合、電流検出演算手段
に代えて紙状態判別手段で紙が張った状態にあることを
判別したときも同様である。
【0015】また、速度差検出演算手段ではリール実速
度とカレンダ実速度との速度差が零になったかどうかが
判別され、速度差が零になったことが検出されると、リ
ールかさ上げ速度基準演算手段により速度制御系の速度
基準を一定のレートでかさ上げ分の基準まで上げること
により、トルク制御範囲が拡げられる。
【0016】一方、トルク演算手段の出力によるトルク
制御に切換られると、このトルク演算手段ではその切換
時点よりメカニカルロストルクから細幅張力トルク値に
あるレートをもって立上がるトルク指令を出力するの
で、リール巻取部は細幅張力トルクでトルク制御が行わ
れる。この場合、細幅張力トルク値はトルク演算手段に
入力される全幅設定値と全幅の紙幅値、細幅の紙幅値を
もとに演算される。
【0017】また、紙が細幅から全幅に移行するタイミ
ング信号が入力されると、トルク演算手段は細幅張力値
から全幅張力設定値にあるレートにもって立上がるトル
ク指令が出力されるので、リール巻取部は全幅張力トル
クでトルク制御が行われる。以上のような制御を自動的
に行うことにより、リール巻き付けから細幅、全幅への
通紙移動動作がショックレスでスムースに行うことが可
能となる。
【0018】
【実施例】以下本発明の一実施例を図面を参照して説明
する。
【0019】図1は本発明による抄紙機用電動機の制御
装置の回路構成例を示すもので、図6と同一部分には同
一符号を付してその説明を省略し、ここでは異なる点に
ついてのみ述べる。図1において、7はカレンダ2を駆
動する電動機M2の回転速度を検出する速度検出器SS
2よりカレンダー速度検出信号VC が、またリール巻取
部1を駆動する電動機Mの回転速度を検出する速度検出
器SSよりリール速度VR がそれぞれ入力される速度差
検出演算回路である。
【0020】この速度差検出演算回路7は、リール速度
とカレンダ速度とを比較してその差が零になったことが
検出されると動作し、その動作出力をリールかさ上げ速
度基準演算回路8に与える。このリールかさ上げ速度基
準演算回路8は、速度差検出演算回路7より動作タイミ
ング信号が入力されると、その時点でトルク制御範囲を
広げるためにドロー速度Vαにかさ上げ速度Vβを加算
して速度差調整器DRHを通して得られる速度基準に加
えている。
【0021】また、9はロール単位の無負荷運転時に抄
紙機自身のメカニカルロス(機械損失)を測定し、メカ
ニカルロス電流Iτを求めてその値を記憶するメカニカ
ルロス電流演算器である。この場合、メカニカルロスト
ルクτM は、図2に示すようにロールの回転数に関係し
ない抄紙機自身の損失なので、常に一定値になってい
る。10は張力設定器TRHにより設定された紙が全幅
のときのトルク設定値と、リール巻取部1に巻き取られ
る紙3の細幅値w2 および全幅値w1 がそれぞれ入力さ
れる張力演算器で、この張力演算器10は細幅張力トル
ク値(τ2 −τM)を演算するものである。この場合、
細幅張力トルク値(τ2 −τM )は、図3に示すように
張力トルクが紙幅に比例しているので、紙が全幅のとき
のトルク設定値と紙幅との関係から全幅張力トルク値
(τ1 −τM )と細幅張力トルク値(τ2 −τM )を演
算することができる。
【0022】さらに、11は制御電源の入力回路に設け
られた変流器CTにより検出される負荷電流Iaと、メ
カニカルロス電流演算器9に記憶されているメカニカル
ロス電流Iτとが入力され、これら両電流IaとIτの
差を演算する電流検出演算器で、この電流検出演算器1
1は負荷電流Iaがメカニカルロス電流Iτ以上になっ
たことを条件に紙が張った状態にあると判断し、出力リ
レーRy1を動作させてその常開接点S1a1,S1a
2を閉路し、常閉接点S1bを開路して速度制御回路S
Cによる速度制御から速度制限回路SLによる速度制限
付きのトルク制御に切換えるものである。
【0023】他方、12はメカニカルロス電流演算器1
0で求められたメカニカルロス電流Iτと、張力演算器
10で求められた全幅張力トルク値(τ1 −τM )およ
び細幅張力トルク値(τ2 −τM )とが入力されるトル
ク演算器で、このトルク演算器12は電流検出演算器1
1の出力リレーRy1の動作タイミング信号が入力され
ると図4に示すようにトルクτ2 (メカニカルロストル
ク+細幅張力トルク)を出力し、図示しない紙幅検出器
(例えば光電管による検出器)により紙幅が細幅から全
幅になったことが検出されると動作する出力リレーRy
4より動作タイミング信号が入力されると図4に示すよ
うにトルクτ1 (メカニカルロストルク+全幅張力トル
ク)を出力するものである。
【0024】このトルク演算器12の出力信号は、張力
入操作装置6のリレーRy3の常閉接点S3bを介して
前述の速度制限回路SLの出力に加算されて負荷電流と
比較され、その偏差が電流制御回路CCに入力されるよ
うになっている。次にこのように構成された抄紙機用電
動機の制御装置の作用を図5に示すタイムチャートを参
照しながら説明する。
【0025】いま、カレンダ2とリール巻取部1間に細
幅の紙3が溜まっている状態にあるものとする。このと
き電流検出演算器11の出力リレーRy1は動作してい
ないので、その常開接点S1a1,S1a2は開路、常
閉接点S1bは閉路状態にある。この状態からリール巻
取部1に紙2の巻き取りが開始されると、速度差調整器
DRHで調整された速度基準Ref(ドロー速度Vα)
と速度検出器SSで検出された電動機Mの速度検出信号
との偏差が速度制御回路SCに入力される。この速度制
御回路SCの出力信号は負荷電流と比較され、その偏差
が電流制御回路CCに与えられることにより、電動機M
が速度制御される。
【0026】この場合、カレンダ2とリール巻取部1と
の間に紙3が溜まっている間は速度差調整器DRHを調
整し、リール側の速度をカレンダ2の速度よりもドロー
速度Vα分増加させてリール速度を速め、紙3の巻取速
度を上げている。
【0027】このとき電流検出演算器11では、負荷電
流Iaとメカニカルロス電流演算器9に記憶されたメカ
ニカルロス電流Iτとの差が演算され、負荷電流Iaが
メカニカルロス電流Iτ以上になったことを条件に紙2
が張った状態にあると判断し、出力リレーRy1を動作
させてその常閉接点S1bを開路すると同時に、常開接
点S1a1,S1a2を閉路することにより、速度制御
系から速度制限回路SL付きのトルク制御系に切換わ
る。
【0028】その後、速度差検出演算器7により速度検
出器SSおよびSS2でそれぞれ検出されたリール実速
度VR とカレンダ速度Vc との差が零になったことが検
出されると、出力リレーRy2が動作してそのタイミン
グ信号がリールかさ上げ速度基準演算器8に加えられ
る。すると、このリールかさ上げ速度基準演算器8では
タイミング信号の入力時点よりかさ上げ速度Vβを出力
し、このかさ上げ速度Vβをドロー速度Vαに加算して
トルク制御範囲を拡げる。
【0029】一方、トルク演算器12は電流検出演算器
11の出力リレーRy1の動作タイミング信号の入力に
より、つまり紙が張った瞬間からリールのメカニカルロ
スτM だけの運転状態からあるレートをもって(メカニ
カルロス+紙の細幅張力)トルクτ2 へ移行する。
【0030】従って、この時はトルク演算器12より出
力されるトルクτ2 と、速度制限回路SLより出力され
るドロー速度Vαにかさ上げ速度Vβを加えた速度制御
信号を加算した出力とが速度制限回路7を通して加算さ
れ、さらに負荷電流Iaと比較されてその偏差が電流制
御回路CCに与えられる。
【0031】この場合、張力設定器TRHに設定された
全幅の紙の張力設定信号と張力検出器TDにより検出さ
れた張力検出信号との偏差に応じた張力制御信号が張力
制御回路TCより出力されるが、張力入操作装置6の出
力リレーRy3の常開接点S3aが開放状態にあるの
で、この時はまだ張力制御回路TCの出力信号による張
力制御は行われていない。
【0032】次にこのような制御により細幅の紙3がリ
ール巻取部1に巻き取られているとき、図示しない紙幅
検出器により紙幅が細幅から全幅に移行したことが検出
されると、出力リレーRy4の動作タイミング信号によ
りトルク演算器12より(メカニカルロス+細幅張力)
トルクτ2 による運転状態からあるレートをもって(メ
カニカルロス+全幅張力)トルクτ1 へ移行するトルク
指令値が出力され、全幅の紙の巻き取りによるトルク制
御が行われる。
【0033】以上のような通紙巻取を終了した時点で張
力入操作装置6を操作して出力リレーRy3を動作させ
ると、その常閉接点S3bが開路し、常開接点S3aが
閉路する。すると張力設定器TRHに設定された全幅の
紙の張力設定信号と張力検出器TDにより検出された張
力検出信号との偏差による張力制御系に切換わり、巻取
操業を行うための張力制御に移行する。
【0034】このように紙のリール巻き付けから細幅状
態での速度制御、トルク制御、全幅状態になったときの
トルク制御という通紙が行われるまでの制御を人手を介
さず自動的に行えるようにしたので、ショックレスにて
スムースに通紙が完了するまでの一連の制御を行うこと
ができる。
【0035】なお、上記実施例では電流検出演算器11
にメカニカルロス電流と負荷電流を入力して紙が張った
状態になったかどうかの判断を行うようにしたが、張力
検出器TDからの張力検出信号を紙状態判別器に入力
し、その値より紙が張った状態になったかどうかの判断
を行うようにしてもよい。この場合、トルク演算器12
に対しては紙状態検出判別器により紙が張った状態にな
ったと判別したときそのタイミング信号が入力され、ま
た紙状態検出判別器により紙が張った状態になるとリレ
ーRy3を動作させる以外は前述の実施例と同様であ
る。
【0036】
【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、紙溜
まりの速度制御により紙が張った瞬間になっても紙が張
り切れることがなく、トルク制御を行うまでの細幅から
全幅に至る過程での張力変化によりトルク制御が不安定
になることがなく、しかも紙の巻付けから細幅、全幅へ
とスムースに移行させることができる抄紙機用電動機の
制御装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による抄紙機用電動機の制御装置の一実
施例を示す回路構成図。
【図2】同実施例におけるメカニカルロス電流演算器の
動作特性図。
【図3】同実施例における張力演算器の動作特性図。
【図4】同実施例におけるトルク演算器の動作特性図。
【図5】同実施例の通紙時の制御を説明するためのタイ
ムチャート。
【図6】従来の抄紙機用電動機の制御装置を示す回路構
成図。
【符号の説明】 1…リール巻取部、2…カレンダ、3…紙、4…スイッ
チング回路、5…開閉器、6…張力入操作装置、7…速
度差検出演算器、8…リールかさ上げ速度基準演算器、
9…メカニカルロス電流演算器、10…張力演算器、1
1…電流検出演算器、12…トルク演算器、M,M2…
電動機、PHC…位相制御回路、CC…電流制御回路、
SC…速度制御回路、SL…速度制限回路、TC…張力
制御回路、SS,SS2…速度検出器、DRH…速度差
調整器、TRH…張力設定器、Ref…速度基準、TD
…張力検出器。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 長谷川 博 東京都北区赤羽一丁目62番5号 株式会社 山川機械製作所東京技術センター内 (72)発明者 石井 明夫 東京都港区芝浦一丁目1番1号 株式会社 東芝本社事務所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カレンダを通して送出される紙をリール
    巻取部を駆動して巻取る電動機を速度基準と前記リール
    巻取部のリール回転速度との偏差に応じて速度制御する
    速度制御系と、張力設定値と前記リール巻取部に巻き取
    られる紙の張力検出信号との偏差に応じて前記電動機を
    張力制御する張力制御系とを備えた抄紙機用電動機の制
    御装置において、前記速度制御系により前記リール巻取
    部が速度制御されているときのみリール実速度と前記カ
    レンダの実速度との差を演算して両実速度が一致してい
    るか否かを検出する速度差検出演算手段と、この速度差
    検出演算手段により、リール実速度とカレンダ実速度と
    が不一致であることが検出されると前記速度基準を一定
    の速度基準として出力させ、リール実速度とカレンダ実
    速度との一致が検出されると前記速度基準に対して一定
    のレートでかさ上げ分の基準まで上げて出力させるリー
    ルかさ上げ速度基準演算手段と、前記リール巻取部の無
    負荷運転時のメカニカルロス電流と前記電動機に流れる
    負荷電流との差を常時演算し、負荷電流がメカニカルロ
    ス電流以上になったことを検出する電流検出演算手段
    と、紙が全幅のときの張力設定値および紙の全幅値と細
    幅値を入力し、全幅時の張力値と細幅値の張力値を演算
    する張力演算手段と、前記電流検出演算手段で負荷電流
    がメカニカルロス電流になったことの一致タイミング信
    号および前記紙が細幅から全幅に移行するタイミング信
    号が入力される毎に前記張力演算手段より出力される張
    力値と前記メカニカルロス電流とをそのときの適性トル
    ク値として加算するトルク演算手段と、前記電流検出演
    算手段により負荷電流がメカニカルロス電流以上になっ
    たことが検出されると前記速度制御系から前記トルク演
    算手段の出力によるトルク制御に切換える切換手段とを
    設けたことを特徴とする抄紙機用電動機の制御装置。
  2. 【請求項2】 カレンダを通して送出される紙をリール
    巻取部を駆動して巻取る電動機を速度基準と前記リール
    巻取部のリール回転速度との偏差に応じて速度制御する
    速度制御系と、張力設定値と前記リール巻取部に巻き取
    られる紙の張力検出信号との偏差に応じて前記電動機を
    張力制御する張力制御系とを備えた抄機用電動機の制御
    装置において、前記速度制御系により前記リール巻取部
    が速度制御されているときのみリール実速度と前記カレ
    ンダの実速度との差を演算して両実速度が一致している
    か否かを検出する速度差検出演算手段と、この速度差検
    出演算手段により、リール実速度とカレンダ実速度とが
    不一致であることが検出されると前記速度基準を一定の
    速度基準として出力させ、リール実速度とカレンダ実速
    度との一致が検出されると前記速度基準に対して一定の
    レートでかさ上げ分の基準まで上げて出力させるリール
    かさ上げ速度基準演算手段と、前記紙の張力検出信号か
    ら前記紙が張った状態になったか否かを判別する紙状態
    判別手段と、紙が全幅のときの張力設定値および紙の全
    幅値と細幅値を入力し、全幅時の張力値と細幅値の張力
    値を演算する張力演算手段と、前記紙状態判別手段より
    紙が張った状態になったことのタイミング信号および前
    記紙が細幅から全幅に移行するタイミング信号が入力さ
    れる毎に前記張力演算手段より出力される張力値と前記
    リール巻取部の無負荷運転時のメカニカルロス電流とを
    そのときの適性トルク値として加算するトルク演算手段
    と、前記紙状態判別手段により紙が張った状態にあると
    判別されると前記速度制御系から前記トルク演算手段の
    出力によるトルク制御に切換える切換手段とを設けたこ
    とを特徴とする抄紙機用電動機の制御装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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