JPH057870Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は航空機や大型車両に使用される大型タ
イヤの運搬に用いられる大型タイヤ運搬車両に関
する。

従来の技術 航空機や大型車両に使用される大型のタイヤは
可成りの重量があるため、その交換作業に際して
第９図に示すような手押しタイプのリフターを用
いて大型タイヤを運搬するようにしている。

このリフターは前、後キヤスター１０３，１０
４を備えた平面コ字形の台車フレーム１００の一
対のアーム１０１，１０１上にそれぞれローラ１
０２，１０２を回転自在に軸支してあり、これら
ローラ１０２，１０２上に跨つて大型タイヤＷを
載置するようにしてある。

後部キヤスター１０４はその車軸にマスタシリ
ンダ１０５を取付けてあつて、このマスタシリン
ダ１０５の胴部をリンク１０６を介して台車フレ
ーム１００の後部ブラケツト１０７に連結してあ
ると共に、マスタシリンダ１０５のピストンロツ
ド１０８の上端を台車フレーム１００の後部上側
の支持座１０９に係合してある。

マスタシリンダ１０５にはレバー１１０によつ
て作動されるプランジヤーポンプ１１１を併設し
てあつて、このレバー１１０を上下方向に反復操
作することによつてプランジヤーポンプ１１１を
作動させ、マスタシリンダ１０５を伸張させて台
車フレーム１００を前部キヤスター１０３を支点
として前傾状態に上昇できるようにしてある。こ
の類似構造は、例えば実開昭57−174499号公報に
示されている。

考案が解決しようとする問題点 大型タイヤＷの運搬はリフターを手押しして行
わなければならず、また、ローラ１０２，１０２
上への大型タイヤＷの積み込み及び荷降しは人手
によつて行わなければならないため、多大な労力
と時間とを要し作業能率が悪い点が指摘されてい
る。

そこで、本出願人は大型タイヤの運搬、および
大型タイヤの積み込み、荷降しの省力化と作業能
率の向上を図るため、先に特願昭60−193153号
（特開昭62−56299号）により自走式の大型タイヤ
運搬車両を提案している。

これは、エンジン又はモータによつて自走する
台車の後端部上に、支柱を中心に水平回動し、か
つ、駆動機構により上下方向に揺動する平行リン
ク機構を設け、この平行リンク機構の揺動端部に
ハンガーアームを水平回動自在に連結して、この
ハンガーアーム端部に一対のローラ上に大型タイ
ヤをすくい取つて縦置きに保持する荷物ハンガー
を吊設して構成したものである。

本考案はこの先の提案に係る大型タイヤ運搬車
両を更に改良し、大型タイヤの交換作業に用いら
れる可成りの重量のある大型ジヤツキを台車の前
側部に積載することができて、走行移動時の台車
の前後荷重バランスをとることができ、走行安定
性を確保することができる大型タイヤ運搬車両を
提供するものである。

問題点を解決するための手段 前側部に運転席を有し自走する台車の後部に大
型タイヤを積載可能なデツキを形成し、このデツ
キ上に回転自在に軸支した支柱の上下部に一対の
リンクを軸支すると共に、これらリンクの自由端
部間にアーム支軸をピン連結して支柱を中心にし
て水平方向および上下方向に揺動自在に構成した
平行リンク機構と、該平行リンク機構の支柱と上
部のリンクとに跨つて配設されて、平行リンク機
構を上下揺動する駆動機構と、平行リンク機構の
アーム支軸に水平方向に回動自在に連結したハン
ガーアームと、逆Ｕ字状のフレームの下端にロア
ビームを跨設し、このロアビームに一対の保持ロ
ーラを一側方に略水平に平行して突出配置し、前
記ハンガーアームの自由端部に着脱自在に吊設さ
れて、前記一対の保持ローラ上に跨つて大型タイ
ヤを縦置きに保持する荷物ハンガーとを備え、か
つ、前記台車の運転席前方には、前端が接地可能
に回動自在に装着されて、大型ジヤツキを積載す
るジヤツキ格納装置を設けると共に、上壁部と前
壁部および車幅方向両側の側壁部とを備えて前記
ジヤツキ格納装置を覆うカバーを上下方向に開閉
自在に取付け、かつ、該カバーの一方の側壁部を
分割してサブカバーとして、該サブカバーを車幅
方向に開閉自在に設けてある。

作 用 平行リンク機構およびハンガーアームを水平方
向に回動することにより、台車のデツキ上からこ
れら平行リンク機構、ハンガーアームが伸び出す
から、駆動機構により平行リンク機構を下動して
荷物ハンガーを路面近くまで降して、荷物ハンガ
ーを縦置きにされた大型タイヤに向けて押動し、
一対の保持ローラを大型タイヤの周側面にあてが
つて該荷物ハンガーを上昇すれば、大型タイヤを
これら一対の保持ローラ上に跨つてすくい取るこ
とができる。

従つて、ハンガーアーム、平行リンク機構をデ
ツキ上に再び水平回動すれば、荷物ハンガーごと
大型タイヤをデツキ上に容易に積み込むことがで
きる。

台車を目的地まで走行し、大型タイヤを荷降し
する場合は前述の操作を逆行すれば、容易に荷降
しすることができる。

大型ジヤツキはカバーおよびサブカバーを開放
し、ジヤツキ格納装置を回動させて前端を路面上
に接地させることにより容易に出し入れすること
ができる。

実施例 以下、本考案の実施例を図面と共に詳述する。

第１〜８図において、１は前、後輪１ａ，１ｂ
を有し、エンジン又はモータによつて自走する台
車で、前側部に運転席２を形成してあると共に、
この運転席２の後方に航空機等に用いられる大型
のタイヤＷを積載し得るに十分なスペースのデツ
キ３を形成してある。

この実施例ではデツキ３の略後半部３ａの地上
高を低めて多段状に形成して、該デツキ後半部３
ａ上に大型タイヤＷを後述する荷物ハンガーと共
に縦置きに積載するようにしてあり、台車の制動
時にデツキ段部により大型タイヤＷの下側が前方
へずれ動くのを阻止できるようにしてある。

４はデツキ後半部２ａの後端部上に配設した平
行リンク機構で、デツキ後半部２ａの後端部中央
位置に設けた軸受部５ａに軸支されて回転自在な
支柱５と、支柱５の上下部に軸支した一対のリン
ク６ａ，６ｂと、これらリンク６ａ，６ｂの自由
端部間にピン連結したアーム支軸６ｃとからなつ
ていて、前記支柱５を中心に水平方向および上下
方向に揺動自在としてある。

９は平行リンク機構３を上下揺動する駆動機構
を示し、支柱５の下部に設けたブラケツト５ｂに
軸支した油圧シリンダ９ａと、支柱５の上部に一
端をピン連結し、中間部に油圧シリンダ９ａの作
動ロツド９ｂを連結して該油圧シリンダ９ａに支
持されたへの字状のアーム９ｃと、該アーム９ｃ
の自由端と上側のリンク６ａのアーム支軸６ｃ連
結側の端部近傍との間にピン連結したストラツト
タイプの緩衝器９ｄとからなつていて、油圧シリ
ンダ９ａの伸、縮作動力をアーム９ｃ、緩衝器９
ｄを介して上側のリンク６ａに伝え、以つて、平
行リンク機構４を支柱５を中心に上下揺動する。

７は平行リンク機構４のアーム支軸６ｃに水平
方向に回動自在に装着したハンガーアームで、そ
の自由端部に荷物ハンガー８を回動自在に吊設し
てある。

この荷物ハンガー８はフツクピン８ｄを介して
ハンガーアーム７に着脱自在に吊持されていて、
このフツクピン８ｄを中心に水平方向に回動自在
となつている。荷物ハンガー８は逆Ｕ字状のフレ
ーム８ａと、このフレーム８ａの下端に跨設した
ロアビーム８ｂと、ロアビーム８ｂの両端部に一
側方に略水平に平行して回転自在に突出配置した
一対の保持ローラＲとを備え、これら保持ローラ
Ｒ上に跨つて重量のある大型タイヤＷをすくい取
つて載置できるようにしてある。

１０は荷物ハンガー８のフレーム８ａの上端部
に配設した高さ調整機構で、フレーム８ａの上端
部に保持ローラＲを突出配置した側の側方で斜め
上方に向けて傾斜して突設した一対の内筒１０
ａ，１０ａと、上面に前記フツクピン８ｄを突設
したブラケツト８ｃの下面に斜め下方に向けて傾
斜して突設され、内筒１０ａ，１０ａに摺動自在
に外嵌した一対の外筒１０ｂ，１０ｂと、これら
各内筒１０ａと外筒１０ｂとの間に亘つて張設さ
れて、フレーム８ａ、ロアビーム８ｂ、保持ロー
ラＲの荷重を負担するバランサースプリング１０
ｃと、これら両側の内、外筒１０ａ，１０ｂおよ
び１０ａ，１０ｂの間でブラケツト８ｃとフレー
ム８ａの上端部とに跨つて配設したねじ機構１０
ｄとを備えている。

ねじ機構１０ｄは、フレーム８ａの上端部に回
動自在に軸支されて下端にハンドル１０ｆを備え
たねじ軸１０ｅと、先端部内に該ねじ軸１０ｅに
螺合したナツト部材１０ｇを有する内筒１０ｈ
と、フレーム８ａの上端部に固設されてねじ軸１
０ｅを内包すると共に前記内筒１０ｈに摺動自在
に嵌装した外筒１０ｉと、前記内筒１０ｈに固設
されて内、外筒１０ｈ，１０ｉの嵌合部分まで覆
う筒状の保護カバー１０ｊとを備えている。そし
て、このねじ機構１０ｄは、前記内筒１０ｈの上
端部をブラケツト８ｃに突設した支軸１０ｋに遊
嵌し、ピン１０１により揺動自在に連結してあ
る。

これにより、前記ハンドル１０ｆを回動してナ
ツト部材１０ｇをねじ軸１０ｅに沿つて移動する
ことにより、内、外筒１０ａ，１０ｂを相対的に
伸張、縮小させて大型タイヤＷ，W₁の外径寸法
に合わせて荷物ハンガー８の高さ調整、即ち、ロ
アビーム８ｂからブラケツト８ｃに亘る高さを調
整できるようになつている。

一方、台車１の両側部の略中央部には、後端が
接地可能に回動自在に、かつ、略水平に軸支され
て、大型タイヤＷを台車１の側部に沿つて縦置き
に載置するトレー状のタイヤ載置部１２を側方へ
張り出して設けてある。

具体的には、台車１の側部には支軸１３を側方
に向けて水平に突出配置してあり、この支軸１３
に固設したブラケツト１４にタイヤ載置部１２を
回動自在に軸支してある。

このタイヤ載置部１２は、その一側部と台車１
の側部との間に跨つて設けた油圧シリンダ１５に
より回動される。

また、タイヤ載置部１２の後端部は上向きに傾
斜成形してあつて、接地させた時にこの後端部上
に大型タイヤＷを転動して乗り上げさせるように
してある。

台車１の運転席２の前方下側部には、第１，２
図に示すように大型タイヤＷの交換作業時に航空
機等の車軸のジヤツキアツプに用いられる可成り
の重量のある大型ジヤツキ１７の格納装置１８を
配設してある。

このジヤツキ格納装置１８は、台車１の前側下
部に後端が軸支されて、前端が接地可能に回動自
在に取付けられたＨ型状のアーム１９と、このア
ーム１９の中央部分と台車１との間に取付けられ
た油圧シリンダ２０とで構成してあり、前記アー
ム１９を前輪１ａの前方で油圧シリンダ２０によ
り路面上に接地させて、大型ジヤツキ１７を出し
入れできるようになつている。

このアーム１９の接地される一側端には、大型
ジヤツキ１７の頭部を載置する受け台１９ａを設
けてある。

２１は台車１の運転席２の前方で前記ジヤツキ
格納装置１８の上方を覆うカバーで、台車１の前
端部にヒンジ２２を介して上下方向に開閉自在に
取付けてある。

このカバー２１は、ジヤツキ格納装置１８の上
側および前側を覆う上壁部と前壁部を備えると共
に、該ジヤツキ格納装置１８の車幅方向両側を覆
う側壁部を備えており、この側壁部の一方をサブ
カバー２３として分割構成して、台車１の前端部
一側にヒンジ２２を介して車幅方向に開閉自在に
取付けてある。

なお、大型ジヤツキ１７はその後端部に操作ハ
ンドル１７ａを備え、格納時にはジヤツキ頭部側
へ折畳めるようになつている。

図中１１は台車１の両側部に各一対配設されて
荷役作業時に接地されるアウトリガー、１６は台
車１の側部に固設され、タイヤ載置部１２上に縦
置きに積載された大型タイヤＷを立て掛けて支持
するバツクレストフレームである。

以上の実施例構造によれば、荷物ハンガー５に
保持した大型タイヤＷを、台車１を目的地まで走
行して運搬し、デツキ後半部２ａ上から降して、
例えば航空機の車軸に装着する場合には、油圧シ
リンダ９ａを若干伸張作動すると、その駆動力は
上側のリンク６ａからアーム支軸６ｃを介して下
側のリンク６ｂに伝達され、上下リンク６ａ，６
ｂを同時に上方へ揺動してアーム支軸６ｃを支柱
５と平行に垂直に上方移動させる。

これにより、ハンガーアーム７に吊持された荷
物ハンガー８を大型タイヤＷごとデツキ後半部２
ａより持ち上げるから、平行リンク機構４を支柱
５を中心として手動操作により水平方向に回動す
ると共に、ハンガーアーム７をアーム支軸６ｃを
中心に同様に水平方向に回動すれば、例えば第
５，６図示のように荷物ハンガー８をデツキ２の
後方の所定位置にまで移動させることができる。

従つて、平行リンク機構４およびハンガーアー
ム７の水平方向の回動操作と、荷物ハンガー８の
フツクピン８ｄを中心とする水平方向の回動操作
により、大型タイヤＷを図外の航空機の車軸端の
側方に持来し、前記油圧シリンダ９ａを作動して
荷物ハンガー８を大型タイヤＷの中心が前記車軸
端の高さ位置になるように調節して、荷物ハンガ
ー８を大型タイヤＷごと該車軸端に向けて押動す
れば、大型タイヤＷを吊持した状態のまま車軸端
に容易に嵌合、装着することができる。

次に、車軸から古い大型タイヤＷを外して荷物
ハンガー８に取り込んでデツキ後半部２ａ上に積
載する時は、前述と同様にして荷物ハンガー８を
車軸に装着された大型タイヤＷの側方に持来し、
荷物ハンガー８を大型タイヤＷ側に押動して一対
の保持ローラＲ，Ｒを大型タイヤＷの下側に入り
込ませると共に、荷物ハンガー８を油圧シリンダ
９ａの作動により若干上方へ移動して、これら保
持ローラＲ，Ｒを大型タイヤＷの下側に当接させ
る（第５，６図参照）。

そして、大型タイヤＷの車軸との固定を外して
荷物ハンガー８ごと大型タイヤＷを車軸から離れ
る方向に移動すれば、大型タイヤＷをこれら保持
ローラＲ，Ｒ上にすくい取ることができるから、
後は前述の大型タイヤＷの装着時の作業を逆行す
ればよく、平行リンク機構４、ハンガーアーム
７、荷物ハンガー８をそれぞれの連結点を節とし
てデツキ後半部２ａ上にコンパクトに折畳んで、
荷物ハンガー８を平行リンク機構４と略平行の状
態で格納できる（第３，４図参照）。

また、同じように格納庫等の床面上に縦置きに
保管された大型タイヤＷを荷物ハンガー８に取り
込んでデツキ後半部２ａ上に積載する時も、荷物
ハンガー８を床面近くまで降し、前述と同様縦置
きに保管された大型タイヤＷの側方に持来して大
型タイヤＷ側に押動し、一対の保持ローラＲ，Ｒ
を大型タイヤＷの周側面にあてがつて、荷物ハン
ガー８を油圧シリンダ９ａの作動により上方へ移
動すれば、大型タイヤＷをこれら保持ローラＲ，
Ｒ上にすくい取ることができるから、後はハンガ
ーアーム７、平行リンク機構４、および荷物ハン
ガー８の水平方向の回動操作と、油圧シリンダ９
ａによる平行リンク機構４の上下方向揺動によ
り、大型タイヤＷを荷物ハンガー８ごとデツキ後
半部２ａ上に積載することができる。

一方、デツキ後半部２ａ上で荷物ハンガー８に
保持して積載した大型タイヤＷを、格納庫等の床
面上に降して縦置きに保管する場合は、前述のタ
イヤ取り込み作業を逆行すればよい。

次に、台車１の両側部に側方へ張り出したタイ
ヤ載置部１２上へ大型タイヤＷを載置する場合、
油圧シリンダ１５を作動してタイヤ載置部１２を
水平状態から下方へ回動し、後端部を第４図の鎖
線で示すように接地させる。そして、大型タイヤ
Ｗを路面上を転動させて該タイヤ載置部１２の後
端部上へ乗り上げさせ、この状態で油圧シリンダ
１５を作動してタイヤ載置部１２を元の水平状態
に回動、復帰させれば、大型タイヤＷを該タイヤ
載置部１２上にすくい取つて労力を要することな
く容易に縦置きに積載することができる。

ここで、前述のように台車１をそのデツキ後半
部２ａ上に平行リンク機構４、ハンガーアーム
７、荷物ハンガー８をコンパクトに折畳んだ状態
で走行移動する際に、該台車１の前側部のジヤツ
キ格納装置１８に大型ジヤツキ１７を積載、格納
しておけば、台車１の前後の荷重バランスがとれ
て走行安定性を確保することができると共に、大
型タイヤＷの交換作業時には、大型タイヤＷと共
に大型ジヤツキ１７を同時に運搬できるから、タ
イヤ交換作業の都度大型タイヤＷとは別に大型ジ
ヤツキ１７を作業現場まで運搬する手間が省け、
作業能率を向上することができる。

この大型ジヤツキ１７は前述のようにカバー２
１、サブカバー２３を開いて、ジヤツキ格納装置
１８を路面上に接地させることにより容易に出し
入れすることができる。特にサブカバー２３はカ
バー２１と分割して車幅方向に開閉自在であるた
め、作業現場の状況でカバー２１を上方に開放で
きないような場合でも、サブカバー２３を車幅方
向外側へ開放することによつて、大型ジヤツキ１
７を側方から容易に出し入れすることができて、
該大型ジヤツキの出し入れ作業の自由度を高める
ことができる。

考案の効果 以上のように本考案によれば、自走する台車を
走行して重量のある大型タイヤを目的の場所まで
容易に運搬できることは勿論、大型タイヤの積み
込みおよび荷降しに際しては、平行リンク機構、
ハンガーアームおよび荷物ハンガーの手動による
水平方向の回動操作と、駆動機構の作動による平
行リンク機構の上下揺動によつて、大型タイヤを
１人の作業者でも容易に積み込み、荷降しするこ
とができて、作業の省力化と迅速化を図ることが
できる。

特に、平行リンク機構は支柱を中心として水平
回動し、ハンガーアームはこの平行リンク機構の
アーム支軸に対して水平回動するから、これら平
行リンク機構、ハンガーアームの水平回動により
台車の移動調整を伴うことなく、荷物ハンガーを
デツキの左右側方、前後方向等、大型タイヤの所
定の積み込み位置又は荷降し位置に自由に伸び出
させることができて、荷役作業をより一層容易に
行うことができる。

また、台車の運転席前方にはジヤツキ格納装置
を前端が接地可能なように回動自在に装着して、
重量のある大型ジヤツキを容易に出し入れできる
ようにしてあるので、大型タイヤの運搬と共にそ
の交換作業時に使用される大型ジヤツキをも運搬
できるから、大型タイヤの交換作業能率を向上さ
せることができる。

しかも、このように台車の前側部に大型ジヤツ
キを積載できるから、この大型ジヤツキの積載に
より平行リンク機構、ハンガーアーム、荷物ハン
ガーを台車後部のデツキ上にコンパクトに折畳ん
で走行移動する際に、台車の前、後部の荷重バラ
ンスをとることができて、走行安定性を確保する
ことができる。

更に、このジヤツキ格納装置は上下方向に開閉
自在なカバーで覆われているため、走行移動時に
障害物との干渉から保護できると共に、該カバー
はその一方の側壁部をサブカバーとして分割して
車幅方向に開閉自在に取付けてあるため、作業現
場の状況によつてカバーを上方に開放できないよ
うな場合でも、サブカバーを車幅方向外側へ開放
することによつて大型ジヤツキの出し入れを行
え、出し入れ作業の自由度を拡大できる。

【図面の簡単な説明】

第１，２図は本考案の一実施例の台車前側部の
斜視図、第３図は同実施例の全体平面図、第４図
は同側面図、第５図は作業状態を示す平面図、第
６図は同側面図、第７図は高さ調整機構の断面
図、第８図は荷物ハンガーの側面図、第９図は従
来のリフターの斜視図である。 １……台車、３……デツキ、４……平行リンク
機構、５……支柱、６ａ……上側のリンク、６ｂ
……下側のリンク、６ｃ……アーム支軸、７……
ハンガーアーム、８……荷物ハンガー、８ａ……
フレーム、８ｂ……ロアビーム、９……駆動機
構、Ｒ……保持ローラ、１７……大型ジヤツキ、
１８……ジヤツキ格納装置、２１……カバー、２
３……サブカバー、Ｗ……大型タイヤ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 前側部に運転席を有し自走する台車の後部に大
   型タイヤを積載可能なデツキを形成し、このデツ
   キ上に回転自在に軸支した支柱の上下部に一対の
   リンクを軸支すると共に、これらリンクの自由端
   部間にアーム支軸をピン連結して支柱を中心にし
   て水平方向および上下方向に揺動自在に構成した
   平行リンク機構と、該平行リンク機構の支柱と上
   部のリンクとに跨つて配設されて、平行リンク機
   構を上下揺動する駆動機構と、平行リンク機構の
   アーム支軸に水平方向に回動自在に連結したハン
   ガーアームと、逆Ｕ字状のフレームの下端にロア
   ビームを跨設し、このロアビームに一対の保持ロ
   ーラを一側方に略水平に平行して突出配置し、前
   記ハンガーアームの自由端部に着脱自在に吊設さ
   れて、前記一対の保持ローラ上に跨つて大型タイ
   ヤを縦置きに保持する荷物ハンガーとを備え、か
   つ、前記台車の運転席前方には、前端が接地可能
   に回動自在に装着されて、大型ジヤツキを積載す
   るジヤツキ格納装置を設けると共に、上壁部と前
   壁部および車幅方向両側の側壁部とを備えて前記
   ジヤツキ格納装置を覆うカバーを上下方向に開閉
   自在に取付け、かつ、該カバーの一方の側壁部を
   分割してサブカバーとして、該サブカバーを車幅
   方向に開閉自在に取付けたことを特徴とする大型
   タイヤ運搬車両。