JPH058856A - 瓦の自動移載装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 コンパクトな装置で、しかも自動的にコンベ
ヤによって送られてくる瓦をパレット台車にに移載する
装置を得ること。 【構成】 プレス成形した粘土瓦を搬出する搬送コンベ
ヤ４の移送ラインと、粘土瓦を移送するパレット台車５
の走行ラインを略平行に配置すると共に、搬送コンベヤ
４の移送ラインとパレット台車５の走行ラインとの間に
両ラインと略直交する方向に走行する粘土瓦を吸着する
吸盤を備えたトロリーを設け、該トロリーにより搬送コ
ンベヤ４上の粘土瓦を、パレットリフタ８によってパレ
ット台車５から一枚宛取り出した空パレットに載置し、
粘土瓦１２を載置した実パレットを再び前記パレット台
車５に搭載するようにした。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、プレス成形した荒地
の粘土瓦を自動的に乾燥用のパレット台車に移載するた
めの瓦の自動移載装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、プレス成形した荒地の粘土瓦を乾
燥場に移送するために、搬送コンベヤからパレット台車
に瓦を移載する装置として、特開昭６３−２８３９０４
号公報記載のような装置が知られている。

【０００３】この公知の瓦の移載装置は、瓦の転送台
（搬送コンベヤ）と、この転送台の下方に設けたパレッ
ト移送用コンベヤベルトを十字状に交叉するように配置
し、該パレット移送用コンベヤベルトの前後にターンテ
ーブルを設けて、前ターンテーブルに空パレットを搭載
した台車を駐車し、後ターンテーブルにはパレットを搭
載していない台車を駐車しておき、転送台と前ターンテ
ーブル及び後ターンテーブルとの間に、夫々前記一方の
台車からパレットを取り出す作動体と、他方の台車にパ
レットを搭載する作動体とを設け、前ターンテーブル上
の台車から空パレットを順次取り出し、コンベヤベルト
で転送台を横切るように送りながら、該パレット上に粘
土瓦を移載し、瓦を載置した実パレットを後ターンテー
ブル上の台車に搭載するようになっている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】上記従来公知の移載装
置においては、瓦の搬送用コンベヤとパレットの移送用
コンベヤとが立体的に交差することとなり構造が複雑と
なるばかりでなく、前記瓦の搬送用コンベヤから乾燥用
パレット台車に瓦を積み替えて搬出させるという一単位
作業を行うために、空パレット搬入用台車と瓦を載置し
た実パレット搬出用台車の都合２台のパレット台車およ
びそのターンテーブル２基が必要であり、かつ、一方の
パレット台車から空パレットを取り出すための取り出し
用と、他方のパレット台車に実パレットを搭載するため
の搭載用に、夫々ほぼ同様な構成を有する二台の作動体
が必要になると共に、その設置のために広い設置スペー
スが必要となるという問題点があった。

【０００５】さらに、空パレット搬入および実パレット
搬出のために、ターンテーブルによるパレット台車の反
転作業が必要であり、かつ、空パレット搬入後および実
パレット搬出後は、それぞれパレット台車を新たな台車
と入れ替えしなければならないため、作業が間欠的とな
らざるを得ず連続作業が困難であるという問題点もあっ
た。

【０００６】この発明は、上記問題点を解決することを
課題とするものであって、空パレットの搬入と、瓦を搭
載した実パレットの搬出とを１台の同一台車によって行
い、また、パレット台車から空パレットの取り出しと、
該パレット台車に対する実パレットの積み込みとを、１
台の同一作業体（パレットリフタ）によって行うことが
でき、ターンテーブルを必要とせず連続作業を可能とし
た瓦の自動移載装置を提供しようとするものである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】この発明は上記課題解決
の手段を提供するものであって、プレス成形した粘土瓦
１２を搬出する搬送コンベヤ４の移送ラインと、粘土瓦
１２を輸送するパレット台車５の走行ラインを略平行に
配置すると共に、前記搬送コンベヤ４の移送ラインとパ
レット台車５の走行ラインとの間に両ラインと略直交す
る方向に走行する粘土瓦１２を吸着する吸盤２７を備え
たトロリー１０を設け、該トロリー１０とパレット台車
５との間にパレット台車５上の空パレット１５を一段宛
取り出し、該パレット１５に前記トロリー１０によって
粘土瓦１２を載置した実パレット１５を再び前記パレッ
ト台車５に搭載するパレットリフタ８を設けたことを特
徴とする瓦の自動移載装置を発明要旨とするものであ
る。

【０００８】更に望ましくは、搬送コンベヤ４の移送ラ
インに隣接して略平行に仮置台９を設けると共に、トロ
リー１０に搬送コンベヤ４の移送ラインと略平行な二列
の吸盤２７を設け、一旦仮置台９に載置した一列の粘土
瓦１２と、搬送コンベヤ４上の粘土瓦１２を二列同時に
吸着可能としたこと、また、トロリー１０の側方に位置
する搬送コンベヤ４の両側に開閉可能なサイドガイド１
６を設け、搬送コンベヤ４上の粘土瓦１２の幅方向の位
置決めを行うようにした瓦の自動移載装置を得ることが
できる。

【０００９】

【実施例】以下、この発明を図面に示した実施例により
説明する。まず図１〜３を参照して、本発明の瓦の自動
移載装置の概略を説明すると、土練機１により混練し押
し出された粘土をカッタ２により定量宛切断して成形プ
レス３に供給する。成形プレス３によって所定の形状に
成形された荒地の粘土瓦は、図示しない取り出し装置に
よって搬送コンベヤ４上に載置される。

【００１０】以上述べた成形工程は従来公知の装置と全
く同様であるが、この発明では、前記搬送コンベヤ４の
移送ラインと略平行にパレット台車５の走行通路（レー
ル）６が形成されており、この走行通路６の前記搬送コ
ンベヤ４側には伸縮するフォーク７を備えたパレットリ
フタ８が設けられている。

【００１１】また、前記搬送コンベヤ４のパレット台車
５の走行通路６側には、隣接して仮置台９が設けられて
いる。更に、前記搬送コンベヤ４と前記走行通路６との
間には、これらと略直交する方向に移動する天井クレー
ン状のトロリー１０が設けられている。

【００１２】前記搬送コンベヤ４は、図４に示すように
間欠駆動モータ１３によって、チェーン１４ａ，１４ｂ
を介して前後の駆動軸を同期させて駆動するようになっ
ている。

【００１３】そして、この搬送コンベヤ４には、図５に
示す如き瓦載置台１１が等間隔に設けられている。この
瓦載置台１１は瓦（荒地の粘土瓦）１２の形状に合わせ
て高さ及び形状の異なる３つ（ａ，ｂ，ｃ）の置台を１
組として形成されている。なお、この瓦載置台１１は前
記仮置台９及び後述するパレット１５上にも同じ物が設
けられている。

【００１４】前記搬送コンベヤ４の仮置台９に面する一
定区間には、該搬送コンベヤ４を挟んでその両側にサイ
ドガイド１６が設けられている。

【００１５】このサイドガイド１６は、図６乃至図８に
詳細に示すように、駆動モータ１７によって回転される
軸１８の両端部に設けたネジ部に螺合したナット１９に
固定されている。そして、このネジ部のネジの向きは左
右が逆になっており、前記軸１８を回転すると左右両側
のサイドガイド１６が互いに接近又は離間するようにな
っている。

【００１６】前記サイドガイド移動機構は、サイドガイ
ド１６の前後両端部に２組設けられており、チェーン２
２によって同調して駆動されるようになっている。２３
は前記チェーン２２のタイトナ、２４は軸受である。

【００１７】また、前記ナット１９には、図８に示すよ
うに、位置調節可能なストッパ２０が設けられており、
前記サイドガイド１６を閉じるとき、ナット１９のスト
ッパ２０がコンベヤフレーム４’に当たると、トルクリ
ミッタ２１が作動して前記軸１８の回転を停止し、閉じ
限を規制するようになっている。

【００１８】２５は搬送コンベヤ４とパレット台車５の
走行通路６との間に固定された架台であって、前記トロ
リー１０は、この架台２５の天井部に設けられたレール
に沿って走行自在に懸吊されており、パレット台車５の
走行通路６と略直交する方向に走行可能となっている。

【００１９】このトロリー１０には、昇降可能に吸盤取
り付け治具２６が設けられており、該治具２６には、１
列複数ユニット（この実施例では６ユニット）の吸盤２
７が少なくとも２列設けられている。

【００２０】即ち、吸盤２７は図９に示す如く、前記荒
地瓦１２の形状に合わせて配置した３個×３組＝９個を
１ユニットとして、１ユニット（９個）の吸盤２７で１
枚の粘土瓦１２を吸着するようになっている。

【００２１】なお、この吸盤２７は図１０に示す如く、
個別に取り付け金具２８に取り付けられており、座金２
９を抜き差し或いは交換することにより、瓦の形状に応
じて取り付け位置を調節できるようになっている。

【００２２】３０は前記架台２５上に固定した吸引ブロ
ワーで、本実施例では２台設けられており、この２台の
ブロワー３０は各別に前記２列の吸盤２７の一方の列に
ホース３１を介して接続されている。なお、このブロワ
ー３０は、必ずしも２台必要ではなく、１台のブロワー
３０を切換弁（図示せず）を介して２列の吸盤２７に接
続し、切換弁の操作によって２列同時に吸引する場合
と、一方の列のみを吸引する場合とに切り換えるように
してもよい。

【００２３】また、前記パレットリフタ８は架台２５に
立設されており、上下方向にラック３２を固定し、これ
に噛み合うピニオン３３をモータ３４によって駆動する
ことによって昇降フレーム３５を昇降させるようになっ
ている。

【００２４】そして、この昇降フレーム３５には、ラッ
ク・ピニオンにより伸縮される前記フォーク７が設けら
れている。３６は昇降フレーム３５のガイドロールであ
る。

【００２５】前記パレット台車５は、移動通路（レー
ル）６上を車輪３７を介して走行するようになってい
る。そして、このパレット台車５には、複数段（本実施
例では８段）の棚が設けられており、各段毎にパレット
１５が載置されるようになっている。

【００２６】

【作用】成形プレス３により成形された荒地の粘土瓦１
２は、取り出し装置（図示せず）によって取り出され搬
送コンベヤ４上に載置される。 そして、荒地の粘土瓦
１２が一枚載置される毎に搬送コンベヤ４は間欠駆動モ
ータ１３により一枚分だけ送られる。

【００２７】このとき、サイドガイド１６は開かれてお
り、順次送られてきた荒地の粘土瓦１２が６枚溜ると、
サイドガイド駆動モータ１７を駆動してサイドガイド１
６を閉じる。このサイドガイド閉じ動作によって搬送コ
ンベヤ４上の粘土瓦１２の幅方向の位置がずれていても
整列される。

【００２８】次に、トロリー１０を駆動して吸盤２７の
一方の列を搬送コンベヤ４上の粘土瓦１２に位置合わせ
した後、ブロワー３０を駆動して吸盤２７で１列（６
枚）の粘土瓦１２を吸引し、トロリー１０を移動して搬
送コンベヤ４から、該コンベヤ４と並置した仮置台９上
に移載する。

【００２９】この結果、搬送コンベヤ４が空くのでサイ
ドガイド１６を開き、前述したと同様に成形した荒地瓦
１２を順次移送する。そして、再び６枚溜ると、サイド
ガイド１６を閉じて搬送コンベヤ４上の粘土瓦を整列す
る。

【００３０】この状態では、仮置台９上に１列６枚、ま
た、搬送コンベヤ４上に１列６枚の粘土瓦が互いに平行
に並んでいることになる。

【００３１】一方、パレットリフタ８は、一旦、原点Ａ
から昇降フレーム３５をパレット台車５の任意の棚（例
えば、最上段の棚）に対応する高さまで上昇させ、フォ
ーク７を伸縮させてパレット台車５の棚から１枚の空パ
レット１５を取り出し、再び昇降フレーム３５を原点Ａ
まで下降させた状態で待機する。

【００３２】この状態で、再びトロリー１０を駆動して
２列の吸盤２７が仮置台９上の粘土瓦１２と搬送コンベ
ヤ４上の粘土瓦１２とに重なり合うように位置合わせし
て、ブロワー３０を駆動し前記２列の吸盤２７を同時に
吸引操作して、仮置台９上と搬送コンベヤ４上の粘土瓦
１２を同時に吸着する。

【００３３】そして、前記トロリー１０を移動して吸盤
２７で吸着した２列１２枚の粘土瓦１２を、パレットリ
フタ８の原点Ａで待機する昇降フレーム３５上の空パレ
ット１５に移載する。

【００３４】この粘土瓦１２を載置された実パレット１
５は、再びパレットリフタ８の昇降フレーム３５の昇降
およびフォーク７の伸縮動作によって、もとの棚（例え
ば、最上段の棚）に戻され、パレットリフタ８は再び他
の棚（例えば、次段の棚）から空パレット１５を抜き出
し、次の粘土瓦１２を受け取る準備をする。

【００３５】このようにして、搬送コンベヤ４で搬送さ
れる粘土瓦１２は順次パレット１５に移載されてパレッ
ト台車５に積み込まれ、パレット台車５の全ての棚に実
パレットが搭載されると、この実車は乾燥場へと移送さ
れ、後続の空車が進入して待機することになる。

【００３６】

【発明の効果】本発明によれば、空パレットの搬入と、
瓦を搭載した実パレットの搬出とを１台の同一台車によ
って行うことができ、また、パレット台車から空パレッ
トの取り出しと、該パレット台車に対する実パレットの
積み込みとを、１台の同一作業体（パレットリフタ）に
よって行うことができるから、ターンテーブルを必要と
せず、搬送コンベヤからパレットへの瓦の移載および台
車への積み込みまで一連の移載作業を自動的かつ連続的
に行うことができる。

【００３７】このように、装置をさほど大型化すること
なく、荒地の粘土瓦の自動移載装置を得ることができる
ので、殊に、瓦の中規模生産工場の自動化を図るのに有
効である。また、搬送コンベヤによって送られてくる粘
土瓦は正確に位置決めされた後、パレット（瓦載置台）
に移載されるから、後段の乾燥工程でも歪みの発生がな
く、良質の瓦製品を得ることができる。等の効果をも有
する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例を示す全体平面図である。

【図２】図１の要部拡大平面図である。

【図３】図１の要部拡大正面図である。

【図４】図１の要部拡大側面図である。

【図５】瓦載置台の側面図である。

【図６】搬送コンベヤとサイドガイドとの関係を示す平
面図である。

【図７】図６の正断面図図である。

【図８】図７のナット部の拡大図である。

【図９】１ユニット中の１組（３個）の吸盤を示す側面
図である。

【図１０】吸盤の取り付け状態を示す側面図である。

【符号の説明】

３ 成形プレス ４ 搬送コンベヤ ５ パレット台車 ６ （パレット台車の）移動通路 ７ フォーク ８ パレットリフタ ９ 仮置台 １０ トロリー １２ 荒地の粘土瓦 １５ パレット １６ サイドガイド ２７ 吸盤

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 プレス成形した粘土瓦を搬出する搬送コ
   ンベヤの移送ラインと、粘土瓦を輸送するパレット台車
   の走行ラインを略平行に配置すると共に、前記搬送コン
   ベヤの移送ラインとパレット台車の走行ラインとの間に
   両ラインと略直交する方向に走行する粘土瓦を吸着する
   吸盤を備えたトロリーを設け、該トロリーとパレット台
   車との間にパレット台車上の空パレットを一段宛取り出
   し、該パレットに前記トロリーによって粘土瓦を載置し
   た実パレットを再び前記パレット台車に搭載するパレッ
   トリフタを設けたことを特徴とする瓦の自動移載装置。
2. 【請求項２】 搬送コンベヤの移送ラインと隣接して平
   行に仮置台を設けると共に、トロリーに搬送コンベヤの
   移送ラインと略平行な二列の吸盤を設け、一旦仮置台に
   載置した一列の粘土瓦と、搬送コンベヤ上の粘土瓦を二
   列同時に吸着可能としたことを特徴とする請求項１に記
   載の瓦の自動移載装置。
3. 【請求項３】 搬送コンベヤの両側に開閉可能なサイド
   ガイドを設け、搬送コンベヤ上の粘土瓦の幅方向の位置
   決めを行うようにしたことを特徴とする請求項１又は２
   に記載の瓦の自動移載装置。