JPH0570383A - 2,4−ジクロロトルエンの分離方法 - Google Patents

2,4−ジクロロトルエンの分離方法

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JPH0570383A
JPH0570383A JP23503791A JP23503791A JPH0570383A JP H0570383 A JPH0570383 A JP H0570383A JP 23503791 A JP23503791 A JP 23503791A JP 23503791 A JP23503791 A JP 23503791A JP H0570383 A JPH0570383 A JP H0570383A
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貴詩 金井
Hirotaka Ichiyanagi
宏孝 一柳
Yoshio Noguchi
義夫 野口
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 ジクロロトルエン異性体混合物から2,4
−ジクロロトルエンを吸着分離する際に、交換性カチオ
ンとして、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウ
ム、銅からなる群から選ばれた少なくとも一種の金属と
ナトリウムを含むX型ゼオライトを吸着剤として用いる
ことを特徴とする2,4−ジクロロトルエンの分離方
法。 【効果】 2,4−ジクロロトルエンを、効率良く、高
純度で分離回収することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はジクロロトルエン(以下
DCTと略す)異性体の分離方法に関するものであり、
特にDCT異性体混合物から2,4−DCTを分離回収
する方法に関する。
【0002】2,4−DCTは医薬、農薬、染料等の中
間原料として重要である。
【0003】
【従来の技術】トルエン又はモノクロロトルエンを塩素
化してDCTを製造する際に、種々の異性体が生ずる。
すなわち、沸点約200℃の2,4−DCT、2,6−
DCT、2,5−DCTおよび沸点約209℃の3,4
−DCT、2,3−DCTである。2,4−DCT、
2,6−DCT、2,5−DCTの沸点差はきわめて小
さいので、蒸留により2,4−DCTを高純度で回収す
ることは困難である。
【0004】このため、工業的には、高純度のp−クロ
ロトルエンを塩素化し2,4−DCTおよび3,4−D
CTの混合物を得た後、蒸留により2,4−DCTを分
離回収して製造している。しかしながらこの方法は、
2,6−DCT、2,5−DCTが副生しないように原
料に高純度のp−クロロトルエンを用いる必要があるの
で経済的なプロセスとは言い難い。
【0005】一方、DCT異性体混合物から、ゼオライ
ト吸着剤をもちいて2,4−DCTを吸着分離する方法
が特公平2−36577号公報に開示されているが、効
率が悪いという欠点があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
問題点を解決し、トルエン又はモノクロロトルエンの塩
素化によって得られるDCT異性体混合物から、2,4
−DCTを高純度で、効率良く分離することができる方
法を提供しようとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らはDCT異性
体混合物から2,4−DCTを高純度で、効率良く分離
回収する方法に関し鋭意検討を重ねた結果、吸着剤とし
て特定のゼオライトを用いて吸着分離を行うことによ
り、2,4−DCTを非吸着成分として高純度で、効率
良く分離回収できることを見出だし本発明に到達した。
【0008】すなわち本発明は、DCT異性体混合物か
ら2,4−DCTを吸着分離する際に、交換性カチオン
として、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、
銅からなる群から選ばれた少なくとも一種の金属とナト
リウムを含むX型ゼオライトを吸着剤として用いること
を特徴とする2,4−DCTの分離方法である。
【0009】本発明において対象とするDCT異性体混
合物は、一般にはトルエン又はモノクロロトルエンの塩
素化によって得られるものであり、2,4−DCTの他
に2,3−DCT、2,5−DCT、2,6−DCT、
3,4−DCTを含有する。
【0010】本発明においては、交換性カチオンとし
て、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、銅か
らなる群から選ばれた少なくとも一種の金属とナトリウ
ムを含むX型ゼオライトを吸着剤として用いることが重
要である。
【0011】本発明において使用されるX型ゼオライト
とはフォ−ジャサイト型ゼオライトの一種であり、次式
で示される結晶性アルミノシリケートである。
【0012】 Mn/2 O・Al2 3 ・xSiO2 ・yH2 O ここで、Mは金属カチオンまたはプロトンであり、nは
金属Mまたはプロトンの原子価である。またxはシリカ
/アルミナ比であり通常2.0〜6.0の範囲である。
yは水和の程度により異なる。フォージャサイト型ゼオ
ライトは、通常シリカ/アルミナ比の程度によりXおよ
びY型に分類される。X型ゼオライトのシリカ/アルミ
ナ比は、x=2.0〜3.0であり、Y型はx=3.0
〜6.0である 本発明で使用する吸着剤において、カチオンMは、マグ
ネシウム、カルシウム、ストロンチウム、銅からなる群
から選ばれた少なくとも一種の金属カチオンとナトリウ
ムイオンで構成される。
【0013】一般にX型ゼオライトはカチオンMがナト
リウムであるタイプのものが入手される。カチオンMは
イオン交換により、他の金属カチオンに交換することが
できる。カチオン交換の方法は通常、目的のカチオンを
含む化合物、例えば塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩、炭酸塩、
水酸化物などの水溶液にゼオライトを接触させることに
より実施される。イオン交換量はカチオンの種類により
異なるが、水溶液の濃度、交換時の温度などにより任意
に設定することができる。イオン交換処理後には、十分
に水洗し、交換されて水溶液中に溶出したナトリウムイ
オンや、例えば塩素イオン、硝酸イオンなどを除去す
る。
【0014】本発明の吸着剤においては、通常、ナトリ
ウムタイプのX型ゼオライトのナトリウムの一部を、マ
グネシウム、カルシウム、ストロンチウム、銅からなる
群から選ばれた少なくとも一種の金属カチオンに交換す
ることにより得られる。
【0015】交換の比率は、50当量%以下とすること
が好ましく、つまり、ナトリウムタイプのX型ゼオライ
トに含まれるナトリウムカチオンの50当量%以下が、
マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、銅からな
る群から選ばれた少なくとも一種の金属カチオンにより
交換されることが好ましい。
【0016】またゼオライトを吸着剤として使用する場
合には、予めゼオライト中の結晶水を除去する。通常は
200〜600℃で焼成することにより、結晶水をほと
んど除去することができる。
【0017】本発明の方法で2,4−DCTを吸着分離
するための技術は、いわゆるクロマト分取法であっても
よいし、またこれを連続化した擬似移動床による吸着分
離法でも良い。擬似移動床の場合、2,4−DCTは最
も吸着され難い物質としてラフィネート流れ中に回収さ
れる。
【0018】これらの吸着分離法に使用される展開剤あ
るいは脱着剤には、脱着剤存在下で吸着剤の分離能力を
損なわないこと、吸着剤に吸着したDCTを効率良く脱
着できること、および蒸留等によりDCTと容易に分離
できること等の特性が要求される。このような特性を満
足する脱着剤としては、種々のアルキル置換またはハロ
ゲン置換ベンゼン誘導体が利用できる。具体的には、ト
ルエン、キシレン、エチルベンゼン、トリメチルベンゼ
ン、クロロベンゼン、クロロトルエンなどが挙げられ
る。特に好ましいのは、m−キシレンである。これらの
化合物は1種でも2種以上混合して使用しても良い。
【0019】吸着分離を行う時の操作条件については、
温度は室温から350℃、好ましくは50から250℃
であり、また圧力は大気圧から50kg/cm2 G、好
ましくは大気圧から40kg/cm2 Gである。吸着分
離は気相でも液相でも実施され得るが、操作温度を低く
して原料供給物または脱着剤の好ましくない副反応を減
じるために液相で実施するのが好ましい。
【0020】
【実施例】次に、本発明の方法を実施例をあげて説明す
る。
【0021】実施例1〜4では、吸着剤の吸着特性を次
式の吸着選択率(α)で表す。
【0022】
【数1】
【0023】ここで、A、BはDCT異性体のどれか一
種を示し、Sは吸着相を、Lは吸着相と平衡状態にある
液相を示す。
【0024】上記吸着選択率(αA/B )の値が1より大
のときA成分が選択的に吸着され、1より小のときはB
成分が選択的に吸着される。また、上記吸着選択率
(α)の値が1より大なる吸着剤、あるいは1より小さ
く0に近い吸着剤ほどAとBの吸着分離が容易となる。
また、Aが脱着剤(以下DESと略す)であり、BがD
CT異性体間で最大吸着強さを与えるDCTである場
合、αDES/DCT の値は1に近い値が好ましい。1より著
しく大なるときは脱着強さが大きく次回に吸着されるD
CTの吸着に障害を与え、1より著しく小なるときは吸
着されたDCTを十分に脱着することが困難となる。
【0025】実施例1〜4 Na−X型ゼオライトの造粒品を目的のカチオンを含む
水溶液で処理し、ナトリウムイオンの一部をイオン交換
しMg−Na−X、Ca−Na−X、Sr−Na−X、
Cu−Na−Xを調製した。このようにして調製された
ゼオライト吸着剤は、DCT異性体間の吸着選択率を測
定する直前に500℃で2時間焼成した。
【0026】内容積5mlのオートクレーブ内に吸着剤
2gおよびDCT異性体と脱着剤の混合物3gを充填
し、150℃で30分間、時々攪拌しながら放置した。
脱着剤はm−キシレンである。仕込んだDCT異性体と
脱着剤の混合物の組成は、2,3−DCT/2,4−D
CT/2,5−DCT/2,6−DCT/3,4−DC
T/脱着剤=1.2/10.7/19.4/15.7/
3.0/50.0wt%であった。さらにガスクロマト
グラフィー分析での基準物質として5重量%のn−ノナ
ンを同時に仕込んだ。
【0027】吸着剤と接触させた後の液相混合物の組成
をガスクロマトグラフィーにより分析しDCT異性体間
の吸着選択率αを求めた。
【0028】得られた吸着選択率αを表1に示す。
【0029】
【表1】
【0030】表中の例えば0.2Mg−Na−Xと示し
たものは、Na−X型ゼオライトに含まれるナトリウム
カチオンの20当量%のマグネシウムカチオンを含む硝
酸塩溶液でイオン交換したことを示す。また、DESは
脱着剤を、iはDCT異性体の中で最も強く吸着する異
性体を示す。
【0031】表1から明らかなように、2,4−DCT
はαx/2,4-DCT は全て1.0より大となるので、2,4
−DCTをラフィネート成分として分離回収することが
可能である。
【0032】実施例5 実施例3の吸着剤を用いて第1図に示す擬似移動床装置
を使用して、DCT異性体混合物を吸着分離した。DC
T異性体混合物の組成は2,3−DCT/2,4−DC
T/2,5−DCT/2,6−DCT/3,4−DCT
=2.4/21.0/41.8/32.5/2.3wt
%であった。
【0033】内容積約13mlの吸着室1〜12に吸着
剤を充填した。ライン13から脱着剤であるm−キシレ
ンを410ml/Hrで供給し、ライン15から上記D
CT異性体混合物を18.5ml/Hrで供給した。ラ
イン14からエクストラクト流れを155ml/Hrで
抜き出し、ライン16からラフィネート流れを30ml
/Hrで抜き出し、残りの流体をバルブ18を通じてラ
イン13に戻した。この時、約120秒間隔で吸着室1
を12に、11を10に、8を7に、5を4に同時に移
動させた(他の吸着室も吸着室1室分上方に同時に移動
する)。吸着温度は140℃で実施した。
【0034】上記実験で得られたラフィネート流れに含
まれるDCT異性体混合物中の2,4−DCTの純度と
2,4−DCTの回収率を表2に示す。純度99.6%
の2、4−DCTを回収率90%で得ることができた。
【0035】比較例1〜2 実施例1〜4で使用したNa−Xと、実施例1〜4と同
様な方法で調製したAg−Na−Xを各々実施例5の装
置を使用して、DCT異性体混合物を吸着分離した。D
CT異性体混合物の組成および吸着条件は、実施例5と
同一である。
【0036】結果を表2に示す。
【0037】
【表2】
【0038】表中の例えば0.2Ag−Na−Xと示し
たものは、Na−X型ゼオライトに含まれるナトリウム
カチオンの20当量%の銀カチオンを含む硝酸塩溶液で
イオン交換したことを示す。
【0039】得られたラフィネート流れに含まれるDC
T異性体混合物中の2,4−DCTの純度は99%以下
であり、回収率も実施例5と比較すると低下した。
【0040】
【発明の効果】本発明によれば、ジクロロトルエン異性
体混合物から2,4−ジクロロトルエンを、効率良く、
高純度で分離回収することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の1実施態様である擬似移動床による
吸着分離操作を模式的に示す図である。
【符号の説明】
1〜12:吸着室 13:脱着剤供給ライン 14:エクストラクト抜出ライン 15:異性体混合物供給ライン 16:ラフィネート抜出ライン 17:脱着剤回収ライン 18:バルブ

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ジクロロトルエン異性体混合物から2,
    4−ジクロロトルエンを吸着分離する際に、交換性カチ
    オンとして、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウ
    ム、銅からなる群から選ばれた少なくとも一種の金属と
    ナトリウムを含むX型ゼオライトを吸着剤として用いる
    ことを特徴とする2,4−ジクロロトルエンの分離方
    法。
JP23503791A 1991-09-13 1991-09-13 2,4−ジクロロトルエンの分離方法 Expired - Lifetime JP2576725B2 (ja)

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