JPH0549724U - エンドレスチェーンコンベア - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本考案はストッカとしての収容量を増すエン
ドレスチェーンコンベアを提供する。 【構成】 エンドレスチェーン６ａ，６ｂに設けられた
対応する受け台７ａ，７ｂに支持方向と平行な支持軸１
５を挿通しこれに押さえ腕１７を枢支する。そして捩じ
りばね１９によって押さえ腕１７を工作物押さえ方向に
付勢する。コンベアの上部位スプロケットホイール間に
は両端部を傾斜面２２ａとした水平案内板２２を取付
け、押さえ腕１７の下端のローラ２１を当接させる。チ
ェーン６ａ，６ｂの移動では押さえ腕１７が上面を通過
する間は水平案内板２２で押さえ腕１７が前傾して把持
を開け放し、スプロケットホイールを回り下側では押さ
え腕１７が水平案内面から外れて捩じりばねで工作物を
押さえ付けて把持させる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は特に軸物工作物に好適なエンドレスチェーンコンベアの改良に関する 。

【０００２】

【従来の技術】

従来一般に使用されている軸物工作物用のチェーンコンベアは図４に示すよう に機台１の両端に軸受によって回転可能に設けられた駆動軸２，３の両端にそれ ぞれスプロケットホイール４ａ，４ｂ；５ａ，５ｂが固定されており、スプロケ ットホイール４ａ，５ａ；４ｂ，５ｂにそれぞれチェーン６ａ，６ｂがエンドレ スに掛け渡されている。そしてエンドレスチェーン６ａ，６ｂの各リンク８ａ， ８ｂ又は工作物により１個，２個置きの各リンク８ａ，８ｂにＶ形の軸物工作物 受け台７ａ，７ｂが対応位置にそれぞれ取付けられている。駆動軸２端にまたス プロケットホイール９が固着されており、機台１に設けたモータ１０の出力軸の スプロケットホイール１１とチェーン１２で連結されチェーン６ａ，６ｂが巡回 されるようになっている。工作物はチェーン６ａ，６ｂのリンク８ａ，８ｂに取 付けられたＶ形の受け台７ａ，７ｂに載置されてロボット又はローダ１３による 工作物受渡し位置から加工機迄或いは本機加工位置から完成品搬出位置まで搬送 入される。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

このようなチェーンコンベアとロボット・ローダ付の工作機械と組合わせて工 作機械セル若しくはラインに投入されるとき、エンドレスチェーンコンベアそれ 自体がストッカの役割を荷なう場合がある。この場合受け台上に工作物が載置状 態にあるためストック量はコンベアの長さによって制限され、ストック量を多く しようとすると長さを長くしなければならず、長くなるにともないフロアスペー スを増すという不経済な問題がある。 本考案は従来の技術の有するこのような問題点に鑑みなされたもので、その目 的とするところはフロアスペースを増すことなくストック量を増大できるエンド レスチェーンコンベアを提供しようとするものである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

上述の目的を達成するために本考案は、受け台を取り付けたチェーンコンベ アにおいて、前記受け台又は両側受け台に挿通した軸で旋回自在に枢支された押 さえ腕と、該押さえ腕を前記受け台上の工作物を押さえ方向に付勢するばねと、 チェーンコンベアの上部に位置する前記押さえ腕の下端に当接し両端のスプロケ ットホイール間に設けられた案内板とを含んでなり、押さえ腕が上面移動範囲の み案内板でおさえを開放されるものである。

【０００５】

【作用】

コンベアの上面に位置する受け台の押さえ腕はその下端ローラが水平案内板に 当接されて前傾されて受け台上面より逃げる側に開かれていて、この上面でロー ダにより工作物が載置される。チェーンが移動しスプロケットホイールにさしか かった位置で水平案内板の拘束が解かれ、押さえ腕はばねにより工作物を押し込 む。チェーンが下側に回り込んでも押さえ腕により工作物が挟持されているので ストッカとなる。

【０００６】

【実施例】

以下本考案の実施例を図１〜図３にもとづき説明する。 図４と同じ部品は同符号を付して説明を省略する。 このコンベアの左右対応するそれぞれのＶ形受け台７ａ，７ｂの支持中心より 前側外れた位置に支持軸１５が駆動軸２と平行に挿通固定されている。また受け 台のＶ形支持中心寄りに押さえ腕ストッパをかねるばね受け軸１６が平行に挿通 固定されている。そして支持軸１５のほぼ中央に上端をＬ形とする押さえ面を有 する押さえ腕１７がほぼ中央で回転可能に枢支され、両側のスナップリング１８ で軸方向の動きが止められている。支持軸１５には捩じりばね１９が介挿されて いてばねの１端は押さえ腕１７の穴に突っ込まれており、他端はばね受け軸１６ に引掛けられて、押さえ腕１７はばね受け軸１６に当接するように付勢されてい る。そして押さえ腕１７の下端には支持軸１５と平行なピン２０で枢支されたロ ーラ２１が設けられている。

【０００７】 機台１の上部位でチェーン６ａ，６ｂの移動とともに移動する押さえ腕１７の ローラ２１の移動軌跡に水平案内板２２がローラと当接する高さで両端のスプロ ケットホイール間の長さを有し機台１に固定された複数本の支軸２３に取付けら れている。水平案内板２２は両端スプロケットホイール側が傾斜面２２ａに形成 されていてローラ２１との距離が次第に離れるようになされている。 駆動軸２のスプロケットホイール９と反対側端にはチェーンの１ピッチ毎に信 号を発する割出しドッグ２４が固定されていて、駆動軸２の回転で機台１に取付 けたリミットスイッチ２５を作動して、制御装置の指令で駆動されるモータの回 転をチェーンが１ピッチずつ送られるように制御している。

【０００８】 このように構成された本考案の作動を説明する。 上位置にある押さえ腕１７は下端のローラ２１が水平案内板２２と当接されチ ェーン６ａ，６ｂの進行方向に傾斜してＬ形の押さえ面が受け台７ａ，７ｂの支 持面より逃げて開いた位置に置かれている。 ロボット又はローダ１３によって押さえ腕１７が開いているＶ形受け台７ａ， ７ｂ上に軸物工作物素材又は完成品が載置される。制御装置の指令でモータが回 転され、割出しドッグ２４，リミットスイッチ２５の作用で１ピッチ送りされる と再びローダ１３によって軸物工作物が載置される。

【０００９】 このように工作物が載置され順次送られ、スプロケットホイール４ａ，４ｂに 接近した受け台の押さえ腕１７は、水平案内板２２の傾斜面２２ａにかかり傾斜 面とローラとの距離が開き押さえ腕１７は次第に立ち上がる。スプロケット４ａ ，４ｂの上位置において水平案内板２２より離脱した押さえ腕１７は、ねじりば ね１９の力によって軸物工作物を強力に押さえ込みＶ形の受け台７ａ，７ｂとで 挟持する。チェーン６ａ，６ｂがスプロケットホイール４ａ，４ｂを回って下側 に移動されるが、押さえ腕１７により軸物工作物は把持されているので脱落する ことなくストッカの帰りとなる。下側を過ぎスプロケットホイール５ａ，５ｂを 回って上面に出た押さえ腕１７は、水平案内板２２の傾斜面２２ａにローラ２１ が当接して次第に前傾され上位置において押さえ腕１７は軸物工作物の把持を開 放する。 尚、本実施例では押さえ腕１７を支持軸に設けたがＶ形受け台の一方又は両方 の側面に設けることも自由である。

【００１０】

【考案の効果】

上述のようであるので本考案は以下の効果を奏する。 エンドレスチェーンの下側においても工作物を保持することができるので上面 のみ保持可能な従来形に比べて２倍以上のストック量を同一のスペースで確保す ることができる。またエンドレスチェーンには受け台や治具を工作物の有無に関 係なく全周に取付けなければならなかったので治具が特殊で高価な場合には無駄 があって設備費高となる問題が解消された。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案のチェーンコンベア駆動軸部での断面説
明図である。

【図２】図１のＡ−Ａ線視図である。

【図３】押さえ腕部分の斜視図である。

【図４】従来のチェーンコンベアの側面説明図である。

【符号の説明】

１ 機台 ２ 駆動軸 ６ａ，６ｂ チェーン ７ａ，７ｂ
Ｖ形受け台 １５ 支持軸 １６ ばね
受け軸 １７ 押さえ腕 １９ 捩じ
りばね ２２ 水平案内板

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 受け台を取り付けたチェーンコンベアに
   おいて、前記受け台又は両側受け台に挿通した軸で旋回
   自在に枢支された押さえ腕と、該押さえ腕を前記受け台
   上の工作物を押さえ方向に付勢するばねと、チェーンコ
   ンベアの上部に位置する前記押さえ腕の下端に当接し、
   両端のスプロケットホイール間に設けられた案内板とを
   含んでなり、押さえ腕が上面移動範囲のみ案内板でおさ
   えを開放されることを特徴とするエンドレスチェーンコ
   ンベア。