JPH0575408U - ステムシールのオイル塗布装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ステムシールの内面にオイルを塗布する。 【構成】 バルブガイドにステムシールを圧入する工程
の前段に配置されオイル通路５ｇが設けられたテーブル
５と、テーブル上に立設固定され上端にステムシール１
５が着脱可能に外嵌されて仮置きされ、内部に軸方向に
沿いその下端がオイル通路に連通し、その上端が前記上
端近傍の外周面に環状に開口するオイル通路が設けられ
たステムシール受け治具６とを備えた構造としたもので
ある。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、ステムシールの内面にオイルを塗布するステムシールオイル塗布装 置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

バルブガイドは、シリンダヘッドに圧入固定されてバルブステムを摺動可能に 保持するもので、これらのバルブガイドとバルブステムとの間にはオイルが良好 に供給される必要がある。しかしながら、オイルの供給が過度になると燃焼室に 吸い込まれる所謂オイル下がりを起こすこととなり、その口元（上端）にステム シール（オイルシール）を装着して前記オイル下がりを防いでいる。

【０００３】 このステムシールは、バルブガイドの口元に外嵌冠着されるゴム製の円筒状の シール部材と、当該シール部材に外嵌される金属製の外筒とにより構成されてお り、前記バルブガイドの口元に圧入により外嵌される。そして、この圧入時にゴ ム製のシール部材が嵌合し易くなるためにオイルが塗布される。 従来、バルブガイドにステムシールを圧入する場合、オイル塗布装置によりシ リンダヘッドに装着されているバルブガイドの口元に塗布ヘッドを押し付けて密 着させ、当該塗布ヘッドにオイルを圧送供給してヘッドとバルブガイドとの密着 部に流し込む。オイルは、ヘッドとバルブガイドとの間の密着部を伝わって全周 に回り、バルブガイドの口元の外周面に塗布される。圧入工程において圧入ヘッ ドが、ステムシール受け治具に仮置きされて搬送されてきたステムシールを取り 込み、既にオイルが塗布されているバルブガイドの口元に圧入する。尚、ステム シール側にはオイルは、塗布されない。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、従来のオイル塗布装置は、塗布側即ち、機種の違いによりシリ ンダヘッドのバルブガイドの位置の変更が発生した場合には、これに応じて塗布 ヘッドの位置の切替が必要となり手間がかかる。レイアウト上オイル塗布装置と ステムシール圧入ヘッドとが離れているためにオイル塗布から圧入までに時間が かかり、オイルの乾きや塵埃の附着等が発生する。更にオイル塗布装置を単独に 設置するために設備費が高くなると共に管理が面倒になる等の問題がある。

【０００５】 本考案は上述の点に鑑みてなされたもので、ステムシールの圧入工程の前段に 配置されて当該ステーシールが仮置きされるステムシールの受け治具にオイル塗 布機構を設け、バルブガイドへの圧入直前においてステムシールの内面にオイル を塗布するステムシールのオイル塗布装置を提供することを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するために本考案によれば、シリンダヘッドのバルブガイドに ステムシールを圧入する工程の前段に配置されオイル通路が設けられたテーブル と、前記テーブル上に立設固定され上端にステムシールが着脱可能に外嵌され、 内部に軸方向に沿いその下端が前記テーブルのオイル通路に連通し、その上端が 前記上端近傍の外周面に環状に開口するオイル通路が設けられたステムシール受 け治具とを備えた構造としたものである。

【０００７】

【作用】

パーツフィーダによりステムシール受け治具の上端にステムシールが外嵌され て仮置きされた後、テーブルのオイル通路に所定量のオイルが圧送供給される。 このオイルは、ステムシール受け治具の下端から上端に至り環状溝から前記ステ ムシールの内面に噴射される。これによりステムシールの内面全面に亘りオイル が良好に塗布される。

【０００８】

【実施例】

以下本考案の一実施例を添付図面に基づいて詳述する。 図１においてステムシールオイル塗布装置１は、シリンダヘッドへのステムシ ール圧入工程に組み入れられており、パーツフィーダとシリンダヘッド（共に図 示せず）との間に配設された基台２上に矢印Ａ又はＢ方向に移動可能に載置され たシャトルテーブル３と、当該シャトルテーブル３上に配設されたオイル塗布機 構４とにより構成されている。シャトルテーブル３は、略中央に垂直に孔３ａと 当該孔３ａよりも大径の孔３ｂが同心的に穿設されている。

【０００９】 オイル塗布機構４は、テーブル５とステムシール受け治具６とにより構成され 、テーブル５は、シャトルテーブル３に載置され、下端５ａがシャトルテーブル ３の孔３ａに圧入嵌合されており、上面中央には垂直且つ順次小径となる孔５ｂ 、５ｃ、５ｄ及び５ｅが同心的に穿設されている。テーブル５は、側面にシャト ルテーブル３に沿って一側に水平に延びるアーム５ｆが連設されており、当該ア ーム５ｆにはオイル通路５ｇが水平に穿設されている。このオイル通路５ｇは、 一端が側面に開口し、他端が孔５ｃの内面に開口されている。

【００１０】 ステムシール受け治具６は、内筒７と外筒８とにより構成され、内筒７は、外 面にねじが刻設された下端７ａがテーブル５の孔５ｅを貫通してシャトルテーブ ル３の３ｂ内に突出し、下部がＯリングを介してテーブル５の孔５ｄに液密に嵌 合され、中央部が孔５ｃ、５ｂを同心的に垂直に遊貫し、上部が当該テーブル５ から所定の高さに突出されており、開口端の外周縁は、僅かに厚肉とされてフラ ンジ７ｂとされている。また、内筒７の下端７ａは、ナット９によりテーブル５ に固定されている。

【００１１】 外筒８は、下部８ａがテーブル５大径の孔５ｂにＯリングを介して液密に圧入 されて垂設されている。この外筒８の内径は、内筒７の外径よりも僅かに大径と されており、内筒７と僅かな間隙を存して同心的に配設されている。また、中央 部、上部の外径は、順次段差をなして小径とされ、上部の外径は、内筒７のフラ ンジ７ｂの外径と同径とされている。そして、このステムシール受け治具６の上 部は、ステムシール１５のシール１６に嵌合可能とされている。

【００１２】 この外筒８は、内筒７よりも僅かに低く設定されており、上端が内筒７のフラ ンジ７ｂよりも僅かに下方に位置しており、フランジ７ｂとの間に環状のスリッ ト６ａが形成されている。また、テーブル５の上面から突出する下部８ａの上端 及び中央部には、バルブスプリングのスプリングシート１４が僅かな間隙を存し て外嵌可能とされている。テーブル５のアーム５ｆのオイル通路５ｇは、図示し ないオイル供給装置に接続される。

【００１３】 ステムシール圧入ヘッド１０は、垂直に昇降されてオイル塗布機構４の内筒７ 及び外筒８に装着されてオイルが塗布されたステムシール１５を取り出し、シリ ンダヘッドのバルブガイドに圧入する。この圧入ヘッド１０は、下端面に同心的 に穴１０ａ、１０ｂ、１０ｃが穿設されており、下端面の穴１０ａの周縁には環 状溝１０ｄが同心的に設けられ、穴１０ｃの端面にはガイドピン１１が同心的に 垂設されている。このガイドピン１１は、内筒７の軸芯の孔７ｈに入出可能に嵌 合される。

【００１４】 圧入ヘッド１０の下端面にはスプリングシート１４の周縁が密接可能とされ、 穴１０ａにはスプリングシート１４の円筒部が、穴１０ｂにはステムシール１５ の外筒１７が夫々僅かな間隙を存して内嵌され、穴１０ｃにはシール１６の上端 に外嵌されたリング１８が僅かな弾性力で嵌合される。また、端面に形成された 環状溝１０ｄは、バキューム装置（図示せず）に接続される。

【００１５】 以下に作用を説明する。 ステムシールオイル塗布装置１は、シャトルテーブル３が基台２上を矢印Ａ方 向に所定位置まで移動され、当該位置においてパーツフィーダ（図示せず）によ りスプリングシート１４とステムシール１５とが装着される。スプリングシート １４は、外筒８に外嵌されてテーブル５上に載置され、ステムシール１５は、ス テムシール受け治具６の上端（口元）に着脱可能に外嵌冠着されて仮置きされる 。このステムシール１５は、ゴム製のシール１６に金属製の外筒１７が外嵌固定 され、更にシール１６の上端にリング１８が外嵌された図示のような状態で仮置 きされる。

【００１６】 次いで、オイル供給装置からテーブル５のオイル通路５ｇに所定量のオイルが 圧送供給される。このオイルは、オイル通路５ｇから孔５ｃ、ステムシール受け 治具６の内筒７と外筒８との間の環状空間を上昇し上端の環状溝６ａから噴射さ れ、ステムシール１５のシール１６の内面に全周に亘り均一に塗布される。これ により供給された所定量のオイルは、無駄なくシール１６の内面に塗布される。 シャトルテーブル３は、シール１６にオイルが塗布された後矢印Ｂ方向に移動さ れる。

【００１７】 圧入工程において圧入ヘッド１０が下降してステムシール１５、スプリングシ ート１４に外嵌する。圧入ヘッド１０は、ガイドピン１１がシール１６の孔を貫 通して内筒７の孔７ｈに嵌合し、穴１０ｃにステムシール１５のシール１６のリ ング１８が僅かな弾性を持って嵌合し、穴１０ａが外筒１７が僅かな間隙で外嵌 して、当該オイル塗布機構４からステムシール１５を取り外し可能とする。また 、スプリングシート１４は、円筒部が圧入ヘッド１０の穴１０ａに僅かな間隙を 存して内嵌され、周縁が開口端面に当接され、且つ環状溝１０ｅに前記バキュー ム装置により発生される負圧により吸着されてオイル塗布機構４から取り外し可 能とされる。

【００１８】 次いで、圧入ヘッド１０が上昇しオイル塗布機構４のステムシール受け治具６ からスプリングシート１４とステムシール１５とを取り外し、シリンダヘッドの バルブガイド（図示せず）に取り付ける。即ち、圧入ヘッド１０は、スプリング シート１４を当該バルブガイドの付根に外嵌し、ステムシール１５を当該バルブ ガイドの口元に圧入外嵌する。ステムシール１５のシール１６は、内面にオイル が塗布されているために前記バルブガイドの口元に円滑に圧入される。

【００１９】 ステムシール１５は、パーツフィーダによりオイル塗布機構４に装着されてシ ール１６の内面にオイルを塗布された後直ちにバルブガイドの口元に圧入される ためにこの間に乾いたり、或いは塵埃が附着することはない。

【００２０】

【考案の効果】

以上説明したように本考案によれば、ステムシールのバルブガイドへの圧入工 程の前段に配置されたステムシールの受け治具に設けたオイル塗布機構によりバ ルブガイドに圧入する直前にステムシールの内面にオイルを塗布するようにした ので、外部に飛散させることなく適量のオイルを均一に、且つ良好に塗布するこ とができ、しかも、塗布されたオイルが乾いたり、或いは塵埃が附着することが 防止される。また、パーツ側即ち、ステムシール側にオイルを塗布するために組 込み側のバルブガイドのピッチの変更にも関係無く使用することができる。更に 、オイル塗布専用の装置及び工程が不要となり、管理が容易となると共に設備が 安価となる等の効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係るステムシールのオイル塗布装置の
一実施例を示す断面図である。

【符号の説明】

１ オイル塗布装置 ２ 基台 ３ シャトルテーブル ４ オイル塗布機構 ５ テーブル ６ ステムシール受け治具 １０ 圧入ヘッド １４ スプリングシート １５ ステムシール

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 シリンダヘッドのバルブガイドにステム
   シールを圧入する工程の前段に配置されオイル通路が設
   けられたテーブルと、前記テーブル上に立設固定され上
   端にステムシールが着脱可能に外嵌され、内部に軸方向
   に沿いその下端が前記テーブルのオイル通路に連通し、
   その上端が前記上端近傍の外周面に環状に開口するオイ
   ル通路が設けられたステムシール受け治具とを備えたこ
   とを特徴とするステムシールのオイル塗布装置。