JP3245881B2 - 塩基性アミノ酸と酸性アミノ酸の同時発酵法 - Google Patents

塩基性アミノ酸と酸性アミノ酸の同時発酵法

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Description

【発明の詳細な説明】
【産業上の利用分野】本発明は、塩基性L−アミノ駿生
産菌を酸性L−アミノ酸産生条件下に培養するか或いは
塩基性L−アミノ酸生産菌と酸性L−アミノ酸生産菌を
混合培養することを特徴とする塩基性L−アミノ酸と酸
性L−アミノ酸の同時発酵法に関する。
【従来の技術】従来発酵法による塩基性L−アミノ酸と
酸性L−アミノ酸の同時生産は知られていない。知られ
ていたのは塩基性L−アミノ酸及び酸性L−アミノ酸の
いずれか一方の1種のアミノ酸を培地中に蓄積させるも
のであった。この場合、2種以上のアミノ酸が培地中に
認められても、目的以外のアミノ酸は副生物程度の微量
(数10mg/dl)存在するのみであった。換言すれ
ば、塩基性アミノ酸と酸性アミノ酸を同時に商業的蓄積
量で発酵生産する方法は種々のメリットが期待されるに
も拘わらず未だ知られていない。
【発明が解決しようとする課題】本発明は、塩基性アミ
ノ酸と酸性アミノ酸を同時に商業的蓄積量で発酵生産す
る方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記目的の
ために種々検討し、塩基性アミノ酸と酸性アミノ酸を同
時に生産する方法を確立し、本発明を完成した。本発明
は、前記のように、塩基性L−アミノ酸生産菌を酸性L
−アミノ酸産生条件下に培養するか或いは塩基性L−ア
ミノ酸生産菌と酸性L−アミノ酸生産菌を混合培養する
ことを特徴とする塩基性L−アミノ酸と酸性L−アミノ
酸の同時発酵法に関する。以下、本発明を詳細に説明す
る。本発明に云う塩基性L−アミノ酸にはL−リジン
(Lys)、L−アルギニン(Arg)、L−ヒスチジ
ン(His)及びL−オルニチン(Orn)が含まれ、
酸性L−アミノ酸にはL−グルタミン酸(Glu)及び
L−アスパラギン酸(Asp)が含まれる。先ず、塩基
性L−アミノ酸生産菌を使用し、これを酸性L−アミノ
酸産生条件下に培養して塩基性L−アミノ酸と酸性L−
アミノ酸を同時に発酵生産する本発明に係わる第1の方
法について説明する。発酵培地としては、炭素源、窒素
源、無機塩類、生育因子などを含有する栄養培地または
合成培地が用いられる。炭素源としては、グルコース,
フラクトース,シュークロース,糖蜜,デンプン,デン
プン加水分解物,果汁などの炭水化物、エタノール,メ
タノール,プロパノールなどのアルコール類、酢酸など
の有機酸類が使用できる。窒素源としては、硫酸アンモ
ニウム,硝酸アンモニウム,塩化アンモニウム,リン酸
アンモニウム,酢酸アンモニウム,アンモニア,アミン
類,ペプトン,肉エキス,酵母エキス,コーン・スチー
ブ・リカー,カゼイン加水分解物,各種発酵菌体および
その消化物が使用できる。栄養要求性を示す変異株を使
用する場合には、それらの要求物質を標品もしくはそれ
を含有する天然物として添加する。発酵は、通気攪拌,
振盪培養などの好気的条件下で行う。培養温度は24〜
40℃、培養日数は2〜7日間である。培養液のpHは
5〜9の範囲に維持する。pHの調節には尿素,炭酸カ
ルシウム,アンモニアガス,アンモニア水などを用い
る。 これらの発酵倍地及び発酵条件は従来公知のアミ
ノ酸発酵に採用されているものであるが、本方法では発
酵条件として更に塩基性L−アミノ酸と酸性L−アミノ
酸を同時に発酵する条件をも採用しなければならない。
これについて以下詳述する。従来知られている塩基性L
−アミノ酸生産菌は、通常、酸性L−アミノ酸生産菌で
あるブレビバクテリウム属細菌、コリネバクテリウム属
細菌などのコリネ型細菌を各種の変異処理に付して得ら
れている。例えば、ブレビバクテリウム・ラクトファー
メンタムATCC 13869にニトロソグアニジンを
変異剤として変異処理をほどこし、AEC(S−2−ア
ミノエチル−L−システイン)の耐性を付けたリジン生
産菌ブレビバクテリウム・ラクトファーメンタムATC
C 21798がある。一方、コリネ型細菌に属する酸
性L−アミノ酸生産菌は、涌堂ビオチン要求性である
が、ビオチンが充分量存在する培地(10μg/l以
上)では菌体が増殖するのみで酸性L−アミノ酸の蓄積
は殆んど見られない。酸性L−アミノ酸を蓄積させるた
めには菌体の増殖を抑制することが必要で、そのために
は低ビオチン濃度の培地を使用するかビオチンが充分量
存在する培地の場合はポリオキシエチレンソルビタンモ
ノパルミテート(PESP)、ポリオキシエチレンソル
ビタンモノステアレート(PESS)、ポリオキシエチ
レンソルビタンモノラウレート(PESL)などの界面
活性剤又はペニシリン、セファロリジンなどのラクタム
系抗生物質を培養の初発又は徐上で培地に添加する必要
がある。因みにこのようなコリネ型細菌に属する酸性L
−アミノ酸生産菌から変異誘導された塩基性L−アミノ
酸生産菌はやはりビオチン要求性であるが、これを培養
して塩基性L−アミノ酸を発酵生産する場合は、元の酸
性L−アミノ酸生産菌を培養して酸性L−アミノ酸を発
酵生産する場合とは異なり、培地に充分量のビオチンが
存在していてもよく、ビオチンを低濃度に制限する必要
はない。本発明の方法に使用できるL−アミノ酸生産菌
の例を表1に示す。
【表1】 しかして、本発明者は、上のような塩基性L−アミノ酸
性産菌を元の酸性L−アミノ酸生産菌を使用して酸性L
−アミノ酸を発酵生産する培養条件下に培養したとこ
ろ、極めて予期せざることに、塩基性L−アミノ酸のみ
ならす酸性L−アミノ酸をも同時に蓄積することを見出
したのである。尤も、この場合塩基性L−アミノ酸の対
炭素源収率は低下し、酸性L−アミノ酸が低下分に相当
する量で蓄積する。かくして、塩基性L−アミノ酸生産
菌が上のようなビオチン栄養要求性細菌である場合、そ
の酸性L−アミノ酸産生条件は低ビオチン濃度の培地を
使用するかビオチンが充分量存在する培地の場合はPE
SPなどの界面活性剤又はペニシリンなどのラクタム系
抗生物質を培養の初発又は途上で培地に添加することで
ある。 低ビオチン濃度とは濃度0.5〜10μg/l
のビオチン濃度である。こうすることによって例えばL
ysと共にGluを生産することができる。培養の初発
又は途上で培地に添加するPESPなどの界面活性剤及
びペニシリンなどのラクタム系抗生物質の添加量は、界
面活性剤については0.01〜0.5g/dl程度、ペ
ニシリンについては0.1〜10U/ml程度である。
こうすることによって、例えばLysと共にGluを生
産することができる。次に、本発明に係わる第2の方
法、すなわち、塩基性L−アミノ酸性産菌と酸性L−ア
ミノ酸生産菌を併用して、混合培養する塩基性L−アミ
ノ酸と酸性L−アミノ酸の同時発酵法について説明す
る。塩基性L−アミノ酸生産菌及び酸性L−アミノ酸生
産菌がブレビバクテリウム属細菌、コリネバクテリウム
属細菌などのコリネ型細菌、枯草菌、などのバチルス属
細菌、大腸菌などのエシエリヒア属細菌等に属すること
は周知であり、これらのアミノ酸生産菌は広く使用され
る。又、発酵培地及び発酵条件は、第1の方法に関して
前記した従来公知のアミノ酸発酵に採用されているもの
でよい。第2の方法における塩基性L−アミノ酸と酸性
L−アミノ酸の同時発酵条件は塩基性L−アミノ酸生産
菌を使用して塩基性L−アミノ酸を発酵蓄積させる条件
と酸性L−アミノ酸生産菌を使用して酸性L−アミノ酸
を発酵蓄積させる条件とを単に相加的に併用するだけで
よい。しかして、2種の発酵条件はいずれも前記した従
来公知のアミノ酸発酵条件として一括されるものであっ
て、両者間に実質的な相違はない。相違のあるのは、例
えば、混合培養する2種の細菌の一方のみが栄養要求性
で他方が栄養要求性のない場合であるが、この場合栄養
要求性のある細菌の培養条件として培地に要求栄養物質
を添加することが必要なのに対して栄養要求性のない細
菌の培養条件として培地に要求栄養物質を特に加える必
要がない。栄養要求性細菌と非栄養要求性細菌の混合培
養の場合、両者の発酵条件の相加的併用とは培地に該栄
養物質を添加することである。非栄養要求性細菌と栄養
要求性細菌を混合培養して一方の細菌に塩基性L−アミ
ノ酸を産生せしめ、他方の細菌に酸性L−アミノ酸を産
生せしめる場合、当該要求栄養物質を培地に添加しても
非栄養要求性細菌のアミノ酸産生には何らの悪影響も及
ぼさないのである。前記のような同時発酵の条件を採用
することにより、本発明の方法(第1及び第2)によれ
ば、塩基性L−アミノ酸と酸性L−アミノ酸を同時に各
々商業的蓄積量、すなわち、約500mg/dl以上の
蓄積量で培地中に蓄積させることができる。発酵終了液
から生成蓄積したアミノ酸を分離取得するには常法でよ
く、例えばイオン交換樹脂法(例えば、発酵終了液から
先ず陽イオン交換樹脂により塩基性アミノ酸を吸着分離
し、ついで陰イオン交換樹脂により酸性アミノ酸を吸着
分離する。)によることができる。塩基性L−アミノ酸
と酸性L−アミノ酸の混合物の用途に対してはもちろん
両種のアミノ酸を相互に分離することは不要である。前
記のように本発明の塩基性L−アミノ酸と酸性L−アミ
ノ酸の同時発酵法は種々のメリットを有するが、以下こ
れらについて説明する。培地中のイオン量の低減に関し
て云えば、例えば、Lys発酵の場合、従来のLys単
独発酵法では生成するLysを中和するために酸性イオ
ンが0.2〜0.4M必要であったが、本発明の方法を
用いてLys及びGluの同時発酵を行うことにより
0.1〜.0.2Mと必要イオン量が半減できる。発酵
生産性の向上(アミノ酸生成速度の向上)に関し云え
ば、例えば、従来のLys単独発酵の場合、菌体・時間
当りのLys生成速度は0.03〜0.04hr−1
あるが、本発明の方法を用いてLys及びGluの同時
発酵を行うことによりLys及びGluの合計生成速度
は0.06〜0.08hr−1と約2倍に向上する。培
地成分の節減省略に関して云えば、例えば、従来のLy
s発酵の場合、培地成分として硫酸アンモニウム及びア
ンモニアが2〜6g/dl必要なのに対し、本発明の方
法を用いてLys及びGluの同時発酵を行うことによ
り硫酸アンモニウムは必要なくアンモニアも1g/dl
以下でよい。発酵液処理(アミノ酸の単離操作)での簡
略化に関して云えば、例えば、従来のLys発酵の場
合、処理工程で脱塩工程が必要となるが、本発明の方法
によりLys及びGluの同時発酵を行うことにより処
理工程での脱塩工程が不要になる。廃液の環境保全負荷
の低減に関して云えば、例えば、従来のLys発酵の場
合、その製造工程より排出される廃液には活性汚泥処理
やその後に続く脱窒処理により除去すべき窒素化合物が
含有されているが、本発明の方法によりLys及びGl
uの同時発酵を行えば、この廃液中の窒素化合物をほと
んどゼロにすることができる。
【実施例】以下、本発明を実施例により更に詳細に説明
する。 実施例1(Lys生産菌の培養によるLysとGluの
同時生産) 粗糖を糖として140mg/ml、KHPO1mg
/ml、MgSO・7HO0.4mg/ml、Fe
SO・7HO 10mg/ml、MnSO・4H
O 20μg/ml、尿素5mg/ml、大豆蛋白酸
加水分解物「味液」(登録商標)5μl/ml、ビオチ
ン50μg/l及びサイアミン60μg/lを含有する
水溶液培地を調製し、その20mlづつを500ml容
の振盪フラスコに入れ115℃で10分間加熱滅菌し
た。この培地にLys生産菌ブレビバクテリウム・ラク
トファーメンタム(ATCC 21798)を接種し往
復振盪機により31.5℃で培養を行った。培養中、培
養液をpH6.5ないし8.0に保つように400mg
/mlの濃度の尿素水溶液を少量づつ添加した。培養液
の26倍希釈液の562μmおける吸光度が0.30に
到達した時にPESP(ポリオキシエチレンソルビタン
モノパルミテート)を4mg/ml添加し、30時間で
発酵を終了し、発酵液中に蓄積したL−リジン及びL−
グルタミン酸を液体クロマトグラフィーにより定量した
ところ、L−リジン30mg/ml及びL−グルタミン
酸22mg/mlが蓄積していた。同様の培地に硫酸ア
ンモニウム25mg/ml加えた培地と同じ菌株を用い
て、培養途中でPESPを添加しないこと以外は同様の
方法によりリジン単独発酵を行ったところ、55時間で
発酵が終了し、発酵液中にL−リジンが53mg/ml
蓄積していた。L−リジンとL−グルタミン酸の同時発
酵の場合の培地中のイオン量は0.13Mと後者のL−
リジン単独発酵の場合の0.28Mの半量であった。ア
ミノ酸生成速度は、L−リジンとL−グルタミン酸の同
時発酵の場合、菌体・時間当りのL−リジンとL−グル
タミン酸の合計生成速度は0.066hr−1、L−リ
ジン単独発酵ではL−リジン生成速度が0.035hr
−1であった。培地成分の比較では、後者のL−リジン
単独発酵の場合には初発培地の硫酸アンモニウム及び初
発と追加添加の尿素由来のアンモニアを併せて35mg
/ml必要なのに対して、L−リジンとL−グルタミン
酸の同時発酵の場合には硫酸アンモニウムはゼロ、尿素
由来のアンモニアは初発と追加添加併せても6mg/m
lであった。さらに、得られた発酵液についてイオン交
換樹脂を用いた常法により処理を行った。イオン交換樹
脂にL−リジンやL−グルタミン酸を吸着させた残りの
樹脂貫流液中の塩濃度は、L−リジン単独発酵の場合に
は5%以上と極めて高く、該貫流液を有効利用をするた
めに脱塩が必要であった。一方L−リジンとL−グルタ
ミン酸の同時発酵の場合には2%以下と塩濃度が薄く脱
塩は不要であった。また、樹脂洗浄液等の廃液を活性汚
泥法により処理したところ、L−リジン単独発酵の廃液
では含有されたBODは除去し得たが窒素化合物が多量
残存し、さらに別途脱窒処理の必要性が認められたが、
L一リジンとL−グルタミン酸の同時発酵の廃液では活
性汚泥処理によりBODを除去した処理水中には多量の
窒素化合物は特に認められなかった。 実施例2(Lys生産菌の培養によるLysとGlu同
時生産) グルコース 15%、リン酸第一カリ 0.1%、硫酸
マグネシウム・7水塩0.04%、硫酸アンモニウム2
%、ビチオン 100γ/l、ビタミンB塩酸塩 2
00γ/l、鉄イオン及びマンガンイオン各2ppm、
及び「味液」1%を含有するpH7.0の水溶液培地を
小型ガラス製ジヤー・フアーメンターに300ml分注
し、殺菌後、あらかじめ30℃で24時間ブイヨンスラ
ント上で生育させたLys生産菌ブレビバクテリウム・
フラバム(ATCC 21127)を接種した。つい
で、これを31℃で培養を開始し、約10時間経過した
後、ペニシリンを6U/mlの濃度になるように添加し
培養を続け、18時間培養したところ、発酵終了時には
培地中に3.75g/dlのL−リジンと2.05g/
dlのL−グルタミン酸が生成蓄積していた。この発酵
終了液1lから、遠心分離によって菌体を除去し、上清
液からイオン交換樹脂をもちいる常法にしたがってL−
リジンおよびL−グルタミン酸を分離し、精製して、L
−リジン塩酸塩の結晶28.1gとL−グルタミン酸ソ
ーダの結晶18.5gを得た。 実施例3(His生産菌の培養によるHisとGluの
同時生産) His生産菌ブレビバクテリウム・フラバム(ATCC
21406)を下記種培養培地に培種し、20時間3
1℃にて通気攪拌培養を行った。 種培養培地: グリコース 3g/dl、尿素 0.3g/dl、KH
PO 50.1g/dl、MgSO・7H
0.04g/dl、FeおよびMnイオン各2ppm、
ビオチン200μg/l、サイアミン塩酸塩300μg
/l、大豆タンパク塩酸加水分解液(総窒素7%)1m
l/dl、酵母エキス0.5g/dl及び肉エキス0.
5g/dlを含有するpH7.2の水溶液培地。一方、
1l容小型ガラス製ジヤーフアーメンターに下記組成の
主発酵培地を300ml分注し、殺菌した。これに上記
種培養液を15ml接種し、31℃にて通気毎分1/1
容の攪拌培養を開始した。 主発酵培地: グルコース 10g/dl、硫酸アンモニウム 0.5
g/dl、KHPO0.1g/dl、MgSO
7HO 0.04g/dl、FeおよびMnイオン各
2ppm、ビオチン100μg/l、サイアミン塩酸塩
200μg/l及び大豆タンパク塩酸加水分解液(総窒
素7%)2ml/dlを含有するpH7.2水溶液培
地。31℃で培養中pHが低下したときに、アンモニア
ガスを添加してpHを7.0〜7.5に維持した。培養
開始後10時間経過後ポリオキシエチレンソルビタンモ
ノパルミテートを0.4g/dlの濃度となるように添
加し、培養を続けた。18時間培養後、発酵終了液中に
はL−ヒスチジン0.8g/dlおよびL−グルタミン
酸1.2g/dlの蓄積が認められた。発酵終了液から
遠心分離により菌体を除去し、その上清液よりイオン交
換樹脂をもちいる常法にしたがってL−ヒスチジン結晶
1.9gおよびL−グルタミン酸結晶2.8gを得た。 実施例4(Glu生産菌とLys生産菌の混合培養によ
るGluとLysの同時生産) Glu生産菌コリネバクテリウム・グルタミクム(NR
RL B−12138)およびLys生産菌ブレビバク
テリウム・ラクトファーメンタム(ATCC2179
9)を各スラント上より1白金耳かきとり、下記組成の
種培養水溶液培地50mlにそれぞれ接種し、18時
間、31℃にて通気攪拌培養をおこなって、おのおのの
種培養液を調製した。 種培養培地組成: 一方、1l容小型ガラス製ジヤー・フアーメンターに下
記組成の主発酵水溶液培地を300ml分注し、常法に
より殺菌した。これらに上記の種培養液を同時にそれぞ
れ15ml宛接種し、31℃にて通気毎分1/1容の攪
拌培養を開始した。主発酵培地: 培養液中に酢酸と酢酸酸アンモニウムとの混合液(酢
酸:酵酸アンモニウムの混合液のモル比は1:0.2
5、混合液の酢酸濃度は60%)を培地のpHを7.2
〜8.0の間に保持するように連続的、あるいは間けつ
的に添加して、30℃で72時間培養をおこなった。結
果はL−グルタミン酸37g/l及びL−リジン54g
/lの蓄積が認められた。 実施例5(Asp生産菌とArg生産菌の混合培養によ
るAspとArgの同時生産) Asp生産菌コリネバクテリウム・グルタミクム(FE
RM BP−2178)及びArg産菌ブレビバクテリ
ウム・フラバム(ATCC 21493)を下記組成の
種培養水溶液培地にそれぞれ別々に接種し、18時間3
0℃にて通気攪拌培養を行った。 種培養培地組成: グリコース 3%、KHPO 0.1%、MgSO
・7HO 0.04%、Fe++ 2ppm、Mn
++、2ppm、「味液」3ml/dl、ビオチン 5
μg/l、ビタミンB・塩酸塩 300r/l、尿素
0.3%、ph7.2。一方、小型ガラス製ジャーフ
ァーメンターに下記組成よりなる主発酵水溶液倍地を3
00ml分注し雑菌した。これに上気各種培養液を同時
に各々15v/v%接種し、31℃にて1500r.
p.m、通気攪拌培養を開始した。 主発酵灰地組織: エチルアルコール 1.5%、硫酸アンモニウム 0.
5%、KHPO0.1%MgSO・7H
0.04%、Fe++2ppm、「味液」(登録商標)
2ml/dl、ビオチン 5μg/1、ビタミン B
・塩酸塩 300γ/l、pH7.2。培養中pHが低
下したときにアンモニアガスを添加してpHを7.0〜
7.5に維持した。エチルアルコールは、その消費をガ
スクロマトグラフで定量し、その濃度が0.01%前後
に減小したときに追添加した。48時間倍養後、倍養終
了液中はL−アスパラギン酸が1.30g/dlおよび
L−アルギニンが1.05g/dl生成していた。発酵
終了液よりイオン交換樹脂を用いる常法によりL−アス
パラギン酸の結晶が2.18g及びL−アルギニンの結
晶が1.95g得られた。 実施例6(Asp生産菌とHis生産菌の混合培養によ
るAspとHisの同時生産) シュークロース 13g/dl、尿素 0.5g/d
l、KHPO 0.1g/dl、MgSO・7H
O 0.04g/dl、FeおよびMnイオン各2p
pm、ビオチン 5μg/l、サイアミン塩酸塩 20
0μg/l及び大豆タンパク塩酸加水分解物(総窒素7
%)0.3ml/dlを含みpH7.2に調節した水溶
液培地を調製し、その20mlを500ml容の振とう
フラスコに分注した。殺菌後あらかじめブイヨンスラン
ト上で生育させたAsp生産菌コリネバクテリウム・グ
ルタミクム(FERM BP−2178)及びHis生
産菌ブレビバクテリウム・フラバム(ATCC 214
06)を同じフラスコに接種し、31℃にて72時間振
とう培養した。培養中、pHが6.5から8.0の間に
なるように40g/dlの濃度の尿素水溶液を少量づつ
添加した。培養終了液中には、L−アスパラギン酸が
0.95g/dl及びL−ヒスチジンが0.85g/d
l蓄積していた。培養終了液から遠心分離によって菌体
を除いて得た上澄液をイオン交換樹脂を用いる常法によ
り精製し、L−アスパラギン酸の結晶1.75gとL−
ヒスチジンの結晶1.6gを得た 実施例7(Glu生産菌とLys生産菌の混合培養によ
るGluとLysの同時生産) グルコース 50mg/ml、尿素 2mg/ml、K
PO 1mg/ml、MgsO・7H
0.4mg/ml、FeSO・7HO 10μg/
ml、MnSO・4HO 8μg/ml、大豆蛋白
酸加水分解物「味液」5μl/ml、サイアミン塩酸塩
10.0μg/dl及びビオチン0.25μg/dlを
含有する水溶液培地を調製しその20mlを500ml
容の振盪フラスコに入れ115℃で10分間加熱殺菌し
た。この培地にGlu生産菌ブレビバクテリウム・ラク
トファーメンタム(ATCC 13869)及びLys
生産菌ブレビバクテリウム・ラクトファーメンタム(A
TCC 21800)を接種し、振とうしつつ31.5
℃にて培養した。培養中、培養液をpH6.5ないし
8.0に保つように450mg/mlの濃度の尿素溶液
を少量ずつ添加し、30時間で培養を終了した。培養液
中に蓄積したL−グルタミン酸及びL−リジンを定量し
た。その結果、L−グルタミン酸が10.5mg/ml
及びL−リジンが15.3mg/ml蓄積していた。
【発明の効果】塩基性アミノ酸と酸性アミノ酸を同時に
商業的蓄積量で発酵生産することに係わる本発明により
得られるメリットは、培地中のイオン量を低減すること
が可能となり、延いては培養中の浸透圧の上昇を抑える
ことによる発酵生産性の向上(アミノ酵中成速度の向
上)、培地成分の節減省略、発酵液処理(アミノ酸の単
離操作)での簡略化、発酵液からアミノ酸を分離取得し
た後の廃液の環境保全負荷の低減等が可能となることで
ある。特に廃液の環境保全負荷の低減は、環境保全が強
く叫ばれている現今、看過し得ざるメリットである。総
じて、本発明によればアミノ酸生産における大巾なコス
トダウンの達成が可能となり、安価にアミノ酸を供給で
きる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C12R 1:15) C12R 1:15) (C12P 13/14 (C12P 13/14 C12R 1:13) C12R 1:13) (C12P 13/14 (C12P 13/14 C12R 1:15) C12R 1:15) (72)発明者 石井 俊昌 三重県四日市市大字日永1730 味の素株 式会社 東海工場内 (72)発明者 吉原 康彦 佐賀県佐賀郡諸富町大字諸富津450 味 の素株式会社 九州工場内 (56)参考文献 特開 昭53−86088(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C12P 13/04 - 13/24 BIOSIS(DIALOG) WPI(DIALOG)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 L―グルタミン酸および塩基性L―アミ
    ノ酸の製造法であって、コリネ型L―グルタミン酸生産
    菌から変異誘導された塩基性L―アミノ酸を生産する能
    力を有する細菌を、またはコリネ型L―グルタミン酸生
    産菌とコリネ型L―グルタミン酸生産菌から変異誘導さ
    れた塩基性L―アミノ酸生産菌とを、コリネ型L―グル
    タミン酸生産菌がL―グルタミン酸を培地中に生産する
    のに適した培地および培養条件にて培地中に培養する培
    養工程、前記培養工程により培地中に塩基性L―アミノ
    酸とL―グルタミン酸が生成され、培地中に生成された
    塩基性L―アミノ酸とL―グルタミン酸は培地中におい
    て相互に対イオンとなって存在し、および培地中に生成
    されたL―グルタミン酸と塩基性L―アミノ酸を採取す
    る採取工程、 を含むことを特徴とする製造法。
  2. 【請求項2】 前記塩基性L―アミノ酸がL―リジンで
    ある請求項1に記載の製造法。
  3. 【請求項3】 前記採取工程が、塩基性アミノ酸とL―
    グルタミン酸とが相互に対イオンとなって存在している
    溶液について、イオン交換樹脂法により行われる請求項
    1または2に記載の製造法。
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