JPH0570306A - 工業用殺菌剤及び工業用殺菌方法 - Google Patents
工業用殺菌剤及び工業用殺菌方法Info
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- JPH0570306A JPH0570306A JP3283062A JP28306291A JPH0570306A JP H0570306 A JPH0570306 A JP H0570306A JP 3283062 A JP3283062 A JP 3283062A JP 28306291 A JP28306291 A JP 28306291A JP H0570306 A JPH0570306 A JP H0570306A
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Abstract
効成分として含有、及び(2)上記物質と、公知の工業
用殺菌成分である有機窒素硫黄系化合物例えばメチレン
ビスチオシアネート;有機ブロム系化合物、例えば2,
2−ジブロモ−3−ニトリロプロピオンアミド;有機窒
素系化合物、例えばN、4−ジヒドロキシ−2−オキソ
ベンゼンエタンイミドイルクロライド;有機硫黄系化合
物、例えば3,3,4,4−テトラクロロテトラヒドロ
チオフェン−1,1−ジオキシドから選ばれた1種以上
とを有効成分として含有する工業用殺菌剤。 【効果】 亜硫酸イオン等の還元性物質存在下において
も、顕著な殺菌効果を有する。
Description
菌方法に関する。さらに詳しくは紙・パルプ工業におけ
る抄紙工程水、各種工業用の冷却水や洗浄水、重油スラ
ッジ、金属加工油剤、繊維油剤、ペイント、紙用塗工
液、ラテックス、糊剤の防腐や殺菌用として有用である
工業用殺菌剤及び殺菌方法に関する。
程や各種工業における冷却水系統には、細菌や真菌によ
るスライムが発生し、生産品の品質低下や生産効率の低
下などの障害があることが知られている。また、多くの
工業製品、例えば重油スラッジ、金属加工油剤、繊維油
剤、ペイント類、各種ラテックス、糊剤等では細菌や真
菌による腐敗や汚染が発生し、製品を汚損し価値を低下
させる。
め、多くの殺菌剤が使用されてきた。古くは有機水銀化
合物や塩素化フェノール化合物などが使用されていた
が、これらの薬剤は人体や魚介類に対する毒性が強く、
環境汚染をひき起こすため使用が規制されるようにな
り、最近では比較的低毒性の有機窒素硫黄系化合物、有
機ハロゲン系化合物及び有機硫黄系化合物が工業用殺菌
剤として汎用されている〔防菌防黴剤事典(昭61、日
本防菌防黴学会発行)、特開平3-170404号公報、特開平
3-83902号公報、特開平3-167101号公報等参照〕。
ズアルドキシムから合成されるα−クロロ−O−アシル
ベンズアルドキシム類、α−クロロ−クロロ−ベンズア
ルドキシム類等が工業用殺菌剤として知られている(特
公昭50-15844号、同54-36647号。同51-33171号公報)。
しかしながら、これらのアルドキシム系殺菌剤の合成用
原料(中間体)であるα−クロロ−ベンズアルドキシム
自体が殺菌性を有することは知られていない。
シム系殺菌剤及び従来の有機系殺菌剤は、非還元的な工
業対象系には、有効な殺菌効果を示す。しかしながら、
亜硫酸イオン等の還元性物質が存在する工業対象系にお
いてかかる有機系殺菌剤を使用した場合には、これらの
殺菌効力が著しく減退し、その結果、前述した障害を有
効に防止することができなかった。
あり、ことに、還元性の工業対象系においても著効を奏
する新しい殺菌剤を提供しようとするものである。
明によれば、α−クロロ−ベンズアルドキシムを有効成
分として含有する工業用殺菌剤が提供される。この発明
は、従来のアルドキシム系殺菌剤の一原料であるα−ク
ロロ−ベンズアルドキシム自体が、意外にも還元性環境
において顕著な殺菌作用を発現し、アルドキシム系殺菌
剤よりも優れた殺菌剤として使用できるという事実の発
見に基づく。
ムは下式(I):
化合物を通常液剤に製剤化した形態であるのが望まし
い。液剤とする場合に用いる溶媒としては、通常の有機
溶媒が適している。ことに殺菌対象が紙パルプ工業に於
ける抄紙工程水等の各種水系、及び紙用塗工液、糊剤等
の場合には、親水性有機溶媒を用いた液剤とするのが好
ましい。この親水性有機溶媒としては、ジエチレングリ
コール、ポリエチレングリコール、プロピレンカーボネ
ート、グルタル酸ジメチル等の溶媒が挙げられる。但
し、上記化合物自体を単独で用いてもよく、適当な固体
担体と混合して用いてもよい。
いて顕著な殺菌作用を奏し、ことに前述した抄紙工程
水、紙用塗工液、糊剤等の殺菌剤として極めて有用であ
る。中でも、還元性の系、例えば紙、パルプ工業の抄紙
系、脱墨紙(DIP)を含有する中質紙のように、還元
性物質が5ppm(亜硫酸イオン換算)以上存在する工業
用対象系中において、顕著な殺菌剤効果が発揮され、と
くにこのような系中に於いてその有用性が高いものであ
る。
添加量は、対象系の異なりや微生物の発生度合等の付帯
条件によって異なるが、通常、式(I)の化合物の添加
量として0.5〜50mg/l程度が適している。また、この
発明の殺菌剤中には、この発明による効果を阻害しない
程度の量の添加剤(例えば、製剤分散安定性向上用とし
ての界面活性剤、水溶性ポリマや有効成分自体の安定性
向上用としての塩酸等)が含まれていてもよく、場合に
よっては、他の公知の工業用殺菌成分が含まれていても
よい。
α−クロロ−ベンズアルドキシムと公知の工業用殺菌成
分(以後、但し4,5-ジクロロ−1,2-ジチオール−3−オ
ン,5−クロロ−2,4,6-トリフルオロイソフタロニトリ
ル及び5−クロロ−2,4-ジフルオロ−6−メトキシイソ
フタロニトルルを除く。)とからなる工業用殺菌剤が提
供される。この発明による、α−クロロ−ベンズアルド
キシムは、公知の工業用殺菌成分とを組合せることによ
り、抗菌スペクトルの拡大、抗菌力の相加又は相乗効果
に有効である。
硫黄系化合物、有機ブロム系化合物、有機窒素系化合
物、有機硫黄系化合物があげられる。有機窒素硫黄系化
合物としては、メチレンビスチオシアネート;5−クロ
ル−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン,2−
メチル−4−イソチアゾリン−3−オン,4,5-ジクロロ
−2−n−オクチル−イソチアゾリン−3−オン,2−
n−オクチル−イソチアゾリン−3−オン,1,2-ベンゾ
イソチアゾリン−3−オン等の3−イソチアゾロン系化
合物;N−メチルジチオカルバミン酸アンモニウム,N
−メチルジチオカルバミン酸ナトリウム,ジメチルジチ
オカーバメート(ナトリウム塩),エチレンチウラムモ
ノサルファイド,エチレンビスジチオカルバミン酸二ナ
トリウム,エチレンビスジチオカルバミン酸マンガン等
のジチオカーバメート化合物;クロラミンT,N,N-ジメ
チル-N'-(フルオロジクロルメチルチオ)-N'-フェニル
スルファミド等のスルホンアミド系化合物;2−(4−
チオシアノメチルチオ)ベンゾチアゾール,2−メルカ
プトベンゾチアゾールナトリウム等のチアゾール系化合
物;ヘキサヒドロ-1,3,5−トリス−(2−エチル)−S
−トリアジン,ヘキサヒドロ-1,3,5−トリス−(2−ヒ
ドロキシエチル)−S−トリアジン等のS−トリアジン
系化合物;N−(フルオロジクロロメチルチオ)−フタ
ルイミド;3,5-ジメチル−1,3,5-2H−テトラヒドロチア
ジアジン−2−チオン,ジチオ-2,2'-ビス(ベンズメチ
ルアミド)等があげられる。
モ−3−ニトリロプロピオンアミド,2−ブロモ−2−
ブロモメチル−グルタロニトリル等の有機ブロムシアノ
系化合物;2−ブロモ−2−ニトロプロパン−1,3-ジオ
ール,1,1-ジブロモ−1−ニトロ−2−プロパノール,
2,2-ジブロモ−2−ニトロ−1−エタノール,1,1-ジブ
ロモ−1−ニトロ−2−アセトキシエタン,1,1-ジブロ
モ−1−ニトロ−2−アセトキシプロパン,2−ブロモ
−2−ニトロ−1,3-ジアセトキシ−プロパン,トリブロ
モニトロメタン,β−ブロモ−β−ニトロスチレン,5
−ブロモ−5−ニトロ−1,3-ジオキサン,5−ブロモ−
2−メチル−5−ニトロ−1,3-ジオキサン等の有機ブロ
モニトロ系化合物、1,2-ビス−(ブロモアセトキシ)−
エタン,1,2-ビス−(ブロモアセトキシ)−プロパン,
1,4-ビス−(ブロモアセトキシ)−2−ブテン,メチレ
ンビスブロモアセテート,ベンジルブロモアセテート,
N-ブロモアセトアミド,2-ブロモアセトアミド等の有機
ブロム酢酸エステル又はアミド類;2−ブロモ−4'−ヒ
ドロキシアセトフェノン;2,5-ジクロル−4−ブロムフ
ェノール;2,4,6-トリブロモフェノール;α−ブロムシ
ンナムアルデヒド;ビストリブロモメチルスルホン,2
−ヒドロキシエチル−2,3-ジブロモプロピオネート等が
あげられる。
キシ−α−オキソベンゼンエタンイミドイルクロライ
ド;ジクロロイソシアヌール酸ナトリウム,トリクロロ
イソシアヌール酸等の塩素化イソシアヌール酸系化合
物;塩化デカリウム,臭化アルキルイソキノリニウム,
塩化ベンザルコニウム等の第4級アンモニウム化合物;
2−ベンツイミダゾリルカルバミン酸メチル,3−ヨー
ド−2−プロパルギルブチルカルバミン酸等のカルバミ
ン酸又はそのエステル;1−〔2−(2,4-ジクロロフェ
ニル)〕−2'−〔(2,4-ジクロロフェニル)メトキシ〕
エチル−3−(2−フェニルエチル)1H−イミダゾリ
ウムクロライド,1−〔2−(2,4-ジクロロフェニル)
−2−(2−プロペニルオキシ)エチル〕−1H−イミ
ダゾール等のイミダゾール系化合物;2−(2−フリ
ル)−3−(5−ニトロ−2−フリル)−アクリル酸ア
ミド,2−クロルアセトアミド等のアミド系化合物;N
−(2−ヒドロキシプロピル)−アミノメタノール,2
−(ヒドロキシメチルアミノ)エタノール等のアミノア
ルコール系化合物;2−ピリジンチオールナトリウムオ
キシド;2,4,5,6-テトラクロロイソフタロニトリル;N
−(2−メチル−1−ナフチル)マレイミド,ポリ〔オ
キシエチレン(ジメチルイミノ)エチレン(ジメチルイ
ミノ)エチレンジクロライド〕等があげられる。
ラクロロテトラヒドロチオフェン−1,1-ジオキシド;ジ
チオ-2,2'-ビス−1−ベンズメチルアミド;2−ヒドロ
キシプロピルメタンチオスルホネート,エチレンチウラ
ムモノスルフィド等があげられる。また、その他の公知
の殺菌成分としては、3−アセトキシ-1,1,2-トリヨー
ド-1−プロペン;グルタルジアルデヒド;ジクロロフェ
ン;過酸化水素,無水マレイン酸等があげられる。
クロロベンズアルドキシムと併用することにより、相乗
効果が発揮される点で好ましい化合物としては、有機窒
素硫黄系殺菌剤の中ではメチレンビスチオシアネート,
5−クロル−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オ
ン,2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン,4,5-
ジクロロ−2−n−オクチル−イソチアゾリン−3−オ
ン,2−n−オクチル−イソチアゾリン−3−オン,1,
2-ベンゾイソチアゾリン−3−オン等の3−イソチアゾ
ロン系化合物である。さらに顕著な相乗効果が発揮され
る点で特に好ましい化合物は、メチレンビスチオシアネ
ート,5−クロル−2−メチル−4−イソチアゾリン−
3−オン,4,5-ジクロロ−2−n−オクチル−イソチア
ゾリン−3−オンである。
モ−3−ニトリロプロピオンアミド,2−ブロモ−2−
ブロモメチル−グルタロニトリル等の有機ブロムシアノ
系化合物、2−ブロモ−2−ニトロプロパン−1,3-ジオ
ール,2,2-ジブロモ−2−ニトロ−1−エタノール,1,
1-ジブロモ−1−ニトロ−2−プロパノール,1,1-ジブ
ロモ−1−ニトロ−2−アセトキシエタン,1,1-ジブロ
モ−1−ニトロ−2−アセトキシプロパン,2−ブロモ
−2−ニトロ−1,3-ジアセトキシ−プロパン,トリブロ
モニトロメタン,β−ブロモ−β−ニトロスチレン,5
−ブロモ−5−ニトロ−1,3-ジオキサン,5−ブロモ−
2−メチル−5−ニトロ−1,3-ジオキサン等の有機ブロ
モニトロ化合物、1,2-ビス−(ブロモアセトキシ)−エ
タン,1,2-ビス−(ブロモアセトキシ)−プロパン,1,
4-ビス−(ブロモアセトキシ)−2−ブテン,メチレン
ビスブロモアセテート,ベンジルブロモアセテート,N-
ブロモアセトアミド,2-ブロモアセトアミド等の有機ブ
ロム酢酸エステル又はアミド類である。顕著な相乗効果
が発揮される点で特に好ましい化合物は、2,2-ジブロモ
−3−ニトリロプロピオンアミド,2−ブロモ−2−ブ
ロモメチル−グルタロニトリル,2,2-ジブロモ−2−ニ
トロ−1−エタノール,2−ブロモ−2−ニトロ−1,3-
ジアセトキシ−プロパン,1,2-ビス−(ブロモアセトキ
シ)−エタン,1,2-ビス−(ブロモアセトキシ)−プロ
パン,1,4-ビス−(ブロモアセトキシ)−2−ブテン,
N-ブロモアセトアミドである。
発揮される点で特に好ましい化合物は、N,4-ジヒドロキ
シ−α−オキソベンゼンエタンイミドイルクロライドで
ある。有機硫黄系化合物の中で顕著な相乗効果が発揮さ
れる点で特に好ましい化合物は、3,3,4,4-テトラクロロ
テトラヒドロチオフェン−1,1-ジオキシドである。
ドキシムと公知の工業用殺菌成分との組み合せにおいて
相乗効果が発揮される比率(重量比)としては、50:
1〜1:20とするのが適しており、20:1〜1:1
0とするのがより好ましい。なお、工業用殺菌成分は、
1種以上組合せて使用してもよい。工業用殺菌成分とα
−クロロ−ベンズアルデヒドを組合せて用いる場合、通
常液剤の形態で一液製剤化して用いるのが好ましい。
や分散剤が用いられる。殺菌対象系が製紙工程のプロセ
ス水や工場用冷却水等の各種水系の場合には、有効成分
の溶解、分散性を考慮して、水又は親水性有機溶媒及び
分散剤を用いた液剤とするのが好ましい。この親水性有
機溶媒としては、ジメチルホルムアミド等のアミド類、
エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレ
ングリコール、ジプロピレングリコール等のグリコール
類、メチルセロソルブ、フェニルセロソルブ、ジエチレ
ングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコ
ールモノエチルエーテル、トリプロピレングリコールモ
ノメチルエーテル等のグリコールエーテル類、炭素数8
までのアルコール類もしくはメチルアセテート、エチル
アセテート、3−メトキシジブチルアセテート、2−エト
キシメチルアセテート、2−エトキシエチルアセテー
ト、プロピレンカーボネート等のエステル類が挙げられ
る。
アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤又は両性
界面活性剤が適当であり、製剤としての安定性の点でノ
ニオン性界面活性剤が好ましい。このノニオン性界面活
性剤としては、高級アルコールエチレンオキサイド付加
物(エチレンオキサイドは以下E.Oと略す)、アルキ
ルフェノール(E.O)付加物、脂肪酸(E.O)付加
物、多価アルコール脂肪酸エステル(E.O)付加物、
高級アルキルアミン(E.O)付加物、脂肪酸アミド
(E.O)付加物、油脂の(E.O)付加物、プロピレ
ンオキサイド[P.Oと略す](E.O)共重合体、ア
ルキルアミン(P.O)(E.O)共重合体付加物、グ
リセリンの脂肪酸エステル、ペンタエリスリトールの脂
肪酸エステル、ソルビトール及びソルビタンの脂肪酸エ
ステル、ショ糖の脂肪酸エステル、多価アルコールのア
ルキルエーテル、アルキロールアミド等が挙げられる。
これらの製剤の配合割合は、有効成分の合計量が1〜50
重量部で、分散剤が該有効成分の合計1重量部に対して
少なくとも0.01重量部であり、残部を親水性有機溶媒と
するのが好ましい。
油、油性塗料などの油系の場合には、灯油、重油、スピ
ンドル油等の炭化水素溶媒を用いた一液製剤とするのが
好ましく、前述した各種界面活性剤を用いてもよい。こ
の発明の殺菌剤の添加量は、殺菌対象物により異なる
が、ことに製紙工程のプロセス水系や工業用の冷却水系
に添加される場合、微生物の発育を抑制する濃度(静菌
濃度)としては、通常有効成分の合計濃度として0.05〜
20mg/l程度の添加で十分である。また、殺菌的に使用す
る場合には、有効成分の合計濃度として0.5〜50mg/lで
目的を達成することができる。
ドキシムと公知の工業用殺菌成分を併用する際に、同時
に添加する場合には、前述したように同一製剤として用
いるのが簡便であるが、製剤の長期貯蔵安定性等の点で
それぞれ分離しておくのが好ましい場合や別々に添加す
る場合には、それぞれ、別の製剤として用いられる。こ
の発明によれば、さらに、工業用殺菌対象系中に、上記
α−クロロベンズアルドキシムと任意に公知の工業用殺
菌成分を添加することからなる殺菌方法が提供される。
クロロベンズアルドキシムと公知の工業用殺菌成分との
配合割合は、殺菌対象の菌の種類と量、工業用殺菌成分
の種類によって異なるが、上記の添加濃度と配合割合と
を考慮すればよい。以下、この発明を実施例及び試験例
により説明する。
試験]紙・パルプ工業における工程水、各種工業用の冷
却水、ペイント、紙用塗工液、ラテックス、糊剤中に認
められるグラム陰性菌の代表株であるシュードモナス・
アルギノーサを用いて、還元性物質の共存下における殺
菌効力の確認試験を行った。
た。予めブイヨン培地により前培養した菌液を、SO3
2-濃度として5,10,20,50ppmの滅菌水に生菌
数が106個/m1以上となるように加え、これに薬剤を
添加し、37°Cにて1時間振盪し、その後生存した菌
数を測定し、初期菌数の99.9%以上が死滅する最小殺菌
濃度を求めた。
結果より明らかなように亜硫酸イオン存在下(5〜50
ppm)においては、この発明の化合物は類似化合物または
既存汎用化合物よりも著しい殺菌効果が認められた。
某製紙工場の新聞紙抄造機(酸性抄造)より採取した白
水(pH5.0、還元性物質JISK0101:SO3 2-
換算30ppm、シュードモナス属、フラボバクテリウム
属、バチルス属菌主体)に薬剤を5,10及び20ppm
添加し37°Cで1時間振とうし、その後生存した菌数
を測定した。
かな様に、還元性物質の存在する白水において、この発
明の化合物は非常に有効な殺菌効果が認められた。 (実施例)この発明の実施例である製剤例を以下に示
す。例中の部はすべて重量部を示す。 (製剤例1) α−クロロ−ベンズアルドキシム 15部 ポリエチレングリコール 85部 (製剤例2) α−クロロ−ベンズアルドキシム 15部 ジエチレングリコールモノメチルエーテル 85部 (製剤例3) α−クロロ−ベンズアルドキシム 15部 メチレンビスチオシアネート 10部 ジエチレングリコールモノメチルエーテル 70部 ジメチルホルムアミド 5部 (製剤例4) α−クロロ−ベンズアルドキシム 15部 5-クロロ-2-メチル-4-イソチアゾリン-3-オン 10部 ジエチレングリコールモノメチルエーテル 70部 ジメチルホルムアミド 5部 (製剤例5) α−クロロ−ベンズアルドキシム 15部 4,5-ジクロロ-2-n-オクチル-イソチアゾリン-3-オン 10部 ジエチレングリコールモノメチルエーテル 70部 ジメチルホルムアミド 5部 (製剤例6) α−クロロ−ベンズアルドキシム 15部 2,2-ジブロモ-3-ニトリロプロピオンアミド 10部 ジエチレングリコールモノメチルエーテル 70部 ジメチルホルムアミド 5部 (製剤例7) α−クロロ−ベンズアルドキシム 15部 2-ブロモ-2-ニトロ-1,3-プロパンジオール 10部 ジエチレングリコールモノメチルエーテル 70部 ジメチルホルムアミド 5部 (製剤例8) α−クロロ−ベンズアルドキシム 15部 2,2-ジブロモ-2-ニトロ-1-エタノール 10部 ジエチレングリコールモノメチルエーテル 70部 ジメチルホルムアミド 5部 (製剤例9) α−クロロ−ベンズアルドキシム 15部 2-ブロモ-2-ニトロ-1,3-ジアセトキシ-プロパン 15部 コハク酸ジメチル 70部 (製剤例10) α−クロロ−ベンズアルドキシム 15部 1,2-ビス-(ブロモアセトキシ)-エタン 15部 コハク酸ジメチル 70部 (製剤例11) α−クロロ−ベンズアルドキシム 15部 1,2-ビス-(ブロモアセトキシ)-プロパン 15部 コハク酸ジメチル 70部 (製剤例12) α−クロロ−ベンズアルドキシム 15部 1,4-ビス-(ブロモアセトキシ)-2-ブテン 15部 コハク酸ジメチル 70部 (製剤例13) α−クロロ−ベンズアルドキシム 15部 3,3,4,4-テトラクロロチオラン-1,1-ジオキシド 10部 ジエチレングリコールモノメチルエーテル 70部 ジメチルホルムアミド 5部 (製剤例14) α−クロロ−ベンズアルドキシム 15部 2-ブロモ-2-ブロモメチル-グルクロニトリル 10部 ジエチレングリコールモノメチルエーテル 70部 ジメチルホルムアミド 5部 (製剤例15) α−クロロ−ベンズアルドキシム 15部 N,4-ジヒドロキシ-α-オキソベンゼンエタンイミドイルクロライド 10部 ジエチレングリコールモノメチルエーテル 70部 ジメチルホルムアミド 5部 (試験例3)〔α−クロロ−ベンズアルドキシムと公知の工業用殺菌剤との各配 合割合による相乗効果確認試験〕 某製紙工場の新聞紙抄造機(酸性抄造)より採取した白
水(pH5.1、SO3 2-27ppm 、バチルス属,ミクロコッ
カス属,シュードモナス属,フラボバクテリウム属,ア
ルカリゲネス属菌主体)に、各種有効成分の総量として
5ppm を添加し、37℃にて30分間振盪した。その
後、生菌数を測定し、初期菌数(7.5×105 個/m
l)に対する殺菌率を求めた。
の数値は、殺菌率(%)を示す。
す。 A:α−クロロ−ベンズアルドキシム B:下記(a)〜(m)の殺菌剤から選ばれた少なくとも1種
の化合物 (a):メチレンビスチオシアネート (b):5-クロロ-2-メチル-4-イソチアゾリン-3-オン (c):4,5-ジクロロ-2-n-オクチル-イソチアゾリン-3-オ
ン (d):2,2-ジブロモ-3-ニトリロプロピオンアミド (e):2-ブロモ-2-ニトロ-1,3-プロパンジオール (f):2,2-ジブロモ-2-ニトロ-1-エタノール (g):2-ブロモ-2-ニトロ-1,3-ジアセトキシ-プロパン (h):1,2-ビス-(ブロモアセトキシ)-エタン (i):1,2-ビス-(ブロモアセトキシ)-プロパン (j):1,4-ビス-(ブロモアセトキシ)-2-ブテン (k):3,3,4,4-テトラクロロチオフェン,1-ジオキシド (l):2-ブロモ-2-ブロモメチル-グルタロニトリル (m):N,4-ジヒドロキシ-α-オキソベンゼンエタンイミ
ドイルクロライド (n):N-ブロモアセトアミド
菌対象系において、効率の良い殺菌処理を行うことがで
きる。ことに還元性環境下において、従来の工業用殺菌
剤に比較して顕著な殺菌効果が発現される。
示するグラフ図である。
Claims (13)
- 【請求項1】 α−クロロ−ベンズアルドキシムを有効
成分として含有する工業用殺菌剤。 - 【請求項2】 公知の工業用殺菌成分(以後、但し4,5-
ジクロロ−1,2-ジチオール−3−オン,5−クロロ−2,
4,6-トリフルオロイソフタロニトリル及び5−クロロ−
2,4-ジフルオロ−6−メトキシイソフタロニトルルを除
く。)を更に含有する請求項1記載の工業用殺菌剤。 - 【請求項3】 公知の工業用殺菌成分が有機窒素硫黄系
化合物、有機窒素系化合物、有機硫黄系化合物及び有機
ブロム系化合物から選ばれた1種以上の化合物である請
求項2記載の工業用殺菌剤。 - 【請求項4】 有機窒素硫黄系化合物が、メチレンビス
チオシアネート,5−クロル−2−メチル−4−イソチ
アゾリン−3−オン,2−メチル−4−イソチアゾリン
−3−オン,4,5-ジクロロ−2−n−オクチル−イソチ
アゾリン−3−オン,2−n−オクチル−イソチアゾリ
ン−3−オン又は1,2-ベンゾイソチアゾリン−3−オン
である請求項3記載の工業用殺菌剤。 - 【請求項5】 有機ブロム系化合物が、2,2-ジブロモ−
3−ニトリロプロピオンアミド,2−ブロモ−2−ブロ
モメチル−グルタロニトリル,2−ブロモ−2−ニトロ
プロパン−1,3-ジオール,2,2-ジブロモ−2−ニトロ−
1−エタノール,1,1-ジブロモ−1−ニトロ−2−プロ
パノール,1,1-ジブロモ−1−ニトロ−2−アセトキシ
エタン,1,1-ジブロモ−1−ニトロ−2−アセトキシプ
ロパン,2−ブロモ−2−ニトロ−1,3-ジアセトキシ−
プロパン,トリブロモニトロメタン,β−ブロモ−β−
ニトロスチレン,5−ブロモ−5−ニトロ−1,3-ジオキ
サン,5−ブロモ−2−メチル−5−ニトロ−1,3-ジオ
キサン,1,2-ビス−(ブロモアセトキシ)−エタン,1,
2-ビス−(ブロモアセトキシ)−プロパン,1,4-ビス−
(ブロモアセトキシ)−2−ブテン,メチレンビスブロ
モアセテート,ベンジルブロモアセテート,N-ブロモア
セトアミド又は2-ブロモアセトアミドである請求項3記
載の工業用殺菌剤。 - 【請求項6】 有機ブロム系化合物が、2,2-ジブロモ−
3−ニトリロプロピオンアミド、2−ブロモ−2−ブロ
モメチル−グルタロニトリル、2,2-ジブロモ−2−ニト
ロ−1−エタノール、2−ブロモ−2−ニトロ−1,3-ジ
アセトキシ−プロパン、1,2-ビス−(ブロモアセトキ
シ)−エタン、1,2-ビス−(ブロモアセトキシ)−プロ
パン、1,4-ビス−(ブロモアセトキシ)−2−ブテン又
はN-ブロモアセトアミドである請求項3記載の工業用殺
菌剤。 - 【請求項7】 有機窒素系化合物が、N,4-ジヒドロキシ
−α−オキソベンゼンエタンイミドイルクロライドであ
る請求項3記載の工業用殺菌剤。 - 【請求項8】 有機硫黄系化合物が、3,3,4,4-テトラク
ロロテトラヒドロチオフェン−1,1-ジオキシドである請
求項3記載の工業用殺菌剤。 - 【請求項9】 α−クロロ−ベンズアルドキシムと公知
の工業用殺菌成分との配合割合(重量比として)が50:1
〜1:20である請求項2〜請求項8のいずれかに記載の工
業用殺菌剤。 - 【請求項10】 α−クロロ−ベンズアルドキシムと公
知の工業用殺菌成分との配合割合(重量比として)が2
0:1〜1:10である請求項9に記載の工業用殺菌剤。 - 【請求項11】 工業用殺菌対象系中に、α−クロロ−
ベンズアルドキシムと公知の工業用殺菌成分とを同時に
又は別々に添加して殺菌を行うことを特徴とする殺菌方
法。 - 【請求項12】 公知の工業用殺菌成分が請求項3〜7
のいずれかに記載の化合物である請求項11記載の殺菌方
法。 - 【請求項13】 α−クロロ−ベンズアルドキシムと公
知の工業用殺菌成分とが50:1〜1:20(重量比)で、かつ
0.05〜50mg/lの濃度に用いられる請求項12に記載の殺菌
方法。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3283062A JP2669738B2 (ja) | 1990-12-14 | 1991-10-29 | 工業用殺菌剤及び工業用殺菌方法 |
TW82102030A TW229137B (ja) | 1991-10-29 | 1993-03-19 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP41771290 | 1990-12-14 | ||
JP2-417712 | 1990-12-14 | ||
JP3283062A JP2669738B2 (ja) | 1990-12-14 | 1991-10-29 | 工業用殺菌剤及び工業用殺菌方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0570306A true JPH0570306A (ja) | 1993-03-23 |
JP2669738B2 JP2669738B2 (ja) | 1997-10-29 |
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ID=26554885
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---|---|---|---|
JP3283062A Expired - Lifetime JP2669738B2 (ja) | 1990-12-14 | 1991-10-29 | 工業用殺菌剤及び工業用殺菌方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2669738B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH06183917A (ja) * | 1992-12-18 | 1994-07-05 | Somar Corp | 防菌防カビ剤 |
JP2013253076A (ja) * | 2012-05-09 | 2013-12-19 | Japan Enviro Chemicals Ltd | 防腐剤組成物 |
-
1991
- 1991-10-29 JP JP3283062A patent/JP2669738B2/ja not_active Expired - Lifetime
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JPH06183917A (ja) * | 1992-12-18 | 1994-07-05 | Somar Corp | 防菌防カビ剤 |
JP2013253076A (ja) * | 2012-05-09 | 2013-12-19 | Japan Enviro Chemicals Ltd | 防腐剤組成物 |
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JP2669738B2 (ja) | 1997-10-29 |
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