JP3545458B2 - 防振システム - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は車両、一般産業用機械等に用いられ、振動発生部からの振動を吸収減衰する防振システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車のエンジンにはエンジンと車体との間にエンジンマウントとしての防振装置が配設され、エンジンの振動が車体に伝達されることを阻止するようになっている。
【0003】
エンジンに発生する振動には車両が高速で走行している場合等に発生する所謂シェイク振動やアイドル時及び車両が時速5キロ程度で走行している場合に発生する所謂アイドル振動等がある。
【0004】
一般的に前記シェイク振動は周波数が15Hz未満であるのに対しアイドル振動は周波数が20〜40Hzであり、シェイク振動とアイドル振動とでは周波数が相違する。
【0005】
シェイク振動とアイドル振動とを吸収する防振装置として液体封入式の防振装置が提案されている。この防振装置として、エンジンの吸気系に生ずる吸入負圧を利用して防振装置の特性を変化させることのできる防振装置が提案されている。
【0006】
この防振装置には、主液室と副液室とを備えており、主液室と複数の副液室とがそれぞれ制限通路で連結されている。周知のように、液体封入式の防振装置では、振動入力時に制限通路内で液体を行き来させる(共振させる)ことによって振動を減衰するようになっているため、副液室には反対側が空気と接するダイヤフラムが面している。即ち、ダイヤフラムが変形することで副液室の容積変化が可能となり、主液室と副液室とを連通する制限通路内で液体を行き来させることができるのである。このため、ダイヤフラムの動きを規制すれば、制限通路内で液体が流動できないようにすることができる。
【0007】
この原理に基づいて、この防振装置では、ダイヤフラムの片面に空気室を設け、この空気室の内圧を下げることでダイヤフラムを空気室の内壁に密着させ、所望の制限通路のみで液体を行き来させるようになっている。この空気室の内圧を下げるために、例えば、エンジンの吸入負圧が利用されている。
【0008】
なお、この種の防振装置としては、主液室と一つの副液室を備え、両者が複数の制限通路で連結されているタイプのものもある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記防振装置では、空気室とエンジンの吸気系とを繋ぐ配管の途中に3方電磁弁が介されている。この3方電磁弁は、空気室を大気とエンジンの吸気系との何れかへ連結するように作動するものである。
【0010】
しかし、3方電磁弁は、内部の空気経路の径が細く、内部で屈曲しており、さらに、開閉される孔の径も小さいため、空気の通過抵抗が大きい。また、3方電磁弁からマウントまでの距離があるため、配管も比較的長くなり、これも空気の通過抵抗となっている。
【0011】
この空気の通過抵抗が大きいとダイヤフラムが動き難くなり、防振特性が設計値からずれてしまい、特性が悪化する。
【0012】
このため、実際には、空気室と3方電磁弁との間に、容量の大きな空気タンクを設け、空気室と空気タンクとの間で空気の行き来を行う必要がある。
【0013】
したがって、負圧を利用する防振装置の場合、コスト、取付スペース、組立性の問題が生じる。また、エンジン等を支持する場合、防振装置は複数個を必要とするが、各防振装置に一つずつの空気タンク及び三方電磁弁を設けているため、システムとして考えると、部品点数が非常に多くなる。
【0014】
本発明は上記事実を考慮し、防振特性を維持しつつ、取付スペース、組立性の問題を解決し、しいてはコストの低減を図ることのできる防振装置システムを提供することが目的である。
【0015】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の防振システムは、振動発生部及び振動受部の一方へ連結される第1の取付部材と、振動発生部及び振動受部の他方へ連結される第2の取付部材と、前記第1の取付部材と前記第2の取付部材との間に設けられ振動発生時に変形する弾性体と、前記弾性体を隔壁の一部として拡縮可能な主液室と、前記主液室とは隔離される副液室と、前記主液室と副液室とを連通する制限通路と、前記副液室の隔壁の一部を構成し、該副液室の容積を拡縮する方向へ移動可能とされたダイヤフラムと、前記ダイヤフラムを介して前記副液室に隣接するように配置され、内部が負圧にされた際には前記ダイヤフラムを内壁面に密着させて前記ダイヤフラムの移動を阻止し、かつ内部が大気圧にされた際に前記ダイヤフラムを前記内壁面から解放する空気室と、を備える複数の防振装置と、前記複数の防振装置の各々の空気室を互いに連通するように連結する空気連通手段と、前記空気室または前記空気連通手段の少なくとも一方を、大気側または前記空気室の内部を負圧にする負圧手段側へ選択して連結する切換弁と、を設けたことを特徴としている。
【0016】
請求項2に記載の防振システムは、振動発生部及び振動受部の一方へ連結される第1の取付部材と、振動発生部及び振動受部の他方へ連結される第2の取付部材と、前記第1の取付部材と前記第2の取付部材との間に設けられ振動発生時に変形する弾性体と、前記弾性体を隔壁の一部として拡縮可能な主液室と、前記主液室とは隔離される第1の副液室と、前記主液室と前記第1の副液室とを連通する第1の制限通路と、前記主液室とは隔離される第2の副液室と、前記主液室と前記第2の副液室とを連通する第2の制限通路と、前記第1の副液室の隔壁の一部を構成する第1のダイヤフラムと、前記第2の副液室の隔壁の一部を構成し、該第2の副液室の容積を拡縮する方向へ移動可能とされた第2のダイヤフラムと、前記第2のダイヤフラムを介して前記副液室に隣接するように配置され、内部が負圧にされた際に前記ダイヤフラムを内壁面に密着させて前記第2のダイヤフラムの移動を阻止し、かつ内部が大気圧にされた際には前記第2のダイヤフラムを前記内壁面から解放する空気室と、を備える複数の防振装置と、前記複数の防振装置の各々の空気室を互いに連通するように連結する空気連通手段と、前記空気室または前記空気連通手段の少なくとも一方を、大気側または前記空気室の内部を負圧にする負圧手段側へ選択して連結する切換弁と、を設けたことを特徴としている。
【0017】
【作用】
請求項1に記載の防振システムを、例えば自動車エンジンの振動の防振に使用する場合、自動車エンジンを複数の防振装置で自動車の車体へ支持する。振動発生源である自動車エンジンへ防振装置の第1の取付部材を連結し、振動受部である車体へ第2の取付部材を連結すると、振動は第1の取付部材、弾性体、第2の取付部材を介して車体へと支持される。このとき、振動は弾性体の内部摩擦に基づく抵抗により吸収される他、制限通路を流れる液体の通過抵抗または液柱共振により吸収される。即ち、切換弁を切り換えて、空気室の内部を大気に開放すると、第2ダイヤフラムを空気室の内壁から離間させて弾性変形させることが可能となり、第2副液室が拡縮可能となる。これにより、液体は制限通路を流動可能な状態であり、制限通路を行き来する液体の抵抗、または制限通路内の液体の液柱共振作用で振動が効果的に吸収される。
【0018】
また、制限通路で液体を動かしたく無い場合(防振特性を変えたい場合)には、切換弁を切り換えて空気室と負圧手段(例えば、エンジンの吸気系)とを連通させ、負圧手段により空気室の内部を負圧にして副液室に面するダイヤフラムを空気室の内壁に密着固定する。これによって空気室は実質的に消滅し副液室は拡縮不能となる。この結果、実質的に制限通路が閉塞されることとなり、液体は制限通路を流れなくなる。
【0019】
ここで、複数の防振装置の空気室は、空気連通手段によって互いに連通されているので、一方の空気室が実質的に他方の空気室の空気タンクの役目をなし、空気室の空気の出入抵抗が少なくなり、防振特性の悪化を防止することができる。
【0020】
請求項2に記載の防振システムを、例えば自動車エンジンの振動の防振に使用する場合、自動車エンジンを複数の防振装置で自動車の車体へ支持する。振動発生源である自動車エンジンへ防振装置の第1の取付部材を連結し、振動受部である車体へ第2の取付部材を連結すると、振動は第1の取付部材、弾性体、第2の取付部材を介して車体へと支持される。このとき、振動は弾性体の内部摩擦に基づく抵抗により吸収される他、制限通路を流れる液体の通過抵抗または液柱共振により吸収される。
【0021】
振動の周波数が所定周波数未満の時には、切換弁を切り換えて空気室と負圧手段(例えば、エンジンの吸気系)とを連通させ、負圧手段により空気室の内部を負圧にして第2副液室に面する第2のダイヤフラムを空気室の内壁に密着固定する。これによって空気室は実質的に消滅し第2副液室は拡縮不能となる。この結果、実質的に第2の制限通路が閉塞されることとなり、液体は第2の制限通路を流れず、第1の制限通路のみで流動可能となり液体が第1の制限通路を通過する際の抵抗または第1の制限通路内の液体の液柱共振作用で所定周波数未満の振動が効果的に吸収される。
【0022】
また、振動の周波数が所定周波数以上の時には、切換弁を切り換えて、空気室の内部を大気に開放する。これによって、第2ダイヤフラムを空気室の内壁から離間させて弾性変形させることが可能となり、第2副液室が拡縮可能となる。これにより、第1の制限通路が目詰まり状態となったとしても、液体は第2の制限通路を流動可能となり、第2の制限通路内の液体の液柱共振作用で所定周波数以上の振動が効果的に吸収される。
【0023】
ここで、複数の防振装置の空気室は、空気連通手段によって互いに連通されているので、一方の空気室が実質的に他方の空気室の空気タンクの役目をなし、空気室の空気の出入抵抗が少なくなり、防振特性の悪化を防止することができる。[第1実施例]
本発明に係る防振システム10の第1実施例を図1乃至図2にしたがって説明する。
【0024】
図1に示すように、本実施例の防振システム10には、複数個(本実施例では2個)の防振装置11A,11Bを備えている。
【0025】
防振装置11Aと防振装置11Bとは同一構造であるので、防振装置11Aの説明を行う。防振装置11Aには第1の取付部材としての底板12が備えられている。この底板12は中央下部に取付ボルト14が突出され、一例として図示しない自動車の車体へ固定される。底板12の周囲は直角に屈曲された筒状の立壁部12Aとされており、この立壁部12Aの上端部には直角に屈曲されたフランジ部12Bが連続形成されている。
【0026】
この、底板12のフランジ部12Bには円筒ブロック状の外筒16がボルト止めされており、フランジ部12Bと外筒16の下端部との間に仕切部材30及び第1のダイヤフラムとしてのダイヤフラム18の周縁部が挟持されている。このダイヤフラム18と前記底板12との間は空気室20とされ、立壁部12Aに形成された空気孔21を介して外部と連通される。
【0027】
外筒16の内周面上端部は内径がしだいに拡大された拡開部16Bとされており、弾性体22の外周が加硫接着されている。また、弾性体22の一部は外筒16の内周下端部の一部まで延設されて加硫接着されている。
【0028】
この弾性体22の中央には第2の取付部材としての支持台24の外周24Aが加硫接着されている。この支持台24は図示しないエンジンの搭載部であり、エンジンを固定する取付ボルト26が立設されている。
【0029】
ここに外筒16の内周部、弾性体22の下端部及びダイヤフラム18とによって液室28が形成されており、この液室28内にはエチレングリコール等の液体29が充填されている。
【0030】
液室28内には仕切部材30が配置され、液室28を主液室32と第1副液室34とに区画している。この仕切部材30は合成樹脂等で断面形状略ハット状に形成されている。
【0031】
図1及び図2に示すように、オリフイス部材30の外周には、周方向に沿って断面矩形状の細溝44が形成されている。この細溝44の外筒16側は前記弾性体22の延長部によって閉塞されて第1の制限通路52とされている。この第1の制限通路は長手方向一端部が矩形状の開口部44Aを介して主液室32と連通され、他端部が開口部44Bを介して第1副液室34と連通されている。
【0032】
さらに、仕切部材30には、外周から反対側の外周へ向けて矩形孔42が形成されており、図1に示すように、この矩形孔42の先端は上方へ屈曲し開口部42Aを介して主液室32へ連通して第2の制限通路46を構成している。
【0033】
図1及び図2に示すように、外筒16の外周には、仕切部材30の矩形孔42に対応する位置に凹部62が形成されており、この凹部62はブロック64によって閉塞されている。凹部62の底部には貫通孔72が形成されており、この貫通孔72は弾性体22を貫通する孔22Aを介して矩形孔42に連通している。
【0034】
また、凹部62の底部外周には、環状凹部66が形成されており、この環状凹部66とブロック64との間に第2のダイヤフラムとしてのダイヤフラム68の周縁部が挟持されている。ダイヤフラム68は、自由状態では貫通孔72側へ向けて略半球状に突出されており、貫通孔72がダイヤフラム68によって閉塞されて第2副液室70を構成している。また、ブロック64のダイヤフラム68に向かい合う面は、ダイヤフラム68の周縁部を対称面としてダイヤフラム68の自由状態の形状とほぼ対称な形状、すなわち、略半球状の凹部64Aとされている。
【0035】
この凹部64Aとダイヤフラム68との間は第2空気室としての空気室74とされている。ブロック64の中央には空気室74に連通する吸入孔80が形成されており、この吸入孔80はブロック64の外側に管部64Bを介して連通している。なお、ブロック64には、空気室74側の吸入孔80の開口部に円環溝83が形成されており、この円環溝83には、円環状に形成された柔軟な弾性体リング85が固着されている。
【0036】
ここで、防振装置11Aの管部64Bと防振装置11Bの管部64Bとは空気流通手段としてのパイプ88で接続されている。
【0037】
パイプ88の中間部には分岐89が設けられており、分岐89にはパイプ91の一端が接続されている。
【0038】
このパイプ91の他端は切換弁としての3ポート2位置切換弁56に接続されている。3ポート2位置切換弁56にはパイプ91の他にパイプ93の一端及び大気連通パイプ58の一端が接続されている。パイプ93の他端は負圧手段としてのエンジンのインテークマニホールド90に連結されており、大気連通パイプ58の他端は大気に連通されている。この3ポート2位置切換弁56は制御手段60に接続されて切換が制御される。このため、3ポート2位置切換弁56がパイプ91側とインテークマニーホールド90側とを連通すると空気室74内は負圧になり、パイプ91側と大気連通パイプ58側とを連通すると空気室74内は大気と同圧となる。
【0039】
なお、制御手段60は車両電源によって駆動され、少なくとも車速センサ62及びエンジン回転数センサ64からの検出信号を受け、車速及びエンジン回転数を検出できる。これにより制御手段60は車両がアイドル時かシェイク時かを判断できる。
【0040】
また、吸入孔80、パイプ88、パイプ91および大気連通パイプ58は空気の流通抵抗を少なくするためにその内径が2.5mm以上とされている。
【0041】
次に実施例の作用を説明する。
この防振装置11A,11Bの底板12を一例として自動車等の車両の車体へ固定し、支持台24にエンジンを搭載して固定すると、エンジンの振動は支持台24、弾性体22、外筒16及び底板12を介して自動車の車体へ支持され、弾性体22の内部摩擦に基づく抵抗によって振動が吸収される。
【0042】
また、車両が例えば70〜80km/hで走行するとシェイク振動(15Hz未満)が生じ得る。制御手段60は車速センサ62、エンジン回転数センサ64によりシェイク振動発生時か否かを判断する。制御手段60がシェイク振動発生時であると判断すると、制御手段60は3ポート2位置切換弁56を切り換えてパイプ91側とインテークマニーホールド90側とを連通させる。これにより、空気室74内は負圧にされ、ダイヤフラム68は図1に想像線で示すようにブロック64の凹部64A内周面に密着する。このとき、ダイヤフラム68は周縁部を境にして反転するため、ダイヤフラム68は皺等が発生することなく凹部64A内周面に確実に密着することができる。これによって、第2副液室70は拡縮不能となり第2の制限通路46での液体29の流れはなくなる。従って、液体29は第1の制限通路52だけを通って主液室32と第1副液室34を行き来することになり、液体29が第1の制限通路52を通過する際の抵抗及び液柱共振でシェイク振動が効果的に吸収される。なお、ダイヤフラム68が凹部64A内周面に密着した際に、吸入孔80の開口部に対応するダイヤフラム68は柔軟な弾性体リング85に当接するため、ダイヤフラム68に開口部の跡やキズが付くことがなく耐久性がよい。
【0043】
また、エンジンがアイドリング運転の場合や車速が5km/h以下の場合にはアイドル振動(20〜40Hz)が生じる。前記制御手段60は車速センサ62、エンジン回転数センサ64によりアイドル振動発生時か否かを判断する。制御手段60がアイドル振動発生時であると判断すると、制御手段60は3ポート2位置切換弁56を切り換えてパイプ91側と大気連通パイプ58側とを連通させ、空気室74内は大気と同圧となる。これによって、ダイヤフラム68は図1に実線で示すようにブロック64の凹部64A内周面から離間して、拡縮可能な第2副液室70が形成される。
【0044】
したがって、アイドル振動により第1の制限通路52が目詰まり状態になっても、液体29は流路面積の大きな第2の制限通路46を通過して主液室32と第2副液室70とを行き来し、第2の制限通路46内で液体29が液柱共振してアイドル振動が確実に吸収される。ここで、防振装置11Aの空気室74と防振装置11Bの空気室74とがパイプ88を介して連通しているので、一方の空気室74が実質的に他方の空気室74の空気タンクの役目をすることになり、ダイヤフラム68が振動した際の空気室74からの空気の出入抵抗を少なくすることが可能となるので、防振特性の悪化を防止することができる。
【0045】
すなわち、本実施例では、パイプ88で空気室74同士を互いに連結するだけで、従来必要であった空気タンクを取り除いて、空気タンクを接続した従来の防振装置と同等の性能を得ることができる。また、空気室74同士を安価なパイプ88で連結するだけで、コストが高く、取付けスペースも問題となる空気タンクの代わりになるため、防振システム10のコストを抑えることができる。
【0046】
なお、エンジンの振動は、主としてローリング振動であるため、防振装置11Aの空気室74の拡縮と防振装置11Bの空気室74の拡縮とが逆相となるように防振装置11Aと防振装置11Bとをエンジンに接続することによって、一方が吸引、他方が排出することになり、スムースに空気を出入りさせることができる。
【0047】
[第2実施例]
本発明に係る防振システム10の第2実施例を図3にしたがって説明する。なお、第1実施例と同一構成に関しては同一符号を付し、その説明は省略する。
【0048】
本実施例の防振システム10では、一方の防振装置11のブロック64に貫通孔96が形成されており、外部には管部64Cが設けられている。この管部64Cと他方の防振装置11の管部64Bとが、パイプ88で連結されている。また、一方の防振装置11の管部64Bには、パイプ91を介して3ポート2位置切換弁56が連結されている。
【0049】
本実施例の防振システム10においても、一方の空気室74と他方の空気室74とが連通しているので、第1実施例と同様に一方の空気室74が実質的に他方の空気室74の空気タンクの役目をなし、ダイヤフラム68が振動した際の空気室74からの空気の出入抵抗が少なくなり、防振特性を悪化させることがない。
【0050】
なお、前記防振装置11では、主液室に対して副液室を2個対応させ、各々の副液室を制限通路で主液室に連通させたが、主液室に対して副液室を3個以上対応させ、各々の副液室を制限通路で主液室に連通させても良く、主液室に対して副液室を1個のみ対応させ、主液室と副液室とを1乃至複数本の制限通路で連結してもよい。例えば、主液室に対して副液室を1個のみ対応させ、主液室と副液室とを1本の制限通路で連結する場合、制限通路での液体の流れを制限してばね定数を高めることができ、エンジン始動時の揺れを抑えることができる。
【0051】
また、前記各実施例ではエンジンのインテークマニホールド90を負圧手段として用いる構成としたが、本発明はこれに限らず、吸引ポンプ等の負圧手段を別途設ける構成としてもよい。
【0052】
また、前記実施例では防振装置11をエンジンマウントとして用いる構成を示したが、本発明はこれに限らず、防振装置11をキャブマウント、ボデイマウント、一般産業用機械の支持等に用いてもよいことは勿論である。
【0053】
【発明の効果】
以上説明した如く請求項1及び請求項2に記載の防振システムでは、複数の防振装置の空気室を空気連通手段によって互いに連通させて空気室からの空気の出入り抵抗を少なくすることができるため、外付けの空気タンクが無くても防振特性の悪化を防止でき、取付スペース、組立性等の問題を解決でき、しいてはコストを低減できるという優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例の防振装置システムの構成図である。
【図2】図1に示す防振装置の横断面図である。
【図3】本発明の第2実施例の防振装置システムの構成図である。
【符号の説明】
10 防振システム
11 防振装置
12 底板(第1の取付部材)
18 ダイヤフラム(第1のダイヤフラム)
22 弾性体
24 支持台(第2の取付部材)
32 主液室
34 第1副液室
46 第2の制限通路
52 第1の制限通路
56 3ポート2位置切換弁(切換弁)
68 ダイヤフラム(第2のダイヤフラム)
70 第2副液室
74 空気室
88 パイプ(空気連通手段)
90 インテークマニホールド(負圧手段)

Claims (2)

  1. 振動発生部及び振動受部の一方へ連結される第1の取付部材と、振動発生部及び振動受部の他方へ連結される第2の取付部材と、前記第1の取付部材と前記第2の取付部材との間に設けられ振動発生時に変形する弾性体と、前記弾性体を隔壁の一部として拡縮可能な主液室と、前記主液室とは隔離される副液室と、前記主液室と副液室とを連通する制限通路と、前記副液室の隔壁の一部を構成し、該副液室の容積を拡縮する方向へ移動可能とされたダイヤフラムと、前記ダイヤフラムを介して前記副液室に隣接するように配置され、内部が負圧にされた際に前記ダイヤフラムを内壁面に密着させて前記ダイヤフラムの移動を阻止し、かつ内部が大気圧にされた際には前記ダイヤフラムを前記内壁面から解放する空気室と、を備える複数の防振装置と、
    前記複数の防振装置の各々の空気室を互いに連通するように連結する空気連通手段と、
    前記空気室または前記空気連通手段の少なくとも一方を、大気側または前記空気室の内部を負圧にする負圧手段側へ選択して連結する切換弁と、
    を設けたことを特徴とする防振システム。
  2. 振動発生部及び振動受部の一方へ連結される第1の取付部材と、振動発生部及び振動受部の他方へ連結される第2の取付部材と、前記第1の取付部材と前記第2の取付部材との間に設けられ振動発生時に変形する弾性体と、前記弾性体を隔壁の一部として拡縮可能な主液室と、前記主液室とは隔離される第1の副液室と、前記主液室と前記第1の副液室とを連通する第1の制限通路と、
    前記主液室とは隔離される第2の副液室と、前記主液室と前記第2の副液室とを連通する第2の制限通路と、前記第1の副液室の隔壁の一部を構成する第1のダイヤフラムと、前記第2の副液室の隔壁の一部を構成し、該第2の副液室の容積を拡縮する方向へ移動可能とされた第2のダイヤフラムと、前記第2のダイヤフラムを介して前記副液室に隣接するように配置され、内部が負圧にされた際に前記ダイヤフラムを内壁面に密着させて前記第2のダイヤフラムの移動を阻止し、かつ内部が大気圧にされた際に前記第2のダイヤフラムを前記内壁面から解放する空気室と、を備える複数の防振装置と、
    前記複数の防振装置の各々の空気室を互いに連通するように連結する空気連通手段と、
    前記空気室または前記空気連通手段の少なくとも一方を、大気側または前記空気室の内部を負圧にする負圧手段側へ選択して連結する切換弁と、
    を設けたことを特徴とする防振システム。
JP15029894A 1994-07-01 1994-07-01 防振システム Expired - Fee Related JP3545458B2 (ja)

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