JP2632573B2 - 薄肉金属部品の転造加工方法および転造加工装置 - Google Patents

薄肉金属部品の転造加工方法および転造加工装置

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JP2632573B2 JP33404888A JP33404888A JP2632573B2 JP 2632573 B2 JP2632573 B2 JP 2632573B2 JP 33404888 A JP33404888 A JP 33404888A JP 33404888 A JP33404888 A JP 33404888A JP 2632573 B2 JP2632573 B2 JP 2632573B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、薄肉金属部品の転造加工方法および転造加
工装置に関し、更に詳しくは、被加工部品である薄肉の
転造ブランクへ成形ローラを押圧することにより該転造
ブランクの外周を塑性加工して成形ローラの外周形状を
転写する薄肉金属部品の転造加工方法および転造加工装
置に関する。
〔従来技術およびその問題点〕
近年、自動車の軽量化やFF化に伴って薄肉リングギア
が多量に使用されるなど薄肉金属部品の需要が拡大し、
それに伴って強度などの性能および精度が高い薄肉金属
部品を得る方法および成形加工装置が望まれている。
ところで、薄肉のリングギアは、従来よりホブ切削法
などの切削加工方法により製造されている。しかしなが
らこのホブ切削法では、大径で歯数の多いリングギアな
どでは切削距離が長くなるため、生産能率が低く、多量
の切屑が排出されるなどの問題がある。更に、この方法
では、薄肉金属部品の高強度化を充分に図ることができ
ない。
一方、金属部品の塑性加工方法として、第2図に示す
ように「被転造品101へ成形ローラ102を押圧することに
より被転造品101の外周103を塑性加工する転造装置104
であって、前記被転造品101と同軸に配置される変位規
制円板105と、前記成形ローラ102と同軸に配置される変
位規制ローラ106とを設け、変位規制ローラ106を変位規
制円板105に押し当てながら転造作業を行うようにした
『転造装置』」(特開昭61−222648号)がある。この転
造装置104により、転造ブランクの変位荷重の不均一に
よるローラ押し込み量の不均一をなくして被転造品101
の真円度を向上することができた。
しかしながらこの転造装置104は、変位規制ローラ105
の剛性が高いため転造品の寸法が一定のものしかできな
い。また、転造品の寸法が熱収縮等で加工中に変化する
ものでは、サイジング時の真円度の矯正効果が不十分と
なる。さらに、転造品の剛性が低く加工によって加工部
分のローラ押込方向の変化が大きいものにおいても同様
にサイジング時の矯正効果が不十分となり、真円度の高
いものが成形できないという問題があった。
そこで、本発明者らは、上述の従来技術の問題点を解
決すべく鋭意研究し、各種の系統的実験を重ねた結果、
本発明を成すに至ったものである。
〔発明の目的〕
本発明の目的は、高い精度を有する薄肉金属部品を塑
性加工する薄肉金属部品の転造加工方法および転造加工
装置を提供するにある。
本発明者らは、上述の従来技術の問題に関し、以下の
ことに着眼した。すなわち、転造装置により被加工部品
に成形ローラを押し当てて塑性加工する場合、該被加工
部品が薄肉であるため被加工部分の成形ローラ押込み方
向の振れが生じ高精度の被加工部品を得ることができな
い。そこで、この被加工部品の振れを抑制することに着
眼し、前記被加工部品側部の少なくとも一方のブランク
保持装置に被加工部品拘束手段を配置することにより被
加工部品の振れ抑制を実現した。
また、従来の転造装置では、転造加工最終段階のサイ
ジング時の寸法制御を十分に行うことができないので、
高精度の薄肉金属部品を得ることができない。そこでサ
イジング時の緻密な寸法制御を実現することに着眼し、
該被加工部品と同軸的に配置した第1変位規制体と前記
成形ローラと同軸的に配置した第2変位規制体とを対向
させ、少なくともその一方を弾性体とした変位規制手段
を配置することにより、成形ローラの押込変位を最適に
制御して高精度の薄肉金属部品を得ることを実現した。
〔第1発明の説明〕 発明の構成 本第1発明の薄肉金属部品の転造加工方法は、ブラン
ク保持装置に保持された薄肉の被加工部品へ成形ローラ
を押圧することにより被加工部品の外周を塑性加工する
転造加工装置に対し、前記被加工部品の加工部分の成形
ローラの押込み方向の動きを規制するように設けた被加
工部品拘束体と、前記被加工部品と同軸的に設けた第1
変位規制体と、前記成形ローラと同軸的にかつ前記第1
変位規制体に対向させた第2変位規制体とを配置し、転
造加工時に発生する被加工部品の成形ローラ押込方向の
振れを前記被加工部品拘束体により規制しながら前記被
加工部品に成形ローラを押圧して塑性成形するととも
に、塑性成形最終段階でのサイジング時に前記第1変位
規制体と第2変位規制体との弾性的当接状態により前記
成形ローラの微小押込変位を制御しながら塑性加工を行
うことを特徴とする。
発明の作用および効果 本第1発明の薄肉金属部品の転造加工方法により、高
い精度を有する薄肉金属部品を製造することができる。
このように、本発明の転造加工方法により上述の効果
が得られるメカニズムについては、次のように考えられ
る。
すなわち、本発明の転造加工方法では、転造加工時に
被加工部品に成形ローラを押圧して塑性成形する際、被
加工部品拘束体により被加工部品の振れを規制しながら
塑性加工を行う。これにより、被加工部品の振れの発生
が抑制されるので、加工精度を悪化させることがない。
また、塑性成形最終段階でのサイジング時において、
第1変位規制体と第2変位規制体との当接状態により前
記成形ローラの微小押込変位を最適に制御しながら塑性
加工を行うので、緻密な寸法制御を行うことができ、高
精度の薄肉金属部品とすることができる。
〔第2発明の説明〕 発明の構成 本第2発明の薄肉金属部品の転造加工装置は、ブラン
ク保持装置に保持された薄肉の被加工部品へ成形ローラ
を押圧することにより被加工部品の外周を塑性加工する
転造加工装置において、前記被加工部品側部の少なくと
も一方のブランク保持装置に配置され、一部に形成した
傾斜面により該被加工部品薄肉部に当接して該被加工部
品加工部分の転造加工時の成形ローラ押込み方向の振れ
を規制する被加工部品拘束手段と、前記ブランク保持装
置に該被加工部品と同軸的に配置した第1変位規制体と
該成形ローラと同軸的にかつ該第1変位規制体と対向す
るように配置した第2変位規制体とからなり、前記第1
変位規制体と該第2変位規制体の少なくとも一方を弾性
体で構成し、該第1変位規制体と該第2変位規制体との
当接中に成形ローラの微小押込を制御する変位規制手段
とを設けてなることを特徴とする。
発明の作用および効果 本第2発明の薄肉金属部品の転造加工装置により、高
い精度を有する薄肉金属部品を製造することができる。
このように、本発明の転造加工装置により上述の効果
が得られるメカニズムについては、次のように考えられ
る。
すなわち、本発明の転造加工装置では、加工時にブラ
ンク保持装置に配置した被加工部品拘束手段により、被
加工部品加工部分の成形ローラ押込み方向の振れを規制
しながら転造加工を行う。これにより、加工精度を悪化
させる被加工部品の振れの発生が抑制されるので、被加
工部品が薄肉であっても高精度の被加工部品を得ること
ができる。
また、本加工装置では、少なくとも一方を弾性体とし
た、被加工部品と同軸的に配置した第1変位規制体と前
記成形ローラと同軸的に配置した第2変位規制体とを対
向させて構成した変位規制手段を配置した。これにより
転造加工最終段階のサイジング時において、成形ローラ
の微小押込変位を最適に制御して寸法制御を十分に行う
ことができるので、高精度の薄肉金属部品を得ることが
できる。
〔第1発明および第2発明のその他の発明の説明〕 以下に、前記第1発明および第2発明のその他の発明
について説明する。
本発明の被加工部品拘束手段は、被加工部品加工部分
の転造加工時の成形ローラ押込み方向の振れを規制する
ためのもので、剛性の高い鋼製材料などからなり、ブラ
ンク保持装置と同軸的に配置された拘束リングや被加工
部品加工部分の全部または一部を拘束するようにした拘
束部品などで構成される。
この被加工部品拘束手段の具体的な構造を例示する
と、以下のようである。
第1の具体例としては、第3図に示すように被加工部
品1Aの一方の側部のブランク保持装置6に配置した傾斜
面を有する拘束リング7Aで構成する。この場合、該拘束
リング7Aは、被加工部品1Aの肉抜で薄くなっている片側
に配置され、該拘束リング7Aの作用により該被加工部品
1A外周部を加工する時に発生する加工面と反対側(ロー
ラ押込方向)への傾れ込みを防止することができる。
第2の具体例としては、第4図に示すように被加工部
品1Bの両方の側部に配置し傾斜面を有する一対のまたは
一体の拘束リング7Bで構成する。この場合、該拘束リン
グ7Bは、被加工部品1Bの肉抜で薄くなっている両側に配
置されているので、該拘束リング7Bの作用により該被加
工部品1B外周部を加工する時に発生する加工面と反対側
(ローラ押込方向)への傾れ込みをより充分に防止する
ことができる。
変位規制手段は、ブランク保持装置に該被加工部品と
同軸的に配置した第1変位規制体と、該成形ローラと同
軸的にかつ該第1変位規制体と対向するように配置した
第2変位規制体とからなり、第1変位規制体と該第2変
位規制体の少なくとも一方を塑性加工に耐えるだけの剛
性を有しかつ変位を積極的に許容するだけの弾性を有す
る金属、高分子材料またはその複合材料などの弾性体で
構成してなる。さらにそれらの双方を弾性体で構成する
ことができ、この場合には変位規制範囲(両者の変位規
制手段の弾性変形量の和)が大きくとれる点で有利であ
る。
変位規制手段は、第1変位規制体と第2変位規制体が
相互に当接した状態下において、サイジング時に成形ロ
ーラの押込荷重が漸増するように成形ローラの押込力を
制御する手段を具備することができる。この場合には、
サイジング時のローラ押込変位を微小にかつ任意にコン
トロールでき、その加工部品の特性に応じた対応が可能
であり、弾性体からなる変位規制体のみで変位規制する
場合よりフレキシビリティに富んだ変位規制が可能であ
り、より高精度なものを成形することができる。
変位規制手段の第1変異規制体は、被加工部品拘束手
段と一体に形成することができる。これにより、被加工
部品加工部のローラ押込方向の振れの抑制を、前記拘束
手段と変位規制体とを同調させて効果的に作用させるこ
とができるため、より精度の高い加工品を得ることがで
きる。
変位規制手段の第2変位規制体は、成形ローラと一体
に形成することができる。これにより、部品点数を減ら
し、成形ローラと変位規制体の動きを完全に同調させる
ことができるため、より精度の高い加工品を得ることが
できる。
〔実施例〕
以下に、本発明の実施例を説明する。
第1実施例 本発明の第1実施例の転造加工装置を、第1図および
第5図を用いて説明する。
本実施例の転造加工装置は、薄肉リングギアの塑性成
形に適用した例である。
本実施例装置は、第1図に示すように、被加工部品1
を保持し、被加工部品拘束手段7および第1変位規制体
8を有するブランク保持装置6と、該ブランク保持装置
6のブランク軸中心に対して平行な位置に対向させた、
第2変位規制体9を有する一対の成形ローラ装置2とか
らなる。
ブランク保持装置6は、ブランク軸60と、圧着アーバ
61、コレット押し拡げ金62、コレット押し金63、バネ6
4、コレット65、圧着リング66により構成され、ブラン
ク軸60に対する各部品の組付け精度は高精度となるよう
にしてある。また、ブランク軸60とコレット65、コレッ
ト押し拡げ金62、圧着リング66は固定で、圧着アーバ61
とコレット押し金63、バネ64は後述するように移動可能
になっている(第1図中のAおよびB方向)。
また、第1変位規制体8は弾性体であって変位規制リ
ング80で構成され、変位規制面81を有し、ブランク軸60
と圧着アーバ61に対してそれぞれ圧入保持されている。
なお、この変位規制リング80の剛性(成形ローラ押込方
向)は、約0.07mm/トン・fである。
被加工部品拘束手段7は、ブランク軸と同軸的にかつ
ブランクの両側に対称的に、しかもそのブランク側の上
端部をブランク加工部分の下部両側と接触して設けた拘
束リング70で構成され、ローラ押込方向への動きを規制
している。なお、該拘束リング70は、変位規制リング80
と圧入により一体的同心的に組付保持されている。
成形ローラ装置2(2A,2B)は、ローラ本体20と側板3
0、31、ローラ軸40、ナット50および第2変位規制体9
とからなり、ブランク保持装置6のブランク軸中心に対
して平行な位置に対向されて配置されている。なお、対
向した両者とも同様の構造であるので、以下ローラ装置
2A(第1図中、右に示した)を中心に説明する。
ローラ軸40は、転造盤の工具台(図示せず)に設けら
れている。側板30、31は、ローラ本体20の側面にボルト
(図示せず)により取付けられてローラ軸40に挿入さ
れ、ナット50によりローラ軸40に強固に高精度に保持さ
れる。なお、ローラ軸40の回転力は、キー41を介してロ
ーラ本体20に伝達される。
第2変位規制体9は、変位規制リング90で構成され、
変位規制面91を有し、ローラ本体20と一体的に保持され
た側板30、31に圧入保持されている。
この実施例転造加工装置を用いて薄肉リングギアの転
造加工を行う時の動作について、以下に説明する。
先ず、ブランク10(被加工部品)の外周11を、高周波
誘導加熱装置により20秒で1000℃まで加熱した。
次に、この加熱したブランク10を、ブランク保持装置
6に保持する。すなわち、まずブランク10の軸穴14をブ
ランク軸60に取付けられたコレット65の周りにセットす
る。この時、ブランク軸穴14とコレット外周面の間は所
定の間隙があり、可動側の圧着アーバ61はブランクと離
間する方向(第1図中のB方向)に後退した位置にある
ため、ブランク10は容易に搬入することができる。
次に、ブランク10を搬入した後、可動側の圧着アーバ
61をブランク10の配設方向(第1図中A方向)に油圧シ
リンダ(図示せず)の動作により前進させる。この時、
まずコレット押し金63の先端がコレット押し拡げ金62に
当接し、バネ64の作用によりコレト押し拡げ金62をコレ
ット65側に向かって押し上げ、コレット65を押し拡げて
ブランク10の軸穴14に密着させ、ブランク10のセンタリ
ングを行う。次に、圧着アーバ61がさらに前進してその
先端面がブランクアーム部13の側面の当接し、ブランク
軸60に取付けられた圧着リング66との間でブランク10が
圧着保持される。このとき、該ブランク10は、その加工
部分の下端部が一対の拘束リング70のブランク側上端部
に接触して支持され、該ブランク加工部分のローラ20押
込方向の動きを規制している。なお本実施例装置は、ブ
ランク軸60に対してコレット65を高精度に芯だししてお
くことにより、ブランク10をブランク軸60に対して高精
度に芯だしした状態で保持できる構造になっている。こ
のとき、ブランク10の振れが0.05mm以内に収まるように
した。
次に、成形ローラ装置2をブランク保持装置6に向か
って当接するように前進させ、転造加工を行う。まず、
成形ローラ装置2を工具台(図示せず:ローラ軸40を取
り付けた移動台)を油圧シリンダとロッド(ともに図示
せず)により移動させて、ブランク保持装置2の方向
(図中、C方向)に移動させる。その時、まず成形ロー
ラ装置2のローラ本体20がブランク保持装置6のブラン
ク10の外周に当接し、押圧されたローラ本体20に形成さ
れている形状がブランク10の外周に転写される。
転造成形工程の最終段階になると、この転造状態でロ
ーラ本体20と同軸的に配置された変位規制リング90の外
周面が、ブランク保持装置6のブランク軸60および圧着
アーバ61に取り付けた変位規制リング80の外周面に当接
し、ローラ押込変位が規制されて緻密な寸法制御が行わ
れる。すなわち、ローラ押込力を制御することにより、
サイジング工程のローラの変位と押込速度を任意に制御
することができる。
この転造加工装置を用いて、転造加工試験を行った。
なお製造する薄肉リングギアの諸元は、モジュール2.
4、歯数65、ねじれ角30゜、外径184mm、歯幅21mm、内径
108mm、アーム部の厚み7mm、リング内径156.5mmであ
る。まず成形ローラ装置2を油圧シリンダ(図示せず)
によりブランク軸方向(図中のC方向)に前進させ、ロ
ーラ外周21を回転させながらブランク外周部11に押し込
んで転造成形を行った。このときの転造条件は、ローラ
回転180r.p.m.、ローラ押込速度3mm/secとし、全転造時
間を8〜15秒とした。また、ブランク10の外周部11は、
転造加工開始時で1000℃、加工終了時で600℃程度にな
るようにした。さらに、サイジング工程においてローラ
押込力を第5図中W1のように5.5〜7.5トン・fまで漸増
させた。また、ブランク10の軸穴14は、コレット65の溝
に水を循環させることにより冷却した。
この転造加工試験の結果、転造歯車の歯溝の振れは50
〜80μm(平均60μm)となった。なおこの転造加工試
験においては、サイジング時に変位規制リング80、90が
弾性変形を生じ、第5図中のS1のように充分なローラ押
込変位を得ることができ、その結果上記のように高精度
の薄肉リングギアが得られたものと思われる。
なお、比較のために、変位規制リング80および90がな
いほかは上述の第1実施例の装置と同様の比較用装置を
用いて、同様の転造加工試験を行った。その結果、転造
歯車の歯溝の振れは、90〜160μm(平均130μm)であ
った。
また、比較のために、拘束リング70がないほかは上述
の第1実施例の装置と同様の比較用装置を用いて、同様
の転造加工試験を行った。その結果、転造歯車の歯溝の
振れは、150〜200μm(平均180μm)であった。な
お、この場合にはブランク外周部の歯の形状は盛上がり
不足であり、完全な歯車形状を得ることができなかっ
た。
第2実施例 本発明の第2実施例の転造装置を、第6図を用いて、
第1実施例との相違点を中心に説明する。
本実施例の転造装置は、第1実施例の転造装置の被加
工部品拘束手段7を被加工部品の片側のみに配置し、第
1変位規制体8を剛性の高い部材と弾性部材とから構成
し、第2変位規制体9を成形ローラ2と一体に構成した
例である。
本実施例装置は、第6図に示すように、ブランク15の
外周部16を円筒状の成形ローラ25の外周部26で平らかに
押しつぶして、該ブランク15の外周部の直径を精度よく
減少させる転造加工装置である。なお、転造加工は冷間
で行い、転造条件はローラ回転速度180r.p.m.、ローラ
押込速度0.5mm/secとし、ローラ径170mm、ブランク直径
190mm、ブランク幅20mmで、成形体の製品直径は184mmで
ある。
ブランク保持装置6は、固定側としてのブランク軸67
と可動側としての圧着アーバ68とからなる。ブランク軸
67の軸穴17とブランク軸67のブランク取付部は、0.05mm
以内のクリアランスとし、ブランク15を取付けた後圧着
アーバ68がブランク軸67側(図中A方向)に前進してブ
ランク15のボス部18の端面を圧着保持する。そしてこの
保持された状態で、ブランク15のリム内面19と拘束リン
グ75の外周面76が当接した状態になるようにする。
成形ローラ25は、ナット55によりローラ軸45に締めつ
け保持され、ローラ軸45の回転力はキー46により伝達さ
れる。
この成形ローラ25をブランク方向(図中C方向)に移
動させることにより、成形ローラ25の外周面26がブラン
ク15の外周面16と当接し、転造加工が開始される。成形
ローラ25の押込みがさらに増すと、成形ローラ25と一体
に形成された第2変位規制体としての該成形ローラ25両
端部近傍の外周面、すなわち変位規制リング外周面96が
ブランク保持装置6側の弾性部材である変位規制体85の
外周面86に当接し、ブランク15と成形ローラ25との間の
変位規制が開始される。このときの規制力は弾性部材で
ある変位規制体85の剛性率により決定されるもので、ロ
ーラ押込みとともに増加する。本実施例では、変位規制
体85の剛性率を0.1mm/t・fとした。成形ローラ25の変
位規制リング部分の外周面96がブランク側の変位規制体
87の外周面88に当接し、ローラの押込みは停止する。な
お、ブランク装置6側の変位規制体の87の剛性を上げる
ために拘束リング75および圧着アーバ68と一体に構成
し、さらにブランク軸67に対して同心度を0.05mm以内と
なるようにしてある。
このブランク装置6側の変位規制体87の外周面88の直
径は184.0mmとし、成形後のブランク直径と同一寸法と
なるようにした。
この実施例装置を用いた転造加工は、ローラ押込みに
要する力は最大で10t・fであり、製品外周面の内径に
体するフレは0.05mm以内に収まった。
なお、比較のために、変位規制体85、87、および96と
拘束リング75を用いないほかは上述の第1実施例の装置
と同様の比較用装置を用いて、同様の転造加工試験を行
った。その結果、ブランクの軸穴が0.2mm以上拡大し、
転造製品の真円度も0.2mm以上に悪化した。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の第1実施例に係る転造加工装置の一部
を示す断面図、第2図は従来の転造装置の一部を示す断
面図、第3図および第4図は本発明の被加工部品拘束手
段の具体例を示す概略構成図、第5図は本発明の第1実
施例における転造時間に対する成形ローラの押込変位−
押込力の関係を示す線図である、第6図は本発明の第2
実施例に係る転造加工装置の一部を示す断面図である。 1……被加工部品 2……成形ローラ装置 6……ブランク保持装置 7……被加工部品拘束手段 8……第1変位規制体 9……第2変位規制体

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ブランク保持装置に保持された薄肉の被加
    工部品へ成形ローラを押圧することにより被加工部品の
    外周を塑性加工する転造加工装置に対し、前記被加工部
    品の加工部分の成形ローラの押込み方向の動きを規制す
    るように設けた被加工部品拘束体と、前記被加工部品と
    同軸的に設けた第1変位規制体と、前記成形ローラと同
    軸的にかつ前記第1変位規制体に対向させた第2変位規
    制体とを配置し、 転造加工時に発生する被加工部品の成形ローラ押込方向
    の振れを前記被加工部品拘束体により規制しながら前記
    被加工部品に成形ローラを押圧して塑性成形するととも
    に、塑性成形最終段階でのサイジング時に前記第1変位
    規制体と第2変位規制体との弾性的当接状態により前記
    成形ローラの微小押込変位を制御しながら塑性加工を行
    うことよりなり、高精度の薄肉部品の成形を実現したこ
    とを特徴とする薄肉金属部品の転造加工方法。
  2. 【請求項2】サイジング時における成形ローラの押込荷
    重が漸増するように成形ローラの押込力を制御してなる
    ことを特徴とする請求項(1)記載の薄肉金属部品の転
    造加工方法。
  3. 【請求項3】ブランク保持装置に保持された薄肉の被加
    工部品へ成形ローラを押圧することにより被加工部品の
    外周を塑性加工する転造加工装置において、 前記被加工部品側部の少なくとも一方のブランク保持装
    置に配置され、一部に形成した傾斜面により該被加工部
    品薄肉部に当接して該被加工部品加工部分の転造加工時
    の成形ローラ押込み方向の振れを規制する被加工部品拘
    束手段と、 前記ブランク保持装置に該被加工部品と同軸的に配置し
    た第1変位規制体と該成形ローラと同軸的にかつ該第1
    変位規制体と対向するように配置した第2変位規制体と
    からなり、前記第1変位規制体と該第2変位規制体の少
    なくとも一方を弾性体で構成し、該第1変位規制体と該
    第2変位規制体との当接中に成形ローラの微小押込を制
    御する変位規制手段とを設けてなり、塑性加工サイジン
    グ時のローラ押込を最適化して高精度の薄肉部品の成形
    を実現したことを特徴とする薄肉金属部品の転造加工装
    置。
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