JPH0574964U - 内燃機関の補機駆動用ギヤ列 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 既存のギヤ列の制約を受けず、かつ、既存の
ギヤ列を変更することなく内燃機関の補機駆動用ギヤ列
を追加する。 【構成】 シリンダブロック１の端面のクランクシャフ
ト２に取り付けた第１のクランクギヤ３０の回転を補機
などに伝達するギヤ列（アイドラギヤ１０、タイミング
ギヤ１１及び１２）を備える内燃機関において、前記ギ
ヤ列を覆うようにシリンダブロック１の端面に取り付け
たギヤケース５と、クランクシャフト２に設けた第２の
クランクギヤ３と、ギヤケース５に軸支されて第２のク
ランクギヤ３に駆動される第２のギヤ列（アイドラギヤ
４、ドライブギヤ６）とを備える。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、内燃機関の動力を取り出す補機駆動用ギヤ列に関する。

【０００２】

【従来の技術】

内燃機関のカムシャフトやウォーターポンプなどの補機などを駆動する機構と して、シリンダブロックに軸支されたクランクシャフトのクランクギヤと噛み合 うアイドラギヤを設け、このアイドラギヤを介してカムシャフトギヤ及びウォー ターポンプギヤを駆動するとともにインジェクションポンプギヤを駆動するギヤ 列が知られている。（たとえば、日産ディーゼル工業(株)発行のサービス回章Ｎ ｏ．ＱＳ−０１３号参照）

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、上記ギヤ列へ新たに所定のギヤ比を必要とする補機などを追加 しようとすると、アイドラギヤやカムシャフトギヤなどのギヤ列の配置の変更が 必要となり、あるいは既存のギヤ比の関係から追加する補機の配置に制約を受け るという問題が発生した。

【０００４】 そこで本考案は、既存のギヤ列の制約を受けず、かつ、既存のギヤ列を変更す ることなく追加可能な内燃機関の補機駆動用ギヤ列を提供することを目的とする 。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案は、シリンダブロック端面のクランク軸に取り付けた第１のクランクギ ヤの回転を補機などに伝達するギヤ列を備える内燃機関において、前記ギヤ列を 覆うようにシリンダブロック端面に取り付けたギヤケースと、クランク軸に設け た第２のクランクギヤと、前記ギヤケースに軸支されて第２のクランクギヤに駆 動される第２のギヤ列とを備える。

【０００６】

【作用】

補機などを駆動するギヤ列を覆うようにギヤケースをシリンダブロックへ取り 付けて、第２のクランクギヤに駆動される第２のギヤ列をギヤケースに取り付け ることにより、既存のギヤ列を変更することなく、また第１のギヤ列に配置上の 制約を受けずに新たな補機などを追加できる。

【０００７】

【実施例】

以下、図面に従って本考案の実施例を説明する。

【０００８】 図１において、２は内燃機関のシリンダブロック１の端面から突出したクラン クシャフト、３はクランクシャフト２の既設の第１のクランクギヤ３０と共にそ の外側に設けられた第２のクランクギヤで、後述するようにクランクシャフト２ の回転により第２のギヤ列であるアイドラギヤ４及びドライブギヤ６を駆動する 。

【０００９】 第１のクランクギヤ３０は、シリンダブロック１の端面に軸支されたアイドラ ギヤ１０と噛み合い、このアイドラギヤ１０は同じく軸支されたタイミングギヤ １１、１２を駆動して第１のギヤ列を形成している。なお、タイミングギヤ１１ 、１２は図示はしないが、たとえばカムシャフトやインジェクションポンプなど を駆動する。

【００１０】 ５はシリンダブロック１の端面に、前記第１のギヤ列並びに第２のギヤ列を覆 うように所定の間隔をおいて取り付けられて剛性を備える部材で形成されたギヤ ケースで、このギヤケース５の内側にはアイドラギヤ４及びドライブギヤ６が軸 支される。すなわち、アイドラギヤ４はギヤケース５を貫通してナット４１によ り片持支持で固定されたアイドラシャフト４０にベアリング４２を介して回転自 在に支持され、またドライブギヤ６はギヤケース５とこれに対向する分割ケース ５Ａとにそれぞれ嵌合した一対のベアリング６２によって回転自在に支持される 。

【００１１】 なお、分割ケース５Ａはギヤケース５の内側からギヤケース５に結合されると 共にシリンダブロック１の端面にも結合され、第１及び第２のギヤ列を油室的に 密封している。

【００１２】 また、図２に示すようにアイドラギヤ４の平面位置はタイミングギヤ１２と一 部を重複しているが、クランクシャフト２の軸方向ではタイミングギヤ１２の外 側に位置しており、第１のギヤ列に制限されず所定の位置にドライブギヤ６を配 設している。

【００１３】 なお、ドライブギヤ６には図示はしないがＰＴＯ（パワーテイクオフ）軸が結 合され、内燃機関の出力の一部を補機動力として利用する。

【００１４】 以上のように構成され、次に作用について説明する。

【００１５】 クランクシャフト２が回転すると第２のクランクギヤ３によってギヤケース５ で軸支されたアイドラギヤ４を介してドライブギヤ６が駆動され、これら第２の ギヤ列は所定のギヤ比によって回転する。一方、第１のギヤ列はクランクギヤ３ ０の回転によりアイドラギヤ１０を介してタイミングギヤ１１及び１２が駆動さ れ、これら第１のギヤ列は前記第２のギヤ列と異なったギヤ比で回転する。

【００１６】 したがって、既存の内燃機関に補機などを追加あるいはＰＴＯ軸に動力を取り 出す場合に、上記第２のギヤ列により駆動すれば、既存のギヤ列である第１のギ ヤ列によって補機の配置を制限されることなく所望の位置に配設することが可能 となり、また、追加する補機に応じたギヤ比を選択することができ、第１のギヤ 列を考慮する必要がなくなり補機の増設が容易に行える。

【００１７】

【考案の効果】 以上のように本考案は、既存の補機などを駆動するギヤ列を変更することなく 、また、これらギヤ列に配置上の制限を受けることなく新規に第２のギヤ列を追 加することが可能となり、補機を容易に追加でき、追加する補機に応じたギヤ比 を選択することが可能となり、補機を追加する際の設計の自由度が向上するとい う効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施例を示す構成図である。

【図２】ギヤ列の配置を示す正面図である。

【符号の説明】

２ クランクシャフト ３ クランクギヤ ４ アイドラギヤ ５ ギヤケース ６ ドライブギヤ １０ アイドラギヤ １１ タイミングギヤ １２ タイミングギヤ ３０ クランクギヤ

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 シリンダブロック端面のクランク軸に取
   り付けた第１のクランクギヤの回転を補機などに伝達す
   るギヤ列を備える内燃機関において、前記ギヤ列を覆う
   ようにシリンダブロック端面に取り付けたギヤケース
   と、クランク軸に設けた第２のクランクギヤと、前記ギ
   ヤケースに軸支されて第２のクランクギヤに駆動される
   第２のギヤ列とを備えたことを特徴とする内燃機関の補
   機駆動用ギヤ列。