JPH0814318A - 防振システム - Google Patents

防振システム

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JPH0814318A
JPH0814318A JP15029894A JP15029894A JPH0814318A JP H0814318 A JPH0814318 A JP H0814318A JP 15029894 A JP15029894 A JP 15029894A JP 15029894 A JP15029894 A JP 15029894A JP H0814318 A JPH0814318 A JP H0814318A
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Hiroshi Kojima
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 負圧を利用する防振装置において、防振特性
を維持しつつ空気タンクを取り除く。 【構成】 防振装置11Aの空気室74と、防振装置1
1Bの空気室74とをパイプ88で連結し、パイプ88
の中間部に設けた分岐89を介して3ポート2位置切換
弁56に連結する。空気室74に面するダイヤフラム6
8が振動することによって、空気室74の空気が出入り
するが、一方の空気室74が他方の空気室74の空気タ
ンクの役目をするので、空気室74と3ポート2位置切
換弁56との間に従来必要とされた空気タンクを省くこ
とができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は車両、一般産業用機械等
に用いられ、振動発生部からの振動を吸収減衰する防振
システムに関する。
【0002】
【従来の技術】自動車のエンジンにはエンジンと車体と
の間にエンジンマウントとしての防振装置が配設され、
エンジンの振動が車体に伝達されることを阻止するよう
になっている。
【0003】エンジンに発生する振動には車両が高速で
走行している場合等に発生する所謂シェイク振動やアイ
ドル時及び車両が時速5キロ程度で走行している場合に
発生する所謂アイドル振動等がある。
【0004】一般的に前記シェイク振動は周波数が15
Hz未満であるのに対しアイドル振動は周波数が20〜
40Hzであり、シェイク振動とアイドル振動とでは周
波数が相違する。
【0005】シェイク振動とアイドル振動とを吸収する
防振装置として液体封入式の防振装置が提案されてい
る。この防振装置として、エンジンの吸気系に生ずる吸
入負圧を利用して防振装置の特性を変化させることので
きる防振装置が提案されている。
【0006】この防振装置には、主液室と副液室とを備
えており、主液室と複数の副液室とがそれぞれ制限通路
で連結されている。周知のように、液体封入式の防振装
置では、振動入力時に制限通路内で液体を行き来させる
(共振させる)ことによって振動を減衰するようになっ
ているため、副液室には反対側が空気と接するダイヤフ
ラムが面している。即ち、ダイヤフラムが変形すること
で副液室の容積変化が可能となり、主液室と副液室とを
連通する制限通路内で液体を行き来させることができる
のである。このため、ダイヤフラムの動きを規制すれ
ば、制限通路内で液体が流動できないようにすることが
できる。
【0007】この原理に基づいて、この防振装置では、
ダイヤフラムの片面に空気室を設け、この空気室の内圧
を下げることでダイヤフラムを空気室の内壁に密着さ
せ、所望の制限通路のみで液体を行き来させるようにな
っている。この空気室の内圧を下げるために、例えば、
エンジンの吸入負圧が利用されている。
【0008】なお、この種の防振装置としては、主液室
と一つの副液室を備え、両者が複数の制限通路で連結さ
れているタイプのものもある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記防振装
置では、空気室とエンジンの吸気系とを繋ぐ配管の途中
に3方電磁弁が介されている。この3方電磁弁は、空気
室を大気とエンジンの吸気系との何れかへ連結するよう
に作動するものである。
【0010】しかし、3方電磁弁は、内部の空気経路の
径が細く、内部で屈曲しており、さらに、開閉される孔
の径も小さいため、空気の通過抵抗が大きい。また、3
方電磁弁からマウントまでの距離があるため、配管も比
較的長くなり、これも空気の通過抵抗となっている。
【0011】この空気の通過抵抗が大きいとダイヤフラ
ムが動き難くなり、防振特性が設計値からずれてしま
い、特性が悪化する。
【0012】このため、実際には、空気室と3方電磁弁
との間に、容量の大きな空気タンクを設け、空気室と空
気タンクとの間で空気の行き来を行う必要がある。
【0013】したがって、負圧を利用する防振装置の場
合、コスト、取付スペース、組立性の問題が生じる。ま
た、エンジン等を支持する場合、防振装置は複数個を必
要とするが、各防振装置に一つずつの空気タンク及び三
方電磁弁を設けているため、システムとして考えると、
部品点数が非常に多くなる。
【0014】本発明は上記事実を考慮し、防振特性を維
持しつつ、取付スペース、組立性の問題を解決し、しい
てはコストの低減を図ることのできる防振装置システム
を提供することが目的である。
【0015】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の防振シ
ステムは、振動発生部及び振動受部の一方へ連結される
第1の取付部材と、振動発生部及び振動受部の他方へ連
結される第2の取付部材と、前記第1の取付部材と前記
第2の取付部材との間に設けられ振動発生時に変形する
弾性体と、前記弾性体を隔壁の一部として拡縮可能な主
液室と、前記主液室とは隔離される副液室と、前記主液
室と副液室とを連通する制限通路と、前記副液室の隔壁
の一部を構成するダイヤフラムと、前記ダイヤフラムの
副液室側とは反対側に配置され内部が負圧にされた際に
前記ダイヤフラムを内壁面に密着させて前記ダイヤフラ
ムの移動を阻止する空気室と、を備える複数の防振装置
と、前記複数の防振装置の各々の空気室を互いに連結す
る空気連通手段と、前記空気室または前記空気連通手段
の少なくとも一方を、大気側または前記空気室の内部を
負圧にする負圧手段側へ選択して連結する切換弁と、を
設けたことを特徴としている。
【0016】請求項2に記載の防振システムは、振動発
生部及び振動受部の一方へ連結される第1の取付部材
と、振動発生部及び振動受部の他方へ連結される第2の
取付部材と、前記第1の取付部材と前記第2の取付部材
との間に設けられ振動発生時に変形する弾性体と、前記
弾性体を隔壁の一部として拡縮可能な主液室と、前記主
液室とは隔離される第1の副液室と、前記主液室と前記
第1の副液室とを連通する第1の制限通路と、前記主液
室とは隔離される第2の副液室と、前記主液室と前記第
2の副液室とを連通する第2の制限通路と、前記第1の
副液室の隔壁の一部を構成する第1のダイヤフラムと、
前記第2の副液室の隔壁の一部を構成する第2のダイヤ
フラムと、前記第2のダイヤフラムの第2の副液室側と
は反対側に配置され内部が負圧にされた際に前記第2の
ダイヤフラムを内壁面に密着させて前記第2のダイヤフ
ラムの移動を阻止する空気室と、を備える複数の防振装
置と、前記複数の防振装置の各々の空気室を互いに連結
する空気連通手段と、前記空気室または前記空気連通手
段の少なくとも一方を、大気側または前記空気室の内部
を負圧にする負圧手段側へ選択して連結する切換弁と、
を設けたことを特徴としている。
【0017】
【作用】請求項1に記載の防振システムを、例えば自動
車エンジンの振動の防振に使用する場合、自動車エンジ
ンを複数の防振装置で自動車の車体へ支持する。振動発
生源である自動車エンジンへ防振装置の第1の取付部材
を連結し、振動受部である車体へ第2の取付部材を連結
すると、振動は第1の取付部材、弾性体、第2の取付部
材を介して車体へと支持される。このとき、振動は弾性
体の内部摩擦に基づく抵抗により吸収される他、制限通
路を流れる液体の通過抵抗または液柱共振により吸収さ
れる。即ち、切換弁を切り換えて、空気室の内部を大気
に開放すると、第2ダイヤフラムを空気室の内壁から離
間させて弾性変形させることが可能となり、第2副液室
が拡縮可能となる。これにより、液体は制限通路を流動
可能な状態であり、制限通路を行き来する液体の抵抗、
または制限通路内の液体の液柱共振作用で振動が効果的
に吸収される。
【0018】また、制限通路で液体を動かしたく無い場
合(防振特性を変えたい場合)には、切換弁を切り換え
て空気室と負圧手段(例えば、エンジンの吸気系)とを
連通させ、負圧手段により空気室の内部を負圧にして副
液室に面するダイヤフラムを空気室の内壁に密着固定す
る。これによって空気室は実質的に消滅し副液室は拡縮
不能となる。この結果、実質的に制限通路が閉塞される
こととなり、液体は制限通路を流れなくなる。
【0019】ここで、複数の防振装置の空気室は、空気
連通手段によって互いに連通されているので、一方の空
気室が実質的に他方の空気室の空気タンクの役目をな
し、空気室の空気の出入抵抗が少なくなり、防振特性の
悪化を防止することができる。
【0020】請求項2に記載の防振システムを、例えば
自動車エンジンの振動の防振に使用する場合、自動車エ
ンジンを複数の防振装置で自動車の車体へ支持する。振
動発生源である自動車エンジンへ防振装置の第1の取付
部材を連結し、振動受部である車体へ第2の取付部材を
連結すると、振動は第1の取付部材、弾性体、第2の取
付部材を介して車体へと支持される。このとき、振動は
弾性体の内部摩擦に基づく抵抗により吸収される他、制
限通路を流れる液体の通過抵抗または液柱共振により吸
収される。
【0021】振動の周波数が所定周波数未満の時には、
切換弁を切り換えて空気室と負圧手段(例えば、エンジ
ンの吸気系)とを連通させ、負圧手段により空気室の内
部を負圧にして第2副液室に面する第2のダイヤフラム
を空気室の内壁に密着固定する。これによって空気室は
実質的に消滅し第2副液室は拡縮不能となる。この結
果、実質的に第2の制限通路が閉塞されることとなり、
液体は第2の制限通路を流れず、第1の制限通路のみで
流動可能となり液体が第1の制限通路を通過する際の抵
抗または第1の制限通路内の液体の液柱共振作用で所定
周波数未満の振動が効果的に吸収される。
【0022】また、振動の周波数が所定周波数以上の時
には、切換弁を切り換えて、空気室の内部を大気に開放
する。これによって、第2ダイヤフラムを空気室の内壁
から離間させて弾性変形させることが可能となり、第2
副液室が拡縮可能となる。これにより、第1の制限通路
が目詰まり状態となったとしても、液体は第2の制限通
路を流動可能となり、第2の制限通路内の液体の液柱共
振作用で所定周波数以上の振動が効果的に吸収される。
【0023】ここで、複数の防振装置の空気室は、空気
連通手段によって互いに連通されているので、一方の空
気室が実質的に他方の空気室の空気タンクの役目をな
し、空気室の空気の出入抵抗が少なくなり、防振特性の
悪化を防止することができる。 [第1実施例]本発明に係る防振システム10の第1実
施例を図1乃至図2にしたがって説明する。
【0024】図1に示すように、本実施例の防振システ
ム10には、複数個(本実施例では2個)の防振装置1
1A,11Bを備えている。
【0025】防振装置11Aと防振装置11Bとは同一
構造であるので、防振装置11Aの説明を行う。防振装
置11Aには第1の取付部材としての底板12が備えら
れている。この底板12は中央下部に取付ボルト14が
突出され、一例として図示しない自動車の車体へ固定さ
れる。底板12の周囲は直角に屈曲された筒状の立壁部
12Aとされており、この立壁部12Aの上端部には直
角に屈曲されたフランジ部12Bが連続形成されてい
る。
【0026】この、底板12のフランジ部12Bには円
筒ブロック状の外筒16がボルト止めされており、フラ
ンジ部12Bと外筒16の下端部との間に仕切部材30
及び第1のダイヤフラムとしてのダイヤフラム18の周
縁部が挟持されている。このダイヤフラム18と前記底
板12との間は空気室20とされ、立壁部12Aに形成
された空気孔21を介して外部と連通される。
【0027】外筒16の内周面上端部は内径がしだいに
拡大された拡開部16Bとされており、弾性体22の外
周が加硫接着されている。また、弾性体22の一部は外
筒16の内周下端部の一部まで延設されて加硫接着され
ている。
【0028】この弾性体22の中央には第2の取付部材
としての支持台24の外周24Aが加硫接着されてい
る。この支持台24は図示しないエンジンの搭載部であ
り、エンジンを固定する取付ボルト26が立設されてい
る。
【0029】ここに外筒16の内周部、弾性体22の下
端部及びダイヤフラム18とによって液室28が形成さ
れており、この液室28内にはエチレングリコール等の
液体29が充填されている。
【0030】液室28内には仕切部材30が配置され、
液室28を主液室32と第1副液室34とに区画してい
る。この仕切部材30は合成樹脂等で断面形状略ハット
状に形成されている。
【0031】図1及び図2に示すように、オリフイス部
材30の外周には、周方向に沿って断面矩形状の細溝4
4が形成されている。この細溝44の外筒16側は前記
弾性体22の延長部によって閉塞されて第1の制限通路
52とされている。この第1の制限通路は長手方向一端
部が矩形状の開口部44Aを介して主液室32と連通さ
れ、他端部が開口部44Bを介して第1副液室34と連
通されている。
【0032】さらに、仕切部材30には、外周から反対
側の外周へ向けて矩形孔42が形成されており、図1に
示すように、この矩形孔42の先端は上方へ屈曲し開口
部42Aを介して主液室32へ連通して第2の制限通路
46を構成している。
【0033】図1及び図2に示すように、外筒16の外
周には、仕切部材30の矩形孔42に対応する位置に凹
部62が形成されており、この凹部62はブロック64
によって閉塞されている。凹部62の底部には貫通孔7
2が形成されており、この貫通孔72は弾性体22を貫
通する孔22Aを介して矩形孔42に連通している。
【0034】また、凹部62の底部外周には、環状凹部
66が形成されており、この環状凹部66とブロック6
4との間に第2のダイヤフラムとしてのダイヤフラム6
8の周縁部が挟持されている。ダイヤフラム68は、自
由状態では貫通孔72側へ向けて略半球状に突出されて
おり、貫通孔72がダイヤフラム68によって閉塞され
て第2副液室70を構成している。また、ブロック64
のダイヤフラム68に向かい合う面は、ダイヤフラム6
8の周縁部を対称面としてダイヤフラム68の自由状態
の形状とほぼ対称な形状、すなわち、略半球状の凹部6
4Aとされている。
【0035】この凹部64Aとダイヤフラム68との間
は第2空気室としての空気室74とされている。ブロッ
ク64の中央には空気室74に連通する吸入孔80が形
成されており、この吸入孔80はブロック64の外側に
管部64Bを介して連通している。なお、ブロック64
には、空気室74側の吸入孔80の開口部に円環溝83
が形成されており、この円環溝83には、円環状に形成
された柔軟な弾性体リング85が固着されている。
【0036】ここで、防振装置11Aの管部64Bと防
振装置11Bの管部64Bとは空気流通手段としてのパ
イプ88で接続されている。
【0037】パイプ88の中間部には分岐89が設けら
れており、分岐89にはパイプ91の一端が接続されて
いる。
【0038】このパイプ91の他端は切換弁としての3
ポート2位置切換弁56に接続されている。3ポート2
位置切換弁56にはパイプ91の他にパイプ93の一端
及び大気連通パイプ58の一端が接続されている。パイ
プ93の他端は負圧手段としてのエンジンのインテーク
マニホールド90に連結されており、大気連通パイプ5
8の他端は大気に連通されている。この3ポート2位置
切換弁56は制御手段60に接続されて切換が制御され
る。このため、3ポート2位置切換弁56がパイプ91
側とインテークマニーホールド90側とを連通すると空
気室74内は負圧になり、パイプ91側と大気連通パイ
プ58側とを連通すると空気室74内は大気と同圧とな
る。
【0039】なお、制御手段60は車両電源によって駆
動され、少なくとも車速センサ62及びエンジン回転数
センサ64からの検出信号を受け、車速及びエンジン回
転数を検出できる。これにより制御手段60は車両がア
イドル時かシェイク時かを判断できる。
【0040】また、吸入孔80、パイプ88、パイプ9
1および大気連通パイプ58は空気の流通抵抗を少なく
するためにその内径が2.5mm以上とされている。
【0041】次に実施例の作用を説明する。この防振装
置11A,11Bの底板12を一例として自動車等の車
両の車体へ固定し、支持台24にエンジンを搭載して固
定すると、エンジンの振動は支持台24、弾性体22、
外筒16及び底板12を介して自動車の車体へ支持さ
れ、弾性体22の内部摩擦に基づく抵抗によって振動が
吸収される。
【0042】また、車両が例えば70〜80km/hで
走行するとシェイク振動(15Hz未満)が生じ得る。
制御手段60は車速センサ62、エンジン回転数センサ
64によりシェイク振動発生時か否かを判断する。制御
手段60がシェイク振動発生時であると判断すると、制
御手段60は3ポート2位置切換弁56を切り換えてパ
イプ91側とインテークマニーホールド90側とを連通
させる。これにより、空気室74内は負圧にされ、ダイ
ヤフラム68は図1に想像線で示すようにブロック64
の凹部64A内周面に密着する。このとき、ダイヤフラ
ム68は周縁部を境にして反転するため、ダイヤフラム
68は皺等が発生することなく凹部64A内周面に確実
に密着することができる。これによって、第2副液室7
0は拡縮不能となり第2の制限通路46での液体29の
流れはなくなる。従って、液体29は第1の制限通路5
2だけを通って主液室32と第1副液室34を行き来す
ることになり、液体29が第1の制限通路52を通過す
る際の抵抗及び液柱共振でシェイク振動が効果的に吸収
される。なお、ダイヤフラム68が凹部64A内周面に
密着した際に、吸入孔80の開口部に対応するダイヤフ
ラム68は柔軟な弾性体リング85に当接するため、ダ
イヤフラム68に開口部の跡やキズが付くことがなく耐
久性がよい。
【0043】また、エンジンがアイドリング運転の場合
や車速が5km/h以下の場合にはアイドル振動(20
〜40Hz)が生じる。前記制御手段60は車速センサ
62、エンジン回転数センサ64によりアイドル振動発
生時か否かを判断する。制御手段60がアイドル振動発
生時であると判断すると、制御手段60は3ポート2位
置切換弁56を切り換えてパイプ91側と大気連通パイ
プ58側とを連通させ、空気室74内は大気と同圧とな
る。これによって、ダイヤフラム68は図1に実線で示
すようにブロック64の凹部64A内周面から離間し
て、拡縮可能な第2副液室70が形成される。
【0044】したがって、アイドル振動により第1の制
限通路52が目詰まり状態になっても、液体29は流路
面積の大きな第2の制限通路46を通過して主液室32
と第2副液室70とを行き来し、第2の制限通路46内
で液体29が液柱共振してアイドル振動が確実に吸収さ
れる。ここで、防振装置11Aの空気室74と防振装置
11Bの空気室74とがパイプ88を介して連通してい
るので、一方の空気室74が実質的に他方の空気室74
の空気タンクの役目をすることになり、ダイヤフラム6
8が振動した際の空気室74からの空気の出入抵抗を少
なくすることが可能となるので、防振特性の悪化を防止
することができる。
【0045】すなわち、本実施例では、パイプ88で空
気室74同士を互いに連結するだけで、従来必要であっ
た空気タンクを取り除いて、空気タンクを接続した従来
の防振装置と同等の性能を得ることができる。また、空
気室74同士を安価なパイプ88で連結するだけで、コ
ストが高く、取付けスペースも問題となる空気タンクの
代わりになるため、防振システム10のコストを抑える
ことができる。
【0046】なお、エンジンの振動は、主としてローリ
ング振動であるため、防振装置11Aの空気室74の拡
縮と防振装置11Bの空気室74の拡縮とが逆相となる
ように防振装置11Aと防振装置11Bとをエンジンに
接続することによって、一方が吸引、他方が排出するこ
とになり、スムースに空気を出入りさせることができ
る。
【0047】[第2実施例]本発明に係る防振システム
10の第2実施例を図3にしたがって説明する。なお、
第1実施例と同一構成に関しては同一符号を付し、その
説明は省略する。
【0048】本実施例の防振システム10では、一方の
防振装置11のブロック64に貫通孔96が形成されて
おり、外部には管部64Cが設けられている。この管部
64Cと他方の防振装置11の管部64Bとが、パイプ
88で連結されている。また、一方の防振装置11の管
部64Bには、パイプ91を介して3ポート2位置切換
弁56が連結されている。
【0049】本実施例の防振システム10においても、
一方の空気室74と他方の空気室74とが連通している
ので、第1実施例と同様に一方の空気室74が実質的に
他方の空気室74の空気タンクの役目をなし、ダイヤフ
ラム68が振動した際の空気室74からの空気の出入抵
抗が少なくなり、防振特性を悪化させることがない。
【0050】なお、前記防振装置11では、主液室に対
して副液室を2個対応させ、各々の副液室を制限通路で
主液室に連通させたが、主液室に対して副液室を3個以
上対応させ、各々の副液室を制限通路で主液室に連通さ
せても良く、主液室に対して副液室を1個のみ対応さ
せ、主液室と副液室とを1乃至複数本の制限通路で連結
してもよい。例えば、主液室に対して副液室を1個のみ
対応させ、主液室と副液室とを1本の制限通路で連結す
る場合、制限通路での液体の流れを制限してばね定数を
高めることができ、エンジン始動時の揺れを抑えること
ができる。
【0051】また、前記各実施例ではエンジンのインテ
ークマニホールド90を負圧手段として用いる構成とし
たが、本発明はこれに限らず、吸引ポンプ等の負圧手段
を別途設ける構成としてもよい。
【0052】また、前記実施例では防振装置11をエン
ジンマウントとして用いる構成を示したが、本発明はこ
れに限らず、防振装置11をキャブマウント、ボデイマ
ウント、一般産業用機械の支持等に用いてもよいことは
勿論である。
【0053】
【発明の効果】以上説明した如く請求項1及び請求項2
に記載の防振システムでは、複数の防振装置の空気室を
空気連通手段によって互いに連通させて空気室からの空
気の出入り抵抗を少なくすることができるため、外付け
の空気タンクが無くても防振特性の悪化を防止でき、取
付スペース、組立性等の問題を解決でき、しいてはコス
トを低減できるという優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例の防振装置システムの構成
図である。
【図2】図1に示す防振装置の横断面図である。
【図3】本発明の第2実施例の防振装置システムの構成
図である。
【符号の説明】
10 防振システム 11 防振装置 12 底板(第1の取付部材) 18 ダイヤフラム(第1のダイヤフラム) 22 弾性体 24 支持台(第2の取付部材) 32 主液室 34 第1副液室 46 第2の制限通路 52 第1の制限通路 56 3ポート2位置切換弁(切換弁) 68 ダイヤフラム(第2のダイヤフラム) 70 第2副液室 74 空気室 88 パイプ(空気連通手段) 90 インテークマニホールド(負圧手段)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】振動発生部及び振動受部の一方へ連結され
    る第1の取付部材と、振動発生部及び振動受部の他方へ
    連結される第2の取付部材と、前記第1の取付部材と前
    記第2の取付部材との間に設けられ振動発生時に変形す
    る弾性体と、前記弾性体を隔壁の一部として拡縮可能な
    主液室と、前記主液室とは隔離される副液室と、前記主
    液室と副液室とを連通する制限通路と、前記副液室の隔
    壁の一部を構成するダイヤフラムと、前記ダイヤフラム
    の副液室側とは反対側に配置され内部が負圧にされた際
    に前記ダイヤフラムを内壁面に密着させて前記ダイヤフ
    ラムの移動を阻止する空気室と、を備える複数の防振装
    置と、 前記複数の防振装置の各々の空気室を互いに連結する空
    気連通手段と、 前記空気室または前記空気連通手段の少なくとも一方
    を、大気側または前記空気室の内部を負圧にする負圧手
    段側へ選択して連結する切換弁と、 を設けたことを特徴とする防振システム。
  2. 【請求項2】振動発生部及び振動受部の一方へ連結され
    る第1の取付部材と、振動発生部及び振動受部の他方へ
    連結される第2の取付部材と、前記第1の取付部材と前
    記第2の取付部材との間に設けられ振動発生時に変形す
    る弾性体と、前記弾性体を隔壁の一部として拡縮可能な
    主液室と、前記主液室とは隔離される第1の副液室と、
    前記主液室と前記第1の副液室とを連通する第1の制限
    通路と、前記主液室とは隔離される第2の副液室と、前
    記主液室と前記第2の副液室とを連通する第2の制限通
    路と、前記第1の副液室の隔壁の一部を構成する第1の
    ダイヤフラムと、前記第2の副液室の隔壁の一部を構成
    する第2のダイヤフラムと、前記第2のダイヤフラムの
    第2の副液室側とは反対側に配置され内部が負圧にされ
    た際に前記第2のダイヤフラムを内壁面に密着させて前
    記第2のダイヤフラムの移動を阻止する空気室と、を備
    える複数の防振装置と、 前記複数の防振装置の各々の空気室を互いに連結する空
    気連通手段と、 前記空気室または前記空気連通手段の少なくとも一方
    を、大気側または前記空気室の内部を負圧にする負圧手
    段側へ選択して連結する切換弁と、 を設けたことを特徴とする防振システム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN107559467A (zh) * 2017-08-01 2018-01-09 哈尔滨工程大学 一种三螺杆泵流体脉动蓄能安全阀

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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