JPH0560171A - 防振装置 - Google Patents

防振装置

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JPH0560171A
JPH0560171A JP22303891A JP22303891A JPH0560171A JP H0560171 A JPH0560171 A JP H0560171A JP 22303891 A JP22303891 A JP 22303891A JP 22303891 A JP22303891 A JP 22303891A JP H0560171 A JPH0560171 A JP H0560171A
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vibration
diaphragm
liquid chamber
liquid
air chamber
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Kazuya Takano
和也 高野
Hiroshi Kojima
宏 小島
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 広い周波数にわたる振動を吸収でき、構造が
複雑にならない防振装置を得る。 【構成】 主液室32と第1副液室34とを仕切部材3
0で区画し、両者を第1制限通路52で連結する。第2
ダイヤフラム68で区画された第2副液室70及び第2
空気室74を外筒16内に設け、第2副液室70と主液
室32とを第2制限通路46で連結する。第2空気室7
4は3ポート2位置切換弁56を介してインテークマニ
ホールド90及び大気に連結する。シエイク振動時に
は、3ポート2位置切換弁56を切り換えてインテーク
マニホールド90の吸入負圧によって第2空気室74内
を負圧として、第2ダイヤフラム68を内壁面に密着さ
せる。第2副液室70の拡縮が不能となり、液体は第1
制限通路52のみを行き来してシエイク振動が吸収され
る。アイドル振動時には、第2空気室74内を大気と連
通させる。第2ダイヤフラム68が膨らんで第2副液室
70が拡縮可能となり、第2制限通路46で液体が液柱
共振してアイドル振動が吸収される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は車両、一般産業用機械等
に用いられ、振動発生部からの振動を吸収減衰する防振
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車のエンジンにはエンジンと車体と
の間にエンジンマウントとしての防振装置が配設され、
エンジンの振動が車体に伝達されることを阻止するよう
になっている。
【0003】エンジンに発生する振動には車両が高速で
走行している場合等に発生する所謂シエイク振動やアイ
ドル時及び車両が時速5キロ程度で走行している場合に
発生する所謂アイドル振動等がある。
【0004】一般的に前記シエイク振動は周波数が15
Hz未満であるのに対しアイドル振動は周波数が20〜
40Hzであり、シエイク振動とアイドル振動とでは周
波数が相違する。
【0005】シエイク振動とアイドル振動とを吸収する
防振装置として液体封入式の防振装置が提案されてい
る。この防振装置には主液室及び副液室が設けられてお
り、主液室と副液室とは大きさの異なる複数の制限通路
で連結されている。各制限通路はモーター等の駆動装置
で駆動される切換弁によって開閉され、所望の制限通路
が主液室と副液室とを連結し、連結された制限通路内を
液体が流通して通過抵抗を受け又は液柱共振して所望の
周波数の振動が吸収される。
【0006】しかしながら、この防振装置では切換弁が
防振装置の内部に設けられて、モーター等の駆動装置は
防振装置の外側に取り付けられている。したがって、防
振装置内部は切換弁等の構成部品によって複雑になる。
また、モーター等の駆動装置と切換弁とを連結するため
に防振装置内外を連通する孔が設けられ、この孔を介し
てモーター等の駆動軸と切換弁とが連結されている。前
記孔と前記駆動軸の間からは液体が漏れでないようにす
るためのシールが設けられているが、駆動軸とシールと
は摺動するために耐久性が重要課題となるため、耐久性
を重視するとシール部の構造も複雑化する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記事実を考
慮し、広い周波数にわたる振動を吸収でき、しかも構造
が複雑にならない防振装置を得ることが目的である。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の防振装置
は、振動発生部及び振動受部の一方へ連結される取付部
材と、振動発生部及び振動受部の他方へ連結される筒状
体と、前記取付部材に連結され前記筒状体の一方の開口
部を閉塞し振動発生時に変形する弾性体と、前記筒状体
の他方の開口部を閉塞する第1ダイヤフラムと、前記筒
状体の内壁面に密着して配設され内部空間を仕切る仕切
部材と、前記筒状体内で前記弾性体と前記仕切部材との
間に設けられる拡縮可能な主液室と、前記筒状体内で前
記第1ダイヤフラムと前記仕切部材との間に設けられる
第1副液室と、前記仕切部材に設けられ前記主液室と前
記第1副液室とを連結する第1の制限通路と、前記第1
ダイヤフラムの前記第1副液室とは反対側に面して設け
られる第1空気室と、前記筒状体に設けられ前記仕切部
材に面して配置される第2副液室と、前記第2副液室の
隔壁の一部を構成する第2ダイヤフラムと、前記第2ダ
イヤフラムの前記第2副液室側とは反対側に配置されて
内部が負圧にされた際に前記第2ダイヤフラムを内壁面
に密着させて前記第2ダイヤフラムの移動を阻止すると
共に実質的に消滅する第2空気室と、前記第2空気室の
内部を負圧にする負圧手段と、前記仕切部材に設けられ
前記主液室と前記第2副液室とを連通する第2の制限通
路と、を設けたことを特徴としている。
【0009】請求項2記載の防振装置は、請求項1記載
の防振装置において、前記第2ダイヤフラムは自由状態
において前記第2副液室側へ断面R状に凸にされ、前記
第2空気室の前記ダイヤフラムに向かい合う内壁面は前
記第2副液室と前記第2空気室との間を対称面として前
記第2ダイヤフラムの形状とほぼ対称の形状としたこと
を特徴としている。
【0010】請求項3記載の防振装置は、請求項1また
は請求項2記載の防振装置において、前記第1空気室を
前記負圧手段に連結したことを特徴としている。
【0011】
【作用】請求項1記載の防振装置によれば、例えばエン
ジン等の振動発生源へ取付部材を連結し、車体等の振動
受部へ筒状体を連結すると、振動は取付部材、弾性体、
筒状体を介して振動受部へと支持される。このとき、振
動は弾性体の内部摩擦に基づく抵抗により吸収される
他、第1の制限通路又は第2の制限通路を流れる液体の
通過抵抗または液柱共振により吸収される。
【0012】振動の周波数が所定周波数未満の時には、
負圧手段により第2空気室の内部を負圧にして第2副液
室の隔壁を構成する第2ダイヤフラムを第2空気室の内
壁に密着固定する。これによって第2空気室は実質的に
消滅し第2副液室は拡縮不能となる。このため、液体は
第2の制限通路を流れず、第1の制限通路のみを流れ第
1の制限通路を通過する際の抵抗及び液柱共振で所定周
波数未満の振動が効果的に吸収される。
【0013】また、振動の周波数が所定周波数以上の時
には、第2空気室の内部は負圧手段によって負圧にしな
い。このため、第2ダイヤフラムは第2空気室の内壁か
ら離間して弾性変形可能となり、第2副液室が拡縮可能
となる。この結果、液体は第2の制限通路を流れること
ができ、液体が第2の制限通路を通過する際の液柱共振
で所定周波数範囲の振動が吸収される。
【0014】また、負圧手段として例えばエンジンの吸
気マニホールドの吸入負圧を用いて、第2ダイヤフラム
を第2空気室の内壁へ密着固定することにより実質的に
第2の制限通路を閉塞することとなる。したがって、切
換弁を用いて制限通路を切り換える防振装置に比較して
内部が複雑にならず、また、回転や摺動する部分がない
ため液体のシールも簡単な構成とすることができ、防振
装置全体の構成が簡単となる。
【0015】請求項2記載の防振装置によれば、第2ダ
イヤフラムは自由状態において第2副液室側へ断面R状
に凸にされ、第2空気室の第2ダイヤフラムに向かい合
う内壁面は、第2副液室と第2空気室との間を対称面と
して第2ダイヤフラムの形状とほぼ対称の形状とされて
いる。したがって、第2空気室が負圧にされた際には、
第2ダイヤフラムは第2空気室側へ反転して第2空気室
側へ凸にすることができる。しかも、第2空気室の内壁
面の形状がほぼ第2ダイヤフラムの形状となっているた
め、第2ダイヤフラムは第2空気室の内壁面へ確実に密
着することができる。
【0016】請求項3記載の防振装置によれば、第1空
気室は負圧手段に連結されているため、第1空気室内部
を負圧にして第1ダイヤフラムを第1空気室の内壁面に
密着させ第1副液室を拡縮不能にすることができる。し
たがって、エンジン停止または始動時には、負圧手段に
よって第1空気室及び第2空気室内部を負圧にして第1
副液室及び第2副液室を拡縮不能とすることによって液
体の流れを阻止し、防振装置のばね定数を上昇させるこ
とができる。これによって、エンジン停止または始動時
に、エンジンのトルク変動によってエンジンがローリン
グ等したり大きく揺れたりすることが防止される。
【0017】
【実施例】
〔第1実施例〕本発明に係る防振装置10の第1実施例
を図1乃至図2にしたがって説明する。
【0018】図1に示すように、この防振装置10には
底板12が備えられている。この底板12は中央下部に
取付ボルト14が突出され、一例として図示しない自動
車の車体へ固定される。底板12の周囲は直角に屈曲さ
れた筒状の立壁部12Aとされており、この立壁部12
Aの上端部には直角に屈曲されたフランジ部12Bが連
続形成されている。
【0019】この、底板12のフランジ部12Bには円
筒ブロック状の筒状体としての外筒16がボルト止めさ
れており、フランジ部12Bと外筒16の下端部との間
に仕切部材30及び第1ダイヤフラムとしてのダイヤフ
ラム18の周縁部が挟持されている。このダイヤフラム
18と前記底板12との間は第1空気室としての空気室
20とされ、立壁部12Aに形成された空気孔21を介
して外部と連通される。
【0020】外筒16の内周面上端部は内径がしだいに
拡大された拡開部16Bとされており、弾性体22の外
周が加硫接着されている。また、弾性体22の一部は外
筒16の内周下端部の一部まで延設されて加硫接着され
ている。
【0021】この弾性体22の中央には取付部材として
の支持台24の外周24Aが加硫接着されている。この
支持台24は図示しないエンジンの搭載部であり、エン
ジンを固定する取付ボルト26が立設されている。
【0022】ここに外筒16の内周部、弾性体22の下
端部及びダイヤフラム18とによって液室28が形成さ
れており、この液室28内にはエチレングリコール等の
液体29が充填されている。
【0023】液室28内には仕切部材30が配置され、
液室28を主液室32と第1副液室34とに区画してい
る。この仕切部材30は合成樹脂等で断面形状略ハット
状に形成されている。
【0024】図1及び図2に示すように、オリフイス部
材30の外周には、周方向に沿って断面矩形状の細溝4
4が形成されている。この細溝44の外筒16側は前記
弾性体22の延長部によって閉塞されて第1の制限通路
52とされている。この第1の制限通路は長手方向一端
部が矩形状の開口部44Aを介して主液室32と連通さ
れ、他端部が開口部44Bを介して第1副液室34と連
通されている。
【0025】さらに、仕切部材30には、外周から反対
側の外周へ向けて矩形孔42が形成されており、図1に
示すように、この矩形孔42の先端は上方へ屈曲し開口
部42Aを介して主液室32へ連通して第2の制限通路
46を構成している。
【0026】一方、外筒16の外周には、仕切部材30
の矩形孔42に対応する位置に凹部62が形成されてお
り、この凹部62はブロック64によって閉塞されてい
る。凹部62の底部には貫通孔72が形成されており、
この貫通孔72は弾性体22を貫通する孔22Aを介し
て矩形孔42に連通している。
【0027】また、凹部62の底部外周には、環状凹部
66が形成されており、この環状凹部66とブロック6
4との間に第2ダイヤフラムとしてのダイヤフラム68
の周縁部が挟持されている。ダイヤフラム68は、自由
状態では貫通孔72側へ向けて略半球状に突出されてお
り、貫通孔72がダイヤフラム68によって閉塞されて
第2副液室70を構成している。また、ブロック64の
ダイヤフラム68に向かい合う面は、ダイヤフラム68
の周縁部を対称面としてダイヤフラム68の自由状態の
形状とほぼ対称な形状、すなわち、略半球状の凹部64
Aとされている。
【0028】この凹部64Aとダイヤフラム68との間
は第2空気室としての空気室74とされている。ブロッ
ク64の中央には空気室74に連通する吸入孔80が形
成されており、この吸入孔80はブロック64の外側に
管部64Bを介して連通している。なお、ブロック64
には、空気室74側の吸入孔80の開口部に円環溝83
が形成されており、この円環溝83には、円環状に形成
された柔軟な弾性体リング85が固着されている。
【0029】前記管部64Bにはパイプ88の一端が接
続されており、このパイプ88の他端は3ポート2位置
切換弁56に接続されている。この3ポート2位置切換
弁56にはパイプ88の他にパイプ93の一端及び大気
連通パイプ58の一端が接続されている。パイプ93の
他端は負圧手段としてのインテークマニホールド90に
連結されており、大気連通パイプ58の他端は大気に連
通されている。この3ポート2位置切換弁56は制御手
段60に接続されて切換が制御される。このため、3ポ
ート2位置切換弁56がパイプ88側とインテークマニ
ーホールド90側とを連通すると空気室74内は負圧に
なり、パイプ88側と大気連通パイプ58側とを連通す
ると空気室74内は大気と同圧となる。
【0030】なお、制御手段60は車両電源によって駆
動され、少なくとも車速センサ62及びエンジン回転数
センサ64からの検出信号を受け、車速及びエンジン回
転数を検出できる。これにより制御手段60は車両がア
イドル時かシエイク時かを判断できる。
【0031】また、吸入孔80、パイプ88および大気
連通パイプ58は空気室74内の空気が大気と出入りし
易いようにその内径が2.5mm以上とされている。
【0032】次に実施例の作用を説明する。この防振装
置10の底板12を一例として自動車等の車両の車体へ
固定し、支持台24にエンジンを搭載して固定すると、
エンジンの振動は支持台24、弾性体22、外筒16及
び底板12を介して自動車の車体へ支持され、弾性体2
2の内部摩擦に基づく抵抗によって振動が吸収される。
【0033】また、車両が例えば70〜80km/hで
走行するとシエイク振動(15Hz未満)が生じ得る。
制御手段60は車速センサ62、エンジン回転数センサ
64によりシエイク振動発生時か否かを判断する。制御
手段60がシエイク振動発生時であると判断すると、制
御手段60は3ポート2位置切換弁56を切り換えてパ
イプ88側とインテークマニーホールド90側とを連通
させる。これにより、空気室74内は負圧にされ、ダイ
ヤフラム68は図1に想像線で示すようにブロック64
の凹部64A内周面に密着する。このとき、ダイヤフラ
ム68は周縁部を境にして反転するため、ダイヤフラム
68は皺等が発生することなく凹部64A内周面に確実
に密着することができる。これによって、第2副液室7
0は拡縮不能となり第2の制限通路46での液体29の
流れはなくなる。従って、液体29は第1の制限通路5
2だけを通って主液室32と第1副液室34を行き来す
ることになり、液体29が第1の制限通路52を通過す
る際の抵抗及び液柱共振でシエイク振動が効果的に吸収
される。なお、ダイヤフラム68が凹部64A内周面に
密着した際に、吸入孔80の開口部に対応するダイヤフ
ラム68は柔軟な弾性体リング85に当接するため、ダ
イヤフラム68に開口部の跡やキズが付くことがなく耐
久性がよい。
【0034】また、エンジンがアイドリング運転の場合
や車速が5km/h以下の場合にはアイドル振動(20
〜40Hz)が生じる。前記制御手段60は車速センサ
62、エンジン回転数センサ64によりアイドル振動発
生時か否かを判断する。制御手段60がアイドル振動発
生時であると判断すると、制御手段60は3ポート2位
置切換弁56を切り換えてパイプ88側と大気連通パイ
プ58側とを連通させ、空気室74内は大気と同圧とな
る。これによって、ダイヤフラム68は図1に実線で示
すようにブロック64の凹部64A内周面から離間し
て、拡縮可能な第2副液室70が形成される。したがっ
て、アイドル振動により第1の制限通路52が目詰まり
状態になっても、液体29は流路面積の大きな第2の制
限通路46を通過して主液室32と第2副液室70とを
行き来し、第2の制限通路46内で液体29が液柱共振
してアイドル振動が確実に吸収される。
【0035】また、本実施例ではインテークマニホール
ド90の吸入負圧によってダイヤフラム68を凹部64
A内周面へ密着固定することにより実質的に第2の制限
通路46を閉塞することとなる。したがって、切換弁を
用いて制限通路を切り換える従来の防振装置に比較して
内部が複雑にならず、また、回転や摺動する部分がない
ため液体のシールも簡単な構成とすることができ、防振
装置10全体の構成が簡単となっている。
【0036】〔第2実施例〕本発明に係る防振装置10
の第2実施例を図3にしたがって説明する。
【0037】なお、本実施例は第1実施例の変形例であ
り、第1実施例と同一構成に関しては同一符号を付し、
その説明は省略する。
【0038】本実施例では、底板12には第1実施例で
設けられていた空気孔21が省かれており、代わりに吸
引孔87が形成されている。この吸引孔87にはパイプ
89の一端が接続されている。パイプ89の他端は3ポ
ート2位置切換弁57に接続されている。この3ポート
2位置切換弁57にはパイプ89の他にパイプ95の一
端及び大気連通パイプ59の一端が接続されている。こ
のパイプ95の他端は負圧手段としてのインテークマニ
ホールド90に連結されており、大気連通パイプ59の
他端は大気に連通されている。この3ポート2位置切換
弁57は3ポート2位置切換弁56と同様に制御手段6
0に接続されている。このため、3ポート2位置切換弁
57がパイプ89側とインテークマニーホールド90側
とを連通すると空気室20内は負圧になり、パイプ89
側と大気連通パイプ59側とを連通すると空気室20内
は大気と同圧となる。
【0039】この実施例では、エンジンが停止する際ま
たは始動する際には、制御装置60は3ポート2位置切
換弁56及び3ポート2位置切換弁57を切り換えて、
空気室20及び空気室74をインテークマニーホールド
90側に連通させる。空気室20及び空気室74は内部
が負圧となり、ダイヤフラム68は図3に想像線で示す
ようにブロック64の凹部64A内周面に密着し、ダイ
ヤフラム18は図3に想像線で示すように底板12の内
周面に密着し、この結果、第1副液室34及び第2副液
室70は拡縮不能となり第1の制限通路52及び第2の
制限通路46での液体29の流れはなくなる。このた
め、防振装置10のばね定数が高くなり、エンジン停止
またはエンジン始動時のトルク変動によるエンジンのロ
ーリング等や大きな揺れが防止される。また、エンジン
停止またはエンジン始動時のみならず、極低周波の振動
時(例えば、エンジンの極低回転時等)に第1副液室3
4及び第2副液室70を拡縮不能として防振装置10の
ばね定数を高くし、エンジンの揺れを阻止してもよい。
【0040】なお、シエイク振動時及びアイドル振動時
には制御手段60は3ポート2位置切換弁57を切り換
えて、空気室20を大気と連通させる。これによって、
空気室20の内部は大気と同圧となって、図3に実線で
示すようにダイヤフラム18は底板12の内周面から離
間して、第1副液室34は拡縮可能となり第1の制限通
路52内を液体29が流れるようになる。その他の作用
は第1実施例と同様である。また、この本実施例におい
てもインテークマニホールド90の吸入負圧によってダ
イヤフラム18を底板12の内周面に密着固定すること
により実質的に第1の制限通路52を閉塞することとな
る。したがって、この実施例においても切換弁を用いて
制限通路を切り換える従来の防振装置に比較して内部が
簡単となっている。
【0041】なお、前記各実施例ではエンジンのインテ
ークマニホールド90を負圧手段として用いる構成とし
たが、本発明はこれに限らず、吸引ポンプ等の負圧手段
を別途に設ける構成としてもよい。
【0042】また、防振装置10をエンジンマウントと
して用いる構成を示したが、本発明はこれに限らず、防
振装置10をキャブマウント、ボデイマウント等に適用
してもよいことは勿論である。
【0043】
【発明の効果】以上説明した如く本発明の防振装置は、
広い周波数にわたる振動を吸収でき、しかも構造が複雑
にならない優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示し、防振装置の一部断
面図である。
【図2】本発明の第1実施例を示し、図1のII−II
線断面図である。
【図3】本発明の第2実施例を示し、防振装置の一部断
面図である。
【符号の説明】
10 防振装置 16 外筒(筒状体) 18 ダイヤフラム(第1ダイヤフラム) 20 空気室(第1空気室) 22 弾性体 24 支持台(取付部材) 30 仕切部材 32 主液室 34 第1副液室 46 第2の制限通路 52 第1の制限通路 68 ダイヤフラム(第2ダイヤフラム) 70 第2副液室 74 空気室(第2空気室) 90 インテークマニホールド(負圧手段)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】振動発生部及び振動受部の一方へ連結され
    る取付部材と、振動発生部及び振動受部の他方へ連結さ
    れる筒状体と、前記取付部材に連結され前記筒状体の一
    方の開口部を閉塞し振動発生時に変形する弾性体と、前
    記筒状体の他方の開口部を閉塞する第1ダイヤフラム
    と、前記筒状体の内壁面に密着して配設され内部空間を
    仕切る仕切部材と、前記筒状体内で前記弾性体と前記仕
    切部材との間に設けられる拡縮可能な主液室と、前記筒
    状体内で前記第1ダイヤフラムと前記仕切部材との間に
    設けられる第1副液室と、前記仕切部材に設けられ前記
    主液室と前記第1副液室とを連結する第1の制限通路
    と、前記第1ダイヤフラムの前記第1副液室とは反対側
    に面して設けられる第1空気室と、前記筒状体に設けら
    れ前記仕切部材に面して配置される第2副液室と、前記
    第2副液室の隔壁の一部を構成する第2ダイヤフラム
    と、前記第2ダイヤフラムの前記第2副液室側とは反対
    側に配置されて内部が負圧にされた際に前記第2ダイヤ
    フラムを内壁面に密着させて前記第2ダイヤフラムの移
    動を阻止すると共に実質的に消滅する第2空気室と、前
    記第2空気室の内部を負圧にする負圧手段と、前記仕切
    部材に設けられ前記主液室と前記第2副液室とを連通す
    る第2の制限通路と、を設けたことを特徴とする防振装
    置。
  2. 【請求項2】 前記第2ダイヤフラムは自由状態におい
    て前記第2副液室側へ断面R状に凸にされ、前記第2空
    気室の前記ダイヤフラムに向かい合う内壁面は前記第2
    副液室と前記第2空気室との間を対称面として前記第2
    ダイヤフラムの形状とほぼ対称の形状としたことを特徴
    とする請求項1記載の防振装置。
  3. 【請求項3】 前記第1空気室を前記負圧手段に連結し
    たことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の防振装
    置。
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