JPH0551380B2 - - Google Patents

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JPH0551380B2
JPH0551380B2 JP6304185A JP6304185A JPH0551380B2 JP H0551380 B2 JPH0551380 B2 JP H0551380B2 JP 6304185 A JP6304185 A JP 6304185A JP 6304185 A JP6304185 A JP 6304185A JP H0551380 B2 JPH0551380 B2 JP H0551380B2
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roller
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rolling
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Toyota Central R&D Labs Inc
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は被転造品である転造ブランクへ成形ロ
ーラを押圧することにより転造ブランクの外周を
塑性加工して成形ローラの外周形状を転写する転
造装置に関する。
[背景技術及び解決すべき事項] 転造装置としては軸支された被転造品である転
造ブランクへ成形ローラを片側から押圧する1ロ
ーラ方式と、転造ブランクの反対方向両側から成
形ローラを押圧する2ローラ方式とがあり、1ロ
ーラ方式では転造時に転造ブランクを支持する軸
へ大きな曲げ応力が発生して、偏心等が生ずる原
因となる。
これに対して2ローラ方式では、ブランク軸の
両側から押圧力が反対方向に作用するため、基本
的に高い曲げ応力は生ずることはないが、ブラン
ク軸に対して左右の転造ローラを同一量だけ押し
込みながら転造することは難しい。このためブラ
ンク軸を浮動式として偏心を小さくした転造装置
が本発明者等によつて提案されている(特開昭54
−99055号)。
ところがこのような従来の転造装置では、2個
の成形ローラの押し込み量が転造ブランクの変形
荷重の不均一によつて影響を受け、転造成形品の
真円度を高精度に安定することが難しい。転造ブ
ランクの塑性変形時における変形荷重の不均一
は、材質の不均一、温度分布の不均一、転造ロー
ラと転造ブランクとの間の摩擦状態の不均一等に
よつて転造ブランクの円周方向に沿つて生ずるも
のであり、ある程度は避けることができない。
一例として直径87mmで肉厚12mmのS45Cで製作
した円板状ブランクの外周部を加熱して熱間状態
で転造ローラを回転させながら押し込んで転造す
る場合の転造品の真円度は、第15図に示される
如く、ローラ押し込み量と共に低下し、3mmのロ
ーラ押し込み量では、製造品外周のフレが50〜
240μmにも達する。
これは従来の転造装置では一般に成形ローラの
押込み駆動が油圧シリンダで行なわれ、シリンダ
に一体で連結されたシリンダロツドが成形ストロ
ークの終りでシリンダロツド後端ストツパにより
停止される機構となつているために、成形ローラ
押込み方向の剛性が小さく、上記のような転造ブ
ランクの変形荷重の不均一に伴なつて、成形ロー
ラの押込み量が変動することに原因があると判断
される。
本発明はこれらの事実を考慮し、転造ブランク
の変形荷重の不均一によるローラ押し込み量の不
均一をなくして真円度を向上することが可能な転
造装置を得ることが目的である。
[発明の概要及び作用] 本発明に係る転造装置では、被転造品へこの反
対方向両側から成形ローラを押圧することにより
被転造品の外周を塑性加工する2ローラ方式の転
造装置であつて、前記被転造品と同軸的に配置さ
れる少なくとも一個の変位規制円板と、前記変位
規制円板に対応して成形ローラと同軸的に配置さ
れるとともに変位規制円板に対し対称的に配され
る変位規制ローラとを設け、前記変位規制ローラ
を変位規制円板へ反対方向両側から押し当てなが
ら転造作業を行うことを特徴としている。
転造時には成形ローラは、被転造品の外周へ押
圧されて被転造品の外周を塑性変形させ、成形ロ
ーラの外周に形成されている形状を被転造品の外
周へ転造する。この転造状態で、成形ローラと同
軸的に配置される変位規制ローラは、転造品と同
軸的に配置される変位規制円板の外周へ当接す
る。この変位規制ローラは変位規制円板を弾性、
又は塑性変形させながら成形ローラの押圧力及び
押し込み量が制御される。
これによれば、変位規制ローラ及び変位規制円
板がない場合には転造品の塑性変形時に変形荷重
の不均一に基づき成形ローラが保持部全体の弾性
変形によつてそのローラ位置が変動して最終成形
位置が正確に規制されずに真円度の高い転造品が
安定して成形することができないのに比して、成
形ローラの押し込み方向の剛性が向上され、充分
な矯正効果が得られ、変形荷重の変動に対応する
ローラ押し込み量の変動が小さくなり、真円度が
向上される。
そして、成形ローラが被転造品をこの反対方向
両側から押圧する2ローラ方式であつて、変位規
制ローラが変位規制円板にこの変位規制円板の
180度反対方向両側から押し当てられるので、成
形ローラの被転造品に対する押圧力(押し込み
力)、変位規制ローラにより変位規制円板の受け
る力は、バランスがとれ、被転造品の軸の撓みは
著しく抑制され、真円度が高精度に得られる。
また、真円度を向上させるために、成形ローラ
の被転造品に対する押圧力(押し込み力)を成形
力程度まで高くし、そして、そのために、変位規
制ローラにより変位規制円板の受ける力が大きく
なつても、被転造品の軸の撓みを小さく抑えるこ
とができ、真円度は、高精度で得られる。
特に、成形ローラと被転造品の軸間距離は略一
定か短くなる方向のみに変位するので、成形ロー
ラの被転造品に対する押圧力(押し込み力)、そ
して、変位規制ローラにより変位規制円板の受け
る力が、回転位置によつて転造に及ぼす影響に差
を生ずることなく、真円度を高精度で得るため
に、成形ローラの被転造品に対する押圧力(押し
込み力)を大きくし、そして、そのために変位規
制ローラにより変位規制円板の受ける力が大きく
なつても、回転に支障が起きるようなことはな
い。
本発明の具体的態様としては、変位規制ローラ
を成形ローラと一体的に形成することができる。
このため成形ローラは従来の成形ローラよりも若
干量だけ軸方向の寸法を大きくし、中央部の外周
へ転造パターンを刻設すればよい。
また本発明では変位規制円板は変位規制ローラ
の押圧により弾性変形して成形ローラの押し込み
量を均一化することもできるが、変位規制ローラ
の押圧力により塑性変形させてもよい。
変位規制円板の外径は被転造品の転造径と同一
にすることにより、成形ローラが転造を開始した
初期には、変位規制ローラが変位規制円板へ当接
することなく、成形の最終状態でのみ変位規制ロ
ーラが変位規制円板へ当接してローラ押し込み力
を向上することができる。
さらに変位規制ローラと変位規制円板の当接部
はテーパ面とすることができ、これによつて変位
規制円板を軸方向に移動することにより、変位規
制ローラの移動量を広い範囲で高精度に規制し、
これによつて成形ローラの押し込み量を調整し任
意の転造外径を得ることができるようになつてい
る。
また、変位規制円板の当接部をカム形状に、変
位規制ローラを円筒状にして変位規制円板の回転
角を制御することにより、変位規制ローラの移動
量を広い範囲で高精度に規制し転造ブランクの真
円度を向上させることができる。
また変位規制ローラは成形ローラと同一の真円
度歪を有しかつ同位相で取りつけられることによ
り、成形ローラに真円度歪があつた場合にも、転
造ブランクは高精度の真円度を維持することが可
能となる。
[発明の実施例] 第1図には本発明の適用された転造装置の一部
が示されている。
被成形品である転造ブランク10は予め中空円
板形状に形成されており、円形孔10Aがコレツ
ト12の外周へ同軸的に取りつけられるようにな
つている。このコレツト12は中空円筒形状であ
り、軸方向一端を除いて軸方向に沿つた切込み1
4が複数個形成され、軸心部を貫通するコレツト
拡げロツド16の移動によつて外径が拡縮可能と
なつている。
すなわちコレツト12は転造ブランク10の円
形孔10Aの内径よりも小さな外径を自然状態と
して有するようになつており、内周テーパ面へコ
レツト拡げロツド16が第1図左方向へ移動して
テーパ面16Aが当接すると、このテーパ面16
Aによつて弾性変形して押し広げられ、転造ブラ
ンク10を同軸的に保持するようになつている。
コレツト拡げロツド16は小径部がブランクア
ーバ18の軸支孔18A内へ緊密に(両者間のガ
タは5μm程度としてある)軸支されている。こ
のブランクアーバ18の軸方向一端は転造ブラン
ク10の側面への当接面とされており、図示しな
い他端は装置フレームへ軸支されて自由に回転可
能となつている。またこのブランクアーバ18は
図示しない駆動装置の駆動力により軸方向(第1
図矢印AB方向)へ駆動されるようになつてい
る。
なおコレツト拡げロツド16は図示しない付勢
手段によつて弱い力でテーパ面16Aが円形孔1
0Aから抜き出す方向(第1図右方向)へ付勢力
を受けている。
ブランクアーバ18には同軸的に圧着アーバ2
0が対応している。この圧着アーバ20の一端は
転造ブランク10の側面への当接用とされてブラ
ンクアーバ18と共に転造ブランク10の挟持用
とされている。またこの圧着アーバ20の図示し
ない端部は装置フレームへ軸支されて自由に回転
可能となつているが、軸方向には移動しないよう
になつている。
圧着アーバ20のブランクアーバ18に面した
端部には軸支孔20Aが形成されており、コレツ
ト拡げロツド16の先端大径部を緊密に収容でき
るようになつている。この軸支孔20Aとコレツ
ト拡げロツド16の先端大径部との間のガタもコ
レツト拡げロツド16の小径部と軸支孔18Aと
の間のガタと同様に5μm程度に維持されている。
軸支孔20Aの底面からは同軸的に小径支軸2
2が突出されており、押し金24が軸支されて小
径支軸22の軸方向へ移動可能とされている。こ
の押し金24は小径支軸22の先端部へ固着され
るストツプリング26によつて小径支軸22から
の脱落が阻止されているが、軸支孔20Aの底面
との間に介在される圧縮ばね28の付勢力によつ
て圧着アーバ20の先端部方向へ付勢されてお
り、ストツプリング26に当接して停止するよう
になつている。
ブランクアーバ18、圧着アーバ20の先端部
付近の外周にはそれぞれ突出部が設けられて変位
規制円板30,32となつている。これらの変位
規制円板30,32は同一外径でブランクアーバ
18、圧着アーバ20と同軸的とされ、転造ブラ
ンク10の両側に配置されるようになつている。
これらの変位規制円板30,32及び転造ブラ
ンク10の外周に対応して成形ローラ軸34,3
6が転造ブランク10を挟んで反対方向に配置さ
れ、ブランクアーバ18、圧着アーバ20と平行
な軸心を有している。これらの成形ローラ軸3
4,36は、軸方向両端が工具台38,40へそ
れぞれ軸支されており、これらの工具台38,4
0はモータ回転力で回転すると共に軸直角方向に
図示しない油圧シリンダ等の駆動装置の駆動力を
受け て移動し(矢印C,D方向)、ブランクアーバ1
8、圧着アーバ20と接離できるようになつてい
る。
成形ローラ軸34,36の外周には成形ローラ
42,44が軸支されており、軸方向中央部の外
周には転造ブランク10の外周に対応して転造形
状(図示省略)が刻設されている。これらの成形
ローラ42,44の軸方向両端はその外周が変位
規制円板30,32の外周に対応した変位規制ロ
ーラ46,48となつている。
この成形ローラ42,44は成形ローラ軸3
4,36の外周へ螺合されて軸方向に移動する締
付ナツト50で固定されているようになつてい
る。
次に本実施例の作用を説明する。
ブランクアーバ18を第1図左方向(矢印B方
向)へ移動し圧着アーバ20から離間させる。こ
れによつてコレツト拡げロツド16は押し金24
と離れるので、コレツト拡げロツド16が若干量
だけブランクアーバ18から突出され、コレツト
12の外径が縮小する。
ここで転造ブランク10の円形孔10Aをコレ
ツト12の外側へ嵌め込み、ブランクアーバ18
を逆方向に、即ち矢印A方向へ駆動して軸支孔2
0Aと接近させる。ブランクアーバ18が圧着ア
ーバ20へ接近するとコレツト拡げロツド16の
先端部は圧着アーバ20の軸支孔20A内へ挿入
され、選択部が押し金24へ当接する。押し金2
4は圧縮ばね28の付勢力でコレツト拡げロツド
16をブランクアーバ18内へ押し込むので、テ
ーパ面16Aはコレツト12の外径を拡大し、コ
レツト12は転造ブランク10を正確にブランク
アーバ18の軸心上に保持する。
さらにブランクアーバ18が圧着アーバ20へ
接近すると、ブランクアーバ18、圧着アーバ2
0は第1図に示される如くその先端部間に転造ブ
ランク10を挟持固定する。
ここで形成ローラ軸34,36が回転して成形
ローラ42,44を駆動し、工具台38,40は
図示しない駆動手段の駆動力を受けて転造ブラン
ク10の外周へと接近する方向に移動する。成形
ローラ42,44は回転しながら転造ブランク1
0の外周へ押圧され、転造ブランク10の外周を
塑性変形しながら成形形状を転造する。
所定の押し込み量まで成形ローラ42,44が
押し込まれると、転造ブランク10の外径が減少
し、外周部は想像線で示される如くの形状とな
る。
従来は成形ローラ42,44の押し込み量が、
工具台38,40の押し込みを駆動用油圧シリン
ダロツドの後端に設けたねじ式のストツパで制限
していたため、第2図の実線状態で示される如
く、このストツパに当接した時点でローラ押込み
力は最大となり、成形ローラ42,44の押し込
み変位はほぼ定位置となつて、転造ブランク10
をその後10回転程度だけ均らし回転させて転造作
業を終了している。
この均らし回転によつて転造ブランク10の真
円度はある程度矯正されると共に成形ローラ4
2,44の押し込み変位も僅か増大し、工具台3
8,40の押し込み用油圧シリンダの推力は後方
のストツパに加わる割合が大きくなり、成形ロー
ラ42,44の押し込み力が漸減する。
一方本実施例では、成形ローラ42,44の押
し込み量が所定の値になつた時点で、変位規制ロ
ーラ46,48の外周がブランクアーパ18、圧
着アーバ20に固定した変位規制円板30,32
と当接するように配置してあるため、成形ローラ
42,44の押し込み力漸減割合は第2図に破線
で示す状態となる。
すなわち従来と比較した成形ローラ42,44
の押し込み力増加分は、変位規制円板30,32
で受ける力であり、これが転造ブランク10の外
周部を変位規制円板30,32の外周にならうよ
うに矯正する力となる。
すでに説明したように、コレツト拡げロツド1
6とブランクアーバ18、圧着アーバ20との間
にガタは5μm以下としてあるため、転造ブラン
ク10と変位規制円板30,32の軸心が一致さ
れており、転造ブランク10の真円度が向上す
る。また変位規制円板30,32の真円度誤差は
5μm以下に抑えてある。
このように、本実施例の成形ローラ42,44
の押し込み力P及び押し込み変位は大きいので、
転造ブランク10の真円度を著しく向上すること
ができる。
第3図には変位規制円板30,32に変位規制
ローラ46,48の外周を押し当てて、矯正力を
次第に大きくした場合の転造ブランク10の外周
のフレに及ぼす影響が示されている。
この実験に用いた転造ブランク10は、第4,
5図に示される如く、外周の一部が接線方向の切
欠部52を有している。この切接部52は転造ブ
ランク10の全幅の2%であり、これを冷間で転
造加工した。これは熱間状態で切欠部52を有し
ない転造ブランク10を転造する場合に生ずる変
形荷重の不均一を拡大的に模擬したものである。
なお、第5図における寸法は直径(D)が86mm、肉
厚(T)は5mm、切欠部52の深さ(L)は0.1mmである。
第3図に示される如く、高精度の真円度を得る
ための矯正力の大きさは、正味の転造荷重(矯正
力が0)を含むローラ押し込み力Pが最大転造荷
重と同等以上であれば充分であることがわかる。
第6図には転造ブランク10の外周部を高周波
誘導加熱で加熱して、熱間状態で転造する場合の
本実施例における効果が従来と比較して示されて
いる。熱間状態の場合には、冷間状態に比べて転
造後の真円度にバラつきが大きいが、ローラ押し
込み力Pを最大転造荷重と同等以上にすることに
より転造品外周のズレはいずれも20μm以下に収
めることができた。この場合の転造ブランクは外
径(D)が87mm、肉厚(T)が12mm、押込量3mm、成形ロ
ーラの回転数は90rpmである。
これに対して従来(矯正力がゼロ)は、真円度
が40〜130μmとばらつき、平均値も大きい。
次に第7,8図により本発明の第2実施例を説
明する。
第7図には本発明の第2実施例に用いる転造ブ
ランク10が示されている。この転造ブランク1
0は円筒体54の外周へ一体成形されいる。この
転造ブランク10と軸方向に離間して、変位規制
円板30,32が固着されている。
この転造ブランク10は前記実施例と同様に外
周一部に切欠部52を形成して冷間状態で転造を
行つた結果が、変位規制円板30,32を有さず
に転造作業を行つた場合と比較して第8図に示さ
れている。なお第7図における寸法のうち外径(D)
は87mm、肉厚(T)は5mm、深さ(L)は0.1mmであり、
成形ローラの回転速度は90rpm、押込速度は0.7
mm/secである。
これから明らかなように、変位規制円板30,
32を有した転造ブランク10を用いることによ
り、転造ブランク10の外周の真円度フレは向上
し、変位規制円板30,32の幅寸法が大きい程
その効果が著しいことが明瞭となる。
また変位規制円板30,32の幅寸法が同一の
場合には工具台40、成形ローラ42の全押し込
み過程で作用するようにしなくても、即ち変位規
制円板30,32の直径dを転造ブランクの直径
Dより若干量小さくして転造過程の最終時期付近
で変位規制円板30,32が作用するようにして
もよい。即ち変位規制円板30,32の直径を転
造ブランク10の転造目標の直径近くに選択して
も効果が同等であることがわかる。これは、成形
ローラ42,44の押し込み過程の最終部分付近
で剛性の大きな変位規制円板30,32を設けて
矯正すればよいことになる。
一例として、幅寸法3.5mmの変位規制円板30,
32を用いた場合には、転造時にこの変位規制円
板30,32も塑性変形を生じているが、幅寸法
12mmの場合には変位規制円板30,32の塑性変
形が生じないことが確認されている。
次に第9図には本発明の第3実施例の転造装置
が示されている。この実施例は成形ローラ42,
44が単純な円筒状でない場合に適しており、こ
の実施例は歯車を転造ブランク10の外周へ転造
する場合である。
即ち、成形ローラ42,44の両側に締付ボル
ト56で同軸的に固着される変位規制ローラ46
A,48Aは外周が段付形状となつており、軸方
向端部に小径部58が形成され、この小径部58
の直径が転造ブランク10から転造成形される歯
車に対する成形ローラのかみ合いピツチ円と同一
とされて、変位規制ローラ46A,48Aと変位
規制円板30,32との間に滑りがないように配
慮されている。
この実施例の変位規制ローラ46A,48Aは
転造作業の最終部分付近で、変位規制円板30,
32へ押圧されて転造ブランク10の真円度を向
上させるようになつている。転造ブランク10の
保持手段については前記第1実施例と同様であ
る。
この実施例によつて製作した転造ブランク10
はモジユール2.25、歯数35、ねじれ角23.5°の歯車
であり、その真円度即ち歯車溝のフレは第10図
Bに示される如くであり、第10図Aの従来例と
比較してフレが著しく少なくなつてきている。即
ちこの第10図の直線の高さ寸法差は歯車溝のフ
レを示しており、従来例では30μmのフレがあつ
たのに対し、本実施例ではこれが15μmと半減し
ている。
ただしこの実施例では、成形ローラ42,44
の精度、特に真円度の影響を大きく受けるため、
成形ローラ42,44には歯面を研磨仕上げした
ローラを用いてその精度をJIS1〜2級としてい
る。
次に第11図には本発明の第4実施例に係る転
造装置が示されている。
この実施例では変位規制円板30A,32Aが
ベアリングコロ60を介してそれぞれブランクア
ーバ18、圧着アーバ20の外周へ同軸的に軸支
されている。これらの変位規制円板30A,32
Aの外周一部はテーパ面62を形成しており、変
位規制ローラ46A,48Aの外周面一部に形成
されたテーパ面64と対応している。
さらにこれらの変位規制円板30A,32Aは
テーパ面62の反対側の端面がベアリングコロ6
6を介して押圧体68と当接している。これらの
押圧体68はそれぞれ油圧シリンダ70によつて
駆動されるロツド72へ連結されている。これに
よつてこれらの変位規制円板30A,32Aが油
圧シリンダ70の駆動力を受けて軸方向(矢印
A,B方向)へ移動できるようになつている。
また前記各実施例と同様に、ブランクアーバ1
8はベアリングコロ74を介して駆動ロツド76
へ連結され、圧着アーバ20はベアリングコロ7
8を介して軸受80へと支持されている。
転造時には、成形ローラ42,44の移動に応
じて、変位規制ローラ46A,48Aのテーパ面
64が変位規制円板30A,32Aのテーパ面6
2へ当接して移動を制限される。ここで油圧シリ
ンダ70によつて変位規制円板30A,32Aを
軸方向に移動させると、成形ローラ42,44の
軸と転造ブランク10の軸との間の距離を高精度
に制御することができ、転造ブランク10の転造
精度が向上する。
変位規制ローラ46A,48Aと変位規制円板
30A,32Aとの当接面は次第に移動するが、
変位規制円板30A,32Aはベアリングコロ6
0によつてブランクアーバ18、圧着アーバ20
の外周へ軸支されているため、ブランクアーバ1
8、圧着アーバ20と変位規制円板30A,32
Aとの間の周速差を吸収することができる。
次に第12,13図には本発明の第5実施例に
係る転造装置が示されている。
この実施例では変位規制円板32Aの外周部が
第13図にみられる如くカム形状としてあり、こ
の変位規制カムの回転角は図示しない定速モータ
等で制御されるようにしてある。また、この変位
規制カムはベアリングコロ60,66を介して圧
着アーバ20の外周へ同軸的に軸支されており、
このカム面は変位規制ローラ46Aと対応するよ
うに設けられている。
ここで、変位規制ローラ46Aはローラ軸3
4、ローラ42とベアリングコロ70,71,7
2を介して同軸的に回転自由に軸支されている。
転造作業が開始してローラ34が転造ブランク
10に接近すると、変位規制ローラ46Aの外周
が変位規制カム32Aに当接する。
この状態で変位規制カム32Aの回転が制御さ
れることにより、成形ローラ42,44の軸と転
造ブランク10の軸との間の距離は高精度に規制
されたまま転造ブランク10の成形が行なわれ、
転造ブランク10の製作精度が向上する。ここ
で、成形ローラ42,44及びローラ軸34に対
する変位規制ローラ46Aの周速差はベアリング
コロ70,71,72により、圧着アーバ20と
変位規制カム32Aの周速差はベアリングコロ6
0,66によりそれぞれ吸収される。
上記第4、5実施例では、転造ブランク10は
ローラ精度の影響を受けるため、各ローラの精度
は高度に維持する必要がある。
第14図は本発明の第6実施例であり、成形ロ
ーラ42,44がその真円度に歪を有する場合で
もこれに対処するような構造となつている。即ち
成形ローラ42,44に真円に対する半径歪e1
存在した場合、変位規制円板30,32と変位規
制ローラ46,48とが共に真円の場合には転造
ブランク10に対する先端の押し込み量はe1だけ
変動することになり、真円度は向上できない。そ
こで、変位規制ローラ46,48の外周形状を成
形ローラ42,44の凹凸、即ち真円からの歪e1
に対してすべての円周上でこれに等しい真円から
の歪e2を有するように成形されている。
これによつて本実施例では、成形ローラ42,
44の転造ブランク10に対する押し込み量を実
質的に均等にすることができる。しかし歪e1,e2
があまり大きい場合には変位規制ローラ46,4
8を変位規制円板30,32に押圧しながら回転
させるのは困難であるが、成形ローラ42,44
に生ずる歪は熱処理によつて生ずるものが一般的
であるため、歪の大きさとしては通常0.1mm以下
であり、特に問題にはならない。
[発明の効果] 以上説明した如く本発明に係る転造装置では、
被転造品へこの反対方向両側から成形ローラを押
圧することにより被転造品の外周を塑性加工する
2ローラ方式の転造装置であつて、前記被転造品
と同軸的に配置される少なくとも一個の変位規制
円板と、前記変位規制円板に対応して成形ローラ
と同軸的に配置されるとともに変位規制円板に対
し対称的に配される変位規制ローラとを設け、前
記変位規制ローラを変位規制円板へ反対方向両側
から押し当てながら転造作業を行うことを特徴と
しているので、転造時には、変位規制ローラが変
位規制円板を弾性、又は塑性変形させながら成形
ローラの押圧力(押し込み力)及び押し込み量
(押し込み変位)が制御され、すなわち、成形ロ
ーラの押し込み方向の剛性が向上され、充分な矯
正効果が得られ、変形荷重の変動に対応するロー
ラ押し込み量の変動が小さくなり、真円度が向上
される。
そして、成形ローラが被転造品をこの反対方向
両側から押圧する2ローラ方式であつて、変位規
制ローラが変位規制円板にこの変位規制円板の
180度反対方向両側から押し当てられるので、成
形ローラの被転造品に対する押圧力(押し込み
力)、変位規制ローラにより変位規制円板の受け
る力は、バランスがとれ、被転造品の軸の撓みは
著しく抑制され、真円度が高精度に得られる。
また、真円度を向上させるために、成形ローラ
の被転造品に対する押圧力(押し込み力)を成形
力程度まで大きくし、そして、そのために、変位
規制ローラにより変位規制円板の受ける力が大き
くなつても、被転造品の軸の撓みを小さく抑える
ことができ、真円度は、高精度で得られる。
特に、成形ローラと被転造品の軸間距離は略一
定か短くなる方向のみに変位するので、成形ロー
ラの被転造品に対する押圧力(押し込み力)、そ
して、変位規制ローラにより変位規制円板の受け
る力が、回転位置によつて転造に及ぼす影響に差
を生ずることなく、真円度を高精度で得るため
に、成形ローラの被転造品に対する押圧力(押し
込み力)を大きくし、そして、そのために変位規
制ローラにより変位規制円板の受ける力が大きく
なつても、回転に支障が起きるようなことはな
い。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の第1実施例に係る転造装置の
一部を示す断面図、第2図は第1実施例における
転造時間に対するローラ押し込み力及びローラ押
し込み変位の関係を示す線図、第3図は転造終了
時のローラ押し込み力と転造品外周のフレとの関
係を示す線図、第4図は第1実施例の実験に用い
た転造ブランクを示す正面図、第5図は第4図
−線断面図、第6図は転造終了時のローラ押し
込み力と転造品外周のフレとの関係を示す線図、
第7図は本発明の第2実施例に用いる転造ブラン
クを示す断面図、第8図は第2実施例のローラ押
し込み量と転造品外周のフレとの関係を示す線
図、第9図は本発明の第3実施例に係る転造装置
の一部を示す断面図、第10図は本発明の第3実
施例に係る歯溝のフレを示す説明図、第11図は
本発明の第4実施例に係る転造装置の一部を示す
断面図、第12図は第5実施例に係る転造装置の
一部を示す断面図、第13図は第12図の装置の
正面図、第14図は本発明の第6実施例に係る成
形ローラと変位規制ローラ及び変位規制円板との
関係を示す線図、第15図は従来のローラ押し込
み量と転造品外周のフレとの関係を示す線図であ
る。 10……転造ブランク、30,30A,32,
32A……変位規制円板、42,44……成形ロ
ーラ、46,46A,48,48A……変位規制
ローラ、62,64…テーパ面、70……油圧シ
リンダ。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 被転造品へこの反対方向両側から成形ローラ
    を押圧することにより被転造品の外周を塑性加工
    する2ローラ方式の転造装置であつて、前記被転
    造品と同軸的に配置される少なくとも一個の変位
    規制円板と、前記変位規制円板に対応して成形ロ
    ーラと同軸的に配置されるとともに変位規制円板
    に対し対称的に配される変位規制ローラとを設
    け、前記変位規制ローラを変位規制円板へ反対方
    向両側から押し当てながら転造作業を行うことを
    特徴とした転造装置。 2 前記変位規制ローラは成形ローラと一体に形
    成されることを特徴とした前記特許請求の範囲第
    1項に記載の転造装置。 3 前記変位規制円板は変位規制ローラの押圧に
    も拘らず塑性変形しない剛性体とされることを特
    徴とした前記特許請求の範囲第1項に記載の転造
    装置。 4 前記変位規制円板は変位規制ローラの押圧に
    より塑性変形する塑性体とされたことを特徴とす
    る前記特許請求の範囲第1項に記載の転造装置。 5 前記変位規制円板の外径は被転造品の転造径
    と同一とされることを特徴とした前記特許請求の
    範囲第1項に記載の転造装置。 6 前記変位規制円板と変位規制ローラとの当接
    面はテーパ面とされることを特徴とした前記特許
    請求の範囲第1項に記載の転造装置。 7 前記変位規制円板は軸方向に移動可能で変位
    規制ローラの移動量が変更可能とされることを特
    徴とした前記特許請求の範囲第6項に記載の転造
    装置。 8 前記変位規制円板の外周部がカム形状とさ
    れ、この変位規則円板の回転角が制御されて変位
    規制ローラに当接することを特徴とする前記特許
    請求の範囲第1項に記載の転造装置。 9 前記変位規制ローラは成形ローラと同一の真
    円度歪を有して、同位相で取付けられることを特
    徴とした前記特許請求の範囲第1項に記載の転造
    装置。
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