JPH0585196U - スピーカの配線構造 - Google Patents

スピーカの配線構造

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JPH0585196U
JPH0585196U JP4716292U JP4716292U JPH0585196U JP H0585196 U JPH0585196 U JP H0585196U JP 4716292 U JP4716292 U JP 4716292U JP 4716292 U JP4716292 U JP 4716292U JP H0585196 U JPH0585196 U JP H0585196U
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damper
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良雄 坂本
明男 田名瀬
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Kenwood KK
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Kenwood KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】低音用スピーカの前面に中高音用スピーカを一
体に配置したスピーカの配線構造を配線作業の自動化お
よび品質の安定が得られる構造とする。 【構成】織布に織られる縦糸および横糸は溶剤にて希釈
したフェノール樹脂の中を通し、乾燥炉を通過させフエ
ノール含浸の縦糸S1Hおよび横糸S2Hが作られる。
縦糸S1Hおよび横糸S2Hを主たる構成材料として織
布SHが織られる。織布SH作製時に平網錦糸線29a
を織布SHの縦方向または横方向のいずれかの所望の位
置に織込み、このように製作された織布SHを用い平網
錦糸線29aが中心線にくるように裁断して熱成型プレ
スにて成型加工を施すことにより同心円状にコルゲーシ
ョンを有する防塵ダンパーが作られる。このように防塵
ダンパーに織込まれた平網錦糸線29aを介して中高音
用スピーカの配線が行われる。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
この考案はスピーカの配線構造に係わり、特に、低音用スピーカ(ウーファ) のコーン紙の中心軸上前面に中音用スピーカ(スコーカ)または高音用スピーカ (トゥイータ)を一体に配置したスピーカの配線構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、一般に使用されている低音用スピーカ(ウーファ)の振動板であるコー ン紙の中心軸上前面に中高音用スピーカ(スコーカ、トゥイータ等)を一体に配 置したスピーカの配線構造の例を図13乃至図17を参照して説明する。
【0003】 図13および図14に示すものは、ウーファ1のコーン紙2に錦糸線14を中 継させ、錦糸線14によりトゥイータ11に音声信号入力用のリード線を配線す るものである。図13に示すように、トゥイータ11はウーファ1のコーン紙2 の前方にウーファ1と同軸に配置されている。
【0004】 すなわち、ウーファ1のマグネット6、トッププレート7およびヨーク5から 構成される磁気回路におけるヨーク5の中央に支柱10を固定し、支柱10の先 端にトゥイータ11を取付けてある。トゥイータ11の入力端子11aは錦糸線 14によりフレーム9に固定された入力端子13と接続される。錦糸線は周知の ように極めて良好な耐振幅性を有している。
【0005】 図14に詳しく示すように、コーン紙2の内周部のネック2a近傍に穴2b, 2cを設け、中央部近傍に穴2dを設け、錦糸線14が穴2bを通してコーン紙 2の表面に導かれ、また、穴2cを通して裏面に導かれ、さらに、穴2dを通し て表面に導かれている。
【0006】 コーン紙2の表面から延びる錦糸線14は半田15により入力端子11aに半 田付けされており、コーン紙2の裏面から延びる錦糸線14は入力端子13に半 田付けされている。コーン紙裏面に配置された錦糸線14はコーン紙2の振動時 に接触音が発生するのを防ぐため、接着剤16によりコーン紙2に接着されてい る。また、穴2bと穴2cの間の表面に配置された錦糸線にはコイルボビン3に 巻かれたボイスコイル4の巻き始めあるいは巻き終りを延長した導線17が半田 15により半田付けされた後、接着剤16に覆われてコーン紙2に接着されてい る。
【0007】 なお、ダンパー8の内周部はコイルボビン3に接着され、外周部はフレーム9 に支持されている。ボイスコイル4と磁気ギャップとの間に塵埃等が入るのを防 止する防塵ダンパー12は外周部がコーン紙2の中間部分に接着され、内周部が 支柱10に支持されている。これらのダンパー8や防塵ダンパー12はコーン紙 2の振動によく従動するように、図示のごとく、コルゲーシヨンが一般に設けら れている。
【0008】 次に、図15に示す配線構造の例を説明する。この場合は、ヨーク5に穴5a を、また、支柱10に穴10bを設け、これらの穴にリード線18を通し、リー ド線18の両端を入力端子11aおよび13と半田付けしている。ウーファ1の ボイスコイル3の配線は図8に示すものと同様に錦糸線14により行われている 。 図13および図14に示した従来の配線構造では、錦糸線14の引き回しが 複雑であることから配線作業が繁雑となり、必然的に工数が多くなるばかりでな く自動化が極めて困難である。そのため、配線は手作業で行われており、品質が 安定しなかった。また、ウーファ1のコーン紙2が大きく振動したときにコーン 紙2の上側にある錦糸線14が共振して防塵ダンパー12等に当り異常音を発生 させることがあり、この対策として錦糸線14の適切なフォーミングを行わなけ ればならない。このようなフォーミングも自動化を困難とする原因となっており 、また、フォーミング不良による不良品発生の恐れがあった。なお、コーン紙2 の下側に配置される錦糸線14もコーン紙2の裏面やダンパー8に当る恐れがあ り適切なフォーミングを必要とする。このように、図13および図14に示した 配線構造は品質が安定せず配線作業工数が増大するという欠点があった。
【0009】 図15に示す配線構造においても、リード線18の引き回しが複雑であること から配線作業が繁雑となり、配線は手作業で行われており、品質が安定しなかっ た。
【0010】 上記問題を解決するために、本考案の考案者が特願平3−115534に提案 したスピーカの配線構造を図16および図17に示す。図16に示すように、ウ ーファ1のボイスコイル4はコイルボビン3に巻かれており、コイルボビン3に は、図17に示すように、短冊状の銅箔19および20が張り付けられている。 銅箔19および20の上の中央部には補強紙21が張り付けられている。銅箔1 9および20の下部にはボイスコイル4の巻き始めおよび巻き終りの導線が半田 付けされている。
【0011】 図16に示す8は従来一般的に使用されているダンパーであり、織布等にフェ ノール等の熱硬化性樹脂を含浸させ熱成形によりコルゲーションが形成されてい る。ダンパー8には図16および図17に示すように、一対の平網錦糸線22お よび23が中心線に平行に縫い付けられている。内周部に及んだ平網錦糸線22 および23は夫々コイルボビン3の銅箔19および20に半田15により半田付 けされる。その後、コイルボビン3の外周部とダンパー8の内周部が接着剤24 で接着される。接着はコイルボビン3とダンパー8を位置決めして回転させなが ら、コイルボビン3とダンパー8との隅部に接着剤をノズルから吐出して行われ る。ダンパー8の外周部はフレーム9に固定され、また、平網錦糸線22および 23の外周側の端部は入力端子13に接続される。
【0012】 図16および図17に示すように、ウーファ1の振動板であるコーン紙2の表 面の中心線上に一対の帯状の銅箔27および28がコーン紙2の内周部から中央 部にわたって張付けられており、コーン紙2のネック部に及んだ銅箔27および 28の端部が舌片27aおよび28aとして突出し、舌片27aおよび28aが 上方に折り曲げられている。
【0013】 銅箔の舌片27aおよび28aは図16および図17に示すように、コイルボ ビン3の銅箔19および20に夫々半田15により半田付けされる。その後、コ ーン紙2のネック部は接着剤25でコイルボビン3に接着されるが、そのとき、 接着剤25により舌片27aおよび28aが覆われる。
【0014】 図16および図17に示す防塵ダンパー12は従来一般的に使用されている防 塵ダンパーであり、織布等にフェノール等の熱硬化性樹脂を含浸させ熱成形によ り同心円状にコルゲーションが形成されている。防塵ダンパー12にはダンパー 8と同様に一対の平網錦糸線29および30が縫い付けられており、平網錦糸線 29および30は防塵ダンパー12の裏面にコルゲーションに沿った状態でコー ン紙2の銅箔27および28と同様に中心線上に貼着されている。
【0015】 図17に示すように、防塵ダンパー12の外周部には舌片12a,12aが突 出しており、平網錦糸線29および30は舌片12a,12aの下面まで及んで いる。図16に示すように防塵ダンパー12の外周部はコーン紙2の中間部と接 着剤26で接着され、また、平網錦糸線29および30と銅箔27および28が 夫々半田付けされる。さらに、図16に示すように、防塵ダンパー12の内周部 は支柱10のフランジ10aに接着され、内周部に及んだ平網錦糸線29および 30はフランジ10aに固定された中継端子31,31に接続される。中継端子 31,31とトゥイータ11の入力端子11a,11aは接続される。
【0016】 このような配線構造とすると、ウーファ前面に配置した中高音用スピーカへの 音声信号入力用のリード線、すなわち従来例における錦糸線14やリード線18 の引き回しがなくなるため配線作業の自動化が可能とり、効率のよい生産性を確 保し、かつ品質の安定したスピーカの生産が可能となった。
【0017】 しかしながら、図16に示したように平網錦糸線29を防塵ダンパー12の裏 面に配置した場合は、コーン紙2に貼着された銅箔27と平網錦糸線29の半田 付けは容易となるが、防塵ダンパー12の内周部におよんだ平網錦糸線29とト ゥイータ11の入力用端子11aとを接続するために中継端子31を用いなけれ ばならない。
【0018】 この中継端子31は防塵ダンパー12の裏面の平網錦糸線29と接触し、かつ 支柱10の上方に導電径路を導かなければならないので端子形状が複雑化すると いう欠点があった。
【0019】 一方、平網錦糸線を防塵ダンパーの表面に配置した場合は、支柱に設ける中継 端子の形状が簡単になり、また、防塵ダンパーの表面にある平網錦糸線とトゥイ ータの入力用端子と直接接触させることも可能となる。
【0020】 しかしながら、コーン紙に貼着された銅箔と平網錦糸線を半田付けする場合、 銅箔と平網錦糸線との間に絶縁材である防塵ダンパーが存在し、銅箔と平網錦糸 線との間に半田をブリッジ状に形成して接続しなければならず信頼性のない、配 線構造となるという問題があった。
【0021】 次に、低音用スピーカ(ウーファ)の振動板であるコーン紙の中心軸上前面に 高音用スピーカ(トゥイータ)を一体に配置し、トゥイータに6db/octの ネットワーク回路を設けたたスピーカの配線構造の従来の例を図18および図1 9に示す。
【0022】 図18に示す配線構造では、ウーファ1用の入力端子13に中継端子ラグ13 cを設け、ネットワーク素子であるコンデンサ32のリード線の一方を中継端子 ラグ13cに絡げて取付け他方のリード線を入力端子13の+側ラグ13aに取 付けた後半田付けしている。コンデンサ32の外筒は入力端子13に接触させ接 着剤33で固定している。
【0023】 入力端子13の+側ラグ13aと−側ラグ13bはウーファのボイスコイル4 に接続されている。すなわち、ウーファのコーン紙2に這わせたボイスコイル4 のリード線17,17に+側ラグ13aおよび−側ラグ13bに夫々接続された 錦糸線14aおよび14bが接続されている。
【0024】 錦糸線14bは支柱10に取付けられたトゥイータ11の入力線としても用い られており、そのコーン紙2上の中継点はさらに錦糸線によりトゥイータ11の −側ラグ11bに接続されている。トゥイータ11の+側ラグ11aは入力端子 13の中継端子ラグ13cから錦糸線14cによりコーン紙2の中継点を経て接 続されている。従って、コーン紙2の下側には3本の錦糸線14a,14b,1 4cが配置されることになる。
【0025】 このような錦糸線は、コーン紙の振動時にコーン紙表面やダンパー表面に接触 して異状音を発生することのないように適切な形状にフォーミングするのが一般 であり、配線作業の工数が極めて大きくなることは周知の通りである。
【0026】 従って、錦糸線の本数が多いと煩雑な配線作業が増えて組立て工数が大きくな るという欠点があった。
【0027】 図19に示す配線構造は、コーン紙の上下に配置される錦糸線を2本とするも ので、ネットワーク素子であるコンデンサ32がトゥイータ11のフレーム11 dに固定されている。
【0028】 すなわち、フレーム11dに中継端子ラグ11cを設け、コンデンサ32のリ ード線の一方を中継端子ラグ11cに絡げて取付け他方のリード線をトィータ1 1の入力端子である+側ラグ11aに取付けた後半田付けしている。コンデンサ 32の外筒はフレーム11に接触させ接着剤33で固定している。
【0029】 トィータ11の入力端子である−側ラグ11bと中継端子ラグ11cは夫々錦 糸線14eと14dでコーン紙2に中継され、図18に示したウーファのボイス コイル−側入力と同様にウーファの入力線と共通の錦糸線によりウーファの入力 端子に接続されている。
【0030】 この例では、コーン紙の上下に配置される錦糸線を2本とすることができるが 、トゥイータ11のフレーム11にコンデンサ32が固定されているために、コ ンデンサ32とコーン紙または防塵ダンパ12との接触による異状音の発生を避 けるにはスピーカの小型化が困難となるという問題があった。
【0031】 すなわち、ウーファのコーン紙前方にトゥイータを配置したスピーカは殆ど車 載用スピーカに採用されているが、車載用スピーカが最近スペースファクタの効 率化を目的として薄形化の傾向を強めていることは周知の通りであり、薄形化を 進めるほどコンデンサ32とコーン紙または防塵ダンパ12との間隔が狭くなり これらが接触しやすくなるという欠点を有しており、この構造をとる限り薄形化 には限界があった。
【0032】
【考案が解決しようとする問題点】
この考案は上記した点に鑑みてなされたものであって、その目的とするとこ ろは、特願平3−115534に提案したスピーカの配線構造をさらに改良し、 より良好な生産性が得られ、かつ、品質の安定するスピーカの配線構造を提供す ることにある。
【0033】 この考案の他の目的は、低音用スピーカ(ウーファ)の振動板であるコーン紙 の中心軸上前面に高音用スピーカ(トゥイータ)を一体に配置し、トゥイータに 6db/octのネットワーク回路を設けたたスピーカの配線構造において、組 立て工数を小さくし、また、スピーカの薄形化を可能とすることである。
【0034】
【課題を解決するための手段】
この考案のスピーカの配線構造は、高音用または中音用スピーカを低音用スピ ーカの振動板の前方に配置したスピーカの前記高音用または中音用スピーカへの 配線を高音用または中音用スピーカの支持部材と低音用スピーカの振動板との間 に配置された防塵ダンパーに設けた導電材を介して行うスピーカの配線構造にお いて、溶剤に希釈された熱硬化性樹脂を含浸させた糸から前記溶剤を揮発させた ものを縦糸および横糸として織布を製作し、そのとき縦糸または横糸方向に平網 錦糸線を折込み、このように製作された織布を熱成形加工により同心円状にコル ゲーションを成形し、前記平網錦糸線が前記コルゲーションを横断するように配 置されて成る防塵ダンパーを用いるものである。
【0035】 さらに、前記スピーカの配線構造において、低音用スピーカ用ボイスコイルボ ビンに設けた導電パターンと低音用スピーカ用ボイスコイルボビンを支持するダ ンパーに設けられた導電部材とをネットワーク回路の配線径路として利用するも のである。
【0036】
【作用】
この考案のスピーカ接続構造によれば、平網錦糸線は溶剤が揮発された熱硬化 性樹脂含浸糸から織布を製作するときに織込まれ、このように製作された織布を 成形して防塵ダンパーが作られるので、防塵ダンパーの表裏両面に平網錦糸線が 縦糸または横糸の間から露出している。
【0037】 従って、防塵ダンパーの内周および外周におよんだ平網錦糸線を夫々中高音用 スピーカの中継端子や低音用スピーカのコーン紙に貼着された導電材に接続する ことが容易かつ確実に行われる。
【0038】 また、平網錦糸線は防塵ダンパーの材料となる織布を製作するときに織込まれ るので、織布に平網錦糸線を縫い付ける等の手作業が省かれ、生産性が向上する とともに品質も安定する。
【0039】 さらに、従来例に比べて、配線作業が極めて簡単となり、自動化も容易となる 。さらに、空中を引き回す導電材がなく、異常音の発生する恐れがなくなる。
【0040】 また、低音用スピーカ用ボイスコイルボビンに設けた導電パターンと低音用ス ピーカ用ボイスコイルボビンを支持するダンパーに設けられた導電部材とをネッ トワーク回路の配線径路として利用するスピーカ接続構造によると、従来、ダン パーに2列に配置された平網錦糸線の内ウーファボイスコイルの接続回路として 利用されていなかった部分を有効に利用することにより、空中に張られる錦糸線 が不要となり配線作業が極めて容易に行えるようになる。
【0041】 また、ウーファ入力端子の対称位置に設けた端子にネットワーク素子であるコ ンデンサを配置することが可能となり、スピーカの薄形化が達成される。
【0042】
【実施例】
この考案の第1の実施例であるスピーカの配線構造を図1および図3乃至図8 に基づいて説明する。図において従来例で示したものと同様の機能を有する部分 には同一の符号を付している。図1に示すように、ウーファ1のボイスコイル4 はコイルボビン3に巻かれており、従来の例で示したものと同様にヨーク5、マ グネット6およびトッププレート7で形成される磁気回路の磁気ギャップに配置 される。
【0043】 コイルボビン3には、図3(a)に詳しく示すように、短冊状の銅箔19およ び20が張り付けられている。銅箔19および20の上の中央部には補強紙21 ,21が2枚張り付けられている。銅箔19および20の下部にはボイスコイル 4の巻き始めおよび巻き終りの導線17,17が半田15により半田付けされて いる。
【0044】 図1に示す8は従来一般的に使用されているダンパーであり、織布等にフェノ ール等の熱硬化性樹脂を含浸させ熱成形によりコルゲーションが形成されている 。ダンパー8には図1および図3(b)に示すように、一対の平網錦糸線22お よび23が中心線に平行に縫い付けられている。内周部に及んだ平網錦糸線22 および23は夫々コイルボビン3の銅箔19および20に半田15により半田付 けされる。
【0045】 その後、コイルボビン3の外周部とダンパー8の内周部が接着剤24で接着さ れる。接着はコイルボビン3とダンパー8を位置決めして回転させながら、コイ ルボビン3とダンパー8との隅部に接着剤をノズルから吐出して行われる。ダン パー8の外周部はフレーム9に固定され、また、平網錦糸線22および23の外 周側の端部は入力端子13に接続される。
【0046】 図1および図4に示すように、ウーファ1の振動板であるコーン紙2の表面の 中心線上に一対の帯状の銅箔27および28がコーン紙2の内周部から中央部に わたって張付けられており、コーン紙2のネック部2aに及んだ銅箔27および 28の端部が舌片27aおよび28aとして突出し、舌片27aおよび28aが 上方に折り曲げられている。
【0047】 銅箔の舌片27aおよび28aは図1および図5に示すように、コイルボビン 3の銅箔19および20に夫々半田15により半田付けされる。その後、コーン 紙2のネック部2aは接着剤25でコイルボビン3に接着されるが、そのとき、 接着剤25により舌片27aおよび28aが覆われる。
【0048】 図1および図5に示す防塵ダンパー12Aはこの考案の特徴部分を構成してお り、その材料となる織布の製造工程および構造が図6乃至図8に示されている。 図6に示すように織布に織られる縦糸S1および横糸S2は溶剤にて希釈したフ ェノール樹脂Hの中を通し、前記溶剤を揮発させ樹脂タック性を除くため乾燥炉 Oを通過させフエノール含浸の縦糸S1Hおよび横糸S2Hが作られる。
【0049】 このように加工された縦糸S1Hおよび横糸S2Hを主たる構成材料として図 7および図8に示す織布SHが織られる。織布SH作製時に平網錦糸線29aを 織布SHの縦方向または横方向のいずれかの所望の位置に織込み、このように製 作された織布SHを用い平網錦糸線29aが中心線にくるように裁断して熱成型 プレスにて成型加工を施すことにより同心円状にコルゲーションを有する防塵ダ ンパー12Aが作られる。
【0050】 すなわち、防塵ダンパー12Aの中心線上に配置される平網錦糸線29aは図 8に示すように、織布SHの縦糸S1Hに挟まれて織布SH断面の中心に配置さ れ、図7に示すように縦糸S1Hの間から平網錦糸線29aが露出するようにな る。
【0051】 従って、平網錦糸線29aの表面に絶縁材であるフェノールが付着せず、また 、完成した防塵ダンパー12Aの表裏に関係なく、平網錦糸線29aが防塵ダン パー12Aを構成する縦糸S1Hの間から露出するようになる。
【0052】 図5に示すように、防塵ダンパー12Aの外周部には舌片12a,12aが突 出しており、平網錦糸線29aは舌片12a,12aの端部まで及んでいる。図 1に示すように防塵ダンパー12Aの外周部はコーン紙2の中間部と接着剤26 で接着されると、平網錦糸線29aは前述のように縦糸S1Hの間から露出して いるので、平網錦糸線29aとコーン紙2に貼着された銅箔27および28と接 触する。
【0053】 本実施例の場合、平網錦糸線29aと銅箔27および28との接触部分はその いずれかにクリーム半田を塗布しておき、熱風あるいは半田鏝で加熱することに より半田付けされる。実際には接触部分に絶縁材である縦糸S1Hが存在するが 、縦糸S1Hは成型時にプレスされ断面が偏平状となっており半田付けの障害と ならない。
【0054】 図1に示すように、防塵ダンパー12Aの内周部は支柱10のフランジ10a に接着される。トゥイータ11を支柱10頂部の所定位置に設置するとトゥイー タ11の入力端子11aは防塵ダンパー12Aの内周部に及んだ平網錦糸線29 aに直接接触するようになる。その状態で性能を満足する場合はこのままで配線 が完了するが、この接触部分を半田付けしてもよい。
【0055】 図2はこの考案の第2の実施例を示すもので、この実施例では、防塵ダンパー 12Aの内周部にも舌片12bを設け、平網錦糸線29aを舌片12bの端部ま で及ばせ平網錦糸線29aをトゥイータ11の入力端子11aに接続している。
【0056】 次に、この考案の第3の実施例であるスピーカの配線構造を図9乃至図12に 基づいて説明する。図9に示すように、コイルボビン3には、銅箔19,20お よび34が設けられている。ボビン材として厚さ50μmのPPTAフィルムに 厚さ50μmの銅箔をラミネートした後、長さ80.87mm、幅21.5mm の短冊状にカットし、エッチング処理を施して図9(a)に示すようなパターン の銅箔19,20および34を指定した場所に設ける。
【0057】 このようなボビン材をカールさせ円筒状としてそれに直径0.17mmのコイ ル線を1層目26ターン、2層目23ターン巻き、巻き幅5.5mm、直流抵抗 3.2Ω、内径25.9mmのボイスコイル4を形成した。
【0058】 ボイスコイル4の巻き始め端子4aを+側入力端子として銅箔19の一方の端 部19aに半田付けし、巻き終り端子4bを−側入力端子として銅箔34の一方 の端部34aに半田付けしている。このボイスコイル4を磁気回路の磁気ギャッ プに納めるように、コイルボビン4の外周部とダンパー8の内周部を第1の実施 例と同様に接着している。
【0059】 ダンパー8は第1の実施例と同様のダンパーであり、一対の平網錦糸線22お よび23が中心線に平行に縫い付けられている。平網錦糸線22および23の内 周側の端部22aおよび23aは図9(c)および図10に詳しく示すように、 銅箔19および34の夫々の接続部19bおよび34bに半田付けされ、外周側 の端部22bおよび23bはウーファ入力端子13のラグ13aおよび13bに 半田付けされている。
【0060】 平網錦糸線22および23は中心の穴を越えた部分にも設けられており、その 中心側の端部22cおよび23cは銅箔19および20の接続部19cおよび2 0aに半田付けされている。また、その外周側の端部22dおよび23dは入力 端子13と対称の位置に設けられた端子36のラグ36aおよび36bに半田付 けされている。そしてコンデンサ32のリード線がラグ36aおよび36bに半 田付けされている。
【0061】 図11に示すように、ウーファの振動板であるコーン紙2の表面の中心線上に 一対の帯状の銅箔27および28がコーン紙2の内周部から中央部にわたって張 付けられており、コーン紙2のネック部2aに及んだ銅箔27および28の端部 が舌片27aおよび28aとして突出し、舌片27aおよび28aが上方に折り 曲げられている。
【0062】 銅箔の舌片27aおよび28aは、コイルボビン3の銅箔34および20に夫 々半田付けされる。その後コーン紙2のネック部2aは接着剤でコイルボビン3 に接着されるが、そのとき接着剤により舌片27aおよび28aが覆われる。
【0063】 コーン紙2の中央部に及んだ銅箔27および28の端部は第1の実施例と同様 の防塵ダンパー12Aの平網錦糸線と接続され、平網錦糸線を介してトィータの 入力端子に接続される。
【0064】 その状態を図12に示す。すなわち、防塵ダンパー12Aの内周部がトィータ 11を支持する支柱10のフランジ10aに接着されており、トィータ11を支 柱10頂部の定められた位置に設置すると、トィータ11の端子11a,11b が防塵ダンパー12Aの内周部に及んだ平網錦糸線に接触するようになっている 。そしてそれらの圧接状態で性能を満足する場合はそのまま配線が完了するが、 接触部分を半田付けしてもよい。
【0065】 このように、ダンパー8に設けられた平網錦糸線でボイスコイルの入力線とし て用いられいない部分をネットワーク回路に利用することで、錦糸線を空中に張 る必要がなくなり、配線作業が簡単となる。また、ウーファフレームに設けた端 子にコンデンサを配置できるのでスピーカの薄形化が達成される。
【0066】
【考案の効果】
この考案のスピーカの配線構造によれば、従来例で示したような錦糸線14や リード線18による引き回しがなく、配線作業が簡単となり自動化が可能となっ た。そのため、生産性が向上するとともに品質が安定する。
【0067】 また、実施例に示したように平網錦糸線29aを織込んだ防塵ダンパー12A を使用することにより、平網錦糸線29aの表面にフェノールが付着せず、平網 錦糸線29aが防塵ダンパー12Aを構成する織布断面の中心に配置され縦糸の 間から露出するため、コーン紙2に設けた銅箔やトゥィータ等の端子と直接接触 するようになる。
【0068】 従って、配線作業において、従来例で示したものより基本的に高い信頼性が得 られ、また、半田付けする場合も接触部にクリーム半田を塗り熱風または半田鏝 で加熱することにより、簡単かつ確実に半田付け作業が行われる。
【0069】 また、支柱10のフランジ10aにおよんだ平網錦糸線29aも織布の表面に 露出しているので、従来例のようにトゥィータの入力用端子との接続を中継する ための中継端子を支柱10に設ける必要がなくなる。従って、配線構造が簡単と なり、省力化が達成され配線における工数削減に極めて大きな効果を得ることが できる。
【0070】 また、低音用スピーカ用ボイスコイルボビンに設けた導電パターンと低音用ス ピーカ用ボイスコイルボビンを支持するダンパーに設けられた導電部材とをネッ トワーク回路の配線径路として利用するスピーカ接続構造によると、従来、ダン パーに2列に配置された平網錦糸線の内ウーファボイスコイルの接続回路として 利用されていなかった部分を有効に利用することにより、空中に張られる錦糸線 が不要となり配線作業が極めて容易に行えるようになる。さらに、ウーファ入力 端子の対称位置に設けた端子にネットワーク素子であるコンデンサを配置するこ とが可能となり、スピーカの薄形化が達成される。
【図面の簡単な説明】
【図1】この考案の第1の実施例であるスピーカの配線
構造を示す断面図である。
【図2】この考案の第2の実施例であるスピーカの配線
構造を示す断面図である。
【図3】図3(a)はこの考案の第1の実施例における
ボイスコイルを示す斜視図、図3(b)はこの考案の実
施例におけるボイスコイルとダンパーとの接着部分を示
す斜視図である。
【図4】この考案の第1の実施例におけるコーン紙、ボ
イスコイルおよびダンパーに貼着した導電材の配置関係
を示す斜視図である。
【図5】この考案の第1の実施例における防塵ダンパー
とコーン紙に貼着した導電材の配置関係を示す斜視図で
ある。
【図6】この考案における防塵ダンパーに使用する縦糸
および横糸のフェノール含浸工程を示す概略図である。
【図7】この考案における防塵ダンパーに使用する平網
錦糸線を織込んだ織布を示す平面図である。
【図8】この考案における防塵ダンパーに使用する平網
錦糸線を織込んだ織布を示す断面図である。
【図9】図9(a)はこの考案の第3の実施例のスピー
カの配線構造に用いるボイスコイルの展開状態を示す
図、図9(b)は同ボイスコイルを示す斜視図、図9
(c)は同ボイスコイルのダンパー8との接着状態を示
す斜視図である。
【図10】図10(a)は同実施例におけるダンバー8
の平網錦糸線の接続状態を示す平面図、図10(b)
(c)(d)および(e)は同状態を示す側面図であ
る。
【図11】同実施例における防塵ダンパーとコーン紙に
貼着した導電材の配置関係を示す斜視図である。
【図12】同実施例のスピーカの配線構造を示す断面図
である。
【図13】従来のスピーカの配線構造の第1の例を示す
断面図である。
【図14】同スピーカの配線構造を示す部分断面図であ
る。
【図15】従来のスピーカの配線構造の第2の例を示す
断面図である。
【図16】本考案の考案者が先に提案したスピーカの配
線構造を示す断面図である。
【図17】同スピーカの配線構造における防塵ダンパー
とコーン紙に貼着した導電材の配置関係を示す斜視図で
ある。
【図18】図18(a)はネットワークを有する従来の
スピーカの配線構造の第1の例を示す断面図、図18
(b)は図18(a)のA方向の側面図である。
【図19】ネットワークを有する従来のスピーカの配線
構造の第2の例を示す断面図である。
【符号の説明】
1 ウーファ 2 コーン紙 3 コイルボビン 4 ボイスコイル 5 ヨーク 6 マグネット 7 トッププレート 8 ダンパー 9 フレーム 10 支柱 11 トゥイータ 12A 防塵ダンパー 13 入力端子 14 錦糸線 19 銅箔 20 銅箔 22 平網錦糸線 23 平網錦糸線 29a 平網錦糸線 30 平網錦糸線 32 コンデンサ

Claims (2)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高音用または中音用スピーカを低音用ス
    ピーカの振動板の前方に配置したスピーカの前記高音用
    または中音用スピーカへの配線を高音用または中音用ス
    ピーカの支持部材と低音用スピーカの振動板との間に配
    置された防塵ダンパーに設けた導電材を介して行うスピ
    ーカの配線構造において、溶剤に希釈された熱硬化性樹
    脂を含浸させた糸から前記溶剤を揮発させたものを縦糸
    および横糸として織布を製作し、そのとき縦糸または横
    糸方向に平網錦糸線を折込み、このように製作された織
    布を熱成形加工により同心円状にコルゲーションを成形
    し、前記平網錦糸線が前記コルゲーションを横断するよ
    うに配置されて成る防塵ダンパーを用いることを特徴と
    するスピーカの配線構造。
  2. 【請求項2】 低音用スピーカ用ボイスコイルボビンに
    設けた導電パターンと低音用スピーカ用ボイスコイルボ
    ビンを支持するダンパーに設けられた導電部材とをネッ
    トワーク回路の配線径路として利用する請求項1のスピ
    ーカの配線構造。
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