JPH0590600A - 強誘電体デバイス - Google Patents

強誘電体デバイス

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JPH0590600A
JPH0590600A JP3205875A JP20587591A JPH0590600A JP H0590600 A JPH0590600 A JP H0590600A JP 3205875 A JP3205875 A JP 3205875A JP 20587591 A JP20587591 A JP 20587591A JP H0590600 A JPH0590600 A JP H0590600A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 強誘電体層の導電体との界面での膜疲労を減
少させる。 【構成】 強誘電体デバイスを構成する導電体と強誘電
体層2間に膜疲労を緩和する中間層3を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、強誘電体メモリー等、
強誘電体の分極反転を利用する強誘電体デバイス、特に
コンデンサーに関し、界面での歪み応力を緩和してその
特性を向上せんとするものである。
【0002】
【従来の技術】従来、この種のコンデンサーにおいて、
第1図に示す如く、強誘電体2の結晶配向性を良くする
ために、導電体電極2としてF.C.C.金属(主にP
t)が使われている例が多い。例えばPZTと電極の間
にTaを形成するという提案があるが、Ta
(εr≒25)では誘電率がまだ小さく、反転電圧が
高くなってしまう上に、PZTとは結晶性が全く異なる
ために結晶性の悪化に結がる欠点があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来技術にお
いて分極反転による膜疲労は、主に膜の配向性が原因で
あると考えられてきた。最近配向性を良くしても膜疲労
の解決にはならないという発表もある。ペロブスカイト
型の強誘電体(PZT等)は変位分極を起こすため、P
t等、変位分極を起こさないものとの間の界面で歪みが
生じる。この歪みが原因となりその界面において格子破
壊等が発生して膜疲労に結がると考えられる。本発明
は、上記の如き従来のコンデンサーに生じる界面での歪
みを緩和し膜疲労を減少させるというものである。
【0004】本発明は、上記従来の問題点を解決すべ
く、この種強誘電体デバイスにおいて、その界面の歪み
を緩和し膜疲労を減少させることを目的とするものであ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、変位分極による自発分極を持つ強誘電体
を一対の導電体ではさむコンデンサーにおいて、強誘電
体と各導電体間に応力緩和を目的とする中間層として、
強誘電体層と同じ、又は類似するペロブスカイト構造を
有し、かつ電界によって同じ方向に変位分極を生じ、さ
らに弾性の弱く、かつ又、常温等の動作温度において残
留分極が0又はそれに近い値をとるものを介在させるこ
とを特徴とする強誘電体デバイスを提供せんとするもの
である。
【0006】上記の如き構成で導電体と強誘電間に歪み
の緩和層を形成する中間層の材質として好ましい条件
は、電界により変位分極を発生し、常誘電体、反強誘電
体のように変位による自発分極が0又はそれに近く、か
つ弾性が弱くて強誘電体と分子構造が類似して、さらに
誘電率が高いものが好ましい。
【0007】中間層は、例えば、強誘電体にPZT(P
bZrTi1−x)を用いたときに、上記の条件
にあてはまるものとしては、SrTiO(常誘電性)
や反強誘電体であるPbZrOのようにペロブスカイ
ト構造やそれに類似の構造を有するもので、常誘電体、
反強誘電体のような残留分極が0かそれに近いもの(動
作温度において)が挙げられる。
【0008】
【作用】上記の如く、本発明の強誘電体デバイスの中間
層としてSrTiOを用いると、SrTiOは比誘
電率が200程度のものであるために、シリコン酸化膜
の約50倍シリコン窒化膜の約30倍の膜厚であっても
同程度のVを得ることができるものであり、又このた
めに微細化による面積の低減にも有利になる。
【0009】したがって、本発明は、分極反転にともな
う膜疲労を減少させることにより、例えばそれを利用す
るメモリー素子の書き換え可能回数が増加する一方、
又、外部電界が0のとき、界面での応力が緩和されるた
めデータ保持時間が長くなる。
【0010】
【実施例】以下、本発明にかかる強誘電体デバイスの実
施例を図面を参照して説明する。図2乃至図5におい
て、4は半導体基板、7は不純物注入層、5は絶縁膜、
2は半導体基板4上に設けた強誘電体、3は該強誘電体
層2の上部及び下部に設けた一対の応力緩和のSrTi
よりなる中間層にして、1は該中間層3のさらに外
側に設けた一対の導電体電極である。6は配線層、8は
ゲート電極、9はゲート酸化膜である。
【0011】図2は、単独のコンデンサーを示し、導電
体電極1、中間層3、強誘電体基板2、中間層3、導電
体電極1を順次積み重ねた構造を持つものである。
【0012】上記の如き構造のコンデンサーで、導電体
電極1と強誘電体基板2との間に介在させる中間層3は
界面における応力の緩和を目的とするもので、この中間
層に用いる物質の条件としては、強誘電体と同じ、又は
類似するペロブスカイト構造をとり、又、電界によって
強誘電体と同じ方向に変位分極を生じ、かつ弾性の弱い
もので、しかも動作温度において残留極が0又はそれに
近い値をとるものが好ましい。本発明に用いる中間層と
しては、例えば、強誘電体にPZT(PbZrTi
1−x)を用いたときに上記の如き条件にあてはま
るものとしては、SrTiO(常誘電性)や反強誘電
体であるPbZrOのようにペロブスカイト構造やそ
れに類似の構造を有するもので、常誘電体,反強誘電体
のような残留分極が動作温度において0かそれに近いも
のが挙げられる。
【0013】上記の如き構造のコンデンサーとしての強
誘電体デバイスで、分極による導電体、強誘電体、中間
層の変位をそれぞれ、X,X,Xとすると、それ
による歪みとしてそれぞれの界面で、 導電体−中間層 |X−X|≒X……(i) 中間層−強誘電体 |X−X|……………(ii) に相当する歪みが生じる。(ii)よりXがXに近
い程、強誘電体にかかる歪みが緩和されることがわか
る。逆に、(i)はXが大きい程歪みが大きくなる
が、(i)では直接分極反転に関与しない界面である。
このような強誘電体コンデンサーの構造では分極を反転
させると分極を反転させない時よりだんぜん大きくなる
事を考えると、Xは少々大きくなっても(i),(i
i)の界面では膜疲労に大きな影響はないものと考えら
れる。
【0014】外部電界を0にしたときに変位による分極
が0でないということは中間層も分極反転することにな
り、中間層と導電体間の界面に、中間層を形成しない時
と同様な歪みが発生するために効果がなくなるので、本
発明の如く中間層に動作温度において残留分極が0又は
それに近い値のものを用いることによって上記の問題は
なくなる。
【0015】さらに、外部電界0においてX=0とす
ると、(i),(ii)において(ii)の界面にのみ
に相当する歪みが残る。この歪みは応力によるもの
であるので中間層を形成する膜の弾性に依存している。
PtのようなF.C.C.構造の金属に弾性が強いので強
誘電体の分極変位に対する応力が強くなり分極の保持特
性が悪くなるので、本発明の如く中間層として弾性の弱
いものを形成することによりその応力が小さくなり分極
の保持特性が改善されることになる。
【0016】又、さらに、中間層に強誘電体の構造と全
く異なる構造のものを用いた場合には、面配位や格子間
距離に不整合が生じ、強誘電体の結晶性、界面状態等が
悪化し、膜疲労の大きな原因になると考えられるが、本
発明の如く緩和層に強誘電体と同じ又は類似した構造を
選択することにより上記の問題は改善できると考えられ
る。
【0017】上記の如き構造をもつ、すなわち、図2に
示す構造の強誘電体コンデンサーは図3に示す如き回路
構成のコンデンサーを直列に配置したものと等価にな
る。C,Cはそれぞれ緩和層と強誘電体の容量であ
る。AB間に電圧VをかけたときC,Cにかかる
電圧を夫々V,Vとし、蓄積電荷量をQとすると、 V=V−2V=V−2Q/C=V−2Qd/εε … (iii) ε:真空の誘電率 ε:中間層の比誘電率 d:中間層の電極間距離(膜厚) A:中間層の(電極)面積 となり、εが大きくなる程Vは大きくなることがわ
かる。強誘電体が分極反転するためには、ある程度のV
が必要となり、又、Vが大きい程分極反転速度が速
くなるというメリットもある。従来技術におけるTa
(εr≒25)もまだ誘電率が十分大きいとは言え
ず、SrTiO(εr≒200)の様に高誘電率な特
質と比較すると約8分の1の膜厚にしなければ同程度の
を得ることができない。又、微細化による面積の低
減にも有利である。このことより、本発明に用いる中間
層の材料としては誘電率の大きい物質が好ましい。
【0018】図4は実際に半導体基板4の上に図2と同
様の構造をもつ積層したコンデンサーを設けたものの断
面例である。又、図5は中間層を用いて半導体基板4の
上にトランジスタと同じ図2と同様の構造をもつコンデ
ンサーを作成したメモリー素子の一例である。
【0019】
【発明の効果】上記実施例に詳記した如く、本発明は、
変位分極による自発分極を持つ強誘電体の上下にSrT
iOよりなる中間層を積層し、さらにその上に導電体
を積層する構造にして、強誘電体と導電体間に応力緩和
を目的とする中間層を介在させた構造を持つ強誘電体デ
バイスを創作したものであり、分極反転にともなう膜疲
労を減少させることができることにより、例えばそれを
利用するメモリー素子の書き換え可能回数が増加でき、
又、外部電界が0のときの界面での応力が緩和されるた
めデータ保持時間が長くなるような利点を有するもので
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 従来用いられている強誘電体デバイスの構造
の一例を示す説明図である。
【図2】 本発明にかかる強誘電体デバイスの一実施例
としてコンデンサーを示す説明図である。
【図3】 図2に示す強誘電体デバイスの等価回路図で
ある。
【図4】 本発明にかかる強誘電体コンデンサーを半導
体基板上に設けた今一つの実施例を示す説明図である。
【図5】 本発明にかかる強誘電体コンデンサーをトラ
ンジスタと共に半導体基板上に設けた他の実施例を示す
説明図である。
【符号の説明】
1 導電体電極 2 強誘電体 3 中間層 4 半導体基板 5 絶縁膜 6 配線層 7 不純物注入層 8 ゲート電極 9 ゲート酸化膜

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 変位分極による自発分極を持つ強誘電体
    又は強誘電体薄膜を、一対の導電体基板又は導電体薄膜
    の間に介在させた構造の強誘電体デバイスにおいて、前
    記強誘電体と導電体の間に、強誘電体と同じ方向に変位
    分極を生じて常温で残留分極が大略0になるペロブスカ
    イト構造を持つ界面における応力緩和用の中間層を夫々
    介在させてなることを特徴とする強誘電体デバイス。
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