JPH0592944A - アミノ酸・核酸またはその誘導体の製造方法 - Google Patents

アミノ酸・核酸またはその誘導体の製造方法

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JPH0592944A
JPH0592944A JP3175275A JP17527591A JPH0592944A JP H0592944 A JPH0592944 A JP H0592944A JP 3175275 A JP3175275 A JP 3175275A JP 17527591 A JP17527591 A JP 17527591A JP H0592944 A JPH0592944 A JP H0592944A
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culture
reaction
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amino acid
crystals
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JP3175275A
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English (en)
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Nobuyuki Sugimoto
信幸 杉本
Kazuhiro Sato
一博 佐藤
Masato Yokoyama
正人 横山
Tomoharu Takenouchi
知春 竹之内
Mitsuyoshi Seki
光義 関
Koji Igarashi
弘司 五十嵐
Mitsuhiro Kishino
光広 岸野
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Ajinomoto Co Inc
Original Assignee
Ajinomoto Co Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 微生物を用いたアミノ酸・核酸またはその誘
導体の生産において、従来法よりさらに安価かつ効率的
に製造する方法を提供する。 【構成】 培養液若しくは反応液中に目的アミノ酸・核
酸またはその誘導体の結晶を析出せしめた後、該結晶を
含む培養液若しくは反応液を連続的または断続的に取り
出し、液体サイクロンで処理し、下流側に濃厚結晶溶液
を回収し、上流側の液は培養槽若しくは反応槽に戻して
培養若しくは反応に供するかまたは戻さずに回収する一
方、培養槽若しくは反応槽には新たに培地若しくは反応
液の全部若しくは一部の成分を供給しつつ培養若しくは
反応を継続し、回収した濃厚結晶溶液及び/または培養
液若しくは反応液よりアミノ酸・核酸またはその誘導体
を採取する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はアミノ酸・核酸またはそ
の誘導体の製造方法に関する。アミノ酸・核酸またはそ
の誘導体は、医薬品・食品・飼料・化成品の原料等とし
て広く利用されており、医療技術やレベルの向上、健康
指向の食品開発等の世間の動きに合わせ、その需要はま
すます増大する傾向にある。また、価格が下がることに
より新たな用途の創出も期待され、アミノ酸・核酸また
はその誘導体の合理的な製造法を開発し製造コストの低
減を図ることは産業上大きな意味を持っている。
【0002】
【従来技術】従来から知られている微生物を用いたアミ
ノ酸・核酸またはその誘導体の製造法は、アミノ酸・核
酸またはその誘導体の生産能を有する微生物を栄養培地
で培養するかまたは反応液中で原料物質に作用させるこ
とにより培養液若しくは反応液中に目的物質を生成蓄積
させ、用いた原料から最大限の蓄積量を得た段階で培養
若しくは反応を終了し、培養液若しくは反応液中に溶解
している生産物を樹脂処理や晶析等を繰り返すことによ
り純度良く生産する様な方法であった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、アミ
ノ酸・核酸またはその誘導体を従来から知られている微
生物を用いた製造法よりさらに安価かつ効率的に製造す
る方法を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、アミノ酸
・核酸またはその誘導体を従来から知られている微生物
を用いた製造法よりさらに安価かつ効率的に製造するた
めに、発酵若しくは反応の工程とその後の処理工程とを
効率的に結び付けた製造方法を開発すべく鋭意研究を重
ねた結果、培養液若しくは反応液中にアミノ酸・核酸ま
たはその誘導体を溶解度以上に蓄積せしめ結晶を析出せ
しめた後、該結晶を含む培養液若しくは反応液を連続的
または断続的に取り出し、液体サイクロンで処理し、下
流側に濃厚結晶溶液を回収し、上流側の液は培養槽若し
くは反応槽に戻して培養若しくは反応に供するかまたは
戻さずに回収する一方、培養槽若しくは反応槽には新た
に培地若しくは反応液の全部若しくは一部の成分を供給
しつつ培養若しくは反応を継続することにより、効率的
にアミノ酸・核酸またはその誘導体を生産しうることを
見いだし、この知見に基づいて本発明を完成するに至っ
た。
【0005】すなわち、本発明は、微生物を用いたアミ
ノ酸・核酸またはその誘導体の生産において、培養液若
しくは反応液中に当該アミノ酸・核酸またはその誘導体
を溶解度以上に蓄積せしめることによりアミノ酸・核酸
またはその誘導体の結晶を析出せしめた後、該結晶を含
む培養液若しくは反応液を連続的または断続的に取り出
し、下流側の結晶濃度を十分高くできる代表径をもつ液
体サイクロンで処理し、下流側に結晶濃度が30ないし
90重量%の濃厚結晶溶液を回収し、上流側の液は培養
槽若しくは反応液に戻して培養若しくは反応に供するか
または戻さずに回収する一方、培養槽若しくは反応槽に
は新たに培地若しくは反応液の全部若しくは一部の成分
を供給しつつ培養若しくは反応を継続し、回収された濃
厚結晶溶液及び/または培養液若しくは反応液よりアミ
ノ酸・核酸またはその誘導体を採取することを特徴とす
るアミノ酸・核酸またはその誘導体の製造方法を提供す
るものである。
【0006】本発明に使用する微生物は、ブレビバクテ
リウム属、コリネバクテリウム属、バチルス属等に属す
る細菌や大腸菌等従来よりアミノ酸・核酸またはその誘
導体の生産能を有することが知られている微生物であれ
ば何でも使用しうる。
【0007】これらの微生物を用いて本発明の方法によ
りアミノ酸・核酸またはその誘導体を生産するには、炭
素源、窒素源、無機塩類、その他必要により生育因子及
び使用する微生物が要求する栄養物質を含有する培地を
用いることができる。炭素源としては、グルコース、シ
ュクロース、糖蜜、デンプン加水分解液などの糖類、酢
酸、プロピオン酸などの有機酸、エタノール、プロパノ
ールなどのアルコール類などが使用できる。窒素源とし
ては、硫安、硝安、塩安、尿素、アンモニアなどを使用
できる。さらに目的のアミノ酸・核酸またはその誘導体
の前駆体を原料として用いる事もできる。また、反応基
質や反応促進物質を含有する反応液を用いることもでき
る。これらの炭素源、窒素源等の原料若しくは反応基質
は培養や反応の初発に全て入れることもできるし、途中
より連続的若しくは断続的に添加してもよい。
【0008】培養若しくは反応の温度は20〜65℃、
好ましくは30〜60℃であり、pHは4.0〜9.
5、好ましくは5.5〜8.0が良く、pHの調整には
無機あるいは有機の酸性あるいはアルカリ性物質、更に
は尿素、炭酸カルシウム、アンモニアガスなどを使用す
ることができる。
【0009】本発明においては、培養液若しくは反応液
中に目的とするアミノ酸・核酸またはその誘導体を溶解
度以上に蓄積せしめることによりアミノ酸・核酸または
その誘導体の結晶を析出せしめることが重要であるが、
発酵液若しくは反応液中のアミノ酸・核酸またはその誘
導体の濃度が過飽和状態まで高まるのを防止するため
に、必要により種晶を添加したり結晶析出促進効果のあ
る有機酸や界面活性剤の添加を行うことにより効率よく
結晶を析出せしめるることができる。結晶の大きさは粒
径10ないし2000μm程度が好ましい。
【0010】培養や反応中に生成したアミノ酸・核酸ま
たはその誘導体の結晶を培養液若しくは反応液から分離
回収するためには、該結晶を含む培養液若しくは反応液
を連続的または断続的に取り出し、液体サイクロンで処
理し、下流側に結晶濃度が30ないし90重量%の濃厚
結晶溶液を回収する。
【0011】液体サイクロンの構造の例を図1に示す。
使用する液体サイクロンは、一般的形状のもので、下流
側の結晶濃度を十分高くし得るに十分小さな代表径を有
するものとする。
【0012】また発酵槽若しくは反応槽と液体サイクロ
ンの接続関係の例を図2に示す。
【0013】発酵槽若しくは反応槽(a)から結晶を含
む培養液若しくは反応液が取り出され、無菌ポンプ
(b)によって液体サイクロン(c)にフィードされ
る。フィード圧力を選定することにより、結晶は液体サ
イクロン内部での遠心効果により重液として下流側に運
ばれ、下流側の結晶濃度を高めることができる。よって
液体サイクロンの下流側(e)に結晶濃度が30ないし
90%の濃厚結晶溶液が回収される。一方微生物菌体に
ついては、液体サイクロンの遠心効果が小さく溶液と同
様の挙動を示すが、下流側に濃縮される結晶濃度が高く
なることにより主に軽液として上流側に運ばれることに
なり、液体サイクロンの上流側(f)には菌体と培地若
しくは反応液成分を含む液が排出され、かくして結晶と
菌体等を効率よく分離することができる。また必要に応
じ、上流側への結晶の漏れをを配慮した上で下流側に背
圧をかけることにより、下流側結晶濃度が増加するとと
もに、上流側への菌体の淘汰も促進される。
【0014】液体サイクロン下流側より回収される濃厚
結晶溶液からは濾過または遠心脱水にかけることによ
り、菌体ならびに付着母液の少ない良好な結晶を得るこ
とができ、この結晶を精製する事によりさらに高純度の
アミノ酸・核酸またはその誘導体を得ることもできる。
一方、上流側に排出される液には、菌体と培地若しくは
反応液成分が含まれており、培養槽若しくは反応槽に戻
し再び培養若しくは反応に供することもできるし、また
結晶まで至らない溶解状態の生産物も含まれており、こ
れを回収し従来と同じ濃縮晶析や樹脂法によりアミノ酸
・核酸またはその誘導体を取り上げることもできる。培
養若しくは反応を終了した場合にも、培養液若しくは反
応液から結晶を分離採取し、また溶解している生産物の
採取は濃縮晶析や樹脂法等の従来の方法またはその組合
せにより行うことができる。
【0015】かくして本発明においてはアミノ酸・核酸
またはその誘導体を結晶のまま逐次発酵槽若しくは反応
槽から取り出されるために、発酵若しくは反応が円滑に
進むと共に、処理工程での操作が簡略化され、このこと
によりアミノ酸の生産性を高め、製造コストの低減を可
能にすることができる。
【0016】
【実施例】次に実施例によって本発明をさらに詳細に説
明する。
【0017】実施例1 ブレビバクテリウム・フラバムAJ3409(FERM
BP−662)を、酵母エキス1%、ペプトン1%、
食塩0.5%、グルコース0.5%を含有する寒天平板
培地に接種し31℃で24時間培養した。500ml容
坂口フラスコ30本に、グルコース4%、燐酸一カリウ
ム0.1%、硫酸マグネシウム0.04%、硫酸第一鉄
0.001%、硫安0.2%、尿素0.4%、ビオチン
4μg/l、ビタミンB1100μg/l、大豆蛋白加
水分解物(全窒素として)0.035%からなる培地
(pH7.0)を25mlずつ添加し、121℃で15
分間加熱殺菌の後、室温まで冷却し、これに先の寒天平
板培地で生育させたブレビバクテリウム・フラバムAJ
3409の菌体を1白金耳ずつ植え付け、31℃で24
時間振とう培養し種培養液を調製した。20l容発酵槽
に、グルコース10%、燐酸カリウム0.4%、硫酸マ
グネシウム0.06%、硫酸第一鉄0.002%、硫安
5%、ビオチン8μg/l、ビタミンB1500μg/
l、大豆蛋白加水分解物(全窒素として)0.056%
からなる培地(pH7.0)を10l添加し、121℃
で20分間加熱殺菌し、室温まで冷却後先のフラスコ培
養の種培養液を添加し、培養温度30℃、制御pH6.
5、通気量1/2vvm、撹拌数600rpm、内圧
0.2kg/cm2の条件で培養を行った。培養液中の
グルコースが消費し尽くされる直前にグルコースを45
%含む溶液(殺菌済み)を培養槽に添加し、常に培養液
中のグルコース濃度を0.1〜1.5%に制御した。グ
ルタミンの蓄積量がその溶解度を越え、培養液中にグル
タミンの結晶が析出した時点から、培養液の一部を無菌
的に取り出し小型液体サイクロンを通し、下流側に濃厚
結晶溶液を分離しつつ上流側の菌体を含む培養液は発酵
槽に返送した。この方法で100時間の培養の結果、グ
ルタミンの結晶スラリー1.1kg(含水率16.6
%)とグルタミンを5.2%含有した培養液15lを得
た。得られた培養液は濃縮晶析し、結晶を分離し、培養
中に得られた結晶スラリーと併せ溶解晶析を3回繰り返
す方法により高純度のグルタミン結晶1.36kgを得
た。
【0018】一方、比較のために培養液の液体サイクロ
ンへの循環と培養中の結晶分離をしないこと以外は同一
条件にて100時間培養を行った結果、グルタミンを
9.7%含有した培養液14.4lを得た。これを濃縮
晶析し得た結晶の溶解晶析を繰り返しグルタミンの精製
を行ったが、先の方法で得られたグルタミン結晶と同じ
純度の結晶を得るには4回の溶解晶析を繰り返す必要が
あり、その結果高純度グルタミン結晶は0.98kg得
られた。
【0019】この2通りのグルタミン生産の方法につい
て、成績及び特徴を表1に示した。
【0020】
【表1】
【0021】実施例2 ブレビバクテリウム・ラクトフェルメンタムATCC2
1420を、酵母エキス1%、ペプトン1%、食塩0.
5%、グルコース0.5%含有寒天平板培地に接種し3
1℃で24時間培養した。500ml容坂口フラスコ3
0本に、しょ糖2%、燐酸カリウム0.1%、硫酸マグ
ネシウム0.04%、硫酸第一鉄0.001%、硫酸マ
ンガン0.001%、酢安0.4%、チロシン0.04
%、ビオチン100μg/l、ビタミンB1100μg
/l、大豆蛋白加水分解物(全窒素として)0.2%か
らなる培地(pH7.0)を25mlずつ添加し、12
1℃で15分間加熱殺菌の後、室温まで冷却し、これに
先の寒天平板培地で生育させたブレビバクテリウム・ラ
クトフェルメンタムATCC21420の菌体を1白金
耳ずつ植え付け、31℃で24時間振とう培養し種培養
液を調製した。20l容発酵槽に、グルコース10%、
燐酸カリウム0.15%、硫酸マグネシウム0.1%、
硫酸マンガン0.001%、ビオチン50μg/l、ビ
タミンB12000μg/l、大豆蛋白加水分解物(全
窒素として)0.08%からなる培地(pH7.0)を
10l添加し、121℃で20分間加熱殺菌し、室温ま
で冷却後先のフラスコ培養の種培養液を添加し、培養温
度31℃、制御pH7.0、通気量1/3vvm、撹は
ん数400rpm、内圧0.2kg/cm2の条件で培
養を行った。培養液中のグルコースが消費し尽くされる
直前にグルコースを45%含む溶液(殺菌済み)を培養
槽に添加し、常に培養液中のグルコース濃度を1.0〜
2.5%に制御した。フェニルアラニンの蓄積濃度がそ
の溶解度近くなった時点で少量の種晶を添加して培養液
中にフェニルアラニンの結晶の析出を促進したした後、
培養液の一部を無菌的に系外に取り出し小型液体サイク
ロンを通し、下流側に濃厚結晶溶液を分離しつつ上流側
の菌体を含む液は発酵槽に返送した。この方法で80時
間の培養の結果、フェニルアラニンの結晶スラリー0.
21kg(含水率20%)とフェニルアラニンを2.8
%含有した培養液15lを得た。得られた培養液は濃縮
晶析し、結晶を分離し、培養中に得られた結晶スラリー
と併せ溶解晶析を3回繰り返す方法により、高純度のフ
ェニールアラニン結晶を0.41kg得た。
【0022】一方、比較のために培養液の液体サイクロ
ンへの循環と培養中の結晶分離をしないこと以外は同一
条件にて80時間培養を行った結果、フェニルアラニン
を3.5%含有した培養液15lを得た。これを濃縮晶
析し得た結晶の溶解晶析を繰り返しフェニルアラニンの
精製を行ったが、先の方法で得られたフェニルアラニン
結晶と同じ純度の結晶を得るには4回の溶解晶析を繰り
返す必要があり、その結果高純度フェニルアラニン結晶
は0.34kg得られた。
【0023】この2通りのフェニールアラニン生産の方
法について、成績及び特徴を表2に示した。
【0024】
【表2】
【0025】実施例3 バチルス・ズブチリスAJ11713(FERM BP
−208)を、可溶性デンプン3%、酵母エキス0.5
%、ペプトン0.5%含有寒天平板培地に接種し31℃
で24時間培養した。2l容小型発酵槽に、グルコース
3%、燐酸カリウム0.1%、硫酸マグネシウム0.0
4%、硫酸第一鉄0.001%、硫酸マンガン0.00
1%、塩安0.3%、グルタミン酸ソーダ0.5%、大
豆蛋白加水分解物(全窒素として)0.065%からな
る培地(pH6.7)を1l添加し、121℃で15分
間加熱殺菌の後、室温まで冷却し、これに先の寒天平板
培地で生育させたバチルス・ズブチリスAJ11713
の菌体を1白金耳植え付け、31℃で30時間培養し種
培養液を調製した。20l容発酵槽に、グルコース20
%、燐酸カリウム0.2%、硫酸マグネシウム0.4
%、硫酸鉄0.001%、硫酸マンガン0.001%、
大豆蛋白加水分解物(全窒素として)0.05%からな
る培地(pH7.0)を10l添加し、121℃で20
分間加熱殺菌し、室温まで冷却後先の種培養液を添加
し、培養温度31℃、制御pH6.7、通気量3/4v
vm、撹はん数600rpm、内圧0.2kg/cm2
の条件で培養を行った。培養液中のグルコースが消費し
尽くされる直前にグルコースを45%含む溶液(殺菌済
み)を培養槽に添加し、常に培養液中のグルコース濃度
を0.1〜1.5%に制御した。トリプトファンの蓄積
量がその溶解度を越え、培養液中にトリプトファンの結
晶が析出した時点から、界面活性剤を添加し結晶の析出
を促進させるとともに培養液の一部を無菌的に取り出し
小型液体サイクロンを通し、濃厚結晶溶液を分離した後
培養液は発酵槽に返送した。この方法で100時間の培
養の結果、トリプトファンの結晶スラリー0.28kg
(含水率20%)とトリプトファンを1.4%含有した
培養液15lを得た。得られた培養液は濃縮晶析し、結
晶を分離し、培養中に得られた結晶スラリーと併せ溶解
晶析を2回繰り返す方法により、高純度のトリプトファ
ン結晶0.245kgを得た。
【0026】一方、比較のために培養液の液体サイクロ
ンへの循環と培養中の結晶分離をしないこと以外は同一
条件にて100時間培養を行った結果、トリプトファン
を2.88%含有した培養液15lを得た。これを濃縮
晶析し得た結晶の溶解晶析を繰り返しトリプトファンの
精製を行ったが、先の方法で得られたトリプトファン結
晶と同じ純度の結晶を得るには3回の溶解晶析を繰り返
す必要があり、その結果高純度トリプトファン結晶は
0.21kg得られた。
【0027】この2通りのトリプトファン生産の方法に
ついて、成績及び特徴を表3に示した。
【0028】
【表3】
【0029】実施例4 ブレビバクテリウム・フラバムAJ3686(FERM
BP−755)を、酵母エキス1%、ペプトン1%、
食塩0.5%、グルコース0.5%含有寒天平板培地に
接種し31℃で24時間培養した。500ml容坂口フ
ラスコ30本に、グルコース3%、燐酸カリウム0.1
%、硫酸マグネシウム0.04%、硫酸第一鉄0.00
1%、硫酸マンガン0.001%、尿素0.3%、ビオ
チン10μg/l、ビタミンB1200μg/l、大豆
蛋白加水分解物(全窒素として)0.085%からなる
培地(pH7.0)を25mlずつ添加し、121℃で
15分間加熱殺菌の後、室温まで冷却し、これに先の寒
天平板培地で生育させたブレビバクテリウム・フラバム
AJ3686の菌体を1白金耳ずつ植え付け、31℃で
24時間振とう培養し種培養液を調製した。20l容発
酵槽に、グルコース15%、燐酸カリウム0.1%、硫
酸マグネシウム0.04%、硫酸第一鉄0.001%、
硫安1%、ビオチン50μg/l、ビタミンB1300
μg/l、大豆蛋白加水分解物(イソロイシンとして)
0.01%からなる培地(pH7.0)を10l添加
し、121℃で20分間加熱殺菌し、室温まで冷却後先
のフラスコ培養の種培養液を添加し、培養温度31℃、
制御pH7.0、通気量1/2vvm、撹拌数600r
pm、内圧0.2kg/cm2の条件で培養を行った。
培養液中のグルコースが消費し尽くされる直前にグルコ
ースを45%含む溶液(殺菌済み)を培養槽に添加し、
常に培養液中のグルコース濃度を0.1〜1.5%に制
御した。ロイシンの蓄積量がその溶解度を越え、培養液
中にロイシンの結晶が析出した時点から、培養液の一部
を無菌的に取り出し小型液体サイクロンを通し、下流側
に濃厚結晶溶液を分離しつつ上流側の菌体を含む培養液
は発酵槽に返送した。この方法で50時間の培養の結
果、ロイシンの結晶スラリー0.24kg(含水率1
6.6%)とロイシンを2.6%含有した培養液15l
を得た。得られた培養液は濃縮晶析し、結晶分離し、培
養中に得られた結晶スラリーと併せ溶解晶析を3回繰り
返す方法により、高純度のロイシン結晶0.42kgを
得た。
【0030】一方、比較のために培養液の液体サイクロ
ンへの循環と培養中の結晶分離をしない事以外は同一条
件にて50時間培養を行った結果、ロイシンを3.3%
含有した培養液14.4lを得た。これを濃縮晶析し得
た結晶の溶解晶析を繰り返しグルタミンの精製を行った
が、先の方法で得られたロイシン結晶と同じ純度の結晶
を得るには4回の溶解晶析を繰り返す必要があり、その
結果高純度ロイシン結晶は0.29kg得られた。
【0031】この2通りのグルタミン生産の方法につい
て、成績及び特徴を表4に示した。
【0032】
【表4】
【0033】実施例5 バチルス・ズブチリスAJ11312(FERM−P4
823)を、可溶性デンプン3%、酵母エキス0.5
%、ペプトン0.5%含有寒天平板培地に接種し34℃
で24時間培養した。2l容小型発酵槽に、グルコース
3%、塩安0.3%、燐酸カリウム0.1%、硫酸マグ
ネシウム0.04%、硫酸第一鉄0.001%、硫酸マ
ンガン0.001%、酵母エキス0.05%、RNA
0.5%、大豆蛋白加水分解物(全窒素として)0.1
2%からなる培地(pH6.4)を1l添加し、121
℃で15分間加熱殺菌の後、室温まで冷却し、これに先
の寒天平板培地で生育させたバチルス・ズブチリスAJ
11312の菌体を1白金耳植え付け、34℃で30時
間培養し種培養液を調製した。20l容小型発酵槽に、
グルコース20%、燐酸カリウム0.2%、硫酸マグネ
シウム0.15%、硫酸第一鉄0.001%、硫酸マン
ガン0.001%、大豆蛋白加水分解物(全窒素とし
て)0.13%、塩安0.5%からなる培地(pH6.
5)を10l添加し、121℃で20分間加熱殺菌し室
温まで冷却後先の種培養液を添加し、培養温度35℃、
制御pH6.4、通気量1/2vvm、撹はん数600
rpm、内圧0.2kg/cm2の条件で培養を行っ
た。培養液中のグルコースが消費し尽くされる直前にグ
ルコースを45%含む溶液(殺菌済み)を培養槽に添加
し、常に培養液中のグルコース濃度を0.1〜1.5%
に制御した。グアノシンの蓄積量がその溶解度を越え、
培養液中にグアノシンの結晶が析出した時点から、培養
液の一部を無菌的に系外に取り出し小型液体サイクロン
を通し、上流側に濃厚結晶溶液を分離した後下流側の菌
体を含む液は発酵槽に返送した。この方法で100時間
の培養の結果、グアノシンの結晶スラリー0.65kg
(含水率20%)とグアノシンを0.4%含有した培養
液13.5lを得た。得られた培養液は濃縮晶析し、結
晶を分離し、培養中に得られた結晶スラリーと併せ溶解
晶析を2回繰り返す方法により、高純度のグアノシン結
晶0.43kgを得た。
【0034】一方、比較のために培養液の液体サイクロ
ンへの循環と培養中の結晶分離をしないこと以外は同一
条件にて100時間培養を行った結果、グアノシンを
3.5%含有した培養液12.5lを得た。これを濃縮
晶析し得た結晶の溶解晶析を繰り返しグアノシンの精製
を行ったが、先の方法で得られたグアノシン結晶と同じ
純度の結晶を得るには3回の溶解晶析を繰り返す必要が
あり、その結果高純度グアノシン結晶は0.28kg得
られた。
【0035】この2通りのグアノシン生産の方法につい
て、成績及び特徴を表5に示した。
【0036】
【表5】
【0037】実施例6 シュードモナス・エスピーATCC19121を、肉エ
キス1%、ペプトン1%、食塩0.5%含有寒天平板培
地に接種し30℃で24時間培養した。1l容小型発酵
槽に、オレイン酸0.5%、大豆油0.5%、燐酸カリ
ウム0.1%、硫酸マグネシウム0.1%、大豆蛋白加
水分解物(全窒素として)0.1%からなる培地(pH
7)を0.3l添加し、121℃で15分間加熱殺菌の
後、室温まで冷却し、これに先の寒天平板培地で生育さ
せたシュードモナス・エスピーATCC19121を1
白金耳植え付け、31℃で20時間培養し種培養液を調
製した。10l容小型発酵槽に、フマール酸0.5%、
オレイン酸0.5%、大豆油0.5%、燐酸カリウム
0.1%、硫酸マグネシウム0.1%、大豆蛋白加水分
解物(全窒素として)0.13%からなる培地(pH
7)を5l添加し、121℃で20分間加熱殺菌し室温
まで冷却後先の種培養液を添加し、培養温度31℃、通
気量1/2vvm、撹はん数600rpm、内圧0.2
kg/cm2の条件で培養を行った。培養開始後20時
間目より粉末状アスパラギン酸1.5kgを逐次添加
し、pHを5に保ちつつ、培養温度40℃に保持した。
アラニンの蓄積量がその溶解度を越え、培養液中にアラ
ニンの結晶が析出した時点から、培養液の一部を系外に
取り出し小型液体サイクロンを通し、上流側に濃厚結晶
溶液を分離した後下流側の菌体を含む培養液は発酵槽に
返送した。この方法ではじめの20時間と合わせ35時
間の培養の結果、アラニンの結晶スラリー6.3kg(含
水率20%)とアラニン18%含有した培養液5lを得
た。得られた培養液は濃縮晶析し、結晶を分離し、培養
中に得られた結晶スラリーと併せ溶解晶析を2回繰り返
す方法により、高純度のアラニン結晶1.2kgを得た。
【0038】一方、培養液の液体サイクロンへの循環と
培養中の結晶分離をしないこと以外は同一条件にて同じ
く35時間の培養を行った結果、アラニンを28%含有
した培養液5lを得た。これを濃縮晶析し得た結晶の溶
解晶析を繰り返しアラニンの精製を行ったが、先の方法
で得られたアラニン結晶と同じ純度の結晶を得るには3
回の溶解晶析を繰り返す必要があり、その結果高純度ア
ラニン結晶は1.1kg得られた。
【0039】この2通りのアラニン生産の方法につい
て、成績及び特徴を表6に示した。
【0040】
【表6】
【0041】
【発明の効果】微生物によるアミノ酸・核酸またはその
誘導体の生産において、本発明の方法を使用することに
よって発酵若しくは反応を円滑に進めることができ、さ
らに処理工程の簡略化にもつながり、アミノ酸・核酸ま
たはその誘導体の生産性を高めることができる。このこ
とは、本発明の有用性を明確に示しており、本発明の実
施によりアミノ酸・核酸またはその誘導体の工業生産に
おいて大幅なコストダウンが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明で使用する液体サイクロンの構造の
例。
【図2】 本発明で使用する発酵槽若しくは反応槽と液
体サイクロンの接続関係の例。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07C 227/38 8930−4H C07D 209/20 9283−4C C12P 13/04 6977−4B 19/34 Z 7432−4B (72)発明者 竹之内 知春 神奈川県川崎市川崎区鈴木町1−1 味の 素株式会社川崎工場内 (72)発明者 関 光義 神奈川県川崎市川崎区鈴木町1−1 味の 素株式会社川崎工場内 (72)発明者 五十嵐 弘司 神奈川県川崎市川崎区鈴木町1−1 味の 素株式会社川崎工場内 (72)発明者 岸野 光広 神奈川県川崎市川崎区鈴木町1−1 味の 素株式会社川崎工場内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 微生物を用いたアミノ酸・核酸またはそ
    の誘導体の生産において、培養液若しくは反応液中に当
    該アミノ酸・核酸またはその誘導体を溶解度以上に蓄積
    せしめることによりアミノ酸・核酸またはその誘導体の
    結晶を析出せしめた後、該結晶を含む培養液若しくは反
    応液を連続的または断続的に取り出し、下流側の結晶濃
    度を十分高くできる代表径をもつ液体サイクロンで処理
    し、下流側に結晶濃度が30ないし90重量%の濃厚結
    晶溶液を回収し、上流側の液は培養槽若しくは反応槽に
    戻して培養若しくは反応に供するかまたは戻さずに回収
    する一方、培養槽若しくは反応槽には新たに培地若しく
    は反応液の全部若しくは一部の成分を供給しつつ培養若
    しくは反応を継続し、回収された濃厚結晶溶液及び/ま
    たは培養液若しくは反応液よりアミノ酸・核酸またはそ
    の誘導体を採取することを特徴とするアミノ酸・核酸ま
    たはその誘導体の製造方法。
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