JPH0745465Y2 - タイルの移載装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案は第一コンベヤにて複数列且つ整列状態で運ば
れて来たタイルを、一列状態で且つ第一コンベヤとは別
方向に搬送する第二コンベヤ上に移載する装置に関す
る。

（従来の技術） タイルの製造工程において、例えば乾燥炉で乾燥したタ
イルを第一コンベヤに載せて所定速度で移動させつつ第
二コンベヤへと次々に移し換えることが行われており、
従来その一部工程を作業者が人手により行っていた。第
５図はその様子を示したものである。図において100は
タイル102を載せた状態で乾燥炉を通過し、且つ所定位
置まで搬送された来たパレットで、そのパレット100上
のタイル102は、人手により第一コンベヤ104へと載せら
れ、第一コンベヤ104の移動とともに比較的緩やかな速
度で移動する。尚タイル102をパレット100から第一コン
ベヤ104へと移し換える際、（Ｂ）に明らかに示してい
るようにタイル102は寝た状態から起きた状態に姿勢変
更される。これは第一コンベヤ104上にできるだけ多く
のタイル102を載せてストックしておくためである。

而して第一コンベヤ104上に載せられたタイル102は、同
コンベヤ104の末端に至ると自動的に転倒して、即ち90
°回転して第二コンベヤ106に載り移り、その後は第二
コンベヤ106にて一列状態で速い速度で次工程へと搬送
されて行く。

（考案が解決しようとする課題） しかしながらこのようにパレット100から第一コンベヤ1
04へのタイル102の移し換えを人手で行なう限り、タイ
ル生産の自動化を図ることが難しい。

そこでパレット100と共に運ばれて来たタイル102を、吸
着装置により吸着して第一コンベヤ104上に載せること
により人手作業をなくすことも考えられるが、この場合
にはパレット100上のタイル102がそのままの状態，姿勢
にて第一コンベヤ104上に載せられることとなり、この
場合、第一コンベヤ104上のタイル102を第二コンベヤ10
6へと機械的，自動的に受け渡すことが困難となる。

（課題を解決するための手段） 本考案の装置はこのような課題を解決するために案出さ
れたものであり、その要旨は、第一コンベヤにより複数
列且つ整列状態で連続的に運ばれて来るタイルを、一列
状態で且つ該第一コンベヤとは別方向にタイルを搬送す
る第二コンベヤ上に移載する装置であって、（イ）該第
二コンベヤ上ないしその近傍に配された受板と、（ロ）
夫々が各一列のタイルを吸着する一対の吸着ユニット
と、（ハ）各吸着ユニットを保持し、且つそれら吸着ユ
ニットが第一コンベヤ上のタイルを吸着する第一位置
と、吸着したタイルを第一吸着ユニットが第二コンベヤ
上へ、第二吸着ユニットが前記受板上へ夫々載置する第
二位置との間で移動可能に設けられた移動ユニットと、
（ニ）該移動ユニットを駆動する駆動手段と、（ホ）一
対の吸着ユニットを昇降せしめ、前記第一位置において
各吸着ユニットを下降状態としてそれら吸着ユニットに
より第一コンベヤ上のタイルを吸着せしめるとともに、
タイルを吸着した各吸着ユニットを上昇せしめ、それら
吸着ユニットが前記移動ユニットと共に前記第二位置ま
で移動したとき再び下降状態として吸着したタイルを前
記第二コンベヤ上又は受板上に載置せしめる昇降手段
と、（ヘ）前記第一吸着ユニットにより第二コンベヤ上
に載置された一列のタイルが予め所定位置まで搬送され
た時点で、前記受板上に載置された一列のタイルを前記
第二コンベヤ上に払い出す払出し手段と、を有すること
にある。

（作用及び考案の効果） 本考案の装置においては、第一コンベヤ上を複数列で並
んだ状態で連続的に運ばれて来たタイルを、第一吸着ユ
ニットと第二吸着ユニットとがそれらの下降位置におい
て夫々一列毎に吸着する。すると昇降手段が働いて各吸
着ユニットを上昇せしめるとともに、移動ユニットが各
吸着ユニットを保持した状態で移動し、そして第二位置
において各吸着ユニットを再び下降した状態となって、
第一吸着ユニットが吸着した一列のタイルを第二コンベ
ヤ上に、また第二吸着ユニットが一列のタイルを受板上
に夫々載置する。而して第二コンベヤ上に載置された一
列のタイルは第二コンベヤによって速やかに運ばれ、そ
してその後端のタイルが予め定めた所定位置を通過する
と、払出し手段が作動して受板上の一列のタイルを第二
コンベヤ上へと払い出す。第二コンベヤ上に払い出され
たタイルは続いて第二コンベヤにより搬送されて行く。

一方第二コンベヤ上及び受板上にタイルを載置した一対
の吸着ユニットは、移動ユニット，駆動手段により再び
当所の位置へと戻されて待機し、第二コンベヤ上に載せ
られたタイルが所定位置まで運び去られた時点で再び上
記と同様の動作により第一コンベヤ上のタイルを第二コ
ンベヤ上へと移載する。そしてこのような動作が次々と
繰り返され、第一コンベヤ上のタイルが第二コンベヤ上
へと連続的に受け渡されていく。

このように本考案の装置は、第一コンベヤ上のタイルを
そのままの姿勢で（即ち前述したように90°転倒させな
いで）第二コンベヤ上へと移載し得るものである。

従って例えばパレット上のタイルをそのままの姿勢で第
一コンベヤ上へと載せても、支障なく第一コンベヤから
第二コンベヤへとタイルの受け渡しを行なうことができ
るから、パレット等から第一コンベヤへのタイルの移載
を吸着装置によって機械的，自動的に行ない得るように
なり、従来人手で行なっていた作業を機械化，自動化し
得て、工程の省力化を図ることができる。

（実施例） 次に本考案の実施例を図面に基づいて詳しく説明する。

第２図において、10はパレット搬送用のコンベヤ12上に
載せられたパレットで、その上に多数のタイル14が４列
で整列された状態で載せられている。このパレット10が
コンベヤ12により所定位置まで搬送されて来ると、吸着
装置16が働いてパレット10上の４列のタイル14を一挙に
吸着し、更にこれを90°水平面内で回転させて第一コン
ベヤとしての第一ベルトコンベヤ18上へと移載する。而
して第一ベルトコンベヤ18は、タイル14を４列単位で連
続的に搬送し、そしてそのタイル14が第一ベルトコンベ
ヤ18の末端に至ると、本例の移載装置が作動してこれを
第二コンベヤとしての第二ベルトコンベヤ20へと受け渡
す。具体的動作を概略的に説明すると、先ず移載装置は
４列で並んだタイル14のうち第１列目と第３列目を吸着
して第二ベルトコンベヤ20上へと運び、そして第３列目
のタイルを第二ベルトコンベヤ20上へ、また第１列目の
タイルを第二ベルトコンベヤ20上の受板22の上へと夫々
載置する。第二ベルトコンベヤ20上に載置されたタイル
14は、第二ベルトコンベヤ20の移動により速やかに搬送
され、そしてその後端のタイル14が所定位置を通過する
と、払出し手段により受板22上の一列のタイル14が第二
ベルトコンベヤ20上へと払い出され、引き続き搬送され
て行く。尚第二ベルトコンベヤ20上にはガイド24が設け
られていて、各タイル14が第二ベルトコンベヤ20上の中
央位置に寄せられるようになっている。

第１図，第３図及び第４図に本例の移載装置の具体的構
成が示されている。第１図において26はフレームであっ
て、これらフレーム間に支持兼用のガイドロッド28が架
設されており、これらガイドロッド28によって、移動ユ
ニット30が移動可能に吊持されている。この移動ユニッ
ト30の上板32には、一端がフレーム26に固定された、移
動ユニット30の駆動手段としてのシリンダ34のロッドの
先端が固定されており、このシリンダ34によって、移動
ユニット30がガイドロッド28の案内の下に第一ベルトコ
ンベヤ18の移動方向と同じ方向に進退駆動されるように
なっている。

この移動ユニット30は昇降プレート36を有しており、こ
の昇降プレート36が、上板32に固定された昇降シリンダ
38によって、上板32に設けられたガイド筒40とガイドロ
ッド42との案内作用の下に昇降させられるようになって
いる。

即ち本例においてはこれら昇降プレート36,昇降シリン
ダ38によって、後述の一対の吸着ユニットを昇降させる
昇降手段が構成されている。

第３図に示しているように、昇降プレート36の下側には
第一吸着ユニット44及び第二吸着ユニット46が配置され
ている。これら吸着ユニット44,46は下向きの多数の吸
盤48を備えており、これら吸盤48によって各タイル14を
真空吸引するようになっている。これら吸着ユニット4
4,46は、ガイドロッド50により移動ユニット30と同じ方
向に移動可能に支持されており、且つミニシリンダ51に
よって所定ストローク互いに接近・離間させられるよう
になっている。即ち前記昇降プレート36の下面側にはミ
ニシリンダ51のロッドの先端が固定される一方、第一吸
着ユニット44にミニシリンダ51の端部が固定されてお
り、このミニシリンダ51の作動によって、一対の吸着ユ
ニット44,46が所定ストローク相対的に進退させられる
ようになっている。

第４図に示しているように、第一ベルトコンベヤ18と直
角方向に延びる第二ベルトコンベヤ20上に、受板22が配
置されている。受板22はフレーム54によって支持されて
おり、そのフレーム54は、一対のガイドロッド56により
移動可能に支持されていて、受板駆動シリンダ58により
微少ストローク進退させられるようになっている。

受板22の上には、ストッパバー60が配置されている。こ
のストッパバー60は、受板22上のタイル14の移動を阻止
するためのもので、位置固定のフレーム62から延び出す
複数本の支持ロッド64により位置固定に支持されてい
る。

本例においては、これら受板駆動シリンダ58とストッパ
バー60によって、タイル14の第二ベルトコンベヤ上への
払出し手段が構成されている。

次に本例の装置の作動を説明する。

第一ベルトコンベヤ18上の４列単位のタイル14がその末
端位置に至ると、予めその上方に待機している一対の第
一吸着ユニット44及び第二吸着ユニット46が昇降プレー
ト36と共に下降し、そして第一吸着ユニット44が第３列
目のタイル14を、また第二吸着ユニット46が第１列目の
タイル14を夫々吸着する。次いで昇降シリンダ38により
各吸着ユニット44,46が昇降プレート36と共に上昇させ
られ、これと共に移動ユニット30がシリンダ34によって
第二ベルトコンベヤ20の側へ前進させられる。そして所
定位置に至ると一対の吸着ユニット44,46が下降させら
れ、第一吸着ユニット44が吸着した一列のタイル14を第
二ベルトコンベヤ20上に、また第二吸着ユニット46が第
１列目のタイル14を受板22に夫々載置する。尚一対の吸
着ユニット44,46は、移動ユニット30の移動の過程でミ
ニシリンダ51により所定ストローク離間させられる。即
ち第１列目のタイル14と第３列目のタイル14とを吸着し
たときの間隔よりも更に広く間隔が広げられ、その状態
で下降させられる。これは第１列目のタイル14を受板22
上に、また第３列目のタイル14を第二ベルトコンベヤ20
上に夫々円滑に載置するための動作である。

さて第二ベルトコンベヤ20上に載せられた第３列目のタ
イル14は、第二ベルトコンベヤ20により速やかに搬送さ
れ、そして最終後端のタイル14が所定位置を通過する
と、図示を省略する光電スイッチ等検知手段がこれを検
知して検知信号を発し、その信号を受けて受板駆動シリ
ンダ58が作動して受板22を引き込める。すると受板22上
の一列のタイル14が、ストッパバー60の阻止作用により
第二ベルトコンベヤ20上へと落とされ、次いで第二ベル
トコンベヤ20の移動とともに速やかに搬送されて行く。

以上の動作と併行して、一対の吸着ユニット44,46は昇
降シリンダ38により再び上昇させられ、更に移動ユニッ
ト30と共に前記とは逆方向に移動させられる。尚このと
き一対の吸着ユニット44,46は、ミニシリンダ51によっ
て再び所定ストローク接近させられ、そして昇降シリン
ダ38により再び下降させられて、今度は第２列目と第４
列目のタイル14を夫々吸着し、移動ユニット30の移動に
よりその第２列目のタイル14を受板22の上へ、また第４
列目のタイル14を第二ベルトコンベヤ20上へと夫々載置
する。

本例の移載装置は以上の動作を次々と繰り返して、第一
ベルトコンベヤ18上の４列単位のタイル14を次々と第二
ベルトコンベヤ20上に且つ一列に整列させた状態で移載
する。

以上本考案の実施例を詳述したが、本考案はその他の形
態で構成することも可能である。

例えば上例では一対の吸着ユニットを互いに接近・離間
運動させるようにしているが、この動作は必ずしも必要
なものではないし、また上例では第１列目と第３列目、
或いは第２列目と第４列目といった具合に一列おきのタ
イルを吸着するようにしているが、場合によって第１列
目と第２列目を吸着し、それらを一定距離離した状態で
第二ベルトコンベヤ上及び受板上に載置するように成す
ことも可能である。

更に上例では受板を移動させるようにしているが、場合
によりストッパバーを移動させて受板上のタイルを第二
ベルトコンベヤ上に払い出すようにもできるし、またガ
イドによる案内を上例よりも搬送路の下流側で行うよう
にすることも可能であるなど、本考案はその主旨を逸脱
しない範囲において、当業者の知識に基づき様々な変更
を加えた形態で構成可能である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例である移載装置の斜視図であ
り、第２図はその移載装置による移載工程の説明図、第
３図は第１図の移載装置における一対の吸着ユニットと
周辺部の要部斜視図であり、第４図は第１図の移載装置
における受板と払出し手段の構成を示す斜視図、第５図
は従来行われている移載工程の説明図である。 14:タイル 18:第一ベルトコンベヤ 20:第二ベルトコンベヤ 22:受板 28,50,56:ガイドロッド 30:移動ユニット 34:シリンダ 38:昇降シリンダ 44:第一吸着ユニット 46:第二吸着ユニット 51:ミニシリンダ 58:受板駆動シリンダ 60:ストッパバー

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】第一コンベヤにより複数列且つ整列状態で
   連続的に運ばれて来るタイルを、一列状態で且つ該第一
   コンベヤとは別方向にタイルを搬送する第二コンベヤ上
   に移載する装置であって、 （イ）該第二コンベヤ上ないしその近傍に配された受板
   と、 （ロ）夫々が各一列のタイルを吸着する一対の吸着ユニ
   ットと、 （ハ）各吸着ユニットを保持し、且つそれら吸着ユニッ
   トが第一コンベヤ上のタイルを吸着する第一位置と、吸
   着したタイルを第一吸着ユニットが第二コンベヤ上へ、
   第二吸着ユニットが前記受板上へ夫々載置する第二位置
   との間で移動可能に設けられた移動ユニットと、 （ニ）該移動ユニットを駆動する駆動手段と、 （ホ）一対の吸着ユニットを昇降せしめ、前記第一位置
   において各吸着ユニットを下降状態としてそれら吸着ユ
   ニットにより第一コンベヤ上のタイルを吸着せしめると
   ともに、タイルを吸着した各吸着ユニットを上昇せし
   め、それら吸着ユニットが前記移動ユニットと共に前記
   第二位置まで移動したとき再び下降状態として吸着した
   タイルを前記第二コンベヤ上又は受板上に載置せしめる
   昇降手段と、 （ヘ）前記第一吸着ユニットにより第二コンベヤ上に載
   置された一列のタイルが予め所定位置まで搬送された時
   点で、前記受板上に載置された一列のタイルを前記第二
   コンベヤ上に払い出す払出し手段と、 を有することを特徴とするタイルの移載装置。