JPH113976A - 誘電体素子、強誘電体メモリおよびその動作方法 - Google Patents

誘電体素子、強誘電体メモリおよびその動作方法

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JPH113976A
JPH113976A JP9153389A JP15338997A JPH113976A JP H113976 A JPH113976 A JP H113976A JP 9153389 A JP9153389 A JP 9153389A JP 15338997 A JP15338997 A JP 15338997A JP H113976 A JPH113976 A JP H113976A
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JP
Japan
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electrode
ferroelectric
thin film
ferroelectric memory
electrode layer
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Application number
JP9153389A
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English (en)
Inventor
Satoshi Inoue
聡 井上
Satoru Ogasawara
悟 小笠原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sanyo Electric Co Ltd
Original Assignee
Sanyo Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 良好な素子特性および高い信頼性を有し、低
電圧で動作可能な誘電体素子、強誘電体メモリおよびそ
の動作方法を提供することである。 【解決手段】 シリコン基板1の表面に所定間隔を隔て
てソース領域4およびドレイン領域5が形成されてい
る。ソース領域4とドレイン領域5との間のチャネル領
域6上にゲート酸化膜2およびゲート電極3が形成さ
れ、ゲート電極3上に層間絶縁膜7を介して下部電極9
が形成されている。下部電極9は配線層8を介してゲー
ト電極3に接続されている。下部電極9上に強誘電体薄
膜10および上部電極11が形成されている。上部電極
11は異なる面積を有する電極部11A,11Bに分割
されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ゲート部分に強誘
電体薄膜が用いられた強電体素子、強誘電体メモリおよ
びその動作方法に関する。
【0002】
【従来の技術】電界効果トランジスタ(FET)のゲー
ト部分に強誘電体薄膜からなるキャパシタが設けられた
メモリは、非破壊読み出しが可能な不揮発性メモリとし
て知られている。このような強誘電体メモリの構造とし
ては、MFS(金属・強誘電体・半導体)構造、MFI
S(金属・強誘電体・絶縁体・半導体)構造、MFMI
S(金属・強誘電体・金属・絶縁体・半導体)構造など
が提案されている。
【0003】MFS構造の強誘電体メモリでは、FET
のゲート絶縁膜として強誘電体薄膜が設けられているの
で、強誘電体薄膜が半導体基板と直接接触する。そのた
め、強誘電体薄膜と半導体基板との界面で構成原子の反
応や相互拡散が起こる。その結果、素子特性が劣化し、
信頼性が低下する。
【0004】MFIS構造の強誘電体メモリでは、半導
体基板と強誘電体薄膜との間に構成原子の相互拡散を防
止するための拡散バリア層(バッファ層)として絶縁膜
が設けられている。しかしながら、絶縁膜の拡散バリア
特性は十分ではなく、強誘電体薄膜と半導体基板との界
面における構成原子の反応や相互拡散の問題が十分に解
決されていない。
【0005】そこで、MFMIS構造の強誘電体メモリ
では、半導体基板に形成された通常のFETのゲート電
極上に強誘電体薄膜からなるキャパシタが形成されてい
る。
【0006】図12は従来のMFMIS構造の強誘電体
メモリの一例を示す模式的断面図である。
【0007】図12において、p型シリコン基板21の
表面に、所定間隔を隔ててn+ 層からなるソース領域2
2およびn+ 層からなるドレイン領域23が形成されて
いる。ソース領域22とドレイン領域23との間のシリ
コン基板21の領域がチャネル領域24となる。チャネ
ル領域24上には、ゲート酸化膜25、浮遊ゲート電極
26、強誘電体薄膜27および制御ゲート電極28が順
に形成されている。
【0008】ここで、図12の強誘電体メモリの動作原
理について説明する。制御ゲート電極28に強誘電体薄
膜27を分極反転させるために十分な正電圧を印加し、
再び制御ゲート電極28の電圧を0とする。それによ
り、強誘電体薄膜27の制御ゲート電極28との界面が
負に帯電し、浮遊ゲート電極26との界面が正に帯電す
る。
【0009】この場合、浮遊ゲート電極26の強誘電体
薄膜27との界面が負に帯電し、ゲート酸化膜25との
界面が正に帯電し、ソース領域22とドレイン領域23
との間のチャネル領域24に反転層が形成される。その
結果、制御ゲート電極28の電圧が0にもかかわらず、
FETはオン状態となる。
【0010】逆に、制御ゲート電極28に強誘電体薄膜
27を分極反転させるために十分な負電圧を印加し、再
び制御ゲート電極28の電圧を0にする。それにより、
強誘電体薄膜27の制御ゲート電極28との界面が正に
帯電し、浮遊ゲート電極26との界面が負に帯電する。
【0011】この場合、浮遊ゲート電極26の強誘電体
薄膜27との界面が正に帯電し、ゲート酸化膜25との
界面が負に帯電する。その結果、ソース領域22とドレ
イン領域23との間のチャネル領域24に反転層が形成
されず、FETはオフ状態となる。
【0012】このように、強誘電体薄膜27が十分に分
極反転していると、制御ゲート電極28に印加する電圧
を0にした後も、FETを選択的にオン状態またはオフ
状態にすることができる。そのため、ソース・ドレイン
間の電流を検出することにより強誘電体メモリに記憶さ
れるデータ“1”および“0”を判別することが可能と
なる。
【0013】図12の強誘電体メモリでは、強誘電体薄
膜27がPt(白金)等の反応性の低い材料からなる浮
遊ゲート電極26上に形成され、かつゲート酸化膜25
および浮遊ゲート電極26が拡散バリア層として働く。
したがって、MFS構造の強誘電体メモリやMFIS構
造の強誘電体メモリに比べて、強誘電体薄膜と半導体基
板との間での構成原子の反応や相互拡散が防止される。
【0014】図13は従来のMFMIS構造の強誘電体
メモリの他の例を示す模式的断面図である。図13の強
誘電体メモリは、特開平5−327062号公報に開示
されている。
【0015】図13において、n+ シリコン基板31の
表面に、所定間隔を隔ててp+ 層からなるソース領域3
2およびp+ 層からなるドレイン領域33が形成されて
いる。ソース領域32とドレイン領域33との間のシリ
コン基板31の領域上にゲート酸化膜34が形成され、
ゲート酸化膜34上に第1の下部電極35が形成されて
いる。
【0016】シリコン基板31上および第1の下部電極
35上には絶縁保護膜36が形成されている。第1の下
部電極35上、ソース領域32上およびドレイン領域3
3上の絶縁保護膜36にはそれぞれ窓が形成され、その
窓内に配線層37,41,42が形成されている。
【0017】さらに、第1の下部電極35に接続された
配線層37上に第2の下部電極38が形成されている。
第2の下部電極38上に強誘電体薄膜39が形成され、
強誘電体薄膜39上に上部電極40が形成されている。
また、ソース領域32およびドレイン領域33に接続さ
れる配線層41,42上にそれぞれオーミック電極4
3,44が形成されている。
【0018】図13の強誘電体メモリにおいては、強誘
電体薄膜39がPt等の反応性の低い材料からなる第2
の下部電極38上に形成され、かつ第1の下部電極35
と第2の下部電極38との間に絶縁保護膜36が設けら
れているので、強誘電体薄膜39とシリコン基板31と
の間での構成原子の反応や相互拡散がさらに防止されて
いる。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図13
の強誘電体メモリでは、強誘電体薄膜39からなるキャ
パシタとゲート酸化膜34からなるキャパシタとが直列
に接続されているため、上部電極40とFETのシリコ
ン基板31との間に印加された電圧が強誘電体薄膜39
からなるキャパシタとゲート酸化膜34からなるキャパ
シタとで分圧される。
【0020】この場合、強誘電体薄膜39の誘電率がゲ
ート酸化膜34の誘電率の100倍程度であるため、強
誘電体薄膜39の膜厚がゲート酸化膜34の膜厚の数倍
であってもなお、強誘電体薄膜39からなるキャパシタ
の容量値(キャパシタンス)はゲート酸化膜34からな
るキャパシタの容量値の十数倍となる。そのため、上部
電極40とシリコン基板31との間に印加された電圧の
ほとんどがゲート酸化膜34からなるキャパシタにかか
ることになる。
【0021】その結果、図13の強誘電体メモリでは、
書き込み動作時に、強誘電体薄膜を十分に反転分極させ
るために、MFS構造やMFIS構造の強誘電体メモリ
に比べて十数倍もの大きな電圧が必要となる。
【0022】また、強誘電体薄膜39の誘電率が大きい
ほど、ゲート酸化膜34にかかる電圧が大きくなる。そ
のため、強誘電体薄膜39の材料として誘電率の大きな
強誘電体材料を使用すると、ゲート酸化膜34が破壊さ
れるおそれがある。
【0023】本発明の目的は、良好な素子特性および高
い信頼性を有し、低電圧で動作可能な誘電体素子、強誘
電体メモリおよびその動作方法を提供することである。
【0024】
【課題を解決するための手段および発明の効果】
(1)第1の発明 第1の発明に係る誘電体素子は、誘電体膜に接触する電
極層が、異なる面積を有する複数の電極部に分割された
ものである。
【0025】本発明に係る誘電体素子においては、複数
の電極部のいずれかと複数の電極部の他のいずれかとの
間に所定の電圧を印加すると、誘電体膜に互いに逆向き
の分極が形成される。この場合、複数の電極部が異なる
面積を有するので、どちらかの向きの分極の量が多くな
り、電極層とは反対側の誘電体膜の界面が全体として正
または負に帯電される。これにより、電極層の反対側で
誘電体膜に接触する他の層の状態を制御することが可能
となる。
【0026】(2)第2の発明 第2の発明に係る誘電体素子は、一対の電極層間に挟ま
れた誘電体薄膜を有する誘電体素子において、一方の電
極層が、相互に電気的に絶縁されかつ異なる面積を有す
る複数の電極部に分割されたものである。
【0027】本発明に係る誘電体素子においては、誘電
体薄膜を挟む一対の電極層のうち一方の電極層が電気的
に絶縁された異なる面積の複数の電極部に分割されてい
る。それにより、他方の電極層に並列に接続された容量
値の異なる複数の誘電体キャパシタが構成される。
【0028】したがって、複数の電極部のいずれかと複
数の電極部の他のいずれかとの間に所定の電圧を印加す
ると、誘電体薄膜に互いに逆向きの分極が形成される。
複数の電極部が異なる面積を有するので、どちらかの向
きの分極の量が多くなり、他方の電極層に全体として正
または負の電荷が蓄積される。これにより、他方の電極
層に蓄積された電荷によりチャネルの形成の有無を制御
することが可能となる。
【0029】(3)第3の発明 第3の発明に係る強誘電体メモリは、半導体基板または
半導体層に所定間隔を隔てて形成された第1および第2
の不純物領域と、第1および第2の不純物領域間の領域
上に形成されたゲート絶縁膜と、ゲート絶縁膜上に形成
された下部電極層と、下部電極層上に形成された強誘電
体薄膜と、強誘電体薄膜上に形成された上部電極層とを
備え、上部電極層は、相互に電気的に絶縁されかつ異な
る面積を有する複数の電極部に分割されたものである。
【0030】本発明に係る強誘電体メモリにおいては、
強誘電体薄膜上に形成された上部電極層が電気的に絶縁
された異なる面積の複数の電極部に分割されている。そ
れにより、下部電極層に並列に接続された容量値の異な
る複数の強誘電体キャパシタが構成される。
【0031】したがって、複数の電極部のいずれかと複
数の電極部の他のいずれかとの間に所定の電圧を印加す
ると、強誘電体薄膜に上向きおよび下向きの自発分極が
形成される。複数の電極部が異なる面積を有するので、
上向きまたは下向きの自発分極の量が多くなり、下部電
極層に全体として正または負の電荷が蓄積される。これ
により、下部電極層に蓄積された電荷によりゲート絶縁
膜下の領域におけるチャネルの形成の有無を制御するこ
とができる。その後、複数の電極部への電圧の印加を解
除しても、強誘電体薄膜に生成された残留分極によりチ
ャネルの有無の状態を維持することができる。このよう
にして、データの書き込み動作が可能となる。
【0032】読み出し動作時には、第1の不純物領域と
第2の不純物領域との間に流れる電流を検出することに
よりデータを判別することができる。
【0033】この強誘電体メモリでは、複数の電極部の
面積比を調整することにより書き込み動作時に印加する
電圧を調整することが可能となる。また、書き込み動作
時に、ゲート絶縁膜に電圧が印加されないので、書き込
み動作時の印加電圧によるゲート絶縁膜の破壊のおそれ
がない。そのため、強誘電体薄膜の材料として誘電率の
高い材料を選択することも可能となる。
【0034】これらの結果、良好な素子特性および高い
信頼性が実現され、低電圧で動作可能となる。
【0035】(4)第4の発明 第4の発明に係る強誘電体メモリは、第3の発明に係る
強誘電体メモリの構成において、下部電極層が、ゲート
絶縁膜上に形成された第1の電極層と、第1の電極層上
に層間絶縁膜を介して形成され、層間絶縁膜に設けられ
た接続孔を通して第1の電極層に電気的に接続された第
2の電極層とを含むものである。
【0036】この場合、ゲート絶縁膜上に形成された第
1の電極層と強誘電体薄膜下に形成された第2の電極層
との間に層間絶縁膜が形成されているので、強誘電体薄
膜と半導体基板または半導体層との間での構成原子の反
応および相互拡散が十分に防止される。それにより、素
子特性がさらに良好となり、信頼性がさらに向上する。
【0037】(5)第5の発明 第5の発明に係る強誘電体メモリは、半導体基板または
半導体層に所定間隔を隔てて形成された第1および第2
の不純物領域と、第1および第2の不純物領域間の領域
上に形成されたゲート絶縁膜と、ゲート絶縁膜上に形成
された強誘電体薄膜と、強誘電体薄膜上に形成された電
極層とを備え、電極層は、相互に電気的に絶縁されかつ
異なる面積を有する複数の電極部に分割されたものであ
る。
【0038】本発明に係る強誘電体メモリにおいては、
強誘電体薄膜上に形成された電極層が電気的に絶縁され
た異なる面積の複数の電極部に分割されている。したが
って、複数の電極部のいずれかと複数の電極部の他のい
ずれかとの間に所定の電圧を印加すると、強誘電体薄膜
に上向きおよび下向きの自発分極が形成される。複数の
電極部が異なる面積を有するので、上向きまたは下向き
の自発分極の量が多くなり、電極層とは反対側の強誘電
体薄膜の界面が全体として正または負に帯電される。こ
れにより、ゲート絶縁膜下の領域におけるチャネルの形
成の有無を制御することができる。その後、複数の電極
部への電圧の印加を解除しても、強誘電体薄膜に生成さ
れた残留分極によりチャネルの有無の状態を維持するこ
とができる。このようにして、データの書き込み動作が
可能となる。
【0039】読み出し動作時には、第1の不純物領域と
第2の不純物領域との間に流れる電流を検出することに
より、データを判別することができる。
【0040】この強誘電体メモリでは、複数の電極部の
面積比を調整することにより書き込み動作時に印加する
電圧を調整することが可能となる。また、書き込み動作
時に、ゲート絶縁膜に電圧が印加されないので、書き込
み動作時の印加電圧によるゲート絶縁膜の破壊のおそれ
がない。そのため、強誘電体薄膜の材料として誘電率の
高い材料を選択することも可能となる。
【0041】これらの結果、良好な素子特性および高い
信頼性が実現され、低電圧で動作可能となる。
【0042】(6)第6の発明 第6の発明に係る強誘電体メモリは、半導体基板または
半導体層に所定間隔を隔てて形成された第1および第2
の不純物領域と、第1および第2の不純物領域間の領域
上に形成された強誘電体薄膜と、強誘電体薄膜上に形成
された電極層とを備え、電極層は、相互に電気的に絶縁
されかつ異なる面積を有する複数の電極部に分割された
ものである。
【0043】本発明に係る強誘電体メモリにおいては、
強誘電体薄膜上に形成された電極層が電気的に絶縁され
た異なる面積の複数の電極部に分割されている。したが
って、複数の電極部のいずれかと複数の電極部の他のい
ずれかとの間に所定の電圧を印加すると、強誘電体薄膜
に上向きおよび下向きの自発分極が形成される。複数の
電極部が異なる面積を有するので、上向きまたは下向き
の自発分極の量が多くなり、電極層とは反対側の強誘電
体薄膜の界面が全体として正または負に帯電される。こ
れにより、強誘電体薄膜下の領域におけるチャネルの形
成の有無を制御することができる。その後、複数の電極
部への電圧の印加を解除しても、強誘電体薄膜に生成さ
れた残留分極によりチャネルの有無の状態を維持するこ
とができる。このようにして、データの書き込み動作が
可能となる。
【0044】読み出し動作時には、第1の不純物領域と
第2の不純物領域との間に流れる電流を検出することに
よりデータを判別することができる。
【0045】この強誘電体メモリでは、複数の電極部の
面積比を調整することにより書き込み動作時に印加する
電圧を調整することが可能となる。
【0046】これらの結果、良好な素子特性および高い
信頼性が実現され、低電圧で動作可能となる。
【0047】(7)第7の発明 第7の発明に係る強誘電体メモリは、第3〜第6のいず
れかの発明に係る強誘電体メモリの構成において、半導
体基板または半導体層が第1導電型を有し、第1および
第2の不純物領域が第1導電型と逆の第2導電型を有す
るものである。
【0048】この場合、下部電極層に蓄積される正また
は負の電荷により第1の不純物領域と第2の不純物領域
との間に第2導電型のチャネルが形成される。
【0049】(8)第8の発明 第8の発明に係る強誘電体メモリは、第3〜第7のいず
れかの発明に係る強誘電体メモリの構成において、複数
の電極部のいずれかと複数の電極部の他のいずれかとの
間に所定の電圧を印加する電圧印加回路をさらに備えた
ものである。
【0050】この場合、電圧印加回路により複数の電極
部のいずれかと複数の電極部の他のいずれかとの間に所
定の電圧が印加されると、強誘電体薄膜に上向きおよび
下向きの自発分極が形成され、下部電極層に全体として
正または負の電荷が蓄積される。これにより、ゲート絶
縁膜下の半導体基板または半導体層におけるチャネルの
形成の有無を制御することができる。このようにして、
データの書き込み動作を行うことが可能となる。
【0051】(9)第9の発明 第9の発明に係る強誘電体メモリの動作方法は、チャネ
ル領域上にゲート絶縁膜、下部電極層、強誘電体薄膜お
よび上部電極層を順に備え、上部電極層が相互に電気的
に絶縁されかつ異なる面積を有する複数の電極部に分割
された強誘電体メモリの動作方法であって、複数の電極
部のいずれかと複数の電極部の他のいずれかとの間に所
定の電圧を印加するものである。
【0052】本発明に係る強誘電体メモリの動作方法に
おいては、複数の電極部のいずれかと複数の電極部の他
のいずれかとの間に所定の電圧が印加されると、強誘電
体薄膜に上向きおよび下向きの自発分極が形成され、下
部電極層に全体として正または負の電荷が蓄積される。
これにより、ゲート絶縁膜下の半導体基板または半導体
層におけるチャネルの形成の有無を制御することができ
る。このようにして、データの書き込み動作を行うこと
が可能となる。
【0053】(10)第10の発明 第10の発明に係る強誘電体メモリの動作方法は、チャ
ネル領域上にゲート絶縁膜、強誘電体薄膜および電極層
を順に備え、電極層が相互に電気的に絶縁されかつ異な
る面積を有する複数の電極部に分割された強誘電体メモ
リの動作方法であって、複数の電極部のいずれかと複数
の電極部の他のいずれかとの間に所定の電圧を印加する
ものである。
【0054】本発明に係る強誘電体メモリの動作方法に
おいては、複数の電極部のいずれかと複数の電極部の他
のいずれかとの間に所定の電圧が印加されると、強誘電
体薄膜に上向きおよび下向きの自発分極が形成され、電
極層とは反対側の強誘電体薄膜の界面が全体として正ま
たは負に帯電される。これにより、ゲート絶縁膜下の半
導体基板または半導体層におけるチャネルの形成の有無
を制御することができる。このようにして、データの書
き込み動作を行うことが可能となる。
【0055】(11)第11の発明 第11の発明に係る強誘電体メモリの動作方法は、チャ
ネル領域上に強誘電体薄膜および電極層を順に備え、電
極層が相互に電気的に絶縁されかつ異なる面積を有する
複数の電極部に分割された強誘電体メモリの動作方法で
あって、複数の電極部のいずれかと複数の電極部の他の
いずれかとの間に所定の電圧を印加するものである。
【0056】本発明に係る強誘電体メモリの動作方法に
おいては、複数の電極部のいずれかと複数の電極部の他
のいずれかとの間に所定の電圧が印加されると、強誘電
体薄膜に上向きおよび下向きの自発分極が形成され、電
極層とは反対側の強誘電体薄膜の界面が全体として正ま
たは負に帯電される。これにより、強誘電体薄膜下の半
導体基板または半導体層におけるチャネルの形成の有無
を制御することができる。このようにして、データの書
き込み動作を行うことが可能となる。
【0057】
【発明の実施の形態】図1は本発明の第1の実施例にお
ける強誘電体メモリの構造を示す模式的断面図である。
【0058】図1において、p型単結晶シリコン基板1
の表面に、所定間隔を隔ててn+ 層からなるソース領域
4およびn+ 層からなるドレイン領域5が形成されてい
る。ソース領域4とドレイン領域5との間のシリコン基
板1の領域がチャネル領域6となる。
【0059】チャネル領域6上にSiO2 からなるゲー
ト酸化膜2が形成されている。ゲート酸化膜2上には、
ポリシリコンからなるゲート電極3が形成されている。
シリコン基板1上およびゲート電極3上にはSiO2
からなる層間絶縁膜7が形成されている。
【0060】ゲート電極3上の層間絶縁膜7にはコンタ
クトホールが形成され、そのコンタクトホール内にポリ
シリコン等の導電性材料からなる配線層8が形成されて
いる。ゲート電極3に接続された配線層8上には、Pt
からなる下部電極9が形成されている。下部電極9上に
は、ペロブスカイト型結晶構造を有するPZT(チタン
酸ジルコン酸鉛)またはSrBiTaOからなる強誘電
体薄膜10が形成されている。
【0061】強誘電体薄膜10上には、Ptからなる上
部電極11が形成されている。上部電極11は、異なる
面積を有する2つの電極部11A,11Bに分割されて
いる。これらの電極部11A,11Bは互いに電気的に
絶縁されている。本実施例では、電極部11Bが電極部
11Aの4倍の面積を有するものとする。
【0062】ソース領域4上およびドレイン領域5上の
層間絶縁膜7にはそれぞれコンタクトホールが形成さ
れ、そのコンタクトホール内にポリシリコン等の導電性
材料からなるソース電極12およびドレイン電極13が
それぞれ形成されている。ソース電極12およびドレイ
ン電極13上にはそれぞれ配線層14,15が形成され
ている。
【0063】電極部11Aにはゲート電位VGAが印加さ
れ、電極部11Bにはゲート電位V GBが与えられる。ソ
ース電極12およびドレイン電極13にはそれぞれソー
ス電位VS (0V)およびドレイン電位VD がそれぞれ
与えられる。
【0064】本実施例では、ソース領域4およびドレイ
ン領域5がそれぞれ第1および第2の不純物領域に相当
し、ゲート酸化膜2がゲート絶縁膜に相当する。また、
ゲート電極3が第1の電極層に相当し、下部電極9が第
2の電極層に相当し、ゲート電極3、配線層8および下
部電極9が下部電極層を構成する。また、上部電極11
が上部電極層に相当する。
【0065】図2は図1の強誘電体メモリの等価回路図
である。図2に示すように、図1の強誘電体メモリは、
FET100のゲート電極3に異なる容量値を有する2
つの強誘電体キャパシタCA,CBが並列に接続された
構造を有する。
【0066】強誘電体キャパシタCAは、電極部11
A、強誘電体薄膜10の一部および下部電極9の一部か
らなり、強誘電体キャパシタCBは、電極部11B、強
誘電体薄膜10の残りの部分および下部電極9の残りの
部分からなる。本実施例では、強誘電体キャパシタCB
の容量値が強誘電体キャパシタCAに比べて大きくなっ
ている。
【0067】次に、図3および図4を参照しながら図1
の強誘電体メモリの書き込み動作を説明する。ここで
は、強誘電体メモリのFETのオン状態がデータ“0”
に対応し、FETのオフ状態がデータ“1”に対応する
ものと定義する。
【0068】図3はデータ“0”の書き込み動作を示す
模式図であり、図4はデータ“1”の書き込み動作を示
す模式図である。
【0069】データ“0”の書き込み時には、図3
(a)に示すように、電圧印加回路200により電極部
11Aに負の電位を与え、電極部11Bに正の電位を与
える。あるいは、電極部11Aを接地し、電極部11B
に正の電位を与えてもよい。それにより、電極部11A
下の強誘電体薄膜10の部分に上向きの自発分極が生
じ、電極部11B下の強誘電体薄膜10の部分に下向き
の自発分極が生じる。
【0070】この場合、電極部11A下の強誘電体薄膜
10の部分において下部電極9側の界面が負に帯電し、
電極部11B下の強誘電体薄膜10の部分において下部
電極9側の界面は正に帯電する。電極部11Bの面積が
電極部11Aの面積よりも大きいので、強誘電体薄膜1
0において下向きの自発分極が上向きの自発分極よりも
多くなり、下部電極9には全体として負の電荷が蓄積さ
れ、ゲート電極3には正の電荷が蓄積される。その結
果、ソース領域4とドレイン領域5との間のチャネル領
域6に反転層(チャネル)CHが形成され、FETがオ
ン状態となる。
【0071】その後、図3(b)に示すように、電極部
11A,11Bを電圧印加回路200から遮断する。こ
の場合、強誘電体薄膜10の残留分極によりチャネル領
域6には反転層CHが形成され、FETはオン状態を維
持する。
【0072】データ“1”の書き込み時には、図4
(a)に示すように、電圧印加回路200により電極部
11Bに負の電位を与え、電極部11Aに正の電位を与
える。あるいは、電極部11Bを接地し、電極部11A
に正の電位を与えてもよい。それにより、電極部11A
下の強誘電体薄膜10の部分に下向きの自発分極が生
じ、電極部11B下の強誘電体薄膜10の部分に上向き
の自発分極が生じる。
【0073】この場合、電極部11A下の強誘電体薄膜
10の部分において下部電極9側の界面が正に帯電し、
電極部11B下の強誘電体薄膜10の部分において下部
電極9側の界面は負に帯電する。電極部11Bの面積が
電極部11Aの面積よりも大きいので、強誘電体薄膜1
0において上向きの自発分極が下向きの自発分極よりも
多くなり、下部電極9には全体として正の電荷が蓄積さ
れ、ゲート電極3には負の電荷が蓄積される。その結
果、ソース領域4とドレイン領域5との間のチャネル領
域6に反転層CHは形成されず、FETがオフ状態とな
る。
【0074】その後、図4(b)に示すように、電極部
11A,11Bを電圧印加回路200から遮断する。こ
の場合、強誘電体薄膜10の残留分極によりチャネル領
域6には反転層CHが形成されず、FETはオフ状態を
維持する。
【0075】読み出し動作時には、ソース・ドレイン間
の電流を検出することにより強誘電体メモリに記憶され
るデータ“1”および“0”を判別することが可能とな
る。
【0076】本実施例の強誘電体メモリでは、書き込み
動作時に、電圧印加回路200により電極部11A,1
1B間に印加される電圧が電極部11A,11Bの面積
の逆比で図2の強誘電体キャパシタCA,CBに分配さ
れる。したがって、電極部11A,11Bの面積比を調
整することにより、従来のMFMIS構造の強誘電体メ
モリに比べて低い電圧で書き込みが可能となる。
【0077】また、書き込み動作時に、ゲート酸化膜2
には電圧が印加されない。したがって、書き込み動作時
の印加電圧によるゲート酸化膜2の破壊のおそれがな
い。それにより、強誘電体薄膜10の材料として誘電率
の高い強誘電体材料を用いることも可能となる。
【0078】さらに、反応性の低いPtからなる下部電
極9上に強誘電体薄膜10が形成され、かつ下部電極9
とゲート電極3との間に層間絶縁膜7が設けられている
ので、強誘電体薄膜10とシリコン基板1との間での反
応や不純物の相互拡散の問題が生じない。
【0079】図5、図6および図7は図1の強誘電体メ
モリの製造方法を示す工程断面図である。
【0080】まず、図5(a)に示すように、p型単結
晶シリコン基板1上に、熱酸化法により膜厚10nmの
SiO2 からなるゲート酸化膜2を形成し、ゲート酸化
膜2上にCVD法(化学的気相成長法)により膜厚20
0nmのポリシリコンからなるゲート電極3を形成す
る。
【0081】次に、図5(b)に示すように、イオンミ
リング等のドライプロセスを用いてシリコン基板1上の
ゲート形成領域を除く部分のゲート電極3およびゲート
酸化膜2を除去し、ゲート部を形成する。そして、ゲー
ト電極3をイオン注入用マスクとして用い、シリコン基
板1の表面にn型不純物(n型ドーパント)をイオン注
入し、熱処理を行う。それにより、シリコン基板1上の
ゲート酸化膜2およびゲート電極3に対し自己整合的に
n型不純物層(n+ 層)からなるソース領域4およびド
レイン領域5がそれぞれ形成される。ソース領域4とド
レイン領域5との間のシリコン基板1の領域はチャネル
領域6となる。
【0082】その後、図5(c)に示すように、ゲート
電極3上およびシリコン基板1上に、CVD法等により
膜厚2μm程度のSiO2 等からなる層間絶縁膜7を形
成する。
【0083】そして、図6(d)に示すように、ゲート
電極3上の層間絶縁膜7に、リソグラフィ技術によりコ
ンタクトホールを設け、そのコンタクトホール内にCV
D法によりポリシリコンからなる配線層8を形成する。
このようにして形成された層間絶縁膜7の表面には、下
地の形状を反映して凹凸が存在するため、層間絶縁膜7
の表面をCMP法(化学的機械的研磨法)等により平坦
化する。
【0084】次に、図6(e)に示すように、ポリシリ
コンの酸化防止およびゲート部への不純物の拡散防止の
ために層間絶縁膜7上にスパッタ法またはCVD法によ
り膜厚50nm〜100nmの拡散バリア層9aを形成
する。この拡散バリア層9aはTiNやTaSiN等の
積層膜からなる。この拡散バリア層9aは、次の工程で
形成される下部電極9の一部分となる。
【0085】次に、図6(f)に示すように、拡散バリ
ア層9a上に、スパッタ法により膜厚50nm〜100
nmのPtからなる下部電極9を形成する。さらに、下
部電極9上に、スパッタ法、CVD法またはゾルゲル法
により膜厚100nm〜300nmのPZTまたはSr
BiTaOからなる強誘電体薄膜10を形成する。その
後、強誘電体薄膜10上に、スパッタ法により膜厚50
nm〜100nmのPtからなる上部電極11を形成す
る。そして、強誘電体薄膜10を結晶化させて良好な強
誘電特性を実現するために、RTA法(短時間アニール
法)により400℃〜800℃の熱処理を行う。
【0086】次に、図7(g)に示すように、イオンミ
リング等のドライプロセスを用いてゲート部上の部分を
除いて上部電極11、強誘電体薄膜10、下部電極9お
よび拡散バリア層9aを除去し、キャパシタ部を形成す
るとともに、上部電極11を異なる面積の電極部11
A,11Bに2分割する。本実施例では、上記のよう
に、電極部11A,11Bの面積比を1:4とする。な
お、この際、同時に強誘電体薄膜10も分割してもよ
い。
【0087】その後、図7(h)に示すように、ソース
領域4およびドレイン領域5上の層間絶縁膜7にそれぞ
れコンタクトホールを設け、それらのコンタクトホール
内にポリシリコン等の導電性材料からなるソース電極1
2およびドレイン電極13をそれぞれ形成する。最後
に、ソース電極12およびドレイン電極13上にAlか
らなる配線層14,15をそれぞれ形成し、電極部11
A,11Bに配線層(図示せず)を形成する。このよう
にして、本実施例の強誘電体メモリが作製される。
【0088】ここで、実施例および比較例の強誘電体メ
モリの書き込み動作時に上部電極に印加する電圧(以
下、書き込み電圧と呼ぶ。)を計算した。実施例の強誘
電体メモリは、図1の構造を有し、電極部11A,11
Bの面積比は4:1である。一方、比較例の強誘電体メ
モリは、上部電極が2分割されていない点を除いて実施
例の強誘電体メモリと同様の構造を有する。
【0089】実施例および比較例において、ゲート酸化
膜2の膜厚を100nmとし、誘電率を4とした。ま
た、実施例および比較例において、強誘電体薄膜10の
材料をPZTとし、誘電率を1000とした。書き込み
電圧の計算結果を表1に示す。
【0090】
【表1】
【0091】表1に示すように、強誘電体薄膜10の膜
厚が10nmの場合、実施例の書き込み電圧は約3Vと
なり、比較例の約16Vに比べて大幅に低減される。ま
た、強誘電体薄膜10の膜厚が300nmの場合、実施
例の書き込み電圧は約9Vとなり、比較例の約24Vに
比べて大幅に低減される。
【0092】図8は本発明の第2の実施例における強誘
電体メモリの主要部の構造を示す模式的断面図である。
この強誘電体メモリもMFMIS構造を有する。
【0093】図8において、Ptからなるゲート電極1
6上にPZTまたはSrBiTaOからなる強誘電体薄
膜17およびPtからなる上部電極18が順に形成され
ている。上部電極18は、異なる面積を有する2つの電
極部18A,18Bに分割されている。これらの電極部
18A,18Bは互いに電気的に絶縁されている。
【0094】図8の強誘電体メモリの他の部分の構成
は、図1の強誘電体メモリと同様である。また、本実施
例の強誘電体メモリの書き込み動作は、図1の強誘電体
メモリと同様である。
【0095】本実施例では、ゲート電極16が下部電極
層に相当し、上部電極18が上部電極層に相当する。
【0096】本実施例の強誘電体メモリにおいても、電
極部18A,18Bの面積比を調整することにより、従
来のMFMIS構造の強誘電体メモリに比べて低い電圧
でデータの書き込みが可能となる。
【0097】また、書き込み動作時に、ゲート酸化膜2
に電圧が印加されないので、書き込み動作時の印加電圧
によるゲート酸化膜2の破壊のおそれがない。
【0098】上記第1および第2の実施例では、上部電
極11,18が2つに分割されているが、上部電極が3
つ以上に分割されていてもよい。図9は上部電極がn個
の電極部に分割された強誘電体メモリの等価回路図であ
る。
【0099】図9の強誘電体メモリでは、FET100
のゲート電極3に異なる容量値を有するn個の強誘電体
キャパシタC1〜Cnが並列に接続されている。ここ
で、nは2以上の整数である。これらの強誘電体キャパ
シタC1〜Cnには、それぞれゲート電位VG1〜VGn
与えられる。
【0100】この強誘電体メモリにおいては、電圧を印
加する強誘電体キャパシタおよび印加する電圧の極性を
選択することにより、FETのオン状態におけるソース
・ドレイン間に流れる電流の値を複数段階に設定するこ
とができる。それにより、多値のデータを記憶する強誘
電体メモリが実現される。
【0101】図10は本発明の第3の実施例における強
誘電体メモリの主要部の構造を示す模式的断面図であ
る。この強誘電体メモリはMFIS構造を有する。
【0102】SiO2 からなるゲート酸化膜2上にPZ
TまたSrBiTaOからなる強誘電体薄膜17および
Ptからなるゲート電極19が順に形成されている。ゲ
ート電極19は、異なる面積を有する2つの電極部19
A,19Bに分割されている。これらの電極部19A,
19Bは互いに電気的に絶縁されている。
【0103】図10の強誘電体メモリの他の部分の構成
は、図8の強誘電体メモリと同様である。また、本実施
例の強誘電体メモリの書き込み動作は、図1の強誘電体
メモリと同様である。本実施例では、ゲート電極19が
電極層に相当する。
【0104】本実施例の強誘電体メモリにおいても、電
極部19A,19Bの面積比を調整することにより、従
来のMFIS構造の強誘電体メモリに比べて低い電圧で
データの書き込みが可能となる。
【0105】また、書き込み動作時に、ゲート酸化膜2
に電圧が印加されないので、書き込み動作時の印加電圧
によるゲート酸化膜2の破壊のおそれがない。
【0106】図11は本発明の第4の実施例における強
誘電体メモリの主要部の構造を示す模式的断面図であ
る。この強誘電体メモリはMFS構造を有する。
【0107】図11の強誘電体メモリが図10の強誘電
体メモリと異なるのは、ゲート酸化膜2が設けられてい
ない点である。図11の強誘電体メモリの他の部分の構
成は、図10の強誘電体メモリと同様である。また、本
実施例の強誘電体メモリの書き込み動作は、図1の強誘
電体メモリと同様である。
【0108】本実施例の強誘電体メモリにおいても、電
極部19A,19Bの面積比を調整することにより、従
来のMFS構造の強誘電体メモリに比べて低い電圧でデ
ータの書き込みが可能となる。
【0109】上記第3および第4の実施例では、ゲート
電極19が2つに分割されているが、ゲート電極19が
3つ以上に分割されてもよい。
【0110】なお、強誘電体薄膜10,17として、以
下の各材料からなる層状強誘電体を用いてもよい。
【0111】(1)下記の一般式で示されるビスマス系
層状強誘電体を用いてもよい。 (Bi2 2 2+(An-1 n 3n+12- なお、AはSr、CaまたはBaであり、BはTi、T
a、Nb、WまたはVである。
【0112】n=1の場合: Bi2 WO6 Bi2 VO5.5 n=2の場合: Bi2 3 /SrTa2 6 (SrBi2 Ta2 9 ):SBT Bi2 3 /SrNb2 6 (SrBi2 Nb2 9 ) n=3の場合: Bi2 3 /SrTa2 6 /BaTiO3 Bi2 3 /SrTaO6 /SrTiO3 Bi2 3 /Bi2 Ti3 9 (Bi4 Ti3 12):BIT n=4の場合: Bi2 3 /Sr3 Ti4 12 (Sr3 Bi2 Ti4 15) Bi2 3 /Bi2 Ti3 9 /SrTiO3 (SrBi4 Ti4 15) (2)下記の一般式で示される強誘電体(等方的材料
系)を用いてもよい。
【0113】Pb(ZrX Ti1-X )O3 :PZT(P
bZr0.5 Ti0.5 )O3 (Pb1-Y LaY )(ZrX Ti1-X )O3 :PLZT (Sr1-X CaX )TiO3 (Sr1-X BaX )TiO3 :(Sr0.4 Ba0.6 )T
iO3 (Sr1-X-Y BaX Y )Ti1-Z Z 3 なお、MはLa、BiまたはSbであり、NはNb、
V、Ta、MoまたはWである。
【0114】強誘電体薄膜10,17の形成方法として
は、上記の強誘電体薄膜10,17の材料に応じて、分
子線エピタキシー法、レーザアブレーション法、レーザ
分子線エピタキシー法、スパッタリング法(RF型、D
C型またはイオンビーム型)、反応性蒸着法、MOCV
D法(有機金属化学的気相成長法)、ミスト堆積法、ゾ
ルゲル法等を用いることができる。
【0115】下部電極9、上部電極11,18およびゲ
ート電極16の材料としては、Ptに限らず、その他の
貴金属(Au、Ag、Pt、Ru、Rh、Pb、Os、
Ir等)、高融点金属(Co、W、Ti等)、高融点金
属化合物(TiN等)、導電性酸化物(RuO2 、Rh
2 、OsO2 、IrO2 、ReO2 、ReO3 、Mo
2 、WO2 、SrRuO3 、Pb2 Ru2 3-X 、B
2 Ru2 7-X 等)、あるいはこれらの各材料の合金
等を用いてもよい。
【0116】また、下部電極9、上部電極11,18お
よびゲート電極16は、上記各材料の多層構造であって
もよく、例えばTi層上にPt層が形成された2層構造
であってもよい。
【0117】また、ゲート電極3および配線層8の材料
は、ポリシリコンに限定されず、他の導電性材料を用い
てもよい。
【0118】さらに、上記実施例では、FETがシリコ
ン基板1に形成されているが、FETが他の半導体基板
または半導体層に形成されてもよい。
【0119】なお、上記実施例では、n型チャネルを有
する強誘電体メモリについて説明したが、各層の導電型
を逆にすることによりp型チャネルを有する強誘電体メ
モリも実現される。
【0120】また、上記実施例では、本発明を不揮発性
メモリとして動作する強誘電体メモリに適用した場合を
説明したが、本発明は、揮発性の動作を行う強誘電体メ
モリおよびその他の誘電体素子にも適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例における強誘電体メモリ
の構造を示す模式的断面図である。
【図2】図1の強誘電体メモリの等価回路図である。
【図3】図1の強誘電体メモリにおけるデータ“0”の
書き込み動作を示す模式図である。
【図4】図1の強誘電体メモリにおけるデータ“1”の
書き込み動作を示す模式図である。
【図5】図1の強誘電体メモリの製造方法を示す工程断
面図である。
【図6】図1の強誘電体メモリの製造方法を示す工程断
面図である。
【図7】図1の強誘電体メモリの製造方法を示す工程断
面図である。
【図8】本発明の第2の実施例における強誘電体メモリ
の主要部の構造を示す模式的断面図である。
【図9】n個の強誘電体キャパシタを有する強誘電体メ
モリの等価回路図である。
【図10】本発明の第3の実施例における強誘電体メモ
リの主要部の構造を示す模式的断面図である。
【図11】本発明の第4の実施例における強誘電体メモ
リの主要部の構造を示す模式的断面図である。
【図12】従来のMFMIS構造の強誘電体メモリの一
例を示す模式的断面図である。
【図13】従来のMFMIS構造の強誘電体メモリの他
の例を示す模式的断面図である。
【符号の説明】
1 シリコン基板 2 ゲート酸化膜 3,16,19 ゲート電極 4 ソース領域 5 ドレイン領域 6 チャネル領域 7 層間絶縁膜 8 配線層 9 下部電極 10,17 強誘電体薄膜 11,18 上部電極 11A,11B,18A,18B,19A,19B 電
極部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI H01L 29/788 29/792

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 誘電体膜に接触する電極層が、異なる面
    積を有する複数の電極部に分割されたことを特徴とする
    誘電体素子。
  2. 【請求項2】 一対の電極層間に挟まれた誘電体薄膜を
    有する誘電体素子において、一方の電極層が、相互に電
    気的に絶縁されかつ異なる面積を有する複数の電極部に
    分割されたことを特徴とする誘電体素子。
  3. 【請求項3】 半導体基板または半導体層に所定間隔を
    隔てて形成された第1および第2の不純物領域と、 前記第1および第2の不純物領域間の領域上に形成され
    たゲート絶縁膜と、 前記ゲート絶縁膜上に形成された下部電極層と、 前記下部電極層上に形成された強誘電体薄膜と、 前記強誘電体薄膜上に形成された上部電極層とを備え、 前記上部電極層は、相互に電気的に絶縁されかつ異なる
    面積を有する複数の電極部に分割されたことを特徴とす
    る強誘電体メモリ。
  4. 【請求項4】 前記下部電極層は、 前記ゲート絶縁膜上に形成された第1の電極層と、 前記第1の電極層上に層間絶縁膜を介して形成され、前
    記層間絶縁膜に設けられた接続孔を通して前記第1の電
    極層に電気的に接続された第2の電極層とを含むことを
    特徴とする請求項3記載の強誘電体メモリ。
  5. 【請求項5】 半導体基板または半導体層に所定間隔を
    隔てて形成された第1および第2の不純物領域と、 前記第1および第2の不純物領域間の領域上に形成され
    たゲート絶縁膜と、 前記ゲート絶縁膜上に形成された強誘電体薄膜と、 前記強誘電体薄膜上に形成された電極層とを備え、 前記電極層は、相互に電気的に絶縁されかつ異なる面積
    を有する複数の電極部に分割されたことを特徴とする強
    誘電体メモリ。
  6. 【請求項6】 半導体基板または半導体層に所定間隔を
    隔てて形成された第1および第2の不純物領域と、 前記第1および第2の不純物領域間の領域上に形成され
    た強誘電体薄膜と、 前記強誘電体薄膜上に形成された電極層とを備え、 前記電極層は、相互に電気的に絶縁されかつ異なる面積
    を有する複数の電極部に分割されたことを特徴とする強
    誘電体メモリ。
  7. 【請求項7】 前記半導体基板または前記半導体層は第
    1導電型を有し、前記第1および第2の不純物領域は前
    記第1導電型と逆の第2導電型を有することを特徴とす
    る請求項3〜6のいずれかに記載の強誘電体メモリ。
  8. 【請求項8】 前記複数の電極部のいずれかと前記複数
    の電極部の他のいずれかとの間に所定の電圧を印加する
    電圧印加回路をさらに備えたことを特徴とする請求項3
    〜7のいずれかに記載の強誘電体メモリ。
  9. 【請求項9】 チャネル領域上にゲート絶縁膜、下部電
    極層、強誘電体薄膜および上部電極層を順に備え、前記
    上部電極層が相互に電気的に絶縁されかつ異なる面積を
    有する複数の電極部に分割された強誘電体メモリの動作
    方法であって、前記複数の電極部のいずれかと前記複数
    の電極部の他のいずれかとの間に所定の電圧を印加する
    ことを特徴とする強誘電体メモリの動作方法。
  10. 【請求項10】 チャネル領域上にゲート絶縁膜、強誘
    電体薄膜および電極層を順に備え、前記電極層が相互に
    電気的に絶縁されかつ異なる面積を有する複数の電極部
    に分割された強誘電体メモリの動作方法であって、前記
    複数の電極部のいずれかと前記複数の電極部の他のいず
    れかとの間に所定の電圧を印加することを特徴とする強
    誘電体メモリの動作方法。
  11. 【請求項11】 チャネル領域上に強誘電体薄膜および
    電極層を順に備え、前記電極層が相互に電気的に絶縁さ
    れかつ異なる面積を有する複数の電極部に分割された強
    誘電体メモリの動作方法であって、前記複数の電極部の
    いずれかと前記複数の電極部の他のいずれかとの間に所
    定の電圧を印加することを特徴とする強誘電体メモリの
    動作方法。
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US6762065B2 (en) 2000-03-10 2004-07-13 Kabushiki Kaisha Toshiba Semiconductor device having ferroelectric capacitor and method for manufacturing the same
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CN111403485A (zh) * 2020-03-29 2020-07-10 华中科技大学 一种新型铁电晶体管及其制备方法

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