JPH04277341A - 流体封入式マウント装置 - Google Patents

流体封入式マウント装置

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JPH04277341A
JPH04277341A JP6266191A JP6266191A JPH04277341A JP H04277341 A JPH04277341 A JP H04277341A JP 6266191 A JP6266191 A JP 6266191A JP 6266191 A JP6266191 A JP 6266191A JP H04277341 A JPH04277341 A JP H04277341A
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chamber
fluid
pressure receiving
receiving chamber
flexible membrane
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Akira Ide
井出 明良
Atsushi Muramatsu
篤 村松
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Sumitomo Riko Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は、内部に封入された流体の流動に
基づいて防振効果を得るようにした流体封入式マウント
装置に係り、特に防振特性の切換制御が可能で、広い周
波数域の入力振動に対して優れた防振効果を得ることの
できる流体封入式マウント装置に関するものである。
【0002】
【背景技術】従来から、自動車用エンジンマウント等の
防振支持体の一種として、互いに所定距離を隔てて配さ
れた第一の取付部材と第二の取付部材とを、それらの間
に介装されたゴム弾性体にて連結すると共に、それぞれ
内部に所定の非圧縮性流体が封入された、壁部の一部が
ゴム弾性体にて構成されて振動入力時に内圧変動が惹起
される受圧室と、壁部の一部が可撓性膜にて構成されて
容積変化が許容される平衡室とを形成し、更にそれら受
圧室と平衡室との間での流体の流動を許容するオリフィ
ス通路を設けてなる構造の、所謂流体封入式マウント装
置が知られている。このような流体封入式マウント装置
にあっては、オリフィス通路を通じて流動せしめられる
流体の共振作用に基づいて、ゴム弾性体のみでは得られ
ない、優れた防振効果が発揮され得るのである。
【0003】ところで、防振支持体において要求される
防振特性は、入力振動の種類によって異なり、例えば、
自動車用エンジンマウントにあっては、シェイクやバウ
ンス等に相当する低周波振動に対しては高減衰特性が要
求される一方、アイドリング振動等に相当する中周波振
動や、こもり音等に相当する高周波振動に対しては低動
ばね特性が要求されることとなる。
【0004】しかしながら、上述の如き構造とされた流
体封入式マウント装置にあっては、オリフィス通路内を
流動せしめられる流体の共振作用に基づいて発揮される
防振効果が、該オリフィス通路がチューニングされた限
られた周波数域の入力振動にしか有効には発揮され得な
いために、複数種の或いは広い周波数域の入力振動に対
して充分な防振効果を得ることが、極めて難しかったの
である。
【0005】そこで、従来から、低周波振動に対する高
減衰効果と中周波振動に対する低動ばね効果とを両立さ
せるために、実開昭58−29517号公報等に示され
ている如く、受圧室と平衡室との間に、シェイク等の低
周波振動に対して高減衰効果を発揮し得る第一のオリフ
ィス通路と、アイドリング振動等の中周波振動に対して
低動ばね効果を発揮し得る第二のオリフィス通路とを並
列的に設けると共に、それら二つのオリフィス通路を適
当な弁機構によって選択的に切り換えて用いるようにし
た構造のマウント装置が提案されている。
【0006】また、特開昭57−9340号公報等にお
いては、オリフィス通路を通じて流動せしめられる流体
による低周波振動乃至は中周波振動に対する防振効果を
確保しつつ、高周波小振幅振動に対する低動ばね効果を
得るために、受圧室と平衡室との間に、可動部材を所定
距離変位乃至は変形可能に配設せしめて、こもり音等の
高周波振動の入力時に、受圧室の内圧変動を吸収させる
ようにした構造のマウント装置が提案されている。
【0007】しかしながら、低周波振動に対する高減衰
効果と中周波振動に対する低動ばね効果とを実現するた
めに、前記実開昭58−29517号公報に記載されて
いる如く、二つのオリフィス通路を形成すると、マウン
ト内にオリフィス切換用の弁手段や、該弁手段を駆動す
るための付勢手段乃至は駆動手段等を配設しなければな
らず、マウントの著しい大型化と構造の複雑化、高コス
ト化が避けられないといった問題を有していたのであり
、また、高周波振動に対する低動ばね効果を実現するた
めに、前記特開昭57−9340号公報に記載されてい
る如く、液圧吸収機構を設けると、低周波振動や中周波
振動の入力時においても、かかる液圧吸収機構によって
受圧室内が減圧される分だけ、オリフィス通路を流動せ
しめられる流体量が減少するために、該オリフィス通路
によって発揮される低周波振動に対する減衰効果や中周
波振動に対する低動ばね効果が阻害されてしまうという
問題点を内在していたのである。
【0008】それ故、このような従来構造のマウント装
置にあっては、何れも、広い周波数域の入力振動に対し
て、充分に満足できる防振効果を発揮し得るものではな
かったのであり、未だ、改良の余地を有していたのであ
る。
【0009】
【解決課題】ここにおいて、本発明は、上述の如き事情
を背景として為されたものであって、その解決課題とす
るところは、マウント防振特性を切り換えることが可能
で、低周波振動に対する高減衰効果と、中周波数振動お
よび高周波振動に対する低動ばね効果とを、何れも有利
に得ることの出来る、コンパクトで且つ簡略な構造の流
体封入式マウント装置を提供することにある。
【0010】
【解決手段】そして、かかる課題を解決するために、本
発明の特徴とするところは、(a)振動入力方向に所定
距離を隔てて配置された第一の取付部材および第二の取
付部材と、(b)該第一の取付部材と該第二の取付部材
との間に介装されて、それら両部材を互いに連結するゴ
ム弾性体と、(c)該ゴム弾性体にて壁部の一部が構成
されて、振動入力時に内圧変動が惹起される、内部に所
定の非圧縮性流体が封入されてなる受圧室と、(d)弾
性仕切膜を挟んで、該受圧室とは反対側に形成されて、
該弾性仕切膜の変形を許容することにより、かかる受圧
室の内圧変動を吸収する第一の作用室と、(e)該第一
の作用室に対して負圧を及ぼしめて、前記弾性仕切膜の
変形を制御する第一の空気圧手段と、(f)前記受圧室
に対して独立して形成された、壁部の一部が第一の可撓
性膜にて構成されて、該第一の可撓性膜の変形に基づい
て容積変化が許容される、内部に所定の非圧縮性流体が
封入されてなる第一の平衡室と、(g)前記受圧室と該
第一の平衡室とを互いに連通せしめて、それら両室間で
の流体の流動を許容する第一のオリフィス通路と、(h
)前記第一の可撓性膜を挟んで、前記第一の平衡室とは
反対側に形成されて、該第一の可撓性膜の変形を許容す
る第二の作用室と、(i)該第二の作用室に対して負圧
を及ぼしめて、前記第一の可撓性膜の変形を制御する第
二の空気圧手段と、(j)前記受圧室および前記第一の
平衡室に対して独立して形成された、壁部の一部が第二
の可撓性膜にて構成されて、該第二の可撓性膜の変形に
基づいて容積変化が許容される、内部に所定の非圧縮性
流体が封入されてなる第二の平衡室と、(k)前記受圧
室と該第二の平衡室とを互いに連通せしめて、それら両
室間での流体の流動を許容する、前記第一のオリフィス
通路よりも断面積/長さの比が小さい第二のオリフィス
通路とを、有する流体封入式マウント装置にある。
【0011】
【実施例】以下、本発明を更に具体的に明らかにするた
めに、本発明の実施例について、図面を参照しつつ、詳
細に説明することとする。
【0012】先ず、図1には、本発明を自動車用エンジ
ンマウントに対して適用したものの一具体例が示されて
いる。かかる図において、10および12は、それぞれ
第一の取付金具および第二の取付金具であって、互いに
所定距離を隔てて対向配置されている。また、これら第
一の取付金具10と第二の取付金具12との間には、ゴ
ム弾性体14が介装されており、該ゴム弾性体14によ
って、それら両取付金具10,12が、互いに弾性的に
連結されている。そして、このようなエンジンマウント
にあっては、その第一の取付金具および第二の取付金具
において、車体側およびパワーユニット側の各一方に取
り付けられて、それら車体とパワユーニットとの間に介
装されることとなり、それによって該パワーユニットを
車体に対して防振支持せしめるようになっている。なお
、そのような装着状態下、かかるエンジンマウントにあ
っては、第一及び第二の取付金具10,12の略対向方
向(図中、略上下方向)にパワーユニット重量が及ぼさ
れ、ゴム弾性体14が弾性変形せしめられることによっ
て、それら両取付金具10,12が、互いに所定寸法だ
け接近して位置せしめられることとなると共に、主とし
て、それら第一及び第二の取付金具10,12の略対向
方向に入力される振動に対して防振効果が発揮されるこ
ととなる。
【0013】より詳細には、前記第一の取付金具10は
、略ロッド形状にて形成されており、その軸方向一方の
側が漸次小径化されたテーパ状外周面16をもって形成
されている一方、軸方向他方の側には軸方向端面に開口
する装着用ねじ穴18が設けられている。また、該第一
の取付金具10の軸方向中央部分には、軸直角方向外方
に突出するストッパ部20が一体的に形成されている。
【0014】さらに、この第一の取付金具10の径方向
外側には、薄肉円筒形状の金属スリーブ22が、テーパ
状外周面16が設けられた軸方向側に偏倚して、所定距
離を隔てて配されている。そして、これら第一の取付金
具10と金属スリーブ22との間に、前記ゴム弾性体1
4が介装されており、該ゴム弾性体14によって、第一
の取付金具10と金属スリーブ22とが一体的に連結さ
れている。
【0015】かかるゴム弾性体14は、全体として略円
錐台形状を呈していると共に、大径側端面には、凹所2
3が形成されている。そして、該ゴム弾性体14の小径
側端部に対して、第一の取付金具10が軸方向に所定寸
法入り込んで加硫接着されている一方、その大径側端部
の外周面に対して、金属スリーブ22が加硫接着されて
いるのである。なお、前記ストッパ部20上には、緩衝
ゴム層24が、ゴム弾性体14と一体的に形成されてい
る。
【0016】一方、第二の取付金具12は、それぞれ略
同一の外径を有する円形外周面をもって形成された、連
結金具26,上金具28,中金具30,下金具32およ
び底金具34が、互いに同軸的に重ね合わされて、図示
しないボルト等によって一体的に連結されることによっ
て構成されている。
【0017】そこにおいて、かかる連結金具26は、厚
肉円筒形状を呈していると共に、その軸方向一方の開口
周縁部には、径方向内方に突出する内フランジ部36が
設けられている。そして、この連結金具26にあっては
、前記ゴム弾性体14に固着された金属スリーブ22に
外嵌固定されており、更に、その内フランジ部36が設
けられていない側の軸方向端部に対して、径方向内方に
突出する押えリング38が固着されて、かかる金属スリ
ーブ22を、内フランジ部36と押えリング38との間
で軸方向に挟圧保持せしめている。即ち、このようにし
て連結金具26が金属スリーブ22に固定されることに
より、第一の取付金具10と第二の取付金具12とが、
ゴム弾性体14を介して、互いに弾性的に連結されてい
るのである。
【0018】また、前記上金具28は、全体として略厚
肉円板形状を呈しており、連結金具26に対して流体密
に重ね合わされて、一体的に連結されている。そして、
この上金具28により、ゴム弾性体14に設けられた凹
所23の開口が流体密に覆蓋されており、以て、これら
ゴム弾性体14と上金具28との間に、受圧室40が形
成されている。即ち、かかる受圧室40にあっては、そ
の内部に所定の非圧縮性流体が封入されており、その壁
部の一部がゴム弾性体14にて構成されていることによ
って、振動入力時、該ゴム弾性体14の変形に基づいて
、内圧変動が惹起されるようになっているのである。 なお、受圧室40内に封入する非圧縮性流体としては、
例えば、水やアルキレングリコール、ポリアルキレング
リコール、シリコーン油等が好適に用いられることとな
る。
【0019】更にまた、上金具28には、その略中央部
分において、受圧室40側に開口する凹所42が形成さ
れていると共に、該凹所42の開口部位に対して、弾性
仕切膜としてのゴム弾性膜44が配されている。なお、
かかるゴム弾性膜44は、その外周縁部に加硫接着され
た略円環板状の取付板50が、連結金具26と上金具2
8との間で挟持されることにより、凹所42の開口を流
体密を閉塞するようにして配されている。そして、該ゴ
ム弾性膜44によって凹所42の開口が閉塞されること
により、第一の作用室46が形成されている。即ち、か
かる第一の作用室46にあっては、ゴム弾性膜44によ
って受圧室40と仕切られており、該ゴム弾性膜44の
変形を許容することによって、受圧室40の内圧変動を
吸収し、以て該受圧室40の内圧上昇に伴うマウント高
動ばね化を防止するようになっているのである。また、
この第一の作用室46は、上金具28を半径方向に貫通
して形成された連通孔48を通じて、外部に連通されて
いる。
【0020】さらに、前記中金具30は、全体として略
厚肉円板形状を呈しており、上金具28に対して流体密
に重ね合わされて、一体的に連結されている。また、こ
の中金具30には、その略中央部分において、上金具2
8側に開口する凹所52が形成されていると共に、該凹
所52の中央部分が更に深底化されて、そこに略逆カッ
プ状を呈する隔壁金具54が嵌め込まれて配されており
、該隔壁金具54の周壁部によって、凹所52が、中央
部分と外周部分とに仕切られている。
【0021】また、かかる凹所52の中央部分には、薄
肉円板状のゴム膜から成る第一の可撓性膜としての第一
のダイヤフラム56が、その外周縁部を、凹所52の底
面と隔壁金具54の開口側端面との間で挟持されること
によって、隔壁金具54の開口部を覆蓋するようにして
配されている。そして、この第一のダイヤフラム56に
よって凹所52の中央部分が仕切られることにより、隔
壁金具54の内部に第一の平衡室58が形成されている
一方、第一のダイヤフラム56を挟んで該第一の平衡室
58と反対側に位置する、凹所52の底部側に、第二の
作用室60が形成されている。即ち、かかる第一の平衡
室58にあっては、その内部に所定の非圧縮性流体が封
入されていると共に、第一のダイヤフラム56にて壁部
の一部が構成されており、該第一のダイヤフラム56の
変形が、第二の作用室によって許容されることに基づい
て、その容積変化が容易に生ぜしめられ得るようになっ
ているのである。また、この第二の作用室60は、中金
具30を半径方向に貫通して形成された連通孔68を通
じて、外部に連通されている。
【0022】また一方、凹所52の外周部分は、環状の
通路を構成しており、その周上の一箇所において、前記
上金具28を軸方向に貫通して設けられた通孔62を通
じて、受圧室40に連通されている一方、異なる周上の
一箇所において、隔壁金具54の筒壁部を貫通して設け
られた通孔64を通じて、第一の平衡室58に連通され
ている。それによって、かかる凹所52の外周部分によ
り、受圧室40と第一の平衡室58とを互いに連通せし
めて、それら両室40,58間での流体の流動を許容す
る第一のオリフィス通路66が構成されているのである
【0023】さらに、前記下金具32は、全体として略
厚肉円筒形状を呈しており、中金具30に対して流体密
に重ね合わされて、一体的に連結されている。また、こ
の下金具32の内孔72内には、略逆カップ状を呈する
オリフィス金具74が挿入配置されていると共に、かか
る下金具32における、オリフィス金具74が開口する
側の面には、略浅底の有底円筒形状を呈する底金具34
が、流体密に重ね合わされて、一体的に連結されている
。そして、かかる底金具34によって、オリフィス金具
74の開口が流体密に閉塞されて、それらオリフィス金
具74と底金具34との間に空所が形成されている。 また、かかる空所内には、薄肉円板状のゴム膜から成る
第二の可撓性膜としての第二のダイヤフラム70が、そ
の外周縁部を、下金具32と底金具34との間で挟持さ
れることによって、オリフィス金具74の開口を覆蓋す
るようにして配設されている。
【0024】そして、この第二のダイヤフラム70によ
って、前記空所が、オリフィス金具74側と底金具34
側とに流体密に仕切られることにより、該オリフィス金
具74の内部に第二の平衡室76が形成されている一方
、底金具34側には、かかる第二のダイヤフラム70の
変形を許容する空気室78が形成されている。即ち、か
かる第二の平衡室76にあっては、その内部に所定の非
圧縮性流体が封入されていると共に、第二のダイヤフラ
ム70にて壁部の一部が構成されており、該第二のダイ
ヤフラム70の変形が、空気室78によって許容される
ことに基づいて、その容積変化が容易に生ぜしめられ得
るようになっているのである。
【0025】また、上記第二の平衡室76を画成するオ
リフィス金具74の筒壁部には、外周面を螺旋状形態を
もって延びる凹溝80が形成されており、下金具32の
内孔72内に挿入配置されることにより、その開口が下
金具32にて覆蓋されていると共に、該凹溝80の一端
側が、中金具30を軸方向に貫通して設けられた通孔8
2を通じて、第一のオリフィス通路66および通孔62
を経て、受圧室40に連通されている一方、その他端側
が、オリフィス金具74の筒壁部を貫通して設けられた
通孔84を通じて、第二の平衡室76に連通されている
。それによって、かかる凹溝80により、受圧室40と
第二の平衡室76とを互いに連通せしめて、それら両室
40,76間での流体の流動を許容する第二のオリフィ
ス通路86が構成されているのである。
【0026】ここにおいて、かかる第二のオリフィス通
路86にあっては、図からも明らかなように、前記第一
のオリフィス通路66よりも小さな断面積と長い流路長
さをもって形成されて、断面積/長さの比が小さく設定
されており、それによって、該第二のオリフィス通路8
6内を流動せしめられる流体の共振周波数が、第一のオ
リフィス通路66内を流動せしめられる流体の共振周波
数よりも低くなるようにチューニングされている。なお
、特に、本実施例では、第一のオリフィス通路66を通
じて流動せしめられる流体の共振作用によって、アイド
リング振動等に相当する中周波振動に対する低動ばね効
果が、また第二のオリフィス通路86を通じて流動せし
められる流体の共振作用によって、シェイクやバウンス
等に相当する低周波振動に対する高減衰効果が、それぞ
れ発揮され得るようにチューニングされている。
【0027】さらに、上述の如く構成されたマウントに
あっては、その装着状態下、第一の作用室46に連通さ
れた連通孔48および第二の作用室60に連通された連
通孔68に対して、それぞれ、空気管路が接続され、第
一の作用室46が第一の切換バルブ88を介して、第二
の作用室60が第二の切換バルブ90を介して、それぞ
れ、負圧源92と大気中とに択一的に連通せしめられる
。なお、本実施例の如きエンジンマウントにおいては、
負圧源92として、一般に、内燃機関のインテーク側に
生ぜしめられる負圧が、有利に用いられることとなる。
【0028】そうして、かかるエンジンマウントにおい
ては、それら第一の作用室46および第二の作用室60
に対する大気乃至は負圧源92の接続を、第一の切換バ
ルブ88および第二の切換バルブ90の操作にて切り換
えることによって、マウント防振特性が切り換えられ得
るのであり、それによってシェイク等の低周波振動に対
する高減衰効果と、アイドリング振動等の中周波振動に
対する低動ばね効果、更にこもり音等の高周波小振幅振
動に対する低動ばね効果が、何れも、選択的に且つ有効
に発揮され得ることとなるのである。
【0029】より具体的には、シェイクやバウンス等の
低周波数域の振動入力が問題となる車両の定常走行時に
は、第一の作用室46および第二の作用室60を、何れ
も、負圧源92に連通するように、第一の切換バルブ8
8および第二の切換バルブ90が切り換えられることと
なる。すなわち、それによって、ゴム弾性膜44が第一
の作用室46側に吸引されて自由な変形が阻止されるこ
とにより、その液圧吸収機能が阻害されて、実質的に剛
性壁として機能せしめられると共に、第一のダイヤフラ
ム56が第二の作用室60側に吸引されて自由な変形が
阻止されることにより、第一の平衡室58の容積変化が
阻止されて、該第一の平衡室58と受圧室40との間で
の第一のオリフィス通路66を通じての流体の流動が防
止されることとなる。そして、その結果、受圧室40内
に惹起される内圧変動によって、該受圧室40と第二の
平衡室76との間での、第二のオリフィス通路86を通
じての流体の流動が、極めて有効に惹起され得ることと
なり、以て、該第二のオリフィス通路86を通じて流動
せしめられる流体の共振作用に基づいて、優れた振動減
衰効果が発揮され得るのである。
【0030】また、アイドリング振動等の中周波数域の
振動入力が問題となる車両の停車時には、第一の作用室
46を負圧源92に連通する一方、第二の作用室60を
大気中に連通するように、第一の切換バルブ88および
第二の切換バルブ90が切り換えられることとなる。す
なわち、それによって、ゴム弾性膜44が第一の作用室
46側に吸引されて自由な変形が阻止されることにより
、その液圧吸収機能が阻害されて、実質的に剛性壁とし
て機能せしめられる一方、第一のダイヤフラム56の背
後には、第二の作用室60が所定容積をもって現出され
ることにより、該第一のダイヤフラム56の変形に基い
て第一の平衡室58の容積変化が許容され得ることとな
る。そして、その結果、受圧室40内に惹起される内圧
変動によって、該受圧室40と第一の平衡室58との間
での、第一のオリフィス通路66を通じての流体の流動
が、極めて有効に惹起され得ることとなり、以て、該第
一のオリフィス通路66を通じて流動せしめられる流体
の共振作用に基づいて、優れた動ばね低減効果が発揮さ
れ得るのである。
【0031】なお、かかる状態下、第二のオリフィス通
路86も連通状態に維持されることとなるが、この第二
のオリフィス通路86は、第一のオリフィス通路66よ
りも、流体の流動抵抗が大きいために、受圧室40と第
二の平衡室76との間での流体の流動は惹起され難く、
実質上、上記第一のオリフィス通路66を通じての受圧
室40と第一の平衡室58との間での流体の流動のみが
有効に生ぜしめられることとなる。
【0032】更にまた、こもり音等に相当する高周波小
振幅振動の入力が問題となる車両の加速時や高速走行時
には、第一の作用室46を大気中に連通するように、第
一の切換バルブ88が切り換えられることとなる。すな
わち、それによってゴム弾性膜44の背後に、第一の作
用室46が所定容積をもって現出されることにより、該
ゴム弾性膜44の変形が許容されることとなる。そして
、その結果、高周波小振幅振動の入力によって受圧室4
0内に惹起される内圧変動が、かかるゴム弾性膜44の
弾性変形によって有利に吸収されて軽減乃至は防止され
ることとなり、以て、該ゴム弾性膜44による液圧吸収
機能に基づいて、マウント動ばねの上昇が極めて有効に
回避され得て、低動ばね特性が発揮され得るのである。
【0033】なお、高周波小振幅振動の入力時には、受
圧室40内に惹起される内圧変化が小さく、ゴム弾性膜
44による液圧吸収作用と相俟って、第一及び第二のオ
リフィス通路66,86を通じて流動せしめられる流体
量が、前述の如き共振効果を発揮し得る程には確保され
得ないことから、第二の作用室60が大気中および負圧
源92に何れに接続されていても、防振上、特に問題と
なることはない。
【0034】従って、かかるエンジンマウントにあって
は、第一及び第二の切換バルブ88,90を切換制御す
ることによって、その防振特性を切り換えることが可能
であり、例えば、車両の停車状態下では、第一の作用室
46を負圧源92に、第二の作用室60を大気中に、そ
れぞれ連通せしめる一方、車両の定常走行状態下では、
第一及び第二の作用室46,60を、ともに負圧源92
に連通せしめ、更に車両の加速時や高速走行状態下では
、第一の作用室46を大気中に連通せしめることにより
、車両停車時に入力されるアイドリング振動に対する低
動ばね特性を第一のオリフィス通路66の作用によって
、また定常走行時に入力されるシェイクやバウンスに対
する高減衰特性を第二のオリフィス通路86の作用によ
って、それぞれ有利に得ることができると共に、加速時
や高速走行時に入力されるこもり音に対する低動ばね特
性をゴム弾性膜44の液圧吸収作用によって得ることが
でき、それによって、車両の乗り心地が、飛躍的に向上
せしめられることとなるのである。
【0035】また、上述の如き構造とされたエンジンマ
ウントにあっては、第一及び第二のオリフィス通路66
,86およびゴム弾性膜44の作用の切換えが、第一及
び第二の作用室46,60に対する負圧の作用によって
為されることから、マウント本体内に切換弁やそれを駆
動するアクチュエータ等を一切設ける必要がないのであ
り、それ故、上述の如き優れた防振特性が、極めて簡略
で且つコンパクトなマウント構造をもって実現され得る
といった、工業上の大きな利点を有しているのである。
【0036】さらに、かかるエンジンマウントにあって
は、第一の作用室46に対して負圧を及ぼすことにより
、ゴム弾性膜44の変形が阻止されるようになっている
ことから、第一及び第二のオリフィス通路66,86に
よる防振効果が要求される場合に、かかるゴム弾性膜4
4に起因する、それらオリフィス通路66,86を通じ
て流動せしめられる流体量の減少が可及的に防止され得
ることとなり、以てそれら第一及び第二のオリフィス通
路66,86による所期の防振効果が、有効に且つ安定
して発揮され得るのである。
【0037】以上、本発明の実施例について詳述してき
たが、これは文字通りの例示であって、本発明は、かか
る具体例にのみ限定して解釈されるものではない。
【0038】例えば、第一のオリフィス通路および第二
のオリフィス通路の具体的構造および形態は、マウント
装置に要求される防振特性等に応じて、適宜決定される
ものであって、例示の如き具体例に限定されるものでは
決してない。
【0039】また、それら第一のオリフィス通路および
第二のオリフィス通路を、互いに完全に独立して、並列
的に形成することも可能であり、或いは、第一のオリフ
ィス通路と第二のオリフィス通路とを、直列的な接続形
態をもって形成するようにしても良い。
【0040】更にまた、第一の作用室や第一の平衡室、
第二の平衡室の形成位置や、具体的構造も、何等限定さ
れるものではなく、例えば、それらのうちの一つ以上を
、第一の取付金具側に形成することも可能である。
【0041】さらに、第二の平衡室の容積変化を許容す
る第二の可撓性膜に対しても、その背後に負圧を及ぼさ
れる作用室を形成すること等によって、その変形を制御
する手段を設けることも可能であり、第一のオリフィス
通路による防振効果が要求される場合に、かかる第二の
可撓性膜の変形を阻止せしめることにより、該第一のオ
リフィス通路による防振効果が、より一層有効に発揮さ
れ得ることとなる。
【0042】加えて、前記実施例では、本発明を自動車
用エンジンマウントに対して適用したものの一具体例を
示したが、本発明は、その他、自動車用ボデーマウント
やデフマウント、或いは自動車以外の各種装置に用いら
れるマウント装置等に対して、何れも、有効に適用され
得ることは、勿論である。
【0043】その他、一々列挙はしないが、本発明は、
当業者の知識に基づいて、種々なる変更、修正、改良等
を加えた態様において実施され得るものであり、また、
そのような実施態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限り
、何れも、本発明の範囲内に含まれるものであることは
言うまでもないところである。
【0044】
【発明の効果】上述の説明から明らかなように、本発明
に従う流体封入式マウント装置においては、第一の作用
室および第二の作用室に対する負圧力の作用を切換制御
することによって、マウント防振特性を切り換えること
ができるのであり、それによって、第一のオリフィス通
路を流動せしめられる流体の共振作用に基づいて発揮さ
れる中周波振動に対する低動ばね効果と、第二のオリフ
ィス通路を流動せしめられる流体の共振作用に基づいて
発揮される低周波振動に対する高減衰効果、更に弾性仕
切膜の液圧吸収作用に基づいて発揮される高周波振動に
対する低動ばね効果を、何れも有効に得ることができる
のである。
【0045】しかも、本発明に係るマウント装置にあっ
ては、マウント防振特性の切換えが、第一及び第二の作
用室に対する負圧の作用によって為されることから、マ
ウント本体内にオリフィス切換弁やそれを駆動するアク
チュエータ等を設ける必要がないのであり、それ故、上
述の如き優れた防振特性が、極めて簡略で且つコンパク
トなマウント構造をもって実現され得るといった、大き
な利点をも有しているのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例としての自動車用エンジンマ
ウントを示す縦断面図である。
【符号の説明】
10:第一の取付金具            12:
第二の取付金具 14:ゴム弾性体                2
6:連結金具28:上金具             
       30:中金具32:下金具      
              34:底金具40:受圧
室                    44:ゴ
ム弾性膜(弾性仕切膜) 46:第一の作用室 56:第一のダイヤフラム(第一の可撓性膜)58:第
一の平衡室              60:第二の
作用室66:第一のオリフィス通路 70:第二のダイヤフラム(第二の可撓性膜)76:第
二の平衡室              86:第二の
オリフィス通路 88:第一の切換バルブ          90:第
二の切換バルブ 92:負圧源

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  振動入力方向に所定距離を隔てて配置
    された第一の取付部材および第二の取付部材と、該第一
    の取付部材と該第二の取付部材との間に介装されて、そ
    れら両部材を互いに連結するゴム弾性体と、該ゴム弾性
    体にて壁部の一部が構成されて、振動入力時に内圧変動
    が惹起される、内部に所定の非圧縮性流体が封入されて
    なる受圧室と、弾性仕切膜を挟んで、該受圧室とは反対
    側に形成されて、該弾性仕切膜の変形を許容することに
    より、かかる受圧室の内圧変動を吸収する第一の作用室
    と、該第一の作用室に対して負圧を及ぼしめて、前記弾
    性仕切膜の変形を制御する第一の空気圧手段と、前記受
    圧室に対して独立して形成された、壁部の一部が第一の
    可撓性膜にて構成されて、該第一の可撓性膜の変形に基
    づいて容積変化が許容される、内部に所定の非圧縮性流
    体が封入されてなる第一の平衡室と、前記受圧室と該第
    一の平衡室とを互いに連通せしめて、それら両室間での
    流体の流動を許容する第一のオリフィス通路と、前記第
    一の可撓性膜を挟んで、前記第一の平衡室とは反対側に
    形成されて、該第一の可撓性膜の変形を許容する第二の
    作用室と、該第二の作用室に対して負圧を及ぼしめて、
    前記第一の可撓性膜の変形を制御する第二の空気圧手段
    と、前記受圧室および前記第一の平衡室に対して独立し
    て形成された、壁部の一部が第二の可撓性膜にて構成さ
    れて、該第二の可撓性膜の変形に基づいて容積変化が許
    容される、内部に所定の非圧縮性流体が封入されてなる
    第二の平衡室と、前記受圧室と該第二の平衡室とを互い
    に連通せしめて、それら両室間での流体の流動を許容す
    る、前記第一のオリフィス通路よりも断面積/長さの比
    が小さい第二のオリフィス通路とを、有することを特徴
    とする流体封入式マウント装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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