JPH054867A - 磁気ヘツド用非磁性セラミツクス材料及びその製造方法 - Google Patents
磁気ヘツド用非磁性セラミツクス材料及びその製造方法Info
- Publication number
- JPH054867A JPH054867A JP3153233A JP15323391A JPH054867A JP H054867 A JPH054867 A JP H054867A JP 3153233 A JP3153233 A JP 3153233A JP 15323391 A JP15323391 A JP 15323391A JP H054867 A JPH054867 A JP H054867A
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- JP
- Japan
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- ceramic material
- mol
- magnetic head
- firing
- thermal expansion
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- Compositions Of Oxide Ceramics (AREA)
- Magnetic Heads (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 磁気ヘッド用非磁性セラミックス材料を、低
コストで製造するための材料及びその製造方法。 【構成】 CaTiO3を17ないし49モル%,SrTiO3を
49ないし81モル%,TiO2を0ないし2モル%、かつ、
上記3成分の合計を100モル%とした主組成物に対し、
添加物としてP2O5を1.5ないし6モル%含有する組成
物を酸素雰囲気中で常圧焼成により製造する。 【効果】 高価につくHIP焼成処理によらずに高緻密
化され、かつ、必要な熱膨張係数を有する磁気ヘッド用
非磁性セラミックス材料が製造できる。
コストで製造するための材料及びその製造方法。 【構成】 CaTiO3を17ないし49モル%,SrTiO3を
49ないし81モル%,TiO2を0ないし2モル%、かつ、
上記3成分の合計を100モル%とした主組成物に対し、
添加物としてP2O5を1.5ないし6モル%含有する組成
物を酸素雰囲気中で常圧焼成により製造する。 【効果】 高価につくHIP焼成処理によらずに高緻密
化され、かつ、必要な熱膨張係数を有する磁気ヘッド用
非磁性セラミックス材料が製造できる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えばフロッピーディ
スクヘッド,ハードディスクヘッド等の各種磁気ヘッド
の構成に欠くことの出来ないスライダあるいはスペーサ
として使用される。非磁性セラミックス材料及びその製
造方法に関するものである。
スクヘッド,ハードディスクヘッド等の各種磁気ヘッド
の構成に欠くことの出来ないスライダあるいはスペーサ
として使用される。非磁性セラミックス材料及びその製
造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、特に進歩が著しい磁気記録の高密
度化,高信頼性化に伴い、スライダ材料について高緻密
化が要請されている。
度化,高信頼性化に伴い、スライダ材料について高緻密
化が要請されている。
【0003】ところで従来、磁気ヘッドの製作は、Mn
‐Znフェライトコアとスライダとをガラスにより接着
する方法が一般的であり、スライダとの熱膨張係数の違
いに起因する接着時のコアクラック及びコア歪みによる
磁気特性劣化を防止するため、25〜350℃での熱膨張係
数110〜117(×10~7/℃)を有するCaTiO3,SrTiO3
を主成分とするチタニアを用いていた。なお、このCa
TiO3とSrTiO3固溶体の組成と熱膨張係数の関係に
ついては、特公昭52−30162号公報において詳述されて
いる。しかしながらこのチタニアの常圧焼成における緻
密化は不十分であり、高緻密化達成を優先させる熱間静
水圧焼成法(HIP焼成法)を基本とする製法が用いられ
ていた。
‐Znフェライトコアとスライダとをガラスにより接着
する方法が一般的であり、スライダとの熱膨張係数の違
いに起因する接着時のコアクラック及びコア歪みによる
磁気特性劣化を防止するため、25〜350℃での熱膨張係
数110〜117(×10~7/℃)を有するCaTiO3,SrTiO3
を主成分とするチタニアを用いていた。なお、このCa
TiO3とSrTiO3固溶体の組成と熱膨張係数の関係に
ついては、特公昭52−30162号公報において詳述されて
いる。しかしながらこのチタニアの常圧焼成における緻
密化は不十分であり、高緻密化達成を優先させる熱間静
水圧焼成法(HIP焼成法)を基本とする製法が用いられ
ていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで上記HIP焼
成法は、1000(kg/cm2)以上にも及ぶ高圧ガス下による
焼成法であり、高圧ガスは加熱初期に充填されたAr等
の不活性ガスの加熱による高圧化によって得られるた
め、ある程度の還元は避けられない。故に、HIP焼成
による緻密な焼結体は、一次焼成と呼ばれる常圧焼成に
よって作製された、ある程度の緻密な焼結体をHIP焼
成し、更に酸化雰囲気での再焼成によって得られたもの
である。
成法は、1000(kg/cm2)以上にも及ぶ高圧ガス下による
焼成法であり、高圧ガスは加熱初期に充填されたAr等
の不活性ガスの加熱による高圧化によって得られるた
め、ある程度の還元は避けられない。故に、HIP焼成
による緻密な焼結体は、一次焼成と呼ばれる常圧焼成に
よって作製された、ある程度の緻密な焼結体をHIP焼
成し、更に酸化雰囲気での再焼成によって得られたもの
である。
【0005】以上のようにHIP焼成は高緻密化には有
利であるが、常圧焼成と比較し工程数が増し、また設備
は高温・高圧用となるため高価であり、大きさが数mm角
の小さいスライダ製造に実施するにはコスト高になる欠
点を有している。
利であるが、常圧焼成と比較し工程数が増し、また設備
は高温・高圧用となるため高価であり、大きさが数mm角
の小さいスライダ製造に実施するにはコスト高になる欠
点を有している。
【0006】本発明は上記の欠点を排除する磁気ヘッド
用非磁性セラミックス材料及び、その製造方法の提供を
目的とする。
用非磁性セラミックス材料及び、その製造方法の提供を
目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、磁気ヘッド用
非磁性セラミックスとして、CaTiO3を17ないし49モ
ル%,SrTiO3を49ないし81モル%,TiO2を0ない
し2モル%からなり、かつ、上記3成分の合計を100モ
ル%の主組成物に対し、添加物としてP2O5を1.5ない
し6モル%含有する組成物の焼結体を得ること及びその
製造方法として、常圧焼成雰囲気として酸素雰囲気中で
焼成することにある。
非磁性セラミックスとして、CaTiO3を17ないし49モ
ル%,SrTiO3を49ないし81モル%,TiO2を0ない
し2モル%からなり、かつ、上記3成分の合計を100モ
ル%の主組成物に対し、添加物としてP2O5を1.5ない
し6モル%含有する組成物の焼結体を得ること及びその
製造方法として、常圧焼成雰囲気として酸素雰囲気中で
焼成することにある。
【0008】
【作用】本発明によれば、αCaTiO3+βSrTiO3+
γTiO2(ただし、α+β+γ=100,17≦α≦49,49≦
β≦81,0≦γ≦2)相当の、CaTiO3とSrTiO3の
固溶体とTiO2の混合相からなる主組成物の緻密化を、
P2O5の割合を適度な値に設定することによって生ずる
焼成時の液相によって高めることができる。
γTiO2(ただし、α+β+γ=100,17≦α≦49,49≦
β≦81,0≦γ≦2)相当の、CaTiO3とSrTiO3の
固溶体とTiO2の混合相からなる主組成物の緻密化を、
P2O5の割合を適度な値に設定することによって生ずる
焼成時の液相によって高めることができる。
【0009】
【実施例】以下、本発明を一実施例により詳述する。
【0010】CaTiO3,SrTiO3,TiO2は市販され
ている平均粒径0.5μm以下、純度99%以上の粉末を用い
た。P化合物としてはH3PO4を用いた。試料は表1に
示す組成に秤量し、ボールミルで水による湿式混合を6
時間行った。乾燥後不透明石英の角槽と電気炉を用い
て、表1に示す1140℃の仮焼温度,大気雰囲気で6時間
の仮焼を行った。なお、表1に示す試料No1,8,15の
仮焼粉の組成が、次反応式(1),(2),(3)により請求項
1の主組成物組成になることは公知である。
ている平均粒径0.5μm以下、純度99%以上の粉末を用い
た。P化合物としてはH3PO4を用いた。試料は表1に
示す組成に秤量し、ボールミルで水による湿式混合を6
時間行った。乾燥後不透明石英の角槽と電気炉を用い
て、表1に示す1140℃の仮焼温度,大気雰囲気で6時間
の仮焼を行った。なお、表1に示す試料No1,8,15の
仮焼粉の組成が、次反応式(1),(2),(3)により請求項
1の主組成物組成になることは公知である。
【0011】
反応式(1)、25CaCO3+24.5SrCO3+50.5TiO2
→25CaTiO3+24.5SrTiO3+1TiO2+49.5CO2 ↑
≡49.5CaTiO3+48.5SrTiO3+2TiO2
(2)、15CaCO3+34.5SrCO3+50.5TiO2
→15CaTiO3+34.5SrTiO3+1TiO2+49.5CO2 ↑
≡30CaTiO3+68SrTiO3+2TiO2
(3)、8.5CaCO3+41SrCO3+50.5TiO2
→8.5CaTiO3+41SrTiO3+1TiO2+49.5CO2 ↑
≡17CaTiO3+81SrTiO3+2TiO2
これらの仮焼粉をジェットミル粉砕機によって平均粒度
0.8μm以下にまで粉砕し、この粉砕粉をボールミルでア
ニオン分散剤とPVAバインダと水により8時間粉砕
し、遠心噴霧タイプの造粒機にて乾燥・造粉を行なっ
た。さらに、この造粒粉を圧力1.0torr/cm2で成形し、
温度1340℃で、酸素雰囲気,大気雰囲気中にて焼成し
た。
0.8μm以下にまで粉砕し、この粉砕粉をボールミルでア
ニオン分散剤とPVAバインダと水により8時間粉砕
し、遠心噴霧タイプの造粒機にて乾燥・造粉を行なっ
た。さらに、この造粒粉を圧力1.0torr/cm2で成形し、
温度1340℃で、酸素雰囲気,大気雰囲気中にて焼成し
た。
【0012】焼成は、管状炉中に大気,酸素ガスを循環
させた雰囲気により、昇温速度150(℃/hr)で、1340℃
まで加熱した後3時間保持し、降温速度200(℃/hr)以
下で100℃まで冷却するという方法をとった。
させた雰囲気により、昇温速度150(℃/hr)で、1340℃
まで加熱した後3時間保持し、降温速度200(℃/hr)以
下で100℃まで冷却するという方法をとった。
【0013】得られた試料の緻密化は、切り出した試料
の3μm、ダイヤモンド粉を用いた湿式ラップ仕上げの
研磨面における気孔の分布量から求めた気孔率によって
評価した。試料の熱膨張係数は、示差膨張方式により25
℃ないし350℃における平均線膨張係数から求めた。
の3μm、ダイヤモンド粉を用いた湿式ラップ仕上げの
研磨面における気孔の分布量から求めた気孔率によって
評価した。試料の熱膨張係数は、示差膨張方式により25
℃ないし350℃における平均線膨張係数から求めた。
【0014】表2は、得られた試料の気孔率と熱膨張係
数を示している。
数を示している。
【0015】図1はP2O5換算の添加物量と熱膨張係数
の関係を示したものである。
の関係を示したものである。
【0016】表1,表2,図1の結果によれば、添加物
H3PO4と主組成物原料CaCO3,SrCO3,TiO2の
混合物を仮焼した組成物を原料とし、かつ、酸素雰囲気
を用いれば、常圧焼成によっても極めて緻密で、かつ必
要な熱膨張係数を有する焼結体が得られることは明らか
である。
H3PO4と主組成物原料CaCO3,SrCO3,TiO2の
混合物を仮焼した組成物を原料とし、かつ、酸素雰囲気
を用いれば、常圧焼成によっても極めて緻密で、かつ必
要な熱膨張係数を有する焼結体が得られることは明らか
である。
【0017】なお、P2O5の添加量を1.5ないし6モル
%としたのは、1.5モル%以下であると液相が少なく緻
密化効果が劣り、6モル%以上であると被加工性が劣る
からである。
%としたのは、1.5モル%以下であると液相が少なく緻
密化効果が劣り、6モル%以上であると被加工性が劣る
からである。
【0018】以上説明したように本発明は、試料No2な
いし7,9ないし14,16ないし21の酸素雰囲気常圧焼成
にみるように、必要な熱膨張係数を有する緻密な焼結体
を得ることが出来る。
いし7,9ないし14,16ないし21の酸素雰囲気常圧焼成
にみるように、必要な熱膨張係数を有する緻密な焼結体
を得ることが出来る。
【0019】
【表1】
【0020】
【表2】
【0021】
【発明の効果】以上説明したように本発明は、必要な熱
膨張係数を有する緻密な磁気ヘッド用セラミックスが常
圧焼成法によって手間を要せず、高価なHIP装置を用
いることなく製造が可能となり、産業上に寄与する効果
は極めて高いものである。
膨張係数を有する緻密な磁気ヘッド用セラミックスが常
圧焼成法によって手間を要せず、高価なHIP装置を用
いることなく製造が可能となり、産業上に寄与する効果
は極めて高いものである。
【図1】P2O5換算の添加物H3PO4の割合と熱膨張係
数との関係を示す図である。
数との関係を示す図である。
Claims (2)
- 【請求項1】 CaTiO3を17ないし49モル%,SrTi
O3を49ないし81モル%及びTiO2を0ないし2モル%
からなり、かつ、上記3成分の合計を100モル%とした
主組成物に対し、添加物としてP2O5を1.5ないし6モ
ル%含有する組成物を焼成して形成したことを特徴とす
る磁気ヘッド用非磁性セラミックス材料。 - 【請求項2】 請求項1に記載する組成物のCaTi
O3,SrTiO3,TiO2及びP2O5の常圧焼成を酸素雰
囲気中で行なうことを特徴とする磁気ヘッド用非磁性セ
ラミックス材料の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3153233A JPH054867A (ja) | 1991-06-25 | 1991-06-25 | 磁気ヘツド用非磁性セラミツクス材料及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3153233A JPH054867A (ja) | 1991-06-25 | 1991-06-25 | 磁気ヘツド用非磁性セラミツクス材料及びその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH054867A true JPH054867A (ja) | 1993-01-14 |
Family
ID=15557968
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3153233A Pending JPH054867A (ja) | 1991-06-25 | 1991-06-25 | 磁気ヘツド用非磁性セラミツクス材料及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH054867A (ja) |
-
1991
- 1991-06-25 JP JP3153233A patent/JPH054867A/ja active Pending
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