JPH0578199B2 - - Google Patents
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- JPH0578199B2 JPH0578199B2 JP62105533A JP10553387A JPH0578199B2 JP H0578199 B2 JPH0578199 B2 JP H0578199B2 JP 62105533 A JP62105533 A JP 62105533A JP 10553387 A JP10553387 A JP 10553387A JP H0578199 B2 JPH0578199 B2 JP H0578199B2
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Landscapes
- Non-Metallic Protective Coatings For Printed Circuits (AREA)
- Printing Elements For Providing Electric Connections Between Printed Circuits (AREA)
Description
(産業上の利用分野)
本発明は、各種電子機器等に用いられ、複数の
電子部品を実装するために使用されるプリント配
線板に関するものであり、特にそのコネクタ端子
部における絶縁被膜を工夫したプリント配線板に
関するものである。 (従来の技術) 従来、プリント配線板のコネクタ端子部は、銅
導体回路の絶縁被膜を形成し、前記銅導体回路の
絶縁被膜に被われていない所定の部分に、貴金属
めつきを施すことにより形成されるものである。 しかしながら、この方法にあつては、前記絶縁
被膜と貴金属めつきとの境界部において、前記絶
縁被膜が剥れ易いという問題点があつた。また、
前記境界部の絶縁被膜に被われた銅導体回路は、
プリント配線板の信頼性試験であるところの、硝
酸水溶液中での銅導体回路浸食試験において、最
も早く浸食される部位となる問題点をも有してい
た。 これらの欠点は、前記境界部において貴金属め
つきに対して充分に耐え得る絶縁被膜材料が市販
されていないこと、及び前記境界部における絶縁
被膜と貴金属めつきとの界面距離が短かいこと、
或いは一般に行われるスクリーン印刷法により形
成された絶縁被膜における境界部は、印刷ニジ
ミ、印刷ダレ等により、被膜厚みが薄いため、前
記信頼性試験における硝酸水溶液の浸入が容易で
あることに原因がある。 これに対して、銅導体回路を形成した後に所定
の部位に貴金属めつきを形成し、この貴金属めつ
きの一部にオーバーラツプさせるように絶縁被膜
を形成することにより、プリント配線板のコネク
タ端子部を形成する方法がある。この方法によ
り、前述した境界部における絶縁被膜の耐貴金属
めつき性の問題点、及び銅導体回路保護被膜とし
ての問題点が解決されたのである。 しかしながら、この方法にあつては、前述した
問題点とは別に、次のような問題点がある。 まず、プリント配線板のコネクタ端子部に、貴
金属めつきを形成した後に絶縁被膜を形成するた
め、前記絶縁被膜の銅導体回路上での密着性を確
保する為の銅導体回路の表面処理は、貴金属めつ
き形成後に行うことになり、前記貴金属めつき表
面にキズや汚染をもたらし、貴金属めつきの信頼
性を低下させる原因となる。 また、前記貴金属めつきの一部にオーバーラツ
プさせるように絶縁被膜を形成する際には、前記
絶縁被膜の位置ズレ及びニジミを考慮し、その分
だけ貴金属めつきを広く施しておく必要がある。
前記絶縁被膜の一般的な製法であるスクリーン印
刷法を例にあげれば、前記位置ズレ及びニジミは
0.3mm程であり、この値を考慮して広い面積に高
価な貴金属めつきを施さねばならず、プリント配
線板の製造コストを引き上げる原因となつている
のである。 さらに重要なのは、一般にこの種のプリント配
線板のコネクタ端子部は、他のプリント配線板等
に抜き差しして使用されるものであるから板厚方
向に大きな突出部を有していてはならないもので
あり、なるべく平坦状に形成しておく必要がある
ものである。このため、上記のように絶縁被膜の
位置ズレ及びニジミを考慮し、その分だけ貴金属
めつき等を広く施しておくことは、コネクタ端子
部を抜き差しする際の邪魔物となつて好ましくな
いのである。 (発明が解決しようとする問題点) 本発明は以上の実状に鑑みてなされたもので、
その解決しようとする問題点は、コネクタ端子部
における絶縁被膜及び貴金属めつきの信頼性の低
下、さらにプリント配線板としての高コスト化で
ある。 そして、本発明の目的とするところは、コネク
タ端子部における絶縁被膜の信頼性を、貴金属め
つきの信頼性を低下させることなく向上させた、
低コストなプリント配線板を提供することにあ
る。 (問題点を解決するための手段) 以上の問題点を解決するために、本発明が採つ
た手段は、実施例に対応する第1図及び第2図を
参照して説明すると、 「コネクタ端子部10と、このコネクタ端子部
10を露出する縁部において厚みが縁端に向かつ
て薄くなるように形成された絶縁被膜11とを有
し、コネクタ端子部10には貴金属メツキ13が
形成されるとともに、この貴金属メツキ13と絶
縁被膜11との境界部近傍上にのみ第2の絶縁被
膜12が形成されていることを特徴とするプリン
ト配線板100」 である。 次に、本発明を図面に基づいて詳細に説明す
る。 第1図には本発明に係るプリント配線板100
の斜視図が示してあり、第2図には第1図におけ
る−部の縦断面図が、また比較例として、第
4図及び第5図には従来技術によるコネクタ端子
部20の縦断面図が示してある。 第1図、第2図、第4図、及び第5図において
14及び24は、プリンント配線板100,20
0上の銅導体回路であり、紙フエノール、紙エポ
キシ、ガラスエポキシ、ガラストリアジン、或い
はガラスポリイミド、さらにはフレキシブル基
材、メタルコア基材という、一般にプリント配線
板基材として用いられる基材上に、銅箔及びまた
は銅めつきにより形成されてなる銅導体回路であ
る。 また、11及び21は、コネクタ端子部10,
20を除く銅導体回路14,24を保護する絶縁
被膜であり、一般には熱硬化型または紫外線硬化
型のソルダーレジストインクをスクリーン印刷法
を用いて塗布形成されるものである。そして、こ
れらの絶縁被膜11及び21は、その厚みが、例
えば実施例を示す第2図のように、コネクタ端子
部10を露出する縁部において縁端に向かつて薄
くなるように形成してあるものである。 また、13及び23は、コネクタ端子部10,
20の銅導体回路14,24上に無電解及びまた
は電解めつきにて形成される貴金属めつきであ
り、一般には銅導体回路14,24とこの貴金属
めつき13,23との間には、ニツケル層或いは
ニツケル合金層などが形成されている。 本発明に係る第1図及び第2図に示した12
は、本発明の目的を達成させる第2の絶縁被膜で
あり、この絶縁被膜12は、コネクタ端子部10
と絶縁被膜11との境界部近傍上にのみに形成さ
れたものである。また、この第2の絶縁被膜12
は、前記絶縁被膜11と同様にソルダーレジスト
インクの如き絶縁性樹脂により形成されたもので
あるが、特にプリント配線板の製造工程を増加さ
せない配慮から、文字印刷工程時に文字印刷イン
クにより形成され得るものである。 例えば、この第2の絶縁被膜12をスクリーン
印刷法を用いて形成する場合、この第2の絶縁被
膜12がプリント配線板100中に占める面積
が、絶縁被膜11のそれに比べ極くわずかなもの
であること、かつプリント配線板100の中での
コネクタ端子部10が位置する部位が、絶縁被膜
11のそれに比べ限られた部位であることから、
従来の印刷技術を用いても、当該第2の絶縁被膜
12の印刷時の位置ズレやニジミを小さくする配
慮が容易となり、位置精度が高く、かつ銅導体回
路保護膜としての信頼性が保証できる断面厚みを
もつたものとして形成されるのである。このこと
は、前記位置精度と断面厚みをより確実に得る手
段として、銅導体回路14間に充填されねばなら
ない絶縁被膜11を形成する材料には使用できな
い、流動性の少ない、すなわちニジミの少ない高
粘度材料を使用する手段であることを示すもので
ある。 換言すれば、絶縁基材11を形成するための材
料としては、各導体回路14間にも十分充填する
ことができてこれらの保護を確実にしなければな
らない必要上、粘性が比較的低い材料を使用しな
ければならないものであるが、このような材料に
よつて絶縁基材11が形成されてしまえば、第2
の絶縁被膜12を形成する材料としては周囲への
ニジミの少ない高粘度材料をむしろ積極的に採用
しているものなのである。 また、本発明に係るプリント配線板100の別
の実施例を第3図に示す。この図に示すように、
本発明のプリント配線板100のコネクタ端子部
10は、直線形状に限つたものではない。 (発明の作用) 本発明が以上のような手段を採ることによつ
て、以下のような作用がある。 まず、従来技術の一つである銅導体回路24上
に、絶縁被膜21を形成した後に貴金属めつき2
3を形成することにより得られる第4図のコネク
タ端子部20では、絶縁被膜21が貴金属めつき
23との境界部のみにおいて、銅導体回路24と
の密着性が劣化し、剥がれ易いという欠点があつ
たが、本発明の第2の絶縁被膜12を形成するこ
とにより、この第2の絶縁被膜12が絶縁被膜1
1の剥がれ易い部位を覆うため、剥がれを生じさ
せるような外力に耐えるようになる。 また、この絶縁被膜11は、その厚みがコネク
タ端子部10を露出する縁部において縁端に向か
つて薄くなるように形成してあるから、これを使
用しながらコネクタ端子部10を構成した場合
に、板厚方向においてこれに大きく突出する部分
を形成しないのである。従つて、コネクタ端子部
10を他のプリント配線板等に対して抜き差しし
て使用する場合に、この絶縁被膜11を使用して
構成したコネクタ端子部10は全く邪魔物とはな
らないものとなつているのである。 さらに、この第2の絶縁被膜12は、境界部に
おいて、被膜のダレなどにより薄くなつた絶縁被
膜11上に形成され、さらに境界部の貴金属めつ
き13上にも形成されるため、コネクタ端子信頼
性試験である硝酸水溶液の浸入による銅導体回路
14の浸食を受けにくくしている。 また、もう一つの従来技術である銅導体回路2
4上の所定の部位に貴金属めつき23を形成した
後に、この貴金属めつき23にオーバーラツプさ
せて絶縁被膜21を形成することにより得られる
第5図のコネクタ端子部20では、絶縁被膜21
を形成する前処理が貴金属めつき23表面にキズ
をつけ、コネクタ端子部20としての信頼性を低
下させるという欠点があつたが、本発明のプリン
ト配線板100にあつては、貴金属めつきを施し
た後に形成する第2の絶縁被膜12は、樹脂対樹
脂及び樹脂対貴金属面であるため、前処理なしで
も密着力に問題がなく、その表面にキズをつける
ような前処理を必要としない。すなわち、貴金属
めつき12のコネクタ端子部10としての良好な
信頼性を保持し得るのである。 さらに、この従来技術では貴金属めつきは高価
であるにもかかわらず、絶縁被膜11の位置精度
を考慮して大きめに形成する必要があり、プリン
ト配線板100としての製造コストを大きく引き
上げていたが、本発明による第2の絶縁被膜12
は、その形成し易さや材質から前記絶縁被膜11
に比べ位置精度よく形成できるため、余分な貴金
属めつき12の面積を小さくし、コストの増加を
大きく改善できるのである。 そして、重要なことは、その第2の絶縁被膜1
2は、当該プリント配線板100をその各コネク
タ端子部12にて他の基板のコネクタに差し込ん
で電気的接続を行う場合に、比較的弱くかつ露出
した状態にある絶縁被膜11の端部を保護してい
るのである。つまり、この種のコネクタ端子部1
0及びそのプリント配線板100においては、そ
の各コネクタ端子部10及びその近傍の絶縁被膜
11を露出させたまま取扱われるものであるが、
その取扱いの際の保護を、第2の絶縁被膜12が
確実に行つているのである。 次に、本発明を各実施例によつてより詳細に説
明する。 (実施例) ・実施例 1 ガラスエポキシ基材からなるプリント配線板の
銅導体回路上に、絶縁被膜として硬化後厚みが
20μmとなる熱硬化型エポキシ樹脂系のソルダー
レジストインクを印刷・硬化し、コネクタ端子部
に厚さ5μmのニツケルめつきと、厚さ0.5μmの金
めつきとを形成した後、ソルダーレジスト被膜と
金めつきとの境界部近傍上にのみ、第2の絶縁被
膜として硬化後厚みが20μmとなるソルダーレジ
ストインクを印刷・硬化し、最後に文字印刷イン
クを印刷・硬化して、プリント配線板とした。 ・実施例 2 実施例1におけるプリント配線板において、絶
縁被膜及び第2の絶縁被膜の硬化後厚みが20μm
となる熱硬化型ビスマレイミドトリアジン樹脂系
のソルダーレジストインクを用い、コネクタ端子
部に形成する貴金属めつきには、厚さ5μmのニ
ツケルめつき上に厚さ0.5μmのロジウムめつきが
形成されているプリント配線板。 ・実施例 3 実施例1におけるプリント配線板において、絶
縁被膜として硬化後厚み20μmとなる熱硬化型エ
ポキシ樹脂系のソルダーレジストインクを印刷・
硬化し、また第2の絶縁被膜として硬化後厚みが
20μmとなる文字印刷インクを文字印刷と同時に
印刷・硬化してなるプリント配線板。 ・比較例 1 ガラスエポキシ基材からなる多層プリント配線
板の銅導体回路上に、絶縁被膜として硬化後厚み
20μmとなる熱硬化型エポキシ樹脂系のソルダー
レジストインク及び文字印刷インクを印刷・硬化
し、コネクタ端子部に厚さ5μmのニツケルめつ
きと厚さ0.5μmの金めつきを形成してなるプリン
ト配線板。 ・比較例 2 ガラスエポキシ基材からなるプリント配線板の
銅導体回路上所定の部位に、厚さ5μmのニツケ
ルめつきと厚さ0.5μmの金めつきとを形成した後
ブラシ研磨を行い、金めつき一部にオーバーラツ
プさせて銅導体回路上に絶縁被膜としての熱硬化
型エポキシ樹脂系のソルダーレジストインク及び
文字印刷インクを印刷・硬化してなるプリント配
線板。 以上の実施例及び比較例に示したプリント配線
板において、そのコネクタ端子部の品質信頼性評
価を行つた結果を表に示す。
電子部品を実装するために使用されるプリント配
線板に関するものであり、特にそのコネクタ端子
部における絶縁被膜を工夫したプリント配線板に
関するものである。 (従来の技術) 従来、プリント配線板のコネクタ端子部は、銅
導体回路の絶縁被膜を形成し、前記銅導体回路の
絶縁被膜に被われていない所定の部分に、貴金属
めつきを施すことにより形成されるものである。 しかしながら、この方法にあつては、前記絶縁
被膜と貴金属めつきとの境界部において、前記絶
縁被膜が剥れ易いという問題点があつた。また、
前記境界部の絶縁被膜に被われた銅導体回路は、
プリント配線板の信頼性試験であるところの、硝
酸水溶液中での銅導体回路浸食試験において、最
も早く浸食される部位となる問題点をも有してい
た。 これらの欠点は、前記境界部において貴金属め
つきに対して充分に耐え得る絶縁被膜材料が市販
されていないこと、及び前記境界部における絶縁
被膜と貴金属めつきとの界面距離が短かいこと、
或いは一般に行われるスクリーン印刷法により形
成された絶縁被膜における境界部は、印刷ニジ
ミ、印刷ダレ等により、被膜厚みが薄いため、前
記信頼性試験における硝酸水溶液の浸入が容易で
あることに原因がある。 これに対して、銅導体回路を形成した後に所定
の部位に貴金属めつきを形成し、この貴金属めつ
きの一部にオーバーラツプさせるように絶縁被膜
を形成することにより、プリント配線板のコネク
タ端子部を形成する方法がある。この方法によ
り、前述した境界部における絶縁被膜の耐貴金属
めつき性の問題点、及び銅導体回路保護被膜とし
ての問題点が解決されたのである。 しかしながら、この方法にあつては、前述した
問題点とは別に、次のような問題点がある。 まず、プリント配線板のコネクタ端子部に、貴
金属めつきを形成した後に絶縁被膜を形成するた
め、前記絶縁被膜の銅導体回路上での密着性を確
保する為の銅導体回路の表面処理は、貴金属めつ
き形成後に行うことになり、前記貴金属めつき表
面にキズや汚染をもたらし、貴金属めつきの信頼
性を低下させる原因となる。 また、前記貴金属めつきの一部にオーバーラツ
プさせるように絶縁被膜を形成する際には、前記
絶縁被膜の位置ズレ及びニジミを考慮し、その分
だけ貴金属めつきを広く施しておく必要がある。
前記絶縁被膜の一般的な製法であるスクリーン印
刷法を例にあげれば、前記位置ズレ及びニジミは
0.3mm程であり、この値を考慮して広い面積に高
価な貴金属めつきを施さねばならず、プリント配
線板の製造コストを引き上げる原因となつている
のである。 さらに重要なのは、一般にこの種のプリント配
線板のコネクタ端子部は、他のプリント配線板等
に抜き差しして使用されるものであるから板厚方
向に大きな突出部を有していてはならないもので
あり、なるべく平坦状に形成しておく必要がある
ものである。このため、上記のように絶縁被膜の
位置ズレ及びニジミを考慮し、その分だけ貴金属
めつき等を広く施しておくことは、コネクタ端子
部を抜き差しする際の邪魔物となつて好ましくな
いのである。 (発明が解決しようとする問題点) 本発明は以上の実状に鑑みてなされたもので、
その解決しようとする問題点は、コネクタ端子部
における絶縁被膜及び貴金属めつきの信頼性の低
下、さらにプリント配線板としての高コスト化で
ある。 そして、本発明の目的とするところは、コネク
タ端子部における絶縁被膜の信頼性を、貴金属め
つきの信頼性を低下させることなく向上させた、
低コストなプリント配線板を提供することにあ
る。 (問題点を解決するための手段) 以上の問題点を解決するために、本発明が採つ
た手段は、実施例に対応する第1図及び第2図を
参照して説明すると、 「コネクタ端子部10と、このコネクタ端子部
10を露出する縁部において厚みが縁端に向かつ
て薄くなるように形成された絶縁被膜11とを有
し、コネクタ端子部10には貴金属メツキ13が
形成されるとともに、この貴金属メツキ13と絶
縁被膜11との境界部近傍上にのみ第2の絶縁被
膜12が形成されていることを特徴とするプリン
ト配線板100」 である。 次に、本発明を図面に基づいて詳細に説明す
る。 第1図には本発明に係るプリント配線板100
の斜視図が示してあり、第2図には第1図におけ
る−部の縦断面図が、また比較例として、第
4図及び第5図には従来技術によるコネクタ端子
部20の縦断面図が示してある。 第1図、第2図、第4図、及び第5図において
14及び24は、プリンント配線板100,20
0上の銅導体回路であり、紙フエノール、紙エポ
キシ、ガラスエポキシ、ガラストリアジン、或い
はガラスポリイミド、さらにはフレキシブル基
材、メタルコア基材という、一般にプリント配線
板基材として用いられる基材上に、銅箔及びまた
は銅めつきにより形成されてなる銅導体回路であ
る。 また、11及び21は、コネクタ端子部10,
20を除く銅導体回路14,24を保護する絶縁
被膜であり、一般には熱硬化型または紫外線硬化
型のソルダーレジストインクをスクリーン印刷法
を用いて塗布形成されるものである。そして、こ
れらの絶縁被膜11及び21は、その厚みが、例
えば実施例を示す第2図のように、コネクタ端子
部10を露出する縁部において縁端に向かつて薄
くなるように形成してあるものである。 また、13及び23は、コネクタ端子部10,
20の銅導体回路14,24上に無電解及びまた
は電解めつきにて形成される貴金属めつきであ
り、一般には銅導体回路14,24とこの貴金属
めつき13,23との間には、ニツケル層或いは
ニツケル合金層などが形成されている。 本発明に係る第1図及び第2図に示した12
は、本発明の目的を達成させる第2の絶縁被膜で
あり、この絶縁被膜12は、コネクタ端子部10
と絶縁被膜11との境界部近傍上にのみに形成さ
れたものである。また、この第2の絶縁被膜12
は、前記絶縁被膜11と同様にソルダーレジスト
インクの如き絶縁性樹脂により形成されたもので
あるが、特にプリント配線板の製造工程を増加さ
せない配慮から、文字印刷工程時に文字印刷イン
クにより形成され得るものである。 例えば、この第2の絶縁被膜12をスクリーン
印刷法を用いて形成する場合、この第2の絶縁被
膜12がプリント配線板100中に占める面積
が、絶縁被膜11のそれに比べ極くわずかなもの
であること、かつプリント配線板100の中での
コネクタ端子部10が位置する部位が、絶縁被膜
11のそれに比べ限られた部位であることから、
従来の印刷技術を用いても、当該第2の絶縁被膜
12の印刷時の位置ズレやニジミを小さくする配
慮が容易となり、位置精度が高く、かつ銅導体回
路保護膜としての信頼性が保証できる断面厚みを
もつたものとして形成されるのである。このこと
は、前記位置精度と断面厚みをより確実に得る手
段として、銅導体回路14間に充填されねばなら
ない絶縁被膜11を形成する材料には使用できな
い、流動性の少ない、すなわちニジミの少ない高
粘度材料を使用する手段であることを示すもので
ある。 換言すれば、絶縁基材11を形成するための材
料としては、各導体回路14間にも十分充填する
ことができてこれらの保護を確実にしなければな
らない必要上、粘性が比較的低い材料を使用しな
ければならないものであるが、このような材料に
よつて絶縁基材11が形成されてしまえば、第2
の絶縁被膜12を形成する材料としては周囲への
ニジミの少ない高粘度材料をむしろ積極的に採用
しているものなのである。 また、本発明に係るプリント配線板100の別
の実施例を第3図に示す。この図に示すように、
本発明のプリント配線板100のコネクタ端子部
10は、直線形状に限つたものではない。 (発明の作用) 本発明が以上のような手段を採ることによつ
て、以下のような作用がある。 まず、従来技術の一つである銅導体回路24上
に、絶縁被膜21を形成した後に貴金属めつき2
3を形成することにより得られる第4図のコネク
タ端子部20では、絶縁被膜21が貴金属めつき
23との境界部のみにおいて、銅導体回路24と
の密着性が劣化し、剥がれ易いという欠点があつ
たが、本発明の第2の絶縁被膜12を形成するこ
とにより、この第2の絶縁被膜12が絶縁被膜1
1の剥がれ易い部位を覆うため、剥がれを生じさ
せるような外力に耐えるようになる。 また、この絶縁被膜11は、その厚みがコネク
タ端子部10を露出する縁部において縁端に向か
つて薄くなるように形成してあるから、これを使
用しながらコネクタ端子部10を構成した場合
に、板厚方向においてこれに大きく突出する部分
を形成しないのである。従つて、コネクタ端子部
10を他のプリント配線板等に対して抜き差しし
て使用する場合に、この絶縁被膜11を使用して
構成したコネクタ端子部10は全く邪魔物とはな
らないものとなつているのである。 さらに、この第2の絶縁被膜12は、境界部に
おいて、被膜のダレなどにより薄くなつた絶縁被
膜11上に形成され、さらに境界部の貴金属めつ
き13上にも形成されるため、コネクタ端子信頼
性試験である硝酸水溶液の浸入による銅導体回路
14の浸食を受けにくくしている。 また、もう一つの従来技術である銅導体回路2
4上の所定の部位に貴金属めつき23を形成した
後に、この貴金属めつき23にオーバーラツプさ
せて絶縁被膜21を形成することにより得られる
第5図のコネクタ端子部20では、絶縁被膜21
を形成する前処理が貴金属めつき23表面にキズ
をつけ、コネクタ端子部20としての信頼性を低
下させるという欠点があつたが、本発明のプリン
ト配線板100にあつては、貴金属めつきを施し
た後に形成する第2の絶縁被膜12は、樹脂対樹
脂及び樹脂対貴金属面であるため、前処理なしで
も密着力に問題がなく、その表面にキズをつける
ような前処理を必要としない。すなわち、貴金属
めつき12のコネクタ端子部10としての良好な
信頼性を保持し得るのである。 さらに、この従来技術では貴金属めつきは高価
であるにもかかわらず、絶縁被膜11の位置精度
を考慮して大きめに形成する必要があり、プリン
ト配線板100としての製造コストを大きく引き
上げていたが、本発明による第2の絶縁被膜12
は、その形成し易さや材質から前記絶縁被膜11
に比べ位置精度よく形成できるため、余分な貴金
属めつき12の面積を小さくし、コストの増加を
大きく改善できるのである。 そして、重要なことは、その第2の絶縁被膜1
2は、当該プリント配線板100をその各コネク
タ端子部12にて他の基板のコネクタに差し込ん
で電気的接続を行う場合に、比較的弱くかつ露出
した状態にある絶縁被膜11の端部を保護してい
るのである。つまり、この種のコネクタ端子部1
0及びそのプリント配線板100においては、そ
の各コネクタ端子部10及びその近傍の絶縁被膜
11を露出させたまま取扱われるものであるが、
その取扱いの際の保護を、第2の絶縁被膜12が
確実に行つているのである。 次に、本発明を各実施例によつてより詳細に説
明する。 (実施例) ・実施例 1 ガラスエポキシ基材からなるプリント配線板の
銅導体回路上に、絶縁被膜として硬化後厚みが
20μmとなる熱硬化型エポキシ樹脂系のソルダー
レジストインクを印刷・硬化し、コネクタ端子部
に厚さ5μmのニツケルめつきと、厚さ0.5μmの金
めつきとを形成した後、ソルダーレジスト被膜と
金めつきとの境界部近傍上にのみ、第2の絶縁被
膜として硬化後厚みが20μmとなるソルダーレジ
ストインクを印刷・硬化し、最後に文字印刷イン
クを印刷・硬化して、プリント配線板とした。 ・実施例 2 実施例1におけるプリント配線板において、絶
縁被膜及び第2の絶縁被膜の硬化後厚みが20μm
となる熱硬化型ビスマレイミドトリアジン樹脂系
のソルダーレジストインクを用い、コネクタ端子
部に形成する貴金属めつきには、厚さ5μmのニ
ツケルめつき上に厚さ0.5μmのロジウムめつきが
形成されているプリント配線板。 ・実施例 3 実施例1におけるプリント配線板において、絶
縁被膜として硬化後厚み20μmとなる熱硬化型エ
ポキシ樹脂系のソルダーレジストインクを印刷・
硬化し、また第2の絶縁被膜として硬化後厚みが
20μmとなる文字印刷インクを文字印刷と同時に
印刷・硬化してなるプリント配線板。 ・比較例 1 ガラスエポキシ基材からなる多層プリント配線
板の銅導体回路上に、絶縁被膜として硬化後厚み
20μmとなる熱硬化型エポキシ樹脂系のソルダー
レジストインク及び文字印刷インクを印刷・硬化
し、コネクタ端子部に厚さ5μmのニツケルめつ
きと厚さ0.5μmの金めつきを形成してなるプリン
ト配線板。 ・比較例 2 ガラスエポキシ基材からなるプリント配線板の
銅導体回路上所定の部位に、厚さ5μmのニツケ
ルめつきと厚さ0.5μmの金めつきとを形成した後
ブラシ研磨を行い、金めつき一部にオーバーラツ
プさせて銅導体回路上に絶縁被膜としての熱硬化
型エポキシ樹脂系のソルダーレジストインク及び
文字印刷インクを印刷・硬化してなるプリント配
線板。 以上の実施例及び比較例に示したプリント配線
板において、そのコネクタ端子部の品質信頼性評
価を行つた結果を表に示す。
【表】
評価方法
(1) テープテスト
コネクタ端子部の絶縁被膜と貴金属めつきと
の境界部近傍上にのみに、幅18mmのセロハン粘
着テープ(ニチバン(株)製、品番No.405)を貼着
し、直ちにテープの一端を被膜面に対して直角
に保ち、瞬間的に引き剥す。20倍の実体顕微鏡
にて絶縁被膜または貴金属めつきの剥れの有無
を観察する。 (2) 硝酸水溶液浸漬試験 コネクタ端子部の絶縁被膜と貴金属めつきの
境界部を5規定の硝酸水溶液(20±5℃)に10
分間浸漬し、水洗、乾燥後、上記テープテスト
を行う。 (発明の効果) 以上、詳述した通り、本発明に係るプリント配
線板にあつては、 「コネクタ端子部10と、このコネクタ端子部
10を露出する縁部において厚みが縁端に向かつ
て薄くなるように形成された絶縁被膜11とを有
し、コネクタ端子部10には貴金属メツキ13が
形成されるとともに、この貴金属メツキ13と絶
縁被膜11との境界部近傍上にのみ第2の絶縁被
膜12が形成されていること」 にその特徴があり、これによりコネクタ端子部に
おける絶縁被膜の信頼性を、貴金属めつきの信頼
性を低下させることなく向上させたプリント配線
板を提供することができる。 また、第2の絶縁被膜を文字印刷インクの印刷
と同時に形成することにより、従来のプリント配
線板の製造工程をそのまま使用でき、製造工程数
を増加しないので、製造コストを上げることなく
信頼性の高いプリント配線板ができるのである。 さらに、本発明によれば、その絶縁被膜11と
して、その厚みがコネクタ端子部10を露出する
縁部において縁端に向かつて薄くなるものを採用
しているから、コネクタ端子部10を大きく突出
させることを防止することができて、このコネク
タ端子部10を他のプリント配線板等に対して抜
き差しして使用する場合の、絶縁被膜11及び第
2の絶縁被膜12の損傷を防止することができ
て、絶縁被膜の信頼性を向上させたプリント配線
板を提供することができるのである。
の境界部近傍上にのみに、幅18mmのセロハン粘
着テープ(ニチバン(株)製、品番No.405)を貼着
し、直ちにテープの一端を被膜面に対して直角
に保ち、瞬間的に引き剥す。20倍の実体顕微鏡
にて絶縁被膜または貴金属めつきの剥れの有無
を観察する。 (2) 硝酸水溶液浸漬試験 コネクタ端子部の絶縁被膜と貴金属めつきの
境界部を5規定の硝酸水溶液(20±5℃)に10
分間浸漬し、水洗、乾燥後、上記テープテスト
を行う。 (発明の効果) 以上、詳述した通り、本発明に係るプリント配
線板にあつては、 「コネクタ端子部10と、このコネクタ端子部
10を露出する縁部において厚みが縁端に向かつ
て薄くなるように形成された絶縁被膜11とを有
し、コネクタ端子部10には貴金属メツキ13が
形成されるとともに、この貴金属メツキ13と絶
縁被膜11との境界部近傍上にのみ第2の絶縁被
膜12が形成されていること」 にその特徴があり、これによりコネクタ端子部に
おける絶縁被膜の信頼性を、貴金属めつきの信頼
性を低下させることなく向上させたプリント配線
板を提供することができる。 また、第2の絶縁被膜を文字印刷インクの印刷
と同時に形成することにより、従来のプリント配
線板の製造工程をそのまま使用でき、製造工程数
を増加しないので、製造コストを上げることなく
信頼性の高いプリント配線板ができるのである。 さらに、本発明によれば、その絶縁被膜11と
して、その厚みがコネクタ端子部10を露出する
縁部において縁端に向かつて薄くなるものを採用
しているから、コネクタ端子部10を大きく突出
させることを防止することができて、このコネク
タ端子部10を他のプリント配線板等に対して抜
き差しして使用する場合の、絶縁被膜11及び第
2の絶縁被膜12の損傷を防止することができ
て、絶縁被膜の信頼性を向上させたプリント配線
板を提供することができるのである。
第1図は本発明に係るプリント配線板のコネク
タ端子部を示す斜視図、第2図は第1図の−
線に沿つてみた縦断面図、第3図は本発明に係る
別のプリント配線板を示す斜視図、第4図は従来
の技術における貴金属めつきを形成する前にのみ
絶縁被膜を形成したプリント配線板のコネクタ端
子部を示す縦断面図、第5図は従来の技術におけ
る貴金属めつきを形成した後にのみ絶縁被膜を形
成したプリント配線板のコネクタ端子部を示す縦
断面図である。 符号の説明、100……プリント配線板、1
0,20……コネクタ端子部、11,21……絶
縁被膜、12……第2の絶縁被膜、13,23…
…貴金属めつき、14,24……銅導体回路。
タ端子部を示す斜視図、第2図は第1図の−
線に沿つてみた縦断面図、第3図は本発明に係る
別のプリント配線板を示す斜視図、第4図は従来
の技術における貴金属めつきを形成する前にのみ
絶縁被膜を形成したプリント配線板のコネクタ端
子部を示す縦断面図、第5図は従来の技術におけ
る貴金属めつきを形成した後にのみ絶縁被膜を形
成したプリント配線板のコネクタ端子部を示す縦
断面図である。 符号の説明、100……プリント配線板、1
0,20……コネクタ端子部、11,21……絶
縁被膜、12……第2の絶縁被膜、13,23…
…貴金属めつき、14,24……銅導体回路。
Claims (1)
- 1 コネクタ端子部と、このコネクタ端子部を露
出する縁部において厚みが縁端に向かつて薄くな
るように形成された絶縁被膜とを有し、前記コネ
クタ端子部には貴金属メツキが形成されるととも
に、この貴金属メツキと前絶縁被膜との境界部近
傍上にのみ第2の絶縁被膜が形成されていること
を特徴とするプリント配線板。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10553387A JPS63271997A (ja) | 1987-04-28 | 1987-04-28 | プリント配線板 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10553387A JPS63271997A (ja) | 1987-04-28 | 1987-04-28 | プリント配線板 |
Related Child Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4152977A Division JPH06105827B2 (ja) | 1992-05-19 | 1992-05-19 | プリント配線板 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS63271997A JPS63271997A (ja) | 1988-11-09 |
JPH0578199B2 true JPH0578199B2 (ja) | 1993-10-28 |
Family
ID=14410227
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10553387A Granted JPS63271997A (ja) | 1987-04-28 | 1987-04-28 | プリント配線板 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS63271997A (ja) |
Families Citing this family (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2947563B2 (ja) * | 1989-04-12 | 1999-09-13 | 株式会社日立製作所 | 半導体装置 |
JP2838538B2 (ja) * | 1989-05-09 | 1998-12-16 | イビデン株式会社 | プリント配線板 |
JPH06252550A (ja) * | 1993-02-26 | 1994-09-09 | Matsushita Electric Works Ltd | プリント配線板の製造方法 |
JP2010267693A (ja) * | 2009-05-13 | 2010-11-25 | Toray Ind Inc | ソルダーレジストの形成方法及び回路基板 |
JP5561110B2 (ja) * | 2010-11-10 | 2014-07-30 | 日本電気株式会社 | 多層配線体の構造および製造方法 |
KR20140033700A (ko) * | 2012-09-10 | 2014-03-19 | 삼성전기주식회사 | 회로기판 및 이의 제조방법 |
Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS6350864U (ja) * | 1986-09-19 | 1988-04-06 |
-
1987
- 1987-04-28 JP JP10553387A patent/JPS63271997A/ja active Granted
Patent Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS6350864U (ja) * | 1986-09-19 | 1988-04-06 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS63271997A (ja) | 1988-11-09 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |