JPH0554681B2 - - Google Patents
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- JPH0554681B2 JPH0554681B2 JP60279913A JP27991385A JPH0554681B2 JP H0554681 B2 JPH0554681 B2 JP H0554681B2 JP 60279913 A JP60279913 A JP 60279913A JP 27991385 A JP27991385 A JP 27991385A JP H0554681 B2 JPH0554681 B2 JP H0554681B2
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Landscapes
- Thermistors And Varistors (AREA)
Description
産業上の利用分野
本発明は新規な負特性積層チツプ型サーミスタ
に関する。 従来の技術及びその問題点 これまでの負特性サーミスタは、一般にセラミ
ツク片の両面に電極を形成した構造とされてお
り、該セラミツク片の組成を変更することによつ
て種々の特性を有する負特性サーミスタが提供さ
れている。 その代表的なものとしては、例えば〔1〕Mn
−Ni系セラミツク(Mn:75モル%、Ni:25モル
%)を使用したもの、〔2〕Mn−Ni−Co系セラ
ミツク(Mn:50モル%、Ni:30%、Co:20モル
%)を使用したもの、〔3〕Mn−Ni−Zn系セラ
ミツク(Mn:85モル%、Ni:10モル%、Zn:5
モル%)を使用したもの等が挙げられる。 上記〔1〕のMn−Ni系セラミツクを使用した
サーミスタは、結晶がスピネル構造で立方晶をし
ており、且つ密構造で相変態がないため、B定数
が大で常温での安定性が良く、200℃付近の高温
下に長時間保つた後も抵抗値が1%程度変化する
だけであるが、初期の抵抗値が大きいという性質
を有する。これに対し、上記〔2〕のMn−Ni−
Co系セラミツクを使用したサーミスタは、初期
の抵抗値が小さいけれども、B定数も小さいため
安定性の面で不安がある。また、上記〔3〕の
Mn−Ni−Zn系セラミツクを使用したサーミスタ
は、B定数が高いけれども、スピネル構造の立方
晶にはならず、焼成によりMn2O3が析出するの
で、特性が低下するといつた問題がある。 このように、従来の負特性サーミスタは、セラ
ミツクの組成によつて一長一短があり、その特性
に適応した用途に使い分けられているが、一般的
にみると、従来の負特性サーミスタは、セラミツ
クの組成の如何にかかわらず、B定数と初期の抵
抗値との間に正の相関関係が成立し、B定数が大
きくなればなるほど抵抗値も大きくなる傾向があ
る。 ところが、最近のサーミスタの用途拡大に伴つ
て、B定数が大きく初期の抵抗値が小さい負特性
サーミスタの開発が要望されるようになつてき
た。そこで、これに応えるべく新規負特性サーミ
スタの開発研究が盛んに行われているようである
が、セラミツク組成を変更することによつて成功
した例は現在のところないようである。 本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、そ
の目的とするところは、構造的な改良を行うこと
によつてB定数が大きいにもかかわらず小さな初
期抵抗値を有し、しかも高温、高湿等の過酷な条
件下においた後も抵抗の変化率が僅かな負特性積
層チツプ型サーミスタを提供するにある。 問題点を解決するための手段 かかる目的を達成するため、本発明の負特性積
層チツプ型サーミスタは、負の抵抗温度特性を有
するセラミツク積層体の両端に外部電極が形成さ
れ、該セラミツク積層体の角層間に、一方の外部
電極に接続する貴金属の内部電極と他方の外部電
極に接続する貴金属の内部電極とが交互に形成さ
れて成ることを要旨とする。 発明の作用 このような負特性積層チツプ型サーミスタによ
れば、セラミツク積層体の一つのセラミツク層と
該セラミツク層の上面及び下面に位置する内部電
極とによつて一つのサーミスタが構成されるの
で、全体としては内部電極の数から1を引いた個
数のサーミスタが並列接続状態で形成されること
になる。従つて、個々のサーミスタが大きい抵抗
値とB定数を有していても、各サーミスタが並列
接続状態にあるためサーミスタ数が増すほど全体
の抵抗値が下がることになる。また、この負特性
積層チツプ型サーミスタのように内部電極がセラ
ミツク積層体の各層間に形成されて外部に露出し
ていない構造であると、高温、高湿等の過酷条件
下においた場合でも、内部電極が外部雰囲気の影
響で変質等を生じ難いため、抵抗値の変化率は後
述の実験結果から裏付けられるように±1%未満
と小さくなる。 実施例 以下、図面に基づき本発明の実施例を説明す
る。第1図は本発明に係る負特性積層チツプ型サ
ーミスタの一実施例を示す断面図であつて、1は
セラミツク積層体を示しており、この実施例では
5層のセラミツク層11…が積層され、焼結一体
化されている。セラミツクとしては、負の抵抗温
度係数を有しB定数が約3000以上の高いもの、例
えば前述のようなMn−Ni系セラミツク、Mn−
Ni−Co系セラミツク、Mn−Ni−Zn系セラミツ
ク等が好適に使用される。 このセラミツク積層体1の両端には、例えば
Ag、Ni、Al、Zn、Ag−Pd系の外部電極2a,
2bが形成されており、またセラミツク層11…
の各層間には、一方の外部電極2aに接続する内
部電極3aと他方の外部電極2bに接続する内部
電極3bとが交互に形成されている。これら内部
電極3a,3bは、いずれもPt、Au、Ag、Ag
−Pd、Ru、Rh、Pd、Os、Ir、等の貴金属より
なるもので、後述するように、いずれかの貴金属
のペーストを未焼成のセラミツクグリーンシート
表面に塗布し、このグリーンシートの積層体を焼
成して上記セラミツク積層体1を形成するときに
該貴金属ペーストを同時焼成することによつて形
成されたものである。 かかる構造の負特性積層チツプ型サーミスタで
は、一つのセラミツク層11と該セラミツク層の
上面及び下面に位置する内部電極2a,2bとに
よつて一つのサーミスタが構成されるので、全体
としては内部電極の数から1を引いた個数、つま
りこの実施例では3個のサーミスタが並列接続状
態で形成されていることになる。従つて、個々の
サーミスタが大きい抵抗値とB定数を有していて
も、各サーミスタが並列接続状態にあるためサー
ミスタ数が増すほど全体の抵抗値が下がることに
なり、この実施例のようにサーミスタが3個の場
合は全体の抵抗値が1/3となる。しかも、このよ
うな積層構造であれば、内部電極2a,2bの間
隔が小さくなり、個々のサーミスタの抵抗値が下
がるので、上記の並列接続による抵抗低下と相ま
つて全体の抵抗値が更に低下することになる。そ
の上、内部電極2a,2bが外部に露出していな
いので、外部雰囲気の影響で変質等を生じること
も殆どない。 尚、この実施例では、5層のセラミツク層11
でセラミツク積層体1を構成し、内部電極を4個
形成しているが、セラミツク層及び内部電極の数
は増減自由であり、目的とする抵抗値が得られる
ように適宜決定すればよい。 次に、この負特性積層チツプ型サーミスタの製
造について説明する。 まず、第2図イに示すようにセラミツクのグリ
ーンシート11′を複数枚(この例では5枚)重
ねて熱圧着する。この場合、最上層のグリーンシ
ート11′には貴金属ペーストが塗布されてない
が、第2層目及び第4層目のグリーンシート1
1′の上面には、予め貴金属ペースト4がグリー
ンシートの一端に達するように塗布されており、
また3層目及び最下層のグリーンシート11′の
上面には、貴金属ペースト4がグリーンシートの
他端に達するように、それぞれ塗布されている。 次いで、このグリーンシート11′の熱圧着体
を1200℃前後で数時間焼成し、第2図ロに示すよ
うなセラミツク積層体1を得る。この焼成の際、
貴金属ペースト4は同時焼成され、セラミツク積
層体1の各層11間には、該積層体1の一端側に
達する内部電極3aと他端側に達する内部電極3
bとが交互に形成される。 次いで、このセラミツク積層体1の両端面に、
例えばAg、Ni、Ag−Pd等の外部電極形成用ペ
ーストを塗布し、自然雰囲気中で焼付けて、第2
図ハに示すように外部電極2a,2bを形成する
ことによつて、目的とする負特性積層チツプ型サ
ーミスタを得る。 次に実験例を挙げる。 (実験例) 下記第1表に示す組成のセラミツクスラリー
A,B,Cを調整し、各スラリーを用いてドクタ
ーブレード法により100μmのグリーンシートを
形成した。このグリーンシートの表面にPtペー
ストを塗布、乾燥したものを2枚と、Ptペース
ト未塗布のグリーンシートを1枚重ね、熱圧着し
てから1200℃で3時間焼成して3層重ねのセラミ
ツク積層体1−a,1−b,1−cを得た。一
方、上記のPtペーストを塗布したグリーンシー
ト4枚と、Ptペースト未塗布のグリーンシート
1枚を重ね、同様に焼成して5層重ねのセラミツ
ク積層体2−a,2−b,2−cを得た。得られ
た3層重ね及び5層重ねのセラミツク積層体はい
ずれも2.0×1.0×1.0mmの寸法であつた。 しかる後、これらのセラミツク積層体の両端面
にAgペーストを塗布し、焼付けを行つて外部電
極を形成し、6種類の負特性積層チツプ型サーミ
スタ1−A,1−B,1−C,2−A,2−B,
2−Cを得た。 得られたそれぞれの負特性積層チツプ型サーミ
スタについて測定した抵抗値とB定数との関係を
第3図のグラフに示す。
に関する。 従来の技術及びその問題点 これまでの負特性サーミスタは、一般にセラミ
ツク片の両面に電極を形成した構造とされてお
り、該セラミツク片の組成を変更することによつ
て種々の特性を有する負特性サーミスタが提供さ
れている。 その代表的なものとしては、例えば〔1〕Mn
−Ni系セラミツク(Mn:75モル%、Ni:25モル
%)を使用したもの、〔2〕Mn−Ni−Co系セラ
ミツク(Mn:50モル%、Ni:30%、Co:20モル
%)を使用したもの、〔3〕Mn−Ni−Zn系セラ
ミツク(Mn:85モル%、Ni:10モル%、Zn:5
モル%)を使用したもの等が挙げられる。 上記〔1〕のMn−Ni系セラミツクを使用した
サーミスタは、結晶がスピネル構造で立方晶をし
ており、且つ密構造で相変態がないため、B定数
が大で常温での安定性が良く、200℃付近の高温
下に長時間保つた後も抵抗値が1%程度変化する
だけであるが、初期の抵抗値が大きいという性質
を有する。これに対し、上記〔2〕のMn−Ni−
Co系セラミツクを使用したサーミスタは、初期
の抵抗値が小さいけれども、B定数も小さいため
安定性の面で不安がある。また、上記〔3〕の
Mn−Ni−Zn系セラミツクを使用したサーミスタ
は、B定数が高いけれども、スピネル構造の立方
晶にはならず、焼成によりMn2O3が析出するの
で、特性が低下するといつた問題がある。 このように、従来の負特性サーミスタは、セラ
ミツクの組成によつて一長一短があり、その特性
に適応した用途に使い分けられているが、一般的
にみると、従来の負特性サーミスタは、セラミツ
クの組成の如何にかかわらず、B定数と初期の抵
抗値との間に正の相関関係が成立し、B定数が大
きくなればなるほど抵抗値も大きくなる傾向があ
る。 ところが、最近のサーミスタの用途拡大に伴つ
て、B定数が大きく初期の抵抗値が小さい負特性
サーミスタの開発が要望されるようになつてき
た。そこで、これに応えるべく新規負特性サーミ
スタの開発研究が盛んに行われているようである
が、セラミツク組成を変更することによつて成功
した例は現在のところないようである。 本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、そ
の目的とするところは、構造的な改良を行うこと
によつてB定数が大きいにもかかわらず小さな初
期抵抗値を有し、しかも高温、高湿等の過酷な条
件下においた後も抵抗の変化率が僅かな負特性積
層チツプ型サーミスタを提供するにある。 問題点を解決するための手段 かかる目的を達成するため、本発明の負特性積
層チツプ型サーミスタは、負の抵抗温度特性を有
するセラミツク積層体の両端に外部電極が形成さ
れ、該セラミツク積層体の角層間に、一方の外部
電極に接続する貴金属の内部電極と他方の外部電
極に接続する貴金属の内部電極とが交互に形成さ
れて成ることを要旨とする。 発明の作用 このような負特性積層チツプ型サーミスタによ
れば、セラミツク積層体の一つのセラミツク層と
該セラミツク層の上面及び下面に位置する内部電
極とによつて一つのサーミスタが構成されるの
で、全体としては内部電極の数から1を引いた個
数のサーミスタが並列接続状態で形成されること
になる。従つて、個々のサーミスタが大きい抵抗
値とB定数を有していても、各サーミスタが並列
接続状態にあるためサーミスタ数が増すほど全体
の抵抗値が下がることになる。また、この負特性
積層チツプ型サーミスタのように内部電極がセラ
ミツク積層体の各層間に形成されて外部に露出し
ていない構造であると、高温、高湿等の過酷条件
下においた場合でも、内部電極が外部雰囲気の影
響で変質等を生じ難いため、抵抗値の変化率は後
述の実験結果から裏付けられるように±1%未満
と小さくなる。 実施例 以下、図面に基づき本発明の実施例を説明す
る。第1図は本発明に係る負特性積層チツプ型サ
ーミスタの一実施例を示す断面図であつて、1は
セラミツク積層体を示しており、この実施例では
5層のセラミツク層11…が積層され、焼結一体
化されている。セラミツクとしては、負の抵抗温
度係数を有しB定数が約3000以上の高いもの、例
えば前述のようなMn−Ni系セラミツク、Mn−
Ni−Co系セラミツク、Mn−Ni−Zn系セラミツ
ク等が好適に使用される。 このセラミツク積層体1の両端には、例えば
Ag、Ni、Al、Zn、Ag−Pd系の外部電極2a,
2bが形成されており、またセラミツク層11…
の各層間には、一方の外部電極2aに接続する内
部電極3aと他方の外部電極2bに接続する内部
電極3bとが交互に形成されている。これら内部
電極3a,3bは、いずれもPt、Au、Ag、Ag
−Pd、Ru、Rh、Pd、Os、Ir、等の貴金属より
なるもので、後述するように、いずれかの貴金属
のペーストを未焼成のセラミツクグリーンシート
表面に塗布し、このグリーンシートの積層体を焼
成して上記セラミツク積層体1を形成するときに
該貴金属ペーストを同時焼成することによつて形
成されたものである。 かかる構造の負特性積層チツプ型サーミスタで
は、一つのセラミツク層11と該セラミツク層の
上面及び下面に位置する内部電極2a,2bとに
よつて一つのサーミスタが構成されるので、全体
としては内部電極の数から1を引いた個数、つま
りこの実施例では3個のサーミスタが並列接続状
態で形成されていることになる。従つて、個々の
サーミスタが大きい抵抗値とB定数を有していて
も、各サーミスタが並列接続状態にあるためサー
ミスタ数が増すほど全体の抵抗値が下がることに
なり、この実施例のようにサーミスタが3個の場
合は全体の抵抗値が1/3となる。しかも、このよ
うな積層構造であれば、内部電極2a,2bの間
隔が小さくなり、個々のサーミスタの抵抗値が下
がるので、上記の並列接続による抵抗低下と相ま
つて全体の抵抗値が更に低下することになる。そ
の上、内部電極2a,2bが外部に露出していな
いので、外部雰囲気の影響で変質等を生じること
も殆どない。 尚、この実施例では、5層のセラミツク層11
でセラミツク積層体1を構成し、内部電極を4個
形成しているが、セラミツク層及び内部電極の数
は増減自由であり、目的とする抵抗値が得られる
ように適宜決定すればよい。 次に、この負特性積層チツプ型サーミスタの製
造について説明する。 まず、第2図イに示すようにセラミツクのグリ
ーンシート11′を複数枚(この例では5枚)重
ねて熱圧着する。この場合、最上層のグリーンシ
ート11′には貴金属ペーストが塗布されてない
が、第2層目及び第4層目のグリーンシート1
1′の上面には、予め貴金属ペースト4がグリー
ンシートの一端に達するように塗布されており、
また3層目及び最下層のグリーンシート11′の
上面には、貴金属ペースト4がグリーンシートの
他端に達するように、それぞれ塗布されている。 次いで、このグリーンシート11′の熱圧着体
を1200℃前後で数時間焼成し、第2図ロに示すよ
うなセラミツク積層体1を得る。この焼成の際、
貴金属ペースト4は同時焼成され、セラミツク積
層体1の各層11間には、該積層体1の一端側に
達する内部電極3aと他端側に達する内部電極3
bとが交互に形成される。 次いで、このセラミツク積層体1の両端面に、
例えばAg、Ni、Ag−Pd等の外部電極形成用ペ
ーストを塗布し、自然雰囲気中で焼付けて、第2
図ハに示すように外部電極2a,2bを形成する
ことによつて、目的とする負特性積層チツプ型サ
ーミスタを得る。 次に実験例を挙げる。 (実験例) 下記第1表に示す組成のセラミツクスラリー
A,B,Cを調整し、各スラリーを用いてドクタ
ーブレード法により100μmのグリーンシートを
形成した。このグリーンシートの表面にPtペー
ストを塗布、乾燥したものを2枚と、Ptペース
ト未塗布のグリーンシートを1枚重ね、熱圧着し
てから1200℃で3時間焼成して3層重ねのセラミ
ツク積層体1−a,1−b,1−cを得た。一
方、上記のPtペーストを塗布したグリーンシー
ト4枚と、Ptペースト未塗布のグリーンシート
1枚を重ね、同様に焼成して5層重ねのセラミツ
ク積層体2−a,2−b,2−cを得た。得られ
た3層重ね及び5層重ねのセラミツク積層体はい
ずれも2.0×1.0×1.0mmの寸法であつた。 しかる後、これらのセラミツク積層体の両端面
にAgペーストを塗布し、焼付けを行つて外部電
極を形成し、6種類の負特性積層チツプ型サーミ
スタ1−A,1−B,1−C,2−A,2−B,
2−Cを得た。 得られたそれぞれの負特性積層チツプ型サーミ
スタについて測定した抵抗値とB定数との関係を
第3図のグラフに示す。
【表】
比較のために、上記第1表のセラミツクスラリ
ーA,B,Cを用いて、前記負特性積層チツプ型
サーミスタと同寸法の単層型のサーミスタ3−
A,3−B,3−Cを作製した。これらについて
測定した抵抗値とB定数との関係を第3図のグラ
フに併せて示す。 この第3図のグラフを見れば、いずれのサーミ
スタも使用したセラミツク材料の組成に対応して
3700、3900、4000と高いB定数を有するが、従来
の単層型のサーミスタ3−A,3−B,3−Cの
抵抗値が高いのに対し、本発明に係る3層重ねの
負特性積層チツプ型サーミスタ1−A,1−B,
1−Cは、内部電極の間隔が小さくなつた分だけ
抵抗値が低下しており、更に本発明に係る5層重
ねの負特性積層チツプ型サーミスタ2−A,2−
B,2−Cは、内部に3個のサーミスタが並列接
続状態で形成されているため、3層重ねの負特性
積層チツプ型サーミスタよりも更に抵抗値が低下
していることが判る。 また、上記の本発明に係るそれぞれの積層チツ
プ型サーミスタと上記の単層型サーミスタを、
300℃の高温雰囲気中で1000時間保ち、その抵抗
値の変化率を求めたところ、本発明に係る負特性
積層チツプ型サーミスタの変化率はいずれも±1
%以内であつたのに対し、従来の単層型サーミス
タの変化率はいずれも±2.0〜3.0%の範囲にあつ
た。また相対湿度95%、60℃の高湿雰囲気中で
1000時間保ち、その抵抗値の変化率を求めたとこ
ろ、上記と同様の結果が得られた。このことか
ら、本発明の負特性積層チツプ型サーミスタは高
温、高湿等の過酷な条件化における安定性が良好
であることが判る。 発明の効果 以上の説明から明らかなように、本発明の負特
性積層チツプ型サーミスタによれば、B定数が大
きいにもかかわらず初期抵抗値を下げることがで
き、しかも高温、高湿等の過酷な条件下における
安定性を向上させることができるといつた効果が
得られる。従つて、本発明の負特性積層チツプ型
サーミスタは昨今の業界からの要望に充分応え得
るものといえる。
ーA,B,Cを用いて、前記負特性積層チツプ型
サーミスタと同寸法の単層型のサーミスタ3−
A,3−B,3−Cを作製した。これらについて
測定した抵抗値とB定数との関係を第3図のグラ
フに併せて示す。 この第3図のグラフを見れば、いずれのサーミ
スタも使用したセラミツク材料の組成に対応して
3700、3900、4000と高いB定数を有するが、従来
の単層型のサーミスタ3−A,3−B,3−Cの
抵抗値が高いのに対し、本発明に係る3層重ねの
負特性積層チツプ型サーミスタ1−A,1−B,
1−Cは、内部電極の間隔が小さくなつた分だけ
抵抗値が低下しており、更に本発明に係る5層重
ねの負特性積層チツプ型サーミスタ2−A,2−
B,2−Cは、内部に3個のサーミスタが並列接
続状態で形成されているため、3層重ねの負特性
積層チツプ型サーミスタよりも更に抵抗値が低下
していることが判る。 また、上記の本発明に係るそれぞれの積層チツ
プ型サーミスタと上記の単層型サーミスタを、
300℃の高温雰囲気中で1000時間保ち、その抵抗
値の変化率を求めたところ、本発明に係る負特性
積層チツプ型サーミスタの変化率はいずれも±1
%以内であつたのに対し、従来の単層型サーミス
タの変化率はいずれも±2.0〜3.0%の範囲にあつ
た。また相対湿度95%、60℃の高湿雰囲気中で
1000時間保ち、その抵抗値の変化率を求めたとこ
ろ、上記と同様の結果が得られた。このことか
ら、本発明の負特性積層チツプ型サーミスタは高
温、高湿等の過酷な条件化における安定性が良好
であることが判る。 発明の効果 以上の説明から明らかなように、本発明の負特
性積層チツプ型サーミスタによれば、B定数が大
きいにもかかわらず初期抵抗値を下げることがで
き、しかも高温、高湿等の過酷な条件下における
安定性を向上させることができるといつた効果が
得られる。従つて、本発明の負特性積層チツプ型
サーミスタは昨今の業界からの要望に充分応え得
るものといえる。
第1図は本発明に係る負特性積層チツプ型サー
ミスタの一実施例を示す断面図、第2図イ〜ハは
本発明に係る負特性積層チツプ型サーミスタの一
製法例の説明図、第3図は抵抗とB値の関係を示
すグラフである。 1……セラミツク積層体、2a,2b……外部
電極、3a,3b……内部電極、11……セラミ
ツク層。
ミスタの一実施例を示す断面図、第2図イ〜ハは
本発明に係る負特性積層チツプ型サーミスタの一
製法例の説明図、第3図は抵抗とB値の関係を示
すグラフである。 1……セラミツク積層体、2a,2b……外部
電極、3a,3b……内部電極、11……セラミ
ツク層。
Claims (1)
- 1 負の抵抗温度特性を有するセラミツク積層体
の両端に外部電極が形成され、該セラミツク積層
体の各層間に、一方の外部電極に接続する貴金属
の内部電極と他方の外部電極に接続する貴金属の
内部電極とが交互に形成されて成る負特性積層チ
ツプ型サーミスタ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP27991385A JPS62137804A (ja) | 1985-12-12 | 1985-12-12 | 負特性積層チップ型サーミスタ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP27991385A JPS62137804A (ja) | 1985-12-12 | 1985-12-12 | 負特性積層チップ型サーミスタ |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS62137804A JPS62137804A (ja) | 1987-06-20 |
JPH0554681B2 true JPH0554681B2 (ja) | 1993-08-13 |
Family
ID=17617654
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP27991385A Granted JPS62137804A (ja) | 1985-12-12 | 1985-12-12 | 負特性積層チップ型サーミスタ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS62137804A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005150289A (ja) * | 2003-11-13 | 2005-06-09 | Tdk Corp | サーミスタ用組成物及びサーミスタ素子 |
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JPH01253204A (ja) * | 1988-03-31 | 1989-10-09 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | 積層形チップサーミスタ |
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JPH02276203A (ja) * | 1989-04-18 | 1990-11-13 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | 積層型サーミスタの製造方法 |
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JP3440883B2 (ja) * | 1999-06-10 | 2003-08-25 | 株式会社村田製作所 | チップ型負特性サーミスタ |
EP1277215B1 (de) * | 2000-04-25 | 2009-06-24 | Epcos Ag | Elektrisches bauelement, verfahren zu dessen herstellung und dessen verwendung |
JP4548466B2 (ja) | 2007-09-21 | 2010-09-22 | Tdk株式会社 | 積層型セラミック素子及びその実装構造 |
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JPS5727691U (ja) * | 1980-07-24 | 1982-02-13 |
-
1985
- 1985-12-12 JP JP27991385A patent/JPS62137804A/ja active Granted
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Also Published As
Publication number | Publication date |
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JPS62137804A (ja) | 1987-06-20 |
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