JPH0559191U - 炉壁用パネル - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 炉壁の部分補修を簡便にし、かつ、支持部の
熱歪の発生を防止すること。 【構成】 炉壁用パネル１０は、複数の取付け穴１１を
有する所定寸法の鉄板１と、穴１１に遊嵌された支持ブ
ラケット２と、支持ブラケット２の内側頭部２１を所定
の間隙を設けて覆う鉄製保護カバー３と、鉄板１の内側
およびカバー３の外側を覆う所定厚みの不定形耐火物４
とからなる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、加熱炉、熱処理炉等の中温域（約１０００℃以下）で作動される炉 に使用される炉壁用パネルに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来から、加熱炉、熱処理炉等の中温域で作動される炉においては種々の炉壁 がある。

【０００３】 例えば、特開昭５１−６１５１４号公報では、キャスタブル等の耐火物で内表 面を形成した側壁パネルおよび天井パネルを開示している。パネル間にセラミッ クファイバ等の耐火シール材を充填しながらバックステ等の支持部材とともに炉 壁を組み立てている。

【０００４】 これは、側壁、天井等をそれぞれ一体的なパネルとしているので、組立ては容 易であるが、部分補修時にはパネル１枚分だけの交換は困難である。

【０００５】 一方、実公平３−３９２０８号公報には、パネル間に耐熱性のシール材を充填 する構造を開示している。このパネルにおいても、パネル１枚分だけの交換は困 難である。

【０００６】 さらに、上述した各パネルは、１ブロックの重量が大きく、また、熱膨張によ るパネル支持部に無理な歪が生じる。

【０００７】

【考案が解決しようとする課題】

本考案は、炉壁の部分補修を簡便にし、かつ、支持部の熱歪の発生を防止した 炉壁用パネルを得ることを課題としている。

【０００８】

【課題を解決するための手段】

本考案の炉壁用パネルは、複数の取付け穴を有する所定寸法の鉄板と、該穴に 遊嵌された支持ブラケットと、該支持ブラケットの内側頭部を所定の感隙を設け て覆う鉄製保護カバーと、前記鉄板の内側および前記カバーの外側を覆う所定厚 みの不定形耐火物とからなる手段によって、上記課題を解決している。

【０００９】

【実施例】

図１から図３までを参照して、本考案の炉壁用パネル１０の実施例について説 明する。

【００１０】 図３に最もよく示すように、本考案の炉壁用パネル１０は、複数の取付穴１１ を有する所定寸法の鉄板１と、これら穴１１に遊嵌された支持ブラケット２と、 この支持ブラケットの内側頭部を所定の間隙を設けて覆う鉄製保護カバー３と、 鉄板１の内側およびカバー３の外側を覆う所定厚みの不定形耐火物４とからなる 。

【００１１】 次に、図１を参照して、本考案の炉壁用パネル１０の製造工程の一例を説明す る。

【００１２】 （Ａ）図に示すように、まず所定寸法（例えば、縦１９００ｍｍ×横８００ｍ ｍ×厚み６ｍｍ）の鉄板１を準備する。この鉄板１の四隅には適当な大きさの取 付け穴１１が明けられている。

【００１３】 次に、支持ブラケット２を準備する。支持ブラケット２は、円板状の頭部２１ と、軸部２２と、取付け座部２３とからできている。頭部２１と軸部２２とは一 体に成形されているが、取付け座部２３は当初は分離されている。座部２３の四 隅には適当な大きさの取付け穴２３１が明けられている。支持ブラケツト２は全 体として鉄材からつくられることが好ましい。

【００１４】 鉄板１の内面側から支持ブラケット２の軸部２２を穴１１に通し、軸部２２の 端面に座部２３を溶接止めする。軸部２２と穴１１とは遊嵌状態にあることが好 ましい。

【００１５】 次に、（Ｂ）図に示すように、鉄製の保護カバー３を鉄板１の内面側から支持 ブラケット２の頭部２１上に被せる。保護カバー３の内面と頭部２１との間には 適当な空隙が生じることが好ましい。保護カバー３は鉄板１の内面に溶接等によ り仮り止めされる。

【００１６】 続いて、（Ｂ）図に示すように、鉄板１の内面側の四辺に適当な寸法のアング ル材からなる型枠５を溶接等によって固定する。そして、Ｙスタッド６を鉄板１ 、保護カバー３、型枠５の適当箇所に溶接等により固定する。

【００１７】 最後に、（Ｃ）図に示すように、鉄板１の内面側にキャスタブル等の耐火物４ を所定の厚み（例えば、１５０ｍｍ）に堆積して硬化する。 このようにして成形された炉壁用パネル１０の縦断面図が図３に示されている 。

【００１８】 本考案の壁炉用パネル１０を実際の加熱炉７に適用した例を図２に示す。各パ ネル１０は、加熱炉７のフレーム７１に支持ブラケット２の取付け座部２３をか いしてボルト止めされる。各パネルを装着するさいには、パネルの周囲にメジ材 ８を巻き付けて順次嵌め込むことが好ましい。パネル間の内外間隙にはランマ材 等の不定形耐火物を押し込み、さらにその外側にシールテープまたはシール薄鉄 板等９を貼り付けることが好ましい。

【００１９】 加熱炉７は、停機時と運転時とでは温度差による熱膨張、収縮による変形が発 生する。しかし、各パネル間のメジ材が膨張代となるとともに、全体的な変形は 支持ブラケット２と鉄板１との遊嵌によって吸収される。

【００２０】

【考案の効果】

本考案によれば、パネルの規格化により築炉工数の短縮および築炉技能の標準 化を図ることができ、部分補修を簡便にし、熱歪の発生を防止できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の炉壁用パネルの製造工程を示す説明図
である。

【図２】本考案の炉壁用パネルの装着例を示す部分断面
図である。

【図３】本考案の炉壁用パネルの縦断面図である。

【符号の説明】

１：鉄板、 ２：支持ブラケット、３：
保護カバー、 ４：不定形耐火物、５：型枠、
６：Ｙスタッド、７：加熱炉、
１０：炉壁用パネル、１１：取付け穴。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 複数の取付け穴を有する所定寸法の鉄板
   と、該穴に遊嵌された支持ブラケットと、該支持ブラケ
   ットの内側頭部を所定の間隙を設けて覆う鉄製保護カバ
   ーと、前記鉄板の内側および前記カバーの外側を覆う所
   定厚みの不定形耐火物とからなる炉壁用パネル。