JPH05172181A - 防振装置 - Google Patents

防振装置

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Publication number
JPH05172181A
JPH05172181A JP33813791A JP33813791A JPH05172181A JP H05172181 A JPH05172181 A JP H05172181A JP 33813791 A JP33813791 A JP 33813791A JP 33813791 A JP33813791 A JP 33813791A JP H05172181 A JPH05172181 A JP H05172181A
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JP
Japan
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liquid
vibration
liquid chamber
chamber
sub
Prior art date
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Pending
Application number
JP33813791A
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English (en)
Inventor
Hiroshi Kojima
宏 小島
Kazuya Takano
和也 高野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Bridgestone Corp
Original Assignee
Bridgestone Corp
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Filing date
Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 制限通路に確実に液体を流通させて、確実に
減衰力を得る。 【構成】 受圧液室36、第1の制限通路42、第1副
液室40、第2の制限通路44、第2副液室38の順で
連結する。第1副液室40の壁面の一部を第1ダイヤフ
ラム54で形成し、第1ダイヤフラム54と環状部18
との間を第1空気室58とする。第1空気室58にイン
テークマニーホールド74を連結する。シェイク振動時
には、第1空気室58内を負圧にして第1ダイヤフラム
54を固定し第1副液室40を拡縮不能とさせる。受圧
液室36内の液体は、第1の制限通路42、第1副液室
40、第2の制限通路44を介して第2副液室38との
間を行き来し、通過抵抗及び液柱共振によってシェイク
振動が吸収される。このとき、受圧液室36と第2副液
室38とを連通する液体の流通経路は、圧力変化によっ
て容積が変化しないため(第1副液室40が拡縮不能の
ため)、通過抵抗及び液柱共振による振動吸収作用は最
大限に発揮される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は車両、特に自動車のエン
ジンマウント等に用いられ、振動発生部からの振動を吸
収減衰する液体封入式の防振装置に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車にはエンジンと車体との間にエン
ジンマウントとしての防振装置が配設され、エンジンの
振動が車体に伝達されることを阻止するようになってい
る。エンジンに発生する振動には車両が時速70キロ程
度で走行している場合に発生する所謂シェイク振動やア
イドル時及び車両が時速5キロ程度で走行している場合
に発生する所謂アイドル振動等がある。一般的に前記シ
ェイク振動は周波数が15Hz未満であるのに対しアイド
ル振動は周波数が20〜40Hzであり、シェイク振動と
アイドル振動とでは周波数が相違する。
【0003】このような広い周波数の振動を効果的に吸
収する防振装置として液体封入式の防止装置が提案され
ている(特開平2−42226号公報等)。
【0004】この防振装置は、複数の液室が制限通路を
介して直列に連結され、液体の流通経路の端部に受圧液
室(振動を吸収減衰すべき弾性体を隔壁の一部として、
振動入力によって弾性体が変形することによって拡縮さ
れる液室)が設けられており、受圧液室が第1の制限通
路によって第1副液室に連結され、第1副液室は第2の
制限通路を介して第2副液室と連結されている。
【0005】また、第1副液室は隔壁の一部が第1のダ
イヤフラムで構成されており、第2副液室は、隔壁の一
部が前記第1のダイヤフラムよりも液圧に対する剛性の
低くされた第2のダイヤフラムで構成されている。ま
た、第1の制限通路は第2の制限通路よりも断面積が大
きくされており、液体の通過抵抗が第2の制限通路より
も小さくされている。
【0006】この防振装置は、周波数の低い振動時(例
えば、周波数15Hz未満)においては、受圧液室内の液
体は第2副液室の第2のダイヤフラムを変形させ、液体
が第1の制限通路、第1副液室、第2の制限通路を介し
て第2副液室との間を行き来する際の抵抗及び液柱共振
によって振動が吸収される。
【0007】また、第2の制限通路が目詰まり状態とな
る周波数の高い振動時(例えば、周波数20〜40Hz)
においては、受圧液室内の圧力変化によって第1副液室
の第1のダイヤフラムが変形され、液体が第1の制限通
路介内で液柱共振して振動が吸収される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、第1のダイ
ヤフラムは第2のダイヤフラムよりも液圧に対する剛性
が高く設定されており、第2の制限通路が目詰まり状態
となった際に、振動による液体の圧力変化によって変形
をするようにされてるが、第2の制限通路が目詰まり状
態とはなっていないシェイク振動時であっても、液体の
圧力変化を受けて多少ではあっても変形がおこる。
【0009】本来、制限通路で液体を行き来させること
によって、減衰力を発生させるタイプの液体封入式の防
振装置にあっては、受圧液室内の容積変化によって受圧
液室を出入りする液体が通過抵抗及び液柱共振をさせる
べき制限通路に最大限供給されることが望ましく、その
時が振動の減衰吸収作用では一番効率良い状態とされて
いる。
【0010】ところが、この防振装置では、シェイク振
動時において、液体の流通経路にある第1ダイヤフラム
が変形するため、通過抵抗及び液柱共振をさせるべき制
限通路での液体の流通量が減少して、通過抵抗を多く受
けることが出来なかったり、共振のピークが低下する等
して振動の減衰吸収作用が低下する場合がある。
【0011】本発明は上記事実を考慮し、一端部に受圧
液室を有しその受圧液室に複数の副液室が制限通路を介
して直列に連結されているタイプの防振装置において、
制限通路に確実に液体を流通させて、確実に減衰力を得
ることができる防振装置を提供することが目的である。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の防振装置は、振
動発生部及び振動受部の一方へ連結される第1の取付部
材と、振動発生部及び振動受部の他方へ連結される第2
の取付部材と、前記第1の取付部材と前記第2の取付部
材との間に設けられて振動発生時に変形する弾性体と、
前記弾性体を少なくとも隔壁の一部として拡縮可能な受
圧液室と、前記受圧液室とは隔離される複数の副液室
と、前記副液室の隔壁の一部を構成する弾性変形可能な
ダイヤフラムと、前記ダイヤフラムの動きを固定する固
定手段と、を備え、前記受圧液室を基点として前記複数
の副液室を制限通路で順次直列に連結すると共に、前記
制限通路は前記受圧液室から遠い側の前記制限通路より
も前記受圧液室に近い側の前記制限通路がその断面積が
大きくされていることを特徴としている。
【0013】
【作用】本発明の防振装置では、例えば、第1の取付部
材を振動受部へ連結し、第2の取付部材振動発生部へ連
結すると、振動発生部から伝達される振動は弾性体を介
して振動受部へと支持され、弾性体の内部摩擦に基づく
抵抗で振動が吸収される。
【0014】ここで、振動の周波数が低い場合において
は、受圧液室から液体の流通経路上で遠い側の位置にあ
る副液室のダイヤフラム以外のダイヤフラムを固定手段
によって固定する。これによって、液体は、受圧液室か
らは液体の流通経路上で遠い側の位置にある副液室と受
圧液室との間の長い距離を行き来して、その際に、液体
が大きな通過抵抗を受け又は共振することによって周波
数の低い振動が吸収される。この時、液体の流通経路途
中にある副液室は、その副液室のダイヤフラムが固定さ
れているため、内容積が変化することはない。すなわ
ち、受圧液室からは液体の流通経路上で遠い側の位置に
ある副液室と受圧液室との間の流通経路の内容積が振動
の圧力によって変化することがないため、十分な量の液
体が流通経路内を行き来し、振動の減衰吸収作用が効果
的に行われる。
【0015】また、振動の周波数が高くなると、液体の
流通経路上で受圧液室から遠い側の制限通路が目詰まり
状態となるが、この際には、目詰まり状態となった制限
通路の受圧液室側に連結された副液室のダイヤフラムの
固定を解除してその副液室を拡縮可能とさせる。なお、
ダイヤフラムの固定を解除した副液室以外の副液室のダ
イヤフラムは、固定状態としておく。ここで、ダイヤフ
ラムの固定が解除された副液室よりも受圧液室の制限通
路は、目詰まり状態となった制限通路よりも断面積が大
きく設定されているため、液体は高い周波数で共振する
こととなる。液体はダイヤフラムの固定が解除された副
液室と受圧液室との間を行き来して、液体が高い周波数
で共振して周波数の高い振動が吸収される。
【0016】
【実施例】
〔第1実施例〕図2に示すように、この防振装置10で
は第1の取付部としての内筒12と第2の取付部として
の外筒14とが平行軸状で配置されており、一方が振動
発生部である自動車のエンジン等へ、他方が振動受部で
ある車体等へ連結される。なお、この防振装置10の外
筒14は車両の車体へ固定された取付けフレーム16の
固定手段としての環状部18内へ挿入され支持される。
外筒14は、内周に弾性膜20が加硫接着されており、
その内側には中間筒22が配置されている。
【0017】図3に示すように、中間筒22の軸方向中
間部は、径が小さくされた縮径部22Aとされており、
さらに縮径部22Aの内筒12上側が内筒12側に凹ま
された凹部22Bとされている。図1に示すように、中
間筒22と内筒12との間には、凹部22Bの内筒12
側を除いて弾性体24が掛け渡されており、内筒12と
中間筒22の凹部22Bとの間には、すぐり部26(軸
方向に貫通する孔)が形成されている。
【0018】図2に示すように、中間筒22の軸方向中
央部には、内筒12を介してすぐり部26の反対側(図
2の下側)に切欠28が形成されており、切欠28に対
応して弾性体24には切欠凹部30が形成されている。
【0019】この切欠凹部30と外筒14とによって囲
まれる空間部32には、仕切板34が配設されている。
この仕切板34は、周縁部34Bが弾性体24の半径方
向外周と弾性膜20との間に挾持されている。空間部3
2は仕切板34の中間部34Aによって上下方向に2分
割され、内筒12側が受圧液室36とされ、外筒14側
が第2副液室38とされている。また、中間筒22の凹
部22Bは外筒14によって囲まれて第1副液室40を
形成している。
【0020】図1に示すように、矢印A方向側の縮径部
22Aは外筒14に囲まれて第1の制限通路42を形成
しており、矢印A方向側とは反対方向側の縮径部22A
は外筒14に囲まれて第2の制限通路44を形成してい
る。なお、矢印A方向側とは反対方向側の縮径部22A
には、中間筒22の軸方向両側部にゴム46が加硫接着
されており、第2の制限通路44は第1の制限通路42
よりも軸方向の幅が狭くされている。
【0021】第1の制限通路42は、一端が中間筒22
の切欠28と仕切板34との間に形成された開口部48
を介して受圧液室36へ、他端が第1副液室40へ連通
している。
【0022】また、第2の制限通路44は、一端が第1
副液室40へ、他端が仕切板34に形成された開口部3
4Cを介して第2副液室38へ連通している。
【0023】受圧液室36、第1副液室40、第2副液
室38、第1の制限通路42及び第2の制限通路44に
は水、オイル等の液体が充填されている。
【0024】また、弾性膜20には、仕切板34に対応
した部分に仕切板34側へ接近した凸状の第2ダイヤフ
ラム50が形成されており、この第2ダイヤフラム50
は仕切板34と対向して第2副液室38の外側壁を構成
している。なお、外筒14には弾性膜20の第2ダイヤ
フラム50に対応した部分に、矩形孔52が形成されて
いる。
【0025】さらに、弾性膜20には、中間筒22の凹
部22Bに対応した部分に凹部22B側へ接近した凸状
の第1ダイヤフラム54が形成されており、この第1ダ
イヤフラム54は凹部22Bと対向して第1副液室40
の外側壁を構成している。なお、外筒14には弾性膜2
0の第1ダイヤフラム54に対応した部分に、矩形孔5
6が形成されている。
【0026】第1ダイヤフラム54と環状部18との間
は第1空気室58とされており、この第1空気室58
は、環状部18に形成された貫通孔60、環状部18の
外周に固着された接続パイプ62及び第1連結パイプ6
4を介して第1の3ポート2位置切換弁68に接続され
ている。第1の3ポート2位置切換弁68には第1連結
パイプ64の他にパイプ70の一端及び大気連通パイプ
72の一端が接続されている。このパイプ70の他端は
固定手段としてのインテークマニホールド74に連結さ
れており、大気連通パイプ72の他端は大気に連通され
ている。
【0027】第1の3ポート2位置切換弁68は制御手
段76に接続されている。制御手段76が第1の3ポー
ト2位置切換弁68を切り換えて第1連結パイプ64側
とインテークマニーホールド74側とを連通させると、
第1空気室58内の空気がインテークマニホールド74
に吸引されて第1空気室58内が負圧になって、図1に
想像線で示すように、第1ダイヤフラム54は環状部1
8の内周面に密着する。また、制御手段76が第1の3
ポート2位置切換弁68を切り換えて第1連結パイプ6
4側と大気連通パイプ72側とを連通させると、第1空
気室58内に大気側から空気が流れ込んで第1空気室5
8内は大気と同圧となり、図1に実線で示すように、第
1ダイヤフラム54は環状部18の内周面から離間して
膨らみ、弾性変形可能となる。
【0028】また、第2ダイヤフラム50と環状部18
との間は第2空気室78とされており、この第2空気室
78は、環状部18に形成された貫通孔80、環状部1
8の外周に固着された接続パイプ82及び第2連結パイ
プ84を介して第2の3ポート2位置切換弁86に接続
されている。第2の3ポート2位置切換弁86には第2
連結パイプ84の他にパイプ70の一端及び大気連通パ
イプ88の一端が接続されており、大気連通パイプ88
の他端は大気に連通されている。
【0029】第2の3ポート2位置切換弁86は第1の
3ポート2位置切換弁68と同様に制御手段76に接続
されている。
【0030】制御手段76が第2の3ポート2位置切換
弁86を切り換えて第2連結パイプ84側とインテーク
マニーホールド74側とを連通させると、第2空気室7
8内の空気がインテークマニホールド74に吸引されて
第2空気室78内が負圧になり、図1に想像線で示すよ
うに、第2ダイヤフラム50は環状部18の内周面に密
着する。また、制御手段76が第2の3ポート2位置切
換弁86を切り換えて第2連結パイプ84側と大気連通
パイプ88側とを連通させると、第2空気室78内に大
気側から空気が流れ込んで第2空気室78内は大気と同
圧となり、図1に実線で示すように、第2ダイヤフラム
50は環状部18の内周面から離間して膨らみ、弾性変
形可能となる。
【0031】なお、制御手段76は車両電源によって駆
動され、少なくとも車速センサ90及びエンジン回転数
検出センサ92からの検出信号を受け、車速及びエンジ
ン回転数を検出できる。これにより制御手段76は車両
がアイドル時かシェイク時かを判断できる。
【0032】次に、第1実施例の作用を説明する。防振
装置10をエンジンマウトとして備えた車両が例えば7
0〜80km/hで走行するとシェイク振動(15Hz未
満)が生じ得る。制御手段76は車速センサ90、エン
ジン回転数検出センサ92によりシェイク振動発生時か
否かを判断する。制御手段76がシェイク振動発生時で
あると判断すると、制御手段76は第1の3ポート2位
置切換弁68を切り換えて第1連結パイプ64側とイン
テークマニーホールド74側とを連通させ、第2の3ポ
ート2位置切換弁86を切り換えて、第2連結パイプ8
4側と大気連通パイプ88側とを連通させる。
【0033】これによって、第1空気室58内は負圧に
なって、図1に想像線で示すように、第1ダイヤフラム
54が環状部18の内周面に密着して第1副液室40は
拡縮不能となり、第2空気室78内は大気と同圧となっ
て、第2ダイヤフラム50が膨らんで環状部18の内周
面から離間して(図1の実線状態)、第2副液室38は
拡縮可能となる。
【0034】振動による受圧液室36の圧力上昇によっ
て、受圧液室36内の液体は、第1の制限通路42、第
1副液室40、第2の制限通路44を介して第2副液室
38との間を行き来する。液体が受圧液室36と第2副
液室38との間を流れる際の通過抵抗及び液柱共振によ
ってシェイク振動が吸収される。なお、シェイク振動時
には、第1副液室40の第1ダイヤフラム54が固定さ
れているため、受圧液室36と第2副液室38とを連通
する液体の流通経路は、振動による圧力変化によって容
積が変化しないため、受圧液室36を出入りする液体の
量と、第2副液室38を出入りする液体の量とは同一と
なり、液体の流通経路の容積が圧力によって変化して液
体の流通量が減少することに起因する減衰力の低下を起
こすことがなく、第1の制限通路42、第1副液室4
0、第2の制限通路44を通過する際の通過抵抗及び液
柱共振による振動吸収作用は最大限に発揮されてシェイ
ク振動が吸収される。
【0035】また、エンジンがアイドリング運転の場合
や車速が5km/h以下の場合にはアイドル振動(20〜
40Hz)が生じる。前記制御手段76は車速センサ9
0、エンジン回転数検出センサ92によりアイドル振動
発生時か否かを判断する。制御手段76がアイドル振動
発生時であると判断すると、制御手段76は第1の3ポ
ート2位置切換弁68を切り換えて第1連結パイプ64
側と大気連通パイプ72側とを連通させると共に、第2
の3ポート2位置切換弁86を切り換えて第2連結パイ
プ84側とインテークマニーホールド74側とを連通さ
せる。
【0036】これによって、第1空気室58内は大気と
同圧となって、第1ダイヤフラム54は環状部18の内
周面から離間して(図1の実線状態)弾性変形可能とな
り、第2空気室78は、第2ダイヤフラム50が環状部
18の内周面に密着して第2副液室38は拡縮不能とな
る。
【0037】振動による受圧液室36の圧力上昇によっ
て、受圧液室36内の液体は、第1の制限通路42を介
して第1副液室40との間を行き来する。液体が受圧液
室36と第1副液室40との間を流れる際の通過抵抗及
び液柱共振によってアイドル振動が吸収される。なお、
アイドル振動時には、第2ダイヤフラム50が固定され
て第2副液室38が拡縮不能とされているため、第1副
液室40と第2副液室38との間には、振動の圧力変化
による液体の流れは生じない。したがって、第1の制限
通路42内で液柱共振が効果的に起こり、液柱共振によ
る振動吸収作用は最大限に発揮されてアイドル振動が吸
収される。
【0038】〔第2実施例〕次に、本発明の第2実施例
を図4乃至図5にしたがって説明する。なお、第1実施
例と同一構成に関しては同一符号を付し、その説明を省
略する。
【0039】図4に示すように、第2実施例の防振装置
10では、切欠凹部30と外筒14とによって囲まれる
空間部32に、仕切板34の代わりに中間ブロック11
0が配設されている。
【0040】中間ブロック110には、第2ダイヤフラ
ム側に凹部110Aが形成されており、この凹部110
Aは外筒14によって囲まれて第2副液室38を構成し
ている。中間ブロツク110の図4矢印A方向とは反対
方向側には、周回り方向に沿って溝112が形成されて
いる。溝112は外筒14に囲まれて第2の制限通路4
4の一部を形成している。
【0041】また、中間ブロツク110の内部には、内
筒12の軸線と直交する方向が長手とされた第1の制限
通路114が設けられており、この第1の制限通路11
4は、一端が受圧液室36に連結され、他端が第2副液
室38に連結されている。
【0042】なお、第1の制限通路114は第2の制限
通路44よりも長手に直角な断面積が大きくされてい
る。また、中間筒22の図4矢印A方向側の凹部22A
は閉塞ゴム116で充填されている。なお、その他の構
成は第1実施例と同様である。
【0043】次に、第2実施例の作用を説明する。シェ
イク振動時には、制御手段76は第1の3ポート2位置
切換弁68を切り換えて第1連結パイプ64側と大気連
通パイプ72側とを連通させると共に、第2の3ポート
2位置切換弁86を切り換えて第2連結パイプ84側と
インテークマニーホールド74側とを連通させる。これ
によって、第1空気室58内は大気圧と同圧となって、
第1副液室40は拡縮可能となり、第2空気室78は、
第2ダイヤフラム50が環状部18の内周面に密着して
第2副液室38は拡縮不能となる。
【0044】本実施例では、振動による受圧液室36の
圧力上昇によって、受圧液室36内の液体は、第1の制
限通路114、第2副液室38、第2の制限通路44を
介して第1副液室40との間を行き来する。液体が受圧
液室36と第1副液室40との間を流れる際の通過抵抗
及び液柱共振によってシェイク振動が吸収される。
【0045】シェイク振動時には、第2副液室38の第
2ダイヤフラム50が固定されているため、受圧液室3
6と第1副液室40とを連通する液体の流通経路は、振
動による圧力変化によって容積が変化しない。このた
め、受圧液室36を出入りする液体の量と、第1副液室
40を出入りする液体の量とは同一となり、液体の流通
経路の容積が圧力によって変化して液体の流通量が減少
することに起因する減衰力の低下を起こすことがなく、
第1の制限通路114、第2副液室38、第2の制限通
路44を通過する際の通過抵抗及び液柱共振による振動
吸収作用は最大限に発揮されてシェイク振動が吸収され
る。
【0046】一方、アイドル振動時には、制御手段76
は第1の3ポート2位置切換弁68を切り換えて第1連
結パイプ64側とインテークマニーホールド74側とを
連通させ、第2の3ポート2位置切換弁86を切り換え
て、第2連結パイプ84側と大気連通パイプ88側とを
連通させる。これによって、第1ダイヤフラム54が環
状部18の内周面に密着して第1副液室40は拡縮不能
となり、第2空気室78内は大気と同圧となって、第2
副液室38は拡縮可能となる。
【0047】振動による受圧液室36の圧力上昇によっ
て、受圧液室36内の液体は、第1の制限通路114を
介して第1副液室40との間を行き来する。液体が受圧
液室36と第1副液室40との間を流れる際の通過抵抗
及び液柱共振によってアイドル振動が吸収される。アイ
ドル振動時には、第2ダイヤフラム50が固定されて第
2副液室38が拡縮不能とされているため、第1副液室
40と第2副液室38との間には、振動の圧力変化によ
る液体の流れは生じない。したがって、第1の制限通路
114内で液柱共振が効果的に起こり、液柱共振による
振動吸収作用が最大限に発揮されてアイドル振動が吸収
される。
【0048】〔第3実施例〕本発明に係る防振装置10
の第3実施例を図6乃至図7にしたがって説明する。
【0049】なお、第1実施例と同一構成に関しては同
一符号を付し、その説明は省略する。
【0050】図6に示すように、この防振装置10には
第1の取付部としての底板212が備えられており、こ
の底板212は中央下部に取付ボルト214が突出さ
れ、一例として図示しない自動車の車体へ固定される。
【0051】底板212の周囲は直角に屈曲された筒状
の立壁部212Aとなっており、この立壁部212Aの
上端部には直角に屈曲されたフランジ部212Bが連続
形成されている。
【0052】このフランジ部212Bには底板212と
固着される外筒216の下端部がかしめ固着されてい
る。前記フランジ部212Bと外筒216の下端部との
間には第2ダイヤフラム218の周縁部が挟持されてい
る。この第2ダイヤフラム218と前記底板212との
間は空気室220とされ、必要に応じて外部と連通され
る。
【0053】外筒216の上端部は内径がしだいに拡大
された拡開部216Bとなっており、弾性体222の外
周が加硫接着されている。この弾性体222の内周部に
は第2の取付け部としての支持台224の外周部224
Aが加硫接着されている。また、弾性体222の一部は
外筒216の筒状部216C及び下端部の一部まで延設
されて加硫接着されている。前記支持台224は図示し
ないエンジンの搭載部であり、エンジンを固定する取付
ボルト226が突出されている。
【0054】ここに外筒216の内周部、弾性体222
の下端部及び第2ダイヤフラム218とによって液室2
28が形成されている。この液室228内にはエチレン
グリコール等の液体229が充填されている。
【0055】液室228内にはオリフイス部材230が
配置されて液室228を受圧液室232と第2副液室2
34とに区画している。このオリフイス部材230は合
成樹脂等で断面形状略ハット状に形成されている。
【0056】オリフイス部材230には、外周から反対
側の外周へ向けて第1の制限通路242が形成されてお
り、この第1の制限通路242の一端は開口部242A
を介して受圧液室232へ連通している。
【0057】外筒216の筒状部216Cには、第1の
制限通路242のオリフイス部材230側他端に対向し
た位置にボス260が固着されている。このボス260
には、筒状部216Cとは反対側に凹部262が形成さ
れている。この凹部262は固定手段としての押さえ板
264によって閉塞されている。また、凹部262の開
口部には環状凹部266が形成されており、この環状凹
部266と押さえ板264との間には第1ダイヤフラム
268の周縁部が挟持されている。
【0058】第1ダイヤフラム268は、自由状態では
筒状部216Cへ向けて略半球状に突出されている。第
1ダイヤフラム268と凹部262との間は第1副液室
270とされており、この第1副液室270と前記第1
の制限通路242とは、弾性体222、外筒216及び
ボス260を貫通する貫通孔272を介して常に連通さ
れている。
【0059】また、第1ダイヤフラム268と押さえ板
264との間は第1空気室274とされている。この第
1空気室274はパイプ64を介して第1実施例と同様
に3ポート2位置切換弁68に連結されている。なお、
本実施例では、第2の3ポート2位置切換弁86は省か
れている。
【0060】図6及び図7に示すように、オリフイス部
材230の外周には、断面矩形状の細溝244が周回り
方向に沿って形成されている。細溝244の全長は、オ
リフイス部材230の外周寸法の約3/4に設定されて
いる。この細溝244は、外筒216側が前記弾性体2
22の延長部によって閉塞されて第2の制限通路252
を構成している。第2の制限通路252は長手方向一端
部が矩形状の開口部244Aを介して第2副液室234
と連通され、他端部が開口部244Bを介して第1の制
限通路242の第1副液室270側の他端部に連通され
ている。
【0061】次に第3実施例の作用を説明する。本実施
例の防振装置10は、底板212が取付ボルト214を
介して図示しない車体へと固着され、エンジンは支持台
224上へ搭載されて取付ボルト226で固定される。
【0062】シェイク振動時には、制御手段76は第1
の3ポート2位置切換弁68を切り換えて第1連結パイ
プ64側とインテークマニーホールド74側とを連通さ
せる。これによって、第1空気室274内は負圧なり、
図6に想像線で図示されるように、第1ダイヤフラム2
68が押さえ板264に密着して、第1副液室270は
拡縮不能となる。
【0063】本実施例では、振動による受圧液室232
の圧力上昇によって、受圧液室232内の液体は、第1
の制限通路242及び第2の制限通路252を介して第
2副液室234との間を行き来する。液体が受圧液室2
32と第2副液室234との間を流れる際の通過抵抗及
び液柱共振によってシェイク振動が吸収される。
【0064】シェイク振動時には、第1副液室270の
第2ダイヤフラム218が固定されて第1副液室270
が拡縮不能とされているため、受圧液室232と第2副
液室234とを連通する液体の流通経路は、振動による
圧力変化によって容積が変化しない。このため、受圧液
室232を出入りする液体の量と、第2副液室234を
出入りする液体の量とは同一となり、液体の流通経路の
容積が圧力によって変化して液体の流通量が減少するこ
とに起因する減衰力の低下を起こすことがなく、第1の
制限通路242及び第2の制限通路252を通過する際
の通過抵抗及び液柱共振による振動吸収作用は最大限に
発揮されてシェイク振動が吸収される。
【0065】一方、アイドル振動時には、制御手段76
は第1の3ポート2位置切換弁68を切り換えて第1連
結パイプ64側とインテークマニーホールド74側とを
連通させる。これによって、第1空気室274内は大気
と同圧となり、図6に実線で図示されるように、第1ダ
イヤフラム268が押さえ板264から離間して第1副
液室270は拡縮可能となる。
【0066】アイドル振動時には、第2の制限通路25
2が目詰まり状態となるが、振動による受圧液室232
の圧力上昇によって、受圧液室232内の液体は第1ダ
イヤフラム268を変形させて第1副液室40との間を
行き来し、第1の制限通路242内で液柱共振すること
よってアイドル振動が吸収される。
【0067】また、第1実施例及び第2実施例では、シ
ェイク振動及びアイドル振動を吸収するようにしたが、
本発明はこれに限らず、第1の制限通路及び第2の制限
通路の大きさ、第1ダイヤフラム及び第2ダイヤフラム
の剛性とを夫々チューニングすれば、シェイク振動(低
周波振動)とこもり音(高周波振動)とを吸収すること
もでき、アイドル振動(低周波振動)とこもり音(高周
波振動)とを吸収することも可能である。なお、ここで
いう、こもり音とは周波数80Hz 程度以上の振動のこ
とをいうが、必ずしも周波数は80Hz 程度には限定さ
れない。
【0068】また、前記各実施例では、固定手段として
エンジンのインテークマニホールドを用いる構成とした
が、本発明はこれに限らず、インテークマニホールドに
変えて吸引ポンプを別途設けて用いる構成としてもよ
い。
【0069】また、前記各実施例では、防振装置をエン
ジンのマウントとして用いた例を説明したが、本発明の
防振装置は、エンジンのマウント以外の、例えば、キャ
ブマウント、ボディーマウント等に用いてもよい。
【0070】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の防振装置
は上記構成としたので、制限通路に確実に液体を流通さ
せて、確実に減衰力を得ることができるという優れた効
果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係る防振装置を示す軸線
に直角な断面図である。
【図2】本発明の第1実施例に係る防振装置を示し、図
1の2−2線断図である。
【図3】本発明の第1実施例に係る防振装置を示す分解
斜視図である。
【図4】本発明の第2実施例に係る防振装置を示す軸線
に直角な断面図である。
【図5】本発明の第2実施例に係る防振装置を示す分解
斜視図である。
【図6】本発明の第3実施例に係る防振装置を示す軸線
に沿った断面図である。
【図7】本発明の第3実施例に係る防振装置を示し、図
6の7−7線断図である。
【符号の説明】
10 防振装置 12 内筒(第1の取付部材) 14 外筒(第1の取付部材) 18 環状部(固定手段) 24 弾性体 38 第2副液室 40 第1副液室 42 第1の制限通路 44 第2の制限通路 50 第2ダイヤフラム 54 第1ダイヤフラム 74 インテークマニホールド(固定手段) 114 第1の制限通路 212 底板(第1の取付部) 218 第2ダイヤフラム 222 弾性体 224 支持台(第2の取付け部) 232 受圧液室 242 第1の制限通路 264 押さえ板(固定手段) 268 第1ダイヤフラム

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 振動発生部及び振動受部の一方へ連結さ
    れる第1の取付部材と、振動発生部及び振動受部の他方
    へ連結される第2の取付部材と、前記第1の取付部材と
    前記第2の取付部材との間に設けられて振動発生時に変
    形する弾性体と、前記弾性体を少なくとも隔壁の一部と
    して拡縮可能な受圧液室と、前記受圧液室とは隔離され
    る複数の副液室と、前記副液室の隔壁の一部を構成する
    弾性変形可能なダイヤフラムと、前記ダイヤフラムの動
    きを固定する固定手段と、を備え、前記受圧液室を基点
    として前記複数の副液室を制限通路で順次直列に連結す
    ると共に、前記制限通路は前記受圧液室から遠い側の前
    記制限通路よりも前記受圧液室に近い側の前記制限通路
    がその断面積が大きくされていることを特徴とする防振
    装置。
JP33813791A 1991-12-20 1991-12-20 防振装置 Pending JPH05172181A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6010120A (en) * 1996-12-25 2000-01-04 Tokai Rubber Industries, Ltd. Fluid-filled vibration damping device having pneumatically oscillated members partially defining primary and auxiliary fluid chambers

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6010120A (en) * 1996-12-25 2000-01-04 Tokai Rubber Industries, Ltd. Fluid-filled vibration damping device having pneumatically oscillated members partially defining primary and auxiliary fluid chambers

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