JPH0577195A - テープ電線用スリツト装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【構成】 回転支軸１３の外周に、多数の丸刃カッター
１４を固定する。回転支軸１３の外周の、当該丸刃カッ
ター１４の両側には、弾性的に縮径可能な押圧ローラＲ
を設ける。この押圧ローラＲは、ワークＷのスリット裁
断時に上記丸刃カッター１４に先立って上記ワークＷを
溝付金型１２の載置面に押圧するためのものである。 【効果】 ワークＷを溝付金型１２の載置面Ｓに押付け
ながら丸刃カッター１４によるスリット裁断作業を完了
することができるので、丸刃カッター１４がワークＷを
スリット裁断するときに大きな抵抗力が作用しても、ワ
ークＷが載置面Ｓ上でずれることを防止することが可能
になり、正確なスリット裁断を行なうことできる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明はテープ電線用スリット装
置に関し、より詳細には、平行に配列された多数の電線
をラミネートして構成されたラミネート体を多数のテー
プ電線にスリット裁断するためのテープ電線用スリット
装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】一般に本発明に係るテープ電線は、平行
に配列された多数の電線をラミネートして構成されたラ
ミネート体を、上記電線の長手方向と平行にスリット裁
断することにより量産されており、上記ラミネート体を
スリット裁断を行なうためのスリット装置としては、図
４に示す構成のものが一般に使用されている。

【０００３】その構造では、複数条の溝５１を載置面Ｓ
に有する溝付金型５２と、溝付金型５２の上方に、上下
方向に接近離反可能に配置され、当該溝５１と直交する
方向に延びると共に、上記溝５１の長手方向に沿い往復
移動可能な回転支軸５３と、回転支軸５３の外周の、上
記溝５１に対向する部位に固定される丸刃カッター５４
とを備えている。

【０００４】上記溝付金型５２は、内部が中空になって
おり、その内部は図示しない孔によって上記載置面Ｓと
連通している。さらに溝付金型５２の内部には、負圧発
生装置により負圧が生じるように構成されている。また
回転支軸５３は、軸受箱５５により回転自在に軸支され
ており、図示しない駆動機構によって高速回転可能な構
成となっている。

【０００５】以上構成のスリット装置５０を用いてテー
プ電線を製造するには、先ず、予め成形されたラミネー
ト体Ｗを溝付金型載置面Ｓの所定の位置に載置し、上記
負圧発生装置により溝付金型５２の内部に負圧を発生さ
せ、載置面Ｓの孔からラミネート体Ｗに作用する真空吸
着力によってラミネート体Ｗを載置面Ｓに固定する。次
に軸受箱５５を駆動し、回転支軸５３の中心から溝付金
型５２の載置面Ｓ迄の高さｈを適切に定めて溝５１の長
手方向にのみ移動可能にセットする。その状態で、回転
支軸５３を回転させながら矢印Ａ方向に移動させること
により、丸刃カッター５４によりラミネート体Ｗをスリ
ット裁断する。なおラミネート体Ｗの両端は、捨て線Ｗ
１である。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】以上の構成では、負圧
発生装置により生じる真空吸着力によってラミネート体
Ｗを溝付金型５２の載置面Ｓに固定していただけなの
で、丸刃カッター５４がラミネート体Ｗをスリット裁断
するときの抵抗力により、ラミネート体Ｗが載置面Ｓ上
でずれることにより、正確なスリット裁断を行なうこと
が困難になり、不良品が発生する場合もあった。

【０００７】本発明は上記問題点に鑑みてなされたもの
で、正確なスリット裁断を行なうことのできる廉価なテ
ープ電線用スリット装置を提供することを目的としてい
る。

【０００８】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明のテープ電線用スリット装置は、複数条の溝を
ワークの載置面に有する溝付金型と、溝付金型の上方
に、上下方向に接近離反可能に配置され、当該溝と直交
する方向に延びると共に、上記溝の長手方向に沿って往
復移動可能な回転支軸と、回転支軸の外周の、上記溝に
対向する部位に固定される丸刃カッターとを備え、上記
回転支軸の外周の、当該丸刃カッターの両側に配置さ
れ、ワークのスリット裁断時に、上記丸刃カッターに先
立って上記ワークを溝付金型の載置面に押圧する、弾性
的に縮径可能な押圧ローラを設けていることを特徴とし
ている。

【０００９】

【作用】上記構成のテープ電線用スリット装置によれ
ば、丸刃カッター間に配設された押圧ローラが、弾性的
に縮径しながら丸刃カッターのスリット裁断に先立って
ラミネート体を溝付金型の載置面に押圧するので、ラミ
ネート体を溝付金型の載置面に押付けながら丸刃カッタ
ーによるスリット裁断作業を完了することができる。

【００１０】

【実施例】以下、添付図面を参照しつつ本発明の好まし
い実施例について詳述する。図１は本発明の一実施例に
おけるスリット装置１０の断面図であり、図２は、その
要部拡大図である。これらの図を参照して、本実施例に
おけるスリット装置１０は、複数条の溝１１を載置面Ｓ
に有する溝付金型１２と、溝付金型１２の上方に、上下
に接近離反可能に配置され、当該溝１１と直交する方向
に延びると共に、上記溝１１の長手方向に沿い往復移動
可能な回転支軸１３と、回転支軸１３の外周の、上記溝
１１に対向する部位に固定される丸刃カッター１４とを
備えている。

【００１１】上記溝付金型１２は、内部が中空になって
おり、そのチェンバ１２ａは、溝付金型１２の上部に穿
設された多数の孔１２ｂによって、上記載置面Ｓと連通
している。さらに上記チェンバ１２ａには、溝付金型１
２の下部に穿設された孔１２ｃを介して、負圧発生装置
Ｖが接続している。この負圧発生装置Ｖは、スリット裁
断時にチェンバ１２ａ内に負圧を発生させ、それにより
載置面Ｓ上に載置された、ワークとしてのラミネート体
Ｗに孔１２ｂを介して負圧吸引力を作用させることによ
り、上記ラミネート体Ｗを載置面Ｓに固定するためのも
のである。

【００１２】上記回転支軸１３は、基端部１３ａ側が大
径になっており、この大径の基端部１３ａが一対の軸受
１５ａを介して軸受箱１５に回転自在に軸支されてい
る。そして従来の構成と同様に、図示しない駆動機構に
よって高速回転可能な構成となっている。他方、回転支
軸１３の小径の自由端１３ｂ側には、多数の第１のスペ
ーサ１６と上記丸刃カッター１４とがこの順番で交互に
嵌合している。上記第１のスペーサ１６の外周には、軸
受Ｂの内輪Ｂ１と、上記内輪Ｂ１の両側に配置された第
２のスペーサ１７とが嵌合している。上記第２のスペー
サ１７は、軸受Ｂと丸刃カッター１４とが干渉しないよ
うにするためのものである。そして回転支軸１３の先端
にナット１８を螺合させることにより、上記第１のスペ
ーサ１６と丸刃カッター１４とを、回転支軸基端部１３
ａの自由端部１３ｂ側端面ａとの間で挟持すると共に、
上記第２のスペーサ１７と内輪Ｂ１と丸刃カッター１４
とを、上記端面ａとの間で挟持している。

【００１３】丸刃カッター１４の両側に配置された、各
軸受Ｂの外輪Ｂ２の外周には、押圧ローラＲが嵌合固定
されている。押圧ローラＲは、上記外輪Ｂ２の外周に固
定された金属リング部Ｒ１と、金属リング部Ｒ１の外周
に一体的に固定された弾性ゴム製の押圧リング部Ｒ２と
からなる環状部材である。図２に示すように、上記金属
リング部Ｒ１の外径ｄ１は、丸刃カッター１４の直径Ｄ
よりも小さく、上記押圧リング部Ｒ２の外径ｄ２は、丸
刃カッター１４の直径Ｄよりも若干大きく（実施例で
は、直径で１mm(半径で0.5mm)）設定されている。

【００１４】以上構成のスリット装置１０を用いてテー
プ電線を製造するには、先ず従来の装置と同様に、予め
成形されたラミネート体Ｗを溝付金型載置面Ｓの所定の
位置に載置し、上記負圧発生装置Ｖにより溝付金型１２
の内部に負圧を発生させ、載置面Ｓの孔１２ｂからラミ
ネート体Ｗに作用する真空吸着力によってラミネート体
Ｗを載置面Ｓに固定する。

【００１５】次に軸受箱１５を駆動し、回転支軸１３の
中心から溝付金型１２の載置面Ｓ迄の高さｈを適切に定
めて溝１１の長手方向にのみ移動可能にセットする。そ
してその状態で回転支軸１３を回転させながら所定の方
向に向かい、溝１１に沿って移動させることにより、丸
刃カッター１４によりラミネート体Ｗをスリット裁断す
る。

【００１６】このスリット裁断時において、本実施例に
おける押圧ローラＲの作用について図３を参照しつつ詳
述すると、押圧ローラＲの押圧リング部Ｒ２の外径ｄ２
が丸刃カッター１４の直径Ｄよりも若干大きく設定され
ているので、回転支軸１３がラミネート体Ｗに接近する
につれ、丸刃カッター１４に先立って押圧リング部Ｒ２
が弾性的に縮径しながらラミネート体Ｗを載置面Ｓへ押
付ける。そしてその状態で丸刃カッター１４が圧縮され
た押圧リング部Ｒ２、Ｒ２間から露現し、ラミネート体
Ｗをスリット裁断する。

【００１７】このように本実施例においては、ラミネー
ト体Ｗを溝付金型１２の載置面Ｓに押付けながら丸刃カ
ッター１４によるスリット裁断作業を完了することがで
きるので、丸刃カッター１４がラミネート体Ｗをスリッ
ト裁断するときに大きな抵抗力が作用しても、ラミネー
ト体Ｗが載置面Ｓ上でずれることを防止することが可能
になり、正確なスリット裁断を行なうことできるという
利点がある。

【００１８】なお上述した実施例は、本発明の好ましい
具体例を例示したものに過ぎず、例えば、押圧リング部
Ｒ２の材質を変更することにより、押圧リング部Ｒ２の
外径ｄ２を丸刃カッター１４の直径と略同一に設定して
もよく、その他本発明の要旨を変更しない範囲内で種々
の設計変更を施すことができることは云うまでもない。

【００１９】

【発明の効果】以上説明したように本発明のテープ電線
用スリット装置によれば、ワークを溝付金型の載置面に
押付けながら丸刃カッターによるスリット裁断作業を完
了することができるので、丸刃カッターがワークをスリ
ット裁断する際に大きな抵抗力が作用しても、ワークが
載置面上でずれることを防止することが可能になり、正
確なスリット裁断を行なうことできるという顕著な効果
を奏することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例におけるテープ電線用スリッ
ト装置の断面図である。

【図２】上記テープ電線用スリット装置の要部拡大図で
ある。

【図３】上記実施例におけるスリット裁断時の押圧ロー
ラの作用を示す要部拡大略図である。

【図４】従来のテープ電線用スリット装置の概略斜視図
である。

【符号の説明】

１０ テープ電線用スリット装置 １１ 溝 １２ 溝付金型 １３ 回転支軸 １４ 丸刃カッター Ｒ 押圧ローラ

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】複数条の溝をワークの載置面に有する溝付
   金型と、 溝付金型の上方に、上下方向に接近離反可能に配置さ
   れ、当該溝と直交する方向に延びると共に、上記溝の長
   手方向に沿って往復移動可能な回転支軸と、 回転支軸の外周の、上記溝に対向する部位に固定される
   丸刃カッターとを備え、 上記回転支軸の外周の、当該丸刃カッターの両側に配置
   され、ワークのスリット裁断時に、上記丸刃カッターに
   先立って上記ワークを溝付金型の載置面に押圧する、弾
   性的に縮径可能な押圧ローラを設けていることを特徴と
   するテープ電線用スリット装置。