JPH0571612B2 - - Google Patents

Info

Publication number
JPH0571612B2
JPH0571612B2 JP1228386A JP22838689A JPH0571612B2 JP H0571612 B2 JPH0571612 B2 JP H0571612B2 JP 1228386 A JP1228386 A JP 1228386A JP 22838689 A JP22838689 A JP 22838689A JP H0571612 B2 JPH0571612 B2 JP H0571612B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fiber
polymer
composite material
fibers
inorganic
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP1228386A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH02225532A (ja
Inventor
Taketami Yamamura
Junichi Kugimoto
Toshihiro Ishikawa
Yasuhiro Shioji
Masaki Shibuya
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ube Corp
Original Assignee
Ube Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ube Industries Ltd filed Critical Ube Industries Ltd
Priority to JP1228386A priority Critical patent/JPH02225532A/ja
Publication of JPH02225532A publication Critical patent/JPH02225532A/ja
Publication of JPH0571612B2 publication Critical patent/JPH0571612B2/ja
Granted legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Reinforced Plastic Materials (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、主として炭素、M(MはTi、Zr及び
Hfから選択される少なくとも一種の元素であ
る。)、珪素及び酸素からなる、無機繊維を強化材
とする機械的性質の優れた無機繊維強化プラスチ
ツク複合材料(以下、FRPと略記する。)に関す
るものである。
(従来の技術及びその問題点) これまでにエポキシ樹脂、変成エポキシ樹脂、
ポリエステル樹脂、ポリイミド樹脂等のプラスチ
ツク類を強化する繊維としては、表面処理した炭
素繊維が広く用いられている。しかしながら炭素
繊維を用いる場合は、樹脂との濡れ性が劣るため
繊維の表面処理が必要である。しかし、表面処理
した炭素繊維を強化材として用いたFRPであつ
ても、樹脂と繊維との間の結合強度が弱く、繊維
は樹脂から剥離し易く、層間剪断強度は最高約8
Kg/mm2であり、繊維に垂直方向の引張強度は約
4.5Kg/mm2である。このため、炭素繊維を使用す
るFRPは、例えば長期間の使用による繊維と樹
脂との剥離あるいは曲げ衝撃値が低いことによる
瞬間的な衝撃による破壊という実用上の問題を生
じている。
また、ポリカルボシランと呼ばれる有機珪素重
合体を紡糸、不融化、焼成して得られる炭化珪素
繊維は樹脂との複合材料において、樹脂との濡れ
性が良く、表面処理なしで強化材として利用でき
ることが特開昭52−14687号公報に開示されてい
る。しかし、上記無機繊維は高価であり、このこ
とが同繊維の複合材への使用の妨げの一つとなつ
ている。
(問題点を解決するための手段) 本発明の目的は、上記問題点を解決し、機械的
性質に優れ、且つ複合材料の提供にある。
本発明の他の目的は、プラスチツクからなるマ
トリツクスと強化材である無機繊維との結合強さ
に優れた複合材料の提供にある。
本発明の他の目的は、マトリツクスと無機繊維
との間の適合性に優れ、無機繊維による強化効率
に優れた複合材料の提供にある。
本発明の他の目的は、疲労強度低下率の少ない
複合材料の提供にある。
本発明の他の目的は、安価にして、大量生産に
適した複合材料の提供にある。
さらに、本発明の別の目的は、層間剪断強度が
最高約8.5Kg/mm2以上、繊維に垂直方向の引張強
度及び曲げ強度がそれぞれ約6Kg/mm2以上及び約
8Kg/mm2以上であり、曲げ衝撃値が200Kg・cm/
cm2以上である無機繊維強化プラスチツク複合材料
を提供することにある。
本発明の複合材料は、無機繊維を強化材とし、
プラスチツクをマトリツクスとし、 (a) 上記無機繊維が前記M及び珪素を含有する金
属含有多環状芳香族重合体から得られる無機繊
維であつて、その構成成分が、 (i) 該重合体を構成するメソフエーズ状態にあ
る多環状芳香族化合物から導かれるラジアル
構造、オニオン構造、ランダム構造、コアラ
ジアル構造、スキンオニオン構造及びモザイ
ク構造からなる群から選ばれる少なくとも一
種の結晶配列状態を示す炭素質、 (ii) 該重合体を構成する有機溶媒不溶分を含む
光学的等方性の多環状芳香族化合物から導か
れる、無配向状態の結晶質炭素及び/又は非
晶炭素、及び (iii) Si、M、C及びOから実質的になる非
晶物質、及び/又は 実質的にβ−SiC、MC、β−SiCとMC
の固溶体及びMC1-xからなる粒径が500Å
以下の結晶超微粒子と、非晶質のSiOy
びMOzとの集合体であり 構成元素の割合がSi;5〜70重量%、
M;0.5〜45重量%、C;20〜40重量%及
びO;0.01〜30重量%である、Si−M−C
−O物質(上記式中、MはTi、Zr及びHf
から選択される少なくとも一種の元素であ
り、0<x<1、0<y≦2、0<z≦2
である。) であり、 (b) 該複合材料における上記無機繊維の含有率が
10〜80体積%、 であることを特徴とする無機繊維強化プラスチツ
ク複合材料である。
本発明における無機繊維についてまず説明す
る。なお、以下の記載において、「部」はすべて
「重量部」であり、「%」はすべて「重量%」であ
る。
本発明における無機繊維は前述した構成成分
(i)、(ii)及び(iii)よりなつており、Si;0.01〜30%、
M;0.01〜10%、C;65〜99.9%及びO;0.001〜
10%、好ましくはSi;0.1〜25%、M;0.01〜8
%、C;74〜99.8%及びO;0.01〜8%から実質
的に構成されている。
この無機繊維の構成成分である結晶質炭素は
500Å以下の結晶子サイズを有し、1.5Åの分解能
を有する高分解能電子顕微鏡において、繊維軸方
向に配向した3.2Åの(0.02)面に相当する微細
なラテイスイメージ像が観察されうれ超微粒子の
グラフアイト結晶である。無機繊維中の結晶質炭
素は、ラジアル構造、オニオン構造、ランダム構
造、コアラジアル構造、スキンオニオン構造、モ
ザイク構造及び一部ラジアル構造を含むランダム
構造等をとることができる。これは、原料中にメ
ソフエーズ多環状芳香族化合物が存在することに
起因する。
この無機繊維における構成成分(i)及び(ii)の総和
100部に対する構成成分(iii)の割合は0.015〜200部
であり、且つ構成成分(i)と(ii)との比率は1:0.02
〜4である。
構成成分(i)及び(ii)の総和100部に対する構成成
分の割合が0.015未満の場合は、ほとんどピツ
チ繊維と変わらず、耐酸化性や濡れ性の向上は望
めず、上記割合が200部を越えた場合はグラフア
イトの微細結晶が効果的には生成せず、高弾性率
の繊維が得られない。
本発明における無機繊維は、 (i) (Si−CH2)結合単位、又は(Si−CH2)結
合単位と(Si−Si)結合単位とから主としてな
り、珪素原子の側鎖に水素原子、低級アルキル
基、フエニル基及びシリル基からなる群から選
ばれる側鎖基を有し、上記結合単位からなる主
骨格の珪素原子に、前記Mが、直接又は酸素原
子を介して、珪素原子の少なくとも一部と結合
している遷移金属含有有機珪素重合体の珪素原
子の少なくとも一部が、石油系又は石炭系のピ
ツチあるいはその熱処理物の多環状芳香族化合
物の芳香族環の炭素と結合したランダム共重合
体及び (ii) 石油系又は石炭系ピツチ熱処理して得られる
メソフエーズ状態又はメソフエーズと光学的等
方相との両相からなる多環状芳香族化合物(以
下両者を総称してメソフエーズ多環状芳香族化
合物と言うことがある。)を、 200〜500℃の範囲の温度で加熱反応及び/又は
加熱溶融して、前記M及び珪素を含有する金属含
有多環状芳香族重合体を得る第1工程、 上記金属含有多環状芳香族重合体の紡糸原液を
調製して紡糸する第2工程、 該紡糸原糸を張力下あるいは無張力下で不融化
する第3工程、及び 不融化した前記紡糸繊維を真空中あるいは不活
性ガス雰囲気中で800〜3000℃の範囲の温度で焼
成する第4工程 からなる方法で製造することができる。
上記の各工程について説明する。
第1工程: まず有機珪素重合体とピツチとを、不活性ガス
中で、好ましくは250〜500℃の範囲の温度で加熱
反応させて前駆重合体(1)を調製する。
出発原料の一つである有機珪素重合体は公知の
方法で合成することができ、例えば、ジメチルジ
クロロシランと金属ナトリウムの反応により得ら
れるポリメチルシランを不活性ガス中で400℃以
上に加熱することにより得られる。
上記有機珪素重合体は、結合単位(Si−CH2)、
又は結合単位(Si−CH2)と結合単位(Si−Si)
より主としてなり、結合単位(Si−CH2)の全数
対結合単位(Si−Si)の全数の比率は1:0〜20
の範囲内にある。
有機珪素重合体の重量平均分子量(Mw)は、
一般的には300〜1000で、Mwが400〜800のもの
が、優れた炭素系無機繊維を得るための中間原料
であるランダム共重合体(2)を調製するために特に
好ましい。
もう一つの出発原料である多環状芳香族化合物
は石油類及び/又は石炭類から得られるピツチ
で、特に好ましいピツチは、石油類の流動接触分
解により得られる重質油、その重質油を蒸留して
得た留出成分又は残渣油及びそれらの熱処理物で
ある。
上記ピツチ中には、ベンゼン、トルエン、キシ
レン、テトラヒドロフランなどの有機溶媒に不溶
の成分が5〜98%、特に10〜80%含まれているこ
とが好ましい。上記有機溶媒不溶分が5%未満の
ピツチを原料として用いた場合、強度、弾性率と
もに優れた無機質繊維は得られない。また、上記
有機溶媒不溶分が98重量%より多いピツチを原料
として用いた場合、共重合体が高融点となり、紡
糸困難な状態になる。
このピツチの重量平均分子量(Mw)は、100〜
3000である。重量平均分子量は以下のようにして
求めた値である。即ち、ピツチが有機溶媒不溶分
を含有しない場合はそのままゲルパーミユエーシ
ヨンクロマトグラフ(GPC)測定し、ピツチが
有機溶媒不溶分を含有する場合は、温和な条件で
水添処理し、有機溶媒不溶分を有機溶媒可溶な成
分に変えて後GPC測定する。有機溶媒不溶分を
含有する重合体の重量平均分子量は、上記と同様
の処理を施し求めた値である。
ピツチの使用割合は、有機珪素重合体100部当
たり83〜4900部であることが好ましい。ピツチの
使用割合が過度に小さい場合は、得られる無機繊
維中の炭化珪素成分が多くなり、高弾性率を有す
る無機繊維が得られなくなり、また、その割合が
過度に多い場合は、炭化珪素成分が少なくなり、
プラスチツクマトリツクスに対する濡れ性に優れ
た無機繊維が得られなくなる。
上記反応の反応温度が過度に低いと、珪素原子
と芳香族炭素の結合が生成しにくくなり、反応温
度が過度に高いと、生成した前駆重合体(1)の分解
及び高分子量化が激しく起こり好ましくない。
ここで言う前駆重合体(1)には、有機珪素重合体
とピツチが珪素−炭素連結基を介して結合した共
重合体に加え、有機珪素重合体及びピツチの各々
の重縮合物が含まれる。
不活性ガスとしては、窒素、アルゴン等が好適
に使用される。
次に、前駆重合体(1)と式MX4で示される遷移
金属化合物とを100〜500℃の温度の範囲で反応さ
せてランダメ共重合体(2)を調製する。前記MX4
において、MはTi、Zr及びHfから選択される少
なくとも一種の元素であり、Xは縮合により、M
が前駆重合体(1)の珪素と直接あるいは酵素原子を
介して結合しうるものであればよく、特に規定は
ないが、ハロゲン原子、アルコキシ基又はβ−ジ
ケトンのような錯体形成基が好ましい。
反応温度が過度に低いと、前駆重合体(1)と式
MX4との縮合反応が進行せず、反応温度が過度
に高いと、Mを介した前駆重合体(1)の架橋反応が
過度に進行しゲル化が起こつたり、前駆重合体(1)
自体が縮合し高分子量化したり、あるいは、場合
によつては、MX4が揮散して優れた無機繊維を
得るための中間原料であるランダム共重合体(2)が
得られない。一例を挙げれば、MがTiで、Xが
OC4H9の場合、反応温度は200〜400℃が適して
いる。
この反応によつて、前駆重合体(1)の珪素原子の
少なくとも一部をMと直接あるいは酸素原子を介
して結合させたランダム共重合体(2)が調製され
る。金属Mは前駆重合体(1)の珪素原子に−MX3
あるいは−O−MX3のような結合様式で側鎖状
に結合することもできるし、前駆重合体(1)の珪素
原子を直接又は酸素を介して架橋した結合様式も
とり得る。
ランダム共重合体(2)を調製する方法としては、
前述の方法以外に、有機珪素重合体とMX4を反
応させ、得られた生成物にピツチをさらに反応さ
せて調製する方法も可能である。
ランダム共重合体(2)とメソフエーズ多環状芳香
族化合物を200〜500℃の温度の範囲で加熱反応及
び/又は加熱溶融して、金属含有多環状芳香族重
合体を調製する。
メソフエーズ多環状芳香族化合物は、例えば、
石油系又は石炭系ピツチを不活性ガス中で300〜
500℃に加熱し、生成する軟質留分を除去しなが
ら縮重合することによつて調製することができ
る。
上記縮重合反応温度が過度に低いと縮合環の成
長が充分でなく、またその温度が過度に高いとコ
ーキングにより不融化物の生成が激しくなる。
メソフエーズ多環状芳香族化合物は、融点が
200〜400℃の範囲にあり、また、重量平均分子量
(Mw)が200〜10000である。メソフエーズ多環状
芳香族化合物の中でも、20〜100%、特に40〜100
%の光学的異方性度を有し、30〜100%のベンゼ
ン、トルエン、キシレン又はテトラヒドロフラン
に対する不溶分を含むものが、機械的性能上優れ
た無機繊維を得るために好ましい。
メソフエーズ多環状芳香族化合物の使用割合は
ランダム共重合体(2)100部当たり、好ましくは5
〜50000部、より好ましくは5〜10000部であり、
5部未満では、生成物におけるメソフエーズ含有
量が不足するため、高弾性の焼成糸が得られず、
また、50000部より多い場合は、珪素成分の不足
のため焼成糸のプラスチツクマトリツクスに対す
る濡れ性に優れた無機繊維が得られなくなる。
ランダム共重合体(2)とメソフエーズ多環状芳香
族化合物とを200〜500℃で加熱反応及び/又は加
熱溶融させることにより、ランダム共重合体(2)の
少なくとも一部がメソフエーズ多環状芳香族化合
物と結合した金属含有多環状芳香族重合体が得ら
れる。ただし、ここで言う結合とは、珪素と多環
状芳香族化合物の炭素との化学結合及び/又はラ
ンダム共重合体(2)中の珪素と化学結合した多環状
芳香族環部分とメソフエーズ多環状芳香族化合物
との間のフアンデルワールス結合等の物理的結合
を意味する。
上記溶融混合温度が200℃より低いと不融部分
が生じ、系が不均一となり、無機繊維の強度、弾
性率に悪影響を及ぼし、また、溶融混合温度が
500℃より高いと縮合反応が激しく進行し、生成
重合体が高融点となり、重合体の紡糸が著しく困
難となる。
金属含有多環状芳香族重合体を調製する方法と
しては、前述の方法以外に、有機珪素重合体とピ
ツチを反応させ、得られた生成物にメソフエーズ
多環状芳香族化合物とMX4を同時に又は順次添
加し、さらに反応させて調製する方法も可能であ
る。
本発明の金属含有多環状芳香族重合体は、重量
平均分子量が200〜11000で、融点が200〜400℃で
ある。
金属含有多環状芳香族重合体の重量平均分子量
が200より低いものは、実質的にメソフエーズを
ほとんど含んでいないため、このような重合体か
らは高弾性の無機繊維を得ることができず、
11000より大きい場合は、高融点となり紡糸困難
となる。
金属含有多環状芳香族重合体の融点が200℃よ
り低い場合は、実質的にメソフエーズを含んでい
ないうえ、この重合体を紡糸して得られるプレカ
ーサー糸は不融化時に融着しやすく、強度、弾性
率の高い無機繊維は得られず、400℃より高い場
合は、この重合体を紡糸する際に重合体の分解が
起こり、紡糸が困難となる。
また、金属含有多環状芳香族重合体は、ベンゼ
ン、トルエン、キシレン、テトラヒドロフラン等
の有機溶媒に対する不溶分を10〜98%含有してお
り、且つ室温における光学的異方性度が5〜97%
であることが好ましい。
金属含有多環状芳香族重合体の上記有機溶媒へ
の不溶分が10%未満又は光学的異方性度が5%未
満では、重合体を溶融紡糸する際、メソフエーズ
の繊維軸方向への配向がほとんど起こらず、従つ
て得られたプレカーサー糸を不融化、焼成しても
低強度、低弾性率の繊維しか得られず、また、上
記有機溶媒不溶分を98%より多く含有するか、光
学的異方性度が97%より大きい場合は、重合体中
のメソフエーズが過多となり、重合体の紡糸が困
難となる。
第2工程: 第1工程で得られる金属含有多環状芳香族重
合体を加熱溶融させて、場合によつてはこれを
濾過しミクロゲル、不純物等の紡糸に際して有
害となる物質を除去し、これを通常用いられる
合成繊維紡糸装置により紡糸する。
紡糸する際の紡糸原液の温度は原料ポリマー
の軟化温度によつて異なるが、220〜420℃の範
囲の温度が有利である。
前記紡糸装置において、必要に応じて紡糸筒
を取付け、該紡糸筒内の雰囲気を空気、不活性
ガス、熱空気、熱不活性ガス、スチーム、及び
アンモニアガスからなる群から選ばれる一種以
上の雰囲気とした後、巻取り速度を大きくする
ことにより細い直径の繊維を得ることができ
る。前記溶融紡糸における紡糸速度は原料の平
均分子量、分子量分布、分子構造によつて異な
るが、50〜5000m/分の範囲であることが好ま
しい。
第3工程: 第2工程で得られる紡糸繊維を張力又は無張
力の作用もとで不融化する。
代表的な不融化方法は、紡糸繊維を酸化性雰
囲気中で加熱する方法である。不融化の温度は
好ましくは50〜400℃の範囲の温度である。不
融化温度が過度に低いと紡糸原糸を構成するポ
リマーのはしかけが起こらず、また、この温度
が過度に高いとポリマーが燃焼する。
不融化の目的は、紡糸繊維を構成するポリマ
ーを三次元構造の不融・不溶のはしかけ状態に
し、次工程の焼成の際に溶融せず、且つ隣接し
た繊維と融着しないようにすることである。不
融化の際の酸化性雰囲気を構成するガスとして
は、空気、オゾン、酸素、塩素ガス、臭素ガ
ス、アンモニアガス、及びこれらの混合ガスが
挙げられる。
上記とは別の不融化方法として、紡糸繊維に
酸化性雰囲気あるいは非酸化性雰囲気で、張力
あるいは無張力で必要に応じて低温加熱しなが
ら、γ線照射、あるいは電子線照射して不融化
する方法も採用することができる。
このγ線あるいは電子線を照射する目的は、
紡糸繊維を形成するポリマーを、さらに重合さ
せることによつて、紡糸原糸が融解し、繊維形
状を失うことを防ぐことにある。
γ線あるいは電子線の照射線量は106〜1010
ラツドが適当である。
照射は真空、不活性ガス雰囲気下、あるいは
空気、オゾン、酸素、塩素ガス、臭化ガス、ア
ンモニアガス及びこれらの混合ガスのような酸
化性ガス雰囲気で行うことができる。
照射による不融化は室温で行うこともでき、
必要であれば50〜200℃の温度範囲で加熱しな
がら行うことによつて不融化をより短時間で達
成させることもできる。
不融化は、無張力下で行うと、前記紡糸繊維
は収縮のため波状の形を呈するようになるが、
次工程の焼成工程で矯正できる場合もあり、張
力は必ずしも必要ないが、張力を作用させる場
合には、その張力の大きさは不融化時に紡糸繊
維が収縮して波状となることを少なくとも防止
できる以上の張力を作用させると良い結果が得
られる。
不融化の際に、作用させる張力としては、1
〜500g/mm2の範囲が好ましく、1g/mm2以下
の張力を作用させても繊維をたるませないよう
な緊張を与えることができず、500g/mm2以上
の張力を作用させると繊維が切断することがあ
る。
第4工程: 第3工程で得られる不融化糸を、真空あるい
は不活性ガス雰囲気中で800〜3000℃の範囲の
温度で焼成することによつて、主として炭素、
M、珪素、酸素からなる無機繊維が得られる。
焼成工程において、張力を作用させることは
必ずしも必要ないが0.001〜100Kg/mm2の範囲で
張力を作用させながら高温焼成すると屈曲を少
なくした強度の高い無機繊維を得ることができ
る。
加熱過程において、約700℃から無機化が激
しくなり、約800℃でほぼ無機化が完了するも
のと推定される。従つて、焼成は、800℃以上
の温度で行うことが好ましい。また、3000℃よ
り高い温度を得るには高価な装置を必要とする
ため、3000℃より高温での焼成は、コスト面か
ら見て実際的でない。
なお、構成成分(iii)であるSi−M−C−O物質の
形態は、第1工程乃至第4工程で採用される製造
条件によつて決定される。一般的に言えば、第4
工程での焼成温度が例えば1000℃より低い場合、
構成成分(iii)はSi、M、C、Oからなる非晶質より
実質的に構成される。
一方、第4工程での焼成温度が例えば1700℃以
上の場合、構成成分(iii)は実質的にβ−SiC、MC、
β−SiCとMCの固溶体及びMC1-x(ただし、0<
x<1)からなる粒径500Å以下の超微粒子及び
SiOy(ただし、0<y≦2)、MOz(ただし、0<
z≦2)からなる非晶質からなる集合体より実質
的に構成される。
上記温度の中間では、構成成分(iii)は各集合体の
混合系より構成されている。また、無機繊維中の
酸素量は、例えば第1工程におけるM(OR)4の添
加比率又は第3工程における不融化条件により制
御することができる。
また、構成成分(iii)の分布状態は、焼成時の雰囲
気や原料中のメソフエーズの大きさ、濃度によつ
ても制御することができる。例えば、メソフエー
ズを大きく成長させた場合、構成成分(iii)は繊維表
面相に押し出されやすくなる。
上記無機繊維は繊維そのものを単軸方向、多軸
方向に配合させる方法、あるいは平織、朱子織、
模紗織、綾織、からみ織、螺旋織、三次元織物な
どの各種織物にして使用する方法、あるいはチヨ
ツプドフアイバーとして使用する方法等がある。
本発明におけるプラスチツクとしてはエポキシ
系樹脂、ポリエステル樹脂、フエノール樹脂、ポ
リイミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹
脂、ポリカーボネート樹脂、シリコン樹脂、フツ
素樹脂、ナイロン樹脂、ポリフエニレンサルフア
イド、ポリブチレンテレフタレート、超高分子量
ポリエチレン、ポロプロピレン、変性ポリフエニ
レンオキサイド、ポリスチレン、ABS樹脂、塩
化ビニル樹脂、ポリエーテル・エーテルケトン樹
脂、ビスマレイミド樹脂等が挙げられる。
これらのプラスチツク複合材料はそれ自体公知
の方法で製造することができ、例えば(1)ハンドレ
イアツプ法、(2)マツチドメタルダイ法、(3)ブレー
クアウエイ法、(4)フイラメント・ワインデイング
法、(5)ホツトプレス法、(6)オートクレーブ法、(7)
連続引抜き法等の方法を採用することができる。
(1) ハンドレイアツプ法によれば、まず無機繊維
を裁断して型の上に敷き詰め、触媒を加えたプ
ラスチツクをはけやローラでその上に塗り込め
た後自然に硬化させ、脱型して複合材料とする
ことができる。
(2) マツチドメタルダイ法によれば、あらかじめ
無機繊維にプラスチツクと硬化剤、充填剤、増
粘剤を加えて含浸したものを加熱加圧成形して
複合材料とすることができる。成形時の材料の
形態によりSMC法(Sheet Molding
Compound)、BMC法(Bulk Molding
Compound)のどちらかを選択して用いること
ができる。
(3) ブレークアウエイ法によれば、無機繊維のシ
ートにあらかじめプラスチツクを含浸させ、予
備硬化させたプリプレグ(prepreg)を作り、
これをテーパー付きの心金に巻付けて、硬化後
に抜取り複合材料とすることができる。複雑な
中空製品はこの方法で作られる。
(4) フイラメント・ワインデイング法によれば、
エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂のよう
な熱硬化性樹脂を含浸した無機繊維をマンドレ
ルに巻付け、樹脂を硬化させた後、脱型して複
合材料と*ることができる。この方法には、湿
式法、乾式法(プリプレグテープを使う方法)
などがある。
(5) ホツトプレス法によれば、プリプレグシート
を一方向又は任意の角度に積層後、ホツトプレ
スで加圧、加熱して板状の複合材料とすること
ができる。
(6) オートクレーブ法によれば、プリプレグを成
形金型に積層し、特殊ラバーで包み、真空状態
にして、高圧釜に入れ、加熱、加圧して硬化さ
せ複合材料とすることができる。複雑な成形に
適している。
(7) 連続引抜き法によれば、無機繊維とプラスチ
ツクとを別々に分けて、成形機に供給し、成形
金型の手前で混合させ、途中で加熱炉のなかを
通過させて連続的に長尺な複合材料とすること
ができる。
無機繊維とプラスチツクマトリツクスとから製
造された複合材料の引張強度(σc)は下記式で表
される。
σc=σfVf+σMVM σc:複合材料の引張強度 σf:無機繊維の引張強度 σM:プラスチツクマトリツクスの引張強度 Vf:無機繊維の体積百分率 VM:プラスチツクマトリツクスの体積百分率 上記式で示されるように、複合材料の強度は、
複合材料中の無機繊維の体積割合が、多くなるに
したがつて大きくなる。従つて、強度の大きい複
合材料を製造するためには、複合させる無機繊維
の体積割合を多くする必要がある。しかしなが
ら、無機繊維の体積割合が80%を超えると、プラ
スチツクマトリツクスの量が少ないため、無機繊
維の間〓を充分にプラスチツクマトリツクスで充
填することができなくなるため、複合材料を製造
しても前記式で示されるような強度が発揮されな
くなる。また、繊維の体積割合を低くしていくと
前記式で示されるように複合材料の強度は低下す
るから、実用性のある複合材料とするためには10
%以上の無機繊維を複合させることが必要であ
る。従つて、本発明の無機繊維強化プラスチツク
複合材料の製造において、複合させる無機繊維の
体積割合を10〜80%、さらに好ましくは30〜60%
とすると最も良い効果が得られる。
明細書における各種機械的特性は下記の測定法
に従つて求めた。
(a) 層間剪断強度 層間剪断応力を求めるための試験法で曲率
半径6mmφの2コのピン(長さ20mm)の上に
10×12×2mmの無機繊維を一軸方向に配向さ
せた複合材料を置き、先端曲率半径3.5mmR
の圧子で圧縮、所謂3点曲げ方式で試験を行
い、層間剪断応力を測定する。剪断応力
(Kg/mm2)により表示する。
(b) 繊維垂直方向の引張強度及び引張弾性率 厚さ2mmの一軸方向繊維強化複合材料を製造
し、これより試験片の軸方向が繊維配列方向と
直交するように19×127mmの試験片を採取する。
試験片の厚さは2mmで中央部の板厚方向に125
mmRの曲率を付け、厚さ約1mmに仕上げる。引
張速度は1mm/分で行つた。引張強度(Kg/
mm2)及び引張弾性率(t/mm2)により表示す
る。
(c) 繊維垂直方向の曲げ強度及び曲げ弾性率 厚さ2mmの一軸方向繊維強化複合材料を製造
し、これより試験片の軸方向が繊維配列方向と
直交するように12.7×85mmの試験片を採取す
る。試験片の厚さは2mmで中央部の板厚方向に
125mmRの曲率を付け、厚さ約1mmに仕上げる。
3点曲げ方式で試験を行い、曲げ強度(Kg/
mm2)及び曲げ弾性率(t/mm2)により表示す
る。
層間剪断強度、繊維垂直方向の引張強度及び
繊維垂直方向の曲げ強度はマトリツクスと繊維
との結合の強さを表示する指標である。
(d) 引張強度及び引張弾性率 厚さ2mmの一軸方向繊維強化複合材料を製造
し、これより試験片の軸方向が繊維配列方向と
直交するように12.7×85mmの試験片を採取す
る。試験片の厚さは2mmで中央部の板厚方向に
125mmRの曲率を付け、厚さ約1mmに仕上げる。
引張強度の測定は1mm/分の引張速度で行つ
た。引張強度(Kg/mm2)及び引張弾性率(t/
mm2)により表示する。
(e) 曲げ強度及び曲げ弾性率 厚さ2mmの一軸方向繊維強化複合材料を製造
し、これより試験片の軸方向が繊維配列方向と
直交するように12.7×85mmの試験片を採取す
る。試験片の厚さは2mmで中央部の板厚方向に
125mmRの曲率を付け、厚さ約1mmに仕上げる。
3点曲げ方式で試験を行い、曲げ強度(Kg/
mm2)及び曲げ弾性率(t/mm2)により表示す
る。
(f) 曲げ衝撃値 3点曲げによるシヤルピー試験法(JIS K
7111)により曲げ衝撃値を測定した。曲げ衝撃
値(Kg・cm/cm2)により表示する。
曲げ衝撃値はプラスチツクと繊維との間の結
合の強さを表示する指標であり、特に瞬間的な
衝撃に対する抵抗の強さを表示する指標であ
る。曲げ衝撃値が低いと、樹脂と繊維が剥がれ
やすく、瞬間的な衝撃による破壊が生じやす
い。
本発明のプラスチツク複合材料は、 (a) 層間剪断強度が8.5Kg/mm2以上であり、 (b) 繊維垂直方向の引張強度が6Kg/mm2以上であ
り、 (c) 繊維垂直方向の曲げ強度が8Kg/mm2以上であ
り、 (d) 曲げ衝撃値が200Kg・cm/cm2以上である。
(発明の効果) 本発明の無機繊維強化プラスチツク複合材料
は、本発明で使用する無機繊維がプラスチツクに
対する濡れ性に優れているため、無機繊維を特に
表面処理する必要はなく、さらにプラスチツクと
の間の結合強さに優れている。このため、本発明
は層間剪断強度、繊維垂直方向の引張強度及び曲
げ強度、曲げ衝撃値に優れた複合材料を提供す
る。
一方、本発明における無機繊維は結晶配列状態
にある炭素質を含むため、アモルフアス無機繊維
に比べ高弾性である。このため、本発明の無機繊
維強化プラスチツク複合材料は、引張弾性率及び
曲げ弾性率において優れた値を示す。
また、本発明における無機繊維は、高価な有機
珪素化合物の使用が軽減されるため、従来の炭化
珪素系繊維に比べ安価に製造される。
以上のように、本発明に使用する無機繊維は、
プラスチツク複合材料においてその強化効率に優
れ、得られたプラスチツク複合材料は各種の機械
的特性が優れ、長期間の苛酷な環境下での使用に
耐えるものである。このため、従来の無機繊維強
化プラスチツク複合材料では満足に使用しえなか
つた各種分野で使用することができる。そのよう
な用途として、建築用材料、航空機、宇宙開発用
器材の材料、船舶用材料、陸上輸送機器材料、耐
蝕機器材料、電気材料、スポーツ用品、機械要
素、医療用機器材料、音響用機器材料などの各分
野における用途を例示することができる。
(実施例) 以下実施例によつて本発明を説明する。
参考例 1 (有機珪素重合体の製造) 5の三口フラスコに無水キシレン2.5及び
ナトリウム400gを入れ、窒素ガス気流下でキシ
レンの沸点まで加熱し、ジメチルクロロシラン1
を1時間で滴下した。滴下終了後、10時間加熱
還流し沈澱物を生成させた。沈澱を濾過し、メタ
ノールついで水で洗浄して、白色粉末のポリジメ
チルシラン420gを得た。
このポリジメチルシラン400gを、ガス導入管、
撹拌機、冷却器及び留出管を備えた3の三口フ
ラスコに仕込み、撹拌しながら50ml/分の窒素気
流下に420℃で加熱処理して、留出受器に350gの
無色透明な少し粘性のある液体を得た。
この液体の数平均分子量は蒸気圧浸透法で測定
したところ470であつた。
この物質の赤外線吸収スペクトルを測定したと
ころ、650〜900cm-1と1250cm-1にSi−CH3の吸
収、2100cm-1にSi−Hの吸収、1020cm-1付近と
1355cm-1にSi−CH2−Siの吸収、2900cm-1と2950
cm-1にC−Hの吸収が認められ、またこの物質の
遠赤外線吸収スペクトルを測定したところ、380
cm-1にSi−Siの吸収が認められることから、得ら
れた液状物質は、主として(Si−CH2)結合単位
及び(Si−Si)結合単位からなり、珪素の側鎖に
水素原子及びメチル基を有する有機珪素重合体で
あることが判明した。
核磁気共鳴分析及び赤外線吸収分析の測定結果
から、この有機珪素重合体は(Si−CH2)結合単
位の全数対(Si−Si)結合単位の全数の比率がほ
ぼ1:3である重合体であることが確認された。
上記有機珪素重合対300gをエタノールで処理
して低分子量物を除去して、数平均分子量が1200
の重合体40gを得た。
この物質の赤外線吸収スプクトルを測定したと
ころ、上記と同様の吸収ピークが認められ、この
物質は主として(Si−CH2)結合単位及び(Si−
Si)結合単位からなり、珪素の側鎖に水素原子及
びメチル基を有する有機珪素重合体であることが
判明した。
核磁気共鳴分析及び赤外線吸収分析の測定結果
から、この有機珪素重合体は(Si−CH2)結合単
位の全数対(Si−Si)結合単位の全数の比率がほ
ぼ7:1である重合体であることが確認された。
参考例 2 (ピツチの原料の製造) 石油留分のうち、軽油以上の高沸点物をシリ
カ・アルミナ系分解触媒の存在下、500℃の温度
で流動接触分解・精留を行い、その塔底より残渣
を得た。以下、この残渣をFCCスラリーオイル
と呼ぶ。
このFCCスラリーオイルは、元素分析の結果、
炭素原子対水素原子の原子比(C/H)が0.75
で、核磁気共鳴分析による芳香炭素率が0.55であ
つた。
参考例 3 (無機繊維の製造) 参考例2で得られたFCCスラリーオイル500g
を1/分の窒素ガス気流下450℃で1時間加熱
し、同温度における留出分を留去後、残渣を200
℃にて熱時濾過を行い、同温度における不融部を
除去し、軽質分除去ピツチ225gを得た。
この軽質分除去ピツチは75%のキシレン不溶分
を含む光学的に等方性のピツチであつた。
この軽質分除去ピツチ49gに参考例1で得た有
機珪素重合体20g及びキシレン20mlを加え、撹拌
しながら昇温し、キシレンを留去後、400℃で6
時間反応させた39gの前駆重合体(1)を得た。
この前駆重合体(1)は赤外線吸収スペクトル測定
の結果、有機珪素重合体中に存在するSi−H結合
(IR:2100cm-1)の減少、及び新たなSi−C(ベン
ゼン環の炭素)結合(IR:1135cm-1)の生成が
認められることより有機珪素重合体の珪素原子の
一部が多環状芳香族環の炭素と直接結合した部分
を有する共重合体であることがわかつた。
前駆重合体(1)39gにテトラオクトキシチタン
〔Ti(OC8H174〕2.75gのキシレン溶液(25%キ
シレン溶液11g)を加え、キシレン留去後、340
℃で2時間反応させ、ランダム共重合体(2)38gを
得た。
このランダム共重合体(2)は、キシレン不溶部を
含まず重量平均分子量は1650、融点は272℃であ
つた。
これと並行して、FCCスラリーオイル400g
を、窒素ガス気流下450℃に加熱し、同温度にお
ける留出分を留去後、残渣を200℃にて熱時濾過
を行い、同温度における不融部を除去し、軽質分
除去ピツチ180gを得た。
得られた軽質分除去ピツチ180gを窒素気流下、
反応により生成する軽質分を除去しながら400℃
で7時間縮重合を行い、熱処理ピツチ85gを得
た。
この熱処理ピツチは融点268℃、キシレン不溶
分92%、キノリン不溶分12%を含有しており、研
磨面の偏光顕微鏡観察による光学的異方性が89%
のメソフエーズピツチであつた。
前記ランダム共重合体(2)35gと上記メソフエー
ズピツチ70gを混合、窒素雰囲気下310℃で1時
間溶融加熱し、均一な状態にある金属含有多環状
芳香族重合体を得た。
この重合体は、融点が272℃で、59%のキシレ
ン不溶分を含んでいた。
上記高分子量物を紡糸用原料とし、ノズル径
0.15mmの金属製ノズルを用い、340℃で溶融紡糸
を行い、得られた紡糸原糸を空気中、300℃で酸
化、不融化し、更にアルゴン雰囲気中、1300℃で
焼成を行い、直径10μの無機繊維を得た。
この繊維は引張強度が320Kg/mm2、引張弾性率
32t/mm2であり、破壊面の走査型電子顕微鏡を用
いた観察より、結晶層が幾重にも重なつた珊瑚様
のランダムラジアル構造であつた。
参考例 4 (無機繊維の製造) 参考例3で得られた前駆重合体39gにテトラキ
スアセチルアセトナトジルコニウム5.4gのエタ
ノール−キシレン溶液(1.5%)を加え、キシレ
ン及びエタノールを留去後250℃で1時間重合し
39.5gのランダム共重合体(2)を得た。
このランダム共重合体(2)20gと参考例3と同様
にして調製したメソフエーズピツチ50gを微粉砕
後、360℃で1時間溶融混合し、ノズル径0.2mmの
ノズルを用い、340℃で溶融紡糸を行い、得られ
た紡糸原糸を空気中、250℃で酸化、不融化し、
更にアルゴン雰囲気中、1400℃で焼成を行い、直
径11μの無機繊維を得た。
この繊維は引張強度が325Kg/mm2、引張弾性率
35t/mm2であつた。
参考例 5 (無機繊維の製造) 軽質分除去ピツチ及び有機珪素重合体の使用量
をそれぞれ60g及び40gに変えた以外は参考例3
と同様にして、57gの前駆重合体(1)を得た。
この前駆重合体(1)40gにハフニウムクロライド
7.2gのエタノール−キシレン溶液(1.5%)を加
え、キシレン及びエタノールを留去後250℃で1
時間重合し43.5gのランダム共重合体(2)を得た。
このランダム共重合体(2)20gと参考例3と同様
にして調製したメソフエーズピツチ80gを微粉砕
混合し、紡糸筒内で350℃で溶融脱泡処理を施し、
ノズル径0.2mmのノズルを用い、350℃で溶融紡糸
を行い、得られた紡糸を原糸空気中、270℃で酸
化、不融化し、更にアルゴン雰囲気中、1200℃で
焼成を行い、直径12.5μの無機繊維を得た。
この繊維は引張強度が315Kg/mm2、引張弾性率
5t/mm2であつた。
参考例 6 (無機繊維の製造) 参考例2で得られたFCCスラリーオイル700g
を窒素ガス気流下450℃に加熱し、同温度におけ
る留出分を留去後、残渣を200℃にて熱時濾過を
行い、同温度における不融部を除去し、軽質分除
去ピツチ200gを得た。
この軽質分除去ピツチは25%のキシレン不溶分
を含む光学的に等方性のピツチであつた。
この軽質分除去ピツチ57gに参考例1で得た有
機珪素重合体25g及びキシレン20mlを加え、撹拌
しながら昇温し、キシレンを留去後、400℃で4
時間反応させ57.4gの前駆重合体(1)を得た。
この前駆重合体(1)は赤外線吸収スペクトル測定
の結果、有機珪素重合体中に存在するSi−H結合
(IR:2100cm-1)の減少、及び新たなSi−C(ベン
ゼン環の炭素)結合(IR:1135cm-1)の生成が
認められることより有機珪素重合体の珪素原子の
一部が多環状芳香族環の炭素と直接結合した部分
を有する共重合体であることがわかつた。
前駆重合体(1)57.4gにテトラオクトキシチタン
〔Ti(OC8H174〕3.87gのキシレン溶液(25%キ
シレン溶液15.5g)を加え、キシレン留去後、
340℃で1時間反応させ、ランダム共重合体(2)56
gを得た。
このランダム共重合体(2)は、キシレン不溶部を
含まず重量平均分子量は1580、融点は258℃、軟
化点292℃であつた。
前記軽質分除去ピツチ180gを窒素気流下、反
応により生成する軽質分を除去しながら400℃で
8時間縮重合を行い、熱処理ピツチ97.2gを得
た。
この熱処理ピツチは融点263℃、軟化点308℃、
キシレン不溶分77%、キノリン不溶分31%を含有
しており、研磨面の偏光顕微鏡観察による光学的
異方性が75%のメソフエーズ多環状芳香族化合物
であつた。
前記ランダム共重合体(2)6.4gと上記メソフエ
ーズ多環状芳香族化合物90gを混合、窒素雰囲気
下380℃で1時間溶融加熱し、均一な状態にある
金属含有多環状芳香族重合体を得た。
この重合体は、融点が264℃で、軟化点307℃、
68%のキシレン不溶分を含んでいた。
上記高分子量物を紡糸用原料とし、ノズル径
0.15mmの金属製ノズルを用い、360℃で溶融紡糸
を行い、得られた紡糸原糸を空気中、300℃で酸
化、不融化し、更にアルゴン雰囲気中、1300℃で
焼成を行い、直径7.5μの無機繊維を得た。
この繊維は引張強度が358Kg/mm2、引張弾性率
32t/mm2であり、破壊面の走査型電子顕微鏡を用
いた観察より、結晶層が幾重にも重なつた珊瑚様
のランダムラジアル構造であつた。
この無機繊維を粉砕後、アルカリ溶融、塩酸処
理を施し、水溶液とした後高周波プラズマ発光分
光分析(ICP)を行つた結果、珪素含有率は0.95
%、チタン含有率は0.06%であつた。
参考例 7 (無機繊維の製造) 参考例6で得られた前駆重合体(1)39gにテトラ
キスアセチルアセトナトジルコニウム5.4gのエ
タノール−キシレン溶液(1.5%)を加え、キシ
レン及びエタノールを留去後250℃で1時間重合
し39.5gのランダム共重合体(2)を得た。
このランダム共重合体(2)20gと参考例6と同様
にして調製したメソフエーズピツチ50gを微粉砕
後、360℃で1時間溶融混合し、ノズル径0.2mmの
ノズルを用い、350℃で溶融紡糸を行い、得られ
た紡糸原糸を空気中、250℃で酸化、不融化し、
更にアルゴン雰囲気中、1400℃で焼成を行い、直
径11μのジルコニウム含有無機繊維を得た。
この繊維は引張強度が345Kg/mm2、引張弾性率
35t/mm2であつた。
参考例 8 (無機繊維の製造) 軽質分除去ピツチ及び有機珪素重合体の使用量
をそれぞれ60g及び40gに変えた以外は参考例6
と同様にして、57gの前駆重合体を得た。
この前駆重合体40gにハフニウムクロライド
7.2gのエタノールキシレン溶液(1.5%)を加
え、キシレン及びエタノールを留去後250℃で1
時間重合し43.5gのランダム共重合体(2)を得た。
このランダム共重合体(2)20gと参考例6と同様
にして調製したメソフエーズピツチ80gを微粉砕
後、360℃で1時間溶融混合を行い、ノズル径0.2
mmのノズルを用い、350℃で溶融紡糸を行い、得
られた紡糸原糸を空気中、270℃で酸化、不融化
し、更にアルゴン雰囲気中、120℃で焼成を行い、
直径12.5μの無機繊維を得た。
この繊維は引張強度が335Kg/mm2、引張弾性率
35t/mm2であつた。
参考例 9 (無機繊維の製造) 参考例6と同様にして得たランダム共重合体(2)
1.8gとメソフエーズピツチ90gを、窒素気流下
400℃で1.5時間溶融混合し、融点265℃、キシレ
ン不溶分55%の紡糸ドープを得た。このドープを
ノズル径0.15mmのノズルを用い、350℃で溶融紡
糸後、300℃で不融化後1700℃で焼成し、直径8μ
の無機繊維を得た。
この無機繊維の引張強度は355Kg/mm2、引張弾
性率40t/mm2であつた。
この無機繊維を粉砕後、アルカリ溶融、塩酸処
理を施し、水溶液とした後高周波プラズマ発光分
光分析(ICP)を行つた結果、珪素含有率は0.3
%、チタン含有率は0.015%であつた。
実施例 1 ビスフエーノルA型エポキシ樹脂(チバガイギ
ー社製XB2879A)100部及びジシアンジアミド硬
化剤(チバガイギー社製XB2879B)20部を均一
に混合した後に、混合物を重量比で1:1のメチ
ルセルロソルブとアセトンとの混合溶媒に溶解し
て、上記混合物の28%溶液を調製した。
参考例3で得られた無機繊維に上記溶液を含
浸した後に、ドラムワインダーを用いて一方向に
引き取り、熱循環オーブン中100℃で14分間加熱
することによつて、半硬化状態の一方向に引き揃
えられた無機繊維プリプレグを調製した。このプ
リプレグの繊維含有率は60体積%、厚み0.15mmで
あつた。
上記プリプレグ10枚を繊維方向を合わせて重
ね、170℃、7Kg/cm2で4時間プレス成形するこ
とによつて、25mm×250mmの大きさの一方向強化
エポキシ樹脂複合材料を得た。
上記複合材料から幅12.7mm、長さ85mm、厚み2
mmの曲げ強度測定用のサンプルを切り出し、スパ
ン/幅=32の三点曲げ試験速度2mm/分で行つ
た。上記複合材料の機械的特性を以下に示す。
引張強度(Kg/mm2) 171 引張弾性率(t/mm2) 19 曲げ強度(Kg/mm2) 402 曲げ弾性率(t/mm2) 18 繊維垂直方向引張強度(Kg/mm2) 6.5 繊維垂直方向引張弾性率(t/mm2) 5.5 繊維垂直方向曲げ強度(Kg/mm2) 9.8 繊維垂直方向曲げ弾性率(t/mm2) 5.4 層曲剪断強度(Kg/mm2) 8.7 曲げ衝撃値(Kg・cm/mm2) 260 比較例 1 本発明に使用する無機繊維のかわりに、引張強
度280Kg/mm2、引張弾性率55t/mm2、繊維径10μの
高弾性ピツチ系炭素繊維を用いた他は実施例1と
同様にして炭素繊維強化エポキシ複合材料を製造
した。この複合材料の繊維含有率は60体積%であ
り、得られた複合材料の機械的特性を以下に示
す。
引張強度(Kg/mm2) 150 引張弾性率(t/mm2) 28 曲げ強度(Kg/mm2) 100 曲げ弾性率(t/mm2) 12 繊維垂直方向引張強度(Kg/mm2) 3.0 繊維垂直方向引張弾性率(t/mm2) 0.5 繊維垂直方向曲げ強度(Kg/mm2) 3.5 繊維垂直方向曲げ弾性率(t/mm2) 0.5 層間剪断強度(Kg/mm2) 7.5 曲げ衝撃値(Kg・cm/mm2) 70 比較例 2 本発明に使用する無機繊維のかわりに、引張強
度300Kg/mm2、引張弾性率21t/mm2、繊維径7.5μの
表面処理した炭素繊維ポリアクリロニトリル系、
高強度炭素繊維を用いた他は実施例1と同様にし
て炭素繊維強化エポキシ複合材料を製造した。こ
の複合材料の繊維含有率は60体積%であり、得ら
れた複合材料の機械的特性を以下に示す。
引張強度(Kg/mm2) 172 引張弾性率(t/mm2) 14 曲げ強度(Kg/mm2) 170 曲げ弾性率(t/mm2) 13 繊維垂直方向引張強度(Kg/mm2) 4.5 繊維垂直方向引張弾性率(t/mm2) 0.88 繊維垂直方向曲げ強度(Kg/mm2) 6.2 繊維垂直方向曲げ弾性率(t/mm2) 0.87 層間剪断強度(Kg/mm2) 8.1 曲げ衝撃値(Kg・cm/mm2) 150 実施例 2 強化繊維として参考例4で得た無機繊維を用
い、マトリツクスとしてエポキシ樹脂のかわり
に、市販不飽和ポリエステル樹脂を用いた以外は
実施例1と同様にして繊維含有量が60体積%の無
機繊維強化ポリエステル複合材料を製造した。上
記複合材料の機械的特性を以下に示す。
引張強度(Kg/mm2) 161 引張弾性率(t/mm2) 19 曲げ強度(Kg/mm2) 235 曲げ弾性率(t/mm2) 18 繊維垂直方向引張強度(Kg/mm2) 6.2 繊維垂直方向引張弾性率(t/mm2) 5.5 繊維垂直方向曲げ強度(Kg/mm2) 9.3 繊維垂直方向曲げ弾性率(t/mm2) 5.5 層間剪断強度(Kg/mm2) 8.6 曲げ衝撃値(Kg・cm/mm2) 255 実施例 3 強化繊維として参考例5で得た無機繊維を用
い、マトリツクスとしてエポキシ樹脂のかわり
に、ポリイミド樹脂〔宇部興産(株)製〕を用いた以
外は実施例1と同様にして繊維含有量が60体積%
の無機繊維強化ポリイミド複合材料を製造した。
製造された複合材料の機械的特性を以下に示
す。
引張強度(Kg/mm2) 159 引張弾性率(t/mm2) 19 曲げ強度(Kg/mm2) 238 曲げ弾性率(t/mm2) 18.5 繊維垂直方向引張強度(Kg/mm2) 6.1 繊維垂直方向引張弾性率(t/mm2) 5.4 繊維垂直方向曲げ強度(Kg/mm2) 9.0 繊維垂直方向曲げ弾性率(t/mm2) 5.4 層間剪断強度(Kg/mm2) 8.4 曲げ衝撃値(Kg・cm/mm2) 253 実施例 4 ビスフエノールA型エポキシ樹脂(チバガイギ
ー社製XB2879A)100部及びジシアンジアミド硬
化剤(チバガイギー社製XB2879B)20部を均一
に混合した後に、混合物を重量比で1:1のメチ
ルセロソルブとアセトンとの混合溶媒に溶解し
て、上記混合物の28%溶液を調製した。
参考例6で得られた無機繊維に上記溶液を含
浸した後に、ドラムワインダーを用いて一方向に
引き取り、熱循環オーブン中100℃で14分間加熱
することによつて、半硬化状態の一方向に引き揃
えられた無機繊維プリプレグを調製した。このプ
リプレグの繊維含有率は60体積%、厚み0.15mmで
あつた。
上記プリプレグ10枚を繊維方向を合わせて重
ね、170℃、7Kg/cm2で4時間プレス成形するこ
とによつて、250mm×250mmの大きさの一方向強化
エポキシ樹脂複合材料を得た。
上記複合材料から幅12.7mm、長さ85mm、厚み2
mmの曲げ強度測定用のサンプルを切り出し、スパ
ン/幅=32の三点曲げ試験を試験速度2mm/分で
行つた。上記複合材料の機械的特性を以下に示
す。
引張強度(Kg/mm2) 192 引張弾性率(t/mm2) 19 曲げ強度(Kg/mm2) 252 曲げ弾性率(t/mm2) 18 繊維垂直方向引張強度(Kg/mm2) 6.9 繊維垂直方向引張弾性率(t/mm2) 5.5 繊維垂直方向曲げ強度(Kg/mm2) 10.2 繊維垂直方向曲げ弾性率(t/mm2) 5.4 層間剪断強度(Kg/mm2) 9.3 曲げ衝撃値(Kg・cm/mm2) 272 実施例 5 強化繊維として参考例7で得た無機繊維を用
い、マトリツクスとしてエポキシ樹脂のかわり
に、市販不飽和ポリエステル樹脂を用いた以外は
実施例1と同様にして繊維含有量が60体積%の無
機繊維強化ポリエステル複合材料を製造した。上
記複合材料の機械的特性を以下に示す。
引張強度(Kg/mm2) 180 引張弾性率(t/mm2) 19 曲げ強度(Kg/mm2) 240 曲げ弾性率(t/mm2) 18 繊維垂直方向引張強度(Kg/mm2) 6.5 繊維垂直方向引張弾性率(t/mm2) 5.5 繊維垂直方向曲げ強度(Kg/mm2) 9.7 繊維垂直方向曲げ弾性率(t/mm2) 5.5 層間剪断強度(Kg/mm2) 9.0 曲げ衝撃値(Kg・cm/mm2) 264 実施例 6 強化繊維として参考例8で得た無機繊維を用
い、マトリツクスとしてエポキシ樹脂のかわり
に、ポリイミド樹脂〔宇部興産(株)製〕を用いた以
外は実施例4と同様にして繊維含有量が60体積%
の無機繊維強化ポリイミド複合材料を製造した。
製造された複合材料の機械的特性を以下に示
す。
引張強度(Kg/mm2) 177 引張弾性率(t/mm2) 19 曲げ強度(Kg/mm2) 239 曲げ弾性率(t/mm2) 18.5 繊維垂直方向引張強度(Kg/mm2) 6.4 繊維垂直方向引張弾性率(t/mm2) 5.4 繊維垂直方向曲げ強度(Kg/mm2) 9.6 繊維垂直方向曲げ弾性率(t/mm2) 5.4 層間剪断強度(Kg/mm2) 8.9 曲げ衝撃値(Kg・cm/mm2) 261 実施例 7 無機繊維として参考例9で得た無機繊維を用
いた以外は、実施例4と同様にして繊維含有量が
60体積%の無機繊維強化エポキシ複合材料を製造
した。
製造された複合材料の機械的特性を以下に示
す。
引張強度(Kg/mm2) 180 引張弾性率(t/mm2) 24 曲げ強度(Kg/mm2) 242 曲げ弾性率(t/mm2) 22 繊維垂直方向引張強度(Kg/mm2) 6.5 繊維垂直方向引張弾性率(t/mm2) 6.6 繊維垂直方向曲げ強度(Kg/mm2) 9.9 繊維垂直方向曲げ弾性率(t/mm2) 6.4 層間剪断強度(Kg/mm2) 9.0 曲げ衝撃値(Kg・cm/mm2) 265

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 無機繊維を強化材とし、プラスチツクをマト
    リツクスとする無機繊維強化プラスチツク複合材
    料において、 (a) 前記無機繊維が、チタン、ジルコニウム及び
    ハフニウムからなる群から選ばれる少なくとも
    一種類の元素と珪素を含有する金属含有多環状
    芳香族重合体から得られる無機繊維であつて、
    その構成成分が (i) 該重合体を構成するメソフエーズ状態にあ
    る多環状芳香族化合物から導かれるラジアル
    構造、オニオン構造、ランダム構造、コアラ
    ジアル構造、スキンオニオン構造及びモザイ
    ク構造からなる群から選ばれる少なくとも一
    種の結晶配列状態を示す炭素質、 (ii) 該重合体を構成する有機溶媒不溶分を含む
    光学的等方性の多環状芳香族化合物から導か
    れる、無配向状態の結晶質炭素及び/又は非
    晶質炭素、及び (iii) Si、M、C及びOから実質的になる非
    晶質物質、及び/又は 実質的にβ−SiC、MC、β−SiCとMC
    の固溶体及びMC1-xからなる粒径が500Å
    以下の結晶超微粒子と、非晶質のSiOy
    びMOzとの集合体であり 構成元素の割合がSi;5〜70重量%、
    M;0.5〜45重量%、C;20〜40重量%及
    びO;0.01〜30重量%である、Si−M−C
    −O物質(上記式中、MはTi、Zr及びHf
    から選択される少なくとも一種の元素であ
    り、0<x<1、0<y≦2、0<z≦2
    である。) であり、 (b) 前記複合材料における前記無機繊維の含有率
    が10〜80体積%、 であることを特徴とする無機繊維強化プラスチツ
    ク複合材料。
JP1228386A 1988-11-15 1989-09-05 無機繊維強化プラスチック複合材料 Granted JPH02225532A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1228386A JPH02225532A (ja) 1988-11-15 1989-09-05 無機繊維強化プラスチック複合材料

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP63-286643 1988-11-15
JP28664388 1988-11-15
JP1228386A JPH02225532A (ja) 1988-11-15 1989-09-05 無機繊維強化プラスチック複合材料

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH02225532A JPH02225532A (ja) 1990-09-07
JPH0571612B2 true JPH0571612B2 (ja) 1993-10-07

Family

ID=17707079

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP1228386A Granted JPH02225532A (ja) 1988-11-15 1989-09-05 無機繊維強化プラスチック複合材料

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH02225532A (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JPH02225532A (ja) 1990-09-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0394463B1 (en) Carbide fibers with high strength and high modulus of elasticity and polymer composition used for their production
JPH0571612B2 (ja)
JP2792180B2 (ja) ブレーキ
JP2547110B2 (ja) ハイブリッド繊維強化炭素質複合材料
JPH02289651A (ja) ハイブリッド繊維強化プラスチック複合材料
JP2547112B2 (ja) ハイブリッド繊維強化炭素質複合材料
JPH03112868A (ja) 繊維強化炭素質複合材料
JPH07103493B2 (ja) 高強度・高弾性率無機繊維及びその製造方法
JPH0689257B2 (ja) 無機繊維強化プラスチック複合材料
JP2547113B2 (ja) ハイブリッド繊維強化炭素質複合材料
JPH0689258B2 (ja) ハイブリッド繊維強化プラスチック複合材料
JPH03234820A (ja) ハイブリッド繊維
JPH0764653B2 (ja) 繊維強化炭素材料
JPH02229218A (ja) 高強度・高弾性率無機繊維及びその製造方法
JP2547108B2 (ja) 繊維強化炭素質複合材料
JPH02311530A (ja) 金属含有多環状芳香族重合体の製造方法
JPH03109264A (ja) 繊維強化炭素質複合材料
JPH0757713B2 (ja) 繊維強化炭素質複合材料
JPH0388778A (ja) 炭素系無機繊維強化セラミックス複合材料
JPH0764654B2 (ja) 繊維強化炭素材料
JPH038768A (ja) 繊維強化炭素質複合材料
JPH02275758A (ja) 繊維強化炭素系複合材料
JPH03151990A (ja) ゴルフクラブシャフト
JPH03155878A (ja) ゴルフクラブヘッド
JPH02275780A (ja) 炭素質無機繊維強化セラミックス複合材料