JPS6220437Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、鋼スラブを加熱あるいは保温するた
めの加熱炉の装入口及び抽出口上部に設けられる
天井梁の改良に関するものである。

従来一般の加熱炉の装入口及び抽出口部は、第
１図に示すように天井梁１が図示しないポストに
支えられつつ炉天井２等の重量を受けている。そ
して装入口３及び抽出口（図示省略）には炉内と
外気を遮断するべくドアー４が昇降可能に設けら
れる。図中５，６は内張耐火物、７はドア昇降用
ワイヤー例を示し、９は炉床部、１０はワイヤー
取付け口である。

このような構造となつているので、可動部材で
あるドアー４と炉体との取合わせ部１１には不可
避的に隙間が形成されて熱風の洩れがあり、更に
ドア開閉時の熱風の吹き出しによつて上部に配置
した天井梁１を例えば図面上で右半分というよう
に局部的偏加熱する。

天井梁１が偏加熱されると高温部は伸びるので
梁全体がたわむし、熱応力により亀裂が生じ操業
の中断にも至る。

この対策として従来天井梁として中空梁の内部
に冷却水を通す例も知られているが、コスト高で
あるとともに保守上も面倒がある。

本考案は如上に鑑みなされたもので、加熱炉の
装入部及び抽出部においては炉内の熱風の洩れは
不可避的であるとの認識のもとに、いかにしたら
コスト安で保守上も面倒のない対策をとれるかに
ついて検討を行つた結果、要するに天井梁の偏加
熱を予防しさえすればよいことに想到したもので
ある。

即ち、本考案は炉の装入口及び抽出口上部に設
けた天井梁の上面及び両側面を保温材で覆つてな
る加熱炉の天井梁である。

以下第２図とともに本考案を詳細に説明する。

図面は本考案の一実施態様例を示すものであ
る。図面に示すように、天井梁１の上面及び側面
に保温材１２（カオウール（商品名）等）を当て
がい天井梁のほとんどが直接熱風にさらされない
ように覆うのである。

このようにすると最も熱風にさらされる側面Ａ
及び上面Ｂの一部（図面で右側）は高温の熱風
（約1100℃）に直接さらされることを防止できる
ので、高温にならない。

しかし、側面Ａの反対側面Ｃと較べると以然と
して温度差がのこる。この残つた温度差による温
度勾配は前述したように好ましくないので、本実
施態様では側面Ｃにも保温材１２を当てがい側面
ＡとＣ間の温度勾配がなくなるように均熱化を計
つたものである。このようにすると梁下天井部８
からの熱伝導に起因する温度勾配についても均熱
化が計れる。

このように、Ａ，Ｂ，Ｃ面を保温材で覆うこと
により天井梁１は常に全体が均熱化されるので温
度勾配による梁のたわみ及び熱応力による亀裂の
発生を有効に回避できる。

保温材の取付け方としては、種々公知の手法を
適用できるが、予め孔あき鉄板等を溶接したのち
に保温材を接着材などにより張り付けることがで
きる。

また、本例に示した以外の各種断面の梁材に本
考案が適用可能であることは自明である。

以上のように本考案においては、従来の常套手
段である水冷却方式によらず保温材で覆う手段に
より加熱炉の天井梁を構成したので、保守が容易
であるとともにコスト的にも安価であり実用性が
高い。

【図面の簡単な説明】

第１図は、従来一般の天井梁を有する加熱炉装
入部を示す断面図、第２図は、本考案実施例の天
井梁を有する加熱炉装入部を示す断面図である。 １……天井梁、２……天井、３……装入口、１
２……保温材、Ａ，Ｃ……天井梁の側面、Ｂ……
天井梁の上面。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 炉の装入口及び抽出口上部に設けた天井梁の上
   面及び両側面を保温材で覆つてなる加熱炉の天井
   梁。